JPH0827129A - 環状ポリアミン化合物及びそれを有効成分とする抗ウィルス剤 - Google Patents

環状ポリアミン化合物及びそれを有効成分とする抗ウィルス剤

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JPH0827129A
JPH0827129A JP16502894A JP16502894A JPH0827129A JP H0827129 A JPH0827129 A JP H0827129A JP 16502894 A JP16502894 A JP 16502894A JP 16502894 A JP16502894 A JP 16502894A JP H0827129 A JPH0827129 A JP H0827129A
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Japan
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cyclic polyamine
alkylene
polyamine
cyclic
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JP16502894A
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Masaaki Iwata
正彰 岩田
Naoki Yamamoto
直樹 山本
Hideki Nakajima
秀喜 中島
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗ウイルス剤として有用な新規な化合物、及
びこの化合物を有効成分として含有する新規な抗ウイル
ス剤の提供。 【構成】 炭素数2、3又は4のアルキレン鎖と窒素含
有基−X−とを交互に連結してなり、前記−X−が−N
H−であり、かつ前記アルキレン鎖を3〜20コ含む環
状ポリアミン化合物。炭素数2、3又は4のアルキレン
鎖と窒素含有基−X−とを交互に連結してなり、前記−
X−が−NH−であり、かつ前記アルキレン鎖を3〜2
0コ含む環状ポリアミン基をアルキレン鎖で連結したビ
ス及びトリス環状ポリアミン化合物。上記環状ポリアミ
ン基の−X−が4級アンモニウム(=N+ =)である環
状ポリアミンアンモニウム基と上記環状ポリアミン基と
からなり、合計3〜6コの環をアルキレン鎖で連結した
マルチキス環状ポリアミンアンモニウム化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な環状ポリアミン
化合物、さらに詳しくは、新規な1〜3コの環状ポリア
ミン基を有する環状ポリアミン化合物、及び3〜6コの
環状ポリアミン基を有する環状ポリアミンアンモニウム
化合物、並びにこれらの化合物を有効成分として含有す
る抗ウイルス剤に関する。
【0002】
【発明の背景】天然ポリアミン(例えば、スペルミジ
ン、スペルミン、サーモスペルミン、サーミン)は細胞
内機能調整物質として知られ、これらとDNA、RN
A、タンパク質等との分子間相互作用が明らかとなって
いる。そこで本発明者らは、天然ポリアミンに固有なこ
の性質を利用することを目的として、まず、長鎖状ポリ
アミン誘導体及び環状ポリアミン誘導体を合成した〔特
開平2−73063号、特開平2−117653号〕。
さらに環状ポリアミン誘導体を積層した積層環状ポリア
ミン誘導体の合成にも成功した〔特願平5−23663
号、特願平5−71147号〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エイズは、
エイズウイルスにより引き起こされることは明らかとな
っているが、有効な治療法は見つかっておらず、患者数
は急激に増加している。このような中、抗エイズウイル
ス剤として種々の化合物が提案されている。例えば、ア
ジドチミジン(AZT)やジデオキシイノシン(dd
I)及びジデオキシアデノシン(ddA)等であ。AZ
Tは臨床的に効果があるとされ、市販されているが薬剤
耐性や副作用の問題が指摘されている。またddI及び
ddAは臨床レベルで試験が行われている。そこで本発
明の目的は、抗ウイルス剤として有用な新規な化合物を
提供すること、及びこれらの新規な化合物を有効成分と
して新規な抗ウイルス剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素数2、3
又は4のアルキレン鎖と窒素含有基−X−とを交互に連
結してなり、前記−X−が−NH−であり、かつ前記ア
ルキレン鎖を3〜20コ含む環状ポリアミン化合物に関
する。
【0005】さらに本発明は、炭素数2、3又は4のア
ルキレン鎖と窒素含有基−X−とを交互に連結してな
り、前記アルキレン鎖を3〜20コ含み、前記−X−の
1つが−N=であり、残りの−X−が−NH−である
か、又は残りの−X−の1つが−N−(CH)n Pht
h基(但し、nは2、3又は4である)であり、その残
りが−NH−である環状ポリアミン基を2つ含み、該2
つの環状ポリアミン基が、該環状ポリアミン基中の前記
−N=と結合した環外の炭素数2、3又は4のアルキレ
ン鎖を介して連結されているビス環状ポリアミン化合物
に関する。
【0006】また、本発明は、炭素数2、3又は4のア
ルキレン鎖と窒素含有基−X−とを交互に連結してな
り、前記−X−の1つが=N−アルキレン(但し、アル
キレンは炭素数が2、3又は4である)であり、残りの
−X−が−NH−であり、かつ環内に前記アルキレン鎖
を3〜20コ含む環状ポリアミン基Aと炭素数2、3又
は4のアルキレン鎖と−Xとを交互に連結してなり、前
記−X−の2つが−N=であり、残りの−X−が−NH
−であり、かつ環内に前記アルキレン鎖を3〜20コ含
む環状ポリアミン基Bとを含み、2つの環状ポリアミン
基Aと1つの環状ポリアミン基Bとが、各環状ポリアミ
ン基Aの=N−アルキレンの末端が環状ポリアミン基B
の=N−とそれぞれ結合して連結されているトリス環状
ポリアミン化合物に関する。
【0007】加えて、本発明は、1つの単環又はビス環
状ポリアミンアンモニウム基と2つの単環又はビス環状
ポリアミン基とからなり、かつ合計3〜6コの環からな
るマルチキス環状ポリアミンアンモニウム化合物であっ
て、(1)単環式環状ポリアミンアンモニウム基Cは、
炭素数2、3又は4のアルキレン鎖と窒素含有基−X−
とを交互に連結してなり、前記アルキレン鎖を3〜20
コ含み、かつ前記−X−の1つが4級アンモニウム(=
+ =)であり、残りが−NH−である基であり、
(2)ビス環状ポリアミンアンモニウム基ADは、炭素
数2、3又は4のアルキレン鎖と窒素含有基−X−とを
交互に連結してなり、前記アルキレン鎖を3〜20コ含
み、前記−X−の1つが4級アンモニウム(=N+ =)
であり、前記−X−の1つが−N=であり、残りの−X
−が−NH−である環状ポリアミンアンモニウム基D
と、 炭素数2、3又は4のアルキレン鎖と窒素含有基−X−
とを交互に連結してなり、前記−X−の1つが−N=で
あり、残りの−X−が−NH−であり、かつ前記アルキ
レン鎖を3〜20コ含む環状ポリアミン基Aとを含み、 前記環状ポリアミンアンモニウム基Dと前記環状ポリア
ミン基Aとが、一端が前記環状ポリアミン基の=N−と
結合し、他端が前記環状ポリアミンアンモニウム基の=
N−と結合している、炭素数が2、3又は4である2つ
の環外のアルキレン鎖を介して連結されている基であ
り、(3) 単環式環状ポリアミン基Aは、炭素数2、
3又は4のアルキレン鎖と窒素含有基−X−とを交互に
連結してなり、前記−X−の1つが=N−アルキレン
(但し、アルキレンは炭素数が2、3又は4である)で
あり、残りが−NH−であり、かつ環内に前記アルキレ
ン鎖を3〜20コ含む基であり、(4) ビス環状ポリ
アミン基ABは、炭素数2、3又は4のアルキレン鎖と
窒素含有基−X−とを交互に連結してなり、前記−X−
の2つが=N−アルキレン(但し、アルキレンは炭素数
が2、3又は4である)であり、残りの−X−が−NH
−であり、環内に前記アルキレン鎖を3〜20コ含む環
状ポリアミンBと、炭素数2、3又は4のアルキレン鎖
と−Xとを交互に連結してなり、前記−X−の1つが−
N=であり、残りの−X−が−NH−であり、かつ環内
に前記アルキレン鎖を3〜20コ含む環状ポリアミン基
Aとを含み、 前記環状ポリアミン基BとAとが、環状ポリアミン基B
の=N−アルキレンの末端が環状ポリアミン基Aの=N
−と結合して連結されている基であり、(5) 1つの
環状ポリアミンアンモニウム基C又はADと2つの環状
ポリアミン基A又はABとが、環状ポリアミン基の残り
の=N−アルキレンの末端が環状ポリアミンアンモニウ
ム基の4級アンモニウム(=N+ =)と結合して連結さ
れている、 マルチキス環状ポリアミンアンモニウム化合物に関す
る。
【0008】さらに、本発明は、前記の化合物及びそれ
らの医薬上許容される塩とからなる群から選ばれる少な
くとも1種の化合物を有効成分として含有する抗ウイル
ス剤、特に抗エイズウィルス剤に関する。
【0009】以下本発明について説明する。尚、本明細
中、Bnはベンジル基、Msはメジル基(SO2
3 )、Tsはトシル基(SO2 64 CH3 )、P
hthはフタロイル基をそれぞれ示す。
【0010】単環式環状ポリアミン化合物 本発明の単環式環状ポリアミン化合物は、炭素数2、3
又は4のアルキレン鎖と窒素含有基−X−とを交互に連
結してなり、前記−X−が−NH−であり、かつ前記ア
ルキレン鎖を3〜20コ含む環状ポリアミン化合物であ
る。一つの化合物には、炭素数2、3又は4のアルキレ
ン鎖のいずれか一種のみが含まれるか、または炭素数2
のアルキレン鎖、炭素数3のアルキレン鎖と炭素数4の
アルキレン鎖の2種以上が含まれていても良い。また、
2種以上のアルキレン鎖が含まれる場合、アルキレン鎖
の並び方は、規則的であっても、不規則的であっても良
い。また、1つの化合物中のアルキレン鎖の数は、3〜
20コであるが、より一般的には、5〜15コである。
尚、本発明の単環式環状ポリアミン化合物は下記の一般
式(I)で表すことができる。式中Alkはアルキレン
鎖を表し、aは1〜18の整数である。
【0011】
【化1】
【0012】本発明の単環式環状ポリアミン化合物の例
〔134、235、333、434、552〕を、下記に示す。
尚、化合物番号の後の添字(数字)は、環を構成する炭
素及び窒素原子の数の合計である。
【0013】
【化2】
【0014】ビス環状ポリアミン化合物 本発明のビス環状ポリアミン化合物は、炭素数2、3又
は4のアルキレン鎖と窒素含有基−X−とを交互に連結
してなり、前記アルキレン鎖を3〜20コ含み、前記−
X−の1つが−N=であり、残りの−X−が−NH−で
あるか、又は残りの−X−の1つが−N−(CH)n
Phth基(但し、nは2、3又は4である)であり、
その残りが−NH−である環状ポリアミン基を2つ含
み、該2つの環状ポリアミン基が、該環状ポリアミン基
中の前記−N=と結合した環外の炭素数2、3又は4の
アルキレン鎖を介して連結されている化合物である。ビ
ス環状ポリアミン化合物の環状ポリアミン基は独立に、
炭素数2、3又は4のアルキレン鎖のいずれか一種のみ
が含まれるか、または炭素数2のアルキレン鎖、炭素数
3のアルキレン鎖及び炭素数4のアルキレン鎖の2種以
上が含まれていても良い。また、2種以上のアルキレン
鎖が含まれる場合、アルキレン鎖の並び方は、規則的で
あっても、不規則的であっても良い。また、1つの環状
ポリアミン基中のアルキレン鎖の数は、3〜20コであ
るが、より一般的には、5〜15コである。
【0015】さらに、2つの環状ポリアミン基は、同一
でも異なっていても良い。また、2つの環状ポリアミン
基を連結するアルキレン鎖は、エチレン鎖、プロピレン
鎖及びブチレン鎖のいずれであっても良い。尚、本発明
のビス環状ポリアミン化合物は下記一般式(II)で表
すことができる。式中Alkはアルキレン鎖を表し、b
及びcは1〜18の整数である。さらに、各ポリアミン
環について=NHのいずれか1つが、=N−(CH)n
NPhth基であることもできる。
【0016】
【化3】
【0017】本発明のビス環状ポリアミン化合物の例
〔612、71221、81229、916p 、1021、1129、1
30、1330〕を下記に示す。尚、化合物番号の後の添
字(数字)は、1つの環を構成する炭素及び窒素原子の
数の合計であり、同一の環状ポリアミン基2つからなる
化合物の場合は、一方のみ(2桁)記載し、異なる2つ
の環状ポリアミン基からなる化合物の場合には、各環の
数(4桁)を標記した。また、pは−(CH)n NPh
th基を有することを意味する。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】トリス環状ポリアミン化合物 本発明のトリス環状ポリアミン化合物は、2つの環状ポ
リアミン基Aの間に1つの環状ポリアミン基Bを配置し
たものである。環状ポリアミン基Aは、炭素数2、3又
は4のアルキレン鎖と窒素含有基−X−とを交互に連結
してなり、前記−X−の1つが=N−アルキレン(但
し、アルキレンは炭素数が2、3又は4である)であ
り、残りの−X−が−NH−であり、かつ環内に前記ア
ルキレン鎖を3〜20コ含む。環状ポリアミン基Bは、
炭素数2、3又は4のアルキレン鎖と−Xとを交互に連
結してなり、前記−X−の2つが−N=であり、残りの
−X−が−NH−であり、かつ環内に前記アルキレン鎖
を3〜20コ含む。環状ポリアミン基A及びBには、炭
素数2、3又は4のアルキレン鎖のいずれか一種のみが
含まれるか、または炭素数2のアルキレン鎖、炭素数3
のアルキレン鎖と炭素数4のアルキレン鎖の2種以上が
含まれていても良い。また、2種以上のアルキレン鎖が
含まれる場合、アルキレン鎖の並び方は、規則的であっ
ても、不規則的であっても良い。また、1つの環状ポリ
アミン基中のアルキレン鎖の数は、3〜20コである
が、より一般的には、5〜15コである。さらに、3つ
の環状ポリアミン基は、同一でも異なっていても良い。
また、環状ポリアミン基ABを連結するアルキレン鎖
は、エチレン鎖、プロピレン鎖及びブチレン鎖のいずれ
であっても良い。尚、本発明のトリス環状ポリアミン化
合物は下記一般式(III)で表すことができる。式中
Alkはアルキレン鎖を表し、d、及びgは1〜18の
整数であり、e及びfは合計が1〜18の整数である。
【0021】
【化6】
【0022】本発明のトリス環状ポリアミン化合物の例
〔211216T 、221226T 、232126T 、243026T
を下記に示す。尚、化合物番号の後の添字(数字)は、
1つの環を構成する炭素及び窒素原子の数の合計であ
り、前2桁は、環状ポリアミン基Aについての数であ
り、後2桁は、環状ポリアミン基Bについての数を標記
した。また、Tは同種の環状ポリアミン基Aを2つ用い
たことを意味する。
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】マルチキス環状ポリアミンアンモニウム化
合物 本発明のマルチキス環状ポリアミンアンモニウム化合物
は、1つの単環又はビス環状ポリアミンアンモニウム基
(C又はAD)と2つの単環又はビス環状ポリアミン基
(A又はAB)とからなり、かつ合計3〜6コの環から
なるマルチキス環状ポリアミンアンモニウム化合物であ
る。即ち、環の組み合わせとしては、例えばA−C−
A、A−AD−A、AB−C−AB、AB−AD−A
B、A−ABD−AB、A−ABBD−Aがある。 (1)単環式環状ポリアミンアンモニウム基C 単環式環状ポリアミンアンモニウム基Cは、炭素数2、
3又は4のアルキレン鎖と窒素含有基−X−とを交互に
連結してなり、前記アルキレン鎖を3〜20コ含み、か
つ前記−X−の1つが4級アンモニウム(=N+ =)で
あり、残りが−NH−である基である。炭素数2、3又
は4のアルキレン鎖のいずれか一方のみがまれるか、ま
たは炭素数3のアルキレン鎖と炭素数4のアルキレン鎖
の両方が含まれていても良い。また、炭素数3のアルキ
レン鎖と炭素数4のアルキレン鎖の両方が含まれる場
合、炭素数3のアルキレン鎖と炭素数4のアルキレン鎖
の並び方は、規則的であっても、不規則的であっても良
い。また、1つの環中のアルキレン鎖の数は、3〜20
コであるが、より一般的には、5〜15コである。
【0026】(2)ビス環状ポリアミンアンモニウム基
AD ビス環状ポリアミンアンモニウム基ADは、環状ポリア
ミンアンモニウム基Dと環状ポリアミン基Aとが、炭素
数が2、3又は4である2つの環外のアルキレン鎖を介
して連結されている基である。環状ポリアミンアンモニ
ウム基Dは、炭素数2、3又は4のアルキレン鎖と窒素
含有基−X−とを交互に連結してなり、前記アルキレン
鎖を3〜20コ含み、前記−X−の1つが4級アンモニ
ウム(=N+ =)であり、前記−X−の1つが−N=で
あり、残りの−X−が−NH−である。炭素数2、3又
は4のアルキレン鎖のいずれか一種のみが含まれるか、
または炭素数2のアルキレン鎖、炭素数3のアルキレン
鎖と炭素数4のアルキレン鎖の2種以上が含まれていて
も良い。また、2種以上のアルキレン鎖のが含まれる場
合、アルキレン鎖の並び方は、規則的であっても、不規
則的であっても良い。また、1つの環中のアルキレン鎖
の数は、3〜20コであるが、より一般的には、5〜1
5コである。環状ポリアミン基Aは、前記で説明の通り
である。環状ポリアミンアンモニウム基Dと環状ポリア
ミン基Aとは、それぞれの基の=N−同士が炭素数が
2、3又は4である2つの環外のアルキレン鎖を介して
連結されて、ビス環状ポリアミンアンモニウム基ADを
形成している。連結に用いるアルキレン鎖は、エチレン
鎖、プロピレン鎖及びブチレン鎖のいずれであっても良
い。
【0027】(3)単環式環状ポリアミン基A 単環式環状ポリアミン基Aは、前記で説明した通りであ
る。 (4)ビス環状ポリアミン基AB ビス環状ポリアミン基ABは、環状ポリアミンBと環状
ポリアミン基Aとを連結したものである。環状ポリアミ
ンBは、−X−の2つが=N−アルキレンである以外
は、環状ポリアミンAと同様の基である。 (5)1つの環状ポリアミンアンモニウム基C又はAD
と2つの環状ポリアミン基A又はABとが、環状ポリア
ミン基A又はABの残りの=N−アルキレンの末端が環
状ポリアミンアンモニウム基C又はADの4級アンモニ
ウム(=N+ =)と結合して連結されている。 尚、本発明のマルチキス環状ポリアミンアンモニウム化
合物は下記一般式(IV)で表すことができる。式中A
lkはアルキレン鎖を表し、Rは水素原子又は式(V)
で表される環状ポリアミン基Aであり、hとiとの合
計、jとkとの合計、lとmとの合計はそれぞれ1〜1
8の整数であり、nは1〜18の整数である。
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】本発明のマルチキス環状ポリアミン化合物
の例〔1412A 、1521A 、1629A 、1730A 、18
30A 、191224A 、201214A 〕を下記に示す。尚、化
合物番号の後の添字(数字)は、1つの環を構成する炭
素及び窒素原子の数の合計であり、2桁の場合は、A−
C−Aからなる環状ポリアミン化合物である。4桁の場
合には、A−AD−A又はAB−AD−ABのタイプの
環状ポリアミン化合物についての数を標記し、2種類あ
る環の一方の環の炭素と窒素原子の数の合計を前2桁で
示し、他方の環の炭素と窒素原子の数の合計を後2桁で
示した。また、Aはアンモニウム化合物であることを意
味する。
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】本発明の化合物は、いずれも新規の化合物
である。単環式環状ポリアミン化合物の製造方法 本発明の単環式環状ポリアミン化合物は、特開平2−1
17653号に記載の方法により得られるトシル基を保
護基として有するポリアミン誘導体から脱保護すること
により得られる。トシル基で保護された環状ポリアミン
誘導体のアミン基をアミンの臭素酸塩または塩酸塩は、
公知の手法(M.W. Hosseini and J.-M.Lehn, Helv.Chim.
Acta, 69,587(1986))を修飾して単離することができ
る。
【0036】ビス及びトリス環状ポリアミン化合物並び
にマルチキス環状ポリアミンアンモニウム化合物の製造
方法 本発明のビス及びトリス環状ポリアミン化合物並びにマ
ルチキス環状ポリアミンアンモニウム化合物は、スキー
ム1〜10に示す合成経路に従って中間体であるトシル
基で保護された環状ポリアミン誘導体を合成し、さらに
得られた環状ポリアミン誘導体のアミン基をアミンの臭
素酸塩または塩酸塩として得ることができる。
【0037】本発明の抗ウイルス剤は、前記化合物及び
それらの医薬上許容される塩とからなる群から選ばれる
少なくとも1種の化合物を有効成分として含有するもの
である。医薬上許容される塩とは、無機酸塩及び有機酸
塩のいずれでもよい。無機酸塩としては、塩酸塩、臭素
酸塩を例示でき、有機酸塩としては、酢酸塩、クエン酸
塩等を例示できる。但し、これらに限定されるものでは
ない。本発明の抗ウイルス剤は、前記有効成分として前
記化合物を、例えば10μg〜100mg含み、これを
1日1〜5回に分けて、経口又は皮下、血管内等に投与
することができる。尚、有効成分の含有量は、用いる化
合物により適宜変更できる。又投与形態も化合物の種類
等を考慮して適宣決定できる。
【0038】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。 参考例1 トシル基を保護基として有するポリアミン誘導体である
単環式大環状ポリアミン(62)、(63)、(6
4)、(65)は、特開平2−117653号に記載の
方法により得た。さらに、化合物(66)は、Synth.Co
mmun.,19,1009-1014(1989)に記載の方法により得た。
【0039】
【化15】
【0040】参考例2 スキーム1〜10及びスキームAに記載の方法により、
中間原料となる各化合物を合成した。スキームAに、本
発明のポリアミン化合物及びポリアミンアンモニウム化
合物を構築するのに必要な中間原料である単環式ポリア
ミンの合成ルートを示す。即ち、スキームAは、スキー
ム3及び4の内容を具体的に表したものであり、直鎖状
のボリアミンの組合せと得られる環状ポリアミンについ
て示している。尚、四角の枠内の数字は、生成する環状
ポリアミンの環のサイズを示す。スキームAでは、例え
ば、化合物(3)と化合物(14b)とから、環のサイ
ズが21の化合物(18)が得られることを示す。ま
た、例えば、化合物(10)と化合物(15a)とか
ら、環のサイズが30の化合物(21)が得られること
を示す。
【0041】
【化16】
【0042】スキーム1:N−ベンジル−α、ω−ジト
シルアミド類の合成 スキーム1に記載の方法により、スキームAに示す環状
ポリアミン化合物の合成の原料である化合物(3)、
(7a)、(7b)、(10)を合成した。スキームに
示すように、化合物(1)と(2)とをNaHCO3
存在下、CH3 CN中で70℃4日間反応させること
で、化合物(3)が得られた(工程a)。化合物(3)
と化合物(4a)又は(4b)とをK2 CO3 の存在
下、DMF中室温で4日間反応させることで、化合物
(5a)又は(5b)が得られた(工程b)。化合物
(5a)又は(5b)は、N2 4 ・H2 OとDMF中
75℃で2日間反応させることで、化合物(6a)又は
(6b)が得られた(工程c)。化合物(6a)又は
(6b)はCHCl3 中65℃で2M・HClと5時間
反応させ(工程d)、さらにピリジン、NEt3 の存在
下、TsClと室温で一晩反応さることで、化合物(7
a)又は(7b)が得られた(工程e)。また、化合物
(1)と(2)の代わりに、化合物(4b)と(7a)
を用いて工程bからeを行うことで、化合物(10)が
得られた。尚、原料化合物は全て公知の化合物である。
【0043】
【化17】
【0044】スキーム2:環状化に必要な構築材料の合
成 化合物(14a、b)、(16a、b)をスキーム2に
示す方法により合成した。化合物(11a)又は(11
b)と化合物(12)とをK2 CO3 の存在下、DMF
中室温で4日間反応させることで、化合物(13a)又
は(13b)が得られた(工程a)。化合物(13a)
又は(13b)は、CH2 Cl2 、NEt3 の存在下、
MsClと室温で2時間反応さることで、化合物(14
a)又は(14b)が得られた(工程b)。化合物(1
5a)又は(15b)は、NaHCO3 の存在下、CH
3 CN中でBn−NH2 と70℃24時間反応させるこ
とで、化合物(16a)又は(16b)が得られた(工
程c)。
【0045】
【化18】
【0046】スキーム3:N−モノベンジル環状体の合
成 スキーム3に示す方法により、スキーム1と2で得た化
合物を環状化し、N−モノベンジル環状体(17)〜
(21)を合成した。化合物(14a)、(14b)又
は(15a)は、化合物(3)、(7a)、(7b)又
は(10)とK2 CO3 の存在下、DMF中室温で4日
間反応させることで、化合物(17)〜(21)が得ら
れた。
【0047】
【化19】
【0048】スキーム4:N、N’−ジベンジル環状体
の合成 スキーム4に示す方法及び条件により、N、N’−ジベ
ンジル環状体(22)〜(25)を合成した。化合物
(16a)又は(16b)は、化合物(3)、(7
a)、(7b)又は(10)とK2 CO3 の存在下、D
MF中室温で4日間反応させることで、化合物(22)
〜(25)が得られた。
【0049】
【化20】
【0050】スキーム5:還元的脱ベンジル化 スキーム5に示す方法により、還元的に(H2 /10
%、Pd−C、4kg/cm2、2日間)脱ベンジル化して、
N−ベンジル体(17)〜(21)から化合物(26)
〜(30)を得た。また、N−ベンジル体(22)〜
(25)から化合物(31)〜(34)を得た。
【0051】
【化21】
【0052】単環式ポリアミン誘導体、化合物(26)
〜(30)及び化合物(31)〜(34)を積層化し、
ビス(ビス)環状体、トリス(トリス)環状アンモニウ
ム塩、トリス(トリス)環状体、4環式(テトラキス)
環状アンモニウム塩、6環式(ヘキサキス)環状アンモ
ニウム塩などを得る方法をスキーム6〜10に示した。スキーム6 :1、3−ジブロモプロパンと環状モノアミ
ンとの反応 スキーム6に示す方法により、化合物(26)〜(3
0)を大過剰の1、3−ジブロモプロパンと、NaHC
3 の存在下、CH3 CN中で70℃4日間反応させる
ことで、N−(3−ブロモプロピル)環状ポリアミン
(35)〜(39)、対称的ビス環状体(40)〜(4
4)、および対称的トリス環状アンモニウム塩(45)
〜(49)を混合物として得た。得られた混合物は、シ
リカゲルクロマトグラフィ法により、各化合物を単離精
製した。
【0053】
【化22】
【0054】スキーム7:非対称的ビス環状体の合成 非対称的ビス環状体(50)、(51)は、N−(3−
ブロモプロピル)環状ポリアミン(35)と、化合物
(27)、(28)とを、NaHCO3 の存在下、CH
3 CN中で70℃4日間反応させることにより、スキー
ム7に従って合成した。
【0055】
【化23】
【0056】スキーム8:修飾ビス環状体の合成 スキーム8に示す方法により、N−置換ビス環状体(5
3)は、(4a)と(32)を1:1でNaHCO3
存在下、CH3 CN中で70℃4日間反応させることに
より生じた化合物(52)をさらに、(15a)とNa
HCO3 の存在下、CH3 CN中で70℃4日間反応さ
せ、生成物をシリカゲルクロマトグラフィ法により単離
精製して得た。
【0057】
【化24】
【0058】スキーム9:環状ジアミンと3−ブロモプ
ロピル大環状化合物との反応 環状ジアミン(31)〜(34)をN−(3−ブロモプ
ロピル)環状体(35)、(36)又は(39)と、モ
ル比を変えてNaHCO3 の存在下、CH3 CN中で7
0℃4日間反応させることにより、環状ポリアミン化合
物を高次に積層化した。即ち、(35)と(33)を
1:1に反応させて、ビス環状モノミアン(54)を収
率良く得た。また(35)、(36)、(39)をそれ
ぞれ、(31)、(32)、(34)と2:1のモル比
で反応させて、トリス環状体(55)〜(59)及びテ
トラキス環状アンモニウム塩(60)の混合物が生成し
た。得られた混合物は、シリカゲルクロマトグラフィ法
により、各化合物を単離精製して、各生成物を得た。
【0059】
【化25】
【0060】スキーム10:1、3−ジブロプロパンと
ビス環状モノアミンとの反応 ビス環状モノミアン(54)を大過剰の1、3−ジブロ
モプロパンとNaHCO3 の存在下、CH3 CN中で7
0℃4日間反応させることにより、ヘキサキス環状アン
モニウム塩(61)が高収率で生成した。さらに、シリ
カゲルクロマトグラフィ法により、単離精製することで
目的生成物を得た。
【0061】
【化26】
【0062】上記スキームに記載の方法により得られる
化合物の構造式を以下に示す。
【0063】
【化27】
【0064】
【化28】
【0065】
【化29】
【0066】
【化30】
【0067】
【化31】
【0068】
【化32】
【0069】
【化33】
【0070】
【化34】
【0071】
【化35】
【0072】さらに、化合物(36)、(37)、(3
9)、(42)、(43)、(44)、(47)、(4
8)、(55)、(56)、(57)、(58)、(5
9)、(60)の14種の化合物については、質量分析
法(TOF、ESI、FAB、milli−MS)によ
り、構造確認した。結果を表1〜8に示す。表1〜3は
ESI−MSのスペクトルデータ(直接法、5%AcO
H−AcCN溶液又はCHCl3 中)(JMS−SX1
02A:イオン化電圧4.0kV、20秒サイクルスキ
ャン、流速2.0μm/分)である。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】表4〜7はTOF−MSのスペクトルデー
タ(直接法、CHCl3 中)(JMS−LDI170
0:イオン化電圧30kV、マトリックス:ジヒドロベ
ンゾイックアシド(DHB))である。
【0077】
【表4】
【0078】
【表5】
【0079】
【表6】
【0080】
【表7】
【0081】表8はミリマスの測定結果及びFAB
(+)─MSの最高ピーク(JMS−HX110:マト
リックス:m−ニトロベンジルアルコール(NBA))
である。
【0082】
【表8】
【0083】さらに、化合物(36)、(37)、(3
9)、(41)、(42)、(43)、(44)、(4
7)、(48)、(49)、(55)、(56)、(5
7)、(58)、(59)、(60)の16種のFAB
−MSのフラグメンテイションを以下に示す。
【0084】
【化36】
【0085】
【化37】
【0086】
【化38】
【0087】
【化39】
【0088】
【化40】
【0089】
【化41】
【0090】
【化42】
【0091】
【化43】
【0092】
【化44】
【0093】
【化45】
【0094】
【化46】
【0095】
【化47】
【0096】
【化48】
【0097】
【化49】
【0098】
【化50】
【0099】また各化合物の名称は以下のとおりであ
る。 (36):N1 −(3−ブロモプロピル)−N5
9 、N14、N18−テトラトシル−1、5、9、14、
18−ペンタアザシクロヘネイコサン (37):N1 −(3−ブロモプロピル)−N5
9 、N13、N18、N22、N26−ヘキサトシル−1、
5、9、13、18、22、26−ヘプタアザシクロノ
ナコサン (39):N1 −(3−ブロモプロピル)−N5
9 、N14、N18、N23、N27−ヘキサトシル−1、
5、9、14、18、23、27−ヘプタアザシクロト
リアコンタン (42):1、3−ビス(N5 、N9 、N13、N18、N
22、N26−ヘキサトシル−1、5、9、13、18、2
2、26−ヘプタアザシクロノナコシル)プロパン (43):1、3−ビス(N5 、N9 、N14、N18、N
23、N27−ヘキサトシル−1、5、9、14、18、2
3、27−ヘプタアザシクロトリアコンチル)プロパン (44):1、3−ビス(N5 、N10、N14、N18、N
22、N27−ヘキサトシル−1、5、10、14、18、
22、27−ヘプタアザシクロトリアコンチル)プロパ
ン (47):N1 、N1 −ビス〔3−(N5 、N9
13、N18、N22、N26−ヘキサトシル−1、5、9、
13、18、22、26−ヘプタアザシクロノナコシ
ル)プロピル〕−N5 、N9 、N13、N18、N22、N26
−ヘキサトシル−1、5、9、13、18、22、26
−ヘプタアザシクロノナコサンアンモニウム・ブロミド
【00100】(48):N1 、N1 −ビス〔3−(N
5 、N9 、N14、N18、N23、N27−ヘキサトシル−
1、5、9、14、18、23、27−ヘプタアザシク
ロトリアコンチル)プロピル〕−N5 、N9 、N14、N
18、N23、N27−ヘキサトシル−1、5、9、14、1
8、23、27−ヘプタアザシクロトリアコンタンアン
モニウム・ブロミド (52):N9 −〔3−(N、N−フタロイルアミノ)
プロピル〕−N5 、N13−ジトシル−1、5、9、13
−テトラアザシクロヘキサデカン (53):1、3−ビス〔3−(N9 −〔3−(N、N
−フタロイルアミノ)プロピル〕−N5 、N13−ジトシ
ル−1、5、9、13−テトラアザシクロヘキサデシ
ル〕プロパン (55):N1 、N8 −ビス〔3−(N5 、N9 −ジト
シル−1、5、9−トリアザシクロドデシル)プロピ
ル〕−N4 、N12−ジトシル1、4、8、12−テトラ
アザシクロテトラデカン (56):N1 、N9 −ビス〔3−(N5 、N9 −ジト
シル−1、5、9−トリアザシクロドデシル)プロピ
ル〕−N5 、N13−ジトシル−1、5、9、13−テト
ラアザシクロヘキサデカン (57):N1 、N14−ビス〔3−(N5 、N9 −ジト
シル−1、5、9−トリアザシクロドデシル)プロピ
ル〕−N5 、N10、N18、N23−テトラトシル−1、
5、10、14、18、23−ヘキサアザシクロヘキサ
コサン (58):N1 、N14−ビス〔3−(N5 、N9
14、N18−テトラトシル−1、5、9、14、18−
ペンタアザシクロヘネイコシル)プロピル〕−N5、N
10、N18、N23−テトラトシル−1、5、10、14、
18、23−ヘキサアザシクロヘキサコサン (59):N1 、N14−ビス〔3−(N5 、N9
14、N18、N23、N27−ヘキサトシル−1、5、9、
14、18、23、27−ヘプタアザシクロトリアコン
チル)プロピル〕−N5 、N10、N18、N23−テトラト
シル−1、5、10、14、18、23−ヘキサアザシ
クロヘキサコサン (60):N1 、N1 、N8 −トリス〔3−(N5 、N
9 −ジトシル−1、5、9−トリアザシクロドデシル)
プロピル〕−N4 、N12−ジトシル−1、4、8、12
−テトラアザシクロテトラデカンアンモニウム・ブロミ
【0101】実施例1脱トシル化によるポリアミン臭素酸塩または塩酸塩の調
トシル基で保護された環状ポリアミンおよび積層環状ポ
リアミン類のアミン基をアミンの臭素酸塩または塩酸塩
として単離した。単離方法は、公知の手法(M.W. Hossei
ni and J.-M.Lehn, Helv.Chim. Acta, 69,587(1986))を
修飾して行った。 1)臭化水素酸による脱トシル化とその臭素酸塩の単離 トシル化されたポリアミン類を25%ないし30%−臭
化水素−酢酸溶液と混合し、石炭酸(ポリアミン類にた
いして40モル当量)を添加し、75℃程度に熱しつ
つ、24−36時間攪拌、反応させた。反応混合物を減
圧濃縮し、残留物にジエチルエーテルを添加し、攪拌
し、上澄み液をデカントした。上澄み液が無色になるま
でこの操作を繰り返した後、メタノールを添加し、同様
の操作を繰り返すと、無色の臭素酸塩を固体として得
た。 2)臭素酸塩の塩酸塩への変換 予めカラム内で調製した陰イオン交換樹脂(Dowex 1X8)
上部に、少量の水に溶解した環状ポリアミン臭素酸塩を
チャージし、エタノール:水(1:1→1。5:1→
2:1→3:1v/v)により溶出し、溶出液はフラク
ションコレクターにより一定容量ずつ分画した。各フラ
クションを薄層クロマトグラフィ板上にスポットし、ニ
ンヒドリン反応陽性分画を集め、濃塩酸を加えて、pH
を約2とした後、減圧濃縮した。残留物に水を加えて溶
解し、ロ過後ロ液にエタノールを添加した。析出する無
色個体は環状ポリアミン塩酸塩であり、ロ取した後デシ
ケーター(ドリエライト上)内で乾燥した。
【0102】脱保護前のトシル体と目的生成物との関係
を以下に示す。 トシル体 目的生成物 (62) 134 (63) 235 (64) 333 (65) 434 (66) 552 (40) 612 (50) 71221 (51) 81229 (53) 916P (41) 1021 (42) 1129 (43) 1230 (44) 1330 (45) 1412A (46) 1521A (47) 1629A (48) 1730A (49) 1830A (61) 191224A (60) 201214A (56) 211216T (57) 221226T (58) 232216T (59) 243026T 上記反応と精製法を適用することにより、下記の24種
のポリアミン化合物を得た。
【0103】134:1、5、9、13、18、22、2
6、30−オクタアザシクロテトラトリアコンタン・8
HC1 235:1、5、9、13、18、22、27、31−オ
クタアザシクロペンタトリアコンタン・8HC1 333:1、5、9、13、17、21、25、29−オ
クタアザシクロトリトリアコンタン・8HC1 434:1、5、9、13、17、21、26、30−オ
クタアザシクロテトラトリアコンタン・8HC1 552:1、5、9、14、18、22、27、31、3
5、39、44、48−ドデカアザシクロドペンタコサ
ン・12HC1 612:1、3−ビス(1、5、9−トリアザシクロドデ
シル)プロパン・6HBr 71221:1−(1、5、9−トリアザシクロドデシル)
−3−(1、5、9、14、18、−ペンタアザシクロ
ヘネイコシル)プロパン・8HBr
【0104】81229:1−(1、5、9−トリアザシク
ロドデシル)−3−(1、5、9、13、18、22、
26−ヘプタアザシクロノナコシル)プロパン・10H
Br 916P :1、3−ビス〔3−(N9 −〔3−(N、N−
フタロイルアミノ)プロピル〕−1、5、9、13−テ
トラアザシクロヘキサデシル〕プロパン 1021:1、3−ビス(1、5、9、14、18−ペン
タアザシクロヘネイコシル)プロパン・10HBr 1129:1、3−ビス(1、5、9、13、18、2
2、26−ヘプタアザシクロノナコシル)プロパン・1
4HBr 1230:1、3−ビス(1、5、9、14、18、2
3、27−ヘプタアザシクロトリアコンチル)プロパン
・14HBr 1330:1、3−ビス(1、5、10、14、18、2
2、27−ヘプタアザシクロトリアコンチル)プロパン
・14HBr 1412A :N1 、N1 −ビス〔3−(1、5、9−トリ
アザシクロドデシル)プロピル〕−1、5、9、トリア
ザシクロドデカンアンモニウム・ブロミド・8HBr 1521A :N1 、N1 −ビス〔3−(1、5、9、1
4、18−ペンタアザシクロヘネイコシル)プロピル〕
−1、5、9、14、18−ペンタアザシクロヘネイコ
サンアンモニウム・ブロミド・14HBr 1629A :N1 、N1 −ビス〔3−(1、5、9、1
3、18、22、26−ヘプタアザシクロノナコシル)
プロピル〕−1、5、9、13、18、22、26−ヘ
プタアザシクロノナコサンアンモニウム・ブロミド・2
0HBr
【0105】1730A :N1 、N1 −ビス〔3−(1、
5、9、14、18、23、27−ヘプタアザシクロト
リアコンチル)プロピル〕−1、5、9、14、18、
23、27−ヘプタアザシクロトリアコンタンアンモニ
ウム・ブロミド・20HBr 1830A :N1 、N1 −ビス〔3−(1、5、10、1
4、18、22、27−ヘプタアザシクロトリアコンチ
ル)プロピル〕−1、5、10、14、18、22、2
7−ヘプタアザシクロトリアコンタンアンモニウム・ブ
ロミド・20HBr 191224A :N1 、N1 −ビス〔3−(N13−(3−
(1、5、9−トリアザシクロドデシル)プロピル)−
1、5、9、13、17、21−ヘキサアザシクロテト
ラコシル)プロピル〕−N13−(3−(1、5、9−ト
リアザシクロドデシル)プロピル)−1、5、9、1
3、17、21−ヘキサアザシクロテトラコサンアンモ
ニウム・ブロミド・26HBr 201214A :N1 、N1 、N8 −トリス〔3−(1、
5、9−トリアザシクロドデシル)プロピル〕−1、
4、8、12−テトラアザシクロテトラデカンアンモニ
ウム・ブロミド・12HBr 211216T :N1 、N9 −ビス〔3−(1、5、9−ト
リアザスクロドデシル)プロピル〕−1、5、9、13
−テトラアザシクロヘキサデカン・10HBr 221226T :N1 、N14−ビス〔3−(1、5、9−ト
リアザシクロドデシル)プロピル〕−1、5、10、1
4、18、23−ヘキサアザシクロヘキサコサン・12
HBr 232126T :N1 、N14−ビス〔3−(1、5、9、1
4、18−ペンタアザシクロヘネイコシル)プロピル〕
−1、5、10、14、18、23−ヘキサアザシクロ
ヘキサコサン・16HBr 243026T :N1 、N14−ビス〔3−(1、5、9、1
4、18、23、27−ヘプタアザシクロトリアコンチ
ル)プロピル〕−1、5、10、14、18、23−ヘ
キサアザシクロヘキサコサン・20HBr 上記各化合物の構造は、質量分析により確認した。結果
を表9、10に示す。即ち、表9はFAB−MSスペク
トルのデータ(JMS−HX110、イオン化電圧30
KV、マトリックス:グリセロール)であり、表10は
ミリマスの測定結果及びFAB(+)─MSの最高ピー
ク(JMS−HX110:イオン化電圧−−kV、マト
リックス:m−ニトロベンジルアルコール(NBA)又
はグリセロール(gly))である。但し、1021、1
30A、202114A、211216T、221226T、232126T
についてはTs体の分析データから、化合物を同定し
た。
【0106】
【表9】
【0107】
【表10】
【0108】実施例2 実施例1にて得られた化合物の内の14種類について抗
HIV活性試験を以下の手法により行った。96穴マイ
クロタイタープレートに、種々の濃度の試験物資と共に
HIV感染MT−4細胞を感染直後に加えた。試験物資
のMT−4細胞に対する細胞毒性を知るために、ウィル
ス非感染細胞を同様に種々の濃度の試験物資と共に培養
を行った。CO2 インキュベイターで、37℃5日間培
養した後、MTT法で、生存細胞数を測定した。抗ウィ
ルス活性は、HIV感染による50%細胞破壊阻止濃度
(EC50;50% effective concentration),細胞毒
性は試験物資による50%細胞障害濃度(CC50;50
% cytotoxic concentration)でそれぞれ表現してい
る。また、有効係数(Selectivity Index 、SI)はCC50
/EC50として計算した。 (文献;1)Pauwels et al., J. Virol. Methods, 20
(1988)309-321. 2)Nakashima et. al., Antimicrob. Agents Chemothe
r., 36(1992)1249-1255.)
【0109】
【表11】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 403/14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数2、3又は4のアルキレン鎖と窒
    素含有基−X−とを交互に連結してなり、前記−X−が
    −NH−であり、かつ前記アルキレン鎖を3〜20コ含
    む環状ポリアミン化合物。
  2. 【請求項2】 炭素数2、3又は4のアルキレン鎖と窒
    素含有基−X−とを交互に連結してなり、前記アルキレ
    ン鎖を3〜20コ含み、前記−X−の1つが−N=であ
    り、残りの−X−が−NH−であるか、又は残りの−X
    −の1つが−N−(CH)n NPhth基(但し、nは
    2、3又は4である)であり、その残りが−NH−であ
    る環状ポリアミン基を2つ含み、該2つの環状ポリアミ
    ン基が、該環状ポリアミン基中の前記−N=と結合した
    環外の炭素数2、3又は4のアルキレン鎖を介して連結
    されているビス環状ポリアミン化合物。
  3. 【請求項3】 炭素数2、3又は4のアルキレン鎖と窒
    素含有基−X−とを交互に連結してなり、前記−X−の
    1つが=N−アルキレン(但し、アルキレンは炭素数が
    2、3又は4である)であり、残りの−X−が−NH−
    であり、かつ環内に前記アルキレン鎖を3〜20コ含む
    環状ポリアミン基Aと炭素数2、3又は4のアルキレン
    鎖と−Xとを交互に連結してなり、前記−X−の2つが
    −N=であり、残りの−X−が−NH−であり、かつ環
    内に前記アルキレン鎖を3〜20コ含む環状ポリアミン
    基Bとを含み、 2つの環状ポリアミン基Aと1つの環状ポリアミン基B
    とが、各環状ポリアミン基Aの=N−アルキレンの末端
    が環状ポリアミン基Bの=N−とそれぞれ結合して連結
    されているトリス環状ポリアミン化合物。
  4. 【請求項4】 1つの単環又はビス環状ポリアミンアン
    モニウム基と2つの単環又はビス環状ポリアミン基とか
    らなり、かつ合計3〜6コの環からなるマルチキス環状
    ポリアミンアンモニウム化合物であって、(1)単環式
    環状ポリアミンアンモニウム基Cは、炭素数2、3又は
    4のアルキレン鎖と窒素含有基−X−とを交互に連結し
    てなり、前記アルキレン鎖を3〜20コ含み、かつ前記
    −X−の1つが4級アンモニウム(=N+ =)であり、
    残りが−NH−である基であり、(2)ビス環状ポリア
    ミンアンモニウム基ADは、炭素数2、3又は4のアル
    キレン鎖と窒素含有基−X−とを交互に連結してなり、
    前記アルキレン鎖を3〜20コ含み、前記−X−の1つ
    が4級アンモニウム(=N+ =)であり、前記−X−の
    1つが−N=であり、残りの−X−が−NH−である環
    状ポリアミンアンモニウム基Dと、 炭素数2、3又は4のアルキレン鎖と窒素含有基−X−
    とを交互に連結してなり、前記−X−の1つが−N=で
    あり、残りの−X−が−NH−であり、かつ前記アルキ
    レン鎖を3〜20コ含む環状ポリアミン基Aとを含み、 前記環状ポリアミンアンモニウム基Dと前記環状ポリア
    ミン基Aとが、一端が前記環状ポリアミン基の=N−と
    結合し、他端が前記環状ポリアミンアンモニウム基の=
    N−と結合している、炭素数が2、3又は4である2つ
    の環外のアルキレン鎖を介して連結されている基であ
    り、(3) 単環式環状ポリアミン基Aは、炭素数2、
    3又は4のアルキレン鎖と窒素含有基−X−とを交互に
    連結してなり、前記−X−の1つが=N−アルキレン
    (但し、アルキレンは炭素数が2、3又は4である)で
    あり、残りが−NH−であり、かつ環内に前記アルキレ
    ン鎖を3〜20コ含む基であり、(4) ビス環状ポリ
    アミン基ABは、炭素数2、3又は4のアルキレン鎖と
    窒素含有基−X−とを交互に連結してなり、前記−X−
    の2つが=N−アルキレン(但し、アルキレンは炭素数
    が2、3又は4である)であり、残りの−X−が−NH
    −であり、環内に前記アルキレン鎖を3〜20コ含む環
    状ポリアミンBと、 炭素数2、3又は4のアルキレン鎖と−Xとを交互に連
    結してなり、前記−X−の1つが−N=であり、残りの
    −X−が−NH−であり、かつ環内に前記アルキレン鎖
    を3〜20コ含む環状ポリアミン基Aとを含み、 前記環状ポリアミン基BとAとが、環状ポリアミン基B
    の=N−アルキレンの末端が環状ポリアミン基Aの=N
    −と結合して連結されている基であり、(5) 1つの
    環状ポリアミンアンモニウム基C又はADと2つの環状
    ポリアミン基A又はABとが、環状ポリアミン基の残り
    の=N−アルキレンの末端が環状ポリアミンアンモニウ
    ム基の4級アンモニウム(=N+ =)と結合して連結さ
    れている、 マルチキス環状ポリアミンアンモニウム化合物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化
    合物及びそれらの医薬上許容される塩とからなる群から
    選ばれる少なくとも1種の化合物を有効成分として含有
    する抗ウイルス剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0809504A4 (en) * 1995-02-17 1998-11-04 Univ New York State Res Found ANTIVIRAL TRIAZA CONNECTIONS
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