JPH08271233A - 真空チャンバー - Google Patents
真空チャンバーInfo
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- JPH08271233A JPH08271233A JP7071957A JP7195795A JPH08271233A JP H08271233 A JPH08271233 A JP H08271233A JP 7071957 A JP7071957 A JP 7071957A JP 7195795 A JP7195795 A JP 7195795A JP H08271233 A JPH08271233 A JP H08271233A
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- optical
- measurement light
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Abstract
(57)【要約】
【目的】極低温環境で使用される光学素子を高精度に試
験することができる真空チャンバーを提供する。 【構成】光学窓15は両面に中心が異なり、かつ半径が
異なる球面形状を有する。この光学窓15は、真空チャ
ンバー10の開口部に、測定系中心軸Aを挾んで各球面
の中心が等距離に位置するように固着される。そして、
干渉計16と光学窓15との間の集光レンズ19は、測
定光Cの一部を備えたフィゾー面で反射し、一部を球面
鏡17表面に照射する。そして球面鏡17表面に照射さ
れた測定光Cは、球面鏡17表面で反射した後、集光レ
ンズ19へと入射する。干渉計16は、この2つの反射
光が干渉して生じる干渉縞を観測する。
験することができる真空チャンバーを提供する。 【構成】光学窓15は両面に中心が異なり、かつ半径が
異なる球面形状を有する。この光学窓15は、真空チャ
ンバー10の開口部に、測定系中心軸Aを挾んで各球面
の中心が等距離に位置するように固着される。そして、
干渉計16と光学窓15との間の集光レンズ19は、測
定光Cの一部を備えたフィゾー面で反射し、一部を球面
鏡17表面に照射する。そして球面鏡17表面に照射さ
れた測定光Cは、球面鏡17表面で反射した後、集光レ
ンズ19へと入射する。干渉計16は、この2つの反射
光が干渉して生じる干渉縞を観測する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、宇宙空間等の極低温環
境で使用される光学素子等の性能を試験するための真空
チャンバーに関する。
境で使用される光学素子等の性能を試験するための真空
チャンバーに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、宇宙空間等の極低温環境で使用
される光学素子に要求される精度と信頼度は、極めて高
いものである。したがって宇宙開発には、これら光学素
子の性能を地上で試験するためのスペースチャンバーが
必要不可欠となってくる。従来、このようなスペースチ
ャンバーとして、SPIE Vol.1191 P13
記載の二重構造の冷却シュラウドを内部に備えた真空チ
ャンバー等が知られている。(図4参照)この二重構造
の冷却シュラウドは、所定の温度に冷却された外側シュ
ラウド41の内部に設置した内側シュラウド42をさら
に低い温度まで冷却したものである。このように冷却シ
ュラウドを二重構造とするのは、被検面を有する光学素
子を内部に保持する内側冷却シュラウド42に、極端な
熱負荷がかからないようするためである。そして、この
ような真空チャンバー40を用い、干渉計測により光学
素子表面等の測定を行えば安定した評価を得ることがで
きる。
される光学素子に要求される精度と信頼度は、極めて高
いものである。したがって宇宙開発には、これら光学素
子の性能を地上で試験するためのスペースチャンバーが
必要不可欠となってくる。従来、このようなスペースチ
ャンバーとして、SPIE Vol.1191 P13
記載の二重構造の冷却シュラウドを内部に備えた真空チ
ャンバー等が知られている。(図4参照)この二重構造
の冷却シュラウドは、所定の温度に冷却された外側シュ
ラウド41の内部に設置した内側シュラウド42をさら
に低い温度まで冷却したものである。このように冷却シ
ュラウドを二重構造とするのは、被検面を有する光学素
子を内部に保持する内側冷却シュラウド42に、極端な
熱負荷がかからないようするためである。そして、この
ような真空チャンバー40を用い、干渉計測により光学
素子表面等の測定を行えば安定した評価を得ることがで
きる。
【0003】ここにはその測定系についての言及はない
が、例えば干渉計により光学素子表面の測定を行うので
あれば、一般的に、真空チャンバーに備えた平面窓から
入射した測定光が内側シュラウド内部に配置した集光レ
ンズによって被検面である光学素子表面に照射しするよ
うに構成される。そして、干渉計により、被検面で反射
した測定光と、真空チャンバー40中に配置されたフィ
ゾー面(ビームスプリッタ等)で反射した測定光とが干
渉して生じる干渉縞を観測すると推測される。
が、例えば干渉計により光学素子表面の測定を行うので
あれば、一般的に、真空チャンバーに備えた平面窓から
入射した測定光が内側シュラウド内部に配置した集光レ
ンズによって被検面である光学素子表面に照射しするよ
うに構成される。そして、干渉計により、被検面で反射
した測定光と、真空チャンバー40中に配置されたフィ
ゾー面(ビームスプリッタ等)で反射した測定光とが干
渉して生じる干渉縞を観測すると推測される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
真空チャンバー40を使用して、フィゾー干渉計により
光学素子表面の測定を行う場合、被検面である光学素子
表面と干渉計の規準参照平面との間に存在する平面窓が
外乱となるので、安定した評価が行えない可能性があ
る。
真空チャンバー40を使用して、フィゾー干渉計により
光学素子表面の測定を行う場合、被検面である光学素子
表面と干渉計の規準参照平面との間に存在する平面窓が
外乱となるので、安定した評価が行えない可能性があ
る。
【0005】ところで、このようなフィゾー干渉計によ
る測定では、フィゾー面の性能が測定の安定を左右する
ことになる。従って、フィゾー面の性能を予め評価して
おき、その評価結果に基づいて、光学系の調整や測定結
果の補正を行う必要がある。しかし、大気中での評価結
果を真空中での測定にそのまま適用することはできない
ので、フィゾー面を真空中に位置させた場合には、真空
中での面変化や光路長を考慮した補正計算も行わなけれ
ばならなかった。
る測定では、フィゾー面の性能が測定の安定を左右する
ことになる。従って、フィゾー面の性能を予め評価して
おき、その評価結果に基づいて、光学系の調整や測定結
果の補正を行う必要がある。しかし、大気中での評価結
果を真空中での測定にそのまま適用することはできない
ので、フィゾー面を真空中に位置させた場合には、真空
中での面変化や光路長を考慮した補正計算も行わなけれ
ばならなかった。
【0006】そこで本発明は、極低温環境で使用される
光学素子を高精度に試験することができる真空チャンバ
ーを提供することを目的とする。
光学素子を高精度に試験することができる真空チャンバ
ーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明は、内部を真空状態に保ち、かつ、内部の所定の位
置に性能を試験する光学素子を保持する真空チャンバー
であって、前記光学素子に照射する測定光を真空チャン
バー外部から入射し、前記光学素子で反射した測定光を
真空チャンバー外部に出射するための光学窓を有し、前
記光学窓の両面は、曲率中心が前記測定光の光軸上の一
点に対して点対称な位置にある2つの球面であることを
特徴とする真空チャンバーを提供する。
発明は、内部を真空状態に保ち、かつ、内部の所定の位
置に性能を試験する光学素子を保持する真空チャンバー
であって、前記光学素子に照射する測定光を真空チャン
バー外部から入射し、前記光学素子で反射した測定光を
真空チャンバー外部に出射するための光学窓を有し、前
記光学窓の両面は、曲率中心が前記測定光の光軸上の一
点に対して点対称な位置にある2つの球面であることを
特徴とする真空チャンバーを提供する。
【0008】
【作用】本発明に係る真空チャンバーによれば、前記光
学窓を通して、真空チャンバー外部から入射された測定
光は前記光学素子に照射される。そして前記光学素子で
反射した測定光は、前記光学窓を通して、真空チャンバ
ー外部に出射される。すると前記光学窓の両面が、前記
測定光の光軸上の一点に対して曲率中心が点対称な位置
にある2つの球面であるため、測定光を透過してもほと
んど球面収差を生じない。したがって、より高精度な測
定を行うことができる。
学窓を通して、真空チャンバー外部から入射された測定
光は前記光学素子に照射される。そして前記光学素子で
反射した測定光は、前記光学窓を通して、真空チャンバ
ー外部に出射される。すると前記光学窓の両面が、前記
測定光の光軸上の一点に対して曲率中心が点対称な位置
にある2つの球面であるため、測定光を透過してもほと
んど球面収差を生じない。したがって、より高精度な測
定を行うことができる。
【0009】この真空チャンバーの外部に、前記測定光
を前記光学窓に向かって出射する干渉計を配置した場
合、この干渉計から出射された測定光の一部は、前記光
学素子の表面で反射して前記光学窓より出射し、一部は
干渉計と前記光学窓との間に配置されたフィゾー面で反
射する。そして干渉計は、この2つの反射光が干渉して
生じる干渉縞を計測する。このような場合、所定の形状
を有する光学窓が適当な設計条件を満たすように形成さ
れていれば、楔形状を有する平面板と同等な効果を生じ
るので、光学窓の表面で反射した測定光と、光学窓の裏
面で反射した測定光とが干渉して干渉縞を生じるという
ことがない。従って、より高精度な測定を行うことがで
きる。
を前記光学窓に向かって出射する干渉計を配置した場
合、この干渉計から出射された測定光の一部は、前記光
学素子の表面で反射して前記光学窓より出射し、一部は
干渉計と前記光学窓との間に配置されたフィゾー面で反
射する。そして干渉計は、この2つの反射光が干渉して
生じる干渉縞を計測する。このような場合、所定の形状
を有する光学窓が適当な設計条件を満たすように形成さ
れていれば、楔形状を有する平面板と同等な効果を生じ
るので、光学窓の表面で反射した測定光と、光学窓の裏
面で反射した測定光とが干渉して干渉縞を生じるという
ことがない。従って、より高精度な測定を行うことがで
きる。
【0010】さらに、この干渉計により、フィゾー面で
反射した測定光と、光学窓の表面あるいは裏面で反射し
た測定光とが干渉して生じた干渉縞を観測するようにす
れば、光学素子の性能試験時と同じ条件下で、光学窓自
体の性能を評価を行うことができる。そして、このよう
な評価結果によれば、より適正な光学系の調整および光
学素子の形状測定結果の補正を行うことができる。
反射した測定光と、光学窓の表面あるいは裏面で反射し
た測定光とが干渉して生じた干渉縞を観測するようにす
れば、光学素子の性能試験時と同じ条件下で、光学窓自
体の性能を評価を行うことができる。そして、このよう
な評価結果によれば、より適正な光学系の調整および光
学素子の形状測定結果の補正を行うことができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明に係る実施例を、添付の図面を
参照しながら説明する。
参照しながら説明する。
【0012】まず、本実施例に係る真空チャンバーの基
本的な構成の詳細について、図1を参照しながら説明す
る。但し、球面鏡を被検物とした場合を一例に挙げるこ
ととする。
本的な構成の詳細について、図1を参照しながら説明す
る。但し、球面鏡を被検物とした場合を一例に挙げるこ
ととする。
【0013】図1において、10は、本実施例に係る真
空チャンバーであり、ステンレス材等から形成される円
筒形の密閉容器である。そして、この真空チャンバー1
0は、固定機構19により、振動等が生じないように固
定される。また、所定の形状(後述)を有する光学窓1
5が、取付機構18によって、真空チャンバー10に設
けられた開口部を塞ぐように取り付けられている。本実
施例では、この光学窓15をガラス材により形成した
が、温度変化により屈折率の変化等を生じない均質な材
料であればこれに限る必要はない。しかし、この光学窓
15を他の材料により形成する場合には、本実施例に係
る使用条件に充分耐えることができる程度の強度を有す
る材料を選択する必要がある。
空チャンバーであり、ステンレス材等から形成される円
筒形の密閉容器である。そして、この真空チャンバー1
0は、固定機構19により、振動等が生じないように固
定される。また、所定の形状(後述)を有する光学窓1
5が、取付機構18によって、真空チャンバー10に設
けられた開口部を塞ぐように取り付けられている。本実
施例では、この光学窓15をガラス材により形成した
が、温度変化により屈折率の変化等を生じない均質な材
料であればこれに限る必要はない。しかし、この光学窓
15を他の材料により形成する場合には、本実施例に係
る使用条件に充分耐えることができる程度の強度を有す
る材料を選択する必要がある。
【0014】干渉計16と光学窓15との間の所定の位
置Bには集光レンズ19(不図示)が配置され、この集
光レンズ19は、干渉計16から照射された測定光Cの
一部を備えたフィゾー面で反射し、一部を球面鏡17表
面へと照射する。そして球面鏡17表面へと照射された
測定光Cは、球面鏡17表面で反射した後、集光レンズ
19へと入射する。干渉計16は、この2つの反射光が
干渉して生じる干渉縞を観測する。
置Bには集光レンズ19(不図示)が配置され、この集
光レンズ19は、干渉計16から照射された測定光Cの
一部を備えたフィゾー面で反射し、一部を球面鏡17表
面へと照射する。そして球面鏡17表面へと照射された
測定光Cは、球面鏡17表面で反射した後、集光レンズ
19へと入射する。干渉計16は、この2つの反射光が
干渉して生じる干渉縞を観測する。
【0015】真空チャンバー10内部に設置された冷却
シュラウド11は、液体ヘリウム等のクーラント(不図
示)により、所定の温度まで冷却される。なお、この冷
却シュラウド11は必ずしも図1のような構造である必
要はなく、例えば熱負荷を除去する必要があれば二重構
造としても構わない。また、この冷却シュラウド11内
部の所定の位置に、被検物である球面鏡17が取付治具
12によって保持される。なお、この取付治具12にイ
ンバー等を使用すれば、周囲の温度によらず安定に被検
物17を保持することができる。そして、13は、この
取付治具12に球面鏡17を取り付けるための保持機構
である。
シュラウド11は、液体ヘリウム等のクーラント(不図
示)により、所定の温度まで冷却される。なお、この冷
却シュラウド11は必ずしも図1のような構造である必
要はなく、例えば熱負荷を除去する必要があれば二重構
造としても構わない。また、この冷却シュラウド11内
部の所定の位置に、被検物である球面鏡17が取付治具
12によって保持される。なお、この取付治具12にイ
ンバー等を使用すれば、周囲の温度によらず安定に被検
物17を保持することができる。そして、13は、この
取付治具12に球面鏡17を取り付けるための保持機構
である。
【0016】図中14は、被検物である球面鏡17が受
ける輻射熱を遮断するためのシャッタである。このシャ
ッター14は、反射率が高いほど効果的に輻射熱を遮断
することができる。したがって、このシャッター14に
は、高反射率の材料を使用し、かつ反射率を向上させる
ための表面処理(表面研磨等)を施しておくことが望ま
しい。
ける輻射熱を遮断するためのシャッタである。このシャ
ッター14は、反射率が高いほど効果的に輻射熱を遮断
することができる。したがって、このシャッター14に
は、高反射率の材料を使用し、かつ反射率を向上させる
ための表面処理(表面研磨等)を施しておくことが望ま
しい。
【0017】さて、前述したように、図1の光学窓15
の形状について図2を参照しながら説明する。
の形状について図2を参照しながら説明する。
【0018】さて、本実施例に係る光学窓15は、両面
に、半径の異なる、偏心した球面形状を備える。すなわ
ち、光学窓15の断面の形状は、図2に示すように、僅
かに偏心した球21(半径R)と球22(半径r)とに
挾まれた領域の一部分(斜線部分)と同等となる。ただ
し、本実施例では、各球面の偏心量dを、d≪Rかつd
≪rとなるように決定し、また、R>rとなるように各
球面の径を決定する。
に、半径の異なる、偏心した球面形状を備える。すなわ
ち、光学窓15の断面の形状は、図2に示すように、僅
かに偏心した球21(半径R)と球22(半径r)とに
挾まれた領域の一部分(斜線部分)と同等となる。ただ
し、本実施例では、各球面の偏心量dを、d≪Rかつd
≪rとなるように決定し、また、R>rとなるように各
球面の径を決定する。
【0019】なお、以下の説明には、球21の中心Aと
球22の中心A’とを結ぶ線分の中点を原点として、前
記線分を含む直線がX軸となるように決定した直交座標
系を用いる。
球22の中心A’とを結ぶ線分の中点を原点として、前
記線分を含む直線がX軸となるように決定した直交座標
系を用いる。
【0020】さて、本光学窓15の厚さtは、原点を通
り、Y軸との成す角がθである直線Y=(1/tan
θ)Xと、球21、22との交点P1(P11,P12)、
P2(P21,P22)の間の距離により表される。従っ
て、
り、Y軸との成す角がθである直線Y=(1/tan
θ)Xと、球21、22との交点P1(P11,P12)、
P2(P21,P22)の間の距離により表される。従っ
て、
【0021】
【数1】
【0022】ただし、
【0023】
【数2】
【0024】
【数3】
【0025】
【数4】
【0026】
【数5】
【0027】また、本実施例では、前述したようにd≪
Rかつd≪rとなるように球面の偏心量dを決定してい
るので、光学窓15の厚さtは、次式の様に表される。
Rかつd≪rとなるように球面の偏心量dを決定してい
るので、光学窓15の厚さtは、次式の様に表される。
【0028】
【数6】
【0029】ところで、θ/6≪θを満たす程度に角度
θが小さければ、sinθ≒θが成立する。したがっ
て、光学窓15の厚さtは、結局、次式の様に表され
る。
θが小さければ、sinθ≒θが成立する。したがっ
て、光学窓15の厚さtは、結局、次式の様に表され
る。
【0030】
【数7】
【0031】これより光学窓15の厚さtの増分Δtは
角度θの増分Δθに比例していることがわかる。すなわ
ち、このような光学窓15は角度θを充分小さく設計す
れば楔形状を有する平面板とみなすことができ、使用に
際してほとんど球面収差を生じることがない。従って、
本実施例に係る真空チャンバー10の光学窓15をこの
ような形状とすれば、安定した測定を行うことができ
る。また、このような球面形状を有する光学窓15を使
用すれば、同一の表面積を有する平面板を使用した場合
に比較して開口部のサイズを小さくすることができる。
角度θの増分Δθに比例していることがわかる。すなわ
ち、このような光学窓15は角度θを充分小さく設計す
れば楔形状を有する平面板とみなすことができ、使用に
際してほとんど球面収差を生じることがない。従って、
本実施例に係る真空チャンバー10の光学窓15をこの
ような形状とすれば、安定した測定を行うことができ
る。また、このような球面形状を有する光学窓15を使
用すれば、同一の表面積を有する平面板を使用した場合
に比較して開口部のサイズを小さくすることができる。
【0032】ここで、角度θは、要求される測定精度に
応じて適当な値を設定する必要があるが、θ/6≪θを
満たす範囲の値を設定することが望ましい。さらに、各
球面21、22の径の差分(R−r)が光学窓15の厚
さtの増分Δtに影響を及ぼすので、楔形状を有する光
学窓として良好に使用できるように各球面21、22の
径R、rを決定する必要がある。また、本実施例では、
光学窓15の真球度と表面粗さが測定精度を左右するこ
とになるため、光学窓15の製造工程の最終段階で球面
レンズ等を製造する際に施される研磨加工等を行い真球
度と表面粗さの向上を図ることが望ましい。以上で、光
学窓15の形状についての説明を終わる。
応じて適当な値を設定する必要があるが、θ/6≪θを
満たす範囲の値を設定することが望ましい。さらに、各
球面21、22の径の差分(R−r)が光学窓15の厚
さtの増分Δtに影響を及ぼすので、楔形状を有する光
学窓として良好に使用できるように各球面21、22の
径R、rを決定する必要がある。また、本実施例では、
光学窓15の真球度と表面粗さが測定精度を左右するこ
とになるため、光学窓15の製造工程の最終段階で球面
レンズ等を製造する際に施される研磨加工等を行い真球
度と表面粗さの向上を図ることが望ましい。以上で、光
学窓15の形状についての説明を終わる。
【0033】さて、楔形状を有する平面板に光を照射し
た場合、この光の一部は、この平面板の表面と裏面とで
反射する。しかし、楔形状を有する平面板の表面と裏面
は所定の角度を成しているので、両反射光が干渉するこ
とがない。このようなことが、楔形状を有する平面板の
効果として知られている。そこで、前述の、楔形状を有
する平面板とみなすことができる形状(前述)を備えた
光学窓15を、図2のY軸と、図1の測定系中心軸Aと
が一致するように真空チャンバー10の開口部に装着
し、この光学窓15へと測定光Cを照射すれば、楔形状
を有する平面板と同様な効果により、光学窓15の表面
で反射される測定光Cの一部と、光学窓15の裏面で反
射される測定光Cの一部とが干渉して干渉縞を生じると
いうことがない。結果として、より高精度の測定を行う
ことができる。
た場合、この光の一部は、この平面板の表面と裏面とで
反射する。しかし、楔形状を有する平面板の表面と裏面
は所定の角度を成しているので、両反射光が干渉するこ
とがない。このようなことが、楔形状を有する平面板の
効果として知られている。そこで、前述の、楔形状を有
する平面板とみなすことができる形状(前述)を備えた
光学窓15を、図2のY軸と、図1の測定系中心軸Aと
が一致するように真空チャンバー10の開口部に装着
し、この光学窓15へと測定光Cを照射すれば、楔形状
を有する平面板と同様な効果により、光学窓15の表面
で反射される測定光Cの一部と、光学窓15の裏面で反
射される測定光Cの一部とが干渉して干渉縞を生じると
いうことがない。結果として、より高精度の測定を行う
ことができる。
【0034】ところで、真空チャンバー10内部を真空
状態にする場合、光学窓15は変形する可能性がある。
しかし、干渉計16により、フィゾー面で反射される測
定光Cの一部と、光学窓15の表面あるいは裏面で反射
される測定光Cの一部とが干渉して生じた干渉縞を観測
するようにすれば、球面鏡17の性能試験時と同じ条件
下で、光学窓15自体の性能を評価を行うことができ
る。従って、このような評価結果によれば、より適正な
光学系の調整および光学素子の形状測定結果の補正を行
うことができる。
状態にする場合、光学窓15は変形する可能性がある。
しかし、干渉計16により、フィゾー面で反射される測
定光Cの一部と、光学窓15の表面あるいは裏面で反射
される測定光Cの一部とが干渉して生じた干渉縞を観測
するようにすれば、球面鏡17の性能試験時と同じ条件
下で、光学窓15自体の性能を評価を行うことができ
る。従って、このような評価結果によれば、より適正な
光学系の調整および光学素子の形状測定結果の補正を行
うことができる。
【0035】以上、光学窓15の両球面の中心が真空チ
ャンバー10の外部に位置するように当該光学窓15を
真空チャンバー10の開口部に固着させた場合を説明し
たが、図3に示すように、光学窓15の両球面の中心が
真空チャンバーの内部に位置するように当該光学窓15
を真空チャンバー10の開口部に固着させてもよい。こ
のときは、図1に示したシャッタ14の代わりに、両球
面の中心を含む面に絞り30を設ければ、被検物である
球面鏡17が受ける輻射熱を遮断するのに効果的であ
る。そして、この絞り30は、前述のシャッター14と
同様に高反射率であることが望ましい。
ャンバー10の外部に位置するように当該光学窓15を
真空チャンバー10の開口部に固着させた場合を説明し
たが、図3に示すように、光学窓15の両球面の中心が
真空チャンバーの内部に位置するように当該光学窓15
を真空チャンバー10の開口部に固着させてもよい。こ
のときは、図1に示したシャッタ14の代わりに、両球
面の中心を含む面に絞り30を設ければ、被検物である
球面鏡17が受ける輻射熱を遮断するのに効果的であ
る。そして、この絞り30は、前述のシャッター14と
同様に高反射率であることが望ましい。
【0036】
【発明の効果】本発明に係る真空チャンバーによれば、
宇宙空間等の極低温環境で使用される光学面素子を高精
度に試験することができる。
宇宙空間等の極低温環境で使用される光学面素子を高精
度に試験することができる。
【図1】本発明に係る真空チャンバーの断面図の一例で
ある。
ある。
【図2】図1の光学窓の形状を説明する図である。
【図3】本発明に係る真空チャンバーの断面図の他の一
例である。
例である。
【図4】従来の真空チャンバーの断面図の一例である。
10…本発明の一実施例に係る真空チャンバー、11…
冷却シュラウド、12…取付治具、13…保持機構、1
4…シャッター、15…光学窓、16…干渉計、17…
球面鏡(被検物)、18…取付機構
冷却シュラウド、12…取付治具、13…保持機構、1
4…シャッター、15…光学窓、16…干渉計、17…
球面鏡(被検物)、18…取付機構
Claims (4)
- 【請求項1】内部を真空状態に保ち、かつ、内部の所定
の位置に性能を試験する光学素子を保持する真空チャン
バーであって、 前記光学素子に照射する測定光を真空チャンバー外部か
ら入射し、前記光学素子で反射した測定光を真空チャン
バー外部に出射するための光学窓を有し、 前記光学窓の両面は、曲率中心が前記測定光の光軸上の
一点に対して点対称な位置にある2つの球面であること
を特徴とする真空チャンバー。 - 【請求項2】請求項1記載の真空チャンバーであって、 前記2つの球面の曲率は相互に異なることを特徴とする
真空チャンバー。 - 【請求項3】内部を真空状態に保ち、かつ、内部の所定
の位置に性能を試験する光学素子を保持する真空チャン
バーであって、 前記光学素子に照射する測定光を真空チャンバー外部か
ら入射し、前記光学素子で反射した測定光を真空チャン
バー外部に出射するための光学窓を有し、 前記光学窓の両面は、前記測定光の光軸近傍において、
少なくとも光軸と垂直な一つの方向について単調に両面
間の距離が増加する、2つの曲面であることを特徴とす
る真空チャンバー。 - 【請求項4】請求項1、2または3記載の真空チャンバ
ーであって、 前記測定光を前記光学窓に向かって出射する、当該真空
チャンバーの外部に配置された干渉計と、 前記干渉計から出射された測定光の一部を反射する、前
記干渉計と前記光学窓との間に配置されたフィゾー面と
を有し、 前記干渉計は、前記フィゾー面で反射した測定光と、前
記光学素子の表面で反射した前記光学窓より出射した測
定光が干渉して生じる干渉縞を計測することを特徴とす
る真空チャンバー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7071957A JPH08271233A (ja) | 1995-03-29 | 1995-03-29 | 真空チャンバー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7071957A JPH08271233A (ja) | 1995-03-29 | 1995-03-29 | 真空チャンバー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08271233A true JPH08271233A (ja) | 1996-10-18 |
Family
ID=13475475
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7071957A Pending JPH08271233A (ja) | 1995-03-29 | 1995-03-29 | 真空チャンバー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08271233A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103528539A (zh) * | 2013-09-26 | 2014-01-22 | 南京理工大学 | 基于点源阵列的非零位干涉系统 |
CN108444679A (zh) * | 2017-12-14 | 2018-08-24 | 北京空间机电研究所 | 一种红外透镜面形的真空低温测试装置及其测试方法 |
CN110514120A (zh) * | 2019-08-26 | 2019-11-29 | 北京卫星环境工程研究所 | 用于真空低温环境的位移测量系统 |
CN111426448A (zh) * | 2020-03-27 | 2020-07-17 | 中国科学院西安光学精密机械研究所 | 一种光学组件性能测试平台 |
-
1995
- 1995-03-29 JP JP7071957A patent/JPH08271233A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103528539A (zh) * | 2013-09-26 | 2014-01-22 | 南京理工大学 | 基于点源阵列的非零位干涉系统 |
CN108444679A (zh) * | 2017-12-14 | 2018-08-24 | 北京空间机电研究所 | 一种红外透镜面形的真空低温测试装置及其测试方法 |
CN108444679B (zh) * | 2017-12-14 | 2019-11-29 | 北京空间机电研究所 | 一种红外透镜面形的真空低温测试装置及其测试方法 |
CN110514120A (zh) * | 2019-08-26 | 2019-11-29 | 北京卫星环境工程研究所 | 用于真空低温环境的位移测量系统 |
CN111426448A (zh) * | 2020-03-27 | 2020-07-17 | 中国科学院西安光学精密机械研究所 | 一种光学组件性能测试平台 |
CN111426448B (zh) * | 2020-03-27 | 2021-06-22 | 中国科学院西安光学精密机械研究所 | 一种光学组件性能测试平台 |
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