JPH08270395A - 地下構造物の外殻施工方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 地下構造物の外殻を形成するセグメント部材
を立坑間に円滑且つ精度良く埋設する。 【構成】 予め、立坑Ｂ、Ｃ間に並設状態で埋設したパ
イロット管２をセグメント部材１に置換して地下構造物
の外殻を築造する方法であって、セグメント部材１の両
側端には雌雄係合条部1a、1bが形成され且つその雌係合
条部1bに仮継手管４が摺動自在に嵌合してあり、この仮
継手管付セグメント部材１を順次継ぎ足しながらパイロ
ット管２と置換させて立坑Ｂ、Ｃ間に該セグメント部材
１を一列状に埋設したのち、その一側に次の仮継手管付
セグメント部材１を順次埋設する際に、このセグメント
部材１の雄係合条部1aで先に埋設したセグメント部材１
の仮継手管４を押し進めながら該仮継手管４で被覆され
ていた雌係合条部1bにそのセグメント部材１の雄係合条
部1aを係合させて推進し、計画外殻の断面位置に複数列
のセグメント部材１を埋設すると共に、前後左右に隣接
するセグメント部材１、１間を一体に連結して強固な地
下構造物の外殻を築造する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は地中に大断面の地下空間
を築造するための地下構造物の外殻施工方法に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、地中にトンネル等の地下空間
を築造するには、地表から計画地下空間の長さと幅でも
って所望深さまで地盤を掘削したのち、壁体を構築す
る、所謂開削工法や、シールド掘削機によって地盤を掘
削しながら該掘削機のテール部でセグメントを順次組立
てゝいく工法が一般的に知られているが、開削工法によ
れば、既設の鉄道や建築物等の存在によって施工が行え
ない場合が生じるばかりでなく、施工に当たっては地上
の設備機能を長期間に亘って阻害する虞れがあり、その
上、効率的な施工が困難である等の問題点がある。

【０００３】一方、シールド工法によれば、地盤を掘削
するカッター板が大径になる程、地盤との摩擦の関係か
らその回転数を低くしなければ掘削できないために、最
大掘削径が16ｍ程度までの掘削しか行えず、20ｍ以上の
大断面の地下空間を築造することが困難であり、その
上、掘削径が大きくなる程、回転駆動機構やその他の構
造が複雑化し、且つ強度や精度が要求されて製作費が高
くつくという問題点がある。又、地下深層部における掘
削には適していても比較的浅い地盤中を掘削する場合に
は地盤の崩壊が生じるために、地下浅層部に大空間を建
設する工法としては適さなく、さらに、地下街のような
断面矩形状の空間部の掘削はできないものである。

【０００４】そこで、本願出願人等は特開平４ー１５５
０９４号公報に記載しているような地下空間の築造方法
を開発した。この工法は、所定間隔を存して掘削した立
坑間の計画地下空間の外周に沿ってパイロット管を２
本、１組として複数組を一定間隔毎に並行に埋設したの
ち、隣り合う組の対向するパイロット管の後端面に平板
形状のセグメント部材の前端両側部を当接させた状態で
パイロット管間の地盤を掘削しながら該セグメント部材
を推進させることによりパイロット管を他方の立坑側に
押し出すと共に掘削跡に該セグメント部材を埋設し、こ
の作業を順次繰り返すことによってセグメント部材列よ
りなる地下空間の外殻を築造する方法であって、この方
法によれば、地表から浅い地中であっても断面矩形状の
大きな地下空間を能率よく築造することが可能である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな地下空間の築造方法では、セグメント部材の対向側
面に互いに摺動自在に係合する係合条片を突設しておい
ても、セグメント部材はその側部の前端面でパイロット
管を押し出しながら該パイロット管をガイドとして推進
するものであるから、各組のパイロット管が上下左右方
向にずれた状態で埋設されていると、先に埋設したセグ
メント部材の係合条片に次に埋設するセグメント部材の
対向側面から突設した係合条片を正確な位置で係合させ
ながら推進させることができなくなる。特に、長距離施
工になればなる程、上記パイロット管の埋設精度に狂い
が生じることから、長い地下構造物の築造が困難である
という問題点があった。

【０００６】さらに、既に埋設したセグメント部材の側
面に突設している係合条片は地盤中に露出状態で埋設さ
れ、この係合条片に次のセグメント部材の係合条片を係
合させながら該セグメント部材を推進させるので、これ
らの係合条片の係合部分に土砂が入って円滑な推進の妨
げになるばかりでなく、セグメント部材の対向側面間を
一体化が困難であり、セグメント部材列よりなる地下空
間の外殻に弱体部分ができるという問題点があった。

【０００７】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところはパイロット管の平行
度に多少の狂いが生じていても、セグメント部材を計画
地下構造物の外殻断面位置に正確且つ円滑に埋設させ、
大断面で且つ長大な地下構造物の築造を可能にし得る地
下構造物の外殻施工方法を提供するにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項１に記載した地下構造物の外殻施工
方法は、所定間隔を存して掘削した立坑間に地下構造物
の外殻を施工する方法であって、両立坑間における計画
地下構造物の外殻断面位置に断面矩形状のパイロット管
を並列状態に埋設したのち、側面に全長に亘って係合条
部を有し且つ該係合条部に仮継手管を摺動可能に添設し
てなる断面長方形状のセグメント部材の前端面を一方の
立坑側から上記数本のパイロット管列の後端面に当接さ
せて該セグメント部材を仮継手管と一体的に他方の立坑
側に向かって推進することよりパイロット管を他方の立
坑側に押し出してこれらのパイロット管と置換し、次い
で、次の数本のパイロット管列の後端面にセグメント部
材の前端を当接させ且つ該セグメント部材の係合条部を
先に埋設した上記セグメント部材の係合条部に係合させ
ながら推進することにより、係合条部で上記仮継手管を
他方の立坑側に押し出すと共にセグメント部材により数
本のパイロット管列を押し出してこれらのパイロット管
列と置換し、この作業を繰り返し行って計画地下構造物
の外殻断面位置に互いに対向側面の係合条部同士を係合
させたセグメント部材列よりなる外殻を形成することを
特徴とするものである。

【０００９】さらに、本発明の請求項２に記載した地下
構造物の外殻施工方法は、所定間隔を存して掘削した立
坑間に地下構造物の外殻を施工する方法であって、両立
坑間における計画地下構造物の外殻断面位置に断面矩形
状のパイロット管を所定間隔毎に埋設したのち、一方の
立坑側において上記隣接するパイロット管の後端部間に
掘削機を配設すると共にこの掘削機の後端面に、側面に
全長に亘って係合条部を有し且つ該係合条部に仮継手管
を摺動可能に添設してなる断面長方形状のセグメント部
材の前端面両側部を当接させて上記掘削機によりパイロ
ット管間の土砂を掘削しながらセグメント部材を仮継手
管と一体的に推進させることによりパイロット管を他方
の立坑側に押し出しながら掘削機による掘削跡にセグメ
ント部材を埋設し、次いで該セグメント部材の仮継手管
と隣接するパイロット管との間の土砂を上記同様に掘削
機により掘削すると共に次のセグメント部材を掘削機に
後続させた状態で推進させて該セグメント部材の係合条
部を先に埋設した上記セグメント部材の係合条部に係合
させながら仮継手管とパイロット管とを他方の立坑側に
押し出して掘削機による掘削跡にこのセグメント部材を
埋設し、この作業を繰り返し行って計画地下構造物の外
殻断面位置に互いに対向側面の係合条部同士を係合させ
たセグメント部材列よりなる外殻を形成することを特徴
とするものである。

【００１０】また、請求項３に記載した発明は、上記地
下構造物の外殻施工方法において、セグメント部材は作
業員が出入り可能な鋼製中空ボックスよりなり、両立坑
間に並列状態に埋設されたのち、隣接するセグメント部
材の対向側面間をボルトにより一体的に連結すると共に
中空内部にコンクリートを充填することを特徴とするも
のであり、請求項４に記載した発明は、計画地下構造物
の外殻断面位置に埋設した上記パイロット管の上面には
縁切板が載置されてあり、この縁切板を地中に残置させ
た状態で該縁切板の下面に沿ってパイロット管とセグメ
ント部材とを置換することを特徴とするものである。

【００１１】

【作用】立坑間に埋設したパイロット管をセグメント部
材の推進によって押し進めながら該パイロット管とセグ
メント部材とを置換する際に、セグメントの側面に設け
ている係合条部に仮継手管を添設して一体的に推進させ
るものであるから、係合条部は地盤中に露出することな
く仮継手管で被覆された状態で計画地下構造物の外殻断
面位置の一部分内に埋設される。そして、次に埋設すべ
きセグメント部材はその一側部の前端面をこの仮継手管
の後端面に後続させて該仮継手管を押し出しながらこの
仮継手管で被覆された係合条部にその対向側面に設けて
いる係合条部を係合させて推進させるので、パイロット
管が上下左右に多少の狂いが生じた状態で埋設されてい
ても該パイロット管に関係なく、両セグメント部材の継
手部となる係合条部を互いに係合させながら先に埋設し
たセグメント部材の沿って次のセグメント部材が正確に
埋設される。

【００１２】その際、先に埋設したセグメントの係合条
部を被覆している仮継手管を押し進めながらこの係合条
部に次のセグメント部材の係合条部を係合させてセグメ
ント部材を推進させるので、これらの係合条部の係合部
に土砂が入るのを仮継手管によって防止しながらセグメ
ント部材を円滑に推進させることができる。

【００１３】また、請求項３に記載したように、セグメ
ント部材を鋼製中空ボックスにより形成しておくことに
よって、埋設後、セグメント部材内に作業員が入って互
いに接合したセグメント部材の係合部同士のボルトによ
る連結作業が行なえると共にその連結作業後、セグメン
ト部材内にコンクリートを充填させることによって強固
な外殻を築造し得る。なお、請求項４に記載したよう
に、パイロット管の上面に縁切板を載置しておけば、こ
の縁切板を地中に残置させた状態で該縁切板の下面に沿
ってパイロット管とセグメント部材とを円滑に置換させ
ることができる。また、浅い地盤中にあっても縁切板上
の地盤は移動しない。

【００１４】

【実施例】本発明の実施例を図面について説明すると、
図１は本発明の一施工方法によって築造された地下構造
物の外殻Ａを示すもので、その外殻天壁部A₁はセグメン
ト部材１を横列状に接続してなり、両側壁部A₂、A₂と底
壁部A₃とは現場打ちコンクリートによって形成された構
造を有する。なお、後述するように、外殻Ａ全体をセグ
メント部材１によって築造することもできる。

【００１５】この地下構造物の外殻Ａを築造する方法を
具体的に述べると、まず、図２に示すように、地下構造
物の外殻Ａの長さ間隔を置いて、地盤に発進立坑Ｂと到
達立坑Ｃとを掘削したのち、発進立坑Ｂ側から上記外殻
天壁部A₁の厚みに等しい縦幅と横幅（両幅とも２メート
ルの寸法を有する）に形成されている断面矩形状の鋼製
角パイプからなるパイロット管２を到達立坑Ｃに向かっ
て水平方向に圧入して築造すべき外殻天壁部A₁の断面位
置の一部に埋設する。このような埋設方法は公知のよう
に適宜な掘削機（図示せず）にパイロット管２を後続さ
せながら行うことができる。又、外殻Ａの長さが大きい
場合、一定長のパイロット管２を順次直列状に継ぎ足し
ながら埋設すればよい。なお、パイロット管１の上面に
は鋼製縁切板３が載置されてあり、最前部のパイロット
管２上の縁切板３のみをその先端を該パイロット管２の
先端に溶接等によって固着して到達縦坑Ｃ側に達した時
にその固着部を切断等によって分離させるようにすると
共に後続するパイロット管２上の縁切板３同士は圧入時
に溶接等によって連結しておく。

【００１６】パイロット管２を両立坑Ｂ、Ｃ間に亘って
貫通状態に埋設されると、該パイロット管列の側方にお
ける計画外殻天壁部A₁の断面位置の一部に上記同様にし
てパイロット管２を埋設し、この作業を繰り返し行って
計画外殻天壁部A₁の断面位置に図３に示すように、パイ
ロット管２を並列状態に埋設する。

【００１７】次いで、これらのパイロット管２とセグメ
ント部材１との置換作業を行う。セグメント部材１は鉄
筋コンクリート製または後述するように鋼製中空ボック
スよりなり、図５に示すように、平面横長長方形状に形
成されていると共に、一側面の中央部に断面コ字状の雄
係合条部1aを、他側面の中央部に該雄係合条部1aが嵌合
可能な大きさの断面コ字状の雌係合条部1bをそれぞれ全
長に亘って形成している。なお、これらの係合条部1a、
1bを雌雄体とすることなく、互いに係合可能な凹凸面を
有する係合条部に形成しておいてもよい。

【００１８】上記セグメント部材１の雌係合条部1bには
該セグメント部材１と同長、同一厚の鋼製角パイプより
なる仮継手管４を添設している。この仮継手管４の一側
面中央部には全長に亘って上記雄係合条部1aと同一形状
を有する断面コ字状のガイド条部4aを突設してあり、該
ガイド突条部4aをセグメント１の雌係合条部1bにパッキ
ン５（図７に示す）を介して摺動自在に嵌合させてあ
る。この仮継手管４を添設しているセグメント部材１の
横幅は上記横列状態に埋設したパイロット管列の両側端
間の幅を数分割した寸法、即ち、数本の管列の幅に等し
く形成されていると共に厚みはパイロット管２の厚み
（縦幅）に略等しく形成されている。なお、セグメント
部材１の雌係合条部1bの上下対向壁面に全長に亘って固
着している上記パッキン５は地下水や土砂が内部に浸入
するのを防止するものである。

【００１９】両立坑Ｂ、Ｃ間に埋設した上記パイロット
管列と仮継手管４を添設しているセグメント部材１とを
置換するには、セグメント部材１を発進立坑Ｂ内におい
て、その前端面を数本のパイロット管２の後端面に当接
させると共に、到達立坑Ｃ側の最前部のパイロット管２
の上面に載置している縁切板３の先端を該パイロット管
２から切り離し、さらに、発進立坑Ｂ側の最後部のパイ
ロット管２上の縁切板３を発進立坑Ｂの壁面部分にター
ンバックル６等によって固定する。この状態にして発進
立坑Ｂ内に設置した押圧ジャッキ７のロッドを伸長させ
てセグメント部材１の後端面を押圧することにより発進
立坑Ｂの壁面に反力をとってセグメント部材１を仮継手
管４と一体的に推進させると、セグメント部材１を介し
てパイロット管２の前端側が到達立坑Ｃ内に押し出され
ると共にセグメント部材１と仮継手管４とがパイロット
管２の推進跡に埋入する。

【００２０】この時、パイロット管２の上面に配設した
縁切板３は固定されているので、上方側の地盤を移動さ
せることなくこの縁切板３の下面にパイロット管２とセ
グメント部材１及び仮継手管４との上面を摺接させなが
ら円滑に推進させることができる。なお、仮継手管４を
別な押圧ジャッキによって推進してもよいが、あらかじ
めそのガイド突条部4aをセグメント部材１の雌係合条部
1bにボルト結合によって一体化しておき、埋設後、ボル
トを撤去するように構成している。このボルト結合は、
仮継手管４内又はセグメント部材１が中空の場合には該
セグメント部材１内に作業員が入って結合作業を行う。
ボルトの撤去作業も同様である。

【００２１】こうして、一枚の仮継手管付セグメント部
材１が埋設されると、このセグメント部材１の後端面に
次の仮継手管付セグメント部材１を接続して上記同様に
押圧ジャッキ７により推進、埋設させ、以下、順次、仮
継手管付セグメント部材１を継ぎ足しながら推進させ
て、パイロット管２と仮継手管付セグメント部材１とを
置換する。さらに、両立坑Ｂ、Ｃ間に亘って仮継手管付
セグメント部材１を直列状に埋設したのち、この埋設仮
継手管付セグメント部材１に隣接して次の仮継手管付セ
グメント部材１の埋設作業を行う。

【００２２】この作業は、先に埋設したセグメント部材
１の仮継手管４のガイド突条部4aの後端面に次に埋設す
べきセグメント部材１の雄係合条部1aの前端面を突き合
わせ状態にして該セグメント部材１を数本のパイロット
管２の後端面に当接させ、しかるのち、押圧ジャッキ７
によって押し進める。そうすると、セグメント部材１の
一側部前端面で先に埋設した仮継手管４が押し進められ
ると共に該仮継手管４によって被覆されていた埋設セグ
メント部材１の雌係合条部1bに次のセグメント部材１の
雄係合条部1aが係合し、且つパッキン８に摺接しながら
前進する。

【００２３】このセグメント部材１の埋設が完了する
と、再び仮継手管付セグメント部材１を後続させるよう
に継ぎ足して推進、埋設し、先に埋設したセグメント部
材１の仮継手管４を到達立坑Ｃ内にパイロット管２と共
に押し出し、この作業を繰り返して既に埋設したセグメ
ント部材１に仮継手管付セグメント部材列を両立坑Ｂ、
Ｃ間に亘って並列状態に埋設する。同様にしてこの仮継
手管付セグメント部材列の側方に次の仮継手管付セグメ
ント部材１を、既に埋設したセグメント部材１の仮継手
管４を雄係合条部1aで押し出しながら埋設し、以下、こ
の作業を繰り返し行って全てのパイロット管２の埋設
跡、即ち、地下構造物の計画外殻天壁部A₁の断面位置に
セグメント部材１を埋設する。

【００２４】なお、計画外殻天壁部A₁の両側端側に埋設
されるセグメント部材１は、その外側端側にセグメント
部材１を並設させることがないので、その継手用として
の雄係合条部1a又は雌係合条部1bを設けておく必要はな
い。さらに、図１においてはセグメント部材１を３列状
に埋設した構造を示しているが、それ以上の複数列であ
っても上記の手順によって埋設することは勿論である。

【００２５】また、セグメント部材１を順次継ぎ足して
埋設する際に、セグメント部材１が鉄筋コンクリート製
であれば、その前後端面に互いに結合可能な螺子孔とボ
ルトを設けている凹部を対向させて設けておき、発進立
坑Ｂ側から埋設時にボルト結合を行ったのち、推進埋設
させる。一方、セグメント部材１が鋼製の中空ボックス
からなる場合には溶接またはボルト結合によって前後セ
グメント部材１、１同士を一体に連結する。

【００２６】この鋼製中空ボックスからなるセグメント
部材１の具体的な構造は図６に示している。同図におい
て、セグメント部材１はその前後面に作業員が出入り可
能な大きさの横長長方形状透孔11を設けていると共にそ
の一側内部に雄係合条部1aに近接させて連結ボルト反力
板12を長さ方向に固着してあり、この連結ボルト反力板
12と他側壁（雌係合条部1bを形成した奥壁）とに複数個
のボルト挿通孔13、14を夫々穿設してなるものである。

【００２７】そして、セグメント部材１の埋設後、左右
に隣接するセグメント部材１、１内に作業員が入ってこ
れらのセグメント部材１、１の雌雄係合条部1a、1b間を
ボルトにより結合すると共に前後に接合したセグメント
部材１、１の接合面を溶接によって一体に結合する。ボ
ルトによる結合作業を行うに際して雌雄係合条部1a、1b
の対向面間に土砂が少しでも浸入していると結合強度が
弱くなるので、まず、図７に示すように、雄係合条部1a
の先端壁面を切除して土砂を除去したのち、一方のセグ
メント部材１の他側壁に穿設しているボルト挿通孔13と
他方のセグメント部材１の連結ボルト反力板12に穿設し
ているボルト挿通孔14との間に連結ボルト８を挿通して
ナット8aを螺締することにより左右セグメント部材１、
１を強固に一体化するものである。

【００２８】図８はこのボルト結合構造の別な実施例を
示すもので、セグメント部材１の雌係合条部1bの内側に
該雌係合条部1bに近接させてボルト取付板15を固着して
おくと共にこのボルト取付板15に上記各ボルト挿通孔1
3、14に連通する複数個のボルト取付孔16を穿設してな
るものである。そして、左右セグメント部材１、１同士
を連結するには、上記同様にして雄係合条部1aの先端壁
面を切除したのち、該雄係合条部1aの先端面を他方のセ
グメント部材１の雌係合条部1bの壁面に溶接17すると共
に一方のセグメント部材１の連結ボルト反力板12に穿設
しているボルト挿通孔14と他方のセグメント部材１のボ
ルト取付板15との間に長尺連結ボルト8'を挿通してナッ
ト8aにより螺締しているものである。また、この場合、
図９に示すように、一方のセグメント部材１の雄係合条
部1aを全体的に切除して該セグメント部材１の一側端雌
係合条部1bを他方のセグメント部材１の雌係合条部1bの
上下端面に溶接17してもよい。また、上記では雄係合条
部1aの先端壁面を切除したが、雌係合条部1bの奥端壁面
を切除するようにしてもよい。

【００２９】図10は、鋼製中空ボックスよりなる上記セ
グメント部材１の変形例を示すもので、このセグメント
部材１はその前後透窓11の周囲にボルト連結用孔18、19
を穿設しているものであり、その他の構造は上記図６で
示したセグメント部材１と同様である。このセグメント
部材１によれば、前後に結合したセグメント部材１、１
同士の接合面を溶接によることなくそのボルト連結用孔
18、19間をボルト（図示せず）によって連結、一体化す
るものである。

【００３０】このように地下構造物の計画外殻天壁部A₁
に埋設された多数の鋼製中空ボックスよりなるセグメン
ト部材１は上記のようにして前後左右のセグメント部材
１、１同士を一体に連結したのち、全てのセグメント部
材１の内部に補強鉄筋（図示せず）を組立て、しかるの
ち、その内部にコンクリート20を打設、充填して地下構
造物の外殻天壁部A₁を築造するものである。

【００３１】この外殻天壁部A₁の施工方法において、上
記実施例では該外殻天壁部A₁の断面位置にパイロット管
２を互いにその側面同士を密接状態にして並設したの
ち、セグメント部材１と置換したが、パイロット管２を
仮継手管付セグメント部材１の幅間隔毎に左右に離間し
た状態で両立坑Ａ、Ｂ間に貫通状態で埋設しておき、こ
れらのパイロット管２とセグメント部材１とを置換して
もよい。次にその方法について述べる。

【００３２】まず、図11に示すように、上記実施例と同
じ鋼製パイロット管２（縁切板３を載置している）を両
立坑（図示せず）間に亘って上記圧入方法でもって埋設
し、このパイロット管２から仮継手管付セグメント部材
１の幅間隔を存した部分に順次パイロット管２を埋設し
たのち、仮継手管付セグメント部材１の前端面両側部を
隣接するパイロット管２、２の後端面に当接させる。こ
の場合、上記施工方法のように左右のパイロット管２、
２を密接状態で並列している場合には地盤の掘削を必要
とすることなく仮継手管付セグメント部材１を推進させ
てパイロット管２と置換することができるが、この施工
例ではパイロット管２、２間が左右方向に離間している
ので、これらのパイロット管２、２間の土砂を掘削、排
除する必要がある。

【００３３】そのため、パイロット管２、２間に土砂掘
削機９を配設する。この土砂掘削機９は図15、図16に示
すように、前端が全面的に開口し且つその両側部にパイ
ロット管２又は仮継手管４の後端に連通する前面開口室
9b、9cを一体に設けてなる断面コ字状のケーシング9a内
にオーガスクリュー9dを回転自在に軸支してなる構造を
有する。具体的には、ケーシング9aの厚みはパイロット
管２の縦幅（２メートル）に等しく形成されてあり、計
画外殻天壁部A₁の一側部分を掘削する場合には上記前面
開口室9b、9cがパイロット管２と同一断面形状に形成し
てその開口端面を一定間隔を存して隣接するパイロット
管２、２の後端開口部に連通状態で合致させるように
し、計画外殻天壁部A₁のその他の部分を掘削する場合に
はケーシング9aの一方の前面開口室9bを仮継手管４と同
一断面に形成してその開口端面を仮継手管４の後端開口
部に連通状態で合致させるようにすると共に他方の前面
開口室9cの開口端面をパイロット管２の後端面に連通状
態で当接させるように構成している。

【００３４】さらに、両開口室9b、9cの内壁間にオーガ
スクリュー9dの中心軸の両端部を回転自在に挿通、軸支
させていると共に一方の開口室9bにオーガスクリュー9d
による掘削室9e内に開口した送泥短管9fを、他方の開口
室9cには掘削室9e内に開口した排泥短管9gとオーガスク
リュー駆動モータ9hを配設している。

【００３５】そして、計画外殻天壁部A₁の一側部分を掘
削する場合には、発進立坑Ｂ側でパイロット管２、２の
後端開口部にその両側前面開口室9b、9cの開口端面を突
き合わせて連通させると共にこれらの室の内部に配設し
た短管9f、９ｇをあらかじめパイロット管２、２内に挿
通状態で配設している送排泥管21、22の後端に連結、連
通させた状態とし、この掘削機９の後壁面に仮継手管付
セグメント部材１を当接させて発進立坑Ｂ内の押圧ジャ
ッキ７で推進させると共にオーガスクリュー9dを駆動し
てパイロット管２、２間の土砂を掘削させる。

【００３６】こうして、パイロット管２、２つの土砂を
掘削しながら仮継手管付セグメント部材１をその掘削跡
に埋設し、このセグメント部材１の埋設後、次の仮継手
管付セグメント部材１を継ぎ足し連結して推進し、この
作業を繰り返し行って両立坑Ｂ、Ｃ間における計画外殻
天壁部A₁の断面位置の一側部に仮継手管付セグメント部
材１を直列状に埋設する。この際、到達立坑Ｃ側にパイ
ロット管２、２内の送排泥管21、22に連結、連通するポ
ンプや土砂沈澱槽（図示せず）が設けられてあり、送泥
管21を通じて掘削室9e内に供給される泥水で掘削土砂を
排泥管22を通じて排出するものであり、パイロット管２
は到達立坑Ｃ側に押し出される毎にその部分に配設され
ている送排泥管の一部も撤去すると共に残りの送排泥管
を連結して掘削土砂の排除作業を行うものである。

【００３７】上記のように一連のセグメント部材１を計
画外殻天壁部A₁の一側部に埋設されると、それ以後はこ
のセグメント部材１の仮継手管４と、該仮継手管４から
一定間隔を存して隣接するパイロット管２との後端面に
掘削機９の両側開口室9b、9cの前端を当接させた状態に
し、掘削機９に次に埋設すべき仮継手管付セグメント部
材１を後続させで上記同様に埋設作業を行う。

【００３８】即ち、掘削機９に後続させる仮継手管付セ
グメント部材１を押圧ジャッキ７で推進させると共に掘
削機９のオーガスクリュー9dで前方地盤を掘削させ、そ
の土砂を先に埋設したセグメント部材１の仮継手管４内
に配設している送泥管21と該送泥管21に連結した掘削機
９の開口室9b内の送泥短管9f、掘削室9e、排泥短管9g、
パイロット管２内の排泥管22を通じて上記同様に排出し
ながら、掘削跡に仮継手管付セグメント部材１を埋設す
る。そうすると、先に埋設したセグメント部材１の仮継
手管４とパイロット管２とが掘削機９の掘進に従って到
達立坑Ｃ側に押し出されると共に該仮継手管４によって
被覆されていた埋設セグメント部材１の雌係合条部1bに
掘削機９の開口室9b及びそれに後続するセグメント部材
１の雄係合条部1aが係合しながら掘削跡にこの仮継手管
付セグメント部材１が推進、埋設される。

【００３９】このセグメント部材１の埋設後、次の仮継
手管付セグメント部材１を後続、接合させて推進させる
ことにより掘削跡に埋設し、以下、この作業を繰り返し
て先に埋設したセグメント部材列の雌係合条部1bに雄係
合条部1aを係合させた次列の仮継手管付セグメント部材
列を両立坑Ｂ、Ｃ間に亘って埋設する。そして、この次
列のセグメント部材埋設作業を計画外殻天壁部A₁の幅方
向に順次繰り返し行って計画外殻天壁部A₁に縦横に並列
したセグメント部材列を埋設して外殻天壁部A₁を築造す
るものである。

【００４０】セグメント部材１及び仮継手管４の構造は
上記実施例の図５、図６、図10で説明した通りであり、
又、セグメント部材１、１間の連結構造や内部にコンク
リートを充填することは図７〜図９で説明した通りであ
る。

【００４１】このように、外殻天壁部A₁を構築したの
ち、両立坑Ｂ、Ｃをさらに深く掘削してこの外殻天壁部
A₁の下方地盤を適宜な掘削手段により掘削しながら支保
工Ｄ（図１に示す）を建て込み、地下構造物の両壁部
A₂、A₂と底壁部A₃とを現場打ちコンクリートによって形
成して地下構造物を構築するものである。なお、中央部
の支保工D₁は構築完了後、撤去する。

【００４２】なお、地下構造物の両壁部A₂、A₂と底壁部
A₃も上記のようにしてパイロット管２とセグメント部材
１との置換により築造してもよく、また、地下構造物の
外殻は図１に示したように、断面矩形状に限らず、断面
円形状の外殻であっても上記同様にして築造し得るもの
である。例えば、図17に示すように計画外殻に一定間隔
毎にパイロット管2'を両立坑間に亘って埋設したのち、
図18に示すように、幅方向に彎曲しているセグメント部
材1'を該パイロット管2'と置換すればよい。この場合、
セグメント部材1'は幅方向に彎曲している以外は、上記
セグメント部材１と同じ雌雄係合条部や仮継手管を備え
ている構造としているものである。

【００４３】

【発明の効果】以上のように本発明の外殻施工方法によ
れば、立坑間に埋設したパイロット管をセグメント部材
の前端面で押し進めながら該パイロット管とセグメント
部材とを置換する際に、セグメントの側面に設けている
係合条部に仮継手管を添設してこの仮継手管により係合
条部を被覆させた状態で一体的に推進させるものである
から、係合条部を地盤中に露出させることなく計画地下
構造物の外殻断面位置の一部分内に埋設することがで
き、さらに、先に埋設したセグメント部材の側方に隣接
して次のセグメント部材を推進埋設させる際に、その一
側部の前端面を先に埋設したセグメント部材の仮継手管
の後端面に当接させて該仮継手管を押し出しながらこの
仮継手管で被覆された係合条部に埋設すべきセグメント
部材の対向側面に設けている係合条部を係合させて推進
させるので、パイロット管が上下左右に多少の狂いが生
じた状態で埋設されていても該パイロット管に関係な
く、両セグメント部材の継手部となる係合条部を互いに
係合させながら先に埋設したセグメント部材に沿って次
のセグメント部材が正確に埋設することができるもので
ある。

【００４４】さらに、上記のように、先に埋設したセグ
メントの係合条部を被覆している仮継手管を押し進めな
がらこの係合条部に次のセグメント部材の係合条部を係
合させてセグメント部材を推進させるので、これらの係
合条部の係合部に土砂が入るのを仮継手管によって防止
することができ、従って、セグメント部材を円滑に推進
させることができると共にセグメント部材同士の一体化
も容易に行なえてセグメント部材列よりなる強固な外殻
を築造し得るものである。

【００４５】また、請求項２に記載したように、パイロ
ット管がセグメント部材の横幅間隔毎に埋設しておいた
場合でも、これらのパイロット管間の土砂を掘削機によ
り掘削しながらセグメント部材を該掘削機に後続させて
推進させることによりパイロット管の置換作業が行なえ
ると共に、先に埋設したセグメント部材の仮継手管を押
し進めて該仮継手管により被覆されていた係合条部を露
出させながら該係合条部に、次に埋設すべきセグメント
部材の対向係合条部を上記同様に係合させて正確に推
進、埋設することができ、セグメント部材列よりなる外
殻を能率よく築造できるものである。

【００４６】また、請求項３に記載したように、セグメ
ント部材を鋼製中空ボックスにより形成しておくことに
よって、埋設後、セグメント部材内に作業員が入って互
いに接合したセグメント部材の係合部同士のボルトによ
る連結作業が行なえると共にその連結作業後、セグメン
ト部材内にコンクリートを充填させることによって強固
な外殻を築造し得るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】地下構造物の外殻の簡略縦断正面図、

【図２】パイロット管とセグメント部材とを置換してい
る状態の簡略縦断側面図、

【図３】パイロット管を埋設した状態の簡略縦断正面
図、

【図４】セグメント部材と置換する場合を説明するため
の簡略縦断正面図、

【図５】セグメント部材の簡略斜視図、

【図６】鋼製中空セグメント部材の一部切欠斜視図、

【図７】セグメント部材同士の連結構造を示す要部の縦
断正面図、

【図８】その変形例を示す要部の縦断正面図、

【図９】そのさらに別な変形例を示す要部の縦断正面
図、

【図１０】鋼製中空セグメント部材の変形例を示す一部
切欠斜視図、

【図１１】本発明の別な施工例を示すパイロット管の埋
設状態の簡略縦断正面図、

【図１２】セグメント部材と置換する場合を説明するた
めの簡略縦断正面図、

【図１３】次のセグメント部材を埋設した状態の簡略縦
断正面図、

【図１４】外殻天壁部を築造した状態の簡略縦断正面
図、

【図１５】掘削機の掘削によってセグメント部材を埋設
している状態の一部横断面図、

【図１６】掘削機の簡略縦断側面図、

【図１７】円形状外殻形成のためのパイロット管の埋設
状態を示す簡略縦断正面図、

【図１８】円形状外殻を構築している状態を示す簡略縦
断正面図。

【符号の説明】

１ セグメント部材 1a、1b 雌雄係合条部 ２ パイロット管 ４ 仮継手管 Ａ 外殻 Ｂ、Ｃ 立坑

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定間隔を存して掘削した立坑間に地下
   構造物の外殻を施工する方法であって、両立坑間におけ
   る計画地下構造物の外殻断面位置に断面矩形状のパイロ
   ット管を並列状態に埋設したのち、両側面に夫々全長に
   亘って雌雄係合条部を有し且つ一方の係合条部に仮継手
   管を摺動可能に添設してなる断面長方形状のセグメント
   部材の前端面を一方の立坑側から上記数本のパイロット
   管列の後端面に当接させて該セグメント部材を仮継手管
   と一体的に他方の立坑側に向かって推進することよりパ
   イロット管を他方の立坑側に押し出してこれらのパイロ
   ット管と置換し、次いで、上記パイロット管１との置換
   により埋設したセグメント部材の側方における数本のパ
   イロット管列の後端面に埋設すべきセグメント部材の前
   端を当接させ且つ該セグメント部材の一方の係合条部を
   先に埋設した上記セグメント部材の係合条部に係合させ
   ながら推進することにより、該係合条部で上記埋設した
   仮継手管を他方の立坑側に押し出すと共にセグメント部
   材推進により数本のパイロット管列を押し出してこれら
   のパイロット管列と置換し、この作業を繰り返し行って
   計画地下構造物の外殻断面位置に互いに対向側面の係合
   条部同士を係合させたセグメント部材列よりなる外殻を
   形成することを特徴とする地下構造物の外殻施工方法。
2. 【請求項２】 所定間隔を存して掘削した立坑間に地下
   構造物の外殻を施工する方法であって、両立坑間におけ
   る計画地下構造物の外殻断面位置に断面矩形状のパイロ
   ット管を所定間隔毎に埋設したのち、一方の立坑側にお
   いて上記隣接するパイロット管の後端部間に掘削機を配
   設すると共にこの掘削機の後端面に、側面に全長に亘っ
   て雌雄係合条部を有し且つ該係合条部に仮継手管を摺動
   可能に添設してなる断面長方形状のセグメント部材の前
   端面両側部を当接させて上記掘削機によりパイロット管
   間の土砂を掘削しながらセグメント部材を仮継手管と一
   体的に推進させることによりパイロット管を他方の立坑
   側に押し出しながら掘削機による掘削跡にセグメント部
   材を埋設し、次いでこの埋設したセグメント部材の仮継
   手管の側方に隣接するパイロット管との間の土砂を上記
   同様に掘削機により掘削すると共に次のセグメント部材
   を掘削機に後続させた状態で推進させて該セグメント部
   材の係合条部を先に埋設した上記セグメント部材の係合
   条部に係合させながら仮継手管とパイロット管とを他方
   の立坑側に押し出して掘削機による掘削跡にこのセグメ
   ント部材を埋設し、この作業を繰り返し行って計画地下
   構造物の外殻断面位置に互いに対向側面の係合条部同士
   を係合させたセグメント部材列よりなる外殻を形成する
   ことを特徴とする地下構造物の外殻施工方法。
3. 【請求項３】 セグメント部材は作業員が出入り可能な
   鋼製中空ボックスよりなり、両立坑間に並列状態に埋設
   されたのち、隣接するセグメント部材の対向側面間をボ
   ルトにより一体的に連結すると共に中空内部にコンクリ
   ートを充填することを特徴とする請求項１又は請求項２
   記載の地下構造物の外殻施工方法。
4. 【請求項４】 計画地下構造物の外殻断面位置に埋設し
   た上記パイロット管の上面には縁切板が載置されてあ
   り、この縁切板を地中に残置させた状態で該縁切板の下
   面に沿ってパイロット管とセグメント部材とを置換する
   ことを特徴とする請求項１又は請求項２記載の地下構造
   物の外殻施工方法。