JPH0827016A - アズキを含有する抗ウイルス剤および飼料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】抗ウイルス剤および抗ウイルス作用を有する飼
料等を提供する。 【構成】アズキを含有する抗ウイルス剤。アズキおよび
刺梨抽出エキスを含有する抗ウイルス剤。アズキを含有
する飼料または機能性食品。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はアズキを含有する抗ウイ
ルス剤または飼料である。

【０００２】

【発明の背景および先行技術】ウイルスは人、家畜等の
病原体のひとつであり、その感染予防にはワクチンが用
いられ、また抗ウイルス剤としてアシクロビル等が用い
られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】しかし、ワクチンが
開発されていないウイルス疾患の数は多く、また抗ウイ
ルス剤として有効な薬剤は効果、安全性等の点でいまだ
十分ではなく、更なる開発が望まれている。一方、アズ
キは食用として供されているが、飼料または機能性食品
としての用途は知られていない。

【０００４】

【発明の構成および効果】本発明者等は上記問題点を解
決すべく鋭意検討した結果、次の構成により解決できる
ことを見いだし本発明を完成した。即ち、本発明はアズ
キを含有する抗ウイルス剤である。また、本発明はアズ
キにさらに刺梨抽出エキスを含有する抗ウイルス剤であ
る。さらに、本発明はアズキ、刺梨抽出エキスおよびブ
ドウ色素を含有する抗ウイルス剤である。本発明はま
た、アズキを含有する飼料または機能性食品である。

【０００５】本発明におけるアズキとは、アズキ粉末ま
たはアズキ抽出エキスが通常使用されるが、特に限定さ
れる必要はなく、市販のアズキを適宜加工して用いるこ
とができる。またアズキの種類は特に限定されない。本
発明によるとウイルスに対して顕著な効果を有する抗ウ
イルス剤、飼料および機能性食品を提供できるがこれが
即ち本発明の目的である。

【０００６】本発明におけるアズキは、アズキ８００ｇ
を４００ｍｌの水で熱抽出したものの場合、インビトロ
の試験においては約１００μｇ／ｍｌ以上の濃度におい
て顕著な抗ウイルス作用を示す。効果のあるウイルスは
多種に及び例えば、オーエスキーウイルス、鶏ガンボロ
病ウイルス、ニューカスル病ウイルス、犬ヘルペスウイ
ルス、パルボウイルス等を挙げることができるが、本発
明はウイルスの種類によっては限定されない。

【０００７】マウスにおけるインビボの試験では、体重
１ｋｇあたり上記アズキ熱抽出物約１００ｍｇより効果
を示し、ウイルスに感染させたマウスの生存率が増加す
る。

【０００８】更に本発明を、アズキを含有した飼料また
は機能性食品として用いる場合には、アズキ粉末または
アズキ抽出エキス含量が一般に飼料中０．０１〜５％、
好ましくは０．０５〜３％となるように用いられる。

【０００９】本発明者は更に、それ自体では抗ウイルス
作用を示さない刺梨抽出エキスをアズキに加えることに
より意外にも抗ウイルス作用が増強されることを見いだ
した。刺梨抽出エキスとは刺梨の果実から抽出されたエ
キスであり、刺梨エキスパウダー（丸善製薬株式会社）
として入手可能である。アズキと刺梨抽出エキスとの配
合割合は特に限定されないが、基本的には両者ほぼ当量
配合して用いられる。さらに、アズキ、刺梨抽出エキス
およびブドウ色素の組成物はもっとも強力な抗ウイルス
作用を示すが、その配合割合は特に限定されない。

【００１０】本発明はアズキまたはアズキ抽出エキスそ
のままでも用いることができるが、デンプン、デキスト
ラン、乳糖、無水ケイ酸等の賦形剤を使用し、更に必要
に応じてヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤その
他を加え、通常の方法により、顆粒剤、散剤、錠剤等の
剤形とすることもできる。また、これらはそれ自体をそ
のまま服用しても良いし、家畜等に投与する際には、飼
料に混合して投与しても良い。

【００１１】

【効果】

（１）インビトロでの抗ウイルス活性 オーエスキーウイルス（豚仮性狂犬病ウイルス：ヘルペ
スウイルス属）に対する抗ウイルスを培養細胞系を用い
て検討した。ヴェロ細胞（Ｖｅｒｏ細胞：サル腎細胞）
を１０％牛胎児血清加ＭＥＭ培地で２４穴マイクロプレ
ート上に培養し、アズキ８００ｇを４００ｍｌの水で熱
抽出したものを添加した後、オーエスキーウイルスを６
０ＰＦＵ／Ｗｅｌｌの割合で接種した。その後、９０分
間ウイルスを吸着させ、１％メチルセルロース添加培地
を加えて５％炭酸ガス下、３７℃２日間培養し、プラー
ク数の減少を測定して抗ウイルス活性を判定した。

【００１２】結果を表１に示した。本発明にかかるアズ
キは約１００μｇ／ｍｌ以上の濃度で顕著なプラーク数
の減少が認められ、抗ウイルス作用を有することが明ら
かである。

【００１３】

【表１】

【００１４】（２）マウスでの経口投与によるオーエス
キーウイルス感染に対する効果 アズキ８００ｇを４００ｍｌの水で熱抽出したもの、ブ
ドウ色素および刺梨抽出エキスの単独及び組み合わせた
ものをSlc:ICR 系雄性マウス（５〜６週令、体重２５〜
３３ｇ）に３日間連続経口投与し、経口投与の３０分前
に、臨床豚由来オーエスキーウイルスを１３３PFU/マウ
スのウイルス量で皮下接種し、接種後７日目の生存数に
より生存率を求めた。結果を表２に示す。なお、対照区
（コントロール）には、滅菌水０．５ｍｌを同様に３日
間連続投与した。生存率は、カイ二乗検定により検定し
た。

【００１５】

【表２】

【００１６】その結果、アズキ単独でもウイルスに対す
る生存率をコントロールに比べ優位に上昇させた。さら
に、刺梨抽出エキス、ブドウ色素との組み合わせによ
り、より著しい抗ウイルス活性を発揮することが明らか
である。

【実施例】

［実施例１］アズキ抽出エキス１ｋｇと刺梨抽出エキス
パウダー（丸善製薬株式会社）３ｋｇを混合機により混
合し飼料を得た。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】アズキを含有する抗ウイルス剤。
2. 【請求項２】アズキおよび刺梨抽出エキスを含有する抗
   ウイルス剤。
3. 【請求項３】アズキ、刺梨抽出エキスおよびブドウ色素
   を含有する抗ウイルス剤。
4. 【請求項４】アズキがアズキ粉末またはアズキ抽出エキ
   スである請求項１ないし３いずれか１項記載の抗ウイル
   ス剤。
5. 【請求項５】アズキを含有する飼料。
6. 【請求項６】アズキを含有する機能性食品。