JPH08269895A - 印刷用塗被紙の製造方法 - Google Patents

印刷用塗被紙の製造方法

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JPH08269895A
JPH08269895A JP7073585A JP7358595A JPH08269895A JP H08269895 A JPH08269895 A JP H08269895A JP 7073585 A JP7073585 A JP 7073585A JP 7358595 A JP7358595 A JP 7358595A JP H08269895 A JPH08269895 A JP H08269895A
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water
starch
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coated
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JP7073585A
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Tetsuya Hirabayashi
哲也 平林
Hideyuki Suzuki
英之 鈴木
Terunobu Fukui
照信 福井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】印刷インキの着肉ムラが解消でき、さらに印刷
仕上がりの良好な印刷用塗被紙の製造方法を提供する。 【構成】原紙上に、顔料および接着剤として澱粉または
澱粉誘導体の少なくとも1種からなる水溶性接着剤が配
合されてなる水性塗料を塗被、乾燥して乾燥塗被層を設
けた後仕上げする印刷用塗被紙の製造方法であって、該
乾燥塗被層面に加湿量が0.5〜4.0g/m2 となる
ように水蒸気を付加して塗被層中の水溶性接着剤を再分
布化させた後、塗被層面が乾燥した状態でキャレンダー
仕上げする印刷用塗被紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗被紙の製造方法に関
し、特に印刷インキの着肉ムラが解消でき、さらに印刷
仕上がりの良好な印刷用塗被紙の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般のオフセット印刷における印刷物の
欠点のなかで、印刷用塗被紙に起因する問題点の一つと
して印刷インキによるインキ着肉ムラがある。このイン
キ着肉ムラは印刷モットリングあるいは単にモットリン
グ、さらにはアイムラなどと呼ばれている。(以下、イ
ンキ着肉ムラと称す)。このインキ着肉ムラは、多色重
ね刷りを行うオフセット印刷における、後胴印刷インキ
のトラッピングムラまたは湿し水の吸収ムラが主な原因
である。このようなインキ着肉ムラは塗被層を構成する
各成分が塗被層表面に不均一に分布してしまうことに起
因しており、塗被量が比較的多いコート紙やアート紙で
は、特に、塗被層表面の接着剤の不均一分布が大きく影
響している。
【0003】塗被層を構成する主要組成物の一つである
接着剤としては、澱粉や澱粉誘導体等の水溶性接着剤、
あるいはスチレン−ブタジエン共重合体ラテックス等の
共重合体エマルジョン等が用いられている。このような
水性塗被組成物が原紙に塗被、乾燥されて塗被層となる
間に、原紙側や塗被層表面側へ接着剤が不均一に移動す
ることにより、塗被層内部や塗被層表面で接着剤の不均
一分布が発生するといわれている。特に、水溶性の澱粉
等が不均一な分布を起こし易く、インキ着肉ムラの起因
となり易い。このような接着剤の不均一な移動をなくす
ためには、原紙が均一な吸収性を持つこと、また、乾燥
条件として急激なあるいは過度な乾燥を避けて、水蒸気
蒸発の多い乾燥ゾーンではできるだけゆるやかに乾燥さ
せて、不均一な分布状態となることを避けるような配慮
が要求されている。
【0004】しかしながら、一方では生産性を上げるた
めに塗工機の高速化が進んでいる。そのために、例え
ば、塗工機の乾燥条件としては、乾燥温度をより高く、
風量をより多く、風速をより速くすることによって乾燥
能力を増強する塗工機設計が採られたり、さらには熱風
循環の湿度管理を低湿度にする等の塗工機操業等が行わ
れるようになっている。而して、このような操業条件を
採ることにより、塗被紙の品質に対してはマイナス点が
多い。特に、塗被層表面の水溶性接着剤が不均一な分布
をする傾向が強く、結果として得られた塗被紙にオフセ
ット印刷等を行った場合に著しいインキ着肉ムラが発生
するという問題が起きる。
【0005】そのため、インキ着肉ムラを悪化させるこ
となく乾燥能力を増強する方法として、赤外線、特に近
赤外線乾燥を行う例が知られている。しかし、これらの
方法はもっぱら乾燥の初期段階で用いられているので、
これにつづく従来タイプの熱風乾燥によって、やはり接
着剤の表面への不均一な移動が発生し、インキ着肉ムラ
の解消は満足のいくものではない。また、乾燥の全工程
を赤外線で行うことは乾燥能力と乾燥に必要なエネルギ
ー消費の点から実用上有効な方法ではない。
【0006】原紙としては、均一な吸収性を持つことが
重要であるが、原紙製造の特性より不均一性は避けるこ
とができず、例えば下塗り塗被層を設けて均一性を向上
させたとしても、急激過度な乾燥を受けた場合には、や
はり水溶性接着剤の不均一な移動を満足できる程度に抑
制することはできない。
【0007】顔料と接着剤、特に澱粉や澱粉誘導体等の
水溶性接着剤が含有せしめられた塗被組成物を塗工し、
乾燥工程で発生する接着剤の不均一な移動を防止するた
めのアプローチとしては、接着剤の中でもより移動し易
い水溶性澱粉の配合量を減少する例や、塗被組成物の不
動化を早める助剤等を添加する例などが知られている。
前者の方法は最終製品に対する要求品質やコストの点で
問題がなければ、インキ着肉ムラの解消策としては有効
な方法である。他方、澱粉を減少させた塗被組成物を用
いると塗工適性や製品の紙腰が低下するという問題が付
随し易い。したがって、この方法は特定の製品に限定さ
れる嫌いがあり、通常の印刷用塗被紙全般に適用するこ
とはできない。また、後者の方法は塗料粘度の増大や塗
料(経時)安定性面で難点を抱えている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、顔料および
水溶性の接着剤、特に澱粉または澱粉誘導体の少なくと
も1種を含有する塗被組成物を原紙上に塗被、乾燥して
仕上げる印刷用塗被紙の製造方法であって、特に、乾燥
条件や原紙の影響を受けず、さらに品質やコストを犠牲
にすることなく、オフセット印刷において発生し易いイ
ンキ着肉ムラの解消が顕著であり、かつ印刷仕上りの優
れた印刷用塗被紙の製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等はインキ着肉
ムラの発生原因と塗被層表面の接着剤の分布との関係に
ついて鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は原紙上に、顔料および接着剤として澱粉
または澱粉誘導体の少なくとも1種からなる水溶性接着
剤が配合されてなる水性塗料を塗被、乾燥して乾燥塗被
層を設けた後仕上げする印刷用塗被紙の製造方法におい
て、該乾燥塗被層面に加湿量が0.5〜4.0g/m2
となるように水蒸気を付加して塗被層中の水溶性接着剤
を再分布化させた後、塗被層面が乾燥した状態でキャレ
ンダー仕上げすることを特徴とする印刷用塗被紙の製造
方法である。
【0010】
【作用】一般に、印刷用塗被紙として、水溶性の接着
剤、特に澱粉あるいは澱粉誘導体を多く配合した塗被組
成物(以後、単に水性塗料と称す)を用いて得られる塗
被紙をオフセット印刷にかけるとインキ着肉ムラが発生
し易いことが経験的に知られている。これは、水性塗料
中の水溶性接着剤が塗工、乾燥工程で原紙へ浸透した
り、あるいは、加熱乾燥により塗料層より水が蒸発する
過程で接着剤が移動して塗被層、特に塗被層表面で不均
一な分布形成をするためである。なお、水分散性エマル
ジョンラテックス等の比較的疎水性接着剤の場合にはそ
の粒子特性より、澱粉等に比較して、水と共に移動する
割合が相対的に少ない。
【0011】本発明の目的は、前記したように塗被層を
構成する成分の1つである接着剤、特に澱粉または澱粉
誘導体の少なくとも1種からなる水溶性接着剤の塗被層
における分布ムラを軽減乃至解消することにより、イン
ク着肉ムラを解消するものである。そして、その具体的
な方法は、原紙上に顔料および接着剤を主成分とする塗
料を塗被後、紙水分が0.5〜10重量%、より好まし
くは3〜8重量%程度になるように一旦熱乾燥させた
後、その塗被層表面に片面当たり0.5〜4.0g/m
2 、より好ましくは1.0〜3.0g/m2 となるよう
に水蒸気を付加した後、該塗被層表面が乾燥状態(紙水
分として3〜8重量%程度)となった状態でキャレンダ
ー仕上げを行うものである。
【0012】水蒸気による乾燥塗被層面への加湿の目的
は、塗被層内部(特に表面近く)で不均一に分布してい
る水溶性接着剤(澱粉)の一部を水蒸気のエネルギーに
より再溶解あるいは再膨潤させることにより、瞬時に塗
被層表面(または塗被層内部)に不均一に分布している
澱粉等の水溶性接着剤の再分布化を促進し、その分布状
態をより均一化することにより極めて効果的にインク着
肉ムラを軽減または解消するものである。
【0013】本発明の方法においては、前記した如く水
蒸気の加湿量として0.5〜4.0g/m2 で十分にそ
の効果が得られるものであり、例えば水蒸気量として1
g/m2 程度の加湿の場合には、乾燥塗被層に水蒸気を
付加した時点で、略瞬時にその水蒸気は塗被層内部への
吸収と水溶性接着剤を再分布化するためのエネルギーと
して消化され、その塗被層表面はほとんど乾燥状態とな
っており、そのまま続けてキャレンダー仕上げにかける
こともできるし、必要に応じて巻取り仕上げとすること
もできる。他方、4.0g/m2 程度といった相対的に
多量の水蒸気付加の場合には、水蒸気を付加した後もし
ばらくは塗被層表面が湿った状態も有り得る。そのよう
な場合は、必要に応じて加熱乾燥を行い、塗被層表面を
乾燥させた状態で仕上げキャレンダー処理をするか、ま
たは一旦巻取りに仕上げた後キャレンダー処理に供され
る。因みに、塗被層表面が湿った状態でキャレンダー掛
けを施したり、あるいは巻取りに仕上げると、塗被層表
面の一部がロール表面に取られたり、巻取りにした場合
にブロッキングを起こす等の難点がある。なお、前記の
加熱乾燥に際しては、水蒸気加湿により湿潤化されてい
るために通常の水の場合と異なり、水分そのものは相当
に熱を有しており、弱い加熱乾燥で容易に塗被層表面が
乾燥状態になり得る。したがって、強い乾燥はできるだ
け避けて、弱い乾燥条件で処理することがインク着肉ム
ラの解消面からは望ましい。
【0014】上記の如き処理を施して得られた塗被紙
は、オフセット印刷に際しインキ着肉ムラが大巾に解消
されることが確認された。このことは、接着剤として澱
粉を比較的多く配合した塗料の場合に特に顕著である。
また、澱粉の分布状態は蒸気加湿を行わない一般の印刷
用塗被紙と比較し、本発明の方法によって得られる塗被
紙の場合、塗被層表面における澱粉分布ムラが大幅に解
消されていることがヨウ素染色試験法によっても識別確
認された。
【0015】なお、上記ヨウ素染色試験法とはヨウ素を
加熱してヨウ素ガスを塗被層表面に一定時間付加させた
後、水蒸気を付加して塗被層表面の澱粉をヨウ素で染色
することにより識別するものである。
【0016】なお、本発明の方法で使用される水蒸気
は、蒸気圧0.3〜2.0kg/cm 2 程度の低圧蒸気
であり、蒸気流量20〜200kg/Hr /m程度の蒸
気を適宜利用することができる。また、水蒸気を付加す
るための装置としては、例えば相川鉄工(株)製のスチ
ームフォイル(商品名)、メジャレックスコーポレーシ
ョン製のグロストロール(商品名)、デブロン・ハーキ
ュレス製のカレンダイザー(商品名)等が適宜使用でき
る。
【0017】ところで、特開平2−160993号、特
開平4−370293号には、紙に水蒸気を付加するこ
とが提案されているが、いずれもキャレンダー直前で蒸
気加湿を行い、塗被層または非塗被紙の表面がより潰れ
易く平準化が促進されることを目的として蒸気付加を行
ったものであり、その付加量も本発明では所望の効果が
得られないような少量であり、明らかに本発明とはその
目的を異にするものである。
【0018】即ち、本発明における蒸気付加の目的は、
前述したように塗被層に加熱蒸気を付加し、その熱と水
分により塗被層中に不均一に分布する澱粉等の水溶性接
着剤を短時間に膨潤、軟化させることにより再分布化を
促進して、より均一な分布状態を得ることにある。した
がって、その主目的が達成された後、キャレンダー掛け
直前では塗被層が通常の乾燥表面状態に戻っているのが
理想的であり、少なくとも塗被層表面は乾燥しているこ
とが重要である。
【0019】本発明において、塗被層の組成分である接
着剤として澱粉や澱粉誘導体等の水溶性接着剤が用いら
れているが、この場合の澱粉または澱粉誘導体の具体例
としては、例えばカチオン化澱粉、酸化澱粉、酵素変性
澱粉、熱化学変性澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱
粉、冷水可溶性澱粉等の澱粉類を挙げることができる。
また、水溶性の澱粉と同様の挙動をする水溶性接着剤と
して、例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース等のセルロース類、ポリビニルアルコ
ール、オレフィン−無水マレイン酸樹脂等が使用される
場合にも、澱粉または澱粉誘導体の場合と同様の対応を
取ることが望ましい。
【0020】水溶性の澱粉または澱粉誘導体の水性塗料
中における配合量としては、特に限定されるものではな
いが、一般に塗被層固形分に対し、1〜20重量%、よ
り好ましくは3〜13重量%であるときに本発明が所望
とする極めて優れた効果が得られる。したがって、本発
明では、特に澱粉または澱粉誘導体の塗被層における配
合量が塗被層固形分に対し、1〜20重量%、より好ま
しくは3〜13重量%にある塗被組成物を用いた印刷用
塗被紙がその対照となるものである。因みに、1重量%
未満の場合には、もともと絶対量が少なくインキ着肉ム
ラが発生し難く、改善の必要がそれほど要求されない。
なお、澱粉の量が少ないと品質面で、例えば紙腰の低下
や塗料の保水性が低下し塗工適性が低下する。他方、2
0重量%を超えるような量では、インキ着肉ムラの解消
効果は期待できるが、他の品質、特に耐水性のある製品
が得られ難いことや、塗料が増粘し塗工適性が低下する
などの他の問題が派生し易い。
【0021】なお、本発明においては、接着剤として上
記の水溶性の澱粉または澱粉誘導体の他に、塗被紙製造
分野で使用される公知公用の接着剤が適宜併用できる。
そのような接着剤としては、例えばスチレン−ブタジエ
ン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合
体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エ
ステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重合体ま
たは共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテック
ス、あるいはこれらの各種共重合体ラテックスをカルボ
キシル基等の官能基含有単量体で変性したアルカリ部分
溶解性あるいはアルカリ非溶解性の共重合体ラテックス
等を例示することができる。
【0022】また、塗被層の主成分である顔料として
は、例えばクレー、カオリン、水酸化アルミニウム、炭
酸カルシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜
鉛、サチンホワイト、硫酸カルシウム、タルク、プラス
チックピグメント等の通常の塗被紙用顔料の一種以上が
適宜選択して使用される。
【0023】水性塗料に配合される接着剤の総量として
は、顔料100重量部に対して3〜50重量部、より好
ましくは5〜30重量部程度の範囲で調節される。ま
た、塗料中には、必要に応じて耐水化剤、消泡剤、着色
剤、滑剤、流動変性剤等の各種助剤が適宜配合される。
【0024】かくして調製された水性塗料は、一般の塗
被紙製造分野で使用される塗工装置、例えばブレードコ
ーター、エヤーナイフコーター、ロールコーター、リバ
ースロールコーター、バーコーター、カーテンコータ
ー、ダイスロットコーター、グラビヤコーター、チャン
プレックスコーター、サイズプレスコーター等の塗工装
置を用いてオンマシンあるいはオフマシン仕様で原紙の
片面または両面に1層あるいは多層に分けて塗被され
る。その際の水性塗料の固形分濃度は一般に40〜75
重量%程度であるが、操業性を考慮すると45〜70重
量%の範囲で調節される。
【0025】なお、原紙としては、一般の印刷用塗被紙
に用いられる米坪30〜400g/m2 程度のペーパー
ベースやボードベースの原紙が用いられるが、抄紙方法
については特に限定されず、酸性抄紙、アルカリ性抄紙
いずれであってもよく、勿論、高歩留りパルプを含む中
質原紙も使用できる。また、サイズプレス、ロールコー
ター、ブレードコーター等で予備塗工した原紙も適宜使
用可能である。原紙への水性塗被組成物の塗被量は、一
般に乾燥重量で片面当たり3〜50g/m2 程度である
が、得られる塗被紙の白紙品質や印刷適性等を考慮する
と、8〜30g/m2 程度の範囲で調節するのが望まし
い。
【0026】原紙に塗被した塗料を乾燥する方法として
は、例えば蒸気加熱、熱風乾燥、ガスヒーター加熱、電
気ヒーター加熱、赤外線ヒーター加熱、高周波加熱、レ
ーザー加熱、電子線加熱など各種の方式を用いることが
でき、また乾燥条件についても、従来接着剤の塗被層表
面への不均一な移動が発生しないように、急激、過度な
乾燥を避けることが必要であったが、本発明の方法によ
れば、乾燥方法、条件については格別の制約はない。
【0027】キャレンダー仕上げの方法としては、例え
ばグロスキャレンダー、スーパーキャレンダー、ソフト
コンパクトキャレンダーなどの金属ロールまたはドラム
と弾性ロールよりなる各種キャレンダーがオンマシンや
オフマシン仕様で適宜用いられる。
【0028】
【実施例】以下に、実施例をあげて本発明を具体的に説
明するが、勿論、本発明はそれらの範囲に限定されるも
のではない。なお、例中の「部」および「%」は特に断
らない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を示
す。なお、評価方法は下記の通りである。
【0029】〔印刷物におけるインキ着肉ムラの評価〕
RI印刷機(明製作所製)によって、1色目にTOYO
KINGマークファイブニューTKU CC 藍インキ
(東洋インキ製)を0.5ml展色して、2色目にTO
YOKINGマークファイブ T=13 紅インキ(東
洋インキ製)を0.3ml展色し、1色目印刷後の時間
を変えて重ね刷した時の、2色目紅インキのムラをそれ
ぞれを目視により判定した ◎ : インキ着肉ムラが殆ど認められない ○ : インキ着肉ムラが僅かに認められる △ : インキ着肉ムラが認められる × : インキ着肉ムラが多く認められる
【0030】実施例1 〔印刷用塗被層組成物の塗料調製〕重質炭酸カルシウム
(商品名:FMT−90/ファイマティック社製)30
部、カオリン(商品名:アマゾン88/CADAM社
製)70部からなる顔料をコーレス分散機を用いて水分
散し顔料スラリーを得た。このスラリーにスチレン−ブ
タジエン共重合体ラテックス(商品名:SN307、住
友ダウ社製)10部(固形分)、酸化澱粉糊液(商品
名:エースA/王子コーンスターチ社製)5部(固形
分)、耐水化剤(商品名:デナコールPC1000/ナ
ガセ化成社製)0.2部、滑剤(商品名:ノプコートC
−104/サンノプコ社製)0.2部、その他助剤を添
加、分散して固形分濃度55%の水性塗料を調製した。
【0031】〔塗被紙の製造〕上記の水性塗料を用い
て、米坪87.9g/m2 の原紙に、片面当たり乾燥重
量が15g/m2 となるようにブレードコーターで両面
塗工を行った後、紙水分が6.0%となるように加熱乾
燥して印刷用塗被紙を得た。次に、乾燥塗被層の表面に
水蒸気加湿量が塗被層面当たり0.8g/m2 となるよ
う水蒸気を塗布して巻取りとし、5分間放置してスーパ
ーキャレンダーに掛けて表面光沢仕上げを行い、坪量が
117.9g/m2 の印刷用塗被紙を得た。なお、ここ
で用いた水蒸気は0.3kg/cm2 の低圧蒸気で、流
量は50kg/Hr /mであった。
【0032】実施例2 実施例1において、水蒸気塗布後の塗被紙巻取りを24
時間放置した後キャレンダー掛けを行ったこと以外は、
実施例1と同様にして印刷用塗被紙を得た。
【0033】実施例3 実施例1において、水蒸気塗布量を塗被層面当たり2.
0g/m2 とし、塗布後乾燥を行い、キャレンダー掛け
前の塗被紙の水分を6.0%となるようにした以外は、
実施例1と同様にして印刷用塗被紙を得た。なお、ここ
で用いた水蒸気は0.7kg/cm2 の低圧蒸気で、流
量は120kg/Hr /mであった。
【0034】実施例4 実施例1において、顔料として重質炭酸カルシウム(商
品名:FMT−90/ファイマティック社製)50部、
カオリン(商品名:UW−90/ エンゲルハード社
製)47部、サチンホワイト(商品名:サチンホワイト
BL/白石工業社製)3部を用い、酸化澱粉に代えて冷
水可溶性澱粉(商品名:ハイコースターPC−11/三
和澱粉工業社製)を7部添加し、耐水化剤を添加しなか
った以外は実施例1と同様にして印刷用塗被紙を得た。
【0035】実施例5 実施例4において、水蒸気塗布量を塗被層面当たり2.
0g/m2 とし、水蒸気塗布後乾燥を行い、キャレンダ
ー前の塗被紙の水分を6.0%とした以外は、実施例4
と同様にして印刷用塗被紙を得た。なお、ここで用いた
水蒸気は0.7kg/cm2 の低圧蒸気で、流量は12
0kg/Hr /mであった。
【0036】比較例1 実施例1において、水蒸気塗布量を塗被層面当たり0.
1g/m2 とした以外は、実施例1と同様にして印刷用
塗被紙を得た。なお、ここで用いた水蒸気は0.3kg
/cm2 の低圧蒸気で、流量は7kg/Hr /mであっ
た。
【0037】比較例2 実施例3において、水蒸気塗布をキャレンダー掛け直前
に行い、塗被層表面が湿潤状態でキャレンダー掛けを行
った以外は実施例3と同様にして印刷用塗被紙を得た。
このときキャレンダーのロール汚れが発生し、製品の価
値をなくした。
【0038】比較例3 実施例3において、水蒸気塗布量を塗被層面当たり5g
/m2 とした以外は実施例3と同様にして印刷用塗被紙
を得た。なお、ここで用いた水蒸気は0.7kg/cm
2 の低圧蒸気で、流量は250kg/Hr /mであっ
た。
【0039】比較例4 実施例3において、水蒸気塗布後、乾燥処理を行わずに
巻取ったこと以外は実施例3と同様にして印刷用塗被紙
を得た。このときの巻取り直前の塗被層表面は湿潤状態
にあったために、巻取りでブロッキングが発生し、製品
価値をなくした。
【0040】
【表1】
【0041】(注) *1 : ロール汚れが発生し、商品性を失った。 *2 : ブロッキングが発生し、商品性を失った。
【0042】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明
の製造方法で得られた印刷用塗被紙は印刷インキの着肉
ムラが発生しない、印刷仕上がりが良好な印刷用塗被紙
であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙上に、顔料および接着剤として澱粉ま
    たは澱粉誘導体の少なくとも1種からなる水溶性接着剤
    が配合されてなる水性塗料を塗被、乾燥して乾燥塗被層
    を設けた後仕上げする印刷用塗被紙の製造方法におい
    て、該乾燥塗被層面に加湿量が0.5〜4.0g/m2
    となるように水蒸気を付加して塗被層中の水溶性接着剤
    を再分布化させた後、塗被層面が乾燥した状態でキャレ
    ンダー仕上げすることを特徴とする印刷用塗被紙の製造
    方法。
JP7073585A 1995-03-30 1995-03-30 印刷用塗被紙の製造方法 Pending JPH08269895A (ja)

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JP7073585A Pending JPH08269895A (ja) 1995-03-30 1995-03-30 印刷用塗被紙の製造方法

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JP (1) JPH08269895A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10004506B2 (en) 2011-05-27 2018-06-26 Ethicon Llc Surgical system

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