JPH08269784A - Rim製品のメッキ方法 - Google Patents

Rim製品のメッキ方法

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JPH08269784A
JPH08269784A JP9615995A JP9615995A JPH08269784A JP H08269784 A JPH08269784 A JP H08269784A JP 9615995 A JP9615995 A JP 9615995A JP 9615995 A JP9615995 A JP 9615995A JP H08269784 A JPH08269784 A JP H08269784A
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JP
Japan
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plating
norbornene
reaction
rim
monomer
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Application number
JP9615995A
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English (en)
Inventor
Shinichiro Tawara
伸一郎 田原
Hirotoshi Tanimoto
博利 谷本
Shigeru Yagishita
茂 八木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 水酸化物、酸化物、ハロゲン化物、およびオ
キソ酸塩から選ばれた金属化合物またはアンモニウム化
合物(例えば、水酸化アルミニウム)、ノルボルネン系
単量体、メタセシス触媒、及び活性剤を含有する反応液
を金型内で塊状重合させて反応射出成形品を得、これを
メッキする。 【効果】 本発明の方法によって得られたメッキ層を有
する成形品は、反応射出成形品の表面とメッキ層の密着
性に優れ、剥離しにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反応射出成形品のメッ
キ方法に関し、さらに詳しくは、メッキ工程が簡単で、
メッキ層が剥離しにくい反応射出成形品のメッキ方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ノルボルネン系単量体を金型内で塊状重
合させて成形する反応射出(以下、RIMという)法
は、得られるRIM製品は、耐熱性、寸法安定性、耐吸
水性、軽量性などに優れており、小型の成形品のみなら
ず大型で複雑な形状の成形品の成形も可能であることか
ら、様々な分野で使用されている。
【0003】使用目的に応じて、外観や物性を改良する
ため、RIM製品表面をメッキする場合がある。しか
し、ノルボルネン系単量体を用いたRIM製品表面に直
接メッキしても、成形品表面とメッキ層の密着性に問題
があり、使用条件によっては剥離することがあった。
【0004】ノルボルネン系RIM製品に、密着性良く
メッキする方法としては、前処理として酸素分子と接触
させて親水化してメッキする方法(特開平2−2709
67号公報)、塊状重合に用いる反応液にジエン系エラ
ストマーを含有させて改質したノルボルネン系RIM製
品を得て、それにメッキする方法(特開平3−6312
9号公報)、前処理としてRIM製品表面をイソプロピ
ルアルコールなどの脂肪族低級アルコールとトルエンな
どの易揮発性溶剤の混合物で処理してメッキする方法
(特開平5−93079号公報)、RIM製品表面にA
BS樹脂層を設けた後にメッキするする方法(特開平6
−330328号公報)などが知られている。第1の方
法は空気中に放置することによって達成されるが、十分
に親水化するのには時間を要するため生産性が低下す
る。第2の方法では目的や形状によっては十分な密着性
を有するメッキ層を形成できない場合がある。第3の方
法は表面のゲルなどの除去により密着性を改善する方法
であり、通常のメッキの工程における脱脂に相当する
が、ゲルのない状態にしたRIM製品の表面の場合には
必ずしもメッキ層との密着性は改善されない。さらに、
第4の方法では塗装という工程が加わるために生産性が
低下するという問題があった。
【0005】一方、ノルボルネン系RIM製品に難燃性
を付与するために、難燃化剤を含有させて改質されるこ
とも知られている(例えば、前述のメッキに関する特開
平2−270967号公報など)。しかし、実際に難燃
化剤を添加して改質したノルボルネン系RIM製品にメ
ッキした例は知られておらず、特に難燃化剤として用い
られる水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物を含有さ
せて改質ノルボルネン系RIM製品をメッキした場合の
製品表面とメッキ層の密着性については全く知られてい
なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、特別な
工程を必要とせずに生産性に優れた方法で、ノルボルネ
ン系RIM製品表面に密着性に優れたメッキ層を形成す
ることを目的として、鋭意研究の結果、特定の化合物を
含有するノルボルネン系RIM製品表面がメッキ層との
密着性に優れていることを見い出し、本発明を完成させ
るに到った。
【0007】
【課題を解決する手段】かくして、本発明によれば、金
型内でノルボルネン系単量体をメタセシス触媒を用いて
塊状重合させた反応射出成形品のメッキ方法であって、
該反応射出成形品が水酸化物、酸化物、ハロゲン化物、
およびオキソ酸塩から選ばれた金属化合物またはアンモ
ニウム化合物を含有する反応液を塊状重合させて得たも
のであることを特徴とするメッキ方法が提供される。
【0008】(ノルボルネン系単量体)本発明の反応射
出成形に用いられるノルボルネン系単量体は、ノルボル
ネン環を有するものであればいずれでもよいが、耐熱性
に優れた成形品が得られることから、三環体以上の多環
ノルボルネン系単量体を用いることが好ましい。
【0009】ノルボルネン系単量体の具体例としては、
ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体; ジシク
ロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエンなどの
三環体; テトラシクロドデセン等の四環体; トリシ
クロペンタジエン等の五環体; テトラシクロペンタジ
エン等の七環体; これらのメチル、エチル、プロピ
ル、ブチルなどのアルキル、ビニルなどのアルケニル、
エチリデンなどのアルキリデン、フェニル、トリル、ナ
フチルなどのアリールなどの置換体; さらにこれらの
エステル基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン原子など
の極性基を有する置換体などが例示される。これらの単
量体は、1種以上を組合わせて用いてもよい。入手が容
易であり、反応性に優れ、得られる樹脂成形品の耐熱性
に優れる点から、三環体、四環体、あるいは五環体の単
量体が好ましい。
【0010】また、生成する開環重合体は熱硬化型とす
ることが好ましく、そのためには、用いる単量体の10
重量%以上、好ましくは30重量%以上の架橋性単量体
を使用すればよい。
【0011】架橋性単量体は、反応性の二重結合を2個
以上有する多環ノルボルネン系単量体であり、その具体
例としてジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエ
ン、テトラシクロペンタジエンなどが例示される。
【0012】なお、本発明の目的を損なわない範囲で、
ノルボルネン系単量体と開環共重合し得るシクロブテ
ン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロオク
テン、シクロドデセンなどの単環シクロオレフィンなど
を、コモノマーとして用いてもよい。
【0013】(メタセシス触媒)本発明においてノルボ
ルネン系単量体を重合するのに用いられる触媒は、メタ
セシス触媒である。メタセシス触媒は、RIM法でノル
ボルネン系単量体を開環重合できるものであれば特に限
定されず、公知のものでよい。例えば、タングステン、
モリブデン、タンタルなどのハロゲン化物、オキシハロ
ゲン化物、酸化物、有機アンモニウム塩などが挙げられ
る。
【0014】メタセシス触媒の使用量は、反応液全体で
使用する単量体1モルに対し、通常、0.01ミリモル
以上、好ましくは0.1ミリモル以上、50ミリモル以
下、好ましくは20ミリモル以下である。メタセシス触
媒の使用量が少なすぎると重合活性が低すぎて反応に時
間がかかるため生産効率が悪く、使用量が多すぎると反
応が激しすぎるため金型内に十分に充填される前に硬化
したり、触媒が析出しやすくなり反応原液を均質に保存
することなどが困難になる。メタセシス触媒は、通常、
単量体に溶解して用いるが、RIM法による成形品の性
質を本質的に損なわない範囲であれば、少量の溶剤に懸
濁または溶解させた上で、単量体と混合することによ
り、析出しにくくしたり、溶解性を高めて用いてもよ
い。
【0015】(活性剤)本発明においては、メタセシス
共触媒とも言われる活性剤をメタセシス触媒と共に用い
てRIMを行う。活性剤はRIM法でノルボルネン系単
量体を開環重合できるメタセシス触媒を活性化できるも
のであれば特に限定されず、公知のものでよい。例え
ば、アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムハラ
イド、アルコキシアルキルアルミニウムハライド、アリ
ールオキシアルキルアルミニウムハライド、有機スズ化
合物などが挙げられる。
【0016】活性剤の使用量は、特に限定されないが、
通常、反応液全体で使用するメタセシス触媒1モルに対
して、1モル以上10モル以下用いられる。活性剤の使
用量が少なすぎると重合活性が低すぎて反応に時間がか
かるため生産効率が悪く、使用量が多すぎると反応が激
しすぎるため金型内に十分に充填される前に硬化するこ
とがある。活性剤も、単量体に溶解して用いるが、RI
M法による成形品の性質を本質的に損なわない範囲であ
れば、少量の溶剤に懸濁または溶解させた上で、単量体
と混合することにより、析出しにくくしたり、溶解性を
高めて用いてもよい。
【0017】(改質剤)本発明の反応射出成形に用いる
反応液は、RIM製品表面とメッキ層との密着性を改良
する改質剤が添加される。本発明で用いる改質剤は、水
酸化物、酸化物、ハロゲン化物、およびオキソ酸塩から
選ばれた金属化合物またはアンモニウム化合物である。
密着性改良効果が大きい点で、水酸化物が好ましく、金
属水酸化物がより好ましい。
【0018】具体的には、水酸化物として、水酸化アル
ミニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸
化第一鉄、水酸化第二鉄、水酸化第一銅、水酸化第二
銅、水酸化第一スズ、水酸化第二スズなどの金属水酸化
物や水酸化アンモニウムが例示される。これらの中でも
密着性改良効果が大きい点で、水酸化アルミニウムが好
ましい。
【0019】酸化物としては、酸化ナトリウム、酸化カ
ルシウム、酸化アルミニウム、酸化第一鉄、酸化第二
鉄、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化スズ、酸化ケイ素な
どがが例示される。
【0020】ハロゲン化物としては、塩化ナトリウム、
臭化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、
塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化第一銅、塩化第二銅、塩
化第一スズ、塩化第二スズ、クロロシラン、塩化アンモ
ニウムなどが例示される。
【0021】オキソ酸塩としては、硫酸水素ナトリウ
ム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウ
ムなどの硫酸塩; 硝酸ナトリウム、硝酸カルシウムな
どの硝酸塩、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナト
リウム、リン酸ナトリウム、リン酸アンモニウムなどの
リン酸塩; 炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カルシウムなどの炭酸塩; 亜硫酸水素ナトリウム、
亜硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩、次亜リン酸ナトリウ
ム、次亜リン酸アンモニウムなどの次亜リン酸塩、亜リ
ン酸ナトリウムなどの亜リン酸塩; 次亜塩素酸ナトリ
ウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜臭素酸ナトリウムな
どの次亜ハロゲン酸塩; チオ亜硫酸ナトリウムなどの
チオ亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどのチオ硫酸塩;
塩素酸ナトリウム、塩素酸カルシウム、臭素酸ナトリ
ウムなどのハロゲン酸塩; 亜塩素酸ナトリウム、亜塩
素酸カルシウム、亜臭素酸ナトリウムなどの亜ハロゲン
酸塩; 過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウム、過
臭素酸ナトリウム等の過ハロゲン酸塩; などが例示さ
れる。
【0022】本発明で用いる改質剤は、単独で用いても
また組み合わせて用いてもよく、ノルボルネン系単量体
100重量部に対して、2重量部以上、好ましくは5重
量部以上、150重量部以下、好ましくは100重量部
以下用いられる。使用量が少なすぎると十分な密着性が
得られず、多すぎると反応原液に充分に溶解しなかった
り、均一に分散しなかったり、また反応原液の粘度がR
IM法に不適切なものとなることもある。
【0023】(その他の任意成分)所望により、酸化防
止剤、充填剤、顔料、着色剤、発泡剤、摺動付与剤、難
燃化剤、可燃剤、エラストマー、ジシクロペンタジエン
系熱重合樹脂およびその水添物など種々の添加剤を反応
原液に配合することができ、それにより得られるRIM
製品の特性を改質することができる。充填剤としては、
ガラス、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、
雲母などの無機質充填剤が例示される。
【0024】また、反応原液の粘度調節の目的で反応原
液にエラストマーを配合してもよい。エラストマーを反
応原液に添加すると、得られる成形品の耐衝撃性も向上
する。用いられるエラストマーとしては、ジエン系エラ
ストマーが好ましく、ブタジエン系エラストマーがより
好ましい。ジエン系エラストマーとしては、ポリブタジ
エン、チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジ
エンースチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチ
レン共重合体などのブタジエン系エラストマーや、天然
ゴム、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン
ターポリマーなどが例示される。ジエン系エラストマー
を使用する場合は、反応液全体で使用するノルボルネン
系単量体に対し、2重量%以上、好ましくは3重量%以
上、15重量%以下、好ましくは10重量%以下用いる
とRIM品とメッキ層の密着性がより向上する。ジエン
系エラストマーの使用量が少なすぎるとメッキ層の密着
性の向上が認められず、多すぎると反応液や反応原液の
粘度が高くなりすぎ、成形が困難になり、また、エラス
トマーが熱可塑性であるため、RIM品の耐熱性や剛性
が低下するという問題を生じる。
【0025】(反応原液)本発明で用いられる反応原液
とは、ノルボルネン系単量体、メタセシス触媒、活性
剤、改質剤、および任意成分を、全ての反応原液を混合
すると各成分が所定の割合となり、ノルボルネン系単量
体が塊状重合するように、2液以上の液に分けてそれぞ
れを混合し、かつ1液のみではノルボルネン系単量体の
重合が起こらないようにした各液のことである。
【0026】例えば、ノルボルネン系単量体、メタセシ
ス触媒、および任意成分から成る液と、ノルボルネン系
単量体、活性剤、および任意成分から成る液は、それぞ
れそのままでは重合しない。2液に含まれる各成分の総
量が本発明における各成分の使用量であれば、この2液
はそれぞれ本発明で用いられる反応原液であり、両者を
混合して金型内でノルボルネン系単量体を塊状重合させ
ることにより、本発明の成形品が得られる。
【0027】作業性のよいように、通常、2液の反応原
液を用いて塊状重合させているが、3液以上の反応原液
を用いてもよい。反応原液の混合後に、ノルボルネン系
単量体中にその他の成分が十分に拡散できるように、通
常、どの反応原液にもノルボルネン系単量体が含有され
ており、その他の成分は、ノルボルネン系単量体中に溶
解、または分散していることが好ましいが、ノルボルネ
ン系単量体が含有されていない反応原液があってもよ
い。また、ノルボルネン系単量体、メタセシス触媒、活
性剤の三者を一つの反応原液に含有させると塊状重合が
開始するので、通常、メタセシス触媒と活性剤を一つの
反応原液に含有させることはない。本発明で用いる反応
原液の組み合わせにおいては、少なくとも一つの反応原
液に改質剤が含有されている。
【0028】なお、反応原液はメタセシス触媒などの失
活を防ぐためなどの理由で、通常、窒素ガスなどの不活
性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。
【0029】(塊状重合)本発明においては、上記のよ
うに2液以上の反応原液を混合して、混合液を所定形状
の金型内で塊状重合して、成形品を得る。この時、改質
剤や任意成分は、ノルボルネン系単量体に溶解、または
分散した状態で塊状重合される。
【0030】反応原液を混合する方法としては、ミキシ
ング・ヘッドで瞬間的に混合させる方法が一般的であ
る。この場合、各反応原液を収めた容器は別々の流れの
供給源となる。ミキシング・ヘッドとしては、衝突混合
装置、ダイナミックミキサーやスタチックミキサーなど
の低圧注入機などが使用できる。成形品のベタつきを抑
制するなどの目的で、室温におけるポットライフが数分
以下の混合液となる反応原液の組み合わせを用いる場合
は、反応原液の混合から金型内への充填終了までの時間
が長いと充填終了前に塊状重合が終了し、所定の形状の
成形品が得られないことから衝突混合装置を用いること
が好ましい。それに対し、室温におけるポットライフが
1時間以上の混合液となる反応原液の組み合わせを用い
る場合は、反応原液の混合後、予備加熱した金型中へ数
回にわたって射出、あるいは注入してもよく、また、連
続的に注入してもよいので、装置を小型化することがで
き、低圧で操作可能であり、大型や肉厚の成形品が製造
でき、さらにガラス繊維などの充填剤の充填量が多い場
合などでも注入スピードを遅くすることにより金型内に
均一に反応液を充填させることが可能となる低圧注入機
を用いることが好ましい。
【0031】(金型)金型の材質、大きさには、特に制
限はない。金属製以外に、重合時の発熱に対して耐熱性
を有する材料であれば、合成樹脂製のものなども使用で
きる。
【0032】(RIM製品品)本発明のRIM製品は、
大きさ、形状などは特に限定されず、所望の大きさ、形
状にすることができる。なお、成形品中の各成分の濃度
は、最終的に反応原液が混合され塊状重合する状態とな
った反応液での各成分の濃度自体である。
【0033】(メッキ処理)RIM製品に、化学メッキ
法および/または電気メッキ法によりメッキ層を設ける
には、公知の化学・電気メッキ工程を採用することがで
きる。一般には、化学メッキ法と電気メッキ法を、次の
ような一連の工程で行うのが一般的である。
【0034】第一に前処理工程として、必要に応じて不
良成形品を取り除き、製面し、好ましくは脱脂を行う。
第二に化学エッチングにより成形品の表面を粗面化す
る。第三に化学メッキの進行に必要なパラジウム、銀な
どを成形品表面に付着させる。第四に感応性付与(セン
シタイジング)工程と活性化(アクチベイティング)工
程により、化学銅メッキまたは化学ニッケルメッキを行
い、化学メッキによる薄い導電性の金属被膜を形成す
る。第五に電気メッキを行い、化学メッキ層の上に電気
メッキ層を設ける。電気メッキ層としては、単一の金属
被膜でも複数の金属による多層被膜のものでもよく、多
様な金属が用いられる。例えば、最初に電気銅メッキを
行い、その上に電気ニッケルメッキを中間層として形成
し、最後に電気クロムメッキを行って金属被膜を完成さ
せる場合が多い。最終メッキとしては、スズ−コバルト
やスズ−ニッケルも広く用いられている。
【0035】本発明の態様としては、(1) 金型内で
ノルボルネン系単量体をメタセシス触媒を用いて塊状重
合させた反応射出成形品のメッキ方法であって、該反応
射出成形品が水酸化物、酸化物、ハロゲン化物、および
オキソ酸塩から選ばれた金属化合物またはアンモニウム
化合物を含有する反応液を塊状重合させて得たものであ
ることを特徴とするメッキ方法、(2) 金属化合物ま
たはアンモニウム化合物が水酸化物である(1)記載の
メッキ方法、(3) 金属化合物またはアンモニウム化
合物が金属水酸化物である(2)記載のメッキ方法、
(4) 金属水酸化物が水酸化アルミニウムである
(3)記載のメッキ方法。(5) 金属化合物またはア
ンモニウム化合物を反応液にノルボルネン系単量体10
0重量部に対して2〜150重量部含有させる(1)〜
(4)記載のメッキ方法、(6) ノルボルネン系単量
体の10重量%以上が架橋性単量体である(1)〜
(5)記載のメッキ方法、(7) 反応液中にメタセシ
ス重合触媒をノルボルネン系単量体1モルに対して0.
01〜50ミリモル含有させる(1)〜(6)記載のメ
ッキ方法、(8) 反応液中に活性剤をメタセシス重合
触媒1モルに対して1〜10モル含有させる(1)〜
(7)記載のメッキ方法、(9) 反応液がジエン系エ
ラストマーを2〜15重量%含有する(1)〜(8)記
載のメッキ方法、(10) 反応液が、メタセシス重合
触媒を含有し活性剤を含有しない反応原液と、活性剤を
含有しメタセシス重合触媒を含有しない反応原液を混合
して調整される(1)〜(9)記載のメッキ方法、など
が例示される。
【0036】
【実施例】以下に実施例、比較例を挙げて本発明を具体
的に説明する。また、RIM製品は厚さ3.0mmの2
5cm×25cmの板状のものを、金型温度70℃、2
種類の反応原液の混合比が体積基準で1:1になるよう
にし、反応原液の混合物の金型への射出速度は60g/
秒になるように調整して得た。密着性試験はJISH8
630『プラスチック上の装飾用電気めっき』の附属書
6「密着性試験方法」に準じて行った。
【0037】参考例1 ジシクロペンタジエン90重量部と非対称型シクロペン
タジエン3量体10重量部を混合し、更に2,6−ジ−
tert−ブチル−4−メチルフェノールを1000p
pmの濃度になるように添加して、モノマー組成物aを
得た。
【0038】このモノマー組成物a100重量部にスチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(クイン
タック3421、日本ゼオン製)6.5重量部、ポリブ
タジエン(BR1220SU、日本ゼオン製)1.0重
量部を添加して、モノマー組成物bを得た。
【0039】モノマー組成物bにジエチルアルミニウム
クロライドを46mM、1,3−ジクロロ−2−プロパ
ノールを46.9mMになるように添加して、反応原液
Aを調製した。
【0040】また、モノマー組成物bに、トリスドデシ
ルアンモニウムモリブデートを10mMになるように添
加して、反応原液Bを調製した。
【0041】モノマー組成物a100重量部にスチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体(クインタッ
ク3421)10.5重量部を溶解し、ジエチルアルミ
ニウムクロライドを46mM、1,3−ジクロロ−2−
プロパノールを46.9mMになるように添加して、反
応原液Cを調製した。
【0042】また、モノマー組成100重量部にスチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(クインタ
ック3421)4.5重量部を溶解し、トリスドデシル
アンモニウムモリブデートを10mMになるように添加
して反応原液Dを調製した。
【0043】この反応原液D100重量部に水酸化アル
ミニウム(ハイジライトH−34、昭和電工製)35重
量部を添加して反応原液Eを調製した。
【0044】実施例1 反応原液C及び反応原液Eを用いてRIM法による成形
品を得た。このようにして得られた平板状成形品を下記
の工程で化学メッキ及び電気メッキを順次行った。な
お、工程間の水洗工程の記載は省略した。
【0045】成形品を1リットル当たり硫酸100m
l、界面活性剤1.5gを溶解した水溶液に50℃で5
分間浸漬して脱脂した。脱脂した成形品を1リットル当
たり硫酸200ml、無水クロム酸400gを溶解した
水溶液に、65℃で5分間浸漬して化学エッチングを行
った。エッチングした成形品を、1リットル当たり35
%塩酸50mlを溶解した水溶液で、25℃で2分間酸
洗浄した。洗浄した成形品を1リットル当たり塩化第一
錫(2水和物)20g、35%塩酸5を溶解した混合水
溶液に、25℃で5分間浸漬して、感応性を付与した。
次いで、塩化パラジウム0.4g、35%塩酸3ml溶
解した水溶液に、25℃で5分間浸漬して活性化した。
続けて、1リットル当たり硫酸ニッケル(6水和物)1
5g 、クエン酸ソーダ(2水和物)45g 、亜リン酸
ソーダ(1水和物)10g、乳酸3mlを溶解した混合
水溶液(pH10)に、40℃で8分間浸漬して、化学
メッキした。
【0046】さらに、化学メッキした成形品を1リット
ル当たり硫酸50mlを溶解した水溶液に25℃で20
秒間浸漬した後、1リットル当たり硫酸銅(5水和物)
150g、硫酸60gを溶解した混合水溶液に浸漬して
25℃・3分間陰極電流密度2A/dm2で処理した。
次いで、1リットル当たり硫酸銅(5水和物)200
g、硫酸60g、光沢剤適量を溶解した水溶液に浸漬し
25℃で30分、4A/dm2の電流を流し、厚さ40
μmの光沢銅メッキ層を形成した。密着性試験の結果を
表1に示す。
【0047】実施例2 前記反応原液D100重量部に水酸化アルミニウムを7
0重量部添加して調整した反応原液Fを反応原液Eの代
わりに使用する以外は、実施例1と同様にして平板状成
形品を得、同様の工程でメッキした。密着性試験の結果
を表1に示す。
【0048】比較例1 反応原液Cの代わりに反応原液Aを、反応原液Eの代わ
りに反応原液Bを用いる以外は実施例1と同様にして平
板状成形品を得、同様の処方でメッキした。密着性試験
の結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明のメッキ方法は処理時に通常の前
処理以外の複雑な工程を必要とせず、得られるメッキ層
を有するノルボルネン系RIM製品は、通常の前処理の
みで形成されたメッキ層が基材であるRIM表面との密
着性に優れており、剥離しにくい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型内でノルボルネン系単量体をメタセ
    シス触媒を用いて塊状重合させた反応射出成形品のメッ
    キ方法であって、該反応射出成形品が水酸化物、酸化
    物、ハロゲン化物、およびオキソ酸塩から選ばれた金属
    化合物またはアンモニウム化合物を含有する反応液を塊
    状重合させて得たものであることを特徴とするメッキ方
    法。
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