JPH08269372A - 塗装面の保護フィルム形成用塗料及び車体塗装面の保護方法 - Google Patents
塗装面の保護フィルム形成用塗料及び車体塗装面の保護方法Info
- Publication number
- JPH08269372A JPH08269372A JP7100657A JP10065795A JPH08269372A JP H08269372 A JPH08269372 A JP H08269372A JP 7100657 A JP7100657 A JP 7100657A JP 10065795 A JP10065795 A JP 10065795A JP H08269372 A JPH08269372 A JP H08269372A
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- JP
- Japan
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- protective film
- film
- coated surface
- coating material
- beads
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- Pending
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 剥離作業の容易化し得るとともに、塗膜の外
観的な低下を伴うことなく使用し得る塗装面の保護フィ
ルム形成用塗料及び車体塗装面の保護方法を提供する。 【構成】 完成された車両の出荷時等に、保護フィルム
形成用塗料を、車体塗装面にスプレーガンを用いて塗布
する。すると、図1(a)に示すように、車体塗装面を
形成する塗膜1上に、保護フィルム形成用塗料11が積
層され、この保護フィルム形成用塗料11は、アクリル
エマルジョン樹脂12、上水13、及び溶剤PPビーズ
14を含有してなる。そして、保護フィルム形成用塗料
11を塗布後、乾燥を行う。すると、溶剤としての上水
13が蒸発してアクリルエマルジョン樹脂12が硬化
し、同図(b)に示すように、アクリル樹脂15と該ア
クリル樹脂15に拘束されたPPビーズ14とからなる
保護フィルム16が、塗膜1上に形成される。
観的な低下を伴うことなく使用し得る塗装面の保護フィ
ルム形成用塗料及び車体塗装面の保護方法を提供する。 【構成】 完成された車両の出荷時等に、保護フィルム
形成用塗料を、車体塗装面にスプレーガンを用いて塗布
する。すると、図1(a)に示すように、車体塗装面を
形成する塗膜1上に、保護フィルム形成用塗料11が積
層され、この保護フィルム形成用塗料11は、アクリル
エマルジョン樹脂12、上水13、及び溶剤PPビーズ
14を含有してなる。そして、保護フィルム形成用塗料
11を塗布後、乾燥を行う。すると、溶剤としての上水
13が蒸発してアクリルエマルジョン樹脂12が硬化
し、同図(b)に示すように、アクリル樹脂15と該ア
クリル樹脂15に拘束されたPPビーズ14とからなる
保護フィルム16が、塗膜1上に形成される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、完成した製品の塗膜を
保護するために用いられる塗装面保護フィルム形成用塗
料、及び該塗料を用いた車体塗装面保護方法に関する。
保護するために用いられる塗装面保護フィルム形成用塗
料、及び該塗料を用いた車体塗装面保護方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、保護フィルム形成用塗料及び車体
塗装面の保護方法としては、特開平6−254488号
公報に開示されたものが知られている。この保護フィル
ム形成用塗料は、アクリルエマルジョン樹脂と溶剤(上
水)とを主成分として構成され、この塗料を完成した車
両の車体表面にスプレーガン等により塗布する。する
と、時間の経過に伴って溶剤が蒸発するとともに、アク
リルエマルジョン樹脂が硬化してアクリル皮膜からなる
保護フィルムが形成され、該保護フィルムにより車体塗
装面が被覆される。したがって、この保護フィルムによ
り、ユーザーへの引き渡しまでの輸送期間あるいはスト
ック期間において、酸性雨、砂、埃等から、車体の塗装
面を保護することができる。また、ユーザーへの引き渡
し等に際しては、保護フィルムを剥離して除去し、これ
により出荷時から保護していた塗装面を露呈させる。
塗装面の保護方法としては、特開平6−254488号
公報に開示されたものが知られている。この保護フィル
ム形成用塗料は、アクリルエマルジョン樹脂と溶剤(上
水)とを主成分として構成され、この塗料を完成した車
両の車体表面にスプレーガン等により塗布する。する
と、時間の経過に伴って溶剤が蒸発するとともに、アク
リルエマルジョン樹脂が硬化してアクリル皮膜からなる
保護フィルムが形成され、該保護フィルムにより車体塗
装面が被覆される。したがって、この保護フィルムによ
り、ユーザーへの引き渡しまでの輸送期間あるいはスト
ック期間において、酸性雨、砂、埃等から、車体の塗装
面を保護することができる。また、ユーザーへの引き渡
し等に際しては、保護フィルムを剥離して除去し、これ
により出荷時から保護していた塗装面を露呈させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の保護フィルム形成用塗料は、アクリルエマル
ジョン樹脂と溶剤とを主成分としている。したがって、
この塗料を塗布した後、溶剤が蒸発して形成される保護
フィルムは、アクリルが有する本来的な密着性を具現す
る。このため、保護フィルムを剥離する際の作業に手間
取り、その結果出荷からユーザーへの引き渡しまでに至
るコストが増大する一因となってしまう。また、スプレ
ーガン等により保護フィルム形成用塗料を車体塗装面に
塗布すると、不可避的に塗料内に空気が混入する。する
と、溶剤が蒸発して保護フィルムが形成される際、図2
(a)に示すように、車体側の塗膜1と保護フィルム2
間に空気が封入されて、気泡3が介在してしまう。一
方、保護フィルム2にあっては、アクリルからなり所定
の熱伸縮率と前記密着性とを有しており、保護フィルム
2の伸縮率は塗膜1の伸縮率より大きい。このため、輸
送期間やストック期間に直射日光等の熱影響を受けて、
保護フィルム2が伸張すると、塗膜1の表面側を密着さ
せて周囲に拡散させる。その結果保護フィルム2が密着
している塗膜1は、周囲への拡散に伴って薄膜化する。
うな従来の保護フィルム形成用塗料は、アクリルエマル
ジョン樹脂と溶剤とを主成分としている。したがって、
この塗料を塗布した後、溶剤が蒸発して形成される保護
フィルムは、アクリルが有する本来的な密着性を具現す
る。このため、保護フィルムを剥離する際の作業に手間
取り、その結果出荷からユーザーへの引き渡しまでに至
るコストが増大する一因となってしまう。また、スプレ
ーガン等により保護フィルム形成用塗料を車体塗装面に
塗布すると、不可避的に塗料内に空気が混入する。する
と、溶剤が蒸発して保護フィルムが形成される際、図2
(a)に示すように、車体側の塗膜1と保護フィルム2
間に空気が封入されて、気泡3が介在してしまう。一
方、保護フィルム2にあっては、アクリルからなり所定
の熱伸縮率と前記密着性とを有しており、保護フィルム
2の伸縮率は塗膜1の伸縮率より大きい。このため、輸
送期間やストック期間に直射日光等の熱影響を受けて、
保護フィルム2が伸張すると、塗膜1の表面側を密着さ
せて周囲に拡散させる。その結果保護フィルム2が密着
している塗膜1は、周囲への拡散に伴って薄膜化する。
【0004】しかし、気泡3が存在している部分は、こ
のような保護フィルム2の伸張に伴う薄膜化はないこと
から、当初の膜厚を維持する。このため、引き渡し等に
際して、保護フィルム2を除去すると、塗膜1の気泡3
が存在していた部分が他の部分より突出した段部からな
る皺4となって露呈し、この皺4により塗膜1の外観品
質が低下し、車両の商品性が低下する不都合もあった。
のような保護フィルム2の伸張に伴う薄膜化はないこと
から、当初の膜厚を維持する。このため、引き渡し等に
際して、保護フィルム2を除去すると、塗膜1の気泡3
が存在していた部分が他の部分より突出した段部からな
る皺4となって露呈し、この皺4により塗膜1の外観品
質が低下し、車両の商品性が低下する不都合もあった。
【0005】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたものであり、剥離作業の容易化し得るととも
に、塗膜の外観的な低下を伴うことなく使用し得る塗装
面の保護フィルム形成用塗料及び車体塗装面の保護方法
を提供することを目的とするものである。
なされたものであり、剥離作業の容易化し得るととも
に、塗膜の外観的な低下を伴うことなく使用し得る塗装
面の保護フィルム形成用塗料及び車体塗装面の保護方法
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明にかかる塗装面の保護フィルム形成用塗料にあ
っては、エマルジョン樹脂と溶剤、及びビーズを含有し
てなり、さらには、前記ビーズは、ポリプロピレンから
なる。また、車体塗装面保護方法にあっては、完成した
車両の車体塗装面に、エマルジョン樹脂と溶剤及びビー
ズを含有してなる塗料を塗布するように構成されてい
る。
に本発明にかかる塗装面の保護フィルム形成用塗料にあ
っては、エマルジョン樹脂と溶剤、及びビーズを含有し
てなり、さらには、前記ビーズは、ポリプロピレンから
なる。また、車体塗装面保護方法にあっては、完成した
車両の車体塗装面に、エマルジョン樹脂と溶剤及びビー
ズを含有してなる塗料を塗布するように構成されてい
る。
【0007】
【作用】前記構成において、前記保護フィルム形成用塗
料をスプレーガン等により塗装面に塗布すると、溶剤の
蒸発に伴ってエマルジョン樹脂が硬化し、塗装面上に保
護フィルムが形成される。この保護フィルムにあって
は、硬化した樹脂とビーズから構成され、ビーズにあっ
ては塗装面に対する密着性を殆ど有しない。よって、ビ
ーズの混在により、保護フィルム−塗膜間の密着面積が
減少することとなる。その結果、保護フィルムの塗装面
に対する密着性が低下して、保護フィルムを軽微な力で
剥離することが可能となる。また、ポリプロピレン(P
P)にあっては、それ自体塗膜との密着性がないことか
ら、PPビーズを用いることにより、確実に保護フィル
ム−塗膜間の密着面積が減少して、保護フィルムの剥離
性は向上する。
料をスプレーガン等により塗装面に塗布すると、溶剤の
蒸発に伴ってエマルジョン樹脂が硬化し、塗装面上に保
護フィルムが形成される。この保護フィルムにあって
は、硬化した樹脂とビーズから構成され、ビーズにあっ
ては塗装面に対する密着性を殆ど有しない。よって、ビ
ーズの混在により、保護フィルム−塗膜間の密着面積が
減少することとなる。その結果、保護フィルムの塗装面
に対する密着性が低下して、保護フィルムを軽微な力で
剥離することが可能となる。また、ポリプロピレン(P
P)にあっては、それ自体塗膜との密着性がないことか
ら、PPビーズを用いることにより、確実に保護フィル
ム−塗膜間の密着面積が減少して、保護フィルムの剥離
性は向上する。
【0008】また、ビーズが混入された保護フィルムに
あっては、このように塗装面に対する密着性が低下する
のみならず、ビーズの介在により樹脂成分が相対的に減
少していることから、必然的に樹脂のみからなる保護フ
ィルムよりも伸縮率が低下する。したがって、保護フィ
ルムが熱影響により伸縮しても、この保護フィルムの伸
縮に伴う塗膜表面成分の移動は少なく、この塗膜表面成
分の移動に伴って発生する皺の厚さは微少となる。
あっては、このように塗装面に対する密着性が低下する
のみならず、ビーズの介在により樹脂成分が相対的に減
少していることから、必然的に樹脂のみからなる保護フ
ィルムよりも伸縮率が低下する。したがって、保護フィ
ルムが熱影響により伸縮しても、この保護フィルムの伸
縮に伴う塗膜表面成分の移動は少なく、この塗膜表面成
分の移動に伴って発生する皺の厚さは微少となる。
【0009】また、かかる保護フィルム形成用塗料を車
両の車体塗装面に塗布することにより、出荷からユーザ
ーへの引き渡しまで、車体塗装面を皺の発生を伴うこと
なく保護し得るとともに、引き渡しに際しては、保護フ
ィルム剥離作業が容易化する。
両の車体塗装面に塗布することにより、出荷からユーザ
ーへの引き渡しまで、車体塗装面を皺の発生を伴うこと
なく保護し得るとともに、引き渡しに際しては、保護フ
ィルム剥離作業が容易化する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図にしたがって説
明する。本実施例にかかる塗装面の保護フィルム形成用
塗料は、エマルジョン樹脂としてのアクリルエマルジョ
ン樹脂と、溶剤としての上水、及びポリプロピレン製の
ビーズ(PPビーズ)とから構成される。アクリルエマ
ルジョン樹脂:上水:PPビーズの混合比は体積比で、
例えば、 1:99:0.15〜0.6 であり、アクリルエマルジョン樹脂としてはラップガー
ドL(関西ペイント社製)を使用し得る。また、PPビ
ーズの粒径は、例えば 0.1mmφ である。
明する。本実施例にかかる塗装面の保護フィルム形成用
塗料は、エマルジョン樹脂としてのアクリルエマルジョ
ン樹脂と、溶剤としての上水、及びポリプロピレン製の
ビーズ(PPビーズ)とから構成される。アクリルエマ
ルジョン樹脂:上水:PPビーズの混合比は体積比で、
例えば、 1:99:0.15〜0.6 であり、アクリルエマルジョン樹脂としてはラップガー
ドL(関西ペイント社製)を使用し得る。また、PPビ
ーズの粒径は、例えば 0.1mmφ である。
【0011】そして、かかる成分からなる保護フィルム
形成用塗料を、完成された車両の出荷時等に、車体塗装
面にスプレーガンを用いて塗布する。すると、図1
(a)に示すように、車体塗装面を形成する塗膜1上
に、保護フィルム形成用塗料11が積層され、この保護
フィルム形成用塗料11は、アクリルエマルジョン樹脂
12、上水13、及び溶剤PPビーズ14を、前記混合
比をもって含有してなる。
形成用塗料を、完成された車両の出荷時等に、車体塗装
面にスプレーガンを用いて塗布する。すると、図1
(a)に示すように、車体塗装面を形成する塗膜1上
に、保護フィルム形成用塗料11が積層され、この保護
フィルム形成用塗料11は、アクリルエマルジョン樹脂
12、上水13、及び溶剤PPビーズ14を、前記混合
比をもって含有してなる。
【0012】そして、保護フィルム形成用塗料11を塗
布後、乾燥を行う。この乾燥は、自然乾燥でもよいし、
熱風(例えば40℃)の吹き付けによって行ってもよ
い。すると、溶剤としての上水13が蒸発してアクリル
エマルジョン樹脂12が硬化し、同図(b)に示すよう
に、アクリル樹脂15と該アクリル樹脂15に拘束され
たPPビーズ14とからなる保護フィルム16が、塗膜
1上に形成される。
布後、乾燥を行う。この乾燥は、自然乾燥でもよいし、
熱風(例えば40℃)の吹き付けによって行ってもよ
い。すると、溶剤としての上水13が蒸発してアクリル
エマルジョン樹脂12が硬化し、同図(b)に示すよう
に、アクリル樹脂15と該アクリル樹脂15に拘束され
たPPビーズ14とからなる保護フィルム16が、塗膜
1上に形成される。
【0013】したがって、この保護フィルム16が形成
された状態で、当該車両を出荷することにより、ユーザ
ーへの引き渡しまでの輸送期間あるいはストック期間に
おいて、酸性雨、砂、埃等から、出荷時の塗膜1を保護
することができる。しかし、保護フィルム形成用塗料1
1を塗布するに際しては、不可避的に塗料11内に空気
が混入する。すると、図2(a)をもって説明したよう
に、溶剤が蒸発して保護フィルムが形成される際、車体
側の塗膜1と保護フィルム16間に空気が封入されて、
気泡3が介在してしまう。
された状態で、当該車両を出荷することにより、ユーザ
ーへの引き渡しまでの輸送期間あるいはストック期間に
おいて、酸性雨、砂、埃等から、出荷時の塗膜1を保護
することができる。しかし、保護フィルム形成用塗料1
1を塗布するに際しては、不可避的に塗料11内に空気
が混入する。すると、図2(a)をもって説明したよう
に、溶剤が蒸発して保護フィルムが形成される際、車体
側の塗膜1と保護フィルム16間に空気が封入されて、
気泡3が介在してしまう。
【0014】しかし、この保護フィルム16にあって
は、硬化したアクリル樹脂15とPPビーズ14から構
成され、このPPビーズ14にあっては、塗膜1との密
着性が悪い性質を有している。よって、PPビーズ14
の混在により、相対的に保護フィルム16−塗膜1間の
密着面積が減少する結果、保護フィルム16の塗膜1に
対する密着性は、PPビーズ14を含有しないものと比
較して、低下している。しかも、PPビーズ14混入さ
れた保護フィルム16にあっては、その全体積に対する
PPビーズ14の占める割合に応じて、PPビーズ14
を混入していないものより、伸縮率も低下している。
は、硬化したアクリル樹脂15とPPビーズ14から構
成され、このPPビーズ14にあっては、塗膜1との密
着性が悪い性質を有している。よって、PPビーズ14
の混在により、相対的に保護フィルム16−塗膜1間の
密着面積が減少する結果、保護フィルム16の塗膜1に
対する密着性は、PPビーズ14を含有しないものと比
較して、低下している。しかも、PPビーズ14混入さ
れた保護フィルム16にあっては、その全体積に対する
PPビーズ14の占める割合に応じて、PPビーズ14
を混入していないものより、伸縮率も低下している。
【0015】よって、保護フィルム16が熱影響により
伸縮しても、この保護フィルムの伸縮に伴う塗膜1の表
面成分の移動は極めて少なく、この塗膜表面成分の移動
に伴う皺の厚さ(前記気泡3が介在しなかった一般面と
の高さの差)を微小にすることができる。その結果、皺
が発生しても、これを肉眼で観察することはできず、塗
膜1の外観上の品質を出荷時の状態に維持することがで
きる。
伸縮しても、この保護フィルムの伸縮に伴う塗膜1の表
面成分の移動は極めて少なく、この塗膜表面成分の移動
に伴う皺の厚さ(前記気泡3が介在しなかった一般面と
の高さの差)を微小にすることができる。その結果、皺
が発生しても、これを肉眼で観察することはできず、塗
膜1の外観上の品質を出荷時の状態に維持することがで
きる。
【0016】そして、ユーザーへの引き渡しに際して
は、保護フィルム16を剥離して除去する。このとき、
前述したように、PPビーズ14の混在により、保護フ
ィルム16−塗膜1間の密着面積が減少して、保護フィ
ルム16の塗膜1に対する密着性は低下している。した
がって、保護フィルム16を剥離する際に、小さな力で
容易に剥離作業を行うことができ、その結果出荷からユ
ーザーへの引き渡しまでに至るコストの削減を図ること
ができる。
は、保護フィルム16を剥離して除去する。このとき、
前述したように、PPビーズ14の混在により、保護フ
ィルム16−塗膜1間の密着面積が減少して、保護フィ
ルム16の塗膜1に対する密着性は低下している。した
がって、保護フィルム16を剥離する際に、小さな力で
容易に剥離作業を行うことができ、その結果出荷からユ
ーザーへの引き渡しまでに至るコストの削減を図ること
ができる。
【0017】なお、発明者が実験を行った結果、下記の
ような結果が得られた。
ような結果が得られた。
【0018】実施例A 〇配合成分・・・・アクリルエマルジョン樹脂+溶剤
(上水)+PPビーズ 〇混合比・・・・・1:99:0.3 〇ビーズ粒径・・・0.1mmφ 比較例B 〇配合成分・・・・アクリルエマルジョン樹脂+溶剤
(上水) 〇混合比・・・・・1:99 つまり、実施例Aと比較例Bとは、PPビーズが混入さ
れているか否かのみ相違する。なお、アクリルエマルジ
ョン樹脂としては、ラップガードL(関西ペイント社
製)を用いた。
(上水)+PPビーズ 〇混合比・・・・・1:99:0.3 〇ビーズ粒径・・・0.1mmφ 比較例B 〇配合成分・・・・アクリルエマルジョン樹脂+溶剤
(上水) 〇混合比・・・・・1:99 つまり、実施例Aと比較例Bとは、PPビーズが混入さ
れているか否かのみ相違する。なお、アクリルエマルジ
ョン樹脂としては、ラップガードL(関西ペイント社
製)を用いた。
【0019】そして、この実施例Aと実施例Bとを、同
質の塗膜上に塗布し、同一温度及び同一時間をもって乾
燥し、ピーリング方法により剥離強度を測定した、その
結果、 〇実施例A・・・0.10N/mm 〇比較例B・・・0.15N/mm であり、実施例Aは比較例Bよりも剥離強度が弱いこと
が判明した。
質の塗膜上に塗布し、同一温度及び同一時間をもって乾
燥し、ピーリング方法により剥離強度を測定した、その
結果、 〇実施例A・・・0.10N/mm 〇比較例B・・・0.15N/mm であり、実施例Aは比較例Bよりも剥離強度が弱いこと
が判明した。
【0020】また、発生した皺の厚さ(前記気泡3が存
在しなかった一般面との高さの差)を測定した結果、 〇実施例A・・・0.05μm 〇比較例B・・・0.1μm であり、皺の厚さも1/2になることが判明し、前述し
た効果を裏付けすることができた。
在しなかった一般面との高さの差)を測定した結果、 〇実施例A・・・0.05μm 〇比較例B・・・0.1μm であり、皺の厚さも1/2になることが判明し、前述し
た効果を裏付けすることができた。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明の塗装面の保
護フィルム形成用塗料は、エマルジョン樹脂と溶剤、及
びビーズを含有してなる構成とした。よって、溶剤の蒸
発とエマルジョン樹脂の硬化に伴って形成される保護フ
ィルムの塗装面に対する密着性を、ビーズによって弱化
させることができ、これにより、保護フィルムの剥離に
要する力を、小さくすることができる。また、ビーズの
混入により、保護フィルムが伸縮率を小さくできること
から、密着性の弱化と相俟って、この保護フィルムの伸
縮に伴う塗膜表面成分の移動を少なくして、この塗膜表
面成分の移動に伴って発生する皺の厚さを微小にするこ
とができる。また、ビーズをポリプロピレンとすること
により、保護フィルムの密着性をより弱化させて、剥離
に必要な力を一層低下させることができる。
護フィルム形成用塗料は、エマルジョン樹脂と溶剤、及
びビーズを含有してなる構成とした。よって、溶剤の蒸
発とエマルジョン樹脂の硬化に伴って形成される保護フ
ィルムの塗装面に対する密着性を、ビーズによって弱化
させることができ、これにより、保護フィルムの剥離に
要する力を、小さくすることができる。また、ビーズの
混入により、保護フィルムが伸縮率を小さくできること
から、密着性の弱化と相俟って、この保護フィルムの伸
縮に伴う塗膜表面成分の移動を少なくして、この塗膜表
面成分の移動に伴って発生する皺の厚さを微小にするこ
とができる。また、ビーズをポリプロピレンとすること
により、保護フィルムの密着性をより弱化させて、剥離
に必要な力を一層低下させることができる。
【0022】また、本発明の車体塗装面保護方法によれ
ば、塗膜の外観上の品質を出荷時の状態に維持すること
ができるとともに、ユーザーへの引き渡しに際して、容
易に保護フィルムの剥離作業を行うことができ、その結
果出荷からユーザーへの引き渡しまでに至るコストの削
減を図ることもできる。
ば、塗膜の外観上の品質を出荷時の状態に維持すること
ができるとともに、ユーザーへの引き渡しに際して、容
易に保護フィルムの剥離作業を行うことができ、その結
果出荷からユーザーへの引き渡しまでに至るコストの削
減を図ることもできる。
【図1】本発明の一実施例の保護フィルムの形成過程を
示す図である。
示す図である。
【図2】従来における皺の発生原理を示す説明図であ
る。
る。
1 塗膜 11 保護フィルム形成用塗料 12 アクリルエマルジョン樹脂(エマルジョン樹
脂) 13 上水(溶剤) 16 保護フィルム
脂) 13 上水(溶剤) 16 保護フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/24 303 B05D 7/24 303H
Claims (3)
- 【請求項1】 エマルジョン樹脂と溶剤、及びビーズを
含有してなることを特徴とする塗装面の保護フィルム形
成用塗料。 - 【請求項2】 前記ビーズは、ポリプロピレンからなる
ことを特徴とする請求項1記載の塗装面の保護フィルム
形成用塗料。 - 【請求項3】 完成した車両の車体塗装面に、エマルジ
ョン樹脂と溶剤及びビーズを含有してなる塗料を塗布す
ることを特徴とする車体塗装面保護方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7100657A JPH08269372A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 塗装面の保護フィルム形成用塗料及び車体塗装面の保護方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7100657A JPH08269372A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 塗装面の保護フィルム形成用塗料及び車体塗装面の保護方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08269372A true JPH08269372A (ja) | 1996-10-15 |
Family
ID=14279887
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7100657A Pending JPH08269372A (ja) | 1995-03-31 | 1995-03-31 | 塗装面の保護フィルム形成用塗料及び車体塗装面の保護方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08269372A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100494585B1 (ko) * | 2002-08-08 | 2005-06-13 | 현대자동차주식회사 | 자동차의 스티어링 휠용 도료 조성물 |
CN115703104A (zh) * | 2021-08-11 | 2023-02-17 | 丰田自动车株式会社 | 车辆以及涂装方法 |
-
1995
- 1995-03-31 JP JP7100657A patent/JPH08269372A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100494585B1 (ko) * | 2002-08-08 | 2005-06-13 | 현대자동차주식회사 | 자동차의 스티어링 휠용 도료 조성물 |
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