JPH08269224A - ポリスチレン系樹脂発泡体の製法 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂発泡体の製法

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JPH08269224A
JPH08269224A JP7607695A JP7607695A JPH08269224A JP H08269224 A JPH08269224 A JP H08269224A JP 7607695 A JP7607695 A JP 7607695A JP 7607695 A JP7607695 A JP 7607695A JP H08269224 A JPH08269224 A JP H08269224A
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JP
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foam
polystyrene resin
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polystyrene
mol
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JP7607695A
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Atsushi Fukuzawa
淳 福澤
Yoshihiro Kimura
吉宏 木村
Takahiro Hayashi
隆博 林
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全性にすぐれ、長期間にわたってすぐれた
断熱性能を有するポリスチレン系樹脂発泡体の製法を提
供すること。 【構成】 1,1,1−トリフルオロエタンと、塩化メ
チルおよび/または塩化エチルとを混合してなる蒸発型
発泡剤を、ポリスチレン系樹脂に圧入して押出発泡する
際に、前記1,1,1−トリフルオロエタンの圧入量を
ポリスチレン系樹脂1gに対して3×10-4〜15×1
-4モルとし、かつ塩化メチルおよび/または塩化エチ
ルの圧入量をポリスチレン系樹脂1gに対して4×10
-4〜14×10-4モルとすることを特徴とするポリスチ
レン系樹脂発泡体の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリスチレン系樹脂発
泡体の製法に関する。さらに詳しくは、オゾン破壊係数
が0であるフロン系発泡剤を用い、長期間にわたってす
ぐれた断熱性能を有し、たとえば住宅家屋用断熱材など
に好適に使用しうるポリスチレン系樹脂発泡体を製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリスチレン系樹脂発泡体の製造
方法の1つとして、溶融樹脂中に蒸発型発泡剤を圧入
し、低圧域へ押出すことによって溶融ポリスチレン系樹
脂を発泡させる方法が広く採用されており、かかる方法
には、一般に蒸発型発泡剤としてジクロロジフルオロメ
タン(以下、フロン12という)、ジクロロテトラフル
オロエタン(以下、フロン114という)などのフロン
ガスが用いられている。しかしながら、これらのフロン
ガスは、空気中に拡散して成層圏まで上昇し、オゾン層
を破壊するおそれがあり、紫外線の地表到達率を増加せ
しめる傾向を有するといわれ、世界的にその使用制限が
実施されてきている。
【0003】そこで、本発明者らは、発泡剤としてプロ
パン、ブタンなどの炭化水素系発泡剤を用い、断熱性能
にすぐれた押出発泡体をうることを試みた。しかしなが
ら、炭化水素系発泡剤の熱伝導率は、フロン系発泡剤の
熱伝導率よりも高く、かつプロパン、ブタンなどを主発
泡剤として用いたばあいには、発泡体中におけるプロパ
ン、ブタンの残存率がフロン12などと比較すると小さ
く、充分に低い熱伝導率を有する押出発泡体をうること
ができなかった。
【0004】また、前記フロン12やフロン114と比
べてオゾン破壊係数が小さいフロンガスとしてジフルオ
ロクロロメタン(以下、フロン22という)やオゾン破
壊係数が0のフロンガスの1つである1,1−ジフルオ
ロエタン(以下、フロン152aという)を主発泡剤と
して用いたばあいには、押出直後には比較的良好な断熱
性能を示す発泡体がえられるが、経時とともにかかる発
泡体の断熱性能が低下することが判明しつつあり、これ
はフロン22やフロン152aの発泡体中での残存率が
低下するためであると考えられる。
【0005】また、特公昭57−7175号公報に開示
されているように、1,1−ジフルオロ−1−クロロエ
タン(以下、フロン142bという)を主発泡剤として
用いたばあいには、発泡体の初期の断熱性能は、前記フ
ロン22およびフロン152aを用いたばあいよりも良
好である。しかしながら、発泡体の熱伝導率の変化率
は、フロン12を用いたばあいよりも大きいため、長期
間にわたる断熱性能の保持の面では、やはりフロン12
を用いたばあいには及ばないのが現状である。さらにか
かるフロン142bは、オゾン層を破壊する程度が非常
に低いものの、オゾン破壊係数が0とはいえない物質で
ある。
【0006】また、1−クロロ−1,2,2,2−テト
ラフルオロエタン(以下、フロン124という)を主発
泡剤として用いたばあいには、熱伝導率の変化率がフロ
ン12を用いたばあいとほぼ同程度の発泡体がえられ
る。しかしながら、かかるフロン124は、前記フロン
142bと同様に、わずかながらオゾン層への影響を有
する物質である。
【0007】したがって、熱伝導率が低く、オゾン破壊
係数が0であり、かつ発泡体としたばあいの残存性がよ
い発泡剤を用い、その結果、熱伝導率の変化率がたとえ
ばフロン12を用いたばあいと同程度以上に小さくなる
ようなすぐれた断熱性能を有する発泡体を製造すること
が望まれている。
【0008】そこで、本件出願人は、先にオゾン破壊係
数が0の1,1,1,2−テトラフルオロエタン(以
下、フロン134aという)を用いたスチレン系樹脂発
泡体の製造方法を提案しており(特開平4−62134
号公報)、かかる製造方法によってフロンガスの残存率
が高く、すぐれた断熱性能を有するスチレン系樹脂発泡
体をうることができるが、フロンガスの残存率がたとえ
ば90%以上とさらに高く、さらに長期間にわたってす
ぐれた断熱性能を有するスチレン系樹脂発泡体の製法の
開発が期待されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記従来技術に鑑みてさらに鋭意研究を重ねた結
果、ポリスチレン系樹脂に、オゾン破壊係数が0である
安全性にすぐれた特定のフロンガスと、塩化メチル、塩
化エチルまたはこれらの混合物とを、それぞれ一定量で
圧入したばあいには、微細な気泡構造を有するととも
に、長期間にわたって熱伝導率が維持され、たとえばフ
ロン12を用いてえられた発泡体と同程度以上のきわめ
てすぐれた断熱性能を有する発泡体がえられることを見
出し、本発明を完成するにいたった。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
1,1,1−トリフルオロエタンと、塩化メチルおよび
/または塩化エチルとを混合してなる蒸発型発泡剤を、
ポリスチレン系樹脂に圧入して押出発泡する際に、前記
1,1,1−トリフルオロエタンの圧入量をポリスチレ
ン系樹脂1gに対して3×10-4〜15×10-4モルと
し、かつ塩化メチルおよび/または塩化エチルの圧入量
をポリスチレン系樹脂1gに対して4×10-4〜14×
10-4モルとすることを特徴とするポリスチレン系樹脂
発泡体の製法に関する。
【0011】
【作用および実施例】本発明の製法によれば、1,1,
1−トリフルオロエタン(以下、フロン143aとい
う)と、塩化メチルおよび/または塩化エチルとを混合
してなる蒸発型発泡剤を、ポリスチレン系樹脂に圧入し
て押出発泡する際に、前記フロン143aの圧入量をポ
リスチレン系樹脂1gに対して3×10-4〜15×10
-4モルとし、かつ塩化メチルおよび/または塩化エチル
の圧入量をポリスチレン系樹脂1gに対して4×10-4
〜14×10-4モルとすることにより、長期間にわたっ
てすぐれた断熱性能を有するポリスチレン系樹脂発泡体
がえられる。
【0012】本発明の製法において、蒸発型発泡剤とし
て、フロン143aと、塩化メチルおよび/または塩化
エチルとの混合物を用いることに大きな特徴の1つがあ
る。
【0013】前記フロン143aは、近年開発が進めら
れている大気中のオゾン層の破壊係数が0である安全性
にすぐれたフロンガスのなかでも、えられる発泡体から
外部へ放出されにくく、発泡体のすぐれた断熱性能を長
期間にわたって保持せしめるためにきわめて有効な発泡
剤である。
【0014】また、本発明においては、発泡剤として、
前記フロン143aのみならず、塩化メチルおよび/ま
たは塩化エチルを併用することにより、押出発泡時に発
泡不良をおこし、きわめて低倍率であったり、外観に劣
る発泡体が製造されるおそれがない。
【0015】本発明に用いられるポリスチレン系樹脂と
しては、たとえばポリスチレンをはじめ、スチレンとα
−メチルスチレン、無水マレイン酸、アクリル酸、アク
リル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル
などとの共重合体や、ポリスチレンにスチレン−ブタジ
エンゴムなどを適宜添加して改質した樹脂などがあげら
れるが、本発明はかかるポリスチレン系樹脂の種類によ
って限定されるものではない。
【0016】なお、本発明においては、本発明の目的を
阻害しない範囲で、前記ポリスチレン系樹脂に、必要に
応じて、たとえばえられる発泡体を構成する気泡の平均
気泡径を調整するために、たとえばタルクなどの造核剤
を配合したり、滑剤、難燃剤、染料、顔料などの着色
剤、ノニオン系界面活性剤などの界面活性剤などのその
他の添加剤を適宜配合することができる。
【0017】前記ポリスチレン系樹脂および必要に応じ
て造核剤やその他の添加剤を所定量調整し、加熱溶融混
練したのち、フロン143aと、塩化メチルおよび/ま
たは塩化エチルとを混合した蒸発型発泡剤を圧入して押
出発泡することにより、ポリスチレン系樹脂発泡体がえ
られる。
【0018】前記ポリスチレン系樹脂や、造核剤および
その他の添加剤を加熱溶融混練する際の加熱温度、溶融
混練時間および溶融混練手段についてはとくに限定がな
い。加熱温度は、ポリスチレン系樹脂が溶融する温度以
上、通常150〜250℃であればよい。溶融混練時間
は、単位時間あたりの押出量、溶融混練手段などによっ
て異なるので一概には決定することができないが、通常
ポリスチレン系樹脂や、造核剤、その他の添加剤が均一
に分散されるのに要する時間が選択される。また溶融混
練手段としては、たとえばスクリュータイプの押出機な
どがあげられるが、通常の押出発泡に用いられているも
のであればとくに限定がない。
【0019】本発明の製法において、前記蒸発型発泡剤
を特定の圧入量で圧入することにも大きな特徴の1つが
ある。かかる蒸発型発泡剤の圧入量を特定したことによ
り、えられるポリスチレン系樹脂発泡体の断熱性能を保
持させる効果が充分に発現され、またかかる発泡体の寸
法安定性がより一層向上する。
【0020】前記蒸発型発泡剤のうち、フロン143a
の圧入量は、ポリスチレン系樹脂1gに対して3×10
-4モル以上、好ましくは3.5×10-4モル以上、さら
に好ましくは4×10-4モル以上である。かかるフロン
143aの圧入量が前記下限値よりも少ないばあいに
は、充分な断熱性能を有する発泡体がえられにくく、え
られた発泡体が、たとえば押出発泡後1〜4日間といっ
た短期間で収縮してしまう傾向が出やすいので、所望の
形状を有する製品をうることが困難となりやすい。また
フロン143aの圧入量は、ポリスチレン系樹脂1gに
対して15×10-4モル以下、好ましくは12×10-4
モル以下、さらに好ましくは10×10-4モル以下であ
る。かかるフロン143aの圧入量が前記上限値よりも
多いばあいには、えられた発泡体をたとえば70℃程度
といった高温に加熱したときに、その寸法安定性が低下
する傾向となる。
【0021】また、塩化メチルおよび/または塩化エチ
ルの圧入量は、ポリスチレン系樹脂1gに対して4×1
-4モル以上、好ましくは5×10-4モル以上、さらに
好ましくは6×10-4モル以上である。かかる塩化メチ
ルおよび/または塩化エチルの圧入量が前記下限値より
も少ないばあいには、えられる発泡体の密度が適切な程
度にまで低下しにくく、かかる発泡体の軽量化が実現さ
れ難い傾向となる。また塩化メチルおよび/または塩化
エチルの圧入量は、ポリスチレン系樹脂1gに対して1
4×10-4モル以下、好ましくは12×10-4モル以
下、さらに好ましくは11×10-4モル以下である。か
かる塩化メチルおよび/または塩化エチルの圧入量が前
記上限値よりも多いばあいには、えられる発泡体の断熱
性能が低下したり、かかる発泡体が収縮しやすくなる。
【0022】なお、本発明においては、蒸発型発泡剤の
総圧入量が少なすぎるばあいには、ポリスチレン系樹脂
の発泡が不充分となる傾向があるので、かかる総圧入量
は、ポリスチレン系樹脂1gに対して7×10-4モル以
上、好ましくは9×10-4モル以上となるように調整す
ることが望ましい。また蒸発型発泡剤の総圧入量が多す
ぎるばあいには、発泡剤の使用量に応じただけ充分に発
泡した発泡体をうることができず、発泡剤の使用に無駄
が生じやすくなる傾向があるので、かかる総圧入量は、
ポリスチレン系樹脂1gに対して25×10-4モル以
下、好ましくは22×10-4モル以下、さらに好ましく
は19×10-4モル以下となるように調整することが望
ましい。
【0023】前記蒸発型発泡剤を特定の圧入量で圧入し
たのち、たとえばスリットダイなどの発泡装置を介して
大気圧下に押出すなどの通常の方法により、ポリスチレ
ン系樹脂発泡体がえられる。
【0024】かくしてえられる発泡体の断熱性能が低下
したり、押出直後から収縮してしまわないようにするた
めには、該発泡体の密度は、2×10-2g/cm3
上、なかんづく2.5×10-2g/cm3以上であるこ
とが好ましい。また、発泡体の軽量化および低価格化を
充分に図るためには、該発泡体の密度は、4.5×10
-2g/cm3以下、なかんづく4×10-2g/cm3以下
であることが好ましい。
【0025】さらに、発泡体の密度を適切な程度にまで
低下させて軽量化を図るほか、充分な厚さを有するよう
にするためには、該発泡体を構成する気泡の平均気泡径
は、0.2mm以上、なかんづく0.3mm以上となる
ように調整することが好ましい。また、発泡体の断熱性
能を低下させないようにするためには、該発泡体を構成
する気泡の平均気泡径は、0.7mm以下、なかんづく
0.5mm以下となるように調整することが好ましい。
【0026】なお、本発明の製法によってえられる発泡
体に、充分な断熱性能や、良好な曲げ強度、可撓性など
を付与せしめるためには、該発泡体は、通常、板状物の
ように厚みがあるほうが好ましく、その厚さは、10m
m以上、なかんづく20mm以上、また150mm以
下、なかんづく130mm以下であることが好ましい。
【0027】本発明の製法によってえられるポリスチレ
ン系樹脂発泡体は、軽量であり、しかも長期間にわたっ
て断熱性能にすぐれたものであり、成層圏のオゾン層の
破壊係数が0である発泡剤が用いられているため、安全
性にすぐれており、物性、外観ともにきわめて良好な発
泡体であるので、たとえば住宅家屋用断熱材などに好適
に使用しうる。
【0028】つぎに、本発明のポリスチレン系樹脂発泡
体の製法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、
本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0029】実施例1〜5および比較例1〜7 ポリスチレン(数平均分子量:13.5×104、メル
トフローレート(200℃、5kg):1.5g/10
分)100重量部にタルク(平均粒子径:6μm)0.
2重量部を配合し、押出機中で200℃に加熱して混練
しながら、これに表1に示す量の蒸発型発泡剤を圧入
し、さらに混練したのち、約120℃に冷却し、目開き
の間隔が2.0mmのスリットを介して大気圧下に押出
発泡し、厚さが約40mmの板状のポリスチレン系樹脂
発泡体をえた。
【0030】えられた発泡体の物性として、密度、平均
気泡径、熱伝導率、熱伝導率の変化率、フロンガス残存
率および外観を以下の方法にしたがって調べた。その結
果を表2に示す。
【0031】(イ)密度 JIS A−9511に記載の方法に準拠して測定し
た。 (ロ)平均気泡径 ASTM D−3576〜3577に記載の方法に準拠
して測定した。 (ハ)熱伝導率 JIS A−9511に記載の方法に準拠し、押出後7
日間経過後および30日間経過後の熱伝導率を測定し
た。 (ニ)熱伝導率の変化率 長期間にわたる断熱性能の保持性を評価するために、熱
伝導率の変化率を、前記(ハ)で測定した熱伝導率に基
づいて下式によって算出した。 [熱伝導率の変化率(%)] =[{(押出後30日間経過後の熱伝導率) −(押出後7日間経過後の熱伝導率)} /(押出後7日間経過後の熱伝導率)]×100 (ホ)フロンガス残存率 長期間にわたる断熱性能の保持性に影響を与えるフロン
ガスの発泡体内の残存率を、押出後30日間経過後のフ
ロンガスの発泡体内の残存量と押出発泡時のフロンガス
の圧入量とに基づいて下式によって算出した。なお、フ
ロンガスの発泡体内の残存量は、ガスクロマトグラフィ
ー9A((株)島津製作所製)を用いて測定した。 [フロンガス残存率(%)] ={(押出後30日間経過後の発泡体内の残存量) /(押出発泡時の圧入量)}×100 (ヘ)外観 発泡体の形状、平滑性、ボイドの有無などを目視にて観
察した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】表2に示された結果から、フロン143a
と塩化メチルまたは塩化エチルとを併用してえられた実
施例1〜5の発泡体は、いずれも適度な密度および気泡
の平均気泡径を有し、外観も良好であることがわかる。
【0035】また、実施例1〜5の発泡体は、比較例の
発泡体と比較して、いずれもフロンガス残存率が90%
以上と高く、熱伝導率の変化率が3%未満と小さいこと
がわかる。また熱伝導率そのものについては、フロンガ
スの使用量の大小が大きく影響をもたらすことから、フ
ロンガスの使用量がほぼ同程度の実施例2と比較例1、
実施例3および5と比較例2および3とを比較すると、
フロン143aが用いられている各実施例のほうが、7
日間経過後および30日間経過後のいずれも熱伝導率が
低いことがわかる。
【0036】このように、フロン143a以外のフロン
ガスが用いられた比較例1〜3の発泡体は、いずれも熱
伝導率の変化率が高く、フロンガス残存率が低く、熱伝
導率の変化率が高いこと、またフロン143aまたは塩
化メチルの圧入量が多すぎたり少なすぎたりする比較例
4〜7のうち、比較例5および7では、発泡剤が過剰で
押出機内で充分に樹脂に溶解せず、ダイより発泡剤が吹
出す現象が生じて成形不能となり、比較例4では、成形
することができるが、フロン143aの圧入量が少なす
ぎることから、発泡体に収縮が生じて寸法安定性がわる
くなり、また比較例6では、押出系が安定せず、発泡力
が小さくなって、えられた発泡体の外観がわるくなるこ
とから、実施例1〜5のように、フロン143aと塩化
メチルや塩化エチルとを蒸発型発泡剤としてそれぞれ特
定の圧入量で併用したばあいに、長期間にわたってすぐ
れた断熱性能を有する発泡体がえられることがわかる。
【0037】
【発明の効果】本発明の製法では、オゾン破壊係数が0
である安全性にすぐれた特定のフロンガスと、塩化メチ
ル、塩化エチルまたはこれらの混合物とが、特定の圧入
量で併用されているので、かかる製法によれば、微細な
気泡構造や良好な密度、厚さ、外観を有するとともに、
長期間にわたってすぐれた断熱性能を有するポリスチレ
ン系樹脂発泡体が容易にえられる。
【0038】したがって、本発明の製法によってえられ
たポリスチレン系樹脂発泡体は、たとえば住宅家屋の床
材、壁材、天井材などの断熱材などに好適に使用しうる
ものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,1,1−トリフルオロエタンと、塩
    化メチルおよび/または塩化エチルとを混合してなる蒸
    発型発泡剤を、ポリスチレン系樹脂に圧入して押出発泡
    する際に、前記1,1,1−トリフルオロエタンの圧入
    量をポリスチレン系樹脂1gに対して3×10-4〜15
    ×10-4モルとし、かつ塩化メチルおよび/または塩化
    エチルの圧入量をポリスチレン系樹脂1gに対して4×
    10-4〜14×10-4モルとすることを特徴とするポリ
    スチレン系樹脂発泡体の製法。
  2. 【請求項2】 発泡体の密度が2×10-2〜4.5×1
    -2g/cm3である請求項1記載のポリスチレン系樹
    脂発泡体の製法。
  3. 【請求項3】 発泡体を構成する気泡の平均気泡径が
    0.2〜0.7mmである請求項1または2記載のポリ
    スチレン系樹脂発泡体の製法。
  4. 【請求項4】 発泡体の厚さが10〜150mmである
    請求項1、2または3記載のポリスチレン系樹脂発泡体
    の製法。
JP7607695A 1995-03-31 1995-03-31 ポリスチレン系樹脂発泡体の製法 Pending JPH08269224A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7163531B2 (en) 2002-08-19 2007-01-16 Baxter International, Inc. User-friendly catheter connection adapters for optimized connection to multiple lumen catheters
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US10017618B2 (en) 2013-12-20 2018-07-10 Kaneka Corporation Extruded polystyrene foam and method for producing same

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