JPH08268974A - 3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒド、3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ−ル類及びそれらの製造方法 - Google Patents

3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒド、3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ−ル類及びそれらの製造方法

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JPH08268974A
JPH08268974A JP6959095A JP6959095A JPH08268974A JP H08268974 A JPH08268974 A JP H08268974A JP 6959095 A JP6959095 A JP 6959095A JP 6959095 A JP6959095 A JP 6959095A JP H08268974 A JPH08268974 A JP H08268974A
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fluoro
chloro
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acid
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Kikuo Ataka
喜久雄 安宅
Yasuhiro Yoneda
康洋 米田
Masahiko Kono
政彦 河野
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C205/00Compounds containing nitro groups bound to a carbon skeleton
    • C07C205/44Compounds containing nitro groups bound to a carbon skeleton the carbon skeleton being further substituted by —CHO groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07C205/27Compounds containing nitro groups bound to a carbon skeleton the carbon skeleton being further substituted by etherified hydroxy groups
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来の製造方法に比べると、高収率でキノリン
類を得ることができる製造方法に用いる3−フルオロ−
4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ−ル
類、その前駆体の3−フルオロ−4−クロロ−6−ニト
ロベンズアルデヒドおよびそれら製造方法を提供する。 【構成】3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズ
アルデヒドおよびその製造方法、3−フルオロ−4−ク
ロロ−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ−ル類および
その製造方法に係わる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、3−フルオロ−4−ク
ロロ−6−ニトロベンズアルデヒド、3−フルオロ−4
−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ−ル類お
よびそれらの製法に関する。前記の3−フルオロ−4−
クロロ−6−ニトロベンズアルデヒド、3−フルオロ−
4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ−ル類
は、例えばWO94/19345号公報に記載されたよ
うな抗アレルギ−剤を合成する際に中間体として有用で
ある。
【0002】本発明の目的化合物の1つである3−フル
オロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ
−ル類は、例えば、参考例に記載された方法に準じて5
%ルテニウム−アルミナを用いて、接触還元を行い3−
フルオロ−4−クロロ−6−アミノベンズアルデヒドア
セタ−ルに誘導され、更にピルビン酸アルキルエステル
と反応させて、縮合を行い6−フルオロ−7−クロロ−
2−キノリンカルボン酸アルキルエステルに誘導され、
更に水素化ホウ素ナトリウムと反応させて、6−フルオ
ロ−7−クロロ−2−キナルジンメタノ−ルに誘導で
き、
【0003】WO94/19345号公報に記載された
方法に準じて、抗アレルギ−活性を持つキノリン誘導体
を得ることができる。
【0004】本発明の目的化合物の1つである3−フル
オロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドは、前
記の3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアル
デヒドアセタ−ル類に誘導できる。
【0005】
【従来技術】従来のキノリン環の形成方法としては、以
下に示すような方法がある。 .ケミカル レビュ−ス(Chemical Rev
iews、第35巻、153頁、1944年)には、ア
ニリン類と不飽和アルデヒド類とを反応させるDoeb
ner−Miller反応が記載されている。WO94
/19345号公報記載の製造方法も本方法である。し
かし、この方法はベンゼン環に置換基がある場合、環化
の方向が2通りあるため選択性が悪く、また酸化反応を
伴うので還元化合物の副生が否めなく通常収率が極めて
低いという点で問題があった。 .オルガニック リアクションズ(Organic
Reactions,第7巻、80頁、1953年)に
は、アニリン類とグリセリン類とを反応させるSkra
up反応が記載されている。しかし、この方法は収率が
極めて低いという点で問題があった。
【0006】.ヘテロサイクリック コンパウンズ
ス、(R.C,Elderfield編、Hetero
cyclic Compounds、第4巻、47頁、
1952年)には、イサチン類とケトン類とを反応させ
るPfitzinger反応が記載されている。しか
し、この方法は4位が無置換のキノリン化合物に適用す
るには、4位のカルボキシル基を脱炭酸させる必要があ
り、2位、4位にカルボキシル基を持つキノリン化合物
に適用するには、4位のカルボキシル基のみを選択的に
脱炭酸させることが困難であるという点で問題があっ
た。 .ヘテロサイクリック コンパウンズス(R.C.E
lderfield編、Heterocyclic C
ompounds、第4巻、60頁、1952年)に
は、2−アシルアミノアセトフェノン類を環化させるC
amp反応が記載されている。しかし、この方法は、キ
ノリン環の4位にヒドロキシル基が残留し、4位無置換
キノリン類の製法としては採用できない。
【0007】.ヘテロサイクリック コンパウンズス
(R.C.Elderfield編、Heterocy
clic Compounds、第5巻、331頁、1
957年)には、アントラニル酸類とケトン類とを反応
させるNiementowski反応が記載されてい
る。しかし、この方法は、キノリン環の4位にヒドロキ
シル基が残留し、4位無置換キノリン類の製法としては
採用できない。従って、公知の〜のいずれもが、4
位に置換基を持たず、2位に官能基を持つキノリン類を
製造する場合の工業的製法としては、不満があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】本発明者らは、前記公知の製法における問
題点を解決すべく、例えばオルガニック リアクション
ズ(Organic Reactions,第28巻、
37頁、1982年)に記載されているo−アミノベン
ズアルデヒド類とケトン類とを反応させてキノリン環を
形成させるFriedlander反応(Friedl
ander中のaはaウムラウトを表す。以下同様であ
る。)を用いることにより、特定の位置に塩素、フッ素
を有するキノリン環を効率よく形成させることができる
のではないかと着想し、Friedlander反応に
用いる前駆体について鋭意検討した結果、3−フルオロ
−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ−ル
類から出発する場合、3−フルオロ−4−クロロ−6−
アミノベンズアルデヒドアセタ−ル類から縮合させてキ
ノリン環を高収率で得ることができることを見出した。
【0010】本発明は、キノリン環の特定の位置に塩
素、フッ素を有するキノリン環合成を、選択性に優れた
Friedlander反応を用いて行うための前駆体
およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
式(I)
【0012】
【化4】
【0013】で表される3−フルオロ−4−クロロ−6
−ニトロベンズアルデヒドに関し、本発明の第2の発明
は、3−フルオロ−4−クロロベンズアルデヒドを混酸
でニトロ化することを特徴とする請求項1に記載の3−
フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドの
製造方法に関し、
【0014】本発明の第3の発明は、一般式(1)
【0015】
【化5】
【0016】(式中、R1 、R2 は互いに結合していて
もよい炭素原子数1〜4のアルキル基を示す)で表され
る3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデ
ヒドアセタ−ル類に関し、
【0017】本発明の第4の発明は、一般式(2)
【0018】
【化6】
【0019】(式中、R1 、R2 は前記と同じ意味を有
する)で表される3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズ
アルデヒドアセタ−ル類とアルカリ金属フッ化物とを、
極性有機溶媒中で反応させることを特徴とする請求項3
に記載の3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズ
アルデヒドアセタ−ル類の製造方法に関し、
【0020】本発明の第5の発明は、請求項1に記載の
3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒ
ドと脂肪族アルコ−ルまたはトリアルキルオルソ酸と
を、酸触媒存在下に、反応させることを特徴とする請求
項3に記載の3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベ
ンズアルデヒドアセタ−ル類の製造方法に関する。
【0021】本発明の目的化合物の一つである3−フル
オロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒド〔以下
化合物(1)ともいう〕は、後記の3−フルオロ−4−
クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ−ル類の前
駆体として有用であるが、例えば反応式(1)
【0022】
【化7】
【0023】で表されるニトロ化反応により製造され
る。反応式(1)で表されるニトロ化反応は、3−フル
オロ−4−クロルベンズアルデヒドを混酸でニトロ化さ
せて、3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズア
ルデヒドを生成させる反応である。
【0024】本発明の化合物(1)の製造方法におい
て、原料化合物は3−フルオロ−4−クロルベンズアル
デヒドである。原料化合物は、Fluorochem社
(英国)より購入可能である〔Fluorochem社
カタログ(1994年版)参照〕。
【0025】本発明の化合物(1)の製造方法において
使用する混酸は、通常硫酸−硝酸の混酸を用いることが
好ましく、特に硫酸は濃硫酸であり、硝酸は発煙硝酸で
ある混酸が好適である。混酸の使用量は、原料化合物1
gに対して濃硫酸0.1g〜10g、発煙硝酸0.2g
〜20gであることが好ましく、発煙硝酸が過剰に使用
されることが更に好ましい。本発明の化合物(1)の製
造方法において使用する濃硫酸とは、市販のものをい
い、発煙硝酸とは、市販のものをいい、比重1.3以上
のものをいう。
【0026】本発明の化合物(1)の製造方法における
反応温度は、通常0℃〜50℃であり、好ましくは0℃
〜20℃である。
【0027】本発明の化合物(1)の製造方法におい
て、生成した3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベ
ンズアルデヒドを含む反応混合液から該化合物を得る方
法は、通常の抽出操作、洗浄操作、分離操作を組み合わ
せて行えばよく、例えば、反応混合液に有機溶媒を添加
して溶媒抽出を行い、さらに希アルカリ水溶液で洗浄し
た後に、減圧濃縮を行って粗精製物を得て、この粗精製
物を通常の、蒸留、再結晶等の操作により生成物を得る
ことが好ましい。
【0028】本発明のもう一つの目的化合物である、一
般式(1)で表される3−フルオロ−4−クロロ−6−
ニトロベンズアルデヒドアセタ−ル類〔以下化合物
(2)ともいう〕における、R1 、R2 は互いに結合し
ていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、互
いに結合していない場合には、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基(異性体を含む)、ブチル基(異性体
を含む)のようなアルキル基を挙げることができ、特に
メチル基、エチル基が好ましく、互いに結合してしてい
る場合には、R1 、R2 は一緒になって、例えばエチレ
ン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチ
レン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタ
メチレン基のようなポリメチレン基を構成することがで
き、特にエチレン基を構成することが好ましい。
【0029】本発明のもう一つの目的化合物である、一
般式(1)で表される3−フルオロ−4−クロロ−6−
ニトロベンズアルデヒドアセタ−ル類の化合物として
は、例えば3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベン
ズアルデヒドジメチルアセタ−ル、3−フルオロ−4−
クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドジエチルアセタ−
ル、3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアル
デヒドジプロピルアセタ−ル、3−フルオロ−4−クロ
ロ−6−ニトロベンズアルデヒドジブチルアセタ−ル、
3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒ
ドエチレンアセタ−ル、3−フルオロ−4−クロロ−6
−ニトロベンズアルデヒドトリメチレンアセタ−ル、3
−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒド
テトラメチレンアセタ−ル、3−フルオロ−4−クロロ
−6−ニトロベンズアルデヒドペンタメチレンアセタ−
ル、3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアル
デヒドヘキサメチレンアセタ−ル、3−フルオロ−4−
クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドヘプタメチレンア
セタ−ル、3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベン
ズアルデヒドオクタメチレンアセタ−ル、を挙げること
ができ、3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズ
アルデヒドジメチルアセタ−ル、3−フルオロ−4−ク
ロロ−6−ニトロベンズアルデヒドジエチルアセタ−
ル、3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアル
デヒドエチレンアセタ−ル、が好ましい。
【0030】本発明の化合物(2)は、例えば反応式
(2)〔製造方法(2−1)ともいう〕
【0031】
【化8】
【0032】で表される反応により製造される。反応式
(2)で表される反応は、脂肪族アルコ−ルまたはトリ
アルキルオルソ酸と前記の3−フルオロ−4−クロロ−
6−ニトロベンズアルデヒドとを、酸触媒の存在下、反
応させて3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズ
アルデヒドアセタ−ル類を生成させる反応である。
【0033】本発明の化合物(2)の製造方法(2−
1)において使用する脂肪族アルコ−ルとしては、例え
ばメタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル
などの炭素原子数1〜4のアルキルアルコ−ル、エチレ
ングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブ
タンジオ−ルなどの炭素原子数2〜4のアルキレングリ
コ−ルを挙げることができ、特にメタノ−ル、エタノ−
ル、エチレングリコ−ルが好ましい。
【0034】本発明の化合物(2)の製造方法(2−
1)において使用する脂肪族アルコ−ルの使用量は、ア
ルキルアルコ−ルの場合は、化合物(1)1モルに対し
て通常1〜100モル程度の割合の量であり、好ましく
は1〜50モルの割合の量であり、アルキレンアルコ−
ルの場合は、化合物(1)1モルに対して通常1〜20
モル程度の割合の量であり、好ましくは1〜10モルの
割合の量である。通常化合物(1)に対して脂肪族アル
コ−ルは過剰に使用するので、反応溶媒は特に添加する
必要はない。
【0035】本発明の化合物(2)の製造方法(2−
1)において使用するトリアルキルオルソ酸は、例えば
トリメチルオルソぎ酸、トリエチルオルソぎ酸、トリプ
ロピルオルソぎ酸、トリブチルオルソぎ酸、トリメチル
オルソ酢酸、トリエチルオルソ酢酸、トリプロピルオル
ソ酢酸、トリブチルオルソ酢酸などのトリアルキルオル
ソ酸を挙げることができ、特にトリメチルオルソぎ酸、
トリエチルオルソぎ酸、トリメチルオルソ酢酸、トリエ
チルオルソ酢酸が好ましい。
【0036】本発明の化合物(2)の製造方法(2−
1)において使用するトリアルキルオルソ酸の使用量
は、化合物(1)1モルに対して通常1〜100モル程
度の割合の量であり、好ましくは1〜50モル割合の量
である。通常化合物(1)に対してトリアルキルオルソ
酸は過剰に使用するので、反応溶媒は特に添加する必要
はない。
【0037】本発明の化合物(2)の製造方法(2−
1)において使用する酸触媒としては、例えば硫酸、塩
酸などの鉱酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸
などのスルホン酸、トリフルオロホウ素、塩化アルミニ
ウム、チタンテトラアルコキシドなどのルイス酸を挙げ
ることができ、特にメタンスルホン酸、トルエンスルホ
ン酸などのスルホン酸が好ましい。酸触媒の使用量は、
化合物(1)1モルに対して通常0.01〜20モル%
程度の割合になる量であり、特に0.1〜5モル%の割
合になる量が好ましい。
【0038】本発明の化合物(2)の製造方法(2−
1)における反応温度は、通常室温〜200℃の範囲で
あり、使用する脂肪族アルコ−ル又はトリアルキルオル
ソ酸の沸点付近で反応を行うことが好ましい。反応温度
は、使用するアルコ−ル又はトリアルキルオルソ酸によ
って異なるが、通常0.5時間〜10時間である。
【0039】本発明の化合物(2)の製造方法(2−
1)において、生成した3−フルオロ−4−クロロ−6
−ニトロベンズアルデヒドアセタ−ル類を含む反応混合
液から該化合物を得る方法は、通常の抽出操作、洗浄操
作、分離操作を組み合わせて行えばよく、例えば、溶媒
のアルコ−ル又はトリアルキルオルソ酸を減圧濃縮して
残渣を得、残渣に有機溶媒を添加して希釈を行い、さら
に水で洗浄して触媒を除去した後に、減圧濃縮を行って
粗生成物を得て、この粗精製物を通常の、蒸留、再結晶
等の操作により精製物を得ることが好ましい。
【0040】本発明の化合物(2)は、例えば反応式
(3)〔製造方法(2−2)ともいう〕
【0041】
【化9】
【0042】で表される反応によっても製造される。反
応式(3)で表される反応は、 工程1:3,4−ジクロロベンズアルデヒドを混酸でニ
トロ化させて、3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズア
ルデヒドを生成させる反応、 工程2:脂肪族アルコ−ルまたはトリアルキルオルソ酸
と前記の3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒ
ドとを、酸触媒の存在下、反応させて3,4−ジクロロ
−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ−ル類を生成させ
る反応、 工程3:前記の3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズア
ルデヒドアセタ−ル類とアルカリ金属フッ化物とを、極
性有機溶媒中で、反応させて3−フルオロ−4−クロロ
−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ−ル類を生成させ
る反応、よりなる。
【0043】本発明の化合物(2)の製造方法(2−
2)における原料化合物(2)は、3,4−ジクロロベ
ンズアルデヒドである。原料化合物(2)は、市販され
ているものをそのまま反応に用いることができる。原料
化合物(2)から3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズ
アルデヒドを得る反応(工程1)は、3−フルオロ−4
−クロロベンズアルデヒドを原料化合物(2)に代える
他は、上記の反応式(1)と同様にして行うことができ
る。
【0044】前記の3,4−ジクロロ−6−ニトロベン
ズアルデヒドから3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズ
アルデヒドアセタ−ル類を得る反応(工程2)は、3−
フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドを
3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒドに代え
る他は、上記の反応式(2)と同様にして行うことがで
きる。
【0045】工程2で得られる、一般式(2)で表され
る3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒドアセ
タ−ル類における、R1 、R2 は前記のR1 、R2 と同
じ意味を表す。3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズア
ルデヒドアセタ−ル類は、具体的には例えば、3,4−
ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒドジメチルアセタ
−ル、3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒド
ジエチルアセタ−ル、3,4−ジクロロ−6−ニトロベ
ンズアルデヒドジプロピルアセタ−ル、3,4−ジクロ
ロ−6−ニトロベンズアルデヒドジブチルアセタ−ル、
3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒドエチレ
ンアセタ−ル、3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズア
ルデヒドトリメチレンアセタ−ル、3,4−ジクロロ−
6−ニトロベンズアルデヒドテトラメチレンアセタ−
ル、3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒドペ
ンタメチレンアセタ−ル、3,4−ジクロロ−6−ニト
ロベンズアルデヒドヘキサメチレンアセタ−ル、3,4
−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒドヘプタメチレ
ンアセタ−ル、3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズア
ルデヒドオクタメチレンアセタ−ル、を挙げることがで
き、3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒドジ
メチルアセタ−ル、3,4−ジクロロ−6−ニトロベン
ズアルデヒドジエチルアセタ−ル、3,4−ジクロロ−
6−ニトロベンズアルデヒドエチレンアセタ−ル、が好
ましい。
【0046】本発明の化合物(2)の製造方法(2−
2)における、3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズア
ルデヒドアセタ−ル類から、3−フルオロ−4−クロロ
−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ−ル類を得る反応
(工程3)は、3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズア
ルデヒドアセタ−ル類を極性有機溶媒に溶解し、アルカ
リ金属フッ化物と反応させることよりなる。
【0047】本発明の化合物(2)の製造方法(2−
2)の工程3において使用する極性有機溶媒としては、
3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ
−ル類およびアルカリ金属フッ化物を溶解し、本反応の
進行を妨げないような極性有機溶媒が好ましい。このよ
うな極性有機溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホ
ルムアミド(以下DMFともいう)、1,3−ジメチル
イミダゾリジノン(以下DMIともいう)、N,N−ジ
メチルアセトアミド(以下DMAともいう)、N−メチ
ルピロリドン(以下NMPともいう)などのアミド系溶
媒、スルホラン、ジメチルスルホキシド(以下DMSO
ともいう)などのイオウ系溶媒、アセトニトリル、ベン
ゾニトリルなどのニトリル系溶媒を挙げることができ、
特にDMF、NMP、スルホラン、DMSO、ベンゾニ
トリルが好ましい。本発明の化合物(2)の製造方法
(2−2)において使用する極性有機溶媒の使用量は、
3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ
−ル類に対して、通常等量〜100重量倍であり、特に
等量〜50重量倍が好ましい。
【0048】本発明の化合物(2)の製造方法(2−
2)の工程3において使用するアルカリ金属フッ化物と
しては、例えばフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フ
ッ化ルビジウム、フッ化セシウムなどのアルカリ金属フ
ッ化物を挙げることができ、特にフッ化カリウムが好ま
しい。本発明の化合物(2)の製造方法(2−2)の工
程3において使用するアルカリ金属フッ化物の使用量
は、3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒドア
セタ−ル類1モルに対して、通常等モル〜50倍モル程
度の割合の量であり、等モル〜20モルの割合の量であ
ることが好ましい。
【0049】本発明の化合物(2)の製造方法(2−
2)の工程3においては、触媒は必ずしも必要とはしな
いが、触媒を用いた場合には、反応時間の短縮および反
応収率が向上する場合がある。この場合、触媒として
は、例えばテトラフェニルホスホニウムクロライド、テ
トラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニル
ホスホニウムヨ−ジドのようなテトラフェニルホスホニ
ウムハライド類、テトラメチルアンモニウムクロライ
ド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチ
ルアンモニウムヨ−ジドのようなテトラメチルアンモニ
ウム類を挙げることができ、好ましくはテトラフェニル
ホスホニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムヨ
−ジドである。
【0050】本発明の化合物(2)の製造方法(2−
2)の工程3において触媒を用いる場合の使用量は、
3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ
−ル類1モルに対して、通常0.01〜1.00モルの
割合となる量であり、0.05〜0.5モルの割合とな
る量が好ましく、さらに0.05〜0.3モルの割合と
なる量が好ましい。
【0051】本発明の化合物(2)の製造方法(2−
2)において、生成した3−フルオロ−4−クロロ−6
−ニトロベンズアルデヒドアセタ−ル類を含む反応混合
液から該化合物を得る方法は、通常の抽出操作、洗浄操
作、分離操作を組み合わせて行えばよく、例えば、反応
溶媒を減圧濃縮して残渣を得、残渣をクロマトグラム、
蒸留、再結晶等の通常操作により単離することが好まし
い。
【0052】
【発明の効果】本発明の目的化合物の一つである、3−
フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドア
セタ−ル類を用いれば、従来の製造方法に比べると、高
収率でキノリン類を得ることができる製造方法を用いる
ことができる。本発明の目的化合物の一つである、3−
フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドを
用いれば3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズ
アルデヒドアセタ−ル類を製造できる。本発明の製法を
用いれば、原料化合物から目的化合物を、高收率で得る
ことができる。
【0053】
【実施例】以下に実施例および参考例を示す。
【0054】実施例1 3−フルオロ−4−クロロベンズアルデヒド50.6g
(0.32モル)を濃硫酸40ミリリットルに懸濁し、
懸濁液を得た。得られた懸濁液を氷冷した後、発煙硝酸
(比重1.52)89.7gを、反応温度が10℃を越
えない速度で滴下攪拌して反応させた。滴下終了後、さ
らに10℃を越えない温度に保ったまま、15分間攪拌
して反応させた。得られた反応混合物の液温を室温に戻
した後、反応混合物を、氷水500ミリリットル中に加
えて反応混合物水溶液を得た。反応混合物水溶液にトル
エン300ミリリットルを加えて最初の溶媒抽出操作を
行い有機抽出液1を得た。残った反応混合物水溶液に、
さらにトルエン200ミリリットルを加えて2回目の溶
媒抽出操作を行い有機抽出液2を得た。有機抽出液1、
2を合わせて有機層を得た。有機層を飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液300ミリリットルで洗浄した。洗浄は3
回行った。洗浄後の有機溶媒層を減圧濃縮して、黄色固
体の3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアル
デヒド57.1g(0.28モル)を粗精製物として得
た。この黄色固体はガスクロマトグラフで測定すると、
94.5%の純度であり、精製しなくても次工程の使用
には問題がなかった。(3−フルオロ−4−クロロベン
ズアルデヒド基準の反応収率=87.5%)該黄色固体
10gを、トルエン5ミリリットルとヘキサン10ミリ
リットルとの混合溶液に加熱(50℃)溶解後、0℃に
冷却して再結晶を行って純度99.4%の3−フルオロ
−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒド8.2g
(40.3ミリモル)を精製物として得た。 精製物の物性 融点:68.5〜70.0℃1 H−NMR(CDCl3 ,270MHz) δ(ppm)=7.74(1H,d,J=7.94H
z,Ar−H) 8.29(1H,d,J=6.10Hz,Ar−H) 10.41(1H,d,J=2.44Hz,CHO)
【0055】実施例2 実施例1で得られた粗精製3−フルオロ−4−クロロ−
6−ニトロベンズアルデヒド30g(0.15モル)を
エチレングリコ−ル24.6ミリリットル(0.40モ
ル)に溶解してグリコ−ル溶液を得た。得られたグリコ
−ル溶液にp−トルエンスルホン酸560mgを添加し
て、120℃まで昇温させ、同温度を保ったまま12時
間加熱攪拌して反応させた。得られた反応溶液を室温ま
で冷却した後、1N−水酸化ナトリウム水溶液250ミ
リリットルを加えて、反応水溶液を得た。反応水溶液に
トルエン300ミリリットルを加えて、最初の溶媒抽出
操作を行い有機抽出液1を得た。残った反応混合物水溶
液にトルエン150ミリリットルを加えて2回目の溶媒
抽出操作を行い有機抽出液2を得た。有機抽出液1、2
を合わせて有機溶媒層を得た。有機層を水100ミリリ
ットルで洗浄した。洗浄は3回行った。洗浄後の有機層
を減圧濃縮して、残渣を得た。残渣をトルエン3.7ミ
リリットルとヘキサン110ミリリットルとの混合溶液
に加熱(50℃)溶解後、0℃に冷却して再結晶を行っ
て、3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアル
デヒドエチレンアセタ−ル30g(0.12モル)を得
た。HPLCを用いて分析すると純度97%であること
が分かった。(3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロ
ベンズアルデヒド基準の反応収率=80%) 融点:47〜48.5℃1 H−NMR(CDCl3 ,270MHz) δ(ppm)=3.99−4.11(4H,m,O−C
2 −CH2 −O) 6.48(1H,s,O−CH−O) 7.61(1H,d,J=9.16Hz,Ar−H) 8.09(1H,d,J=6.10Hz,Ar−H)
【0056】実施例3 3,4−ジクロロ−6−ニトロベンジルアルデヒドエチ
レンアセタ−ル1.0g(3.8ミリモル)をジメチル
アセトアミド20ミリリットルに溶解してジメチルアセ
トアミド溶液を得た。得られたジメチルアセトアミド溶
液に、スプレ−乾燥をしたフッ化カリウム0.44g
(7.6ミリモル)を加え、160℃に昇温させ、同温
度を保ったまま10時間加熱攪拌して反応させた。反応
混合物を減圧濃縮をして残渣1を得た。残渣1を塩化メ
チレン20ミリリットルに溶解して塩化メチレン溶液を
得た。塩化メチレン溶液に水100ミリリットルで洗浄
した。洗浄後の塩化メチレン溶液を減圧濃縮し、得られ
た残渣2をシリカゲルクロマトグラフ(溶離液;n−ヘ
キサン:酢酸エチル=10:1)に付して3−フルオロ
−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドエチレンア
セタ−ル0.4g(1.6ミリモル)を得た。(3,4
−ジクロロ−6−ニトロベンジルアルデヒドエチレンア
セタ−ル基準の反応収率=42%)
【0057】実施例4 3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒ
ド3.0g(14.7ミリモル)をオルトぎ酸メチル
2.34gに溶解してオルトぎ酸メチル溶液を得た。得
られたオルトぎ酸メチル溶液に、三フッ化ほう素・エチ
ルエ−テル10mgを加えて、100℃に昇温させ、同
温度を保ったまま5時間加熱攪拌して反応させた。得ら
れた反応溶液を室温まで冷却した後、トルエン25ミリ
リットルを加えて、溶媒抽出操作を行い有機抽出液を得
た。有機抽出液を1N−水酸化ナトリウム水溶液10ミ
リリットルで洗浄した。洗浄は2回行った。洗浄後の有
機抽出液を、さらに飽和食塩水溶液10ミリリットルで
洗浄して洗浄有機抽出液を得た。洗浄有機抽出液を減圧
乾燥して3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズ
アルデヒドジメチルアセタ−ル3.37g(13.6ミ
リモル)を得た。(3−フルオロ−4−クロロ−6−ニ
トロベンズアルデヒド基準の反応収率=93%)1 H−NMR(CDCl3 ,270MHz) δ(ppm)=4.00−4.11(6H,m,O−C
2 −CH2 −O、NH2 ) 5.91(1H,s,O−CH−O) 7.60(1H,d,J=9.77Hz,Ar−H) 8.00(1H,d,J=6.11Hz,Ar−H)
【0058】参考例1 3−フルオロ−4−クロロベンズアルデヒドの代わりに
3,4−ジクロロベンズアルデヒド120.0g(0.
686モル)を使用した他は実施例1と同様にして、
3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒドを15
4.7g(0.493モル)得た。 融点;70〜71.5℃1 H−NMR(CDCl3 ,270MHz) δ(ppm)=8.04(1H,s,Ar−H) 8.26(1H,s,Ar−H) 10.40(1H,s,CHO)
【0059】参考例2 3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒ
ドエチレンアセタ−ル4.0g(16.2ミリモル)を
酢酸エチル40ミリリットルに溶解し酢酸エチル溶液を
得た。得られた酢酸エチル溶液に、5%ルテニウム−ア
ルミナ0.8gを加え、20気圧の水素雰囲気下で、8
0℃を保ちながら5時間加熱攪拌して反応させた。得ら
れた反応溶液を濾過し、得られた濾液を減圧濃縮してカ
ラムクロマトグム(アルミナ、活性度 1;溶離液;n
−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)に付して3−フルオ
ロ−4−クロロ−6−アミノベンズアルデヒドエチレン
アセタ−ル2.97g(14.1ミリモル)を得た。 融点:55.5〜56.5℃1 H−NMR(CDCl3 ,270MHz) δ(ppm)=4.00−4.11(6H,m,O−C
2 CH2 −O、NH2 ) 5.78(1H,s,O−CH−O) 6.69(1H,d,J=6.69Hz,Ar−H) 7.14(1H,d,J=9.15Hz,Ar−H)
【0060】参考例3 3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒ
ドエチレンアセタ−ル1.0g(4ミリモル)を酢酸エ
チル20ミリリットルに溶解し酢酸エチル溶液を得た。
得られた酢酸エチル溶液に、5%ルテニウム−アルミナ
0.2gを加え、20気圧の水素雰囲気下で、室温で5
時間攪拌して反応させた。得られた反応溶液1を濾過
し、得られた濾液にp−トルエンスルホン酸80mg
(0.42ミリモル)とピルビン酸メチル4.00g
(39.2ミリモル)とを加えて、60℃を保ったまま
3時間攪拌して反応させた。得られた反応溶液2を、水
10ミリリットルで洗浄した後、減圧濃縮して6−フル
オロ−7−クロロキノリン−2−カルボン酸メチル0.
70g(2.9ミリモル)を得た。
【0061】参考例4 3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒ
ドエチレンアセタ−ル3.0g(12.1ミリモル)を
酢酸エチル30ミリリットルに溶解し酢酸エチル溶液を
得た。得られた酢酸エチル溶液に、5%ルテニウム−ア
ルミナ0.5gを加え、20気圧の水素雰囲気下で、8
0℃を保ちながらで5時間加熱攪拌して反応させた。得
られた反応溶液1を濾過し、生成した3−フルオロ−4
−クロロ−6−アミノベンズアルデヒドエチレンアセタ
−ルを分離していない濾液を、60℃に保ったp−トル
エンスルホン酸230mg(1.2ミリモル)とピルビ
ン酸メチル12.4g(121ミリモル)との混合溶液
に、2.5時間で滴下した。滴下後、さらに60℃に保
ったまま5時間加熱攪拌して反応させた。得られた反応
溶液2を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30ミリリット
ルで洗浄し、洗浄液を得た。得られた洗浄液にメタノ−
ル30ミリリットルを加えて、生成した6−フルオロ−
7−クロロキノリン−2−カルボン酸メチルを分離せず
に、さらに水素化ホウ素ナトリウム4.0g(106ミ
リモル)を加えて、室温で2時間攪拌して反応させた。
【0062】得られた反応溶液3に水60ミリリットル
を加えて洗浄して、洗浄反応溶液を得た。洗浄水には、
さらに酢酸エチル40ミリリットルを加えて溶媒抽出操
作を行い有機抽出液を得た。洗浄反応溶液と有機抽出液
とを合わせて有機層を得た。得られた有機層に、2N−
塩酸水溶液20ミリリットルを加えて溶媒抽出操作を行
い水層1を得た。残った有機層に、さらに1N−塩酸水
溶液10ミリリットルを加えて溶媒抽出操作を行い水層
2を得た。水層1、2を合わせて水層3を得た。 得ら
れた水層3に、5N−水酸化ナトリウム水溶液を添加し
て、水層3をアルカリ性にすると、6−フルオロ−7−
クロロ−2−キナルジンメタノ−ルが析出した。析出し
た6−フルオロ−7−クロロ−2−キナルジンメタノ−
ルを濾過し、減圧乾燥して6−フルオロ−7−クロロ−
2−キナルジンメタノ−ル1.13g(5.3ミリモ
ル)を得た。
【0063】融点:139.5〜140.5℃1 H−NMR(CDCl3 ,270MHz) δ(ppm)=4.23(1H,t,OH) 4.91(2H,d,J=4.28Hz,O−CH2 ) 7.32(1H,d,J=8.54Hz,Ar−H) 7.53(1H,d,J=9.15Hz,Ar−H) 8.07(1H,d,J=8.54Hz,Ar−H) 8.15(1H,d,J=7.32Hz,Ar−H)
【0064】参考例5 3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒ
ド4.0g(19.7ミリモル)を酢酸エチル72ミリ
リットルに溶解し酢酸エチル溶液を得た。得られた酢酸
エチル溶液に、5%白金サルファイド炭素0.72gを
加え、4気圧の水素雰囲気下で、室温で5時間攪拌して
反応させた。得られた反応溶液を濾過し、減圧濃縮して
3−フルオロ−4−クロロ−6−アミノベンズアルデヒ
ド3.34g(18.3ミリモル)を得た。1 H−NMR(CDCl3 ,270MHz) δ(ppm)=6.05(2H,br−s,NH2 ) 6.72(1H,d,J=5.50Hz,Ar−H) 7.25(1H,d,J=8.54Hz,Ar−H) 9.77(1H,s,CHO)
【0065】参考例6 3−フルオロ−4−クロロ−6−アミノベンズアルデヒ
ド0.66g(3.8ミリモル)を酢酸5ミリリットル
に溶解して酢酸溶液を得た。得られた酢酸溶液に、ピル
ビン酸メチル1.16g(11.4ミリモル)を加え
て、110℃を保ちながら5時間加熱攪拌して反応させ
た。得られた反応溶液に、酢酸エチル20ミリリットル
を加えて混合溶液を得た。得られた混合溶液を、1N−
水酸化ナトリウム水溶液85ミリリットルで洗浄し、さ
らに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30ミリリットルで
洗浄した。分液操作により、得られた有機溶媒液を、減
圧乾燥を行い6−フルオロ−7−クロロキノリン−2−
カルボン酸メチル0.82g(2.1ミリモル)を得
た。 融点:139.5〜141.0℃1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz) δ(ppm)=4.09(3H,s,CH3 ) 7.60(1H,d,J=8.79Hz,Ar−H) 8.22(1H,d,J=7.81Hz,Ar−H) 8.26(1H,d,J=8.79Hz,Ar−H) 8.42(1H,d,J=6.84Hz,Ar−H)
【0066】参考例7 3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒ
ドの代わりに3.4−ジクロロ−6−ベンズアルデヒド
154.7g(0.493モル)を使用したほかは、実
施例2と同様にして3.4−ジクロロ−6−ニトロベン
ズアルデヒドアセタ−ル200.7g(0.481モ
ル)を得た。 融点:58.5〜59.0℃1 H−NMR(CDCl3 ,270MHz) δ(ppm)=3.99−4.10(4H,m,O−C
2 CH2 −O) 6.45(1H,s,O−CH−O) 7.90(1H,s,Ar−H) 8.06(1H,s,Ar−H)
【0067】参考例8 ピルビン酸メチルの代わりにピルビン酸エチル1.32
g(11.4ミリモル)を使用したほかは、参考例6と
同様にして6−フルオロ−7−クロロキノリン−2−カ
ルボン酸エチル0.53g(2.1ミリモル)を得た。 融点:122〜123℃1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz) δ(ppm)=1.49(3H,t,CH3 ) 4.56(2H,q,OCH2 ) 7.59(1H,d,J=8.78Hz,Ar−H) 8.20(1H,d,J=8.30Hz,Ar−H) 8.25(1H,d,J=8.30Hz,Ar−H) 8.46(1H,d,J=7.32Hz,Ar−H)
【0068】参考例9 3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒ
ドの代わりに3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアル
デヒド10.0g(45.5ミリモル)を使用し、オル
トぎ酸メチルの代わりにオルトぎ酸エチル20.2g
(136ミリモルを使用したほかは、実施例4と同様に
して3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒドジ
エチルアセタ−ル7.16g(24.3ミリモル)を得
た。1 H−NMR(CDCl3 ,270MHz) δ(ppm)=1.24(6H,t,CH3 ) 3.54〜3.76(4H,m,O−CH2 ) 5.99(1H,s,O−CH−O) 7.92(1H,s,Ar−H) 7.96(1H,s,Ar−H)
【0069】実施例5 3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒドエチレ
ンアセタ−ル1.0g(3.75ミリモル)をジメチル
スルホキシド10ミリリットルに溶解しスルホキシド溶
液を得た。得られたスルホキシド溶液に、スプレ−乾燥
したフッ化カリウム0.44g(7.5ミリモル)を加
えて、160℃に昇温させ、同温度を保ったまま3時間
加熱攪拌して反応させた。得られた反応混合物を、減圧
濃縮して得られた濃縮液について、HPLCを用いて定
量分析すると、3−フルオロ−4−クロロ−ニトロベン
ズアルデヒドエチレンアセタ−ル0.70gが生成して
いることが分かった。(3,4−ジクロロ−6−ニトロ
ベンズアルデヒドエチレンアセタ−ル標準の収率:75
%)
【0070】実施例6 3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒドエチレ
ンアセタ−ル20g(75ミリモル)、ジメチルスルホ
キシド100ミリリットル、スプレ−乾燥したフッ化カ
リウム8.77g(150ミリモル)とテトラフェニル
ホスホニウムブロマイド3.16g(7.5ミリモル)
との混合物を得た。得られた混合物を、135〜140
℃に昇温させた後、同温度を保ちながら8時間加熱攪拌
して反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し
た後、水200ミリリットルを加えて反応混合物水溶液
を得た。得られた反応混合物水溶液にトルエン200ミ
リリットルを加えて溶媒抽出操作を行って有機層を得
た。得られた有機層を飽和炭酸ナトリウム水溶液100
ミリリットルで洗浄し、さらに水100ミリリットルで
2回洗浄した。洗浄後の有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過した後、減圧濃縮を行って18.03g
のオイルを得た。該オイルをHPLCを用いて定量分析
すると、3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒ
ドエチレンアセタ−ル基準の反応率は97%、反応収率
は76%であることがわかった。該オイルの11.65
gを減圧蒸留し沸点153〜157℃/4mmHgの留
分として純度93%の3−フルオロ−4−クロロ−6−
ニトロベンズアルデヒドエチレンアセタ−ル8.35g
を得た。
【0071】実施例7〜15 3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒドエチレ
ンアセタ−ル1.0g(3.75ミリモル)を有機溶媒
5ミリリットルに溶解して有機溶媒溶液を得た。得られ
た有機溶媒溶液にスプレ−乾燥したフッ化カリウム0.
44g(7.5ミリモル)と指定量のテトラフェニルホ
スホニウムブロマイド〔3,4−ジクロロ−6−ニトロ
ベンズアルデヒドエチレンアセタ−ルに対して0.1倍
モル(0.16g:0.38ミリモル)〜0.3倍モ
ル〕とを加えて、指定温度で指定時間加熱攪拌して反応
させた。得られた反応混合物を、減圧濃縮した後、HP
LCを用いて定量分析すると、下記の表1の転化率、反
応収率で3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズ
アルデヒドエチレンアセタ−ルが生成していることが分
かった。
【0072】
【化10】
【0073】なお、実施例において、使用した分析方法
は下記に示す方法である。 1:高速液体クロマトグラフ(HPLC)分析法 カラム:ODS−80TM 150mm X 4.6φ カラム温度:40℃ 溶離液:アセトニトリル:水:トリエチルアミン=50
0:500:1の溶液を酢酸でpH6.5に調整した液
体。 検出器:UV 254nm 流速:1.0ミリリットル/min. 内部標準物質:ジフェニルエ−テル
【0074】2:ガスクロマトグラフ(GC)分析法 カラム:OV−17 10% ユニポ−トHP カラム長:1m カラム温度:100〜230℃、5℃/min.昇温 注入部温度:230℃ 検出部温度:230℃ 検出器:FID キャリア−ガス:窒素

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 で表される3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベン
    ズアルデヒド。
  2. 【請求項2】 3−フルオロ−4−クロロベンズアルデ
    ヒドを混酸でニトロ化することを特徴とする請求項1に
    記載の3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズア
    ルデヒドの製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(1) 【化2】 (式中、R1 、R2 は互いに結合していてもよい炭素原
    子数1〜4のアルキル基を示す)で表される3−フルオ
    ロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ−
    ル類。
  4. 【請求項4】 一般式(2) 【化3】 (式中、R1 、R2 は前記と同じ意味を有する)で表さ
    れる3,4−ジクロロ−6−ニトロベンズアルデヒドア
    セタ−ル類とアルカリ金属フッ化物とを、極性有機溶媒
    中で反応させることを特徴とする請求項3に記載の3−
    フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドア
    セタ−ル類の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の3−フルオロ−4−ク
    ロロ−6−ニトロベンズアルデヒドと脂肪族アルコ−ル
    またはトリアルキルオルソ酸とを、酸触媒存在下に、反
    応させることを特徴とする請求項3に記載の3−フルオ
    ロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ−
    ル類の製造方法。
JP6959095A 1995-03-28 1995-03-28 3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒド、3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ−ル類及びそれらの製造方法 Pending JPH08268974A (ja)

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JP6959095A Pending JPH08268974A (ja) 1995-03-28 1995-03-28 3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒド、3−フルオロ−4−クロロ−6−ニトロベンズアルデヒドアセタ−ル類及びそれらの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113493559A (zh) * 2020-03-19 2021-10-12 中国科学院化学研究所 环化靛蓝受体及聚合物的制备与应用

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