JPH08268768A - 流し込み用不定形耐火物 - Google Patents

流し込み用不定形耐火物

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JPH08268768A
JPH08268768A JP7094610A JP9461095A JPH08268768A JP H08268768 A JPH08268768 A JP H08268768A JP 7094610 A JP7094610 A JP 7094610A JP 9461095 A JP9461095 A JP 9461095A JP H08268768 A JPH08268768 A JP H08268768A
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JP
Japan
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weight
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magnesia
alumina
particle size
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JP7094610A
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English (en)
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Katsuya Ono
勝也 斧
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Taiko Refractories Co Ltd
Original Assignee
Taiko Refractories Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高い耐食性を維持しながら耐スラグ浸透性を向
上した流し込み用不定形耐火物を提供する。 【構成】32〜80重量部のスピネルと、10〜58重量部のア
ルミナと、10重量部超〜12重量部未満のマグネシアとか
らなり、アルミナ/マグネシアの重量比が1〜5であ
り、かつ粒径0.3 mm以下のアルミナ及びマグネシアの
合計量がアルミナ及びマグネシアの総量の25〜45重量部
である耐火組成物100 重量部に、シリカ超微粉及び/又
はチタニア超微粉からなる粒径10μm以下のスラグ浸透
防止材0.1 〜3.0 重量部を配合してなる流し込み用不定
形耐火物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐スラグ浸食性、耐スラ
グ浸透性及び耐スポーリング性等に優れた流し込み用不
定形耐火物に関し、特に鉄鋼等の金属溶湯用取鍋、樋、
タンディッシュ等、またその二次精錬のための容器、ノ
ズル等に用いるのに好適な流し込み用不定形耐火物に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
高級鋼の需要の増大にともない取鍋精錬、真空処理など
の二次精錬が盛んに行われるようになってきた。それに
伴って溶鋼温度の上昇、溶湯容器内での滞留時間の延長
が必要となり、取鍋、樋、タンディッシュ、ノズルなど
溶湯処理に用いられる耐火物の使用条件は非常に過酷に
なってきた。このような使用環境では、従来使用されて
きた珪石質、シャモット質、高アルミナ質、マグネシア
質等の耐火物では対応できなくなり、代わりにスピネル
質を中心とする不定形耐火物が使用されるようになって
きた。
【0003】マグネシア、アルミナ及びスピネル等の酸
化物は耐熱性、耐食性及び耐スポーリング性に優れてい
ることから、溶鋼あるいはスラグに対する主要な耐火物
原料として特に製鋼プロセスにおいて広く使用されてい
る。スラグに対する耐食性に関してはマグネシア、スピ
ネル、アルミナの順であり、またマグネシアは特に高塩
基度スラグに対する耐食性が優れているので、不定形耐
火物の耐食性向上を狙ってマグネシア配合量を増加させ
ることが試みられてきた。マグネシアはアルミナと反応
して二次スピネルを生成し、この反応による膨張によっ
て耐火物の充填性を上げることができる。しかしながら
その高膨張性が亀裂発生の原因となって耐スポーリング
性が悪化し、また水和反応による崩壊も問題となるた
め、マグネシアを多量に配合することは不可能である。
従って、またマグネシアを多量に含有する不定形耐火物
の場合、膨張を吸収する手段及び水和防止の手段が必要
となる。
【0004】スピネルは純粋にはMgO・Al2 3
化学組成を持ち、マグネシアとアルミナとの反応生成物
であり、融点が高く、耐スポーリング性に優れ、またス
ラグに対する耐食性にも優れている。しかしながら耐食
性を向上させるためにスピネル量を増加させていくと、
液状のスラグがスピネル粒子間を容易に通過してしま
い、スラグの浸透性が増大する。その結果、スラグ浸透
部から剥離損傷する、いわゆる構造的スポーリングによ
ってかえって耐用寿命が短くなる。このような欠点のた
めにスピネルを多量に使用することはできなかった。
【0005】一方、従来結合材として多量に使用されて
いたアルミナセメントは成分中のCaOが液相を生成し
て耐火物の強度及び耐食性を低下させるという作用を有
する。そのため、不定形耐火物の低セメント化への移行
が進んでいる。
【0006】例えば、特開昭60-60986号は、低CaO実
現のため超微粉シリカを使用したスピネル質不定形耐火
物を開示している。このスピネル質不定形耐火物は、具
体的には、マグネシアクリンカー及びアルミナクリンカ
ーを7:3〜8:2の重量比で含有する混合物60〜80重
量部と、スピネルクリンカー20〜40重量部とからなる骨
材100 重量部に対して、気化性シリカ0.5 〜3重量部を
添加してなる。しかしながら、このスピネル質不定形耐
火物はマグネシアの含有量が多すぎるため、耐スポーリ
ング性が劣るだけでなく、長期間の使用によって過焼結
し、剥離損傷を生じるという欠点がある。
【0007】また、スラグ浸透性を抑制して耐食性を向
上させるために、流し込み用不定形耐火物に所定量の結
合剤を配合することが提案されている(特開平2-233564
号、及び特開平3-23275 号)。具体的には、特開平2-23
3564号の流し込み用不定形耐火物は、少なくとも60重量
%のアルミナクリンカー、10〜30重量%のスピネルクリ
ンカー及び1〜10重量%のマグネシアクリンカーからな
る混合物に対して、結合剤としてアミンシリケートをS
iO2 分として外掛けで0.2 〜2重量%、及びアルミナ
セメント等の硬化剤を配合してなる。また、特開平3-23
275 号の流し込み用不定形耐火物は、少なくとも37重量
%の高純度アルミナ原料、10〜30重量%のスピネルクリ
ンカー、1〜20重量%の粒径0.21mm以上のマグネシア
クリンカー、1〜10重量%の粒径0.21mm未満のマグネ
シアクリンカー、及び0.2 〜3重量%の非晶質シリカか
らなる混合物に対して、結合剤としてアルミナセメント
を外掛けで0.5 重量%以上〜3重量%未満、又は活性マ
グネシアを外掛けで0.2 〜5重量%配合してなる。しか
しながら、いずれの流し込み用不定形耐火物もスピネル
の含有量が不十分であり、耐スポーリング性及び耐食性
に劣る。
【0008】さらに特開平3-257073号は、アルミナ−ス
ピネル−マグネシア系で耐食性及び耐スポーリング性を
改善するためにマグネシア細粒を配合した流し込み施工
用不定形耐火物を提案している。具体的には、特開平3-
257073号の流し込み施工用不定形耐火物は、重量割合で
14〜85%のアルミナ、5〜50%のスピネル及び12〜36%
のマグネシアを主材とした耐火性骨材100 部と、適当量
の結合剤(アルミナセメント等)とからなり、かつ前記
耐火性骨材中のマグネシアの粒径が0.2 mm以下であ
る。しかしながら、この不定形耐火物はマグネシアの含
有量が多すぎるために耐スポーリング性が及び耐食性が
劣る。また上記の流し込み用不定形耐火物と同様に耐食
性を向上させれば耐スラグ浸透性が悪化し、逆に耐スラ
グ浸透性を向上させるためには耐食性を犠牲にする必要
があるという欠点がある。
【0009】以上の通り最近の精錬技術の進歩により耐
火物の使用条件はますます過酷となっており、耐食性、
耐スポーリング性、及び耐スラグ浸透性に一層優れた流
し込み用不定形耐火物が望まれている。
【0010】従って、本発明の目的は、高い耐食性を維
持しながら耐スラグ浸透性を向上した流し込み用不定形
耐火物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、耐食性に優れたスピネルを含有す
る耐火組成物に所望量のスラグ浸透防止材を配合するこ
とにより、優れた耐食性及び耐スラグ浸透性を有する流
し込み用不定形耐火物が得られることを発見し、本発明
を完成した。
【0012】すなわち、本発明の流し込み用不定形耐火
物は、32〜80重量部のスピネルと、10〜58重量部のアル
ミナと、10重量部超〜12重量部未満のマグネシアとから
なり、かつアルミナ/マグネシアの重量比が1〜5であ
る耐火組成物100 重量部に、所望量のスラグ浸透防止材
を配合してなることを特徴とする。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
流し込み用不定形耐火物は、耐火組成物とスラグ浸透防
止材を必須成分とする。 (1) 耐火組成物 耐火組成物はスピネルと、アルミナと、マグネシアとを
主成分とする。
【0014】(a) スピネル 上記のとおりスピネルは純粋にはMgO・Al2 3
化学組成を持ち、マグネシアとアルミナとの反応生成物
である。スピネルは融点が高く、耐スポーリング性に優
れ、またスラグに対する耐食性にも優れている。そのた
め耐火組成物100 重量部に対して32重量部以上のスピネ
ルを配合する。32重量部未満では耐食性が低くすぎる。
しかしながら耐食性を向上させるためにスピネル量を増
加させていくと、液状のスラグがスピネル粒子間を容易
に通過してしまい、スラグの浸透性が増大する。またス
ピネルの配合量が多すぎると、マグネシア量が不足して
マグネシアとアルミナの二次スピネル反応による膨張を
利用した充填性が十分に確保できない。従って、スピネ
ル量の上限は80重量部とする。このようにスピネルの配
合量は耐火組成物100 重量部当たり32〜80重量部であ
る。スピネルの好ましい配合量は34〜70重量部である。
【0015】(b) アルミナ アルミナの配合量は耐火組成物100 重量部当たり10〜58
重量部とする。アルミナが10重量部未満であると耐火物
の強度が低く、また58重量部を超えると耐火物の耐食性
が低下する。アルミナの好ましい配合量は20〜55重量部
である。
【0016】(c) マグネシア マグネシアはアルミナとの二次スピネル反応により膨張
し、不定形耐火物の使用初期における充填性を向上する
作用を有する。マグネシアの配合量は耐火組成物100 重
量部当たり10重量部超〜12重量部未満とする。スピネル
粒子間での二次スピネル生成量によって不定形耐火物の
ミクロな密着性及び充填性が大きく支配されるので、マ
グネシアは耐スラグ浸透性に影響を与える。そのためマ
グネシアの配合量を厳密に調整する必要がある。マグネ
シアの配合量が10重量部以下では、二次スピネルの生成
量が少なく充填性の確保が困難で、耐スラグ浸透性が低
い。また12重量部以上では異常膨張による亀裂の発生を
防止することができず、同様に耐スラグ浸透性が低い。
なおマグネシアの粒径範囲は4mm以下である。
【0017】(d) マグネシア及びアルミナの粒径 配合するアルミナ及びマグネシアの合計量100 重量部の
うち、粒径が0.3 mm以下のアルミナ及びマグネシアは
25〜45重量部とするのが好ましく、28〜40重量部とする
のがより好ましい。流し込み用不定形耐火物は施工後の
充填密度を確保するため初期に亀裂が発生しない程度で
相当量の膨張が必要であるとともに、耐スラグ浸透性を
確保するため稼動中にも常に若干の膨張力を維持するこ
とが望ましい。マグネシアとアルミナの一部を小粒径
(0.3 mm以下)のものとすることにより、小粒径のマ
グネシア及び/又はアルミナが初期の膨張に寄与し、大
粒径のマグネシア及び/又はアルミナが後期の連続的な
膨張に寄与する。
【0018】0.3 mm以下の粒径のマグネシアとアルミ
ナの配合量は、流し込み用不定形耐火物の使用箇所及び
施工部位によって適宜決定しなければならないが、マグ
ネシアとアルミナとの合計重量を100 重量部として25重
量部未満又は45重量部超の場合、不定形耐火物の溶損量
指数が悪化する。ここで溶損量指数とは、不定形耐火物
の浸食試験において最大の溶損量を示す不定形耐火物の
ものを100 %とし、各不定形耐火物の溶損量を相対値で
表したものである。0.3 mm以下の粒径のマグネシア及
びアルミナの割合が25重量部未満では膨張量不足による
充填密度の低下によって強度不足を生じ、また45重量部
を超えると膨張量過多による亀裂発生が生じるため、い
ずれも耐食性が低下する。
【0019】(e) アルミナ/マグネシアの重量比 アルミナ/マグネシアの重量比は1〜5とし、好ましく
は1.6 〜3.5 とする。マグネシアとアルミナの大部分は
二次スピネルの生成に関与するが、アルミナ/マグネシ
アの重量比が1未満ではアルミナ量が二次スピネル生成
に対して不足するため、得られる耐火物の強度が低下す
るだけでなく耐食性も低下する。またアルミナ/マグネ
シアの重量比が5を超えると、二次スピネル生成に対し
てアルミナ量が過大となり、耐食性が低下する。
【0020】(2) スラグ浸透防止材 流し込み用不定形耐火物に配合するスラグ浸透防止材
は、シリカ超微粉及び/又はチタニア超微粉である。こ
れらのスラグ浸透防止材は、化学的に安定なスピネルと
反応しやすく、スピネル粒子の表面でMgO−Al2
3 −SiO2 、MgO−Al2 3 −TiO2 又はMg
O−Al2 3 −SiO2 −TiO2 等のスピネルより
も若干融点の低い化合物を生成する。このためスピネル
粒子間の結合を促進して、粒子間隔を狭める効果があ
る。またスラグ中のCaO、FeO、Fe2 3 、Mn
O等と反応して低流動性のスラグを生成し、溶融スラグ
の浸透を防止する。
【0021】スラグ浸透防止材の配合量は、耐火組成物
100 重量部に対して外掛けで0.1 〜3.0 重量部、好まし
くは0.3 〜1.0 重量部とする。スラグ浸透防止材の配合
量が0.1 重量部未満ではスラグ浸透防止の効果が不十分
であり、また3.0 重量部を超えると耐食性が低下する。
またスピネル表面に均一に分散しやすいように、シリカ
及びチタニアの超微粉の粒径範囲10μm以下とするのが
好ましく、0.01〜5μmとするのがより好ましい。シリ
カ超微粉及びチタニア超微粉の粒径が10μmを超える
と、スラグ浸透防止材が耐火組成物に均一分散しにくく
なるため耐スラグ浸透性が低下する。
【0022】(3) 結合剤 本発明の流し込み用不定形耐火物は耐火組成物からなる
主材とスラグ浸透防止材を必須成分とするが、その他に
適当量の結合剤を添加するのが好ましい。結合剤として
は不定形耐火物の製造に使用されるものであればいずれ
も使用可能であるが、特にアルミナセメントが好まし
い。アルミナセメントの配合量は、耐火組成物100 重量
部当たり0.5 〜10重量部とするのが好ましく、1〜5重
量部とするのがより好ましい。
【0023】(4) その他の成分 以上の成分の他に、本発明の流し込み用不定形耐火物に
分散剤、可使時間及び硬化時間の調整剤、増粘剤、作業
性調整剤、スチールファイバー、爆裂防止材等を配合す
ることができる。分散剤としてはヘキサメタリン酸ソー
ダ等の縮合燐酸のアルカリ金属塩及び硅酸のアルカリ金
属塩、あるいはカルボン酸、フミン酸、アルキルスルフ
ォン酸、芳香族スルフォン酸などの有機酸及びそのアル
カリ金属塩等が挙げられる。分散剤の配合量は、耐火組
成物100 重量部当たり0.01〜2重量部とするのが好まし
い。
【0024】
【作用】不定形耐火物は多量のスピネルを含有すると良
好な耐スポーリング性及び耐食性を有するが、耐スラグ
浸透性が低下する傾向を示す。そこで所望量のスラグ浸
透防止材を含有することによりスラグ浸透防止性を著し
く向上することができる。本発明では、スピネル、アル
ミナ及びマグネシアの割合を特定の範囲内に調整すると
ともに、微粉状のシリカ及び/又はチタニアを配合する
ことにより、耐スポーリング性、耐食性及び耐スラグ浸
透性を兼ね備えた流し込み用不定形耐火物を得ることが
できる。
【0025】
【実施例】本発明を以下の具体的な実施例により更に詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0026】実施例1 アルミナ(粒径8mm〜0.3 mm超:18重量部、粒径0.3
mm以下:9重量部)と、マグネシア(粒径4mm〜0.3
mm超:7重量部、粒径0.3 mm以下:4重量部)と、スピ
ネル(粒径8mm以下)62重量部とを配合して耐火組成
物を調製した。得られた耐火組成物100 重量部に対し
て、シリカ超微粉(粒径範囲10μm以下、平均粒径0.3
μm)及び/又はチタニア超微粉(粒径範囲10μm以
下、平均粒径0.3 μm)を0.05〜4重量部の範囲の種々
の割合で配合した。さらに耐火組成物100 重量部に対し
て3重量部のアルミナセメントと、0.1 重量部の分散剤
(ヘキサメタ燐酸ソーダ)を配合し、流し込み用不定形
耐火物を調製した。得られた流し込み用不定形耐火物を
外割り5〜6重量部の水で混練し、所定の型枠に流し込
み、回転浸食試験片を作成した。
【0027】回転浸食試験は浸食材として転炉スラグを
用いた。溶融温度は1650℃として、5時間保持した。回
転浸食試験後、耐火物サンプルを採取して溶損量及びス
ラグ浸透量を測定した。測定された最大の溶損量を100
とし、それに対する各サンプルの溶損量の相対値を溶損
量指数(%)とした。同様に測定された最大のスラグ浸
透量を100 とし、それに対する各サンプルのスラグ浸透
量の相対値をスラグ浸透量指数(%)とした。結果をそ
れぞれ図1及び図2に示す。
【0028】図1から分かるように、スラグ浸透防止材
の配合量が3重量部を超えると、溶損量指数が急激に増
加する。また図2から分かるように、スラグ浸透防止材
の配合量が0.1 重量部未満であると、スラグ浸透量指数
は急激に増加する。これらの結果から、スラグ浸透防止
材の配合量は0.1 〜3重量部であるのが好ましいことが
分かる。
【0029】実施例2 アルミナ(粒径8mm〜0.3 mm超/粒径0.3 mm以下の重
量比=2:1)とスピネル(粒径8mm以下)とを、
1:2.3 の重量比で配合し、さらにマグネシア(粒径4
mm〜0.3 mm超/粒径0.3 mm以下の重量比=1.75:1)
の添加量を、9.75〜12.75 重量部(耐火組成物100 重量
部当たり)の範囲内で変化させた。得られた耐火組成物
100 重量部に対して、シリカ超微粉(粒径範囲10μm以
下、平均粒径0.3 μm)1重量部及びチタニア超微粉
(粒径範囲10μm以下、平均粒径0.3μm)1重量部を
配合し、さらに3重量部のアルミナセメントと、0.1 重
量部の分散剤(ヘキサメタ燐酸ソーダ)を配合し、流し
込み用不定形耐火物を調製した。
【0030】得られた各不定形耐火物について、実施例
1と同様にしてスラグ浸透量を測定し、スラグ浸透量指
数(%)を求めた。マグネシアの配合量(重量部)とス
ラグ浸透量指数(%)との関係を図3に示す。
【0031】図3から明らかなように、マグネシア配合
量はスラグ浸透性に対して大きな影響力を有する。マグ
ネシアが10重量部以下(耐火組成物100 重量部に対す
る)では二次スピネルの生成量が少なく、流し込み用不
定形耐火物の充填性の確保が困難で、耐スラグ浸透性が
低い。一方マグネシアが12重量部以上では異常膨張によ
る亀裂の発生を防止することができず、やはり耐スラグ
浸透性が低い。そのためスラグ浸透量が急増したものと
考えられる。この結果から、マグネシアの配合量は耐火
組成物100 重量部当たり10重量部超〜12重量部未満とす
る必要がある。
【0032】実施例3 アルミナ(粒径8mm〜0.3 mm超/粒径0.3 mm以下の重
量比=2:1)とマグネシア(粒径4mm〜0.3 mm超/
粒径0.3 mm以下の重量比=1.75:1)との合計量を11重
量部としたまま、アルミナ/マグネシアの重量比を0.8
〜5.5 の範囲で変化させた。さらにアルミナ、マグネシ
ア、スピネルの合計が100重量部になるようにスピネ
ル(粒径8mm以下)を配合した。得られた耐火組成物
100 重量部に対して、シリカ超微粉(粒径範囲10μm以
下、平均粒径0.3 μm)1重量部及びチタニア超微粉
(粒径範囲10μm以下、平均粒径0.3 μm)1重量部を
配合し、さらに3重量部のアルミナセメントと、0.1 重
量部の分散剤(ヘキサメタ燐酸ソーダ)を配合し、流し
込み用不定形耐火物を調製した。
【0033】得られた各不定形耐火物について、実施例
1と同様にして溶損量を測定し、溶損量指数(%)を求
めた。アルミナ/マグネシアの重量比と溶損量指数
(%)との関係を図4に示す。
【0034】図4から明らかなように、アルミナ/マグ
ネシアの重量比が1未満では、アルミナ量が二次スピネ
ル生成に対して不足するため、得られた不定形耐火物は
低い強度及び耐食性を有する。一方、アルミナ/マグネ
シアの重量比が5を超えると二次スピネル生成に対して
アルミナ量が過大となり、耐食性が低下する。この結果
から、アルミナ/マグネシアの重量比は1〜5とする必
要がある。
【0035】実施例4 アルミナ(粒径8mm以下):27重量部、マグネシア
(粒径4mm以下):11重量部及びスピネル(粒径8m
m以下)62重量部とを配合して耐火組成物を調製した。
ここでアルミナ及びマグネシアのうち粒径0.3 mm以下
の割合を20〜50重量%の範囲で変化させた。
【0036】得られた各耐火組成物100 重量部に対し
て、シリカ超微粉(粒径範囲10μm以下、平均粒径0.3
μm)1重量部及びチタニア超微粉(粒径範囲10μm以
下、平均粒径0.3 μm)1重量部を配合し、さらに3重
量部のアルミナセメントと、0.1 重量部の分散剤(ヘキ
サメタ燐酸ソーダ)を配合して、流し込み用不定形耐火
物を調製した。
【0037】得られた各不定形耐火物について、実施例
1と同様にして溶損量を測定し、溶損量指数(%)を求
めた。粒径0.3 mm以下のアルミナ及びマグネシアの合
計含有率(重量%)と溶損量指数(%)との関係を図5
に示す。
【0038】図5に示すように、粒径0.3 mm以下のア
ルミナとマグネシアの合計重量がマグネシアとアルミナ
の総量の25重量部未満又は45重量部超であると、溶損量
指数が著しく高かった。これは、0.3 mm以下のアルミ
ナ及びマグネシアの割合が25重量部未満では膨張量不足
により充填密度が低下し、また45重量部を超えると膨張
量過多により亀裂発生が生じるためであると考えられ
る。
【0039】実施例5〜10 以下の表1に示す組成及び配合割合で流し込み用不定形
耐火物を調製した。実施例1と同じ回転浸食試験により
溶損量指数(%)及びスラグ浸透量指数(%)を求め
た。また各耐火物について亀裂発生状況を目視により調
べた。結果を表3に示す。
【0040】 表1 組成及び配合割合(重量割合) 実施例 10 耐火組成物 アルミナ 粒径0.3 mm超(1) 14 14 14 17 24 40 粒径0.3 mm以下 8 8 8 5 8 14 マグネシア 粒径0.3 mm超(2) 7 7 7 6 6.5 6 粒径0.3 mm以下 4 4 4 5 4 5 スピネル(3) 67 67 67 67 57.5 35 合計 100 100 100 100 100 100 スラグ浸透防止材 (4) シリカ超微粉(5) 2 0 1 1 1 1 チタニア超微粉(5) 0 2 1 1 1 1 結合剤 (4) アルミナセメント 3 3 3 3 3 3 分散剤 (4) ヘキサメタ燐酸ソーダ 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 注:(1) 粒径8mm以下〜0.3 mm超。 (2) 粒径4mm以下〜0.3 mm超。 (3) 粒径8mm以下。 (4) 耐火組成物100 重量部に対する配合量(重量部)。 (5) 粒径範囲10μm以下、平均粒径0.3 μm。
【0041】比較例1〜7 以下の表2に示す組成及び配合割合で流し込み用不定形
耐火物を調製した。実施例1と同様にして溶損量指数
(%)、スラグ浸透量指数(%)及び亀裂発生状況を調
べた。結果を表3に示す。 表2 組成及び配合割合(重量割合) 比較例 耐火組成物 アルミナ 粒径1mm超(1) 40 35 30 38 15 35 35 粒径0.3 mm超(2) 15 10 10 10 11 10 10 粒径0.3 mm以下 25 25 10 10 4 25 25 マグネシア 粒径1mm超(3) 5 5 5 10 0 0 0 粒径0.3 mm超(4) 10 15 10 8 14 0 0 粒径0.3 mm以下 5 0 5 4 6 5 5 スピネル(5) 0 10 30 20 50 25 25 合計 100 100 100 100 100 100 100 スラグ浸透防止材 (6) シリカ超微粉(7) 1 1 1 1 0 4 0 チタニア超微粉(7) 0 0 0 0 0 0 4 結合剤 (6) アルミナセメント 3 3 3 3 3 3 3 分散剤 (8) 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 注:(1) 粒径8mm以下〜1mm超。 (2) 粒径1mm以下〜0.3 mm超。 (3) 粒径4mm以下〜1mm超。 (4) 粒径1mm以下〜0.3 mm超。 (5) 粒径8mm以下。 (6) 耐火組成物100 重量部に対する配合量(重量部)。 (7) 粒径範囲10μm以下、平均粒径0.3 μm。 (8) ヘキサメタ燐酸ソーダの重量部(耐火組成物100 重量部に対する)。
【0042】 表3 例No. 溶損量指数(%) スラグ浸透量指数(%) 亀裂発生状況(1) 実施例5 27 21 ○ 実施例6 25 24 ○ 実施例7 27 18 ○ 実施例8 25 18 ○ 実施例9 30 16 ○ 実施例10 32 16 ○ 比較例1 90 21 △ 比較例2 65 26 △ 比較例3 60 42 × 比較例4 68 39 × 比較例5 48 100 × 比較例6 100 21 △ 比較例7 85 37 △ 注:(1) ○:亀裂発生がないかあっても僅少。 △:亀裂がやや多い。 △:亀裂が多い。
【0043】表3から明らかのように、本発明の不定形
耐火物は従来のアルミナ−マグネシア−スピネル系不定
形耐火物に比べてスラグに対する耐食性及び耐浸透性の
両面で数段優れている。
【0044】
【発明の効果】本発明の流し込み不定形耐火物は多量の
スピネルと所望量のアルミナ及びマグネシアを含有し、
さらに特定のスラグ浸透防止材を含有しているので、従
来のアルミナ−マグネシア−スピネル系不定形耐火物に
比べてスラグに対する耐食性及び耐浸透性の両方とも数
段優れている。そのため高級鋼の製造用に操業条件が厳
しくなった取鍋、樋、タンディッシュ、ノズル及び二次
精錬用容器等の耐火物として、耐用性に優れた施工体を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の不定形耐火物において、スラグ浸透
防止材の添加量と溶損量指数との関係を示すグラフであ
る。
【図2】実施例1の不定形耐火物において、スラグ浸透
防止材の添加量とスラグ浸透量指数との関係を示すグラ
フである。
【図3】実施例2の不定形耐火物において、マグネシア
の配合割合とスラグ浸透量指数との関係を示すグラフで
ある。
【図4】実施例3の不定形耐火物において、アルミナ/
マグネシアの重量比と溶損量指数との関係を示すグラフ
である。
【図5】実施例4の不定形耐火物において、粒径0.3 m
m以下のアルミナとマグネシアの合計含有率と溶損量指
数との関係を示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 32〜80重量部のスピネルと、10〜58重量
    部のアルミナと、10重量部超〜12重量部未満のマグネシ
    アを主成分とし、アルミナ/マグネシアの重量比が1〜
    5である耐火組成物100 重量部に、適当量のスラグ浸透
    防止材を配合してなることを特徴とする流し込み用不定
    形耐火物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の流し込み用不定形耐火
    物において、前記スラグ浸透防止材がシリカ超微粉及び
    /又はチタニア超微粉であり、前記耐火組成物100 重量
    部に対して0.1 〜3.0 重量部の割合で配合されているこ
    とを特徴とする流し込み用不定形耐火物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の流し込み用不定
    形耐火物において、前記スラグ浸透防止材の粒径範囲が
    10μm以下であることを特徴とする流し込み用不定形耐
    火物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の流し込
    み用不定形耐火物において、粒径0.3 mm以下のアルミ
    ナ及びマグネシアの合計量がアルミナ及びマグネシアの
    総量100 重量部に対して25〜45重量部であることを特徴
    とする流し込み用不定形耐火物。
JP7094610A 1995-03-28 1995-03-28 流し込み用不定形耐火物 Pending JPH08268768A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100332903B1 (ko) * 1997-10-06 2002-06-20 신현준 유도로용 건식 충진 내화물

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100332903B1 (ko) * 1997-10-06 2002-06-20 신현준 유도로용 건식 충진 내화물

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