JPH08268387A - 船外推進機のパワー・トリム・チルト装置 - Google Patents
船外推進機のパワー・トリム・チルト装置Info
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Abstract
ピストンが移動することにより生じる誤動作を防止す
る。 【構成】 その両端で船体側と船外推進機側を連結する
油圧シリンダ11が、シリンダ本体16内にトリムピス
トン17が摺動自在に挿入され、トリムピストン内にチ
ルトピストン23が摺動自在に挿入され、チルトピスト
ンのロッド24がトリムピストンとシリンダ本体の一端
を貫通して外方に突出されていて、トリム操作時にはシ
リンダ本体内でチルトピストンとトリムピストンを一体
的に移動させ、チルト操作時にはシリンダ本体のロッド
突出側端部の側に位置したトリムピストン内でチルトピ
ストンを移動させるように構成されていて、トリム操作
時にはチルトピストンとトリムピストンを連動させ且つ
チルト操作時にはトリムピストンをシリンダ本体にロッ
クする手段を設ける。
Description
される船外機や船内外機の船外部のような船外に設置さ
れる推進機のトリム・チルト装置に関し、特に、油圧シ
リンダによりトリム領域とチルト領域に渡ってそれぞれ
異なった作動状態で船外推進機を上下方向に回動させる
ようにした油圧式のパワー・トリム・チルト装置に関す
る。
型船舶に搭載される船内外機の船外ユニットのような、
船体の船尾に取付けられる船外推進機では、航走中に推
力角度を調整して航走効率を高めるために、水平なチル
ト軸回りに推進機の傾斜角を上下方向に調整するという
操作(トリム操作)が行われると共に、船体を水上から
陸揚げしたり、船体を陸上から進水させたりするとき
に、推進機をチルト軸回りに大きく上下方向に回動させ
るという操作(チルト操作)が行われる。
を船体に対してチルト軸回りに回動させるパワー・トリ
ム・チルト装置が船体と船外推進機の間に設けられてお
り、そのような油圧式のパワー・トリム・チルト装置と
して、トリム操作用のシリンダとチルト操作用のシリン
ダが別々に設けられているもの以外に、一つのシリンダ
本体内にトリムピストンとチルトピストンを一体化して
組み込んだ二重シリンダ構造の油圧シリンダを使用した
ものが従来から一般的に知られている。
ンを摺動自在に挿入し、トリムピストン内にチルトピス
トンを摺動自在に挿入し、チルトピストンのロッドをト
リムピストンとシリンダ本体の上壁を貫通して外方に突
出させて、シリンダ本体とトリムピストンを同軸上に二
重シリンダ構造として配設すると共に、船体側にシリン
ダ本体を連結し、船外機側にチルトピストンのロッドの
突出端を連結して、トリム操作時には、シリンダ本体内
でチルトピストンとトリムピストンを一体的に移動さ
せ、チルト操作時には、シリンダ本体の上端部(ロッド
突出側端部)の側に位置するトリムピストン内でチルト
ピストンだけを移動させるようにしたものである。(例
えば、特開昭59−190089号公報,特公昭61−
45599号公報,特開平6−64588号公報など参
照)
な従来の船外推進機のパワー・トリム・チルト装置で
は、シリンダ本体のロッド突出側端部に位置したトリム
ピストン内でチルトピストンを移動させるチルト領域で
のチルトダウン操作時に、チルトピストンと共にトリム
ピストンが移動してしまうことがあり、その結果トリム
とチルトの動作が逆転するような誤動作を生じるという
問題がある。
トリム動作を起こすのを確実に防止して上記のような問
題を解消するために、図9(A)〜(E)に示すよう
な、その両端で船体側と船外推進機側を連結する油圧シ
リンダ11を、シリンダ本体19内にトリムピストン1
7を摺動自在に挿入し、トリムピストン17内にチルト
ピストン23を摺動自在に挿入し、チルトピストン23
のロッド24をトリムピストン17とシリンダ本体16
の一端を貫通して外方に突出させて、トリム操作時には
シリンダ本体16内でチルトピストン23とトリムピス
トン17を一体的に移動させ、チルト操作時にはシリン
ダ本体16のロッド突出側端部の側に位置したトリムピ
ストン17内でチルトピストン23を移動させるように
すると共に、チルト操作時にトリムピストン17をシリ
ンダ本体16のロッド突出側端部の側にロックするロッ
ク手段38,39,43を設けるように構成した船外推
進機のパワー・トリム・チルト装置というものが、本出
願人により先行技術として既に提案されている。
ルト装置によれば、チルトダウン操作時にトリムピスト
ン17が移動してしまうことによる誤動作を防止するこ
とはできるが、トリム操作時にチルトピストン23とト
リムピストン17を一体的に移動させるために、トリム
ピストン17のロッド突出側端部の端壁に、切換えバル
ブによりトリム操作時には閉じチルト操作時には開く通
路30を設けることが必要となってくる。
雑なものになると共に、通路30の切換えバルブの開閉
動作の調子が悪くなるとトリム・チルト動作が確実に行
われなくなるという問題が生じる。
進機のパワー・トリム・チルト装置の持つ不都合を解消
することを目的としており、より具体的には、トリムピ
ストンの端壁に切換えバルブを有する通路を設けること
なくトリム・チルト動作の切換えを行うことができると
共に、チルト操作時にトリムピストンが移動することに
より生じる誤動作を確実に防止することができる船外推
進機のパワー・トリム・チルト装置を提供することを目
的としている。
解決しかつ目的を達成するために、上記の請求項1に記
載したように、その両端で船体側と船外推進機側を連結
する油圧シリンダが、シリンダ本体内にトリムピストン
が摺動自在に挿入され、トリムピストン内にチルトピス
トンが摺動自在に挿入され、チルトピストンのロッドが
トリムピストンとシリンダ本体の一端を貫通して外方に
突出されていて、トリム操作時にはシリンダ本体内でチ
ルトピストンとトリムピストンを一体的に移動させ、チ
ルト操作時にはシリンダ本体のロッド突出側端部に位置
したトリムピストン内でチルトピストンを移動させるよ
うに構成されている船外推進機のパワー・トリム・チル
ト装置において、トリムピストンのロッド突出側端部が
開放されていると共に、トリム操作時にはチルトピスト
ンとトリムピストンを連動させ且つチルト操作時にはト
リムピストンをシリンダ本体にロックするロック手段が
設けられていることを特徴とするものである。
その両端で船体側と船外推進機側を連結する油圧シリン
ダが、シリンダ本体内にトリムピストンが摺動自在に挿
入され、トリムピストン内にチルトピストンが摺動自在
に挿入され、チルトピストンのロッドがトリムピストン
とシリンダ本体の一端を貫通して外方に突出されてい
て、トリム操作時にはシリンダ本体内でチルトピストン
とトリムピストンを一体的に移動させ、チルト操作時に
はシリンダ本体のロッド突出側端部に位置したトリムピ
ストン内でチルトピストンを移動させるように構成され
ている船外推進機のパワー・トリム・チルト装置におい
て、トリムピストンとシリンダ本体のロッド突出側端部
のそれぞれの端壁に、油圧シリンダ外の作動油供給路と
トリムピストン内とを連通する作動油の通路が形成さ
れ、それぞれの端壁の対向する各面の少なくとも一方
に、該通路の周りを囲むシール部が形成されていると共
に、トリム操作時にチルトピストンとトリムピストンを
連動させるロック手段が設けられていることを特徴とす
るものである
リム操作時には、ロック手段によってチルトピストンと
トリムピストンが連動させられるため、シリンダ本体内
でチルトピストンとトリムピストンが一体的に移動して
トリム動作が確実に行われると共に、チルト操作時に
は、ロック手段によってトリムピストンがシリンダ本体
にロックされるため、チルトピストンの移動に連れてト
リムピストンが移動するようなことはない。
れば、トリム操作時には、ロック手段によってチルトピ
ストンとトリムピストンが連動させられるため、シリン
ダ本体内でチルトピストンとトリムピストンが一体的に
移動してトリム動作が確実に行われると共に、チルト操
作時には、チルトダウンのために供給される作動油が油
圧シリンダの外部から直接トリムピストン内に入るた
め、該作動油の圧力はトリムピストン17に対してチル
トピストン23を移動させる力としてのみ働いて、トリ
ムピストン17をシリンダ本体16に対して移動させる
力として働くことはなく、トリムピストン自体が移動す
るようなことはない。
・チルト装置の各実施例について図面に基づいて説明す
る。
装置が適用される船外推進機の一例の概略を示すもの
で、船外推進機1は、トップカウル2とアッパーケース
3とロアーケース4によりそのハウジングが形成され、
トップカウル2内にエンジン(図示せず)が収納され、
ロアーケース4にエンジンによって回転駆動されるスク
リュー5が軸支されている船外機である。
板6には、クランプブラケット7が着脱可能に固定され
ており、このクランプブラケット7には、水平方向のチ
ルト軸9によって、スイベルブラケット8がその上部で
上下方向に回動可能に枢着されている。
て、スイベルブラケット8に水平方向で回動自在に枢着
されていて、船体側に固定されたクランプブラケット7
と船外機側に設置されたスイベルブラケット8の間に
は、油圧シリンダ11を有する油圧式のパワー・トリム
・チルト装置10が介設されている。
リンダ11は、その上端がスイベルブラケット8に,下
端がクランプブラケット7にそれぞれ上下方向で回動可
能に枢着されていて、油圧シリンダ11の伸縮に応じ
て、スイベルブラケット8と共に船外機1が、水平のチ
ルト軸9を中心軸として、船体の後尾板6に対して上下
方向に回動することとなる。
置10の全体を示すもので、油圧シリンダ11は、その
上端となるピストンロッド24の上端部24aが、スイ
ベルブラケット8の枢軸8aに上下方向で回動可能に枢
着され、その下端となるシリンダ本体16の下端部16
aが、クランプブラケットの枢軸7aに上下方向で回動
可能に枢着されていて、シリンダ本体16に対してピス
トンロッド24が上下方向に伸縮するものである。
0では、油圧シリンダ11の側方に、油圧シリンダ11
に作動油を送給するためのモーター13およびオイルポ
ンプ14と、作動油を一時的に貯留するリザーバータン
ク15が、油圧シリンダ11と並列的に、上下方向に接
続して配置されている。
装置の一実施例について、その油圧シリンダ11の構造
を上下に分割して示すもので、有底円筒状のシリンダ本
体16内には、両端部が開放された円筒状のトリムピス
トン17が軸方向に摺動自在に挿入されており、シリン
ダ本体16の上端開口には、該開口を閉塞するように蓋
部材19が嵌挿固着されている。
に外方に突出してシリンダ本体16の内周面に摺接して
おり、その外周面には、両シリンダ16,17間をシー
ルするためのOリング34が挿着されている。
部の内側に、トリムピストン17の下端開口縁に嵌挿さ
れたストッパーリング22により下方への抜けが防止さ
れた状態で、環状の押圧プレート39が挿入配置されて
おり、トリムピストン17内の押圧プレート39上方に
は、フリーピストン21が軸方向に摺動自在に挿入され
ていて、フリーピストン21は、押圧プレート39によ
って下方への移動が規制されている。
1より上方には、チルトピストン23が軸方向に摺動自
在に挿入されており、チルトピストン23には、ピスト
ンロッド24の一端がボルト25により締めつけ固定さ
れていて、ピストンロッド24の他端は、トリムピスト
ン17の上方開放端を通り、シリンダ本体16の蓋部材
19を貫通して、シリンダ本体16の外方に突出してい
る。
トン21およびチルトピストン23によって、上室11
aと下室11bに画成されており、チルトピストン23
には、上室11aと下室11bを連通する通路26,2
7が形成されていて、この通路26,27にはそれぞれ
逆止弁28,29が配設されている。
にあるフリーピストン21の外周側方に、複数のロック
孔37が径方向に貫通形成されており、各ロック孔37
にはロックボール38が進退自在に保持されている。
には、トリムピストン17がロッド突出側端部近傍に達
したときのロック孔37に対応する位置に、ロックボー
ル38の一部が嵌入可能な係合溝43が凹設されてい
る。
は、ロックボール38の一部が嵌入可能な嵌合凹部40
が形成されており、押圧プレート39の外周上縁は、ロ
ックボール38を押圧する傾斜面に形成されていて、押
圧プレート39の下面には、押圧プレート39を上方に
付勢するためのスプリング41が配設されている。
38,押圧プレート39,嵌合凹部40,係合溝43な
どによって、トリム操作時にはチルトピストン23とト
リムピストン17を連動させ且つチルト操作時にはトリ
ムピストン17をシリンダ本体16にロックするロック
手段が形成されることとなる。
6の軸方向中央部でオイルポンプ14に臨む部分には、
作動油の接続口が2つ形成されており、この各接続口と
オイルポンプ14の作動油送出口とが接続されていて、
一方の接続口はシリンダ本体16に形成された油圧通路
(図示せず)を通って上室11aに連通されており、他
方の接続口はシリンダ本体16とトリムピストン17と
の間に形成された油圧通路を通って下室11bに連通さ
れている。
1は、オイルポンプ14からの上室11aあるいは下室
11bの何れかへの作動油の供給によって、図4(A)
〜(E)に示すような状態に動作し、それによって、図
1に示すようなトリム領域Aとチルト領域Bで、船外機
1の揺動角度を制御するものである。
船外機1のトリム調整を行うために操作ボタン(図示せ
ず)を押すと、モーター13によりオイルポンプ14が
駆動されて、(A)の状態にあるシリンダ本体16の下
室11b内に作動油が供給される。
トン17はロックボール38によってロックされている
ことから、下室11b内に供給された作動油の圧力によ
り、(B)のようにフリーピストン21およびチルトピ
ストン23と共にトリムピストン17が一体となって上
方に移動し、(C)の位置にまで伸長が可能となって、
船外機1は、この伸長に伴ってトリム領域Aの範囲で揺
動して、トリム角の調整が行われる。
上端部(ロッド突出側端部)に当接した(C)の状態に
なると、図5に示すように、ロックボール38がシリン
ダ本体16の係合溝43内に移動可能となって、フリー
ピストン21とトリムピストン17のロックが解除され
る。
クリュウー5の停止状態、もしくは低速運転状態で操作
ボタンを押し続けると、トリムピストン17が上端部に
達した(C)の状態から更に作動油が下室11b内に供
給されて、(D)のようにトリムピストン17内でフリ
ーピストン21と共にチルトピストン23が更に上方に
移動し、チルトピストン23は(E)の位置にまで更に
伸長可能となって、船外機1は、トリム領域Aからチル
ト領域Bに移行した後、更にチルト領域Bの範囲で揺動
して、水面から上方に上昇する。
ボタンを押し続けて作動油を下室11b内に供給して
も、作動油が下室11b側からチルトピストン23に作
用する力よりもスクリュウー5の推力の方が大きいこと
から、船外機1がトリム領域Aからチルト領域Bに移行
することはない。
て、(D)のようにチルトピストン23と共にフリーピ
ストン21がトリムピストン17内で上昇すると、図6
に示すように、押圧プレート39がスプリング41の付
勢力により上方に移動して、ロックボール38が押圧プ
レート39によってシリンダ本体16の係合溝43内に
押し込まれ、これによってトリムピストン17は、
(D)の状態でシリンダ本体16に対してロックされ
る。
によってチルト領域Bの範囲で船外機を上下に揺動させ
るときに、トリムピストン17がシリンダ本体16内で
移動してトリム動作を起こすようなことはない。
の状態で、チルトダウンを行うために操作ボタン(図示
せず)を押すと、オイルポンプ14から供給される作動
油がシリンダ本体16の上室11a内に供給され、作動
油の圧力によりチルトピストン23が上方から押圧され
るため、(D)のようにロックされているトリムピスト
ン17内でチルトピストン23だけが下降して、油圧シ
リンダ11が(C)の状態に戻ることにより、船外機1
はチルトダウンして水中に降りる。
降するフリーピストン21の下端部が押圧プレート39
を押し下げ、ロックボール38が係合溝43からシリン
ダ内方に移動可能となって、シリンダ本体16とトリム
ピストン17のロックが自動的に解除され、ロックボー
ル38はフリーピストン21の嵌合凹部40と嵌合可能
な状態となる。
6の上室11a内に供給されると、フリーピストン21
とトリムピストン17がロックボール38によってロッ
クされた状態となって、チルトピストン23の下降に伴
ってフリーピストン21とトリムピストン17が共に下
降し、(B)のようにチルトピストン23とトリムピス
トン17が一体的に移動するトリム動作が可能な状態と
なる。
・トリム・チルト装置によれば、船外機1をチルトダウ
ンさせた状態では、ロック手段によりフリーピストン2
1とトリムピストン17がロックされて、チルトピスト
ン23とトリムピストン17がフリーピストン21を介
して連動することとなるため、トリム操作を確実に行う
ことができる。
態では、ロック手段によってシリンダ本体16とトリム
ピストン17の間がロックされることにより、チルト操
作中にトリムピストン17が移動して誤動作を起こすと
いうようなことを防止できると共に、再びチルトダウン
したときには、ロック手段によるシリンダ本体16とト
リムピストン17の間のロックが自動的に解除されると
共に、該ロック手段によりフリーピストン21とトリム
ピストン17がロックされるため、トリム操作を行うこ
とが可能となる。
が、本発明のパワー・トリム・チルト装置は、船外機だ
けでなく船内外機の船外ユニットに対しても適用可能で
あり、油圧シリンダに対するモーター,オイルポンプ,
リザーバータンク等の配置については図示したような具
体的な配置構造に特に限定されるものではない。
は、上記の実施例に示したような構造の油圧シリンダだ
けでなく、以下に説明するような異なった構造の油圧シ
リンダによっても実施可能なものである。
ム・チルト装置の他の実施例について、その油圧シリン
ダ11の構造を上下に分割して示すもので、有底円筒状
のシリンダ本体16内には、円筒状のトリムピストン1
7が軸方向に摺動自在に挿入されており、シリンダ本体
16の上端開口には蓋部材19が、トリムピストン17
の上端開口には蓋部材20が、それぞれ該開口を閉塞す
るように嵌挿固着されていて、シリンダ本体16内は、
蓋部材20を有するトリムピストン17によって、上室
11aと下室11bに画成されている。
に外方に突出してシリンダ本体16の内周面に摺接して
おり、その外周面には、両シリンダ16,17間をシー
ルするためのOリング34が挿着されている。
シリンダ11の外部の作動油供給路(図示せず)と上室
11aとを連通する通路31が形成されており、トリム
ピストン17の蓋部材20には、通路31に対応する部
分に、上室11aとトリムピストン17内とを連通する
通路33が形成されていて、トリムピストン17の蓋部
材20上面には、通路33の周囲を囲むように、環状の
シール部材32が設けられている。
33とは、蓋部材19の下面と蓋部材20の上面が最も
接近した状態のときに、外部の作動油供給路(図示せ
ず)とトリムピストン17内とを連通する作動油の通路
を形成するもので、シール部材32は、その状態での作
動油の通路を上室11a(接近した蓋部材19の下面と
蓋部材20の上面の隙間)から完全に遮断するためのも
のである。
ではトリムピストン17の蓋部材20の上面に設けてい
るが、シリンダ本体16の蓋部材19の下面に設けても
差し支えないものである。
ン21が軸方向に摺動自在に挿入されており、フリーピ
ストン21は、トリムピストン17の下部内壁に嵌挿さ
れたストッパーリング22によって下方への移動が規制
されている。
1より上方には、チルトピストン23が軸方向に摺動自
在に挿入されており、チルトピストン23には、ピスト
ンロッド24の一端がボルト25により締めつけ固定さ
れていて、ピストンロッド24の他端は、トリムピスト
ン17とシリンダ本体16の各蓋部材19,20を貫通
して、シリンダ本体16の外方に突出している。
にあるチルトピストン23の外周側方に、複数のロック
孔37が径方向に貫通形成されており、各ロック孔37
にはロックボール38が内側に脱落しない状態で進退自
在に保持されている。
には、トリムピストン17がロッド突出側端部近傍に達
したときのロック孔37に対応する位置に、ロックボー
ル38の一部が嵌入可能な係合溝43が凹設されてい
る。
bとトリムピストン17内とを連通する通路26,27
が形成され、この通路26,27にそれぞれ逆止弁2
8,29が配設されていると共に、チルトピストン23
の外周側面に、ロックボール38の一部が嵌入可能な嵌
合凹部44が形成されている。
38,嵌合凹部44,係合溝43によって、トリム操作
時にだけチルトピストン23とトリムピストン17をロ
ックするロック手段が形成されることとなる。
に作動油を供給するオイルポンプの2つの作動油送出口
のうちの一方は、作動油供給路を介してシリンダ本体1
6の蓋部材19の通路30に接続されていると共に、オ
イルポンプの他方の送出口は、適宜の構造によってシリ
ンダ本体16の下室11bに連通されているものであ
る。
1は、オイルポンプ14からの作動油の供給によって、
図8(A)〜(E)に示すような状態に動作し、それに
よって、図1に示すようなトリム領域Aとチルト領域B
で、船外機1の揺動角度を制御するものである。
船外機1のトリム調整を行うために操作ボタン(図示せ
ず)を押すと、モーター13によりオイルポンプ14が
駆動されて、(A)の状態にあるシリンダ本体16の下
室11b内に作動油が供給される。
トン17はロックボール38によってロックされている
ことから、下室11b内に供給された作動油の圧力によ
り、(B)のようにフリーピストン21およびチルトピ
ストン23と共にトリムピストン17が一体となって上
方に移動し、(C)の位置にまで伸長が可能となって、
船外機1は、この伸長に伴ってトリム領域Aの範囲で揺
動して、トリム角の調整が行われる。
上端部(ロッド突出側端部)に当接した(C)の状態に
なると、ロックボール38がシリンダ本体16の係合溝
43内に移動可能となって、チルトピストン23とトリ
ムピストン17のロックが解除される。
クリュウー5の停止状態、もしくは低速運転状態で操作
ボタンを押し続けると、トリムピストン17が上端部に
達した(C)の状態から更に作動油が下室11b内に供
給されて、(D)のようにトリムピストン17内でフリ
ーピストン21と共にチルトピストン23が更に上方に
移動し、チルトピストン23は(E)の位置にまで更に
伸長可能となって、船外機1は、トリム領域Aからチル
ト領域Bに移行した後、更にチルト領域Bの範囲で揺動
して、水面から上方に上昇する。
ボタンを押し続けて作動油を下室11b内に供給して
も、作動油が下室11b側からチルトピストン23に作
用する力よりもスクリュウー5の推力の方が大きいこと
から、船外機1がトリム領域Aからチルト領域Bに移行
することはない。
の状態で、チルトダウンを行うために操作ボタン(図示
せず)を押すと、オイルポンプ14から供給される作動
油がシリンダ本体16の外部から通路30,31を通っ
てトリムピストン17内に供給され、(D)のようにチ
ルトピストン23がトリムピストン17内で下方に移動
して、油圧シリンダ11が(C)の状態に戻り、船外機
1はチルトダウンして水中に降りる。
る作動油の通路は、シール部材32によって上室11a
と完全に遮断されているため、トリムピストン17内に
供給される作動油が上室11a内に入り込んでトリムピ
ストン17をシリンダ本体16に対して移動させるとい
うようなことは起こらない。
ストン23が下方に移動できなくなった(C)の状態
で、更に通路30から作動油が供給されると、供給され
た作動油はトリムピストン17内に入れず、シリンダ本
体16に対してトリムピストン17を下方に移動させる
力として働き、再びロックボール38をチルトピストン
23の嵌合凹部44に嵌合させた状態で、(B)のよう
にチルトピストン23とトリムピストン17が一体的に
移動してトリム動作が可能な状態となる。
・トリム・チルト装置によれば、船外機1をチルトダウ
ンさせた状態では、ロック手段によりチルトピストン2
3とトリムピストン17がロックされた状態で一体的に
連動するため、トリム操作を確実に行うことができる。
態では、チルトピストン23とトリムピストン17がロ
ック手段が解除されると共に、チルトダウン操作によっ
て供給される作動油がシール部材32によって上室11
aと完全に遮断された状態で直接トリムピストン17内
に供給されるため、該作動油の圧力は、トリムピストン
17に対してチルトピストン23を移動させる力として
のみ働いて、トリムピストン17をシリンダ本体16に
対して移動させる力として働くことはなく、チルト操作
中にトリムピストン17が移動して誤動作を起こすとい
うようなことを防止できる。
のトリム・チルト装置によれば、トリムピストンの端壁
に切換えバルブを有する通路を設けるようなことなく、
簡単な構造でトリム・チルト動作の切換えを行うことが
できると共に、チルト操作時にトリムピストンが移動す
ることにより生じる誤操作を確実に防止することができ
る。
れている船外推進機(船外機)の概略を示す説明図。
例を示す正面図。
ンダを上下に分割した状態で示す断面図。
時,(B)トリム終了・チルト開始時,(C)チルト終
了時のそれぞれの状態を示す説明図。
ムピストンの切換えバルブ付近を示す一部拡大断面図。
ムピストンのロック手段を示す一部拡大断面図。
施例に使用されている油圧シリンダを上下に分割した状
態で示す断面図。
時,(B)トリム終了・チルト開始時,(C)チルト終
了時のそれぞれの状態を示す説明図。
ている油圧シリンダの(A)トリム開始時,(B)トリ
ム終了・チルト開始時,(C)チルト終了時のそれぞれ
の状態を示す説明図。
Claims (2)
- 【請求項1】 その両端で船体側と船外推進機側を連結
する油圧シリンダが、シリンダ本体内にトリムピストン
が摺動自在に挿入され、トリムピストン内にチルトピス
トンが摺動自在に挿入され、チルトピストンのロッドが
トリムピストンとシリンダ本体の一端を貫通して外方に
突出されていて、トリム操作時にはシリンダ本体内でチ
ルトピストンとトリムピストンを一体的に移動させ、チ
ルト操作時にはシリンダ本体のロッド突出側端部の側に
位置したトリムピストン内でチルトピストンを移動させ
るように構成されている船外推進機のパワー・トリム・
チルト装置において、トリムピストンのロッド突出側端
部が開放されていると共に、トリム操作時にはチルトピ
ストンとトリムピストンを連動させ且つチルト操作時に
はトリムピストンをシリンダ本体にロックするロック手
段が設けられていることを特徴とする船外推進機のパワ
ー・トリム・チルト装置。 - 【請求項2】 その両端で船体側と船外推進機側を連結
する油圧シリンダが、シリンダ本体内にトリムピストン
が摺動自在に挿入され、トリムピストン内にチルトピス
トンが摺動自在に挿入され、チルトピストンのロッドが
トリムピストンとシリンダ本体の一端を貫通して外方に
突出されていて、トリム操作時にはシリンダ本体内でチ
ルトピストンとトリムピストンを一体的に移動させ、チ
ルト操作時にはシリンダ本体のロッド突出側端部の側に
位置したトリムピストン内でチルトピストンを移動させ
るように構成されている船外推進機のパワー・トリム・
チルト装置において、トリムピストンとシリンダ本体の
ロッド突出側端部のそれぞれの端壁に、油圧シリンダ外
の作動油供給路とトリムピストン内とを連通する作動油
の通路が形成され、それぞれの端壁の対向する各面の少
なくとも一方に、該通路の周りを囲むシール部が形成さ
れていると共に、トリム操作時にチルトピストンとトリ
ムピストンを連動させるロック手段が設けられているこ
とを特徴とする船外推進機のパワー・トリム・チルト装
置。
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1996
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