JPH0826789B2 - 燃料噴射装置用空気制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、燃料噴射装置を備えた内燃機関の空入吸入
量を制御する装置に係り、特に、スロツトル開度センサ
（スロツトル弁の軸の回動角検出センサ）を有する吸入
空気制御装置に適用するに好適なものである。

〔従来の技術〕

この種の空気制御装置に関する最新の技術として、実
公昭60−26201号が公知である。

上記公知技術においては、絞弁軸の両端近傍をそれぞ
れころがり軸受で支承する構造であつた。

ころがり軸受（この種装置においては一般にボールベ
アリング、又はニードルベアリング）は、円滑な回転を
行わせるため、転動体（ボール又はニードル）と内，外
輪との間に微小な隙間が必要である。

第２図は、燃料噴射装置を備えたエンジンの空気制御
装置の説明図である。図示の如くエンジン１には吸気管
２および空気制御装置３が接続されている。

空気制御装置３の下流には燃料噴射弁４が設けられて
おり、燃料タンク5,フイルタ６、および燃料ポンプ７か
ら燃料が供給されている。なお、燃圧を一定に保つため
燃圧レギユレータ８が設けられている。そして燃料噴射
弁４の開弁時間を決定する制御ユニツト10からの信号が
送られて来ている。９はセンサである。

第３図は上記空気制御装置の垂直断面図である。

吸気通路11の途中において、壁部14を貫通して絞弁軸
13が配設されている。絞弁12は上記絞弁軸13に固着され
たバタフライ形の弁である。

第４図は、前記絞弁軸13を含む水平断面図である。

空気制御装置３に形成された吸気通路11には絞弁12が
絞弁軸13に固定されている。そして絞弁軸13は吸気通路
11を形成する壁部14に圧入された外輪15,ボール16,内輪
17よりなる軸受で軸支されている。絞弁軸13の端部には
スロツトル開度センサ19が連結され、連動するようにな
つている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

絞弁軸13は、その両端近傍をそれぞれ内輪17,ボール1
6,外輪15を介して回動自在に支承されており、絞弁軸13
と内輪17とは微少間隙18を介して放嵌されている。しか
もボール16と内輪17及び外輪15間にも、前記したように
微小間隙が存在する。このため、絞弁軸13は、そのガタ
の範囲内で傾動が許容される。このため、スロツトル開
度センサ19は絞弁軸13の回動角を正確に検出できないと
いう問題を生じる。

本発明は上述の事情に鑑みて為されたもので、絞弁軸
の傾動方向のガタを抑制して、スロツトル開度センサの
検出精度を向上せしめ得る空気制御装置を提供すること
を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために創作した本発明の空気制
御装置は、燃料噴射装置を備えたエンジンの吸入空気を
制御する絞弁と、上記の絞弁を取り付けた絞弁軸と、上
記の絞弁軸の両端部近傍をそれぞれ支承する１対の軸受
部材と、該絞弁軸の回動角度を検出するスロツトル開度
センサとを備えた空気制御装置に適用され、 （ａ）前記１対の軸受部材の内の片方は、内輪と外輪と
転動体とよりなるころがり軸受とし、かつ、前記絞弁軸
を前記内輪の中に圧入して該内輪の転動面の径寸法を大
きくし転動体と内輪及び外輪との隙間を無くし、 （ｂ）前記１対の軸受部材の他方はプレーン軸受とした
ものである。

〔作用〕

上記の構成によれば、絞弁軸が内輪に圧入されること
により、絞弁軸と内輪との間隙な無くなり、同時に絞弁
軸の圧入により内輪の転動面の径を大きくして転動体と
内輪及び外輪との隙間を無くする。

ここで、１対の軸受の双方について、このようにして
隙間を無くし絞弁軸のガタ付きを無くせば良さそうなも
のであるが、これを実際の工業生産に適用しようとする
と、双方を圧入する組立作業は極めて困難で実用性に乏
しい。

すなわち、両側のころがり軸受の内輪に絞弁軸を圧入
するには、絞弁軸の両側の内輪と絞弁軸との同軸度が０
で、且つ絞弁軸の円筒度も０にしなければ絞弁軸の組込
みが出来ない。また絞弁組立体に組込みを行なおうとし
ても組立設備の圧入座をころがり軸受に対して常に直角
に姿勢制御し、しかもずれが生じないようにすること
は、至難の技である。

そこで、１対の軸受の片方を前記のようにころがり軸
受にして圧入により内輪の径寸法を大きくして転動体と
内輪及び外輪との隙間を無くすとともに該１対の軸受の
他方は、これをプレーンメタルとしてガタを極力少なく
する。

この構成は、産業上の利用性を勘考しつつ、最大限に
ガタの抑制を追求した結果として創作されたものであ
る。１対の軸受の内の片方がプレーンメタルであつて
も、他方をボールベアリングにすれば、スラスト方向の
位置決めが可能である。

〔実施例〕

第１図は本発明の１実施例を示し、前記の公知例にお
ける第４図に対応する断面図である。

ネジ22によつて絞弁12を絞弁軸に固着する前に、単品
の絞弁軸13を壁部14の孔に挿通し、先ず内輪17,外輪15
の圧入を行う。その後プレーンメタル21を壁部14の孔に
圧入する。

このプレーンメタル21付近においては、エンジンの吹
き返しやEGRガス又はブローバイガス等が吸気通路内壁
に付着する。又この燃えかすは0.1mm以上の粒になり堆
積してゆくので、絞弁軸受の隙間に入らない様にしなけ
れば付着物が隙間に入ると絞弁軸の作動を悪化させる。
又付着物がデポジツトになり、絞弁軸が傾いたままにな
る。この為、隙間18,20を0.08mm以下にすれば前述の燃
焼物が侵入しなくなる。

更に付着物が入りにくくする為にプレーン軸受の軸受
内側にフツ素樹脂を塗装又はコーテイングすれば上記付
着物が付きにくい為一層効果がある。

〔発明の効果〕

以上詳述したように、本発明の装置によれば、絞弁軸
の傾動方向のガタを抑制して、スロツトル開度センサの
検出精度を向上せしめることが出来る。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の１実施例を示す断面図である。第２図
は燃料噴射弁及び空気制御装置の説明図である。 第３図は従来例の垂直断面図、第４図は同じく水平断面
図である。 １……エンジン、２……吸気管、３……空気制御装置、
４……燃料噴射弁、５……燃料タンク、６……フイル
タ、７……燃料ポンプ、８……燃圧レギユレータ、９…
…センサ、10……制御ユニツト、11……吸気通路、12…
…絞弁、13……絞弁軸、14……壁部、15……外輪、16…
…ボール、17……内輪、18……隙間、19……スロツトル
開度センサ、20……隙間、21……プレーンメタル、22…
…ネジ。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】燃料噴射装置を備えたエンジンの吸入空気
   を制御する絞弁と、該絞弁を取り付けた絞弁軸と、該絞
   弁軸の両端部近傍をそれぞれ支承する１対の軸受部材
   と、前記絞弁軸の回動角度を検出するスロットル開度セ
   ンサを備えた空気制御装置において、 （ａ）前記１対の軸受部材のうちの片方は、内輪と外輪
   と転動体とよりなるころがり軸受とし、かつ、前記絞弁
   軸を前記内輪の中に圧入して該内輪の転動面の径寸法を
   大きくし転動体と内輪及び外輪との隙間を無くし、 （ｂ）前記１対の軸受部材の他方はプレーン軸受とした
   ことを特徴とする、燃料噴射装置用空気制御装置。
2. 【請求項２】前記プレーン軸受と絞弁軸との間隙寸法
   は、これを0.08mm以下としたことを特徴とする、特許請
   求の範囲第１項に記載の燃料噴射装置用空気制御装置。
3. 【請求項３】前記プレーン軸受は、その内周面にフッ素
   樹脂の薄膜を設けたものであることを特徴とする、特許
   請求の範囲第１項に記載の燃料噴射装置用空気制御装
   置。