JPH08267682A - ポリプロピレンシート - Google Patents

ポリプロピレンシート

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JPH08267682A
JPH08267682A JP10068895A JP10068895A JPH08267682A JP H08267682 A JPH08267682 A JP H08267682A JP 10068895 A JP10068895 A JP 10068895A JP 10068895 A JP10068895 A JP 10068895A JP H08267682 A JPH08267682 A JP H08267682A
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ethylene
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浩介 飯田
Yoji Sumino
洋二 角野
Yutaka Omura
裕 大村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 隠蔽性と耐候性を兼ね備え、望ましくは良好
な曲げ加工性をも兼ね備えた白化現象を殆ど生じないポ
リプロピレンシートを提供する。 【構成】 無機粉末3を含んだポリプロピレンよりなる
基層1の表面に、光安定剤を含み無機粉末を実質的に含
まないポリプロピレンよりなる透光性の表面層2を積層
一体化したシートとする。望ましくは、少なくとも基層
を構成するポリプロピレンとして、オレフィン樹脂を含
んだもの、或はエチレン−プロピレン共重合体又はエチ
レン−ブテン1−プロピレン三元共重合体を使用し、更
に望ましくは熱可塑性エラストマーを含ませる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷を施すことにより
合板や他の基材の表面化粧シート等として使用されるポ
リプロピレンシートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の化粧合板は、その表面の化粧シー
トとして、印刷を施したポリ塩化ビニルシートを使用し
ている。けれども、ポリ塩化ビニルシートは、焼却時に
有毒な塩化水素ガスを発生するため、環境保全に悪影響
を与えるという問題があり、また、多量に配合した可塑
剤が滲出するという問題もある。
【0003】このため最近では、ポリ塩化ビニルシート
に代わるものとして、ハロゲン元素や可塑剤を含まない
ポリプロピレンシートを使用することが考えられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ポリプロピレンシート
を化粧合板等の表面化粧シートとして用いる場合には、
ポリプロピレンシートに隠蔽性を付与して合板が見えな
いようにし、表面の印刷を明瞭に視認できるようにする
必要がある。また、ポリプロピレンシートは耐候性に劣
るため、耐候性を向上させることも必要となる。
【0005】前者の隠蔽性付与の手段としては、酸化チ
タン等の無機粉末をポリプロピレンシートに含有させる
ことが考えられ、後者の耐候性向上の手段としては、光
安定剤を含有させることが考えられる。しかしながら、
ポリプロピレンシートに無機粉末と光安定剤を含有させ
ると、以下に述べるように、隠蔽性は付与できても耐候
性を向上させることは難しいという問題があった。
【0006】即ち、シート中に無機粉末が含有されてい
ると、紫外線によるポリプロピレンの劣化が該粉末の周
辺で僅かに起こっただけでも、そこを起点として亀裂が
入るように破断するため、光安定剤が含有されていても
殆ど効果がないという問題があった。
【0007】その他に無機粉末を含有させ不透明にする
ことでポリプロピレン内部への紫外線の侵入を防止して
耐候性を改良することも考えられるが、表面化粧シート
の如き500μm以下の厚さではその効果が発揮でき
ず、やはり耐候性に劣っていた。
【0008】このように隠蔽性と耐候性を兼ね備えたポ
リプロピレンシートは未だ開発されていないのが実情で
あり、その早期開発が強く望まれている。
【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、隠蔽性と耐候性を兼ね備えたポリプロピレンシート
を提供することを主たる目的とする。そして望ましく
は、良好な曲げ加工性をも兼ね備え、曲げストレスによ
る白化現象を殆ど生じないポリプロピレンシートを提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のポリプロピレンシートは、無機粉末を含ん
だポリプロピレンよりなる基層の表面に、光安定剤を含
み無機粉末を実質的に含まないポリプロピレンよりなる
透光性の表面層を積層一体化したことを特徴としてい
る。
【0011】そして望ましくは、少なくとも基層を構成
するポリプロピレンとして、オレフィン樹脂を含有させ
たポリプロピレン、或はエチレン−プロピレン共重合体
又はエチレン−ブテン1−プロピレン三元共重合体を使
用し、更に望ましくは熱可塑性エラストマーを含ませた
ものである。
【0012】
【作用】本発明のポリプロピレンシートは、基層が無機
粉末を含むため不透明であり、隠蔽性を有する。従っ
て、本発明のシートの表面に印刷を施して合板等にラミ
ネートすると、不透明な基層によって合板等が隠蔽され
るので、表面の印刷を明瞭に視認することができる。
【0013】また、本発明のシートは、透光性の表面層
が光安定剤を含むため、紫外線が表面層でカットされて
基層に入射することが殆どない。そのため、基層に光安
定剤が含まれていなくても、基層のポリプロピレンが紫
外線によって劣化する心配はない。しかも、この表面層
は無機粉末を実質的に含まないので、紫外線によって表
面層のポリプロピレンが僅かに劣化した程度では、亀裂
や破断を生じることがない。既述したように無機粉末が
含まれていると、該粉末の周辺でポリプロピレンが僅か
に劣化しただけで、そこを起点として亀裂や破断を生じ
るが、本発明シートの表面層は、そのような亀裂や破断
の発生原因となる無機粉末を含まないので、ポリプロピ
レンが僅かに劣化した程度では亀裂や破断を生じない。
このように、本発明のシートは、紫外線が基層のポリプ
ロピレンにまで達しないので基層が劣化せず、しかも表
面層のポリプロピレンが僅かに劣化した程度では亀裂や
破断を生じないので、耐候性が良好である。
【0014】また、本発明のシートは、基層も表面層も
ポリプロピレンよりなるものであるから、両層の密着性
が良好であり、層間剥離を生じる心配もない。
【0015】本発明のシートにおいて、少なくとも基層
を構成するポリプロピレンがオレフィン樹脂を含有した
ポリプロピレン、或はエチレン−プロピレン共重合体又
はエチレン−ブテン1−プロピレン三元共重合体である
と、プロピレンのホモポリマーを使用する場合に比べて
柔軟性や伸びが向上する。そのため、シートを折曲げる
ときに曲げストレスが加わっても、容易に伸び変形して
ストレスを吸収することができるので、曲げストレスに
よるシートの白化現象が生じにくくなる。特に熱可塑性
エラストマーが含有されていると、柔軟性や伸びが一層
向上するため、白化現象をほぼ確実に防止することが可
能となる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0017】図1は本発明のポリプロピレンシートの一
実施例を示す概略断面図であって、図示のように、この
シートは基層1の表面に透光性の表面層2を積層一体化
した二層構造をしている。基層1は、無機粉末3を含ん
だポリプロピレンよりなる不透明の層であり、表面層2
は、光安定剤(不図示)を含み無機粉末を実質的に含ま
ないポリプロピレンよりなる透光性の層である。
【0018】基層1及び表面層2を構成するポリプロピ
レンとしては、プロピレンのホモポリマー、エチレン−
プロピレン共重合体、エチレン−ブテン1−プロピレン
三元共重合体、或はこれらのポリプロピレンに他のオレ
フィン樹脂を混合して含有させたものなど、種々のタイ
プのポリプロピレンを使用できるが、この中では、柔軟
性や伸びが良好なエチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−ブテン1−プロピレン三元共重合体、若しくはホ
モポリマーにポリエチレンやポリブテン等のオレフィン
樹脂を1〜10重量%混合したものが好ましく使用され
る。特に、無機粉末3を含む基層1は、無機粉末を含ま
ない表面層2よりも脆弱で、曲げストレスが加わったと
きに白化しやすいため、上記の共重合体を使用したりオ
レフィン樹脂を含有させて柔軟性や伸びを向上させるこ
とが望ましく、更に熱可塑性エラストマーを配合して柔
軟性や伸びを一層向上させることが極めて望ましい。こ
のように基層1の柔軟性や伸びを向上させると、曲げス
トレスが加わったときに容易に伸び変形してストレスを
吸収できるので、曲げストレスによる白化現象が生じに
くくなり、特に熱可塑性エラストマーが配合されている
場合は、白化現象をほぼ確実に防止することが可能とな
る。また、化粧シートとして利用する際にも合板等の表
面の凹凸に追従でき、貼付が容易となる。
【0019】上記のエチレン−プロピレン共重合体はエ
チレンを1〜5重量%程度含むものが好適であり、ブロ
ック共重合体よりもランダム共重合体の方が好ましい。
また上記のエチレン−ブテン1−プロピレン三元共重合
体は、エチレンを1〜5重量%程度、ブテン1を1〜5
重量%程度含むものが好適である。
【0020】ポリプロピレンに配合する熱可塑性エラス
トマーとしては、ポリプロピレンとの相溶性があるスチ
レン系エラストマー(スチレン−ブタジエン系、スチレ
ン−イソプロピレン系、スチレン−エチレン−ブチレン
系等)、オレフィン系エラストマー(エチレン−プロピ
レンゴム系、エチレン−プロピレンターポリマー系
等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチ
ルメタクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体などが好適に使用される。
【0021】熱可塑性エラストマーの配合割合は1〜4
0重量%程度あり、好ましくは3〜10重量%程度であ
る。1重量%より少ない場合は柔軟性や伸びの向上効果
が殆ど期待できず、40重量%より多くなるとポリプロ
ピレン本来の物性が損なわれるといった不都合を生じ
る。
【0022】基層1に含有させる無機粉末3としては、
酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、酸化アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、合成シリカ等の粉末が使用され
る。これらの無機粉末の中でも酸化チタンが隠蔽性に優
れていて好ましく用いられる。この無機粉末3は、主に
基層1を不透明にして隠蔽性を付与するために配合する
ものであるから、その配合割合は1〜10重量%程度、
好ましくは2〜6重量%程度である。1重量%より少な
い場合は、基層1の不透明化が不充分となる恐れがあ
り、10重量%より多くなると、基層1が脆弱になると
いった不都合を生じる。その他に無機粉末3を含有させ
ることにより、艶消し作用の付与やインキ適性の付与や
ブロッキング防止等、表面化粧シートに必要な特性をポ
リプロピレンシートに付与できる。
【0023】一方、表面層2に含有させる光安定剤とし
ては、紫外線を吸収するベンゾトリアゾール系、ベンゾ
フェノン系などの紫外線吸収剤や、ラジカルを捕捉して
ポリプロピレンの分解を抑制するHALS(ヒンダード
アミン系光安定剤)などが使用される。この光安定剤の
配合割合は0.05〜3重量%程度が適当であり、好ま
しくは0.2〜1重量%程度である。0.05重量%よ
り少ない場合は、紫外線のカットが不充分となるため、
基層1のポリプロピレンを紫外線劣化から守ることが困
難となり また、3重量%より多く配合しても、紫外線
のカット能力があまり変わらないので材料の無駄使いと
なるだけである。紫外線吸収剤やHALSは単独で使用
してもよく、両者を併用してもよいが、併用する場合は
紫外線吸収剤とHALSの割合を重量比で1:99〜9
9:1、好ましくは1:5〜5:1の範囲内とするのが
よい。なお、光安定剤は、表面層2だけでなく基層1に
含有させてもよいことは言うまでもない。
【0024】この表面層2は既述したように無機粉末を
実質的に含まない層であるが、「無機粉末を実質的に含
まない」とは、層を不透明化するために配合される前記
の酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム等の無機粉末を
含まないという意味であり、従って、例えば押出成形時
のブロッキングを防止するためにポリプロピレンに添加
される合成シリカ等のアンチブロックキング剤は少量含
まれていてもよい。また、表面層2や基層1には、上記
のアンチブロッキング剤の他にゼオライト等の抗菌剤、
防カビ剤、帯電防止剤などを配合してもよい。
【0025】基層1や表面層2の厚さについては特に制
限されないが、基層1の厚さは50〜200μm程度が
適当であり、表面層2の厚さは5〜100μm程度が適
当である。基層1が50μmより薄くなるとシートの強
度が弱くなり、表面層2の厚さが5μmより薄くなる
と、紫外線のカットが不充分となるため基層1のポリプ
ロピレンを紫外線劣化から満足に保護できなくなる。ま
た、基層1が200μmより厚くなり、且つ、表面層2
が100μmより厚くなると、シート全体の剛性が増
し、表面化粧シート等の用途には不向きとなる。
【0026】基層1と表面層2の積層は、無機粉末を混
合したポリプロピレンと光安定剤を混合したポリプロピ
レンを二層に共押出しする手段によって積層してもよい
し、また、無機粉末を混合したポリプロピレンフィルム
と光安定剤を混合したポリプロピレンフィルムを予め作
製して両者をラミネートするようにしてもよいし、光安
定剤を混合したポリプロピレンフィルムを、無機粉末を
混合したポリプロピレンの押出時にラミネートしてもよ
い。このように基層1と表面層2を積層したシートは、
両層1,2の樹脂が共にポリプロピレンであるから密着
性が極めて良好であり、層間剥離を起こす心配がない。
【0027】以上のような構成のポリプロピレンシート
は、無機粉末3を含む基層1が不透明で隠蔽性を有する
ため、例えば、図1に一点鎖線で示すように表面層2上
に印刷4を施して合板等の表面にラミネートすると、不
透明な基層1によって合板等が隠蔽され、表面の印刷4
を明瞭に視認することができる。そして、この表面層2
には光安定剤が含まれ、外部からの紫外線が表面層2に
よってカットされるため、基層1のポリプロピレンが紫
外線劣化を起こすことは殆どなく、しかも、この表面層
2には無機粉末が実質的に含まれないので、紫外線によ
って表面層2のポリプロピレンが僅かに劣化した程度で
は、亀裂や破断を生じることも殆どない。このように本
発明のポリプロピレンシートは、良好な耐候性と隠蔽性
を兼ね備えるため、表面化粧シート等の用途に極めて好
適なものである。なお、印刷4は基層1の上に行っても
よい。
【0028】特に、基層1を構成するポリプロピレンが
エチレン−プロピレン共重合体又はエチレン−ブテン1
−プロピレン三元共重合体であって、熱可塑性エラスト
マーが配合されているシートは、既述したように曲げス
トレスによる白化現象をほぼ確実に防止することができ
るので、曲げ加工性も良好である。
【0029】次に、本発明の更に具体的な実施例と比較
例を説明する。
【0030】[実施例1〜8]下記の表1に示す組成を
有する厚さ80μmの表面層フィルムと、同じく表1に
示す組成を有する厚さ80μmの基層フィルムを重ね、
160℃で熱プレスすることにより積層一体化して、厚
さ160μmのポリプロピレンシートを作製した。得ら
れたシートはいずれも乳白色不透明で、透視が不可能で
あった。
【0031】これらのポリプロピレンシートについて、
ネッキングを起こすときの伸び率をJIS C 231
8の試験方法で測定したところ、表1に示す結果が得ら
れた。また、これらのポリプロピレンシートについて、
ASTM D 1593の試験方法に基づき温度5℃で
の曲げ衝撃試験を行い、白化現象の有無を肉眼で観察し
たところ、表1に示す結果が得られた。更に、各ポリプ
ロピレンシートをウエザオメーターで400時間曝露し
た後、伸び保持率をJIS C 2318の試験方法で
測定したところ、表1に示す結果が得られた。
【0032】そして、この400時間暴露後の伸び保持
率の測定結果から耐候性(機械的強度)の良否を判定
し、上記の曲げ衝撃試験の結果から耐白化性の良否を判
定した。その結果を表1に示す。
【0033】なお、表1の表面層フィルム及び基層フィ
ルムの組成において、HOMOはプロピレンのホモポリ
マー(旭化成工業(株)製)を、RCはエチレン−プロ
ピレンランダム共重合体(三井東圧化学(株)製)を、
TCはエチレン−ブテン1−プロピレン三元共重合体
(三井東圧化学(株)製)を、エラストマーはスチレン
ブタジエンラバー(日本合成ゴム(株)製)を、ポリエ
チレンは出光石油化学(株)製のものを、紫外線吸収剤
はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(城北化学工業
(株)製)を、無機粉末は酸化チタン粉末(城北化学工
業(株)製)を使用した。
【0034】[比較例1]下記の表1に示す組成を有す
る基層フィルムのみからなる厚さ160μmの乳白色ポ
リプロピレンシートを作製し、実施例1〜8と同様に、
ネッキングを起こすときの伸び率、曲げ衝撃試験による
白化現象の有無、400時間暴露後の伸び保持率を測定
し、耐候性の良否と耐白化性の良否を判定した。その結
果を表1に示す。
【0035】[比較例2]表面層フィルムと基層フィル
ムを下記の表1に示す組成のものに変更した以外は、実
施例1〜8と同様にして厚さ160μmの乳白色ポリプ
ロピレンシートを作製した。
【0036】このシートについて、実施例1〜8と同様
に、ネッキングを起こすときの伸び率、曲げ衝撃試験に
よる白化現象の有無、400時間暴露後の伸び保持率を
測定し、耐候性の良否と耐白化性の良否を判定した。そ
の結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】この表1をみれば、紫外線吸収剤を含み無
機粉末を含まない表面層フィルムを積層一体化した実施
例1〜8のシートはいずれも、400時間暴露後の伸び
保持率が45%以上で、耐候性の判定が良であるのに対
し、紫外線吸収剤と無機粉末を混在させた比較例1の単
層シートは、伸び保持率が5%以下と低く、耐候性の判
定が否である。このことから、無機粉末を含んだシート
に紫外線吸収剤を配合しても、その効果が殆どなく、耐
候性を向上させ得ないことが判る。
【0039】また、紫外線吸収剤と無機粉末を混在させ
た基層フィルムの表面に、紫外線吸収剤を含まない表面
層フィルムを積層一体化させた比較例2のシートも、伸
び保持率が5%以下と低く、耐候性の判定が否である。
ところが、比較例2と同じ組成の基層フィルムの表面
に、紫外線吸収剤を含む表面層フィルムを積層一体化し
た実施例8のシートは、400時間暴露後の伸び保持率
が90%以上と大幅に向上し、耐候性の判定が良であ
る。このことから、紫外線吸収剤を含む表面層フィルム
を積層すると耐候性を顕著に向上させることができる
が、紫外線吸収剤を含まない表面層フィルムを積層して
も何ら効果のないことが判る。
【0040】また、実施例1,2,3を対比すると、プ
ロピレンのホモポリマーからなる表面層フィルムと基層
フィルムを積層一体化した実施例1のシートは、ネッキ
ングを起こす伸び率が10〜30%と低く、曲げ衝撃試
験で白化現象を生じ、耐白化性の判定が否である。これ
に対し、エチレン−プロピレン共重合体からなる表面層
フィルムと基層フィルムを積層一体化した実施例2のシ
ートや、エチレン−ブテン1−プロピレン三元共重合体
よりなる表面層フィルムと基層フィルムを積層一体化し
た実施例3のシートは、ネッキングを起こす伸び率が5
0〜100%と比較的高く、曲げ衝撃試験による白化現
象も殆ど無しで、耐白化性の判定がやや良である。この
ことから、耐白化性を向上させるためには、ホモポリマ
ーよりも上記の共重合体の方が有利であることが判る。
【0041】また、実施例1,4を比較すると、ホモポ
リマーにポリエチレンを添加したシートは、ネッキング
を起こす伸び率が50〜100%と比較的高くなり、曲
げ衝撃試験による白化現象も殆どなくなり、ポリエチレ
ンを添加したシートが有利であることが判る。
【0042】更に、実施例2,5,6,7を対比する
と、エチレン−プロピレン共重合体に熱可塑性エラスト
マーを配合した基層フィルムを使用する実施例5,6,
7のシートは、いずれもネッキングをおこす伸び率が1
00%以上で、曲げ衝撃試験による白化現象が全くな
く、耐白化性の判定が良である。これに対し、エラスト
マーを配合しないエチレン−プロピレン共重合体の基層
フィルムを使用した実施例2のシートは、ネッキングを
おこす伸び率が50〜100%で、曲げ衝撃試験による
白化現象が殆どなく(若干有り)、耐白化性の判定がや
や良である。このことから、耐白化性を向上させるため
には、上記の共重合体の単独よりも、熱可塑性エラスト
マーを配合した方が更に有利であることが判る。
【0043】また、実施例5,6を対比すると、熱可塑
性エラストマーの配合量が多い基層フィルムを用いた実
施例6のシートは、熱可塑性エラストマーの配合量が少
ない基層フィルムを用いた実施例5のシートよりも、4
00時間暴露後の伸び保持率が若干低下している。この
ことから、耐候性を向上させるためには、熱可塑性エラ
ストマーをあまり多量に配合してはならないことが判
る。
【0044】更に、実施例5,8を対比すると、紫外線
吸収剤を表面層フィルムのみならず基層フィルムにも含
ませると、400時間暴露後の伸び保持率が90%以上
と大幅に向上している。このことから、紫外線吸収剤を
表面層と基層の両フィルムに含ませることにより耐候性
を大幅に向上させ得ることが判る。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のポリプロピレンシートは、良好な耐候性と隠蔽性を兼
ね備えるため、短期間で劣化することがなく、表面に印
刷等を施せば明瞭に視認できるといった効果を奏し、特
に、基層のポリプロピレンとしてポリエチレンを含有さ
せたもの、或はエチレン−プロピレン共重合体又はエチ
レン−ブテン1−プロピレン三元共重合体を使用し、更
に熱可塑性エラストマーを配合したものは、曲げストレ
スによる白化現象が殆ど見られなくなるといった効果も
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリプロピレンシートの一実施例を示
す概略断面図である。
【符号の説明】
1 基層 2 表面層 3 無機粉末

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機粉末を含んだポリプロピレンよりなる
    基層の表面に、光安定剤を含み無機粉末を実質的に含ま
    ないポリプロピレンよりなる透光性の表面層を積層一体
    化したことを特徴とするポリプロピレンシート。
  2. 【請求項2】少なくとも基層を構成するポリプロピレン
    が、ポリプロピレンを除く他のオレフィン樹脂を含有し
    たものである請求項1に記載のポリプロピレンシート。
  3. 【請求項3】少なくとも基層を構成するポリプロピレン
    が、エチレン−プロピレン共重合体又はエチレン−ブテ
    ン1−プロピレン三元共重合体である請求項1又は請求
    項2に記載のポリプロピレンシート。
  4. 【請求項4】少なくとも基層を構成するポリプロピレン
    が、熱可塑性エラストマーを含むものである請求項1又
    は請求項2又は請求項3に記載のポリプロピレンシー
    ト。
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Cited By (2)

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