JPH0826717A - 非晶質珪酸ナトリウム粉末及びその製造方法 - Google Patents

非晶質珪酸ナトリウム粉末及びその製造方法

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JPH0826717A JP6161867A JP16186794A JPH0826717A JP H0826717 A JPH0826717 A JP H0826717A JP 6161867 A JP6161867 A JP 6161867A JP 16186794 A JP16186794 A JP 16186794A JP H0826717 A JPH0826717 A JP H0826717A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた水軟化能を示し、洗剤ビルダーとして好
適な非晶質珪酸ナトリウム粉末を得る。 【構成】SiO2/Na2Oのモル比をnとし、比表面積
をS(m2/g)としたとき、下記式 1.20≦n≦1.60 0.10≦S≦0.90 且つ 0.008×n8.6≦S≦0.063×n8.1 を満足する非晶質珪酸ナトリウム粉末。SiO2/Na2
Oのモル比nが1.20≦n≦1.60である珪酸ナト
リウムカレットを粉砕して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水軟化性を有し、洗剤
ビルダーとして有用な非晶質珪酸ナトリウム粉末及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非晶質珪酸ナトリウムは古くから知られ
ている。その代表である非晶質珪酸ナトリウムカレット
(珪酸ナトリウムガラス小片)は、珪砂と炭酸ナトリウ
ムまたは水酸化ナトリウムとを加熱溶融して得られ、S
iO2/Na2Oのモル比nは、通常、n=2〜3.3の
ものが一般的となっている。非晶質珪酸ナトリウムカレ
ットを水に高圧下で溶解した水ガラス溶液は、あらゆる
分野の製造工業の中でも最も多方面にわたる用途をもっ
ている材料であるが、非晶質珪酸ナトリウムカレット自
体は中間製品的な色彩が強く、洗剤ビルダーとして有用
な非晶質珪酸ナトリウムカレットの報告はない。
【0003】洗剤ビルダーとして使用されうる非晶質珪
酸ナトリウム粉末に関しては、無定形珪酸ナトリウムの
製造方法が特開平3−170320号公報に開示されて
いる。この公報による非晶質珪酸ナトリウム粉末は、珪
砂と水酸化ナトリウム水溶液とを反応させて水ガラス溶
液を得、噴霧乾燥後、250℃以上500℃までの温度
において加熱焼成し、さらに粉砕することによって得ら
れている。しかし、製造工程が4工程と多いという問題
があり、さらに得られた無定型珪酸ナトリウム粉末のS
iO2/Na2Oのモル比は1.9〜2.8であり、水軟
化性能は小さなものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、水軟化性能が大きい非晶質珪酸ナトリウム粉末を提
供し、さらにその非晶質珪酸ナトリウム粉末を簡略化さ
れたプロセスで製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、古くから
珪酸ナトリウムカレットの製造に携わってきており、珪
酸ナトリウムカレットの製造および物性について研究を
積み重ねてきた。その結果、本発明者らは、非晶質珪酸
ナトリウムカレットのモル比と比表面積とが特定の関係
を満たすときに非晶質珪酸ナトリウムカレットの水軟化
性能が大きくなることを見い出し、本発明を提案するに
到った。
【0006】即ち、本発明は、SiO2/Na2Oのモル
比をnとし、比表面積をS(m2/g)としたとき、下
記式 1.20≦n≦1.60 0.10≦S≦0.90 且つ 0.008×n8.6≦S≦0.063×n8.1 を満足することを特徴とする非晶質珪酸ナトリウム粉末
である。
【0007】本発明者らは、珪酸ナトリウムが水へ溶解
する場合、まずNaイオンが溶出し、次いでシリカ成分
が溶出すると考えている。また、珪酸ナトリウムの水軟
化機構は、Naイオンが溶出した後も溶解せず残存する
シリカ成分にCaイオンまたはMgイオンと結合するサ
イトが存在し、そのサイトに水中のCaイオンまたはM
gイオンが結合することによると考えている。そこで、
本発明者らは、珪酸ナトリウムの水軟化性能を向上させ
るためには、Naイオンの溶出を多くし、一方、シリカ
成分の溶解を抑制し、シリカ成分によるCaイオンまた
はMgイオンの結合サイトを増加すればよいと考えた。
【0008】このためには、本発明における非晶質珪酸
ナトリウム粉末のSiO2/Na2Oのモル比をnとする
と、下記式 1.20≦n≦1.60 を満足しなければならない。nが1.20より小さくな
ると、非晶質珪酸ナトリウム粉末のシリカ成分の溶解が
速くなり、一度シリカ成分と結合したCaイオンやMg
イオンが再度水中へ溶出してしまうために水軟化性に乏
しくなり好ましくない。逆にnが1.60より大きくな
ると、Naイオン溶出量が減少し、CaイオンやMgイ
オンと結合するサイトが少なくなるので、結果として水
軟化性が小さくなり好ましくない。さらに良好な水軟化
性を発揮させる場合には、1.30≦n≦1.50を満
足することが好ましい。
【0009】また、非晶質珪酸ナトリウム粉末のNaイ
オンおよびシリカ成分の溶解性は、その比表面積にも影
響を受ける。本発明において、非晶質珪酸ナトリウム粉
末の比表面積をS(m2/g)とすると、下記式 0.10≦S≦0.90 を満足しなければならない。比表面積Sが0.10m2
/gより小さくなると、Naイオン溶出量が少なくな
り、水軟化性が低下するために好ましくない。一方、比
表面積Sが0.90m2/gより大きくなると、Naイ
オン溶出と同時にシリカ成分の溶解も速くなり、上記し
たモル比nが低い場合と同様に水軟化性が悪くなるため
に好ましくない。また、比表面積を0.90m2/gよ
り大きくすることは、一般的な粉砕方法では非常に困難
である。さらに良好な水軟化性を発揮させる場合には、
0.20≦S≦0.80であることが好ましい。
【0010】さらに、優れた水軟化性の非晶質珪酸ナト
リウム粉末を得るためには、非晶質珪酸ナトリウム粉末
のSiO2/Na2Oのモル比nと比表面積Sとが特定の
関係を満たしていなければならない。即ち、SiO2
Na2Oのモル比nと比表面積Sが、下記式 0.008×n8.6≦S≦0.063×n8.1 を満足しなければならない。比表面積Sが0.008×
8.6より小さいと、Naイオンの溶出量が少なくなり
水軟化性が低下するために好ましくない。一方、比表面
積Sが0.063×n8.1より大きいと、Naイオンの
溶出と同時にシリカ成分の溶解も速くなり、水軟化性が
悪くなるために好ましくない。つまり、SiO2/Na2
Oのモル比と比表面積とが上記した関係を満足するとき
に、Naイオンが溶出した後の固体状態で存在するシリ
カ成分上のCaイオンまたはMgイオンの結合サイトの
量が多くなると考えられる。
【0011】上記したモル比nと比表面積Sとは、より
良好な水軟化能を発揮させるためには、下記式 0.008×n9.6≦S≦0.045×n8.2 を満足することが好ましく、さらには、下記式 0.009×n9.7≦S≦0.037×n8.3 を満足することが好ましい。
【0012】図1は、非晶質珪酸ナトリウム粉末のモル
比nと比表面積Sとの関係を示すグラフである。図1中
の太線内は、モル比nと比表面積Sが上記した各式を満
足する領域である。
【0013】本発明の珪酸ナトリウム粉末は非晶質であ
る。ただし、これは完全な非晶質であることのみをいう
のではなく、極わずかに微結晶を有する場合をも含む。
このことを、図2に基づいて説明する。図2は、後述す
る実施例1で得られた非晶性珪酸ナトリウム粉末のX線
回折パターンである。図2には2θ=33゜付近にブロ
ードなピークが認められる。このブロードなピークは、
非晶質中にわずかに含まれる微結晶によるものである。
微結晶の量はハローパターン中に占めるブロードピーク
の面積から、また微結晶の粒子径はブロードピークの半
価幅から求めることができる。この図の場合、ハローパ
ターン中に占めるブロードピークの面積から求めた微結
晶量は13体積%であり、ブロードピークの半価幅から
シェラーの式により計算した微結晶の粒子径は1.6n
mである。
【0014】本発明における非晶質とは、このような非
晶質中に極わずかに微結晶が含まれる場合を含む。そし
て、非晶性であるというためには、一般には、ハローパ
ターン中に占めるブロードピークの面積から求めた微結
晶量は20体積%以下であることが好ましく、また、ブ
ロードピークの半価幅から計算した微結晶の粒子径は5
nm以下であることが好ましい。
【0015】本発明の非晶質珪酸ナトリウム粉末の平均
粒子径は液相自然沈降法粒度分布計による測定で、1〜
100μmの範囲となることが好ましい。
【0016】本発明の非晶質珪酸ナトリウムはどのよう
な方法で製造されてもよいが、下記の方法で製造するこ
とが簡単なプロセスとなるために好適である。即ち、S
iO2/Na2Oのモル比nが1.20≦n≦1.60で
ある珪酸ナトリウムカレットを粉砕する方法である。
【0017】この方法において、SiO2/Na2Oのモ
ル比nが1.20≦n≦1.60である珪酸ナトリウム
カレットは、次のような方法で製造することができる。
例えば、SiO2と炭酸ナトリウムまたは水酸化ナトリ
ウムとを、SiO2/Na2Oのモル比nが1.20≦n
≦1.60となるように加熱溶融し、その後冷却する方
法である。
【0018】原料のSiO2としては珪石、珪砂、クリ
ストバライト石、溶融シリカ、無定形シリカ、シリカゾ
ルなどのSiO2を主成分とする公知の物質を何等制限
なく使用できる。工業的には、安価で取扱いが容易な点
で珪砂が好ましく用いられる。一方の原料である炭酸ナ
トリウムまたは水酸化ナトリウムは各々を単独で用いて
も良いし、任意の割合で混合して用いることもできる。
【0019】これらの原料は加熱溶融される。その際の
温度、時間などの条件は、原料が溶融し珪酸ナトリウム
溶融物が生成しさえすればいかなる条件をも採用するこ
とができる。好適な温度条件は、炉壁の耐アルカリ性及
び経済性の点で1100〜1400℃であり、加熱溶融
時間は短い方が経済的に好ましく、10時間以下で十分
に均一な珪酸ナトリウム溶融物が生成する。
【0020】珪酸ナトリウム溶融物の冷却方法は、生成
する珪酸ナトリウムカレットが非晶質となるような条件
であればよい。一般には、溶融状態から室温の環境へ取
り出す程度の冷却で十分である。冷却方法は、単に空冷
する方法の他、水冷などを採用することもできる。水冷
等の方法で冷却速度を大きくすれば、微結晶の割合を減
少でき、より完全な非晶質とすることができる点で好ま
しい。
【0021】冷却して得られた非晶質珪酸ナトリウムカ
レットは、モル比nと比表面積Sとが前記した数値範囲
および前記した関係を満足するように粉砕される。粉砕
は、公知の粉砕方法を採用することができる。例えば、
ボールミル、攪拌ミル、高速回転微粉砕機、ジェット粉
砕機、せん断ミル、コロイドミル等の微粉砕機を用いる
ことができる。このなかで、最も一般的な粉砕機として
ボールミルを挙げることができる。その具体例として
は、ポットミル、チューブミル、コニカルミルなどの転
動ミル;円形振動ミル、旋動振動ミル、遠心ミルなどの
振動ボールミル;そして遠心ミル等を挙げることができ
る。
【0022】また、上記した微粉砕機による粉砕の効率
を上げるために、微粉砕操作の前にジョークラッシャ
ー、ジャイレトリークラッシャー、コーンクラッシャ
ー、ハンマークラッシャーなどの中砕機あるいは粗砕機
により数mm程度の粒に砕いておくことが好ましい。
【0023】
【発明の効果】本発明の非晶質珪酸ナトリウム粉末は、
SiO2/Na2Oのモル比nと比表面積Sとが特定の数
値範囲および関係を満足することにより、優れた水軟化
能を示す。また、その製造方法は、特定のモル比の非晶
質珪酸ナトリウムカレットを微粉砕するだけであるの
で、ビルダーとして好適な非晶質珪酸ナトリウム粉末の
製造プロセスを簡略化することができた。
【0024】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限さ
れるものではない。尚、実施例および比較例における測
定値は次に示す方法により測定した。
【0025】(1)非晶質珪酸ナトリウム粉末中に含ま
れる微結晶の量及び微結晶の粒子径 本発明の非晶質珪酸ナトリウム粉末のX線回折パターン
において、図2に示すように2θ=33゜付近にブロー
ドなピークが認められる場合、そのブロードなピークの
面積から微結晶量を、また、その半価幅から微結晶粒子
径を求めることができる。このブロードなピークは2θ
=27゜付近と2θ=38゜付近でハローパターンから
屈曲している。これら両屈曲点を直線で結び、その直線
をバックグラウンドとしてブロードピークの積分強度を
計算した(この値をNIBとする)。また同時にブロー
ドピークの半価幅D(単位:ラジアン)とピーク位置2
θP(単位:゜)を測定した。一方、全パターンの積分
強度は、2θ=8゜のときの点と2θ=125゜のとき
の点とを直線で結び、その直線をバックグラウンドとし
て計算した(この値をNITとする)。以上の値を用い
て微結晶の量を計算し、さらにシェラーの式より微結晶
の粒子径を求めた。
【0026】 微結晶の量(体積%)=(NIB/NIT)×100 微結晶の粒子径 =(K×λ)/(D×cosθP) ただし、K=0.94、λはX線波長で0.15405
6nmとした。
【0027】(2)非晶質珪酸ナトリウム粉末のモル比
n 非晶質珪酸ナトリウム粉末を水に完全に溶解させ、水溶
液中の酸化ナトリウム量及びシリカ量を個別に測定し
て、その比からモル比nを計算した。
【0028】・酸化ナトリウム量:メチルオレンジ溶液
を指示薬とし、塩酸で中和滴定した。
【0029】・シリカ量:下記式で示すようにフッ化ナ
トリウムを試料と反応させ、遊離した水酸化ナトリウム
を塩酸で中和滴定した。塩酸の所要量から上記の方法で
求めた酸化ナトリウム量を差し引いてシリカ量を求め
た。
【0030】H2SiO3+6NaF+H2O→Na2Si
6+4NaOH (シリカ1molに対し4molの水酸化ナトリウムが
析出する。) (3)非晶質珪酸ナトリウム粉末の比表面積 透過法(恒圧式空気透過法)を用いて測定した。具体的
には、下式のKozeny−Carmanの式から、質
量Wと時間tを測定することにより比表面積Swを求め
た。
【0031】Sw=(140/ρ)×((△P×A×t)/(η
×L×Q)×ε3/(1−ε)21/2 ただし、 ε :試料充填層の空隙率で、ε=1−W/(ρ×A×
L) ρ :粉体の密度 (g/cm3) η :空気の粘性係数 (mPa sec) L :試料層の厚さ (cm) Q :試料層透過空気量 (cm3) △P:試料層両端の圧力差(g/cm2) A :試料層の断面積 (cm2) t :Qcm3の空気が試料層を透過するのに要する時間
(sec) W :試料の重量 (g) である。ここで、L=1.2cm、Q=20cm3、△P=
10g/cm2、A=2cm2、ρは、粉砕前のカレットの真比
重であり、ηは化学便覧(改訂3版基礎編II)から1a
tm、25℃の値である0.0182mPa secを採用し
た。
【0032】(4)水軟化性能(Ca封鎖能) 非晶質珪酸ナトリウム粉末の水軟化性は、Ca封鎖能で
代表させた。エタノールアミンと塩酸にてpH=10に
調節した5mmol/Lの塩化カルシウム水溶液1Lを
350rpmで攪拌しながら20℃で恒温とした。次
に、試料である非晶質珪酸ナトリウム粉末約0.2gを
精秤(単位:g)し、上記溶液に添加した。350rp
mで15分間攪拌した後、10mlをサンプリングし、
0.2μmのフィルターでろ過した。得られたろ液中の
Ca濃度を誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP
−AES)により測定して、この値からCaイオン量C
(単位:mg)を計算した。Ca封鎖能は次の式で計算
した値で評価した。
【0033】Ca封鎖能=(20−C)/0.2
(単位:mg/試料g) 実施例1 珪砂(SiO2 99.8%)177g、炭酸ナトリウム
(Na2CO3 99%)223gを混合し、水100g
を加えてさらに混合した。混合物を白金製坩堝に入れ、
電気炉中にて室温から1300℃まで1.5時間で昇温
し、その後1300℃で5時間保持した。加熱熔融の
後、灼熱状態の内容物の入った坩堝を電気炉から取り出
し、水浴中に坩堝を浸して急冷却し、無色透明の珪酸ナ
トリウムカレット得た。得られた珪酸ナトリウムカレッ
トをジョークラッシャー(間隙5mm)にて粉砕した。
続いて、ボールミル(ポット;内径135mm、容量2
L、ボール;直径30mm×33個、Al23製)に
て、回転速度60rpmで23時間粉砕した。
【0034】得られた非晶質珪酸ナトリウム粉末の結晶
性をX線回折で評価したところ、図1に示したようにハ
ローパターンを示した。2θ=33゜付近にブロードな
ピークが認められ、ハローパターン中に占めるブロード
ピークの面積から求めた微結晶量は13体積%であり、
ブロードピークの半価幅から計算した微結晶の粒子径は
1.6nmであった。非晶質珪酸ナトリウム粉末の物性
を表1にまとめた。
【0035】実施例2 実施例1と同様にして無色透明の珪酸ナトリウムカレッ
トを得た。得られた珪酸ナトリウムカレットをジョーク
ラッシャー(間隙5mm)にて粉砕した。続いて、実施
例1で使用したのと同じボールミルで回転速度60rp
mで1時間粉砕した。その後、トリエタノールアミンを
珪酸ナトリウム粉末の0.15wt%添加し、さらに同
条件にて22時間粉砕した。
【0036】得られた非晶質珪酸ナトリウム粉末の結晶
性は、ハローパターン中に占めるブロードピークの面積
から求めた微結晶量は13体積%であり、ブロードピー
クの半価幅から計算した微結晶の粒子径は1.6nmで
あった。非晶質珪酸ナトリウム粉末の物性を表1にまと
めた。
【0037】実施例3、4 珪砂と炭酸ナトリウムの仕込量、及びボールミルによる
粉砕時間を変えた以外は実施例1と同様にして非晶質珪
酸ナトリウム粉末を得た。その物性を表1に示した。ま
た、これら粉末の結晶性は、ハローパターン中に占める
ブロードピークの面積から求めた微結晶量は実施例3で
は14体積%、実施例4では13体積%となり、ブロー
ドピークの半価幅から計算した微結晶の粒子径が実施例
3、実施例4とも1.6nmであった。
【0038】実施例5 珪砂と炭酸ナトリウムの仕込量、及びボールミルによる
粉砕時間を変えた以外は実施例2と同様にして非晶質珪
酸ナトリウム粉末を得た。その物性を表1に示した。ま
た、この粉末の結晶性は、ハローパターン中に占めるブ
ロードピークの面積から求めた微結晶量は8体積%であ
り、ブロードピークの半価幅から計算した微結晶の粒子
径が1.6nmであった。
【0039】実施例6 加熱溶融温度を1100℃にした以外は実施例1と同様
にして非晶質珪酸ナトリウム粉末を得た。その物性を表
1に示した。また、これら粉末の結晶性は、ハローパタ
ーン中に占めるブロードピークの面積から求めた微結晶
量は8体積%であり、ブロードピークの半価幅から計算
した微結晶の粒子径が2.0nmであった。
【0040】比較例1〜4 原料の珪砂及び炭酸ナトリウムの仕込み量を変えた以外
は実施例1と同様にして非晶質珪酸ナトリウム粉末を得
た。その物性を表1に示した。また、これら粉末の結晶
性は、ハローパターン中に占めるブロードピークの面積
から求めた微結晶量は8〜16体積%であり、ブロード
ピークの半価幅から計算した微結晶の粒子径が1.6〜
1.8nmであった。
【0041】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、非晶質珪酸ナトリウム粉末のモル比n
と比表面積Sとの関係を示すグラフである。
【図2】図2は、本発明の実施例1で得られた非晶質珪
酸ナトリウム粉末のX線回折パターンを示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiO2/Na2Oのモル比をnとし、比表
    面積をS(m2/g)としたとき、下記式 1.20≦n≦1.60 0.10≦S≦0.90 且つ 0.008×n8.6≦S≦0.063×n8.1 を満足することを特徴とする非晶質珪酸ナトリウム粉
    末。
  2. 【請求項2】SiO2/Na2Oのモル比nが1.20≦
    n≦1.60である珪酸ナトリウムカレットを粉砕する
    ことを特徴とする請求項1記載の非晶質珪酸ナトリウム
    粉末の製造方法。
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