JPH0826564A - 用紙の先端部カール修正装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 用紙の先端部に対して所定の方向にカールを
付与する手段を設け、厚紙や一方にカールを生じている
用紙に対して、その後の取扱いを容易にする方向に用紙
の先端部を湾曲させ得るようにする。 【構成】 画像形成装置１の用紙搬送路に配置するカー
ル修正装置２０は、駆動ローラ部材２１に対してフィル
ム部材２５を押圧しながら巻き付ける手段を構成し、用
紙を駆動ローラ部材とフィルム部材の間に挿入して駆動
ローラ部材２１を回転させることにより、用紙の先端部
に対して駆動ローラ部材に沿わせるような湾曲作用を付
与する。前記画像形成装置１では、レジストローラ装置
７の上流部にゲート部材９を介してカール修正装置２０
を配置し、上流部のローラを正逆駆動ローラ８として構
成し、用紙をカール修正装置に向けて挿入する作用と、
用紙を戻す作用を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機やプリ
ンタ等の画像形成装置において、用紙を搬送する途中で
用紙の先端部のカールを修正する装置に関し、特に、用
紙搬送路の途中にカール修正装置を配置して、用紙の先
端部に対してのみ、カールを付与する手段を配置してな
る用紙の先端部カール修正装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子写真複写機やレーザビームプリンタ
等のような画像形成装置においては、給紙トレイ等の用
紙収容手段から用紙を送り出し、感光体ドラム等の画像
担持体に形成したトナー画像を用紙に転写し、そのトナ
ー画像を担持する用紙を定着装置を通して定着し、コピ
ーを排出させる手段を設けている。前記給紙トレイ等か
ら送り出される用紙に対してトナー画像を転写した後
で、定着装置を通して熱と圧力を付与すると、用紙がカ
ールを生じることがある。また、用紙は含水率や、湿気
の分布の状態によっては、表裏のいずれかの方向にカー
ルを生じる状態となる場合があり、その用紙のカールの
方向によっては、用紙搬送路内で搬送する際に、用紙搬
送路を構成するガイド板の継ぎ目や、他の突出物に当接
して、紙の角の部分が折れ曲がったり、搬送不良が生じ
ることがある。

【０００３】また、両面コピーを作成する際には、片面
コピー用紙を作成してから、その用紙の裏面にトナー画
像を転写する必要があり、片面コピー用紙を戻し経路を
介して感光体ドラムからの画像転写部に向けて搬送する
ようにしている。ところが、定着装置を通って定着した
後では、用紙が大きくカールを生じることがあるため
に、その片面コピー用紙を裏面の複写に向けて搬送する
際に、用紙を正常に搬送することができない場合が発生
する。そこで、前述したような問題を解消するために、
例えば、特開平１−１６７１６４号公報等に示されるよ
うに、用紙搬送路に対してカール矯正装置を配置し、感
光体ドラムに向けて用紙を送り出す際に、用紙のカール
を矯正して画像の転写の作用を良好な状態で行い得るよ
うにすることが提案されている。

【０００４】前述したような従来例とは別に、一般の画
像形成装置においては、例えば、特開平３−２６７２５
５号公報等に示されるように、小径の硬質のローラと、
大径の軟質のローラとを組み合わせて配置し、用紙を急
激に湾曲させる作用を付与することにより、用紙のカー
ルを修正することも行われている。また、特開平４−３
３８０６０号公報に示される例では、ベルト装置に対し
て小径の押圧ロール部材を配置して、用紙を押圧ロール
部材に摺動させる状態で、カールを修正することも行わ
れている。そして、前述したようなカール修正装置を用
紙搬送路の途中の部分に配置することにより、定着装置
を通る際に熱や圧力によって用紙にカールが生じた場合
でも、その用紙のカールを容易に修正でき、用紙搬送の
作用や、感光体ドラムからのトナー画像の転写の動作を
正確に行い得るようにする。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記従来例に示される
ようなカール修正装置は、用紙が全体的にカールを生じ
ている場合には、その用紙をカール方向とは反対方向に
補正することにより、カール修正の作用を良好に発揮す
ることができる。ところが、前記カール修正装置では、
その機構が比較的複雑であり、画像形成装置の用紙搬送
路に配置する場合に、そのカール修正装置の占める容積
が大きくなるという問題がある。また、一般に、用紙に
カールが生じていると、その用紙を排出トレイに収容す
る際に用紙の収容枚数が少なくなる等の問題があるもの
の、最も大きな影響を受けるのは、用紙の先端部に余分
なカールが生じている場合であり、用紙の中間部でカー
ルが生じている場合には、比較的問題となることは少な
い。例えば、感光体ドラムに用紙を接触させてトナー画
像を転写する場合に、感光体ドラムの円弧の方向に用紙
の先端部が湾曲している状態では、用紙が感光体ドラム
に巻き付いてしまい、剥離作用が良好に行われないとい
う問題が発生する。

【０００６】また、用紙の先端部にカールがある状態で
は、用紙搬送路の分岐部等で、ゲート部材の先端部に用
紙の先端部が引っ掛かるなどして、分岐の作用に影響を
与える。前述したような問題とは別に、カラー電子写真
複写機等の画像形成装置において、用紙を転写ドラムに
支持させる状態で、カラートナー画像を重ねて転写する
場合がある。前記転写ドラムに対して用紙を担持させる
際に、用紙の先端部がドラムの円弧の方向に湾曲してい
ると、用紙を転写ドラムの表面に静電的に付着させる作
用を良好に発揮させることができるという特性がある。
しかしながら、従来のカール修正装置を配置した電子写
真複写機等の装置では、用紙の先端部に対してのみカー
ルを付与したり、カールを修正するという作用を発揮さ
せることができないものであり、用紙のカールを有効に
利用することができないものである。そして、前述した
ように、用紙の先端部に対して選択的にカールを付与し
たり、除去したりすることができるようにする装置は、
従来の画像形成装置では考慮されていないものである。

【０００７】

【発明の目的】本発明は、前述したような従来の画像形
成装置におけるカール修正装置の問題を解消するもの
で、用紙搬送路の任意の位置に配置するカール修正装置
に対して、用紙の先端部にのみカールの付与または除去
手段を配置し、用紙に対して選択的にカール付与の作用
を行い得るようにする用紙の先端部カール修正装置を提
供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、画像形成装置
の用紙搬送路に対応させてカール修正装置を配置し、用
紙搬送路内で搬送される用紙の先端部に、カールを付与
する手段を構成している。本発明のカール修正装置は、
駆動ローラ部材に対してフィルム部材の先端部を固定
し、前記駆動ローラ部材に対してフィルム部材を巻き込
む状態で、駆動ローラ部材とフィルム部材の間に用紙の
先端部を挿入することにより、用紙の先端部を駆動ロー
ラ部材に沿わせる方向に湾曲する作用を行う装置として
構成している。また、本発明においては、前記カール修
正装置に配置する駆動ローラ部材に対して正逆方向に駆
動可能な駆動手段を配置するとともに、駆動ローラ部材
に端部を固定するフィルム部材に対して、後端部にスプ
リングによる付勢手段を配置し、フィルム部材を介して
用紙の先端部を駆動ローラ部材に巻き込む作用を行う際
に、スプリングにより押圧力を付与する手段を構成して
いる。さらに、本発明においては、画像形成装置の用紙
搬送路にカール修正装置に向ける分岐部を配置し、前記
分岐部の上流部に正逆駆動ローラを配置して、用紙を前
記分岐部と正逆駆動ローラを介してカール修正装置に向
けて案内し、先端部のカール付与の作用をした後で分岐
部を介して用紙搬送路に戻し、用紙の搬送作用を継続さ
せる手段を構成することができる。

【０００９】

【作用】前述したように、駆動ローラ部材に対してフィ
ルム部材を巻き付ける状態で駆動し、駆動ローラ部材と
フィルム部材の間に用紙の先端部を挿入する状態で、用
紙の先端部に対してのみ、所定の方向にカールを付与し
たり、カールを除去する作用を行うことができる。ま
た、本発明のカール修正装置は、用紙搬送路に対して、
分岐部を介してカール修正装置を接続し、用紙搬送路と
の分岐部に正逆駆動ローラを配置して、用紙の案内機構
を構成することができるもので、用紙の先端部に対する
処理を行う必要のある場合にのみ、カール修正装置に向
けて用紙を案内する手段を構成することができる。そし
て、本発明のカール修正装置では、駆動ローラ部材に巻
き付ける状態で、フィルム部材による押圧作用を付与
し、駆動ローラ部材の円弧面に沿わせたカールを形成す
る作用を行わせて、用紙の先端部に対して所定の方向に
カールを付与することができ、または、反対方向のカー
ルを修正する作用を行うことができる。

【００１０】

【実施例】図示される例にしたがって、本発明の用紙の
先端部カール修正装置を説明する。図１に示される本発
明のカール修正装置２０は、任意の径を有する駆動ロー
ラ部材２１を支軸２２により回転可能に設け、前記駆動
ローラ部材２１の円周部の一部に固定部２４を介してフ
ィルム部材２５の先端部を取り付けている。また、前記
フィルム部材２５の後端部と装置のフレームとの間に
は、スプリング２６を配置しており、前記スプリング２
６によりフィルム部材に対して所定の値の張力を付与す
る手段を構成している。なお、前記フィルム部材２５
は、駆動ローラ部材２１を正転方向に回転させることに
より、スプリング２６の力に反して駆動ローラ部材に巻
き付くように繰出されるものであり、そのために、ガイ
ド部材２７の下ガイド板２９に設けた開口２９ａから駆
動ローラ部材に向けて繰出されるように設けている。さ
らに、前記駆動ローラ部材に向けて用紙を案内するため
に、ガイド部材２７を配置しており、前記ガイド部材２
７は、上ガイド板２８と下ガイド板２９とを所定の間隔
を介して配置し、用紙を往復方向に案内する手段を構成
している。

【００１１】前記図１に示されたカール修正装置２０
は、図３の斜視図に示されるように構成されるもので、
駆動ローラ部材２１の支軸２２には、直接または間接的
に駆動するためのモータ２３を配置し、前記モータ２３
を正逆方向に駆動可能な装置として構成している。そし
て、前記駆動ローラ部材２１に対して用紙を巻き付け
て、駆動ローラ部材の円弧の方向と反対のカールを除去
するか、または、用紙の先端部にカールを付与する作用
を行う際には、前記モータ２３により駆動ローラ部材２
１を図２の時計方向に回転させて、用紙Ｐの先端部をフ
ィルム部材２５とともに駆動ローラ部材の周囲に巻き付
けるようにする。したがって、前記図２に示されるよう
に、駆動ローラ部材２１の表面に用紙を巻き付ける状態
では、用紙の外側に巻かれるフィルム部材２５に対し
て、スプリング２６により押圧作用が付与されるので、
用紙の先端部を強くローラ部材の表面に押圧する作用を
加えることができる。

【００１２】前記図２に示されるようにして、用紙を駆
動ローラ部材の表面に沿わせて巻いた後で、モータを逆
方向に駆動して駆動ローラ部材を反時計方向に回転させ
ると、用紙を押圧していたフィルム部材２５は、スプリ
ング２６により引かれる状態で、図１の状態にまで戻さ
れる。そのフィルム部材の戻りの動作に追従して、用紙
Ｐはガイド部材に沿って戻る方向に移動し、用紙の後端
部に対応する搬送ローラ装置により搬送される状態とな
る。したがって、例えば、前記カール修正装置の上流部
に配置するガイド部材２７に対して、ゲート部材と正逆
駆動ローラを配置して、用紙を正逆方向に搬送する手段
を構成する場合には、駆動ローラ部材に沿わせて用紙の
先端部をカールさせた後で、その用紙を正逆駆動ローラ
を介して次の工程に向けて給紙する機構を構成すること
ができる。なお、前記本発明のカール修正装置におい
て、フィルム部材として任意のプラスチック製のフィル
ム部材を用いることができるもので、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート（ＰＥＴ）製の薄いシート状のもの
を使用すると、繰り返して曲げ作用を加えた状態でも、
十分に耐久性を発揮させることができる。さらに、前記
フィルム部材としては、任意の弾性を有するシート状の
ものを使用することができるもので、駆動ローラ部材に
対して用紙を押圧するためのスプリングとしても、任意
の強さのものを使用することができる。

【００１３】前記図１に示される例とは別に、本発明の
カール修正装置は、図４に示されるように構成すること
もできる、前記図４に示されるカール修正装置２０ａに
おいては、駆動ローラ部材２１に対してフィルム部材２
５の先端部を固定部２４を介して取り付けている。しか
し、前記駆動ローラ部材２１に先端部を固定して取り付
けるフィルム部材２５は、スプリングによる引っ張り手
段を設けずに、フィルム部材自体の弾性により用紙を駆
動ローラ部材の表面に押圧する機能を持たせている。前
記フィルム部材２５としては、例えば、比較的厚いＰＥ
Ｔ等のプラスチック製のフィルム部材を用いるもので、
前記フィルム部材２５をガイド部材２７の下ガイド板２
９の上に摺動させる状態で配置している。

【００１４】したがって、前記図４のカール修正装置２
０ａを設ける場合には、先端部に対してカール処理を行
う用紙を、フィルム部材２５の上面に沿わせる状態でガ
イド部材２７内に挿入し、用紙Ｐの先端部がフィルム部
材の固定部２４に突き当たった位置で一旦停止させる。
そして、駆動ローラ部材２１を時計方向に駆動して、フ
ィルム部材により押圧しながら用紙を駆動ローラ部材に
巻き付けるようにして、用紙の先端部に対して駆動ロー
ラ部材の曲面に沿わせる状態のカールを形成する作用を
行い、その後で、駆動ローラ部材を逆転させてフィルム
部材２５とともに用紙を排出させるようにする。前述し
たようにして、用紙の先端部を駆動ローラ部材の曲面に
沿わせる状態で押圧する作用を加えることにより、用紙
の先端部が駆動ローラ部材の曲面と反対の方向にカール
しているものを修正して真っ直ぐにすることや、真っ直
ぐな用紙の先端部を駆動ローラ部材の表面に沿わせて湾
曲させる作用を任意に行うことができる。なお、前記図
１、または図４に示されるカール修正装置において、駆
動ローラ部材の回転方向を図示されるものと逆に設定
し、用紙の先端部に対するカールの方向を逆に設定する
手段を構成することもできる。

【００１５】前述したような構成を有するカール修正装
置は、例えば、図５の画像形成装置に対して装備するこ
とができるもので、前記図５に示される例では、画像形
成装置１の感光体ドラム２からの画像転写部の上流部
に、カール修正装置２０を配置する場合を示している。
前記画像形成装置においては、例えば、感光体ドラムの
上流部の用紙搬送路に対して、ゲート部材９を介してカ
ール修正装置２０を配置し、感光体ドラムからの画像転
写部で、用紙の先端部が感光体ドラムの表面に巻き付く
ことを防止する手段を構成している。また、前記図５に
示されるカール修正装置２０では、駆動ローラ部材２１
に対してフィルム部材２５と用紙Ｐを巻き付ける方向
を、図１の場合とは反対に設定しており、前記カール修
正装置により用紙の先端部に形成するカールの方向は、
感光体ドラム２の曲面と反対になる。したがって、前記
カール修正装置によりカールが付与された用紙は、感光
体ドラムの画像転写部を通過して剥離される際に、用紙
の先端部が若干浮いた状態となるので、剥離爪などによ
る剥離作用を容易に行うことができるものとなる。

【００１６】なお、前記図５に示される例では、感光体
ドラム２の周囲に電子写真方式を用いた画像形成機構を
配置するもので、現像装置３、転写コロトロン５およ
び、クリーニング装置４等を配置して、トナー画像を形
成する作用と、トナー画像を用紙に転写する作用等を行
わせる。また、前記感光体ドラムからトナー画像が転写
された用紙は、搬送装置６を用いて定着装置に向けて搬
送し、定着作用を行ってコピーを排出させるようにす
る。さらに、前記感光体ドラム２の上流部に配置するカ
ール修正装置２０に対しては、用紙搬送路に対してゲー
ト部材９を配置し、そのゲート部材の上流部に正逆駆動
ローラ８を設けている。

【００１７】前記用紙搬送路を介して送られてくる用紙
の先端部に対して湾曲作用を付与する際には、ゲート部
材９を介して用紙の先端部をカール修正装置２０に向け
て案内し、駆動ローラ部材２１に用紙の先端部を巻き付
ける状態で、カールを付与する。その後で、駆動ローラ
部材２１を逆方向に回転させるとともに、用紙の後端部
をニップしている正逆駆動ローラ８を逆転させ、用紙の
先端部がゲート部材９の位置よりも上流側に達した位置
で、用紙を戻す作用を停止する。そして、前記正逆駆動
ローラ８を正転方向に駆動し、用紙の先端部をレジスト
ローラ装置７のニップ位置に突き当てる状態で停止さ
せ、用紙に対してループを形成する状態で整合作用を付
与し、感光体ドラムに形成されるトナー画像の位置にタ
イミングを合わせて、レジストローラ装置７を駆動する
ことにより、用紙を感光体ドラムの画像転写部を通して
搬送し、トナー画像を転写させる動作を行うようにす
る。

【００１８】前述したように構成する画像形成装置にお
いては、例えば、片面コピー用紙の裏面にトナー画像を
転写する前に、用紙の先端部のカールを規定する時等に
も、カール修正装置の機能を有効に使用することができ
る。また、厚紙等を使用してコピーを作成する場合に、
用紙の先端部を所定の方向に湾曲させることにより、感
光体ドラムに用紙が巻き付いたり、剥離不良が発生した
りすることを防止する処理を施すことができる。したが
って、前記図５に示される画像形成装置では、感光体ド
ラムに向けて用紙を案内する経路に対して、分岐部を介
してカール修正装置を配置することによって、用紙の先
端部に対する曲げ処理を行うことができる。

【００１９】前記図５の例とは別に、本発明のカール修
正装置は、図６に示されるようなカラー電子写真複写機
に対しても配置することができる。前記図６に示される
カラー電子写真複写機１０は、用紙を転写ドラム１３に
対して静電的に保持させながら、感光体ドラム１１に形
成したカラートナー画像を、用紙に重ねて転写する方式
を用いている。また、前記感光体ドラム１１に対応させ
て配置する現像装置１２は、黒、イエロー、マゼンダ、
および、シアンの４色のトナーをそれぞれ収容する現像
器を設けており、それ等の４色の現像器の１つづつを感
光体ドラムに対応する位置に位置決めして、カラートナ
ー画像を感光体ドラムに形成する。そして、感光体ドラ
ムに形成したカラートナー画像を、転写ドラムに担持さ
せて用紙に対してそのトナー画像を形成する都度転写す
る方式を用いている。

【００２０】前述したような転写ドラムに対して用紙を
担持させる方式の装置では、用紙の先端部が転写ドラム
の曲面に一致する方向に湾曲していると、用紙を静電的
に付着保持させる作用を良好に発揮させることができ
る。そこで、前記図６の装置では、給紙トレイ１５から
転写ドラム１３に向けて用紙を送り出す経路の途中に、
用紙の先端部にカールを付与するためのカール修正装置
２０を配置している。前記カール修正装置２０では、用
紙の先端部を転写ドラムの曲面に対応させて湾曲させる
ために、駆動ローラ部材２１を反時計方向に回転させ
て、フィルム部材２５により押圧する方式を用いてい
る。そして、用紙搬送路に配置するゲート部材１８によ
りカール修正装置２０に向けて用紙を案内する手段を構
成し、正逆駆動ローラ１６を介してカール修正装置に向
けて用紙の先端部を出し入れし、用紙の先端部にカール
を付与した状態で、転写ドラム１３に巻き付けるように
して保持させる。

【００２１】なお、本発明のカール修正装置において
は、用紙の先端部に上向きのカールを付与する場合に
は、前記図４に示されるような装置を構成することがで
き、用紙の先端部に下向きのカールを付与する際には、
図１のような装置を用いることができる。また、用紙の
先端部に形成するカールの強さ等は、フィルム部材を押
圧するスプリングの強さにより設定することができるも
のであり、用紙の先端部に軽くカールを付与する状態で
は、図４のように、フィルム部材のみを用いて、スプリ
ングによる押圧作用を付与しない装置を構成することが
できる。さらに、本発明のフィルム部材としては、ＰＥ
Ｔフィルム部材以外にも、任意のプラスチック製のフィ
ルム部材を用いることができるもので、弾力性と耐久性
を備えたフィルム部材であれば、その材料は特に限定さ
れるものではない。

【００２２】そして、本発明のカール修正装置を配置す
ることは、例えば、厚紙等を用いてコピーを作成する場
合等に特に有効に使用されるもので、用紙の先端部が転
写ドラムに対して密着保持させたりする際、および、図
５のように、用紙の先端部を感光体ドラムから離間させ
るようにして給紙する場合にも、用紙の搬送作用を良好
な状態で行うことができる。さらに、片面コピー用紙の
裏面に画像を転写する場合等に、用紙の先端部が転写ド
ラムの曲面に対して反対の方向に湾曲しているような状
態を修正し、用紙の先端部をドラムの表面に密着させて
静電的に保持させる作用を有効な状態で行わせることが
できる。

【００２３】

【発明の効果】本発明の用紙の先端部カール修正装置
は、前述したように構成してカール修正装置を用いるも
のであり、駆動ローラ部材に対してフィルム部材を巻き
付ける状態で駆動し、駆動ローラ部材とフィルム部材の
間に用紙の先端部を挿入する状態で、用紙の先端部に対
してのみ、所定の方向にカールを付与したり、カールを
除去する作用を行うことができる。また、本発明のカー
ル修正装置は、用紙搬送路に対して分岐部を介してカー
ル修正装置を接続し、用紙搬送路との分岐部に正逆駆動
ローラを配置して、用紙の案内機構を構成することがで
きるもので、用紙の先端部に対する処理を行う必要のあ
る場合にのみ、カール修正装置に向けて用紙を案内する
手段を構成することができる。そして、本発明のカール
修正装置では、駆動ローラ部材に巻き付ける状態で、フ
ィルム部材による押圧作用を付与し、駆動ローラ部材の
円弧面に沿わせたカールを形成する作用を行わせて、用
紙の先端部に対して所定の方向にカールを付与すること
ができ、または、反対方向のカールを修正する作用を行
うことができる。したがって、本考案のカール修正装置
は、厚紙やカールを生じている用紙に対して、搬送の途
中で、好ましくない方向のカールを修正して、その後の
用紙の取扱いを容易に行い得るようにすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のカール修正装置の構成を示す説明図
である。

【図２】 カール修正装置により用紙の先端部にカール
を付与する状態の説明図である。

【図３】 図１のカール修正装置の斜視図である。

【図４】 本発明のカール修正装置の第２の実施例の説
明図である。

【図５】 本発明のカール修正装置を装備する画像形成
装置の構成を示す説明図である。

【図６】 本発明のカール修正装置を装備する画像形成
装置の別の実施例の構成を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 画像形成装置、 ２ 感光体ドラム、 ７
レジストローラ装置、８ 正逆駆動ローラ、 ９
ゲート部材、１０ カラー電子写真複写機、 １３
転写ドラム、２０ カール修正装置、 ２１ 駆
動ローラ部材、 ２３ モータ、２５ フィルム部
材、 ２６ スプリング、 ２７ ガイド部材。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像形成装置の用紙搬送路に対応させて
   カール修正装置を配置し、用紙搬送路内で搬送される用
   紙の先端部に、カールを付与する手段を構成し、 前記カール修正装置は、駆動ローラ部材に対してフィル
   ム部材の先端部を固定し、前記駆動ローラ部材に対して
   フィルム部材を巻き込む状態で、駆動ローラ部材とフィ
   ルム部材の間に用紙の先端部を挿入することにより、用
   紙の先端部を駆動ローラ部材に沿わせる方向に湾曲する
   作用を行う装置として構成することを特徴とする用紙の
   先端部カール修正装置。
2. 【請求項２】 前記カール修正装置に配置する駆動ロー
   ラ部材に対して正逆方向に駆動可能な駆動手段を配置す
   るとともに、 駆動ローラ部材に端部を固定するフィルム部材に対し
   て、後端部にスプリングによる付勢手段を配置し、フィ
   ルム部材を介して用紙の先端部を駆動ローラ部材に巻き
   込む作用を行う際に、スプリングにより押圧力を付与す
   る手段を構成することを特徴とする請求項１に記載の用
   紙の先端部カール修正装置。
3. 【請求項３】 画像形成装置の用紙搬送路にカール修正
   装置に向ける分岐部を配置し、前記分岐部の上流部に正
   逆駆動ローラを配置して、 用紙を前記分岐部と正逆駆動ローラを介してカール修正
   装置に向けて案内し、先端部のカール付与の作用をした
   後で分岐部を介して用紙搬送路に戻し、用紙の搬送作用
   を継続させる手段を構成することを特徴とする請求項１
   または２に記載の用紙の先端部カール修正装置。