JPH0826528B2 - 既設港湾構造物の耐震補強工法 - Google Patents
既設港湾構造物の耐震補強工法Info
- Publication number
- JPH0826528B2 JPH0826528B2 JP61186273A JP18627386A JPH0826528B2 JP H0826528 B2 JPH0826528 B2 JP H0826528B2 JP 61186273 A JP61186273 A JP 61186273A JP 18627386 A JP18627386 A JP 18627386A JP H0826528 B2 JPH0826528 B2 JP H0826528B2
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- Japan
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- ground
- shaped body
- earthquake
- seismic retrofitting
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- Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、地震時に液状化する可能性のある砂質地盤
上にある既設港湾構造物を耐震補強する工法に関するも
のである。
上にある既設港湾構造物を耐震補強する工法に関するも
のである。
(ロ) 従来技術 一般に、水分を多く含む砂質地盤に地震外力が加えら
れたとき、砂質地盤があたかも液体としての性状を呈す
る液状化現象が起ることは広く知られている。この現象
は、砂質地盤の局部せん断変形により砂粒子間の水圧が
急増し、水流を生じ、それに伴い砂粒子の流動が生じる
ことによつて起るものである。
れたとき、砂質地盤があたかも液体としての性状を呈す
る液状化現象が起ることは広く知られている。この現象
は、砂質地盤の局部せん断変形により砂粒子間の水圧が
急増し、水流を生じ、それに伴い砂粒子の流動が生じる
ことによつて起るものである。
このような地震時に液状化する可能性のある砂質地盤
上に施工される港湾構造物としては、海岸等の岸壁・護
岸等がある。このような地盤上にある既設港湾構造物に
対する従来の耐震補強工法の代表例を第2図(A)およ
び(B)に示す。
上に施工される港湾構造物としては、海岸等の岸壁・護
岸等がある。このような地盤上にある既設港湾構造物に
対する従来の耐震補強工法の代表例を第2図(A)およ
び(B)に示す。
第2図(A)は、港湾構造物の1つであるケーソン構
造物による護岸の一例の横断面図である。支持地盤1上
には、地震時に液状化する可能性のある砂質地盤2があ
る。砂質地盤2上に捨石マウンド3が設けられ、その上
に海中30に面してケーソン4が置かれ、その内に砂、石
等が詰め込まれ、水面と反対側に裏込め土砂5が盛られ
て護岸が形成される。
造物による護岸の一例の横断面図である。支持地盤1上
には、地震時に液状化する可能性のある砂質地盤2があ
る。砂質地盤2上に捨石マウンド3が設けられ、その上
に海中30に面してケーソン4が置かれ、その内に砂、石
等が詰め込まれ、水面と反対側に裏込め土砂5が盛られ
て護岸が形成される。
以下、説明の便宜上、土砂等を詰め込んだケーソン4
および捨石マウンド3等を含めて、ケーソン構造物40と
呼ぶ。
および捨石マウンド3等を含めて、ケーソン構造物40と
呼ぶ。
第2図(B)は、矢板による岸壁の一例の横断面図で
ある。支持地盤1上には、地震時に液状化する可能性の
ある砂質地盤2がある。海中3Cに鋼矢板または鋼管矢板
等の矢板9が支持地盤1まで根入れされ、水面と反対側
に裏込め土砂5が盛られ、その上にコンクリート等の舗
装4が施されて、岸壁40′が形成される。
ある。支持地盤1上には、地震時に液状化する可能性の
ある砂質地盤2がある。海中3Cに鋼矢板または鋼管矢板
等の矢板9が支持地盤1まで根入れされ、水面と反対側
に裏込め土砂5が盛られ、その上にコンクリート等の舗
装4が施されて、岸壁40′が形成される。
以下、説明の便宜上、矢板9、裏込め土砂5、舗装41
等を含めて、岸壁40′という。
等を含めて、岸壁40′という。
耐震補強設計にさいしては、地震時の「すべり面」6
が設定される。砂質地盤2では、地震時に液状化する可
能性があるのですべり力に対する抵抗は期待できない。
裏込め土砂5の範囲のみが抵抗力の期待ができるが、そ
れだけでは不十分である。
が設定される。砂質地盤2では、地震時に液状化する可
能性があるのですべり力に対する抵抗は期待できない。
裏込め土砂5の範囲のみが抵抗力の期待ができるが、そ
れだけでは不十分である。
そのために従来の耐震補強工法ではケーソン4または
矢板9の前面側(海側)に、砕石、砂等による改良地盤
7を設ける。改良地盤7により、地震時には、砂質地盤
2の過剰間隙水圧を抜けさせる余地地盤8の生成を期待
する。改良範囲をL、余効範囲をlとすれば、L+lの
範囲が地震時のすべり力に抵抗できることになる。そこ
で、すべり力と抵抗力とが等しくなるように、Lの範囲
を決定する。
矢板9の前面側(海側)に、砕石、砂等による改良地盤
7を設ける。改良地盤7により、地震時には、砂質地盤
2の過剰間隙水圧を抜けさせる余地地盤8の生成を期待
する。改良範囲をL、余効範囲をlとすれば、L+lの
範囲が地震時のすべり力に抵抗できることになる。そこ
で、すべり力と抵抗力とが等しくなるように、Lの範囲
を決定する。
しかし、Lの範囲は使用する材料によつては長いもの
が必要となり、また、lの範囲も不明な点が多く、置換
の方法によつては特定できない。
が必要となり、また、lの範囲も不明な点が多く、置換
の方法によつては特定できない。
その他、液状化防止工法として、従来から種々の提案
がなされてきたが、施工法、経済性の点で一長一短があ
り、効果については、定量的に把握されていないものが
多い。
がなされてきたが、施工法、経済性の点で一長一短があ
り、効果については、定量的に把握されていないものが
多い。
(ハ) 発明が解決しようとする問題点 本発明が解決しようとする問題点は、既設港湾構造物
を支持する地盤に対して、地震時の液状化防止およびす
べり防止を図ることができる簡便な耐震補強工法を得る
ことにある。
を支持する地盤に対して、地震時の液状化防止およびす
べり防止を図ることができる簡便な耐震補強工法を得る
ことにある。
(ニ) 問題点を解決するための手段 本発明の耐震補強工法は、両側面に多数の小孔を設け
た偏平な箱状体を継手をかいして一直線状に連結した状
態で、既設港湾構造物周辺の地すべり方向側の海底の地
盤に根入れすること、該箱状体の中間部を地震時に液状
化の可能性のある砂質地盤に位置させること、該箱状体
の上端を海中に突出させること、該箱状体の下端を海底
の支持地盤に食い込むように根入れすることによって、
上記問題点を解決している。
た偏平な箱状体を継手をかいして一直線状に連結した状
態で、既設港湾構造物周辺の地すべり方向側の海底の地
盤に根入れすること、該箱状体の中間部を地震時に液状
化の可能性のある砂質地盤に位置させること、該箱状体
の上端を海中に突出させること、該箱状体の下端を海底
の支持地盤に食い込むように根入れすることによって、
上記問題点を解決している。
(ホ) 実施例 図面を参照して、本発明の耐震補強工法の具体的実施
例について説明する。
例について説明する。
第1図に示すケーソン構造物40による護岸の設置状況
は、第2図に示す護岸の設置状況と同じである。したが
つて、同一参照番号は、同一のものを示す。
は、第2図に示す護岸の設置状況と同じである。したが
つて、同一参照番号は、同一のものを示す。
本発明の工法においては、まず、第3図または第4図
に示すような偏平な箱状体10を準備する。箱状体10は平
行に一定の間隔をあけた1対の鋼板11を両端で継手12で
相互に連結したものからできている。鋼板11には多数の
小孔が設けられている。小孔の形状は任意のものでよい
が、応力集中、加工難易の観点から円形のものが好まし
い。小孔の大きさは砂の平均粒径の5〜10倍程度また、
その開孔率(全孔面積/孔のある部位の全表面積)は3
〜8%が好ましい。
に示すような偏平な箱状体10を準備する。箱状体10は平
行に一定の間隔をあけた1対の鋼板11を両端で継手12で
相互に連結したものからできている。鋼板11には多数の
小孔が設けられている。小孔の形状は任意のものでよい
が、応力集中、加工難易の観点から円形のものが好まし
い。小孔の大きさは砂の平均粒径の5〜10倍程度また、
その開孔率(全孔面積/孔のある部位の全表面積)は3
〜8%が好ましい。
箱状体10の内部には、ロツクウール、玉砂利、砕石等
の透水材を充填する。この透水材は、小孔から箱状体10
内に土砂が進入し、機能低下するのを防止するととも
に、浸入した水を流通させる機能をもつている。
の透水材を充填する。この透水材は、小孔から箱状体10
内に土砂が進入し、機能低下するのを防止するととも
に、浸入した水を流通させる機能をもつている。
第3図に示す箱状体10は、所定間隔でリブ13が設けら
れていて、箱状体10を補強する。この場合の箱状体10に
は雄雌の継手12(第5図)が設けられていて、互いに一
直線上に連結される。
れていて、箱状体10を補強する。この場合の箱状体10に
は雄雌の継手12(第5図)が設けられていて、互いに一
直線上に連結される。
第4図に示す箱状体10は、H形の継手12(第6図)に
よつて鋼板11を順次一直線上に連結したものである。
よつて鋼板11を順次一直線上に連結したものである。
このようにして構成された箱状体10を継手12をかいし
て一直線状に連結した状態で既設ケーソン構造物付近で
地すべり方向側(海側)の地盤に根入れする。この根入
れは、第7図に示すように、慣用のバイブロハンマ20に
よつて行う。
て一直線状に連結した状態で既設ケーソン構造物付近で
地すべり方向側(海側)の地盤に根入れする。この根入
れは、第7図に示すように、慣用のバイブロハンマ20に
よつて行う。
箱状体10は、その中間部が地震時に液状化する可能性
のある砂質地盤2に定置され、その先端が支持地盤1に
食い込むように根入れをする。箱状体10の上端は砂質地
盤2から突出して海中に露出される。
のある砂質地盤2に定置され、その先端が支持地盤1に
食い込むように根入れをする。箱状体10の上端は砂質地
盤2から突出して海中に露出される。
(ヘ) 作用 本発明の耐震補強工法の作用について説明する。第1
図に示すように、箱状体10が砂質地盤2を貫通して支持
地盤1まで根入れされているので、すべり面6に対する
すべり抵抗を発生している。
図に示すように、箱状体10が砂質地盤2を貫通して支持
地盤1まで根入れされているので、すべり面6に対する
すべり抵抗を発生している。
さらに、箱状体10の中間部に設けた小孔が、地震時に
砂質地盤2に生じた過剰間隙水圧を吸収し、箱状体10の
上端から海中に排出する。このようにして、砂質地盤2
は、箱状体10の付近のL′範囲の液状化を防止する。
砂質地盤2に生じた過剰間隙水圧を吸収し、箱状体10の
上端から海中に排出する。このようにして、砂質地盤2
は、箱状体10の付近のL′範囲の液状化を防止する。
第1図は本発明の工法の概略説明図。第2図は従来の工
法の概略説明図。第3図は本発明の工法に用いる箱状体
の一実施例の斜視図。第4図は箱状体の別の実施例の斜
視図。第5図は第3図の部分縦断面図。第6図は第4図
の部分縦断面図。第7図はバイブロハンマによる箱状体
の打設方法を示す説明図。 1:支持支盤、2:砂質地盤 3:捨石マウンド、4:ケーソン 5:裏込め土砂、40:ケーソン構造物 7:改良地盤、6:すべり面 9:矢板、8:余効地盤 10:箱状体、40′:岸壁 12:継手、11:鋼板 30:海中、20:バイブロハンマ 41:舗装
法の概略説明図。第3図は本発明の工法に用いる箱状体
の一実施例の斜視図。第4図は箱状体の別の実施例の斜
視図。第5図は第3図の部分縦断面図。第6図は第4図
の部分縦断面図。第7図はバイブロハンマによる箱状体
の打設方法を示す説明図。 1:支持支盤、2:砂質地盤 3:捨石マウンド、4:ケーソン 5:裏込め土砂、40:ケーソン構造物 7:改良地盤、6:すべり面 9:矢板、8:余効地盤 10:箱状体、40′:岸壁 12:継手、11:鋼板 30:海中、20:バイブロハンマ 41:舗装
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 毅 兵庫県尼崎市西長洲本通1丁目3番地 住 友金属工業株式会社総合技術研究所内 (72)発明者 喜田 浩 兵庫県尼崎市西長洲本通1丁目3番地 住 友金属工業株式会社総合技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−535(JP,A) 特開 昭63−7411(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】両側面に多数の小孔を設けた偏平な箱状体
を継手をかいして一直線状に連結した状態で、既設港湾
構造物周辺の地すべり方向側の海底の地盤に根入れする
こと、該箱状体の中間部を地震時に液状化の可能性のあ
る砂質地盤に位置させること、該箱状体の上端を海中に
突出させること、該箱状体の下端を海底の支持地盤に食
い込むように根入れすることからなる既設港湾構造物の
耐震補強工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61186273A JPH0826528B2 (ja) | 1986-08-08 | 1986-08-08 | 既設港湾構造物の耐震補強工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61186273A JPH0826528B2 (ja) | 1986-08-08 | 1986-08-08 | 既設港湾構造物の耐震補強工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6344006A JPS6344006A (ja) | 1988-02-25 |
JPH0826528B2 true JPH0826528B2 (ja) | 1996-03-13 |
Family
ID=16185410
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61186273A Expired - Fee Related JPH0826528B2 (ja) | 1986-08-08 | 1986-08-08 | 既設港湾構造物の耐震補強工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0826528B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4958064B2 (ja) * | 2006-08-09 | 2012-06-20 | 株式会社大林組 | 岸壁の耐震補強構造 |
EP2642031B1 (de) * | 2012-03-22 | 2019-07-10 | Keller Holding GmbH | Verfahren zum herstellen einer abschirmanordnung zum abschirmen von erschütterungen im boden sowie vorrichtung hierfür |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54152505U (ja) * | 1978-04-14 | 1979-10-23 |
-
1986
- 1986-08-08 JP JP61186273A patent/JPH0826528B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6344006A (ja) | 1988-02-25 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |