JPH0826403A - 厨芥等の処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ランニングコストの安価な薄いチューブを使用
しても高いシール性が得られ、且つ一般家庭用の機器と
して誤った使用に対しても重大な事故に至らない安全性
の高い厨芥包装処理装置を提供する。 【構成】厨芥を投入した合成樹脂製チューブの開口部を
シールする処理装置において、シール手段を厨芥を収容
したチューブの開口部をシールする上シールヒータと，
次に厨芥を収容するためチューブの底部をシールするた
めの底シールヒータと，前記２つのヒータの間に位置し
チューブを切断するための切断ヒータとから構成した。
更に、厨芥の過充填を検知し警報するようにした。 【効果】本発明によれば、シールがより完全になり、パ
ックされた厨芥から異臭が発生することがなく極めて衛
生的である。さらに、過充填のままでシール動作を行う
不都合がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、台所等で生じる残飯，
野菜屑，お茶がら等の厨芥をビニール樹脂等の気密性の
高いシートで密封し、腐敗の進行を遅らせるとともに、
異臭の発生を防止した厨芥等の包装処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般家庭で発生する厨芥は、人為的にビ
ニール袋に収容し、開口部を結び閉鎖した後所定のゴミ
回収日に廃棄処理していたが、ビニール袋に収容した厨
芥が腐敗し異臭を発生するなどして、非衛生的であっ
た。

【０００３】この欠点を解消するため、特開昭52−1007
63号公報では、粉砕処理した厨芥を有底のビニールチュ
ーブに収容し、内部の空気を抜いた後に開口部を熱シー
ルする包装処理装置を提案している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来公知の包装処理装
置にあっては、開口部の熱シールとチューブの切断とを
同一のヒータで行っているためシールが必ずしも完全で
はなく、内部に発生した腐敗臭が外部に漏れるという問
題があった。特にビニールチューブの内面は厨芥を挿入
する際異物が付着しやすく切断とシールとを同時に行う
と完全な熱接着が出来にくく微小な隙間が残るという問
題があった。

【０００５】ビニールチューブの厚さを厚くしてシール
に充分な時間をかけることにより、シール性はある程度
改善されるが、ビニールチューブは厨芥と一緒に廃棄さ
れるものであるから出来るかぎり安価で、且つゴミ焼却
炉に対しても悪影響の少ないものでなければならない。

【０００６】また従来技術では、処理装置に１回に処理
できる量を超えて厨芥が投入された場合シールを行う部
分にまで厨芥が詰り、シールが不能となるおそれがあ
る。

【０００７】家庭用の機器としては、操作者が誤って大
量の厨芥を投入してもそれが大きな問題にならない安全
対策を講じておかなければならない。

【０００８】本発明の目的は、従来技術の欠点を除去す
るものであり、ランニングコストの安価な薄いチューブ
を使用しても高いシール性が得られる厨芥包装処理装置
を提供することにある。

【０００９】更に、他の目的は、一般家庭用の機器とし
て誤った使用に対しても重大な事故に至らない安全性の
高い厨芥包装処理装置を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的は、シール手段
を被包装物を収容したチューブの開口部をシールする上
シールヒータと，次に被包装物を収容するためチューブ
の底部をシールするための下シールヒータと，前記２つ
のヒータの間に位置しチューブを切断するための切断ヒ
ータとより構成することにより達成される。

【００１１】更に他の目的は、チューブ内に投入された
厨芥が過剰であることを検知するセンサを設け、警報信
号を発することにより達成される。

【００１２】

【作用】シールヒータと切断ヒータとに分離することに
よりシールヒータの温度を接着に最適の温度に設定で
き、またシールヒータによる接着部の他に切断ヒータに
より切断によっても切断部が溶着し、二重にシールがで
きるので高いシール性が得られる。

【００１３】更に、厨芥の過充填を検知してこれを警報
するので過充填のままでシール動作を行ってシール部か
ら厨芥が洩れて装置内に厨芥が溢れるといった事故を未
然に防止できる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明をその一実施例を示す添付図面
に基づいて説明する。

【００１５】図において、１は処理装置本体で鋼板を箱
形に成形して構成され、上面にはヒンジ３により開閉す
る蓋２が設けられる。蓋２を開くと上方にはステンレス
鋼板を漏斗状に成形して構成した投入ガイド１０が本体
に着脱自在に設けられる。

【００１６】本体１の上面板４は、投入ガイド１０の位
置決めをするための突起８と段部６とストッカー２０を
保持する筒状部７を備えている。突起８には投入ガイド
１０に周囲に形成し逆Ｕ字状のリブ１１が嵌合する。

【００１７】投入ガイド１０は耐食性のあるステンレス
鋼板をプレス加工して構成し下端には、表面を抗箘処理
した可撓性のスカート部１２を有する。このスカート部
１２は、厨芥をチューブ２１の中央部に落下させる案内
をなす。

【００１８】ストッカー２０は、フランジ部２２を有す
る厚紙筒２３の外周にポリエチレンチューブ２１を蛇腹
状に折り込んだものから構成される。チューブ２１の上
端は、フランジ部２２に接着され下端は下方に垂下し、
後述のシール手段にて接着されて底部を形成している。

【００１９】上面板４の段部６の裏側には、一対のヒン
ジ金具１６がネジ止めされアーム１８を回転自在に支持
している。

【００２０】アーム１８は、下端にプッシャー１９ピン
２５を介して支持し、常時はリターンバネ２６によりプ
ッシャー１９がヒータ架台５０から離れた位置にある。
アーム１８の下端近傍にワイヤー４１がナジにより連結
され、ワイヤー４１の他端は、ディスク４２の偏心ピン
４３に接続される。

【００２１】モータ４６は減速歯車を介してディスク４
２を駆動し、アームを図２の実線出示す終端位置１８と
左方向に変位した始端位置１８ａの間を移動させる。

【００２２】ディスク４２には、図示を省略したが、ア
ーム１８の始端と終端の位置に相当したピン４３が水平
方向にあるときそれぞれの位置を検知するストローク始
端および終端スイッチを備えている。

【００２３】ヒータ架台５０は、本体１に固定され上下
に間隔を保って水平方向に伸びた３本のヒータ５１，５
２，５３を保持している。ヒータ５１および５３は、シ
ールのためのヒータであり、底シールヒータ５１はポリ
エチレンチューブ２１の底を作るための接着を行い、上
シールヒータ５３は、厨芥を挿入した後その開口をシー
ルするためのものである。

【００２４】切断ヒータ５２は、ヒータ５１と５３との
間に位置し、厨芥を内部にいれ、開口部をシールしたも
のをチューブから切り離すものである。

【００２５】使用されるチューブの材質によりヒータの
温度は調整されるが、ポロエチレンの場合、ヒータ５１
および５３は１２０〜１６０℃に切断ヒータ５２は、約
200℃に調整される。

【００２６】これらヒータの近傍に温度センサー７１が
埋め込まれており、ヒータの温度が設定値を大幅に超え
て上昇したとき、警報を発するとともに、電源を切断す
る。プッシャー１９の押圧面には、チューブを一様な圧
力でヒータに押し付けるように耐熱ゴムからなる弾性体
２８が貼り付けられている。前記ヒータとプッシャーに
よってシール手段が構成される。

【００２７】本体前面の上方には、操作パネル６０が設
けられ、電源スイッチ６１，スタートスイッチ６２，各
種表示灯，ブザー６３等が設けられる。

【００２８】本体１の下方に厨芥を封入した袋が１個な
いしは２収納できる収納室１００が設けられ、袋は、ド
ア１０１を開いて外部に取りだされる。１０３は、段部
６の裏側に設けたストッカーセットスイッチであり、ス
トッカー２０を本体に装着するとフランジ部２２により
スイッチが作動する。

【００２９】１０５は、制御ボックスであり、内部に
は、図３に示すように制御を司るマイクロコンピュータ
（マイコン）１１０，駆動回路１１１，電源回路１１２
等が収納されている。

【００３０】図３は、制御回路を示し、家庭用電源に接
続されるコンセント７９からマイコン用の電源回路１１
２を経てマイコン１１０へ直流電源が印加される。マイ
コン１１０には、入力回路として各種スイッチ類からの
信号と温度センサー７１からの信号が取り込まれる。マ
イコンは、表示機能として操作パネル６０に設けた各種
表示灯を点灯させると共に駆動回路１１１を介してモー
タ４６，ヒータ５１，５２，５３を制御する。駆動回路
１１１とコンセント７９との間には、電源スイッチ６１
により作動する電源リレー６１ａと蓋２の開閉に連動す
る蓋スイッチ７５とが挿入されている。

【００３１】入力回路のストローク始端および終端スイ
ッチは７３および７４は、図２に示すようにアーム１８
の始端と終端の位置を検知して接点を閉じるように構成
されている。

【００３２】また、７６は、図２に示す収納室１００の
底面に配設したトレイ１０２の下部に設けたシール完袋
検知スイッチであり、トレイ１０２上に厨芥を封入した
袋があるかどうかを検知して信号を発する。

【００３３】図４ないし図６は、動作フローを示し、図
４のスタートから電源スイッチ６１をＯＮすると電源表
示灯６５が点灯する。投入ガイド１０内に厨芥を投入し
てスタートスイッチをＯＮする（ステップ２０１〜２０
３）。

【００３４】次に、ステップ２０４でストッカー２０が
セットされているかどうかをストッカーセットスイッチ
１０３の信号で確認し、セットされていないとステップ
205でストッカー無し表示灯６８を点灯するとともにブ
ザー６３を鳴らす。セットされていれば、ステップ２０
６でシール完袋検知スイッチ７６の信号により袋の有無
を判断し、袋があればシール袋満杯灯６７を点灯すると
ともにブザー６３を鳴らして異常を報知する。

【００３５】袋が無ければステップ２０８でアーム１８
がストローク始端位置にあるかどうかを判定し始端位置
にあればモータ４６を正転してアーム１８を終点位置ま
で移動させる。モータ正転から所定時間経過しても終点
位置に至らない場合は厨芥が過充填されているためであ
り、ステップ２２０で過充填表示灯６６を点灯しブザー
６３で警報を発する。そしてモータを逆転させてアーム
を始端位置に戻しモータを停止させる。

【００３６】アーム１８が終端位置に至れば所定時間ヒ
ータに通電し、チューブの開口部のシールと底部のシー
ルとを行う（ステップ２１２〜２１４）。

【００３７】所定時間の通電が完了すると、図５に移り
モータを逆転させ、アームを始端位置に戻しモータ停
止，スタートボタンをリッセトし、電源スイッチをＯＦ
Ｆして全ての動作が完了する。

【００３８】図６は、ヒータの温度監視のフローを示し
ており、図４，図５のタスクと交互に起動され、温度セ
ンサー７１の信号を取り込み設定値以上になると温度以
上表示灯６９を点灯する（ステップ２３０〜２３２）。

【００３９】図７は、表示パネルの正面図であり、各種
表示等および電源スイッチ，スタートボタンが設けられ
ている。

【００４０】以上説明したシール動作において、図２に
示すようにプッシャー１９がチューブ２１をヒータ架台
５０との間に挾み込んで、３本の間隔を隔てたヒータに
より、シールおよび切断を行うのでチューブのシール状
況は、図８に見られる如く幅広の一次シール２１ａと切
断部に形成された二次シール２１ｂとの二重のシールと
なり気密は完全である。

【００４１】また、シール動作中、過充填により、ブザ
ーが鳴ったときは、ドア１０１を開いて手動にてチュー
ブを下方に送り、ヒータ架台５０とプッシャー１９に挾
まれる部分に厨芥が存在しないようにしてシール動作を
行えば正常なシールが可能となる。

【００４２】また、１回のシール動作で厨芥を挿入した
チューブの開口のシールとチューブの底を形成する底シ
ールとが同時に行えるので処理時間が短縮できる。

【００４３】図９は、処理装置の使用状態を示し、台所
のシンクの厨芥バスケット３２や三角コーナの厨芥溜め
３３に集積された厨芥を投入ガイド１０から本体１に投
入し処理すれば、ポリエチレンシートで完全パックされ
た取扱安い厨芥パック２１ｃを得ることができる。

【００４４】図１０は、ストッカー２０の他の実施例を
示し、厚紙筒２３の下端をアームの動きをよりスムーズ
にさせるため、斜めにカットしチューブ２１の底シール
21ｅを行うときチューブの左側の面に張力が作用しない
ようにしている。

【００４５】更に、厚紙筒２３の下端外周にスポンジ２
３ａを貼り付けてストッカーに収容されているチューブ
が一度に下方に落下するのを防止している。

【００４６】図１１は、他の実施例を示す処理装置の縦
断面図であり、プッシャー１９とヒータ架台５０とに過
充填センサ５５と、収容室１００の底部に傾斜を持った
トレイ１０２ａを設けたものである。

【００４７】過充填センサ５５は、プッシャー１９の下
方にこれと一体に移動する押圧子５５ａと押圧子５５ａ
を支持する弱いバネ５５ｂと押圧子５５ａに対抗して架
台５０側に固定したマイクロスイッチ５５ｃから構成さ
れる。押圧子５５ａは、アームが終端位置に変位したと
きチューブ２１を変形させてスイッチ５５ｃを動作させ
る。

【００４８】もし、チューブ内に過剰に厨芥が投入され
ているとチューブの変形抵抗が大きいためバネ５５ｂが
撓みスイッチ５５ｃを動作させることができない。この
実施例では、アーム１８が終端近くに移動した際スイッ
チ５５ｃが動作しないと、過充填と判定し、過充填表示
灯を点灯する。

【００４９】収容室１００の底部のトレイ１０２ａは、
傾斜を持ってるので厨芥パック21ｃは、傾斜に沿って奥
の方に移動して図示のように厨芥パックを２個収納でき
る。この場合は、パックされた２個あるときにシール完
袋満杯の表示を行うようにすれば良い。

【００５０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
シールのためのヒータと切断のためのヒータとを分離し
たので、シールがより完全になり、パックされた厨芥か
らの異臭の洩れが少なくなり極めて衛生的である。

【００５１】さらに、厨芥の過充填を検知して警報する
ようにしたので、過充填のままでシール動作を行う不都
合がなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施した厨芥処理装置の縦断面正面
図。

【図２】同じく縦断面側面図。

【図３】制御回路図。

【図４】シール動作のフロー図。

【図５】シール動作のフロー図。

【図６】温度監視のフロー図。

【図７】表示パネルに正面図。

【図８】チューブのシール状況を示す図。

【図９】使用状態の斜面図。

【図１０】ストッカーの他の実施例を示す側面図。

【図１１】他の実施例を示す縦断面側面図。

【符号の説明】

１０…投入ガイド、１８…アーム、１９…プッシャー、
２０…ストッカー、５０…ヒータ架台、５１…底シール
ヒータ、５２…切断ヒータ、５３…上シールヒータ、５
５…過充填センサ、７１…温度センサー。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】処理装置本体に厨芥等の被包装物を受け入
   れる投入部と，前記投入部からの被包装物を収容する合
   成樹脂製チューブと，前記チューブの開口部をシールす
   る手段とを備えた厨芥等の処理装置において、 前記シール手段は被包装物を収容したチューブの開口部
   をシールする上シールヒータと，次に被包装物を収容す
   るためチューブの底部をシールするための底シールヒー
   タと，前記２つのヒータの間に位置しチューブを切断す
   るための切断ヒータとを含んでいることを特徴とする厨
   芥等の処理装置。
2. 【請求項２】請求項１において、前記シール手段の上シ
   ールヒータ，下シールヒータ，切断ヒータを含むヒータ
   群はともに装置本体に固定され、前記ヒータ群に対応し
   て前記ヒータ群から離れた待機位置とヒータ群に圧接す
   るシール位置との間を往復動するプッシャーとを含むこ
   とを特徴とする厨芥等の処理装置。
3. 【請求項３】請求項１において、前記シール手段は、更
   に上シールヒータの下方において前記チューブの変形抵
   抗に応じて作動する過充填センサを含んでいることを特
   徴とする厨芥等の処理装置。
4. 【請求項４】請求項１において、前記投入部は、漏斗状
   の投入ガイドから構成され、かつ本体に着脱自在に設け
   られていることを特徴とする厨芥等の処理装置。
5. 【請求項５】請求項４において、前記投入ガイドの筒状
   部の外周にはその外周にチューブを蛇腹状に収納したス
   トッカーが嵌着されていることを特徴とする厨芥等の処
   理装置。
6. 【請求項６】請求項４において、前記ストッカーは、更
   に本体に挿入する際の位置決めとなるフランジ部を有
   し、ストッカーを本体に挿入したとき前記フランジ部に
   より作動するスイッチを設けたことを特徴とする厨芥等
   の処理装置。