JPH08262337A - 光学式画像伝送装置 - Google Patents

光学式画像伝送装置

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JPH08262337A
JPH08262337A JP7067908A JP6790895A JPH08262337A JP H08262337 A JPH08262337 A JP H08262337A JP 7067908 A JP7067908 A JP 7067908A JP 6790895 A JP6790895 A JP 6790895A JP H08262337 A JPH08262337 A JP H08262337A
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JP
Japan
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light
phase conjugate
optical fiber
image
optical
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Withdrawn
Application number
JP7067908A
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English (en)
Inventor
Masahiro Ono
正弘 大野
Ryoji Masubuchi
良司 増渕
Hiroki Hibino
浩樹 日比野
Yoshinao Ooaki
義直 大明
Tetsuaki Mori
徹明 森
Hiroshi Ishii
広 石井
Katsuya Ono
勝也 小野
Takeshi Ogasawara
剛 小笠原
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は画像伝送路の外径寸法を小径化し、光
学式画像伝送装置本体が組み込まれる装置を小径化する
とともに、使い捨て方式で使用することができ、カラー
画像を伝送画像の歪みがなく伝送することを最も主要な
特徴とする。 【構成】被写体HをRGBの3色のレーザ光で照明し、
第1の光ファイバ8を通して伝搬されるRGBの3色の
画像成分から3つの位相共役鏡15a,15b,15c
によってそれぞれの色の光の位相共役光を独立に発生さ
せ、第2の光ファイバ14を通して画像検出器6に送
り、RGBの3色の像H´をそれぞれ再生するようにし
たものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば内視鏡の観察光学
系に組み込まれる光学式画像伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば内視鏡の観察光学系に組
み込まれる光学式画像伝送装置として従来から多数本の
光ファイバを束ねた光学繊維束(光ファイバ・バンド
ル)を利用したものが知られている。この光学繊維束は
内視鏡の挿入部に配設されている。そして、この挿入部
の先端構成部に配設された対物光学系によって結像され
る観察画像を光学繊維束の一端面側に入射させるととも
に、この入射画像を光学繊維束を通して内視鏡の手元操
作部側に送り、光学繊維束の他端面側に送られた観察画
像を手元操作部側の接眼光学系によって目視されたり、
或いはテレビ撮影されてTVモニタ上に表示される構成
になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光学繊
維束には多数本の光ファイバが束ねられているので、光
学繊維束全体の外径寸法が大きくなり、内視鏡の挿入部
内にこの光学繊維束を配設した場合には内視鏡の挿入部
を小径化することが難しい問題がある。
【0004】さらに、光学繊維束は一般に高価なものと
なるので、この高価な光学繊維束を利用した光学式画像
伝送装置では1回使用しただけで廃棄する、いわゆる使
い捨て方式で使用できない問題もある。
【0005】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的は、画像伝送路の外径寸法を小径化するこ
とができ、この光学式画像伝送装置本体が組み込まれる
装置の小径化を図ることができるとともに、使い捨て方
式で使用することができ、加えて伝送画像の歪みがな
く、かつカラー画像を伝送することもできる光学式画像
伝送装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は複数の波長のコ
ヒーレント光の照明光を発生する光源と、この照明光を
被写体に伝達する照明光伝達手段と、組成、形状が同等
で光学的に等価な2つの透光性部材と、各波長の光の位
相共役光を発生する位相共役光発生体と、上記被写体の
画像を上記一方の第1の透光性部材を通して上記位相共
役光発生体に送り、かつ上記位相共役光発生体から出力
される各波長の光の位相共役光を上記他方の第2の透光
性部材側に導く導光手段と、上記第2の透光性部材を通
して導かれた画像を検出する画像検出手段とを具備した
ものである。
【0007】
【作用】照明光伝達手段によって被写体側に導かれた複
数の波長のコヒーレント光の照明光による被写体の画像
を第1の透光性部材を通して位相共役光発生体に送り、
このとき位相共役光発生体から出力される各波長の光の
位相共役光を第2の透光性部材を通して画像検出手段側
に導き、この画像検出手段で画像を検出するようにした
ものである。
【0008】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1(A),
(B)および図2(A)〜(D)を参照して説明する。
図1(A)は内視鏡1に組み込まれた光学式画像伝送装
置2全体の概略構成を示すものである。
【0009】ここで、内視鏡1には体内に挿入される挿
入部3と、この挿入部3の基端部に着脱可能に連結され
た手元側の操作部4とが設けられている。また、操作部
4には一端部側に凹陥状の挿入部連結部5が形成されて
いる。そして、この挿入部連結部5に挿入部3の基端部
が着脱可能に連結されている。さらに、操作部4の他端
部側には接眼部の画像検出器(画像検出手段)6が設け
られている。この画像検出器6としては、たとえば固体
撮像素子が用いられる。または、適当な接眼レンズ系に
より肉眼で観察する構成にしてもよい。
【0010】また、挿入部3内には照明光を被写体Hに
伝達する照明光用光ファイバ(照明光伝達手段)7およ
び被写体Hの画像伝送用の第1の光ファイバ(第1の透
光性部材)8がそれぞれ配設されている。ここで、照明
光用光ファイバ7は単一モードファイバ、または比較的
モード数の少ない細径ファイバによって形成されてい
る。さらに、第1の光ファイバ8は単一ファイバからな
る多モードファイバによって形成されている。
【0011】なお、挿入部3の先端面3aには照明光用
光ファイバ7の一端部側の照明光出射端面7aおよび第
1の光ファイバ8の一端部側の画像入射端面8aがそれ
ぞれ配設されている。さらに、照明光用光ファイバ7の
他端部側は操作部4の内部に形成された照明光用光ファ
イバ挿入孔9内に挿脱可能に挿入されている。そして、
照明光用光ファイバ7の他端部側の照明光入射端面7b
は照明光用光ファイバ挿入孔9の外部側に延出されてい
る。
【0012】また、操作部4の外部には照明光用光ファ
イバ7の照明光入射端面7bに照明光を送るための複数
の波長のコヒーレント光の照明光を発生する光源装置1
0が配設されている。この光源装置10にはそれぞれ赤
色、緑色、青色(RGB)の光を発振するレーザ11
a,11b,11cと、これらのレーザ11a,11
b,11cから出力されるレーザ光を照明光用光ファイ
バ7の照明光入射端面7bに導光する複数の反射鏡12
および照明光導光用のプリズム13が設けられている。
ここで、レーザ光の光源としてはたとえば赤色には波長
633nmのHe−Neレーザ11a、緑色、青色には
それぞれ波長515nm、488nmのArレーザ11
b,11cの2本の発振線を用いる。これ以外に、色素
レーザ、半導体レーザ等、各色に対応する光源を適宜用
いてよい。
【0013】また、操作部4の内部には画像伝送用の第
2の光ファイバ(第2の透光性部材)14が設けられて
いる。この第2の光ファイバ14は挿入部3の第1の光
ファイバ8と同様に単一ファイバからなる多モードファ
イバで、屈折率、径、長さ、曲がりおよび端面形状が挿
入部3の第1の光ファイバ8と同一に形成されている。
なお、第2の光ファイバ14の入射端面14a側は挿入
部連結部5側に向けて配置され、その出射端面14b側
は画像検出器6に連結されている。
【0014】さらに、操作部4の内部にはそれぞれRG
Bの各色の波長のレーザ光に対する位相共役光を発生す
る3つの位相共役鏡(位相共役光発生体)15a,15
b,15cと、被写体Hの画像を一方の第1の光ファイ
バ8を通して3つの位相共役鏡15a,15b,15c
に送り、かつ3つの位相共役鏡15a,15b,15c
から出力される各波長の光の位相共役光を他方の第2の
光ファイバ14側に導く導光光学系(導光手段)16と
が配設されている。ここで、3つの位相共役鏡15a,
15b,15cとしては、たとえばRGBすべてに感度
を持つチタン酸バリウム(BaTiO3 )の単結晶が用
いられる。なお、位相共役鏡としてはこれ以外の媒質、
たとえばニオブ酸リチウム、BSO等を用いてもよい。
また、各色に対して別の種類の媒質を用いてもよい。
【0015】また、導光光学系16には挿入部3の第1
の光ファイバ8の画像出射端面8bと第2の光ファイバ
14の入射端面14aとの間に配設された光路変更用プ
リズム17が設けられている。この光路変更用プリズム
17には入射光導光用の第1プリズム17aと、この第
1プリズム17aの傾斜面に接合された直角二等辺三角
形状の第2プリズム17bとが設けられている。
【0016】さらに、光路変更用プリズム17と3つの
位相共役鏡15a,15b,15cとの間にはRGBの
各成分を異なる光路に分散する第3プリズム18が配設
されている。そして、第1の光ファイバ8を通して送ら
れる被写体Hの画像は光路変更用プリズム17を介して
第3プリズム18に導かれ、この第3プリズム18によ
ってRGBの各成分が異なる光路に分散された状態で、
RGBの各色の光はそれぞれに応答する位相共役鏡15
a,15b,15cに入射される。さらに、3つの位相
共役鏡15a,15b,15cからはその本来的性質に
より、入射した光の波面を保持したまま伝搬方向の逆転
した位相共役光(この光は入射光の時間反転波とみなせ
る)が出射される。そして、3つの位相共役鏡15a,
15b,15cから出射されたRGBの位相共役光は、
入射時の光路を正確に逆進し、第3プリズム18により
同一光路に光路変更され、再び光路変更用プリズム17
に送られたのち、この光路変更用プリズム17内で、こ
の位相共役光が二度反射され、画像伝送用の第2の光フ
ァイバ14に伝送されるようになっている。
【0017】次に、本発明で使用される位相共役光発生
体の原理について図2(A)〜(D)を参照して説明す
る。この位相共役光発生体としては光の位相共役波(ph
aseconjugate wave)を発生させる素子が用いられる。
この位相共役波とは“入射波と同一の空間的分布を持
ち、その進行方向のみが逆転した波”と定義される。こ
れを光にあてはめると、位相共役光とは、幾何光学的に
は、入射光線のまったく逆向きの光線で表現される光で
あり、波動光学的には、入射光と同一の波面および振幅
を持ち、伝搬方向のみが逆転したような光である。すな
わち、入射光に対する時間反転性を持った光と表現でき
る。また、任意の入射波に対してその位相共役波を発生
する素子を、位相共役鏡(phase conjugate mirror(P
CM))と呼ぶ。
【0018】また、図2(A)は通常の鏡21による光
の反射状態を示し、図2(B)は位相共役光および位相
共役鏡22の特性を概念的に示したものである。すなわ
ち、通常の鏡21では光が鏡21で反射された際に、入
射光Lの入射角と反射光Rの反射角とが等しい状態で反
射される。これに対し、位相共役鏡22では図2(B)
のように、光源Pから発散性の球面波Eiが位相共役鏡
22に入射すると、この位相共役鏡22からは自動的に
球面波Eiの位相共役波、すなわち球面波Eiの光源P
に逆に集束するような集束性球面波Ecを発生する。こ
のような作用は、入射波が球面波以外の任意の波面、振
幅分布を持つ場合にも同様に働く。
【0019】光に対してこのような作用をする素子は、
光がコヒーレント光(レーザ光)の場合に可能であり、
種々の実現方法が提案されている。例えば、左貝潤一
著:位相共役光学(朝倉書店、1990)(参考文献
1)に示されている。
【0020】代表的な方法としては四光波混合がある。
これは、3次の非線形電気感受率を持つ媒質、または光
屈折性効果(photorefractive effect)を持つ媒質中に
物体光、参照光、読み出し光の3つの光を入射させると
物体光の位相共役光が実時間で発生するものである(上
記参考文献1参照)。ここで、3次の非線形電気感受率
を持つ媒質としてはたとえばNa蒸気、CS2 、GaA
s等があげられる。さらに、光屈折性効果を持つ媒質と
してはたとえばニオブ酸リチウム(LiNbO3 )、B
SO(Bi12SiO20)、チタン酸バリウム(BaTi
3 )等があげられる。
【0021】また、チタン酸バリウム(BaTiO3
を用いた場合、参照光、読み出し光を用いずに、物体光
を入射させるだけで物体光自身の位相共役光が自動的に
発生することが知られている。例えば、J.Feinberg
:Opt.Lett .7(10),486(1982)
(参考文献2)に示されている。これは、物体光がチタ
ン酸バリウム結晶内で散乱し、その散乱光から参照光、
読み出し光となる成分が作り出されることにより起こる
現象であり、自己励起型位相共役鏡(self-pumpedphase
conjugate mirror)と呼ばれる。
【0022】本発明では、位相共役波の時間反転性を光
の波面歪みの補正に利用する。図2(C),(D)はこ
の原理を示すものである。図2(C)において、31は
被写体、32は1本の多モード光ファイバ、33は位相
共役鏡である。ここでは、被写体31から発した光を光
ファイバ32の一端部である入射端部32a側から入射
させたのち、このファイバ32内を伝搬させ、このファ
イバ32の他端部である出射端部32b側から出射させ
ると、ファイバ32内での多重反射およびモード変換に
よって波面に歪みを受ける。この結果、ファイバ32の
出射端部32bを出た直後にスクリーン34に写し出さ
れる像35は被写体31の像35とは認められないほど
にその形状が破壊されている。このために、1本の光フ
ァイバ32を用いた画像伝送は困難であると言われてき
た。
【0023】しかし、この光ファイバ32からの出射光
を位相共役鏡33に入射させ、その位相共役光を発生さ
せると、この光は入射光の時間反転波となっている。し
たがって、この位相共役光を再び同じファイバ32内を
通して入射光とは逆の経路で伝搬させる、すなわち、こ
の光ファイバ32における入射光の出射端部32bにこ
の位相共役光を入射させ、この光ファイバ32における
入射光の入射端部32aから出射させることにより、こ
の光ファイバ32内を入射光とは逆の経路で伝搬した後
には、行きの過程で受けた波面の歪みは自動的に取り除
かれる。その結果、光ファイバ32内を伝搬された位相
共役光は被写体31とまったく同じ位置のスクリーン3
6上に被写体31と同じ形状の像37を作り出す。
【0024】また、図2(D)は、この性質を一方向の
画像伝送に利用するもので、Yarivにより開示されたも
のである。A.Yariv:Appl .Phys .Lett .28
(2),88(1976)(参考文献3)。
【0025】図2(D)中で、41は被写体、42,4
4はそれぞれ単一の多モード光ファイバ、43は位相共
役鏡、45はスクリーンである。ここで、2本の光ファ
イバ42,44は屈折率、径、長さ、曲がり、端面の状
態等がまったく等しいものを用いる。そして、これらの
2本の光ファイバ42,44のうち、一方の第1の光フ
ァイバ42の入射端部42aは被写体41に離間対向配
置され、他方の第2の光ファイバ44の出射端部44b
にはスクリーン45が離間対向配置されている。
【0026】また、2本の光ファイバ42,44間には
位相共役鏡43が介設されている。そして、被写体41
からの入射光は第1の光ファイバ42の入射端部42a
に入射され、この光ファイバ42内を通して伝搬され
る。ここで、第1の光ファイバ42の出射端部42bか
ら出射された直後の被写体41の像46はファイバ42
内での多重反射およびモード変換によって波面に歪みを
受け、その形状が破壊されている。
【0027】そこで、この第1の光ファイバ42の出射
端部42bから出射された直後の被写体41の像46を
位相共役鏡43に入射させ、その時間反転波である位相
共役光を発生させる。そして、この位相共役光を、第1
の光ファイバ42の出射端部42bではなく、第2の光
ファイバ44の入射端部44aに入射させる。この場
合、第1の光ファイバ42と第2の光ファイバ44とは
光学的にまったく同等であるとしたので、第2の光ファ
イバ44を通過後の位相共役光からは波面の歪みが除去
される。すなわち、第2の光ファイバ44を位相共役光
が通過することは、図2(C)において位相共役光が光
ファイバ32を入射光とは逆の経路で通過することと等
価となる。そのため、第2の光ファイバ44の出射端部
44bからスクリーン45上には被写体41と同じ形状
の像47が再生される。
【0028】次に、上記構成の光学式画像伝送装置2の
作用について説明する。まず、光源装置10の各レーザ
11a,11b,11cより出射したRGBの3色のレ
ーザ光は複数の反射鏡12で反射され、プリズム13に
導かれたのち、このプリズム13により同一光路上に光
路変更され、照明光用光ファイバ7の照明光入射端面7
bに入射される。そして、この照明光用光ファイバ7に
より内視鏡1の挿入部3の先端側に伝送され、照明光用
光ファイバ7の照明光出射端面7aから出射されて被写
体Hが照明される。
【0029】また、被写体Hからの反射光は画像伝送用
の第1の光ファイバ8の画像入射端面8aに入射され、
この第1の光ファイバ8内を通して伝送されたのち、画
像出射端面8bから出射される。この時点でのファイバ
8からの出射光による被写体Hの像は、被写体Hの画像
情報を含んではいるものの、ファイバ8中での多重反射
およびモード変換のために、画像として認識できないほ
どに歪んでいる。
【0030】そして、第1の光ファイバ8からの出射光
は光路変更用プリズム17を経て第3プリズム18に導
かれ、この第3プリズム18によってRGBの各成分が
異なる光路に分散される。さらに、RGBの各色の光は
それぞれに応答する位相共役鏡15a,15b,15c
に入射される。
【0031】さらに、3つの位相共役鏡15a,15
b,15cからはその本来的性質により、入射した光の
波面を保持したまま伝搬方向の逆転した位相共役光(こ
の光は入射光の時間反転波とみなせる)が出射される。
そして、3つの位相共役鏡15a,15b,15cから
出射したRGBの位相共役光は、入射時の光路を正確に
逆進し、第3プリズム18により同一光路に光路変更さ
れ、再び光路変更用プリズム17に送られる。続いて、
この光路変更用プリズム17の第2プリズム17b内
で、この位相共役光が二度反射され、画像伝送用の第2
の光ファイバ14に伝送される。
【0032】ここで、位相共役光は第2の光ファイバ1
4中を伝搬する間に、被写体Hからの入射光が画像伝送
用の第1の光ファイバ8中を伝搬した時の逆の変換を受
ける。なぜなら、第2の光ファイバ14の入射端面14
aに入射する位相共役光は第1の光ファイバ8から出射
した光の時間反転波であり、第1の光ファイバ8と第2
の光ファイバ14とは組成、形状が同一であるから、第
2の光ファイバ14中の位相共役光の伝搬は第1の光フ
ァイバ8中の光の伝搬を時間反転させた状態になるはず
だからである。この結果、第2の光ファイバ14の出射
端面14bから出射された位相共役光は、被写体Hから
第1の光ファイバ8に入射した光と同一状態となる。す
なわち、第2の光ファイバ14の出射端面14bから出
射された位相共役光からは第1,第2の光ファイバ8,
14の伝搬による画像歪みは取り除かれ、画像検出器6
には図1(B)に示すように被写体Hと同じ形状の像H
´が再現された状態で検出される。
【0033】以上の画像伝送過程、すなわち、第1,第
2の光ファイバ8,14の伝搬により歪んだ画像が位相
共役鏡15a,15b,15cにより回復される画像伝
送過程は、RGBの各色で独立に行われる。この結果、
被写体Hの持つ色情報は画像検出器6上に再現される。
【0034】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、照明光用光ファイバ7によって
被写体H側に導かれたRGBの各色の波長のコヒーレン
ト光の照明光による被写体Hの画像を第1の光ファイバ
8を通して位相共役鏡15a,15b,15cに伝搬
し、このとき3つの位相共役鏡15a,15b,15c
から出力されるRGBの各色の波長の位相共役光を第2
の光ファイバ14を通して画像検出器6側に導き、この
画像検出器6で被写体Hの画像H´を検出するようにし
たので、単一ファイバ伝送路である第1の光ファイバ8
および第2の光ファイバ14を用いているにもかかわら
ず接眼部の画像検出器6では被写体Hの像H´をカラー
で歪みなく観察できる。そのため、多数本の光ファイバ
が束ねた光学繊維束を使用して画像伝送する場合に比べ
て画像伝送路の外径寸法を小径化することができ、内視
鏡1の挿入部3の小径化を図ることができる。
【0035】さらに、単一ファイバからなる照明光用光
ファイバ7および第1の光ファイバ8が組み込まれた挿
入部3を内視鏡1の操作部4と分離可能にしたので、被
写体Hに直接接触する挿入部3の部分を使い捨て方式で
使用することができる。
【0036】また、図3(A),(B)は本発明の第2
の実施例を示すものである。これは、第1の実施例にお
いて内視鏡1の操作部4の内部に3つの位相共役鏡15
a,15b,15cを配設した代わりに、本実施例では
操作部4の内部にRGBの各色に同時に応答する1つの
位相共役鏡51を配設したものである。この位相共役鏡
51としては、たとえばチタン酸バリウム(BaTiO
3 )の単結晶を用いる。他の構成は第1の実施例と同じ
である。
【0037】次に、上記構成の作用について説明する。
第1の実施例において、第3プリズム18および3個の
位相共役鏡15a,15b,15cによって位相共役光
を発生させていた作用を、本実施例では1個の位相共役
鏡51によって行う。
【0038】この位相共役鏡51としてチタン酸バリウ
ム(BaTiO3 )等の光屈折性結晶を用いた場合、位
相共役光の発生はこの位相共役鏡51の結晶内での光の
干渉縞によって作られる屈折率のグレーティングにより
なされる。
【0039】ここで、第1実施例のようにRGB3色の
それぞれに1個ずつの光屈折性結晶(3つの位相共役鏡
15a,15b,15c)を配置すれば、各結晶内では
1つの波長の光のみが入射されることになるので、RG
B3色のそれぞれ独立に位相共役光を発生する。これに
対して本実施例のようにRGB3色を同時に1個の位相
共役鏡51の結晶に入射させた場合には、この位相共役
鏡51の結晶内には3つの波長の光が同時に存在するの
で、各波長の光の作る干渉縞に対応する3つのグレーテ
ィングが同時に存在することになる。
【0040】これらは互いを破壊する効果を持つので、
グレーティングの変調度が下がり、この位相共役鏡51
から発生する位相共役光の強度は第1実施例のように結
晶を3個用いた場合に比べて低下するが、位相共役光の
強度が小さいという点以外の位相共役鏡としての作用は
同等である。
【0041】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、第1の実施例と同様の効果が得
られるが、第1の実施例において、第3プリズム18お
よび3個の位相共役鏡15a,15b,15cによって
位相共役光を発生させていた作用を、本実施例では特に
1個の位相共役鏡51によって行うようにしたので、位
相共役鏡51の部分の構成を簡略化することができる。
そのため、第1の実施例に比べて内視鏡1の操作部4全
体を小型化できる。
【0042】また、図4(A),(B)は本発明の第3
の実施例を示すものである。図4(A)は本実施例の内
視鏡61に組み込まれた光学式画像伝送装置全体の概略
構成を示すものである。ここで、内視鏡61には、体内
に挿入される細長い挿入部62と、この挿入部62の基
端部に着脱可能に連結された手元側端部63とが設けら
れている。そして、挿入部62の基端部側の外周面に接
眼部の画像検出器64が突設されている。
【0043】また、挿入部62の内部には照明光を被写
体Hに伝達する照明光用光ファイバ65が配設されてい
る。この照明光用光ファイバ65の照明光出射端面65
aは挿入部62の先端面62aに配設されている。さら
に、この照明光用光ファイバ65の照明光入射端面65
bは挿入部62の基端部側の外周面に突設されている。
【0044】この照明光用光ファイバ65の照明光入射
端面65bには第1の実施例と同様の構成の光源装置1
0から反射鏡66を介してRGBの3色のレーザ光が入
射されるようになっている。
【0045】また、挿入部62の軸心方向略中央部位に
は光路変更用プリズム67が配設されている。この光路
変更用プリズム67には入射光導光用の第1プリズム6
7aと、この第1プリズム67aの傾斜面に接合された
直角二等辺三角形状の第2プリズム67bとが設けられ
ている。そして、この光路変更用プリズム67の前方に
は画像伝送用の第1の光ファイバ68が配設されてい
る。
【0046】さらに、光路変更用プリズム67の後方に
は画像伝送用の第2,第3の光ファイバ69,70がそ
れぞれ配設されている。ここで、第3の光ファイバ70
は光路変更用プリズム67を挟んで第1の光ファイバ6
8と反対側に配置されている。この第3の光ファイバ7
0は多モードファイバによって形成されている。そし
て、この第3の光ファイバ70の一方の第1の端面70
aは光路変更用プリズム67に向けて対向配置され、他
方の第2の端面70bは手元側端部63に向けて対向配
置されている。
【0047】また、第2の光ファイバ69は第1の光フ
ァイバ68と同様に単一ファイバからなる多モードファ
イバで、屈折率、径、長さ、曲がりおよび端面形状が第
1の光ファイバ68と同一に形成されている。なお、第
2の光ファイバ69の入射端面69a側は光路変更用プ
リズム67の第2プリズム67bに向けて対向配置され
ている。さらに、第2の光ファイバ69の出射端面69
b側は挿入部62の基端部側に配設されたミラー71に
向けて対向配置されている。このミラー71は画像検出
器64と対応する位置に配置されている。そして、第2
の光ファイバ69の出射端面69bから出射された光は
ミラー71によって画像検出器64に向けて反射される
ようになっている。
【0048】また、内視鏡61の手元側端部63の内部
にはそれぞれRGBの各色の波長のレーザ光に対する位
相共役光を発生する3つの位相共役鏡72a,72b,
72cと、RGBの各成分を異なる光路に分散する第3
プリズム73とが配設されている。ここで、第3プリズ
ム73は挿入部62側の第3の光ファイバ70の第2の
端面70bと3つの位相共役鏡72a,72b,72c
との間に配設されている。そして、第3の光ファイバ7
0は光路変更用プリズム67と第3プリズム73との間
に配置されている。
【0049】次に、上記構成の作用について説明する。
まず、光源装置10の各レーザ11a,11b,11c
からのRGBの3色のレーザ光は複数の反射鏡12で反
射され、プリズム13に導かれたのち、このプリズム1
3により同一光路上に光路変更され、さらに反射鏡66
を介して照明光用光ファイバ65の照明光入射端面65
bに入射される。そして、この照明光用光ファイバ65
により内視鏡61の挿入部62の先端側に伝送され、照
明光用光ファイバ65の照明光出射端面65aから出射
されて図4(B)に示す被写体Hが照明される。
【0050】また、被写体Hからの反射光は画像伝送用
の第1の光ファイバ68の画像入射端面68aに入射さ
れ、この第1の光ファイバ68内を通して伝送されたの
ち、画像出射端面68bから出射される。
【0051】そして、第1の光ファイバ68からの出射
光は光路変更用プリズム67を経て第3の光ファイバ7
0内に導入され、続いてこの第3の光ファイバ70の第
2の端面70bからの出射光が第3プリズム73に導か
れ、この第3プリズム73によってRGBの各成分が異
なる光路に分散される。さらに、RGBの各色の光はそ
れぞれに応答する位相共役鏡72a,72b,72cに
入射される。
【0052】さらに、3つの位相共役鏡72a,72
b,72cにおいて発生した位相共役光は第3プリズム
73を経て第3の光ファイバ70の第2の端面70bに
入射され、光路変更用プリズム67に導かれる。この場
合、位相共役光が第3の光ファイバ70を透過する際に
受ける変換は、入射光が第3の光ファイバ70を透過す
る際に受ける変換の正確な逆過程になる。そのため、位
相共役光が第3の光ファイバ70を透過して光路変更用
プリズム67に達した時点での位相共役光の波面は、被
写体Hからの光が光路変更用プリズム67に到達した時
点での波面と同じになる。
【0053】すなわち、本実施例の構成では、体内に挿
入される細長い挿入部62の内部に第1〜第3の光ファ
イバ68,69,70および光路変更用プリズム67を
配設し、内視鏡61の手元側端部63には位相共役鏡7
2a,72b,72cおよび第3プリズム73のみを配
置する構成にしたにも関わらず、光路変更用プリズム6
7に入射する位相共役光は第1の実施例のように手元側
の操作部4の内部に第2の光ファイバ14、3つの位相
共役鏡15a,15b,15c、光路変更用プリズム1
7、第3プリズム18を配置した場合と同じになる。し
たがって、その後の過程、すなわち、位相共役光が第2
の光ファイバ69を透過し、被写体Hのカラー画像H´
を画像検出器64上に結像することは第1の実施例とま
ったく同様に行われる。
【0054】そこで、上記構成のものにあっては単一フ
ァイバ伝送路である第1〜第3の光ファイバ68,6
9,70を用いているにもかかわらず接眼部の画像検出
器64では被写体Hの像H´をカラーで歪みなく観察で
きるので、多数本の光ファイバが束ねた光学繊維束を使
用して画像伝送する場合に比べて画像伝送路の外径寸法
を小径化することができ、第1の実施例と同様に内視鏡
61の挿入部62の小径化を図ることができる。
【0055】また、本実施例では特に、内視鏡61の手
元側端部63には位相共役鏡72a,72b,72cお
よび第3プリズム73のみを配置し、体内に挿入される
細長い挿入部62の内部には照明光用光ファイバ65、
第1〜第3の光ファイバ68,69,70および光路変
更用プリズム67を配設する構成にしたので、第1の実
施例のように手元側の操作部4の内部に第2の光ファイ
バ14、3つの位相共役鏡15a,15b,15c、光
路変更用プリズム17、第3プリズム18を配置した場
合に比べて内視鏡61の手元側端部63の長さを短く
し、その分、被検体に挿入できる挿入部62の長さを長
くすることができる。
【0056】なお、上記実施例ではミラー71は第2の
光ファイバ69からの出射光を画像検出器64に導くた
めに配置されるが、これを用いずに、画像検出器64を
第2の光ファイバ69の中心軸延長上に配置する構成に
してもよい。
【0057】また、図5(A),(B)は本発明の第4
の実施例を示すものである。これは、第3の実施例の内
視鏡61の挿入部62の基端部にRGBの各色に同時に
応答する1つの位相共役鏡81を配設し、第3の光ファ
イバ70の第2の端面70bにこの位相共役鏡81を対
向配置するとともに、第3の実施例の手元側端部63お
よびミラー71を省略し、挿入部62の基端部における
第2の光ファイバ69の中心軸延長上に画像検出器64
を配置する構成にしたものである。ここで、位相共役鏡
81としては、第2の実施例と同様、チタン酸バリウム
(BaTiO3)の単結晶を用いる。他の構成は第3の
実施例と同じである。
【0058】本実施例では基本的な作用は第3の実施例
と同じである。ただし、第3の実施例では第3プリズム
73および3個の位相共役鏡72a,72b,72cに
よって位相共役光を発生させていた作用を、本実施例で
は1個の位相共役鏡81によって行う。この場合、第2
の実施例中で述べたように位相共役光の強度が低下する
ことを除けば位相共役光の作用は3個の位相共役鏡72
a,72b,72cを配した場合と同じである。
【0059】そこで、上記構成のものにあっても第3の
実施例と同じ効果が得られる他、第3の実施例におい
て、第3プリズム73および3個の位相共役鏡72a,
72b,72cによって位相共役光を発生させていた作
用を、本実施例では特に1個の位相共役鏡81によって
行うようにしたので、位相共役鏡81の部分の構成を簡
略化することができる。そのため、第3の実施例に比べ
て内視鏡61全体を一層小型化できる。
【0060】また、図6および図7は本発明の第5の実
施例を示すものである。これは、図6に示すように第3
の実施例の内視鏡61の手元側端部63内に配設した第
3プリズム73の代わりに回折格子91を用いてRGB
の各成分を異なる光路に分散させる構成にするととも
に、図7に示すように光源装置10内に配設したプリズ
ム13の代わりに回折格子92を用いる構成にしたもの
である。
【0061】そして、上記構成のものにあっては、第3
の光ファイバ70からの出射光は回折格子91により波
長分離されて、RGB各色ごとに位相共役鏡72a,7
2b,72cに導かれる。さらに、各位相共役鏡72
a,72b,72cで発生した各色の位相共役光は回折
格子91により再び1つのビームに戻され、第3の光フ
ァイバ70に導かれる。
【0062】また、光源装置10内の各レーザ11a,
11b,11cから出射したRGBの各色のレーザ光は
回折格子91によりひとつのビームに光路変更され、照
明光用光ファイバ65に導かれる。
【0063】なお、回折格子は一般に、プリズムに比
べ、波長の異なる光をより大きな角度に分離できる。し
たがって、図6の構成では各位相共役鏡72a,72
b,72cに入る光がよりはっきりと区別される。さら
に、回折格子91と位相共役鏡各位相共役鏡72a,7
2b,72cまでの距離を、第3の実施例におけるプリ
ズム73と位相共役鏡72a,72b,72cとの間の
距離よりも短くすることがき、装置を小型化できる。
【0064】なお、第1の実施例の内視鏡1の手元側の
操作部4内に配設した第3プリズム18の代わりに上記
回折格子91を用いてRGBの各成分を異なる光路に分
散させる構成にする構成にしてもよい。
【0065】また、図8および図9は本発明の第6の実
施例を示すものである。これは、図8に示すように第3
の実施例の内視鏡61の手元側端部63内に配設した第
3プリズム73の代わりに各波長を角度ではなく光路で
分離する光学フィルタ101,102を用いてRGBの
各成分を異なる光路に分散させる構成にするとともに、
図9に示すように光源装置10内に配設したプリズム1
3の代わりに同様に光学フィルタ101,102を用い
る構成にしたものである。
【0066】そして、上記構成のものにあっては、第3
の光ファイバ70からの出射光は光学フィルタ101,
102により波長分離されて、RGB各色ごとに位相共
役鏡72a,72b,72cに導かれる。さらに、各位
相共役鏡72a,72b,72cで発生した各色の位相
共役光は光学フィルタ101,102により再び1つの
ビームに戻され、第3の光ファイバ70に導かれる。
【0067】また、光源装置10内の各レーザ11a,
11b,11cから出射したRGBの各色のレーザ光は
光学フィルタ101,102によりひとつのビームに光
路変更され、照明光用光ファイバ65に導かれる。
【0068】そこで、上記構成のものにあっても第1,
第3,第5の各実施例と同様の効果が得られる他、さら
に、光学フィルタ101,102は各波長を角度ではな
く光路で分離するので、構成上の自由度が大きく、位置
合わせ作業を容易に行うことができる。
【0069】また、図10および図11は本発明の第7
の実施例を示すものである。これは、第2,4の各実施
例のように1つの位相共役鏡51,81を用いた内視鏡
1,61に適用されるものである。
【0070】図10中で、111は第4の実施例の第3
の光ファイバ70の第2の端面70bに対向配置された
プリズムである。このプリズム111は第3の光ファイ
バ70の第2の端面70bから出射された光におけるR
GBの各成分を異なる光路に分散するものである。
【0071】さらに、このプリズム111に対して第3
の光ファイバ70と反対側には3本の光ファイバ11
2,113,114の各一端部112a,113a,1
14aが対向配置されている。ここで、光ファイバ11
2,113,114の各他端部112b,113b,1
14bは位相共役鏡115に対向配置されている。この
位相共役鏡115としてはたとえばチタン酸バリウム
(BaTiO3 )単結晶を用い、その結晶軸(a、b、
c)は図10、図11中に矢印で示す通り配置されてい
る。
【0072】そして、第3の光ファイバ70の第2の端
面70bからの出射光はプリズム111によりRGBの
各成分に色分離され、3本の光ファイバ112,11
3,114の各一端部112a,113a,114aに
入射される。さらに、各光ファイバ112,113,1
14内を透過して導かれたレーザ光は各光ファイバ11
2,113,114の他端部112b,113b,11
4bから位相共役鏡115の異なる部分に入射され、こ
の位相共役鏡115内でRGBの各色の位相共役光がそ
れぞれ発生する。
【0073】ここで、位相共役鏡115のチタン酸バリ
ウム(BaTiO3 )単結晶における位相共役光の発生
は、図11に示すように入射光が結晶のc軸方向に散乱
を起こし、入射ビームとc軸の作る面内で光ビームがル
ープを形成することによりなされる(前記参考文献2等
に開示されている)。したがって、RGBの各色をc軸
に垂直な方向、たとえば図11に示すようにa軸方向の
異なる位置に分離して入射させることにより、位相共役
鏡115の結晶内ではRGBの各色の光は異なる層にル
ープをつくる。この結果、RGBの各色の光は混じりあ
わず、それぞれの作る干渉縞が互いを破壊することがな
い。したがって、このようにすれば、1個の位相共役鏡
115を用いたにもかかわらず、各色間での破壊効果を
回避でき、3個の位相共役鏡を用いた場合と同等の強度
で位相共役光を発生させることができる。
【0074】さらに、この位相共役鏡115で発生した
RGBの各色の位相共役光は入射時の光路を正確に逆進
する。すなわち、位相共役鏡115で発生したRGBの
各色の位相共役光は3本の光ファイバ112,113,
114を透過してプリズム111に導かれ、このプリズ
ム111により同一光路に光路変更され、再び第3の光
ファイバ70にもどされる。
【0075】そこで、上記構成のものにあっては1個の
位相共役鏡115を用いたにも関わらず、RGBの各色
間での位相共役光発生過程の破壊効果を回避でき、3個
の位相共役鏡を用いた場合と同等の強度で位相共役光を
発生させることができる。
【0076】また、図12は第7の実施例の第1の変形
例を示すものである。これは、第7の実施例のプリズム
111によりRGBの各成分に色分離された3色の光を
3つのミラー121a,121b,121cによってそ
れぞれ反射させて1個の位相共役鏡115の異なる部分
に入射させるようにしたものである。ここで、位相共役
鏡115であるチタン酸バリウム(BaTiO3 )単結
晶の結晶軸(a、b、c)は図12中に矢印で示す通り
配置されている。
【0077】そして、この場合には第3の光ファイバ7
0の第2の端面70bからの出射光はプリズム111に
より色分離され、さらにミラー121a,121b,1
21cにより位相共役鏡115の異なる部分に入射する
ように導かれる。
【0078】さらに、この位相共役鏡115で発生した
RGBの各色の位相共役光は入射時の光路を正確に逆進
する。すなわち、位相共役鏡115で発生したRGBの
各色の位相共役光は3つのミラー121a,121b,
121cによってそれぞれ反射され、プリズム111に
導かれ、このプリズム111により同一光路に光路変更
されて再び第3の光ファイバ70にもどされる。
【0079】また、図13は第7の実施例の第2の変形
例を示すものである。これは、第7の実施例のプリズム
111によりRGBの各成分に色分離された3色の光を
さらに第2のプリズム122を経て位相共役鏡115の
異なる部分に入射するように導く構成にしたものであ
る。ここで、位相共役鏡115であるチタン酸バリウム
(BaTiO3 )単結晶の結晶軸(a、b、c)は図1
3中に矢印で示す通り配置されている。
【0080】そして、この場合にはプリズム111と第
2のプリズム122との位置を調整することによりRG
Bの各色が平行で、かつ位置分離した状態で位相共役鏡
115に入射するように設定できる。
【0081】さらに、この位相共役鏡115で発生した
RGBの各色の位相共役光は入射時の光路を逆にたど
り、第2のプリズム122、プリズム111の順に通過
して再び第3の光ファイバ70にもどされる。
【0082】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形
実施できることは勿論である。次に、本出願の他の特徴
的な技術事項を下記の通り付記する。
【0083】記 (付記項1) 複数の波長のコヒーレント光の照明光を
発生する光源と、この照明光を被写体に伝達する機構
と、組成、形状の同等な2本の透過部材と、各波長の光
の位相共役光を発生する機構を持つことを特徴とする内
視鏡。
【0084】(付記項1の目的) 単一伝送路を用いて
いるにもかかわらず画像の歪みがなく、かつカラー画像
を伝送でき、かつ単一伝送路であるがために細径であ
り、使い捨て化できるような内視鏡を提供することにあ
る。
【0085】(付記項2) 赤色、緑色、青色3色の照
明光と、第1の光ファイバからの出射光を波長分離する
プリズムと、各波長の光に感応する3個の位相共役鏡
と、位相共役光を第2の透過部材に伝達する機構を持つ
ことを特徴とする付記項1記載の内視鏡。
【0086】(付記項2の目的) 付記項1と同じであ
るが、さらにRGB3色のそれぞれに対する位相共役鏡
を設けることにより各色間での位相共役光発生過程に干
渉が起こらないようにすることにある。
【0087】(付記項3) 赤色、緑色、青色3色の照
明光と、各波長の光に感応する1個の位相共役鏡と、位
相共役光を第2の光ファイバに伝達する機構を持つこと
を特徴とする付記項1記載の内視鏡。
【0088】(付記項3の目的) 付記項1と同じであ
るが、さらにRGB3色のすべてに感応する位相共役鏡
を設けることにより構成を簡略化することにある。 (付記項4) 赤色、緑色、青色3色の照明光と、波長
分離プリズムと、第1の光ファイバからの出射光を上記
波長分離プリズムに伝達する第3の光ファイバと、各波
長の光に感応する3個の位相共役鏡と、位相共役光を第
2の光ファイバに伝達する機構を持つことを特徴とする
付記項1記載の内視鏡。
【0089】(付記項4の目的) 付記項2と同じであ
るが、さらに位相共役鏡をスコープ末端部に配置するこ
とにより挿入可能部分を長くすることにある。 (付記項5) 赤色、緑色、青色3色の照明光と、各波
長の光に感応する1個の位相共役鏡と、第1の光ファイ
バからの出射光を上記位相共役鏡に伝達する第3の光フ
ァイバと、位相共役光を第2の光ファイバに伝達する機
構を持つことを特徴とする付記項1記載の内視鏡。
【0090】(付記項5の目的) 付記項4と同じであ
るが、さらにRGB3色のすべてに感応する位相共役鏡
を設けることにより構成を簡略化することにある。 (付記項6) 前記波長分離機構が回折格子であること
を特徴とする付記項2または4記載の内視鏡。
【0091】(付記項6の目的) 付記項2、3と同じ
であるが、さらに波長分離機構として回折格子を用いる
ことにより構成要素の配置に自由度を増すことにある。 (付記項7) 前記波長分離機構が光学フィルタである
ことを特徴とする付記項2または4記載の内視鏡。
【0092】(付記項7の目的) 付記項2、3と同じ
であるが、さらに波長分離機構として光学フィルタを用
いることにより構成要素の配置に自由度を増すことにあ
る。 (付記項8) 赤色、緑色、青色3色の光を前記位相共
役鏡の異なる位置に入射させることを特徴とする付記項
3または5記載の内視鏡。
【0093】(付記項8の目的) 付記項3、5と同じ
であるが、さらに位相共役鏡をより効率的かつ正確に動
作させることにある。 (付記項1〜8の作用) 単一ファイバ画像伝送路にお
いて、被写体を複数の波長の光で照明し、かつそれぞれ
の波長の位相共役光を発生させることにより、歪みのな
いカラー画像を伝送するという作用を持つ。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば照明光伝達手段によって
被写体側に導かれた複数の波長のコヒーレント光の照明
光による被写体の画像を第1の透光性部材を通して位相
共役光発生体に送り、このとき位相共役光発生体から出
力される各波長の光の位相共役光を第2の透光性部材を
通して画像検出手段側に導き、この画像検出手段で画像
を検出するようにしたので、画像伝送路の外径寸法を小
径化することができ、この光学式画像伝送装置本体が組
み込まれる装置の小径化を図ることができるとともに、
使い捨て方式で使用することができ、加えて伝送画像の
歪みがないカラー画像を伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例を示すもので、(A)
は内視鏡に組み込んだ光学式画像伝送装置全体の概略構
成図、(B)は画像検出器に写し出される被写体の像を
示す図。
【図2】 位相共役鏡の原理を説明するもので、(A)
は通常の鏡による光の反射状態を示す図、(B)は位相
共役鏡からの位相共役光の発生状態を示す図、(C)は
光ファイバを通した光の伝搬状態および位相共役鏡から
の位相共役光の伝搬状態を示す図、(D)は2つの光フ
ァイバおよび位相共役鏡による光の伝搬状態を示す図。
【図3】 本発明の第2の実施例を示すもので、(A)
は内視鏡に組み込んだ光学式画像伝送装置全体の概略構
成図、(B)は画像検出器に写し出される被写体の像を
示す図。
【図4】 本発明の第3の実施例を示すもので、(A)
は内視鏡に組み込んだ光学式画像伝送装置全体の概略構
成図、(B)は被写体を示す図。
【図5】 本発明の第4の実施例を示すもので、(A)
は内視鏡に組み込んだ光学式画像伝送装置全体の概略構
成図、(B)は被写体を示す図。
【図6】 本発明の第5の実施例の第3のファイバの直
後に配置された回折格子を示す要部の概略構成図。
【図7】 同実施例の照明光の出射部に配設された回折
格子を示す要部の概略構成図。
【図8】 本発明の第6の実施例の位相共役鏡の配置状
態を示す要部の概略構成図。
【図9】 同実施例の照明光の出射部の概略構成図。
【図10】 本発明の第7の実施例の位相共役鏡の周辺
機器の配置状態を示す要部の概略構成図。
【図11】 同実施例の位相共役鏡内でのRGB各色の
位相共役光発生過程を示す概略構成図。
【図12】 第7の実施例の第1の変形例を示す要部の
概略構成図。
【図13】 第7の実施例の第2の変形例を示す要部の
概略構成図。
【符号の説明】
H…被写体、6,64…画像検出器(画像検出手段)、
7,65…照明光用光ファイバ(照明光伝達手段)、
8,68…第1の光ファイバ(第1の透光性部材)、1
0…光源装置、14,69…第2の光ファイバ(第2の
透光性部材)、15a,15b,15c,51,72
a,72b,72c,81,115…位相共役鏡(位相
共役光発生体)、16…導光光学系(導光手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大明 義直 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 森 徹明 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 石井 広 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 小野 勝也 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 小笠原 剛 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の波長のコヒーレント光の照明光を
    発生する光源と、この照明光を被写体に伝達する照明光
    伝達手段と、組成、形状が同等で光学的に等価な2つの
    透光性部材と、各波長の光の位相共役光を発生する位相
    共役光発生体と、上記被写体の画像を上記一方の第1の
    透光性部材を通して上記位相共役光発生体に送り、かつ
    上記位相共役光発生体から出力される各波長の光の位相
    共役光を上記他方の第2の透光性部材側に導く導光手段
    と、上記第2の透光性部材を通して導かれた画像を検出
    する画像検出手段とを具備したことを特徴とする光学式
    画像伝送装置。
JP7067908A 1995-03-27 1995-03-27 光学式画像伝送装置 Withdrawn JPH08262337A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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