JPH08262250A - 光導波路作製方法およびその装置 - Google Patents

光導波路作製方法およびその装置

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JPH08262250A
JPH08262250A JP6255095A JP6255095A JPH08262250A JP H08262250 A JPH08262250 A JP H08262250A JP 6255095 A JP6255095 A JP 6255095A JP 6255095 A JP6255095 A JP 6255095A JP H08262250 A JPH08262250 A JP H08262250A
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JP
Japan
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optical waveguide
chamber
gas
film
high frequency
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JP6255095A
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English (en)
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Satoshi Fukuyama
聡 福山
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Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Machine Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速で成膜およびエッチング可能な光導波路
作製方法およびその装置を提供する。 【構成】 誘導結合プラズマプロセスを用いて基板10
1に光導波路の成膜及びコア層105のパターニングを
行う。また、基板101に印加するバイアス電圧の有無
ないし大小の調節により、光導波路を構成するクラッド
層113,103とコア層105を同一反応ガスで形成
する。これに用いる光導波路作製装置1では、排気装置
67で真空状態とされ、ガス供給装置49,51で反応
ガスを供給されたチャンバ3の外側に設けられたリング
状のアンテナ19を高周波印加して、誘電体窓13を通
してチャンバ3内にプラズマ71を発生させる。このプ
ラズマ71がステージ47上に載置されているワーク6
9上に成膜する。この時、前記ステージ47に電気的に
接続されると共に水を流せる配管85がバイアス用の高
周波電源を印加すると共に、冷却水を流してステージ4
7を冷却するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は光導波路作製方法およ
びその装置に係り、さらに詳しくは、誘導結合プラズマ
プロセスを用いた光導波路作製方法およびその装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図3に基づいて従来の光導波路作製方法
を説明する。まず、シリコンウエハや石英のような基板
101を準備し(ステップSA1)、その上一面に厚さ
20μm 程度のSiO 2 膜を堆積させて下側クラッド層1
03を形成する(ステップSA2)。この堆積方法につ
いては後述する。
【0003】次に、Geを数 mol%含有した Ge-SiO 2
を前述の下側クラッド層103の上面一面に5μm 堆積
させて光が通過する導波路であるコア層105Aを形成
した後(ステップSA3)、このコア層105Aの上面
一面にレジスト107Aを適当な厚さで塗布する(ステ
ップSA4)。コア層105Aの厚さおよび下側クラッ
ド層103の厚さはコア層105Aを通過する光の波長
により決定される。
【0004】レジスト107A塗布後、光導波路のパタ
ーンが描画されたマスク109を介してレジスト107
Aの上面へUV光111を照射する(ステップSA
5)。レジスト107Aにはポジ型とネガ型があるが、
例えば、ポジ型の場合はマスク109によってUV光1
11を照射された部分が感光してアルカリ溶液に溶ける
状態となる。すなわち、アルカリ溶液に浸すことで感光
した部分が除去されて、コア層105A上には感光され
なかった部分107Bが残ることとなる(ステップSA
6)。
【0005】次に、RIE(反応性イオンエッチング)
のようなドライエッチング処理を行う。これによりコア
層105Aの一部が除去されて下側クラッド層103上
にマスク109と全く同一のパターンを有するコア層1
05Bが形成され(ステップSA7)、レジスト107
Bを除去する(ステップSA8)。最後に、コア層10
5Bの上からSiO 2 膜を堆積させて上側クラッド層11
3を形成する(ステップSA9)。この上側クラッド層
113は、前述の下側クラッド層103と同様に20μ
m の膜厚を有し、この厚さはコア層105B内を通過す
る光の波長に大きく関係する。
【0006】また、コア層105Bは、上下クラッド層
113,103に比してGeを含んでいるため、その分屈
折率が高くなり、コア層105B内を進行する光が漏洩
しないため光信号を忠実に伝搬することとなる。
【0007】次に、前述のクラッド層113,103お
よびコア層105A,105Bの形成について、成膜工
程とエッチング工程に分けて説明する。
【0008】成膜方法は未だ特に定まった方法というも
のはない。最も多く用いられているのは図4に示される
火炎堆積法(FHD法という)と呼ばれる方法である。
【0009】図4を参照するに、この方法では内側ノズ
ル115の周囲に外側ノズル117を有する多重管ノズ
ル119を用いる。内側ノズル115がH 2 とO 2 の混
合ガスを噴出し、外側ノズル117がSiCl4 ガス,GeCl
4 ガスを噴出する。
【0010】まず、基板101を電源121により駆動
するヒータ123の上に載せ、電源121をオンにす
る。基板101が所定の温度になると、内側ノズル11
5からH 2 とO 2 の混合ガスを噴出して着火する。次に
外側ノズル117からSiCl4 ガスを噴出させて、SiCl4
とO 2 を火炎の中で反応させる。これにより、スート1
25と呼ばれる白濁した膜が基板101上に堆積する。
このスート125が堆積した基板101を1000°C
近傍まで加熱すると、白濁していたスート125がガラ
ス化して透明なクラッド層113,103が得られる。
【0011】また、コア層105を堆積させる場合に
は、外側ノズル117からSiCl4 ガスに加えてGeCl4
スを噴出させる。この時、GeCl4 ガスの噴出量を適当な
量にすればSiO 2 膜中にGeが微量含まれたコア層105
が形成される。
【0012】しかし、上述のFHD法によると以下のよ
うな問題がある。すなわち、 工程がスート125堆積工程とガラス化工程の2工程
となり作業性が悪い。
【0013】ガラス化工程で1000°C近傍まで加
熱すると、例えばシリコンの基板101の場合に、熱膨
張率の相違から膜に引張応力が生じて破損する恐れがあ
る。
【0014】一般的に知られているように、シリコン
の基板101は800°C近傍を境にその強度が激減す
るので、温度分布を数°C以内に収めないと熱応力によ
りスリップという結晶欠陥を生じるという問題がある。
さらに、その分布はウエハ口径が大きくなる程厳しくな
る。
【0015】将来的には、光導波路はトランジスタの
ような電気素子と光素子が一枚の基板内に収納されたも
のが望まれるが、トランジスタ等の配線にはAl等が用い
られており、400°C以上の温度になるとこのAl等が
シリコンの基板101と反応してしまう恐れがある。
【0016】以上の問題点よりFHD法はこのようなデ
バイスには一般に使用されない。
【0017】そこで、半導体の製造プロセスで用いられ
ているプラズマCVD法を利用することが近年検討され
ている。
【0018】以下、一般に用いられているプラズマCV
D法について説明する。
【0019】図5にはプラズマCVD法に用いられる最
も一般的な装置である平行平板型のプラズマCVD装置
127が示されている。ここでは、上下クラッド層11
3,103のSiO 2 膜をウエハ129上に成膜する場合
を例として説明する。
【0020】結晶成長に際して外気と遮断するためのプ
ラズマCVDチャンバ131の内部には、相対向する一
対の平行平板型の電極133U,133Lが設けられて
おり、下側電極133Lの上にはウエハ129が載せら
れている。上側電極133Uは、チャンバ上蓋135を
貫通して設けられている絶縁碍子137を通ってマッチ
ングボックス139に接続され、さらに高周波電源14
1に接続されている。このマッチングボックス139
は、高周波電源141から供給された電力を効率よくチ
ャンバ131内に供給するためのものである。また、下
側電極133Lには回転装置143が設けられており、
下側電極133Lを回転させることによりウエハ129
に形成されるSiO 2 膜の均一性を確保するためのもので
ある。
【0021】チャンバ下蓋145には、CVD終了後の
背圧真空引き用高真空排気系147と、CVD中の供給
ガス排気用低真空排気系149が取付けられている。前
記背圧真空引き用高真空排気系147には途中排気用の
排気バルブ151が設けられており、ターボ分子ポンプ
等の高真空用の排気装置153に接続されている。
【0022】一方、供給ガス排気用低真空排気系149
には途中排気用のバルブ155および前記チャンバ13
1内の圧力を一定に保持するためのスロットルバルブ1
57が設けられていて、ロータリーポンプやドライポン
プやメカニカルブースタポンプ等の比較的低真空用の排
気装置159に接続されている。
【0023】また、チャンバ上蓋135には、ガス供給
用配管161,163が取付けられている。ここでは、
ガス供給用配管161がジクロールシラン(SiH2 Cl2 )
用のものであり、ガス供給用配管163が酸素(O2 )用
のものである。従って、ガス供給用配管161および1
63には、各々ジクロールシランガス供給用のバルブ1
65、酸素供給用のバルブ167が設けられている。
【0024】チャンバ131には、ウエハ129のロー
ド/アンロード用ポート169が設けられており、バル
ブ171の開閉によりウエハ129のロード/アンロー
ドが可能となっている。
【0025】チャンバ131内部には下側電極133L
上のウエハ129を加熱するためのヒータブロック17
3が設けられており、このヒータブロック173はヒー
タ電源141に接続されている。この時の温度は、温度
計175により確認できるようになっている。
【0026】次に、前述のプラズマCVD装置127の
動作を説明する。まず、ロード/アンロード用ポート1
69のバルブ171を開けてウエハ129を所定の枚数
だけチャンバ131内に導入した後、バルブ171を閉
じる。排気バルブ151を開いて排気装置153すなわ
ち高真空用の排気系147により10-6Torr程度の真空
度まで真空引きする。同時にヒータブロック173を加
熱して下側電極133Lおよびウエハ129を加熱す
る。この時、チャンバ131内の圧力は、真空スイッチ
または電離真空計などによって随時確認され、通常30
0〜400°Cに加熱する。また、下側電極133Lを
均一に加熱するために、下側電極133Lは回転装置1
43により回転駆動する。
【0027】続いて、ガス供給用配管161のジクロー
ルシランガス供給用のバルブ165を開けることにより
ジクロールシランガスをチャンバ131内に供給し、つ
いでガス供給用配管163の酸素供給用のバルブ167
を開けることにより酸素ガスをチャンバ131内に供給
する。この時のチャンバ131内の排気は、低真空用の
排気系149を用いて行われる。
【0028】通常のガス供給量は全部で数百SccM程度で
あり、圧力としては0.1Torrから数Torrのオーダーと
なる。最終的な圧力調整は、スロットルバルブ157の
開度を調整することにより行われる。
【0029】以上のようにして所定のガスを所定の流量
比で供給し、且つチャンバ131内を所定の圧力に調整
した後、高周波電源141をオンとしてマッチングボッ
クス139を介して電力を上側電極133Uに供給す
る。電力は数百W程度が一般的である。この時、マッチ
ングボックス139は予め調整されており、高周波電源
141への反射電力はゼロかできるだけ小さく抑制され
ている。
【0030】これにより上下電極133U,133L間
にはプラズマ177が形成され、このプラズマ177内
でジクロールシランガスと酸素ガスが分解・合成されて
ウエハ129上にSiO 2 膜が形成されることになる。こ
の時、特にジクロールシランのようなClを含んだガスを
用いると、SiClX の中間生成物(塩化物)が電極133
U,133Lおよびチャンバ131の内壁に付着して、
プロセス中ウエハ129上に付着して膜質の劣化を招い
たり、またチャンバ131を大気解放したときに空気中
の水分と反応してHCl を生成するので作業者の安全を損
なう恐れも生じる。特に、塩化物により膜質の劣化を招
くことは影響が大きい。
【0031】最後に、上記プロセスが一通り終了する
と、バルブ165,167は閉じられ、排気系147に
より高真空まで排気し、図示しないパージ手段によりパ
ージされ、処理後のウエハ129をチャンバ131の外
に取出す。同時に処理前のウエハ129がチャンバ13
1内に搬入され、上述のプロセスを繰り返す。
【0032】このような方法によると、FHD法のよう
なガラス化工程は不要となり、製造工程は簡略化され
る。また、300〜400°Cの加熱温度で処理できる
ので、スリップや基板との熱膨張差による割れの問題は
解決される。
【0033】次に、図6に基づいて従来のプラズマエッ
チング装置179について説明する。このプラズマエッ
チング装置179は前述のプラズマCVD装置127と
類似しており、異なる点は、使用するガス,高周波を印
加する電極181U,181L、ウエハ129を冷却す
る点である。
【0034】ここでは、コア層105のパターニングエ
ッチングを例にとって説明する。
【0035】プラズマエッチングチャンバ183の内部
には、相対向する一対の平行平板型の電極181U,1
81Lが設けられており、下側電極181Lの上にはウ
エハ129が載せられている。この下側電極181L
は、チャンバ下蓋185を貫通して設けられている絶縁
碍子187を通ってマッチングボックス189に接続さ
れ、さらに高周波電源191に接続されている。また、
下側電極181Lには回転装置193が設けられてお
り、下側電極181Lを回転させることによりウエハ1
29に形成されたSiO 2 膜のエッチングレートの均一性
を確保するためのものである。
【0036】前記チャンバ下蓋185には、背圧真空引
き用排気系195と、供給ガス排気用排気系197が取
付けられている。前記背圧真空引き用排気系195には
途中排気バルブ199が設けられており、排気装置20
1に接続されている。
【0037】一方、供給ガス排気用排気系197には途
中排気バルブ203およびチャンバ183内の圧力を一
定に保持するためのスロットルバルブ205が設けられ
ていて、ロータリーポンプやドライポンプやメカニカル
ブースタポンプ等の比較的低真空用の排気装置207に
接続されている。
【0038】また、チャンバ上蓋209には、ガス供給
用配管211,213が取付けられている。ここでは、
配管211が例えば4フッ化炭素(CF 4 ) ガス用配管
で、配管213がアルゴン(Ar)ガス用のものである。従
って、配管211および213には、各々4フッ化炭素
(CF 4 ) ガス供給用のバルブ215、アルゴン(Ar)ガス
供給用のバルブ217が設けられている。
【0039】前記チャンバ183には、ウエハ129の
ロード/アンロード用ポート219が設けられており、
バルブ221の開閉によりウエハ129のロード/アン
ロードが可能となっている。
【0040】チャンバ183内部には冷却ユニット22
3が設けられており、冷却水注入口225から冷却水を
供給して冷却水出口227から排水する。これにより下
側電極181L上のウエハ129を冷却するものであ
る。なお、この時の温度は温度計229により確認され
る。
【0041】次に、プラズマエッチング装置179の動
作を説明する。まず、バルブ221を開けてロード/ア
ンロード用ポート219から所定の枚数のウエハ129
をチャンバ183内に導入した後、バルブ221を閉じ
る。排気バルブ199を開いて排気装置201すなわち
排気系195により10-6Torr程度の真空度まで真空引
きする。この時、チャンバ183内の圧力は、真空スイ
ッチまたは電離真空計などによって随時確認される。
【0042】同時に冷却水入口225より供給された冷
却水により冷却ユニット223を冷却し、所定の温度ま
で下側電極181Lとウエハ129を冷却する。この時
の温度は温度計229により随時確認するが、通常30
0〜400°Cの温度となるように冷却する。また、下
側電極181Lの温度の均一性を確保するため、下側電
極181Lは回転装置193により回転駆動する。
【0043】続いて、ガス配管211の4フッ化炭素(C
F 4 ) ガス供給用のバルブ215を開けることにより4
フッ化炭素(CF 4 ) ガスをチャンバ183内に供給し、
ついでガス配管213のアルゴン(Ar)ガス供給用のバル
ブ217を開けることによりアルゴン(Ar)ガスをチャン
バ183内に供給する。この時のチャンバ183内の排
気は、排気系197を用いて行われる。
【0044】通常のガス供給量は全部で数百SccM程度で
あり、圧力としては0.1Torrから数Torrのオーダーと
なる。最終的な圧力調整は、スロットバルブ205の開
度を調整して行われる。
【0045】以上のようにして所定のガスを所定の流量
比で供給し、且つチャンバ183内を所定の圧力に調整
した後、高周波電源191をオンにしてマッチングボッ
クス189を介して電力を下側電極181Lに供給す
る。電力は数百W程度が一般的である。この時、マッチ
ングボックス189は予め調整されており、高周波電源
191への反射電力はゼロかできるだけ小さく抑制され
ている。
【0046】これにより上,下電極181U,181L
間にはプラズマ231が形成され、このプラズマ231
内で4フッ化炭素(CF 4 ) ガスとアルゴン(Ar)ガスが分
解されてウエハ129上のSiO 2 膜をエッチングする。
【0047】最後に、上記プロセスが一通り終了する
と、バルブ215,217は閉じられ、排気系195に
より高真空まで排気し、図示しないパージ手段によりパ
ージされ、処理後のウエハ129をチャンバ183の外
に取り出す。同時に処理前のウエハ129がチャンバ1
83内に搬入され、上述のプロセスを繰り返す。
【0048】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術にあっては、以下のような問題点があ
る。すなわち、平行平板型プラズマCVD法において
は、 半導体プロセスで使用されるプラズマCVD装置12
7の成膜速度はせいぜい5000Å/min 程度であり、
10μm 厚さの酸化膜形成に20min の時間を要する。
従って、上側クラッド層113の成膜に40min 、下側
クラッド層103の形成に40min 、コア層105の形
成に10min で合計90min の時間を要する。これは将
来光導波路デバイスが半導体デバイスに匹敵する生産量
となることを想定すると、生産性が問題となる。
【0049】上術のプラズマCVD装置127で形成
されるSiO 2 膜は、熱酸化膜に比してポアな膜である。
【0050】ポアな膜であることと、SiとO との比を
保持することが困難であり、従って光導波路として重要
な屈折率を本来の値にすることが困難であるという問題
がある。
【0051】また、前述の平行平板型プラズマエッチン
グ法においては、以下のような問題がある。すなわち、
プラズマエッチング速度はせいぜい10000Å/min
程度であり、10μm 厚さの酸化膜をエッチングするに
は10min の時間を要する。従って、将来光導波路デバ
イスが半導体デバイスに匹敵する生産量となることを想
定すると生産性が問題となる。
【0052】この発明の目的は、以上のような従来の技
術に着目してなされたものであり、高速で成膜およびエ
ッチング可能な光導波路作製方法およびその装置を提供
することにある。
【0053】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1による発明の光導波路作製方法は、基板上
における光導波路の成膜工程およびコア層のパターニン
グを誘導結合プラズマプロセスにて行うことを特徴とす
るものである。
【0054】請求項2による発明の光導波路作製方法
は、請求項1記載の基板に印加するバイアス電圧の有無
ないし大小によりクラッド層とコア層を同一反応ガスで
形成することを特徴とするものである。
【0055】請求項3による発明の光導波路作製装置
は、高周波印加が可能なリング状のアンテナと、このア
ンテナに接して設けられた誘電体窓と、この誘電体窓の
下方に設けられてワークを載置するステージと、前記ス
テージおよびワークを内部に含んで気密保持可能に設け
られたチャンバと、このチャンバ内部を排気するための
排気装置と、前記チャンバに少なくとも2種類の反応ガ
スを所望量供給可能なガス供給装置と、を備えてなるこ
とを特徴とするものである。
【0056】請求項4による発明の光導波路作製装置
は、前記請求項3の構成に加えて前記ステージに電気的
に接続されると共に内部に水を流せる配管と、この配管
にマッチングボックスを介して接続されたバイアス用の
高周波電源と、を備えてなることを特徴とするものであ
る。
【0057】また、請求項5による発明の光導波路作製
装置は、請求項4記載の配管が銅製であることを特徴と
するものである。
【0058】
【作用】請求項1による光導波路作製方法では、誘導結
合プラズマプロセスを用いて基板上に光導波路の成膜お
よびコア層のパターニングを行うものである。
【0059】請求項2による光導波路作製方法では、請
求項1記載の基板に印加するバイアス電圧の有無ないし
大小を調節することにより、基板上において光導波路を
構成するクラッド層とコア層を同一反応ガスで形成する
ものである。
【0060】請求項3による光導波路作製装置では、排
気装置により真空状態とされ、ガス供給装置により少な
くとも2種類の反応ガスを所望量供給された状態のチャ
ンバの外側に設けられたリング状のアンテナを高周波印
加して、誘電体窓を通してチャンバ内にプラズマを発生
させる。このプラズマがガスを分解・合成してチャンバ
内のステージ上に載置されているワーク上に成膜する。
あるいは、ガスを分解してエッチングを行う。
【0061】請求項4による光導波作製装置では、前記
ステージに電気的に接続されると共に内部に水を流せる
配管が前記ステージにバイアス用の高周波電源を印加す
ると共に、冷却水を流してステージを冷却するものであ
る。
【0062】また、請求項5による光導波路作製装置で
は、配管が銅製であり、電気および熱伝導性がよいの
で、冷却に適する。
【0063】
【実施例】以下、この発明の好適な一実施例を図面に基
づいて説明する。
【0064】図1にはいわゆる誘導結合プラズマ(IC
P)CVD装置1が示されている。図1において、冷却
のため二重構造となっているチャンバ3の内側には石英
円環5が設けられており、チャンバ3の上側には上蓋7
が、また下側には下蓋9がそれぞれOリング11等によ
りシールされて設けられている。
【0065】前記チャンバ3の上蓋7の上面には、石英
から成る高周波電波の誘電体窓13が設けられており、
この誘電体窓13の上には二つの端子15,17を有す
る銅製のリング状アンテナ19が設けられている。前記
誘電体窓13は石英の外、電波を通すが赤外線を透過さ
せないアルミナのような材料を使用することもできる。
また、前記端子15,17にはマッチングボックス21
が接続されており、さらに高周波電源23が接続されて
いる。
【0066】ここでは、前記リング状アンテナ19は冷
却されていないが、供給される高周波によって数百°C
まで温度が上昇することを考えると、アンテナ19を管
状にして冷却水を流すことも考えられる。
【0067】前記誘電体窓13と上蓋7との間にはOリ
ング25が設けられており、チャンバ3の内部空間を密
閉している。このOリング25を冷却するために、上蓋
7には冷却水用の流路27が設けられており、注入口2
9から冷却水を注入して排水口31から排水している。
【0068】また、上蓋7には酸素(O2 ) 供給用の配管
33が設けられており、この配管33に接続する供給路
35が設けられている。この供給路35の先端にはガス
供給穴37が設けられており、このガス供給穴37から
誘電体窓13の近傍に酸素(O2 ) を供給している。
【0069】前記チャンバ3の下蓋9上には下支柱39
が立設されており、この下支柱39の上側にはヒータ支
持板41が設けられていて、ヒータ支持板41の上には
さらに上支柱43が設けられている。
【0070】上支柱43の上には、数組の反射板45が
設けられており、この反射板45の内側にステージであ
るヒータ47が設けられている。このヒータ47の上に
ワークであるウエハ129を載置し、例えば600°C
程度まで均一に加熱する。このため、上支柱43はセラ
ミックスのような熱伝導率の小さな材質でできている。
【0071】また、ヒータ47の上方には例えば石英製
のリング状をしたガス供給管49,51が設けられてお
り、ガスをリング状のガス供給管49の内側へ向けて吹
き出すようになっている。このガス供給管49,51に
は各々ガスを供給するための枝管53,55が取付けら
れている。この枝管53,55は、各々ユニオン継手5
7,59によりチャンバ3の下蓋9を貫通するSUS 管6
1,63に接続されている。
【0072】前記ヒータ支持板41の上面における前記
ヒータ47および反射板45の周囲には、ヒータ47か
ら反射板45を超えてくる熱流を遮蔽するための冷却ユ
ニット65が設けられている。また、下蓋9には排気管
67が設けられており、チャンバ3内の排気を行うもの
である。
【0073】次に、前述の誘導結合プラズマ(ICP)
CVD装置1の動作について説明する。まず、図示しな
いローダによりウエハ69をチャンバ3内のヒータ47
上に載置する。もしチャンバ3内が大気圧であれば、図
示しない排気ポンプにより排気管67から例えば10-6
〜10-7Torrの真空まで排気する。
【0074】ヒータ47に電流を供給して、300°C
〜500°C程度まで加熱する。この時、すべての冷却
部には冷却水を流しておく。適当な温度まで昇温した
後、ガス供給口37から酸素(O2 ) が供給され、ガス供
給管51からジクロールシラン(SiH2 Cl2 ) ガスが所定
の割合で供給される。
【0075】チャンバ3内の圧力を図示しないスロット
ルバルブ等で所定圧力に調整した後、マッチングボック
ス21を介して高周波電力が端子15, 17からアンテ
ナ19に供給される。これにより、誘電体窓13の直下
にプラズマ71が形成される。そして、このプラズマ7
1が先に供給された酸素(O2 ) ガスおよびジクロールシ
ラン(SiH2 Cl2 ) ガスが分解・合成してウエハ69上に
SiO 2 膜が堆積される。
【0076】ここで、ジクロールシランを2SLM 、酸素
を1.5SLM 、圧力0.04Torr、基板温度300°
C、高周波電力1.2KWで処理すると、3.2μm/min
の成膜速度が得られた。また、膜質に関して、屈折率の
評価とFTIR分析(赤外吸光分光分析)を行った結
果、屈折率は1.45であってほぼ熱酸化膜のものに近
く、またFTIR分析結果もSi-Oの結合を示す1100
cm-1の吸収が観測された。
【0077】以上の結果から、熱酸化膜に近い良質な膜
が非常に高い成膜速度で得られることが分かった。すな
わち、上,下クラッド層113,103は6min 強、コ
ア層105は1min 強で成膜できることになる。
【0078】また、光導波路の他にもマイクロマシンの
犠牲層のような膜厚のおおきなSiO2 膜にも対応するこ
とが可能である。
【0079】次に、エッチングの結果について説明す
る。同じ誘導結合プラズマ(ICP)CVD装置1を用
いて、ガス供給管49から4フッ化炭素(CF 4 ) ガスを
3SLM、またガス供給口37からアルゴン(Ar)ガスを1S
LM 供給してエッチングを行った。
【0080】その結果、2μm/min のエッチングレート
でSiO 2 膜をエッチングできることが分かった。従っ
て、前述のように通常の平行平板型のエッチング装置1
79では1μm/min 程度のレートであることを考慮する
と、本装置1は厚膜のエッチングに適していると言うこ
とができる。
【0081】次に、図2に基づいて第二実施例に係る誘
導結合プラズマ(ICP)CVD装置73ついて説明す
る。ここで、前述の第一実施例と共通の部位には共通の
符号を付して重複した説明は省略する。
【0082】チャンバ75の左右両側面には、バイアス
印加のためのポート77,77が設けられている。この
ポート77,77には各々テフロン製のフランジ79,
79が取付けられており、このフランジ79,79を介
して継手81,81を備えた蓋83,83が取付けられ
ている。
【0083】この継手81にはチャンバ75の内部に冷
却水を供給するための銅製の銅配管85が設けられてお
り、この銅配管85はヒータ支持板41を貫通する絶縁
碍子87の内部を通ってヒータ47より一部が露出して
いる金属性のヒータ管89に電気的に密接に結線されて
いる。また、前記銅配管85はマッチングボックス91
を介してバイアス用の高周波電源93に接続されてい
る。
【0084】次に、動作を説明する。銅配管85に冷却
水を流し、バイアス用の高周波電源93をオンにして1
00KHz,数百Wの高周波電力を、銅配管85を介して前
記ヒータ管89に−100V程度のバイアスを印加す
る。そして、この状態で前述の第一実施例と同様に、高
周波電源23をオンにしてアンテナ19に高周波電力
(例えば、13.56MHz 、1.2KW)を印加して例えばSi
O 2 膜を形成する。
【0085】このような光導波路作製方法およびその装
置によると、バイアスを印加しない場合に比較して屈折
率の高いSiO 2 膜を形成することができる。すなわち、
バイアスを印加しない場合の屈折率は1.45であるの
に対し、上述のごとくバイアスを印加した場合の屈折率
は1.51となった。
【0086】また、クラッド層113,103およびコ
ア層105(図3参照)の両方を反応ガスの種類を変え
ることなく形成することができるので、作業効率が向上
する。
【0087】なお、この発明は、前述した実施例に限定
されることなく、適宜な変更を行なうことにより、その
他の態様で実施し得るものである。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜5によ
る発明によれば、光導波路の成膜工程に誘導結合プラズ
マプロセスを用いたので、上下クラッド層の成膜時間を
大幅に短縮化することができると共に熱酸化膜に近い良
質な成膜を行うことができる。
【0089】また、配管により冷却水を流してステージ
を冷却するので低温プロセスで処理できる。これによ
り、トランジスタが設けられた後に光導波路の形成が可
能になると共に、スリップのような欠陥が発生しない。
【0090】また、エッチング用のガスを供給すること
により同じ装置を用いて高速でエッチングを行うことが
できるので、処理時間が大幅に短縮される。
【0091】さらに、特に請求項2,4,5による発明
によれば、基板に印加するバイアス電圧の有無ないし大
小を調節することにより、基板上において光導波路を構
成するクラッド層とコア層を同一反応ガスで形成するこ
とができるので、作業効率が大幅に改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る光導波路作製装置の第一実施例
を示す説明図である。
【図2】第二実施例を示す説明図である。
【図3】従来の光導波路作製工程を示す工程図である。
【図4】従来のFHD成膜法(火炎堆積法)を示す説明
図である。
【図5】従来の平行平板プラズマCVD法に用いる装置
を示す説明図である。
【図6】従来の平行平板プラズマエッチング法に用いる
装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1,73 誘導結合プラズマCVD装置 3,75 チャンバ 13 誘電体窓 19 アンテナ 47 ヒータ(ステージ) 49,51 ガス供給管(ガス供給装置) 67 排気装置 69 ウエハ(ワーク) 85 銅配管(配管) 91 マッチングボックス 93 バイアス用の高周波電源 101 基板 103,113 クラッド層 105 コア層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波路の成膜工程およびコア層のパタ
    ーニングを誘導結合プラズマプロセスにて行うことを特
    徴とする光導波路作製方法。
  2. 【請求項2】 基板に印加するバイアス電圧の有無ない
    し大小によりクラッド層とコア層を同一反応ガスで形成
    することを特徴とする請求項1記載の光導波路作製方
    法。
  3. 【請求項3】 高周波印加が可能なリング状のアンテナ
    と、このアンテナに接して設けられた誘電体窓と、この
    誘電体窓の下方に設けられてワークを載置するステージ
    と、このステージおよびワークを内部に含んで気密保持
    可能に設けられたチャンバと、このチャンバの内部を排
    気するための排気装置と、前記チャンバに少なくとも2
    種類の反応ガスを所望量供給可能なガス供給装置と、を
    備えてなることを特徴とする光導波路作製装置。
  4. 【請求項4】 前記ステージに電気的に接続されると共
    に内部に水を流せる配管と、この配管にマッチングボッ
    クスを介して接続されたバイアス用の高周波電源と、を
    備えてなることを特徴とする請求項3記載の光導波路作
    製装置。
  5. 【請求項5】 前記配管が銅製であることを特徴とする
    請求項4記載の光導波路作製装置。
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