JPH08262178A - 定期点検作業省力化装置 - Google Patents

定期点検作業省力化装置

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JPH08262178A
JPH08262178A JP7064186A JP6418695A JPH08262178A JP H08262178 A JPH08262178 A JP H08262178A JP 7064186 A JP7064186 A JP 7064186A JP 6418695 A JP6418695 A JP 6418695A JP H08262178 A JPH08262178 A JP H08262178A
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JP7064186A
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Akira Maki
明 牧
Arata Ito
新 伊藤
Takao Ito
隆夫 伊藤
Yasuhiro Yuguchi
康弘 湯口
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Toshiba Corp
Tokyo Electric Power Co Holdings Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Tokyo Electric Power Co Inc
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】機器を定期的に分解・点検・除染・補修する作
業場所の環境を改善したり、作業の効果的な機械化を図
る。 【構成】分解点検を行う機器1が設置されている部屋の
天井面17近傍に敷設された軌道3と、機器1の周囲に
搬送して据え付けられる竜巻式排気装置10付の局所養
生装置11と、軌道3を走行する搬送装置に搭載され各
種センサーからなる環境計測装置と、軌道3を走行する
搬送装置7に搭載された分解・組立用の力バランス機能
付の治工具6と、軌道3を走行する搬送装置5に搭載さ
れた機器吊上げ装置4とを備え、上記環境計測装置、力
バランス機能付の治工具6および機器吊上げ装置4にて
機器1の分解・点検・組立作業を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉塵や放射性物質が拡
散したり、高温,騒音,爆発性ガス中,水中などで作業
環境が悪かったり、作業者が作業できない環境に設置さ
れている機器を分解点検・検査および補修するための定
期点検作業省力化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】粉塵や放射性物質が拡散したりする環境
下において、機器を分解点検・検査および補修する時に
は、作業者は防御服および呼吸装置を着用して作業を行
うとともに、作業者を交替させて作業を行っている。
【0003】また、これらの作業を行うロボットとして
極限作業ロボットの開発が行われているが、人間と同じ
程度の大きさで、同程度の作業能力を有するロボットの
開発の見込みが得られていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えばター
ビンロータの検査を行う時には、ショットブラストなど
の方法で表面の錆取りなどの洗浄作業を行った後、浸透
検査などが行われているものの、上記洗浄作業時に発生
する粉塵は、作業環境を悪化させるだけでなく、作業状
況をオンラインで監査できないという問題がある。その
ため、作業環境を改善するとともに、作業効率を向上す
るための機械化を行うことが課題である。
【0005】また、原子力プラントの健全性を確保する
ため、定期的に分解・点検・除染・補修を行うと、放射
線による被曝の問題および汚染の拡大が発生する可能性
があるため、作業者は防御服および呼吸装置を着用して
作業を行うとともに、作業者を交替させて作業を行った
り、汚染拡大防止のために養生作業を行っている。その
ため、作業環境を改善するとともに、作業効率を向上す
るための機械化を行うことが課題である。
【0006】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、検査をするための洗浄作業やプラントなどの機器
を定期的に分解・点検・除染・補修する作業場所の環境
を改善したり、作業の効果的な機械化を図った定期点検
作業省力化装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の請求項1は、分解点検を行う機器が設
置されている部屋の天井面近傍に敷設された軌道と、上
記機器の周囲に搬送して据え付けられる竜巻式排気装置
付の局所養生装置と、上記軌道を走行する搬送装置に搭
載され各種センサーからなる環境計測装置と、上記軌道
を走行する搬送装置に搭載された分解・組立用の力バラ
ンス機能付の治工具と、上記軌道を走行する搬送装置に
搭載された機器吊上げ装置とを備え、上記環境計測装
置、力バランス機能付の治工具および機器吊上げ装置に
て上記機器の分解・点検・組立作業を行うことを特徴と
する。
【0008】請求項2は、請求項1記載の力バランス機
能付の治工具が油圧式スタッドテンショナーであって、
このスタッドテンショナーに油圧発生装置から油圧が供
給され、この油圧発生装置は軌道を走行する搬送装置に
搭載されたことを特徴とする。
【0009】請求項3は、請求項1記載の分解点検を行
う機器が設置されている部屋に局所排気装置付のドラフ
ター設備が設置され、このドラフター設備内においてユ
ニット単位で搬送された機器の分解・点検・洗浄・再組
立を行うことを特徴とする。請求項4は、請求項1記載
の竜巻式排気装置が、局所養生装置に変えて、軌道を走
行する搬送装置にて分解点検を行う機器の周囲に据え付
けられることを特徴とする。
【0010】請求項5は、請求項1記載の機器吊上げ装
置が、搬送装置に変えて、床面走行台車に搭載されるこ
とを特徴とする。
【0011】請求項6は、請求項1記載の分解点検を行
う機器の周辺の床面および壁面に剥離可能な積層シート
が張り付けられたことを特徴とする。
【0012】請求項7は、請求項1記載の定期点検作業
省力化装置において、機器吊上げ装置に、可搬式知能ア
ームが吊り下げられたことを特徴とする。
【0013】請求項8は、分解点検を行う機器の周囲に
搬送して据え付けられ、竜巻式排気装置が搭載された局
所養生台車と、上記機器の周囲に搬送して据え付けら
れ、レーザ補修腕が搭載された台車とを備え、上記レー
ザ補修腕にて上記機器を補修することを特徴とする。
【0014】請求項9は、分解点検を行う機器が設置さ
れている機器室の天井面近傍に敷設された軌道と、この
軌道を走行する搬送装置に搭載された分解・組立用の力
バランス機能付の治工具と、上記軌道を走行する搬送装
置に搭載された機器吊上げ装置と、分解・洗浄・点検・
補修・再組立・機能検査を行う各種自動機が設置された
専用メンテナンス建屋とを設け、分解点検を行う機器を
上記機器室から上記専用メンテナンス建屋へ搬送台車に
て移送することを特徴とする。
【0015】請求項10は、請求項9記載の分解点検を
行う機器が設置された機器室は、壁面が空気浮上式移動
装置にて移動可能な可動式遮蔽壁にて構成されたことを
特徴とする。
【0016】請求項11は、請求項9記載の専用メンテ
ナンス建屋にドラフタシステムが装備されていることを
特徴とする。
【0017】請求項12は、請求項11記載の専用メン
テナンス建屋におけるドラフタシステムが三次元的に配
置されたことを特徴とする。
【0018】請求項13は、請求項9記載の専用メンテ
ナンス建屋において、機器,交換部品,計測器,治工具
は、コンベア,モノレール式搬送装置,自動搬送台車の
いずれかにより移送されることを特徴とする。
【0019】請求項14は、請求項9記載の専用メンテ
ナンス建屋に遠隔操作可能な可搬式知能アームを配備
し、この可搬式知能アームを遠隔操作して機器の分解・
洗浄・点検・補修・再組立・機能検査を行うことを特徴
とする。
【0020】請求項15は、水を収容した原子炉ウェル
に原子炉圧力容器の蓋を開閉する蓋開閉装置を設置し、
この蓋開閉装置にスタッドテンショナーおよび遠隔操作
可能な可搬式知能アームを搭載し、この可搬式知能アー
ムを遠隔操作してスタッドテンショナーを扱い、上記原
子炉圧力容器の蓋の開閉作業を行うことを特徴とする。
【0021】請求項16は、請求項15記載の蓋開閉装
置に可搬式知能アームが走行するレールが取り付けら
れ、このレールを介して上記可搬式知能アームに電力が
供給されることを特徴とする。
【0022】
【作用】請求項1においては、分解点検を行う機器が設
置されている部屋の天井面近傍に敷設された軌道と、上
記機器の周囲に搬送して据え付けられる竜巻式排気装置
付の局所養生装置と、上記軌道を走行する搬送装置に搭
載され各種センサーからなる環境計測装置と、上記軌道
を走行する搬送装置に搭載された分解・組立用の力バラ
ンス機能付の治工具と、上記軌道を走行する搬送装置に
搭載された機器吊上げ装置とを備え、上記環境計測装
置、力バランス機能付の治工具および機器吊上げ装置に
て上記機器の分解・点検・組立作業を行うことにより、
養生作業,足場作業を不要とし、作業工程を削減するこ
とができる。
【0023】また、力バランス機能付の治工具を作業の
種類に応じて使い分けることにより、作業者の能力を拡
張することができる。さらに、竜巻式排気装置付の局所
養生装置を備えたことにより、粉塵,放射性物質の拡散
を防止し、余分な養生作業が不要になり、機器の洗浄・
除染・検査の作業量を削減することができる。
【0024】請求項2においては、力バランス機能付の
治工具が油圧式スタッドテンショナーであって、このス
タッドテンショナーに油圧発生装置から油圧が供給さ
れ、この油圧発生装置は軌道を走行する搬送装置に搭載
されたことにより、スタッドテンショナーによる作業性
を向上させることができる。
【0025】請求項3においては、分解点検を行う機器
が設置されている部屋に局所排気装置付のドラフター設
備が設置され、このドラフター設備内においてユニット
単位で搬送された機器の分解・点検・洗浄・再組立を行
うことにより、細々とした機器の分解・洗浄・検査・補
修を行う場合の作業性を向上させるとともに、養生作業
の削減および作業者の防御装備を簡素化することができ
る。
【0026】請求項4においては、請求項1記載の竜巻
式排気装置が、局所養生装置に変えて、軌道を走行する
搬送装置にて分解点検を行う機器の周囲に据え付けられ
ることにより、請求項1と同様の作用をなす。
【0027】請求項5においては、請求項1記載の機器
吊上げ装置が、搬送装置に変えて、床面走行台車に搭載
されることにより、重量物の吊上げ作業を容易に行うこ
とができる。
【0028】請求項6においては、請求項1記載の分解
点検を行う機器の周辺の床面および壁面に剥離可能な積
層シートが張り付けられたことにより、機器の分解・点
検中に機器周辺が汚れたことが判ると、その都度積層シ
ートを一枚づつ剥離してクリーン度を保持する。
【0029】請求項7においては、請求項1記載の定期
点検作業省力化装置において、機器吊上げ装置に、可搬
式知能アームが吊り下げられたことにより、可搬式知能
アームを適宜必要な場所に設置し、治工具などの支援す
ることで、粉塵などの発生する悪環境の場所においての
機器の分解・点検を効率よく行うことができる。
【0030】請求項8においては、分解点検を行う機器
の周囲に搬送して据え付けられ、竜巻式排気装置が搭載
された局所養生台車と、上記機器の周囲に搬送して据え
付けられ、レーザ補修腕が搭載された台車とを備え、上
記レーザ補修腕にて上記機器を補修することにより、養
生作業を不要とし、作業工程を削減することができる。
【0031】請求項9においては、分解点検を行う機器
が設置されている機器室の天井面近傍に敷設された軌道
と、この軌道を走行する搬送装置に搭載された分解・組
立用の力バランス機能付の治工具と、上記軌道を走行す
る搬送装置に搭載された機器吊上げ装置と、分解・洗浄
・点検・補修・再組立・機能検査を行う各種自動機が設
置された専用メンテナンス建屋とを設け、分解点検を行
う機器を上記機器室から上記専用メンテナンス建屋へ搬
送台車にて移送することにより、各種自動機の稼働率を
高めることができる。また、スペース的に制約されるこ
とが少ないため、必要な自動機を設計・製作することが
容易であり、そして専用の養生設備を設けることができ
るため、養生作業するための作業量を削減することがで
きる。
【0032】請求項10において、分解点検を行う機器
が設置された機器室は、壁面が空気浮上式移動装置にて
移動可能な可動式遮蔽壁にて構成されたことにより、機
器を搬出する際、作業者が可動式遮蔽壁を移動させて専
用メンテナンス建屋へ搬送する通路を十分広くすること
ができ、これにより搬送作業を容易にすることができ
る。
【0033】請求項11においては、専用メンテナンス
建屋にドラフタシステムが装備されていることにより、
分解・洗浄・点検・補修・再組立作業における作業者の
汚染を防止することができる。
【0034】請求項12においては、専用メンテナンス
建屋におけるドラフタシステムが三次元的に配置された
ことにより、ドラフタシステムを設置する敷地面積を狭
くすることができる。
【0035】請求項13においては、専用メンテナンス
建屋において、機器,交換部品,計測器,治工具は、コ
ンベア,モノレール式搬送装置,自動搬送台車のいずれ
かにより移送されることにより、搬送作業効率が高くな
る。
【0036】請求項14においては、専用メンテナンス
建屋に遠隔操作可能な可搬式知能アームを配備し、この
可搬式知能アームを遠隔操作して機器の分解・洗浄・点
検・補修・再組立・機能検査を行うことにより、これら
の作業を自動化することができる。
【0037】請求項15においては、水を収容した原子
炉ウェルに原子炉圧力容器の蓋を開閉する蓋開閉装置を
設置し、この蓋開閉装置にスタッドテンショナーおよび
遠隔操作可能な可搬式知能アームを搭載し、この可搬式
知能アームを遠隔操作してスタッドテンショナーを扱
い、上記原子炉圧力容器の蓋の開閉作業を行うことによ
り、水の排除作業が不要になり、定期点検期間を短縮す
ることができる。
【0038】請求項16においては、蓋開閉装置に可搬
式知能アームが走行するレールが取り付けられ、このレ
ールを介して上記可搬式知能アームに電力が供給される
ことにより、可搬式知能アームに電力を供給するケーブ
ルが不要になり、構造が簡素化される。
【0039】
【実施例】以下、本発明に係る定期点検作業省力化装置
を図面を参照して説明する。
【0040】[第1実施例]図1は本発明に係る定期点
検作業省力化装置の第1実施例を示す斜視図、図2は図
1の側面図、図3は図1の平面図である。
【0041】(第1実施例の構成)第1実施例では、点
検・監視・検査装置,機器吊上げ装置,分解・組立用の
力バランス式治工具,補修および検査装置のそれぞれを
分解・点検を行う部屋の天井面近傍に敷設した軌道を走
行させるとともに、可搬式の竜巻式排気装置を搭載した
床面移動式の局所養生装置を分解点検を行う機器の周辺
に搬送して設置し、作業者が上記力バランス式治工具を
操作して機器としての竪型ポンプ1の分解・点検・組立
作業を行うものである。
【0042】具体的には、図1〜図3に示すように、分
解・点検を行う機器としての竪型ポンプ1が設置されて
いる機器室2内の天井面近傍には、モノレール式軌道3
が敷設され、このモノレール式軌道3にはエアまたは電
動機を用いて機器部品Mの荷重をバランスさせて機器部
品Mの荷重を軽減する荷重軽減装置付の機器吊上げ装置
4を搭載した搬送装置5と、スタッドテンショナー、ボ
ルトテンショナーまたはトルクレンチを取り付けたもの
を複数個組合せた分解・組立用の力バランス式治工具6
を搭載した搬送装置7と、図示しない補修および検査装
置を搭載した搬送装置とが取り付けられ、これらの装置
とともに竜巻式排気装置10を搭載した床面移動式の局
所養生装置11を搬送して竪型ポンプ1の周辺に設置
し、竜巻式排気装置10と同様の構造の竜巻式排気装置
付のドラフター設備13により竪型ポンプ1を分解・点
検・補修を行う。
【0043】モノレール式軌道3は、機器室2の前室1
4から迷路15の天井面16近傍を経由して機器室2の
天井面17近傍に敷設されるとともに、機器室2では竪
型ポンプ1およびドラフター設備13の天井窓13aの
上方に敷設されている。この天井窓13aの上方には、
モノレール式軌道3と分岐させるための分岐装置18が
配設されている。なお、竪型ポンプ1は架台19に固定
されている。
【0044】床面移動式の局所養生装置11には、竜巻
式排気装置10が搭載され、この竜巻式排気装置10に
は竜巻状の気流を発生するために互いに内側を向いて気
流噴き出し孔を開口した4本の曲管20が端板21を貫
通して取り付けられ、その曲管20の一端には気流を流
し込むための送風装置22が取り付けられている。4本
の曲管20の他端は、床面移動式の局所養生装置11の
昇降台11aおよび床面移動式昇降台車24の昇降台2
4aの近傍で閉塞されている。そして、4本の曲管20
は長尺の2本と短尺の2本とからなり、長尺の2本の曲
管20は、折り畳み可能な構造になっている。
【0045】端板21は、左右に2分割された構造で、
駆動装置23により開閉駆動され、その片方には竜巻状
の気流を吸い込むための吸込孔25が形成され、この吸
込孔25の裏面には吸引装置26が取り付けられてい
る。また、力バランス式治工具6の治工具としては、図
1および図2に示すように、油圧式スタッドテンショナ
ー27が搭載され、これら力バランス式治工具6および
油圧式スタッドテンショナー27は搬送装置7により搬
送される。油圧式スタッドテンショナー27には油圧発
生装置28から油圧が供給され、この油圧発生装置28
は搬送装置29に搭載され、この搬送装置29によりモ
ノレール式軌道3を走行する。
【0046】なお、図1〜図3において、竪型ポンプ1
は固定金具30上に設置されるとともに、入口配管38
および出口配管39が取り付けられている。
【0047】また、分解点検を行う機器としては、竪型
ポンプ1の他に、例えば横置き型熱交換器,原子炉再循
環ポンプ,原子炉浄化系ポンプ,主蒸気隔離弁,主蒸気
逃し安全弁,タービン本体,タービン主要弁,復水器,
原子炉浄化系熱交換器などが挙げられる。
【0048】次に、竜巻式排気装置10の作動原理につ
いて説明する。
【0049】人工竜巻発生の原理は、空間に連続する循
環流を形成し、両端を遮蔽して、その一方または両方の
循環の中心から空気を吸引することにより発生する。す
なわち、循環により空気の分子は遠心力が与えられ、一
方循環流の中心部では吸引により負圧を生じるが、この
負圧域は遠心力のため、周辺部には至らず循環流の中心
に沿ってコアー部を形成し平均的に長く伸びてくる。こ
の負圧コアー部が循環する空気の分子に求心力を与え、
遠心力と求心力とがバランスする範囲で循環流は渦流
(スパイラル・フロー)となり、中心部に収束しながら
吸引口に向かう竜巻が発生する。
【0050】人工竜巻を発生させる機構は、上記のよう
に連続する循環流を形成させる機構と、循環流の中心か
ら吸引する機構の組合せから成り、図4に示すように4
本の曲管20に相当する4本のエアーカーテン吹出柱3
1から同一回転方向に連続するエアーカーテン32が内
側20度の角度で吹き出されて空間を囲む。このエアー
カーテン32には上部の送風機33により送風される。
【0051】また、循環流の両面を遮蔽して(下面は床
になる)中心に吸込孔25に相当する吸気口を設け、排
気ダクト34に接続する。この循環流と吸引作用により
負圧コアー部35が形成され、人工竜巻36が発生す
る。この人工竜巻36は縦竜巻だけでなく、斜め竜巻、
曲り竜巻も自在に形成させることができる。したがっ
て、竜巻式排気装置10では吸込みに指向性が得られ、
吸込口から遠く離れた有毒ガスや粉塵を発生源から直接
補集吸引することができる。
【0052】(第1実施例の作用)第1実施例の作用を
説明する。
【0053】分解・点検を行う機器が設置されている機
器室2に竪型ポンプ1が設置している場合を例に説明す
る。まず、前室14の天井面に延びているモノレール式
軌道3にCCDカメラ,赤外線温度計,臭いセンサ,マ
イクロホン,放射線計測計,照明装置などの環境計測装
置を搭載した搬送装置を取り付け、この搬送装置をモノ
レール式軌道3を自動走行させて機器室2内の環境計
測、特に放射線計測計を用いて竪型ポンプ1周辺の3次
元放射線量分布を求める作業を行い、この得られた3次
元放射線量分布より遮蔽作業計画を立案する。
【0054】次に、床面移動式の局所養生装置11を前
室14から迷路15を経由して竪型ポンプ1が設置され
ている場所に移動させる。この場合、操作者が局所養生
装置11に搭乗して操作したり、遠隔操作または自動操
作で移動させる。次に、左右に2分割された端板21を
駆動装置23により開き、その状態で局所養生装置11
の昇降台11aを上昇させ、竪型ポンプ1に接続された
配管37が端板21に設けられた開口部に達すると上昇
を止め、駆動装置33を作動させて左右に開いた端板2
1を閉じた状態にする。
【0055】これらの床面移動式の局所養生装置11の
据付作業をその局所養生装置11に作業者Aが乗って移
動させたり、機器室2の外にいて遠隔で操作したり、全
自動操作で行ったりする。機器室2の外にいる別の作業
者Bは、作業者Aの支援作業を行うため、搬送装置を独
立に走行させ、この搬送装置に搭載したCCDカメラを
用いて支援情報を得る。
【0056】また、作業者Aが床面移動式昇降台車24
に搭乗し、この台車24を前室14から迷路15を経由
して竪型ポンプ1が設置されている場所に移動させ、そ
の昇降台24aを床面移動式の局所養生装置11の昇降
台11aと同じ高さ位置まで上昇させる。床面移動式の
局所養生装置11の端板21に取り付けられた長尺の曲
管20は、折畳み形式であり、搬送時には畳まれていた
のを作業者Aが手動あるいは遠隔操作で展開し、他端を
床面移動式昇降台車24の昇降台24a近傍に設置し、
竜巻式排気装置10の組立を終了し、局所養生システム
の準備が終了する。
【0057】竜巻式排気装置10の曲管20の気流噴き
出し孔から気流を吹き出し、竜巻状の気流を竪型ポンプ
1の周辺の分解作業を行う範囲に形成し、端板21に形
成された吸込孔25から竜巻状の気流を吸い込み、昇降
台11a,24aにより上方の竪型ポンプ1の周辺に気
流による局所養生空間を形成する。
【0058】さらに、分解・組立用の力バランス式治工
具6の治工具としてスタッドテンショナー27を搭載し
た搬送装置7、油圧発生装置28を搭載した搬送装置2
9および機器吊上げ装置4を搭載した搬送装置5などを
前室14から迷路15を経由して竪型ポンプ1が設置さ
れている場所の上方に移動させる。この場合、機器室2
の外にいる別の作業者Bが遠隔操作で移動させたり、床
面移動式の局所養生装置11に搭乗した作業者Aが遠隔
操作で移動させたりする。モノレール式軌道3への搬送
装置5などの取付けは前室14にいる作業者Bが実施す
る。
【0059】作業者Aが昇降台11a,24aに乗り、
機器吊上げ装置4の吊り具で竪型ポンプ1の入口配管3
8を把持し、力バランスしたスタッドテンショナー27
を作業者Aが手で引き降ろして入口配管38のフランジ
のボルトに設置し、図示しない油圧装置を遠隔で操作し
てボルトにテンションをかけ、作業者Aの手でボルトの
取り外しを行う。このボルトの取り外し作業が終了する
と、作業者Aは遠隔操作で機器吊上げ装置4を作動させ
て入口配管38を吊り上げ、モノレール式軌道3を走行
させ、竜巻式排気装置付のドラフター設備13の天井窓
13aの上方に移動させる。
【0060】また、作業者Aは、遠隔操作によりドラフ
ター設備13の竜巻式排気装置を作動させ、天井窓13
aを開き、ドラフター設備13内に入口配管38を吊り
降ろす。作業者Aの遠隔操作により吊り降ろし作業が終
了すると、再び竪型ポンプ1の上方に搬送装置5を移動
させる。引き続き、同様な操作で竪型ポンプ1のケーシ
ング,インペラ,ロータなどを取り出す。
【0061】竪型ポンプ1のケーシング,インペラ,ロ
ータなどの取り出し作業が終了すると、作業者Aの遠隔
操作により竪型ポンプ1のステータキャンの内面検査と
補修を行うため、図示しないレーザ応用内面検査装置を
搭載した搬送装置を前室14から迷路15を経由して竪
型ポンプ1のステータキャンの上方に移動させる。上記
レーザ応用内面検査装置を竪型ポンプ1のステータキャ
ンの上面に設置し、ケーシング内面の検査および補修を
レーザを用いて行う。この検査が終了すると、作業者A
は遠隔操作により上記レーザ応用内面検査装置を搭載し
た搬送装置を再び前室14に戻す。
【0062】他方、作業者Cは、ドラフター設備13内
に運ばれた入口配管38および竪型ポンプ1のケーシン
グ,インペラ,ロータなどをドラフター設備13内に設
置された吊上げ装置,力バランスで吊り下げられた治工
具,洗浄装置,検査装置などを利用して最少の構成要素
に分解した後、構成要素の洗浄,検査を行い、異常がな
ければ、再び組立を行う。異常が見つかると、補修でき
るものは補修装置を用いて補修を行う。補修が不可能な
ものは作業者BあるいはCが遠隔操作により、搬送装置
5を用いて前室14から交換部品を搬送し、天井窓13
aからドラフター設備13内に持ち込み、再組立を行
う。この再組立作業が終了した物から順に作業者Aは、
遠隔操作により搬送装置5を竪型ポンプ1の上方に移送
させ、竪型ポンプ1への組み込みを行う。作業者Cは、
構成要素の洗浄,検査,補修を可視光パルスレーザのエ
ネルギー密度を変えることにより行う。
【0063】次いで、竪型ポンプ1および配管の再組立
が終了すると、機能試験を行う。この機能試験では作業
者AおよびCは機器室2外に出る。前室14で作業者B
(あるいは作業者A,C)は、モノレール式軌道3にC
CDカメラ,赤外線温度計,臭いセンサ,マイクロホ
ン,放射線計測計,照明装置などの環境計測装置を搭載
した搬送装置を取り付け、モノレール式軌道3上を自動
走行させさて機器室2内の環境計測、機器の動作状態の
監視を遠隔で行う。異常が認められない場合は、作業者
Aが機器室2に入り、床面移動式の局所養生装置11の
端板21に取り付けられた展開した状態の曲管20を折
畳んだ状態とし、昇降台11a,24aを降下させる。
床面移動式の局所養生装置11および床面移動式昇降台
車24に作業者Aが搭乗し、順次機器室2から迷路15
を経由して前室14に搬出することで、作業が終了す
る。
【0064】(第1実施例の効果)このように第1実施
例によれば、分解・点検を行う機器として竪型ポンプ1
が設置されている機器室2にモノレール式軌道3を設置
し、各種計測器などの環境計測装置を搭載した搬送装
置,機器吊上げ装置4を搭載した搬送装置5,分解・組
立用のバランス式治工具6を搭載した搬送装置7,補修
および検査装置を搭載した搬送装置をそれぞれモノレー
ル式軌道3に走行させるとともに、竜巻式排気装置10
を搭載した床面移動式の局所養生装置11,竜巻式排気
装置付のドラフター設備13を用いて竪型ポンプ1を分
解・点検・補修を行うことにより、養生作業,足場作業
を不要とし、作業工程を削減することができる。
【0065】また、各種力バランス式治工具6を作業の
種類に対応して使い分けることにより、作業者の能力を
拡張することができ、分解・点検の省力化と作業効率を
向上させることができる。さらに、竜巻式排気装置付の
ドラフター設備13を用いることにより、細々とした機
器の分解・洗浄・検査・補修を行う場合の作業性を向上
させることができ、養生作業の削減および作業者の防御
装備を簡素化することができる。したがって、作業工程
の削減,作業の省力化,作業環境の改善,作業期間の短
縮化などが図れる。
【0066】[第1変形例] (第1変形例の構成)第1の変形例は、第1実施例の竜
巻式排気装置10を搭載した床面移動式の局所養生装置
11の代わりに、天井面近傍に敷設したモノレール式軌
道3を走行する搬送装置により可搬式の竜巻式排気装置
を分解・点検を行う機器の周辺に移送し、床面移動式昇
降台車24上に降ろして設置し、局所養生装置11を分
解・点検を行う機器の周辺に組付けるものである。すな
わち、第1変形例では、第1実施例の竜巻式排気装置1
0をユニット化して別途移送して据付可能としたもので
ある。
【0067】(第1変形例の作用)第1変形例の作用を
説明する。
【0068】前室14でモノレール式軌道3に、CCD
カメラ,赤外線温度計,臭いセンサ,マイクロホン,放
射線計測計,照明装置などの環境計測装置を搭載した搬
送装置を取り付け、この搬送装置をモノレール式軌道3
を自動走行させて機器室2内の環境計測(3次元放射線
量分布測定)が終了すると、2台の床面移動式昇降台車
24に作業者Aが搭乗して前室14から迷路15を経由
して竪型ポンプ1が設置されている場所に移動(あるい
は前室14から遠隔操作で移動したり、自動で移動)さ
せ、昇降台24aを所定の高さに上昇させて固定する。
作業者Aは遠隔操縦で可搬式の竜巻式排気装置を機器吊
上げ装置4で吊り上げた状態の搬送装置5を前室14か
ら迷路15を経由して竪型ポンプ1が設置されている場
所の上方に移動させ、上記可搬式の竜巻式排気装置を一
台の床面移動式昇降台車24の昇降台24aの上に吊り
降ろして設置する。
【0069】以下、第1実施例と同様に、竪型ポンプ1
の分解・洗浄・点検・補修・再組立・機能試験を行う。
この機能試験終了後、作業者Aは遠隔操縦により、再び
可搬式の竜巻式排気装置を機器吊上げ装置4で吊り上げ
た状態の搬送装置5を前室14に移送する。また、作業
者Aは2台の床面移動式昇降台車24も前室14に移動
させて作業を終了する。
【0070】(第1変形例の効果)このように第1変形
例によれば、モノレール式の搬送装置,可搬式の竜巻式
排気装置,竜巻式排気装置付のドラフター設備13を用
いて竪型ポンプ1の分解・点検・補修を行うことによ
り、第1実施例と同様に、養生作業,足場作業を不要と
し、作業工程を削減することができる。
【0071】また、各種力バランス式治工具6を作業の
種類に対応して使い分けることにより、作業者の能力を
拡張することができ、分解・点検の省力化(一人の作業
範囲の拡大)と作業効率を向上させることができる。さ
らに、竜巻式排気装置付のドラフター設備13を用いる
ことにより、細々とした機器の分解・洗浄・検査・補修
を行う場合の作業性を向上させることができ、また養生
作業の削減および作業者の防御設備を簡素化することが
できる。
【0072】[第2変形例] (第2変形例の構成)第2変形例は、第1実施例の機器
吊上げ装置4を搭載した搬送装置5をモノレール式軌道
3上を走行させて作業場所に移送する代わりに、機器吊
上げ装置4を搭載した床面移動式台車24を床面走行さ
せ、機器の分解・点検・組立作業を行う場所に移送させ
て作業を行うものである。
【0073】(第2変形例の作用)第2変形例の作用を
説明する。
【0074】第1実施例における局所養生システムの形
成が終了し、分解・組立用の力バランス式治工具6の一
例としてスタッドテンショナー27を搭載した搬送装置
7、油圧発生装置28を搭載した搬送装置29を、前室
14から迷路15を経由して竪型ポンプ1が設置されて
いる場所の上方に遠隔操作で移動させるのと前後し、機
器吊上げ装置4を搭載した床面移動式台車24を作業者
が搭乗して床面走行させて竪型ポンプ1の近傍に移動さ
せる。
【0075】以下、第1実施例のモノレール式軌道3上
を走行する機器吊上げ装置4を搭載した搬送装置の部分
を機器吊上げ装置4を搭載した床面移動式台車24で行
うことに置き換えることにより、同様に竪型ポンプ1の
分解・洗浄・点検・補修・再組立・機能試験を行う。た
だし、機能試験終了後には、再び機器吊上げ装置4を搭
載した床面移動式台車24を前室14に移送する作業が
異なる。
【0076】(第2変形例の効果)このように第2変形
例によれば、機器吊上げ装置4を搭載した床面移動式台
車24を用いて竪型ポンプ1を分解・点検・補修を行う
ことにより、第1実施例と同様に、重量物の吊上げ作業
を容易に行うことができる。その他の効果は前記第1実
施例と同様であるのでその説明を省略する。
【0077】[第2実施例]図5は本発明に係る定期点
検作業省力化装置の第2実施例を示す側面図、図6は図
5の平面図である。なお、前記第1実施例と同一または
対応する部分には同一の符号を用いて説明する。以下の
実施例および変形例についても同様である。
【0078】(第2実施例の構成)第2実施例では、第
1実施例の竪型ポンプ1の代わりに、横置き型熱交換器
40の分解・点検・組立作業を行うものである。
【0079】具体的には、図5および図6に示すよう
に、分解・点検を行う機器としての横置き型熱交換器4
0が設置されている熱交換器室41内の天井面42には
モノレール式軌道43が敷設され、このモノレール式軌
道43にはエアまたは電動機を用いてバランスさせて荷
重を軽減する図示しない荷重軽減装置付の機器吊上げ装
置を搭載した搬送装置と、スタッドテンショナー,ボル
トテンショナーまたはトルクレンチを取り付けたものを
複数個組合せた分解・組立用の力バランス式治工具6を
搭載した搬送装置7と、図示しない補修および検査装置
を搭載した搬送装置とが取り付けられ。これらの装置と
ともに竜巻式排気装置10を搭載した床面移動式の局所
養生装置11を用いて横置き型熱交換器40の分解・点
検・補修を行う。
【0080】モノレール式軌道34は、熱交換器室41
の前室44から迷路45の天井面を経由して熱交換器室
41の天井面42に敷設されるとともに、熱交換器室4
1では仮置き場46まで延びている。
【0081】床面移動式の局所養生装置11には、竜巻
排気装置10が搭載され、この竜巻排気装置10には竜
巻状の気流を発生するための気流噴き出し孔が開口され
た4本の吹出管47が端板48に取り付けられ、この端
板48は昇降台49に固定されている。そして、吹出管
47は、折畳み式構造で横置き型熱交換器40に設置さ
れた端板50の近傍に閉塞された端部が位置するように
なっている。
【0082】(第2実施例の作用)第2実施例の作用を
説明する。
【0083】分解・点検を行う機器が設置されている熱
交換器室41に横置き熱交換器40が設置されている場
合を例に説明する。まず、床面移動式の局所養生装置1
1に作業者Aが搭乗して操作(または、遠隔で操作した
り、全自動で操作)し、前室44から迷路45を経由し
て熱交換器室41内の横置き型熱交換器40が設置され
ている場所に移動させる。床面移動式の局所養生装置1
1に固定された端板48に取り付けられた吹出管47
は、折畳み形式であり、搬送時には折畳まれていたのを
展開して他端を横置き型熱交換器40に取り付けられた
端板50近傍に設置し、竜巻式排気装置10の組立を終
了し、局所養生システムの準備が終了する。
【0084】竜巻式排気装置10の吹出管47の気流噴
き出し孔より気流を吹き出し、竜巻状の気流を横置き型
熱交換器40の蓋40aの周辺の分解作業を行う範囲に
形成し、端板48に形成される吸込孔から竜巻状の気流
を吸い込み、昇降台49より上方の横置き型熱交換器4
0の蓋40aの周辺に気流による局所養生空間を形成す
る。
【0085】分解・組立用の力バランス式治工具6の治
工具としてスタッドテンショナー27を搭載した搬送装
置7,第1実施例のように、油圧発生装置28を搭載し
た搬送装置29および機器吊上げ装置4を搭載した搬送
装置を天井面42に設置されているモノレール式軌道4
3により移動させて横置き型熱交換器40の蓋40aの
上方に移動させる。この場合、熱交換器室41の外にい
る別の作業者Bが遠隔操作で移動させたり、床面移動式
の局所養生装置11に搭乗した作業者Aが遠隔操作で移
動させたりする。そして、モノレール式軌道43への機
器吊上げ装置4を搭載した搬送装置などの取付けを前室
44にいる作業者Bが実施する。
【0086】作業者Aが昇降台49に乗り、機器吊上げ
装置4の吊り具で横置き型熱交換器40の蓋40aを把
持し、力バランスしたスタッドテンショナ27ーを作業
者Aが手で引き降ろし、蓋40aのボルトに設置し、作
業者Aが手でボルトを取り外す。このボルトの取り外し
作業が終了すると、作業者Aは遠隔操作で機器吊上げ装
置4を作動させて蓋40aを吊り上げ、モノレール式軌
道43を走行させ、仮置き場46の上方に移動させた
後、降下させて床面に仮り置きする。
【0087】次いで、作業者Aが、横置き型熱交換器4
0の端板の目視検査を行い、異常が認められない場合、
作業者Aは、遠隔操作で再び機器吊上げ装置4を作動さ
せて蓋40aを仮置き場46より横置き型熱交換器40
の端板位置に移動させ、力バランスしたスタッドテンシ
ョナー27を作業者Aが手で引き降ろし、蓋40aのボ
ルトに設置し、作業者Aが手でボルトの締付作業を行
う。
【0088】他方、横置き型熱交換器40の端板の目視
検査を行った際、異常が認められた場合、作業者Aは、
遠隔操作により補修および検査装置を搭載した搬送装
置,補修機材を搭載した搬送装置をモノレール式軌道4
3上を移送させて横置き型熱交換器40の上方に配置し
て補修および検査を行う。これらの作業が終了すると、
異常が認められなかった時の作業を引き続き行う。
【0089】横置き型熱交換器40の再組立が終了する
と、機能試験を行うため作業者Aは、熱交換器室40外
に出る。前室44で作業者Aは、モノレール式軌道43
にCCDカメラ,赤外線温度計,臭いセンサ,マイクロ
ホン,放射線計測計,照明装置などの環境計測装置を搭
載した搬送装置を取り付け、これらをモノレール式軌道
43に自動走行させて熱交換器室41内の環境計測、機
器の動作状態の監視を遠隔で行う。異常が認められない
場合は、作業者Aが熱交換器室41に入り、床面移動式
の局所養生装置11の端板48に取り付けられた展開し
た状態の吹出管47を折畳んだ状態とし、昇降台49を
降ろす。そして、床面移動式の局所養生装置11に作業
者Aが搭乗し、熱交換器室41から迷路45を経由して
前室44に搬出して作業を終了する。
【0090】(第2実施例の効果)このように第2実施
例によれば、分解・点検を行う機器として横置き型熱交
換器40が設置されている熱交換器室41にモノレール
式軌道43を敷設し、この軌道43に機器吊上げ装置4
を搭載した搬送装置,分解・組立用の力バランス式治工
具6を搭載した搬送装置7,補修および検査装置を搭載
した搬送装置を走行させるとともに、竜巻式排気装置1
0を搭載した床面移動式の局所養生装置11を用いて横
置き型熱交換器40の蓋40aの分解・点検・補修を行
うことにより、養生作業,足場作業を行う必要がなく、
作業工程を削減することができる。各種力バランス式治
工具6を作業の種類に対応して使い分けることにより、
作業者の能力を拡張することができ、分解・点検の省力
化と作業効率を向上させることができる。
【0091】[第3実施例]図7は本発明に係る定期点
検作業省力化装置の第3実施例を示す正面図である。
【0092】(第3実施例の構成)第3実施例では、第
1実施例の竪型ポンプ1の代わりに、タービンロータ5
1の洗浄・点検・補修作業を行うものである。
【0093】図7に示すように、タービン室52内にお
いて、図示しないタービン本体からタービンロータ51
を取り出し、このタービンロータ51が洗浄・点検用の
架台53上に設置される。この架台53の周辺には竜巻
式排気装置10を搭載した床面移動式の養生台車54
と、可視光パルスレーザを応用したレーザ補修腕55を
搭載した台車が設置される。
【0094】竜巻式排気装置10の端板21には、曲管
20が取り付けられ、この曲管20は折畳み形式であ
り、気流吹き出し孔が開口され、この気流吹き出し孔か
ら気流を吹き出し、竜巻状の気流をタービンロータ51
の周辺の洗浄・検査作業を行う範囲に形成する。
【0095】また、レーザ補修腕55は、レーザ装置5
6から光ファイバ57を通して高エネルギー密度の可視
光パルスレーザをタービンロータ51の表面に照射して
表面の錆をプラズマ状態にして蒸発させて取り除き、蒸
発した酸化物を竜巻状の気流で局所的に閉じ込め、吸込
孔から排出させる。
【0096】(第3実施例の作用)第3実施例の作用を
説明する。
【0097】タービン室52において、タービン本体か
らタービンロータ51を取り出し、洗浄・点検用の架台
53に設置し、洗浄・点検・補修作業を行う場合につい
て説明する。タービン室52の天井クレーン(図示せ
ず)でタービン本体の蓋を取り外し、タービンロータ5
1を架台53に上記天井クレーンを用いて搭載し、竜巻
式排気装置10を搭載した床面移動式の養生台車54、
および可視光パルスレーザを応用したレーザ補修腕55
を搭載した台車をタービンローダ51の架台53の周辺
に移動させる。
【0098】竜巻式排気装置10の端板21に取り付け
られた曲管20は、折畳み形式であり、搬送の時には折
り畳まれていたのを展開してタービンロータ51を曲管
20の中に設置された状態とし、竜巻式排気装置10の
組立を終了し、局所養生システムの準備を終了する。次
いで、竜巻式排気装置10の曲管20の気流吹き出し孔
から気流を吹き出し、竜巻状の気流をタービンロータ5
1の周辺の洗浄・検査作業を行う範囲に形成し、端板2
1に形成される吸込孔から竜巻状の気流を吸い込み、タ
ービンロータ51の周辺に気流による局所養生空間を形
成する。
【0099】レーザ補修腕55から高エネルギー密度の
可視光パルスレーザをタービンロータ51の表面に照射
して表面の錆をプラズマ状態にして蒸発させて取り除
き、この蒸発した酸化物を竜巻状の気流で局所的に閉じ
込め、吸込孔から排除し、酸化物の拡散の防止、視界の
悪化防止を行う。レーザが照射された時に発生する超音
波を検出したり、タービンロータ51表面の振動を別の
計測用のレーザ光を照射して検出し、タービンロータ5
1の探傷を行い、このレーザ超音波探傷の結果、異常が
検出されると、CCDカメラでレーザ照射部を撮影して
いた映像より傷の画像認識を行う。傷の程度が軽微であ
る場合には、レーザ光を照射する時間を長くしたり、エ
ネルギー密度を大きくして傷部の削除を行ったり、傷の
進展を防止するためのストップホールを開口したり、肉
盛り作業などの予防保全作業を行う。
【0100】タービンロータ51の検査が終了すると、
床面移動式の養生台車54および可視光パルスレーザを
照射するレーザ補修腕55を搭載した台車をタービンロ
ータ51の架台53の周辺より離間させ、天井クレーン
(図示せず)でタービンロータ51をタービン本体への
組込みを行い、蓋をする。
【0101】(第3実施例の効果)このように第3実施
例によれば、タービン室52において洗浄・点検用の架
台53に搭載されたタービンロータ51の周辺に、竜巻
式排気装置10を搭載した床面移動式の養生台車54、
レーザ補修腕55を搭載した台車を設置し、タービンロ
ータ51の洗浄・点検・補修を行うことにより、養生作
業を不要とし、作業工程を削減することができる。ま
た、レーザ応用の洗浄装置を用いることにより、洗浄と
同時に探傷も行うことができ、レーザ光の照射時間、エ
ネルギー密度を変えることにより、傷の除去を行うこと
もでき、作業の種類により工具を変える必要もなくなる
ため、作業工程の削減,作業の省力化,作業環境の改
善,作業期間を短縮することができる。
【0102】[第4実施例] (第4実施例の構成)第4実施例では、天井面近傍に敷
設した軌道搬送装置により可搬式腕装置(可搬式汎用知
能アーム)を遠隔操作で動作させて分解点検を行う機器
の周辺に搬送して設置し、上記可搬式腕装置を遠隔操作
して治工具の設置の支援および玉掛け作業の支援を行
い、機器の分解・点検・組立作業を行うものである。
【0103】上記可搬式腕装置は、機器吊上げ装置4に
吊り下げられ、堅型ポンプ1の周辺に設置されたポール
に吊り降され、このポールに可搬式腕装置のチャック機
構により固定される。また、ドラフター設備13内にも
ポールやチャック機構付の設置台が設けられ、ドラフタ
ー設備13の天井窓13aからその中に上記可搬式腕装
置が吊り降ろされて設置される。
【0104】(第4実施例の作用)第4実施例の作用を
説明する。
【0105】第1実施例の前室14の天井面に設置され
ているモノレール式軌道3にCCDカメラ,赤外線温度
計,臭いセンサ,マイクロホン,放射線計測計,照射装
置などの環境計測装置を搭載した搬送装置を取り付け、
前室14で作業者がその搬送装置をモノレール式軌道3
上を遠隔操作で自動走行させて機器室2内の環境計測
(3次元放射線量分布の測定を実施)を実施し、続いて
遠隔操作で床面移動式の局所養生装置11を前室14か
ら迷路15を経由して堅型ポンプ1が設置されている場
所に移動させる。
【0106】次いで、機器吊上げ装置4で上記可搬式腕
装置を吊り下げて搬送装置5をモノレール式軌道3の上
を遠隔操作で走行させて前室14から堅型ポンプ1の周
辺に設置されたポールに可搬式腕装置を吊り降ろし、こ
の可搬式腕装置の固定部側の通電時に開のチャック機構
に通電して開放状態として所定の位置まで降ろした時に
チャック機構を閉じてポールに固定する。
【0107】ここで、チャック機構の開閉には、形状記
憶合金,電動モータと組み歯車,油圧発生装置とバルブ
系の組合せのような各種方式を用いる。搬送装置5の機
器吊上げ装置4の掴み機構部には可搬式腕装置に電力を
供給する接触端子が取り付けられている。チャック機構
にはポールを掴むと、このポールから電力の供給を受け
る接触端子が取り付けられている。また、ポールに高周
波電流を流して電磁誘導によって電力の供給を行う方式
もある。可搬式腕装置の固定部側のチャック機構に走行
機能を付加することにより、ポールに沿って移動を行え
るようにすることができる。なお、ポールの代りにチャ
ック機構付の設置台を用いてもよく、このチャック機構
は、遠隔操作で開閉する方式が望ましい。床面移動式の
局所養生装置11に可搬式腕装置を予め設置しておき、
これを遠隔操作して搬送装置5の機器吊上げ装置4で搬
送されてきた可搬式腕装置を据え付けるのを支援する。
【0108】以下、第1実施例の作業者の代りに、可搬
式腕装置を遠隔操作して作業を行う。可搬式腕装置の設
置位置の変更は最少限とし、必要に応じて機器吊上げ装
置4で可搬式腕装置を吊り上げて搬送装置5で別の最適
な位置に移動させる。
【0109】また、ドラフター設備13内にもポールや
チャック機構付の設置台を設けておき、ドラフター設備
13の天井窓13aからその内部に可搬式腕装置を吊り
降ろして前記と同様に可搬式腕装置を設置し、第1実施
例の作業者の代りに可搬式腕装置を遠隔操作してドラフ
ター設備13内の作業を行う。なお、可搬式腕装置を必
要な場所に設置する搬送作業は遠隔操作で行い、固定作
業のみを作業者が短時間で行うようにしてもよい。
【0110】(第4実施例の効果)このように、第4実
施例によれば、竜巻式排気装置10を搭載した床面移動
式局所養生装置11,竜巻式排気装置付のドラフター設
備13,可搬式腕装置を用いて堅型ポンプ1を分解・点
検・補修を行うことにより、養生作業,足場作業を行う
必要がなく、作業工程を削減することができ、各種力バ
ランス式治工具6を作業の種類に対応して使い分けるこ
とにより、量産品の可搬式腕装置のような高機能でない
腕ロボット装置の能力でも十分各種作業ができるように
能力を拡張することができ、低コストで分解・点検の省
力化と作業効率を向上することができ、竜巻式排気装置
付のドラフター設備13を用いることにより、細々とし
た機器の分解・洗浄・検査・補修を行う場合の作業性を
向上することができ、養生作業工程を削減することがで
きる。
【0111】また、重量物の取扱いをクレーンで行い、
据付などのあまり力の必要でない作業を可搬式腕装置で
行うことにより、可搬式腕装置に高度な知能が要求され
ず、低コストの可搬式腕装置で十分必要な作業を行うこ
とができ、技術進歩があれば適宜採用することにより、
作業効率を順次向上させることができる。ロボット化シ
ステムの組み方の自由度が大であるため、作業の内容が
変化しても容易に対応が可能であり、少量多種の作業を
低コストで且つ省力化を図って実行することができる。
【0112】[第5実施例] (第5実施例の構成)第5実施例では、第1実施例にお
いて機器室2の分解・点検を行う機器の周辺の床と壁に
積層した粘着シートを張り付けて機器の分解・点検・組
立作業を行うものである。この粘着シートは、最上部か
ら一枚ずつ剥離可能である。
【0113】(第5実施例の作用)第5実施例の作用を
説明する。
【0114】第1実施例の作用と異なるところは、機器
室2の分解・点検を行う機器の周辺の床と壁に積層の粘
着シートを張り付けておき、床面移動式の局所養生装置
11や床面移動式昇降台車24が機器室2に入る前に作
業者が、積層粘着シートの最上部の一枚を剥がし、機器
の分解・点検・機能試験が終了し、床面移動式の局所養
生装置11や床面移動式昇降台車24が機器室2の外部
に移動すると、作業者が積層粘着シートの最上部の一枚
を剥がして、機器室2の外に出るようにする。そして、
機器の分解・点検中に機器周辺が汚れたことが判ると、
その都度積層粘着シートの最上部の一枚を剥がしてクリ
ーン度を保持する。
【0115】(第5実施例の効果)このように第5実施
例によれば、第1実施例に機器室2の分解・点検を行う
機器の周辺の床および壁に積層粘着シートを張り付ける
構成とすることにより、竜巻式排気装置10を搭載した
床面移動式局所養生装置11による養生の信頼性を高
め、追加される作業量を最少限にすることができる。
【0116】[第6実施例] (第6実施例の構成)第6実施例では、第1実施例にお
いて機器室2に設置される堅型ポンプ1をステータキャ
ンの中にインペラ,ケーシングなどが組み込まれた状態
のユニットとしてプラントから分離し、床面上を走行す
る搬送台車で専用メンテナンス建屋(センター)60に
搬送し、分解・洗浄・点検・補修・再組立を行い、再び
上記搬送台車で機器室2に搬入しプラントに組み込むも
のである。
【0117】図8は原子炉建屋61,タービン建屋62
から機器が専用メンテナンス建屋(センター)60に搬
送される経路を示したものである。原子炉浄化系ポンプ
(堅型ポンプ1)が設置されている機器室2は、原子炉
建屋61に設置されているため、経路63,64を経て
放射化した機器を取り扱う専用メンテナンス建屋(Ho
t)65に移送して分解・点検を行う。
【0118】また、放射化されていない機器は、経路6
7を経て非放射化機器を取り扱う専用メンテナンス建屋
(Cold)66に移送して分解・点検を行う。ここ
で、交換部品・機器は、予備品センター68に保管され
ており、経路69を経由して原子炉建屋61,建屋6
2,専用メンテナンス建屋(センター)60の所定の場
所に移送される。
【0119】さらに、第6実施例が前記第1実施例と異
なる構成は、機器室2にドラフター設備13が設置され
ておらず、機器吊上げ装置4,搬送装置5,モノレール
式軌道3などが堅型ポンプ1全体を吊り下げることがで
きる強度を有していることである。
【0120】(第6実施例の作用)第6実施例の作用を
説明する。
【0121】第6実施例が第1実施例と異なる作用は、
次の点である。
【0122】運用システム的には、各種環境計測装置を
搭載した搬送装置で機器室2内の環境計測を行った後、
床面移動式の局所養生装置11と床面移動式昇降台車2
4を堅型ポンプ1の周辺に設置し、竜巻式排気装置10
を組み立てて局所養生システムを準備し、分解・組立用
の力バランス式治工具6を搭載した搬送装置,油圧発生
装置28を搭載した搬送装置29および機器吊上げ装置
4を搭載した搬送装置5を前室14から堅型ポンプ1が
設置されている場所の上方に移動させるまでの作用は第
1実施例と同様であるものの、以下の作用が異なる。
【0123】堅型ポンプ1の入口配管38の2カ所のフ
ランジ部のボルトをスタッドテンショナー27などを用
いてボルトを外し、L字型の入口配管38を取り外した
後、第1実施例のドラフター設備13が設置されていた
床面上を走行する搬送台車に、機器吊上げ装置4を搭載
した搬送装置5を用いて入口配管38を載置する。
【0124】また、出口配管39のフランジ部のボルト
を取り外し、電気系統の切り離しや小口径配管の切り離
しを行い、堅型ポンプ1の固定金具80と架台19とを
結合しているボルトをスタッドテンショナー27などを
用いて外し、堅型ポンプ1が架台19の上に載せられた
状態にする。なお、フランジ部の開口部には簡易蓋が取
り付けられている。
【0125】堅型ポンプ1を機器吊上げ装置4で吊り上
げ、搬送装置5をモノレール軌道3上を走行させ、搬送
台車の上に設置し、その上に降下させて据え付ける。堅
型ポンプ1の搭載が終了すると、搬送台車は、経路6
3,64を経由して専用メンテナンス建屋(Hot)6
5に移送される。
【0126】専用メンテナンス建屋(Hot)65に
は、各種専用自動機が設置されており、これらを用いて
分解・洗浄・点検・補修・再組立・機能検査を行い、一
連の作業が終了すると、再び搬送台車は、経路63,6
4を経由して機器室2に移送され、プラントへの組込み
を行う。また、入口配管38も専用メンテナンス建屋
(Hot)65で洗浄される。なお、搬送中は簡易搬送
容器に収納される。
【0127】(第6実施例の効果)このように第6実施
例によれば、第1実施例と異なり、堅型ポンプ1を現場
においてはほとんど分解せず、各種専用自動機が設置さ
れている専用メンテナンス建屋(Hot)65で分解・
洗浄・点検・補修・再組立・機能検査を行うことによ
り、各種専用自動機の稼動率を向上することができ、こ
れらの導入コストを削減することができる。また、スペ
ース的に制約されることが少ないため、必要な自動機を
設計・製作するのが容易であり、高速で作業を実施でき
る設備を容易に設定可能である。さらに、専用の養生設
備を設けることができるため、養生作業を行う作業量を
削減でき、作業の省力化,作業環境の改善,作業期間を
短縮することができる。
【0128】[第7実施例]図9は本発明に係る定期点
検作業省力化装置の第7実施例を示す平面図である。
【0129】(第7実施例の構成)第7実施例では、第
6実施例において機器室2の遮蔽壁が可動式遮蔽壁70
となっており、堅型ポンプ1を専用メンテナンス建屋
(センター)60に搬送する時の通路を十分に確保して
搬送作業を容易にしたものである。
【0130】図9に示すように、可動式遮蔽壁70の下
面には、空気浮上式移動装置(エアスケート装置)が装
備され、この空気浮上式移動装置は、工場用エアの空気
圧によってダイヤフラムが膨張して圧力域が形成され、
これにより制御エアが大気に漏れてダイヤフラムと床面
との間に薄い空気膜が形成される。この空気膜により運
搬物が持ち上げられると、床面に対して摩擦のない状態
となり、わずかな力であらゆる方向へ移動させることが
できるようにしたものである。
【0131】可動式遮蔽壁70は、レール71をガイド
として移動可能であり、その移動方向を矢印で示す。可
動式遮蔽壁70の下面に空気浮上式移動装置を挿入し、
5Kg/cm2 程度の空気を供給すると、可動式遮蔽壁70
は持ち上げられ、摩擦抵抗が約1/1000程度に減少
するため、可動式遮蔽壁70の重量の約1/1000程
度の力でガイドレール71に沿って移動することが可能
となる。そして、堅型ポンプ1を搬出する機器室2の可
動式遮蔽壁70を作業者が押したり、引いたりして移動
させ、広い通路を確保する。
【0132】(第7実施例の作用)第7実施例の作用を
説明する。
【0133】第7実施例が第6実施例と異なる作用は、
次の点である。すなわち、堅型ポンプ1が設置されてい
る機器室2の環境計測をモノレール式軌道3を走行する
搬送装置に搭載されたCCDカメラなどの環境計測装置
を用いて行い、異常が見出されないことが確認された
後、次の作業が挿入される点である。
【0134】作業者は、可動式遮蔽壁70の下面に空気
浮上式移動装置を装備し、空気浮上式移動装置に空気を
供給して可動式遮蔽壁70を浮上させ、作業者が押した
り、引いたりして可動式遮蔽壁70をレール71に沿っ
て移動させて広い通路を確保する。
【0135】以下、第6実施例と同様な手順を実施し、
堅型ポンプ1を機器室2から広くなった通路を通って専
用メンテナンス建屋(Hot)65に搬出し、分解・洗
浄・点検・再組立を行う。作業が終了すると、可動式遮
蔽壁70の下面に空気浮上式移動装置を装備して可動式
遮蔽壁70を所定の位置に戻し、機能試験を行う。機器
試験の結果、異常が認められない時には、再び可動式遮
蔽壁70の下面に空気浮上式移動装置を装備して可動式
遮蔽壁70を移動して広い通路を確保し、床面移動式の
局所養生装置11と床面移動式昇降台車24を機器室の
外に搬出する。搬出が終了すると、可動式遮蔽壁70の
下面に空気浮上式移動装置を装備して可動式遮蔽壁70
を所定の位置に戻して作業が終了する。
【0136】(第7実施例の効果)このように第7実施
例によれば、第6実施例と異なり、可動式遮蔽壁70を
空気浮上式移動装置を用いて移動して機器室2の入口の
通路を容易に広くすることができる。その結果、堅型ポ
ンプ1を機器室2から搬出するために各種装置を機器室
2に据え付ける場合や、堅型ポンプ1を搬出する場合も
作業が容易であり、作業効率を向上することができる。
また、作業スペースを大きくとれるため、準備作業の効
率向上も大であり、定期点検作業の省力化および定期点
検期間の短縮などの効果も大である。さらに、可動式遮
蔽壁70を移動する手段として空気浮上式移動装置を用
いることにより、電動モータを用いる方法に比較して構
造が簡単で、移動装置の保守の問題の発生もなくなる。
【0137】[第8実施例] (第8実施例の構成)第8実施例では、第6実施例の構
成と下記の構成が異なる。すなわち、第8実施例では専
用メンテナンス建屋(Hot)65の内部にドラフタシ
ステム72を設備し、その内部に竜巻式排気装置,重量
物吊下げ機能付の天井クレーン装置および天井面近傍の
軌道を走行する搬送装置に搭載した分解・組立用の力バ
ランス機能付の治工具などを設置し、作業者が力バラン
ス機能付の治工具およびクレーン装置を取り扱って機器
の分解・洗浄・点検・補修・再組立などの作業を行うも
のである。
【0138】図10に示すように、専用メンテナンス建
屋(Hot)65内に設備されたドラフタシステム72
には、養生取り外し室73,分解・除染室74,組立室
75,検査室76,梱包室77,廃棄物処理室78,加
工室79,部品倉庫80,計測器保管室81などが平面
的に配置されている。また、ドラフタシステム72の外
部には原子力プラントから機器としての堅型ポンプ1を
受け取ったり、発送する搬出入室82,交換部品,機
器,計測器,治工具などを受け入れる納品室83,廃棄
物,故障した計測器,使用が終了した治工具などを搬出
する発送室84,ドラフタシステム72を管理・運営す
るための制御室などが設置されている。
【0139】搬出入室82には、天井面から吹き出した
気流が床面に向かって成層流状態で吸い込まれる気流状
態(あるいは横の壁面から吹き出した気流が対向面の壁
面に向かって成層流状態で吸い込まれる気流状態)が形
成されている。天井面には天井クレーンあるいは床面に
ジブクレーンが設置されている。
【0140】養生取り外し室73,分解・除染室74,
組立室75,検査室76,梱包室77,廃棄物処理室7
8,加工室79,部品倉庫80,計測器保管室81に
は、それぞれ竜巻式排気装置10が設置されている。各
室には、円形のテーブル85が設置され、その下部には
空気浮上式移動装置が取り付けられ、このような構造と
することで、テーブル85の回転および平面内の移動が
容易に行える。
【0141】また、各室にはロボット用支柱86が設置
され、この各支柱86には力バランス機能付のクレーン
が取り付けられている。各室間には、コンベア87,8
8および89が設置され、このコンベア87,88およ
び89により各室間を機器としての堅型ポンプ1などの
移送を行う。さらに、養生取り外し室73,梱包室7
7,廃棄物処理室78の天井面には、遠隔駆動式窓(あ
るいは曲がり竜巻/斜め竜巻式排気装置をこれらの室に
設置して天井面に開口部を設ける)が取り付けられてい
る。分解・除染室74,組立室75には、油圧式スタッ
ドテンショナーなどの治工具が天井面から力バランス機
能付の状態で吊り下げられている。フード前面90には
グローブが取り付けられている(この場合、作業者が腕
を差し込んで作業が可能なように開口部を設けるだけで
もよい)。
【0142】(第8実施例の作用)第8実施例の作用を
説明する。
【0143】第8実施例が第6実施例と異なる作用は、
専用メンテナンス建屋(Hot)65にドラフタシステ
ム72を設け、ここで機器としての堅型ポンプ1の分解
・点検を行う点である。専用メンテナンス建屋(Ho
t)65のドラフタシステム72における作用は、下記
の通りである。
【0144】すなわち、搬送台車に分解・点検を行う機
器としての堅型ポンプ1を搭載し、原子力プラントの機
器室2から専用メンテナンス建屋(Hot)65の搬出
入室82に移送する。この搬出入室82では、天井面よ
り吹き出した気流が床面に向かって成層流状で吸い込ま
れる気流状態が形成される中で搬送台車から天井クレー
ンまたはジブクレーンで吊り上げ、養生取り外し室73
の天井面の遠隔駆動式窓から回転可能なテーブル85の
上に吊り降ろされる。
【0145】また、養生取り外し室73には、竜巻式排
気装置10が設置されており、天井面の遠隔駆動式窓が
開口していても養生取り外し室73外に汚染物質が拡散
するのを防止する構造になっている。フード前面90の
壁に取り付けられたグローブまたは開口部から作業者が
フード内に手を入れ、ロボット用支柱86に取り付けら
れた力バランス機能付クレーンおよび専用治工具などを
用いて堅型ポンプ1を搬送容器から取り出したり、ある
いは養生している梱包の取り外しを行う。
【0146】次いで、作業を容易に行える方向に堅型ポ
ンプ1を搭載したテーブル85を回転させる。このテー
ブル85には空気浮上式移動装置が取り付けられている
ため容易に回転する。上記のようにして取り外された梱
包は、搬送容器に収納されてコンベア88に載せられた
後、廃棄物処理室78に搬送される。テーブル85から
コンベア88への移送は、力バランス機能付のクレーン
を用いて行う。取り出された堅型ポンプ1は、搬送容器
に収納され、コンベア87に載せられて分解・除染室7
4に移送される。テーブル85からコンベア87への移
送は、力バランス機能付のクレーンを用いて行う。
【0147】分解・除染室74においても、養生取り外
し室73と同様に、竜巻式排気装置10,フード前面9
0の壁に取り付けられたグローブあるいは開口部,ロボ
ット用支柱86に取り付けられた力バランス機能付のク
レーン,テーブル85,コンベア91,コンベア87な
どが設置されている。また、この室に図示しない特有の
レーザ応用除染装置,油圧式スタッドテンショナーなど
の治工具が天井面より力バランス機能付の状態で吊り下
げられている。
【0148】養生取り外し室73から搬送された堅型ポ
ンプ1は、3次元的な汚染状況を測定し、汚染の大きな
場所をフード前面90の壁に取り付けられたグローブあ
るいは開口部から作業者がフード内に手を入れ、吊り下
げられた治工具を用いて機械的な方法で除染を行う。引
き続き、油圧式スタッドテンショナーなどの治工具を用
いて分解作業を行う。分解された堅型ポンプ1の部品と
してのケーシング,インペラ,ロータなども超音波洗浄
装置などを用いて洗浄を行う。補修を必要とする部品で
あるケーシング,インペラ,ロータなどは、輸送容器に
収納し、コンベア91,コンベア89,コンベア88を
介して加工室79に搬送する。除染された健全な部品で
あるケーシング,インペラ,ロータなどは、輸送容器に
収納されコンベア87を介して組立室75に搬送する。
また、除染作業で発生した廃棄物は、搬送容器に収納
し、コンベア91,コンベア89,コンベア88を介し
て廃棄物処理室78に搬送される。
【0149】組立室75においても、養生取り外し室7
3と同様に、竜巻式排気装置10,フード前面90の壁
に取り付けられたグローブあるいは開口部,ロボット用
支柱86に取り付けられた力バランス機能付のクレー
ン,テーブル85,コンベア91,コンベア87などが
設置されている。また、油圧式スタッドテンショナーな
どの治工具が天井面より力バランス機能付の状態で吊り
下げられている。
【0150】また、組立室75には、分解・除染室74
から洗浄された健全な部品であるケーシング,インペ
ラ,ロータなどが加工室79から補修が終了された部品
であるケーシング,インペラ,ロータなどが部品倉庫8
0からコンベア88,コンベア89,コンベア91など
を介して交換部品であるケーシング,インペラ,ロータ
などが搬送されてくる。フード前面90の壁に取り付け
られたグローブあるいは開口部から作業者がフード内に
手を入れ、吊り下げられた油圧式スタッドテンショナー
などの治工具を用いて組立作業を行う。この組立作業が
終了すると、コンベア87を介して検査室76に搬送さ
れる。
【0151】検査室76においても、養生取り外し室7
3と同様に、竜巻式排気装置10,フード前面90の壁
に取り付けられたグローブあるいは開口部,ロボット用
支柱86に取り付けられた力バランス機能付のクレー
ン,テーブル85,コンベア91,コンベア87などが
設置されている。計測器保管室81からコンベア88,
89,91などを介して環境計測装置が搬送されてく
る。フード前面90の壁に取り付けられたグローブある
いは開口部から作業者がフード内に手を入れ、ロボット
用支柱86に取り付けられた力バランス機能付のクレー
ンを取り扱って上記環境計測装置を取り扱いが可能にな
るように吊り下げ、この環境計測装置を用いて分解・点
検・再組立された堅型ポンプ1の検査を行う。そして、
これらの検査が終了すると、コンベア87を介して梱包
室77に搬送される。
【0152】梱包室77においても、養生取り外し室7
3と同様に、竜巻式排気装置10,フード前面90の壁
に取り付けられたグローブあるいは開口部,ロボット用
支柱86に取り付けられた力バランス機能付のクレー
ン,テーブル85,コンベア91,コンベア87などが
設置されている。部品倉庫80からコンベア88を介し
て梱包部品で搬送されてくる。フード前面90の壁に取
り付けられたグローブあるいは開口部から作業者がフー
ド内に手を入れ、吊り下げられた治工具を用いて梱包作
業を行う。この梱包作業が終了すると、原子力プラント
に組み込まれる堅型ポンプ1は、コンベア88,コンベ
ア89,コンベア91などを介して廃棄物処理室78に
搬送される。また、交換・保管される機器は、梱包室7
7の天井面の遠隔駆動式窓を開放して発送室84の天井
クレーンあるいはジブクレーンで吊り上げ、発送室84
に待機する搬送台車に搭載して機器である堅型ポンプ1
を保管場所に移送する。
【0153】部品倉庫80,計測器保管室81において
も、養生取り外し室73と同様に、竜巻式排気装置1
0,フード前面90の壁に取り付けられたグローブある
いは開口部,ロボット用支柱86に取り付けられた力バ
ランス機能付のクレーン,テーブル85,コンベア88
が設置されている。部品倉庫80,計測器保管室81の
天井面の遠隔駆動式窓を開放して納品室83に搬送台車
に搭載して搬送されてきた交換部品や計測器などを天井
クレーンあるいはジブクレーンで吊り上げ部品倉庫8
0,計測器保管室81に搬入する。この搬入された交換
部品や計測器などは、フード前面90の壁に取り付けら
れたグローブあるいは開口部から作業者がフード内に手
を入れ、ロボット用支柱86に取り付けられた力バラン
ス機能付のクレーンなどを用いて整理・保管作業を行
う。組立室75,検査室76,梱包室77などの必要に
応じて交換部品,計測器などを搬送容器に収納しコンベ
ア88,89,91などを介して所定の室に搬送する。
【0154】加工室79においても、養生取り外し室7
3と同様に、竜巻式排気装置10,フード前面90の壁
に取り付けられたグローブあるいは開口部,ロボット用
支柱86に取り付けられた力バランス機能付のクレー
ン,テーブル85,コンベア88が設置されている。フ
ード前面90の壁に取り付けられたグローブあるいは開
口部から作業者がフード内に手を入れ、力バランス機能
付のクレーンおよび吊り下げられたレーザ応用補修装置
などの専用治工具を用いて補修作業を行う。この補修作
業が終了すると、コンベア88を介して組立室75に搬
送される。
【0155】廃棄物処理室78においても、養生取り外
し室73と同様に、竜巻式排気装置10,フード前面9
0の壁に取り付けられたグローブあるいは開口部,ロボ
ット用支柱86に取り付けられた力バランス機能付のク
レーン,テーブル85,コンベア88が設置されてい
る。養生取り外し室73から廃棄養生部材が、分解・除
染室74より廃棄部品あるいは除染物質が、梱包室77
より分解・点検・再組立された機器としての堅型ポンプ
1などが搬送される。搬出入室82の天井クレーンある
いはジブクレーンを用いて廃棄物処理室78の遠隔駆動
式窓から機器としての堅型ポンプ1あるいは廃棄物収納
容器などを吊り上げ、搬送台車に吊り降ろして搭載し、
原子力プラントの所定の場所である機器室2あるいは廃
棄物保管場所に搬送する。
【0156】(第8実施例の効果)このように第8実施
例によれば、第6実施例と異なり、専用メンテナンス建
屋(Hot)65内にドラフタシステム72を設備し、
その内部に竜巻式排気装置10,力バランス機能付のク
レーンおよび分解・組立用の力バランス機能付治工具を
天井面から吊り下げ、作業者が力バランス機能付治工具
/クレーン装置を取り扱い、機器である堅型ポンプ1の
分解・洗浄・点検・補修・再組立作業を行うため、分解
・洗浄・点検・再組立作業における作業者の汚染防止が
可能となり、竜巻式排気装置10を用いて汚染領域を限
定することができ、養生作業・除染作業を削減すること
が可能となり、各種力バランス機能付の専用治工具を稼
動率を高めて用いることができる結果、省力化,作業期
間を短縮することができる。
【0157】[第1変形例]図11および図12は本発
明に係る定期点検作業省力化装置の第8実施例の第1変
形例を示す。
【0158】(第1変形例の構成)第1変形例では、第
8実施例において専用メンテナンス建屋(Hot)65
内にドラフタシステム72を三次元的に配置して分解・
洗浄・点検・補修・再組立などの作業を行うものであ
る。
【0159】以下、具体的に図面を参照して第8実施例
の第1変形例を説明する。
【0160】図11は、専用メンテナンス建屋(Ho
t)65内の1階に設置されたドラフタシステム72の
概略平面図である。図11に示すように、1階のドラフ
タシステム72は養生取り外し室73,分解・除染室7
4,梱包室77,廃棄物処理室78が配置されている。
また、原子力プラントより機器としての堅型ポンプ1を
受け入れたり、交換部品,機器,計測器,治工具などを
受け入れる搬入室92,原子力プラントへ機器としての
堅型ポンプ1を搬出したり、廃棄物,故障した計測器,
使用が終了した治工具などを搬出する発送室84,ドラ
フタシステム72を管理・運営するための制御室などが
設置されている。
【0161】搬入室92には、天井面から吹き出した気
流が床面に向かって成層流状態で吸い込まれる気流状態
が形成されており、床面にはジブクレーンが設置され、
このジブクレーンにより堅型ポンプ1を搬送台車から養
生取り外し室73のテーブル85へ吊り降ろしを行う。
【0162】また、発送室84には、天井面より吹き出
した気流が床面に向かって成層流状態で吸い込まれる気
流状態が形成されており、床面にはジブクレーンが設置
され、このジブクレーンにより堅型ポンプ1を梱包室7
7のテーブル85から搬送台車への吊り出しを行う。
【0163】養生取り外し室73,分解・除染室74,
梱包室77,廃棄物処理室78には、竜巻式排気装置1
0が設置されている。各室には、テーブル85が設置さ
れ、その下部には第8実施例と同様の空気浮上式移動装
置が取り付けられた構造で、回転および平面内の移動が
容易に行える。また、各室にはロボット用支柱86が設
置され、力バランス機能付のクレーンが取り付けられて
いる。各室間には、コンベア93,94が設置され、各
室間を機器としての堅型ポンプ1などの移送を行う。分
解・除染室74には、油圧式スタッドテンショナーなど
の治工具が天井面から力バランス機能付の状態で吊り下
げられている。フード前面90には、グローブが取り付
けられている。この場合、作業者が腕を差し込んで作業
ができるように開口部を設けるだけでもよい。
【0164】1階の分解・除染室74と2階の組立室7
5,1階の梱包室77と2階の検査室76がリフター9
5で連絡されている。
【0165】図12は専用メンテナンス建屋(Hot)
65内の2階に設置されたドラフタシステム72の概略
平面図である。2階のドラフタシステム72は、組立室
75,検査室76,加工室79などが配置され、各室に
は竜巻式排気装置10が設置されている。各室には、テ
ーブル85が設置され、その下部には空気浮上式移動装
置が取り付けられた構造で、回転および平面内の移動が
容易に行える構造になっている。また、各室にはロボッ
ト用支柱86が設置され、力バランス機能付のクレーン
が取り付けられている。各室間には、コンベア93,9
4が設置され、各室間を機器としての堅型ポンプ1など
の移送を行う。組立室75,検査室76,加工室79に
は、油圧式スタッドテンショナーなどの治工具が天井面
から力バランス機能付の状態で吊り下げられている。フ
ード前面90にはグローブが取り付けられている。この
場合、作業者が腕を差し込んで作業ができるように開口
部を設けるだけでもよい。室間には、コンベア93,9
4,87が設置され、各室間を機器としての堅型ポンプ
1などの移送を行う。
【0166】(第1変形例の作用)第8実施例の第1変
形例の作用を説明する。
【0167】第1変形例では、第8実施例とは機器とし
ての堅型ポンプ1の部品であるケーシング,インペラ,
ロータなどが上下方向の室間を移動する作用が異なり、
各室内に設置される設備およびこれらを用いての作業の
仕方は、同様である。
【0168】(第1変形例の効果)このように第1変形
例によれば、第8実施例と同様な効果が期待でき、その
上、ドラフタシステム72の設備を設置する敷地面積を
狭くすることができる。
【0169】[第2変形例]図13は本発明に係る定期
点検作業省力化装置の第8実施例の第2変形例を示す。
【0170】(第2変形例の構成)第2変形例では、第
8実施例の構成と下記の構成が異なる。すなわち、専用
メンテナンス建屋(Hot)65内に設置したドラフタ
システム72内の搬送をモノレール式搬送システムを用
いて行い、機器の分解・洗浄・点検・補修・再組立など
の作業を行う構成が異なる。
【0171】以下、具体的に図面を参照して第8実施例
の第2変形例を説明する。
【0172】図13は、専用メンテナンス建屋(Ho
t)65内に設置されたドラフタシステム72内に搬送
用のモノレール式搬送システムが設置されている状態を
示している。図13に示すように、ドラフタシステム7
2は、養生取り外し室73,分解・除染室74,組立室
75,検査室76,梱包室77,廃棄物処理室78,加
工室79,部品倉庫80,計測器保管室81などが平面
的に配置されている。また、原子力プラントより機器と
しての堅型ポンプ1を受け取ったり、発送する搬出入室
82,交換部品・機器・計測器・治工具などを受け入れ
る納品室83,廃棄物・故障した計測器・使用が終了し
た治工具などを搬出する発送室84,ドラフタシステム
72を監視するための制御室などが設置されている。
【0173】搬出入室82には、天井面から吹き出した
気流が床面に向かって成層流状態で吸い込まれる気流状
態(あるいは横の壁面から吹き出した気流が対面する壁
面に向かって成層流状態で吸い込まれる気流状態)が形
成されている。そして、天井面には天井クレーン、床面
にはジブクレーンが設置されている。
【0174】養生取り外し室73,分解・除染室74,
組立室75,検査室76,梱包室77,廃棄物処理室7
8,加工室79,部品倉庫80,計測器保管室81に
は、それぞれ竜巻式排気装置10が設置されている。各
室にはロボット用支柱86が設置され、力バランス機能
付のクレーンが取り付けられている。各室間,各室の天
井面にはモノレール96および旋回式モノレール97が
設置され、これらには搬送台車が取り付けられている。
各室にはテーブル85が設置され、その下部には空気浮
上式移動装置が取り付けられた構造で、回転および平面
内の移動が容易に行える。
【0175】養生取り外し室73,梱包室77,廃棄物
処理室78の天井面には、遠隔駆動式窓(あるいは曲が
り竜巻/斜め竜巻式排気装置をこれらの室に設置して天
井面に開口部を設ける)が取り付けられている。分解・
除染室74,組立室75には、油圧式スタッドテンショ
ナーなどの治工具が天井面より力バランス機能付の状態
で吊り下げられている。フード前面90には、グローブ
が取り付けられている。この場合、作業者が腕を差し込
んで作業ができるように開口部を設けるだけもよい。
【0176】(第2変形例の作用)第8実施例の第2変
形例の作用を説明する。
【0177】第2変形例では、第8実施例とは空間を機
器,交換部品,計測器などをコンベアの代りに、モノレ
ール式搬送システムを用いて移送する点が異なる。その
他の作用は第8実施例と同様である。
【0178】(第2変形例の効果)このように第2変形
例によれば、第8実施例と同様の効果が得られる。
【0179】[第3変形例]図14は本発明に係る定期
点検作業省力化装置の第8実施例の第3変形例を示す。
【0180】(第3変形例の構成)第3変形例では、第
8実施例の構成と下記の構成が異なる。すなわち、専用
メンテナンス建屋(Hot)65内に設置したドラフタ
システム72内のテーブル85,コンベア87,88,
89,91の代りに、自動搬送台車98を用いて機器と
しての堅型ポンプ1の分解・洗浄・点検・補修・再組立
などの作業を行う構成が異なる。
【0181】以下、具体的に図面を参照して第8実施例
の第3変形例を説明する。
【0182】図14は専用メンテナンス建屋(Hot)
65内に設置したドラフタシステム72内で自動搬送台
車98,99で機器88(堅型ポンプ1)が搬送されて
いる状態を示している。図14に示すように、ドラフタ
システム72は、養生取り外し室73,分解・除染室7
4,組立室75,検査室76,梱包室77,廃棄物処理
室78,加工室79,部品倉庫80,計測器保管室81
などが平面的に配置されている。また、原子力プラント
より機器としての堅型ポンプ1を受け取ったり、発送す
る搬出入室82,交換部品・機器・計測器・治工具など
を受け入れる納品室83,廃棄物・故障した計測器・使
用が終了した治工具などを搬出する発送室84,ドラフ
タシステム72を監視するための制御室などが設置され
ている。搬出入室82には、天井面から吹き出した気流
が床面に向かって成層流状態で吸い込まれる気流状態
(あるいは横の壁面から吹き出した気流が対面する壁面
に向かって成層流状態で吸い込まれる気流状態)が形成
されている。そして、天井面には天井クレーン、床面に
はジブクレーンが設置されている。
【0183】養生取り外し室73,分解・除染室74,
組立室75,検査室76,梱包室77,廃棄物処理室7
8,加工室79,部品倉庫80,計測器保管室81に
は、それぞれ竜巻式排気装置10が設置されている。各
室にはロボット用支柱86が設置され、力バランス機能
付のクレーンが取り付けられている。各室,各室間を自
動走行する重量物を搬送する自動搬送台車99,養生機
材,補修部品,洗浄部品,補修が終了した部品,除染が
終了した部品,交換部品,計測器,治工具等を搭載する
自動搬送台車98が走行する。自動搬送台車98,99
の下部には空気浮上式移動装置が取り付けられた構造
で、回転および平面内の移動が容易に行える。
【0184】養生取り外し室73,梱包室77,廃棄物
処理室78の天井面には、遠隔駆動式窓(あるいは曲が
り竜巻/斜め竜巻式排気装置をこれらの室に設置して天
井面に開口部を設ける)が取り付けられている。分解・
除染室74,組立室75には、油圧式スタッドテンショ
ナーなどの治工具が天井面より力バランス機能付の状態
で吊り下げられている。フード前面90には、グローブ
が取り付けられている。この場合、作業者が腕を差し込
んで作業ができるように開口部を設けるだけもよい。
【0185】(第3変形例の作用)第8実施例の第3変
形例の作用を説明する。
【0186】第3変形例の作用は、第8実施例と概ね同
様であるが、下記の作用が異なる。すなわち、第3変形
例では、ドラフタシステム72内の自動搬送台車99に
搭載された機器としての堅型ポンプ1は、養生取り外し
室73,分解・除染室74において養生機材,補修部
品,洗浄部品などに分かれる都度に、それぞれに対応す
る自動搬送台車98に搭載して、それぞれの作業を行う
室に自動搬送する。補修が終了した部品,除染が終了し
た部品,交換部品などが自動搬送台車98に搭載されて
組立室75に移送され、組立を行う。自動搬送台車98
は、空気浮上形式を用いており、走行のための駆動力を
小さくする構成になっている。
【0187】(第3変形例の効果)このように第3変形
例によれば、第8実施例と同様の効果が得られる。
【0188】[第4変形例]図15は本発明に係る定期
点検作業省力化装置の第8実施例の第4変形例を示す。
【0189】(第4変形例の構成)第4変形例では、第
8実施例においてフード前面90の壁に取り付けられた
グローブ、あるいは開口部より作業者が室内に手を入れ
て作業を行う代りに、可搬式腕装置(可搬式汎用知能ア
ーム)をロボット用支柱86に取り付け、機器としての
堅型ポンプ1の分解・洗浄・点検・補修・再組立等の作
業を遠隔操作で行うものである。
【0190】以下、具体的に図面を参照して第8実施例
の第4変形例を説明する。
【0191】図15は専用メンテナンス建屋(Hot)
65内に設置したドラフタシステム72内のロボット用
支柱86に可搬式腕装置を取り付けて機器としての堅型
ポンプ1の分解・洗浄・点検・補修・再組立などの作業
を行うシステムを示したものである。図15に示すよう
に、ドラフタシステム72は、養生取り外し室73,分
解・除染室74,組立室75,検査室76,梱包室7
7,廃棄物処理室78,加工室79,部品倉庫80,計
測器保管室81などが平面的に配置されている。また、
原子力プラントより機器としての堅型ポンプ1を受け取
ったり、発送する搬出入室82,交換部品・機器・計測
器・治工具などを受け入れる納品室83,廃棄物・故障
した計測器・使用が終了した治工具などを搬出する発送
室84,ドラフタシステム72を監視するための制御室
などが設置されている。
【0192】搬出入室82には、天井面から吹き出した
気流が床面に向かって成層流状態で吸い込まれる気流状
態(あるいは横の壁面から吹き出した気流が対面する壁
面に向かって成層流状態で吸い込まれる気流状態)が形
成されている。そして、天井面には天井クレーン、床面
にはジブクレーンが設置されている。
【0193】養生取り外し室73,分解・除染室74,
組立室75,検査室76,梱包室77,廃棄物処理室7
8,加工室79,部品倉庫80,計測器保管室81に
は、それぞれ竜巻式排気装置10が設置されている。各
室にはロボット用支柱86が設置され、力バランス機能
付のクレーンあるいは可搬式腕装置が取り付けられてい
る。各室には、テーブル85が設置され、その下部には
空気浮上式移動装置が取り付けられた構造で、回転およ
び平面内の移動が容易に行える。各室間には、コンベア
87,100〜104が設置され、各室間を機器として
の堅型ポンプ1などの移送を行う。
【0194】養生取り外し室73,梱包室77,廃棄物
処理室78の天井面には、遠隔駆動式窓(あるいは曲が
り竜巻/斜め竜巻式排気装置をこれらの室に設置して天
井面に開口部を設ける)が取り付けられている。分解・
除染室74,組立室75には、油圧式スタッドテンショ
ナーなどの治工具が天井面より力バランス機能付の状態
で吊り下げられている。フード前面90には、グローブ
が取り付けられている。この場合、作業者が腕を差し込
んで作業ができるように開口部を設けるだけもよい。
【0195】(第4変形例の作用)第8実施例の第4変
形例の作用を説明する。
【0196】第4変形例の作用は、第8実施例でフード
前面90の壁に取り付けられたグローブあるいは開口部
から作業者が室内に手を入れて作業を行う代りに、ドラ
フタシステム72内の力バランス機能付のジブクレーン
などを用いて可搬式腕装置をロボット用支柱86に遠隔
で取り付けて、この可搬式腕装置を制御室から遠隔で操
作して力バランス機能付のジブクレーンおよび吊下げら
れた専用治工具を扱って機器としての堅型ポンプ1の分
解・洗浄・点検・補修・再組立などの作業を行う。遠隔
操作を制御室に設置された大型計算機を用いて行うこと
により、ドラフタシステム72内の作業を完全に自動化
するこができる。
【0197】(第4変形例の効果)このように第4変形
例によれば、第8実施例と同様な効果が得られるととも
に、遠隔で操作する制御装置の機能およびソフトウェア
が向上するに伴い省力化がより進展する方式であり、最
新の技術を低コストで導入することができ、ドラフタシ
ステム内の作業を完全に自動化することができる。
【0198】[第9実施例]図16は本発明に係る定期
点検作業省力化装置の第9実施例を示す構成図である。
【0199】(第9実施例の構成)第9実施例では、ス
タッドテンショナー111および遠隔操作可能な可搬式
腕装置113を搭載した原子炉圧力容器蓋開閉装置10
6を水を張った状態の原子炉ウエル109に天井クレー
ン(図示せず)を用いて据え付けるとともに、水中で可
搬式腕装置113を遠隔操作してスタッドテンショナー
111を扱い、原子炉圧力容器108の蓋107の開閉
を行うものである。
【0200】図16に示すように、原子炉圧力容器蓋開
閉装置106を水を張った状態の原子炉ウエル109内
の原子炉圧力容器108の蓋107に設置して、スタッ
ドテンショナー111を可搬式腕装置113で据え付け
てボルト取り外し作業を行う。また、原子炉圧力容器蓋
開閉装置106には、レール114が取り付けられ、可
搬式腕装置113はこのレール114上を走行する搬送
台車の上に載置されている。
【0201】(第9実施例の作用)第9実施例の作用を
説明する。
【0202】水を張った状態の原子炉ウエル109に天
井クレーンを使って原子炉圧力容器蓋開閉装置106を
降下させて原子炉圧力容器108の蓋107に設置す
る。この原子炉圧力容器蓋開閉装置106と蓋107と
を固定するには、原子炉圧力容器蓋開閉装置106に吊
り下げられたスタッドテンショナーなどの治工具と原子
炉圧力容器蓋開閉装置106のレール114上を走行す
る可搬式腕装置113を遠隔操作して行う。
【0203】原子炉圧力容器蓋開閉装置106の蓋10
7への固定が終了すると、スタッドテンショナー111
を吊装置112で吊った状態で、対象とするボルトの上
に移動させると同時に、可搬式腕装置113をレール1
14上を走行させて対象とするボルトの近傍に移動させ
た後、可搬式腕装置113でスタッドテンショナー11
1を押したり、引いたりしてボルトに装着するのを支援
する。
【0204】このような作業を繰り返してボルトの取り
外し作業を終了すると、原子炉圧力容器蓋開閉装置10
6と蓋107との固定の解除を可搬式腕装置113を用
いて行い、原子炉圧力容器蓋開閉装置106を天井クレ
ーンで吊り上げて原子炉ウエル109外に搬出する。続
いて、天井クレーンで蓋107を吊り上げて、原子炉圧
力容器108の開放を行う。ここで、天井クレーンで蓋
107を吊り上げる時の玉掛け作業は、可搬式腕装置1
13(固定装置として吸引,電磁石,掴み具を用いて蓋
107に固定される)を予め蓋107の上に天井クレー
ンで設置しておいて遠隔操作で実施する。
【0205】(第9実施例の効果)このように第9実施
例によれば、原子炉ウエル109に水を張った状態で原
子炉圧力容器108の蓋107の開放を行うために用い
る原子炉圧力容器蓋開閉装置106を設置することによ
り、従来の設置方法で行っている水の排除を行う必要が
なくなり、定期点検期間を短縮することができる。
【0206】[第1変形例] (第1変形例の構成)第9実施例の第1変形例は、第9
実施例で可搬式腕装置113への電力供給をレール11
4に高周波電流を流し、水中で直接、非接触で行った
り、スタッドテンショナー111などの吊装置112へ
の電力供給にも高周波電力を用いて水中で直接、非接触
で行うものである。
【0207】(第1変形例の作用)第9実施例の第1変
形例の作用を説明する。
【0208】第1変形例の作用は、第9実施例と概ね同
様であるが、可搬式腕装置113のレール114を走行
する部分にコイル構造が組み込まれ、レール114に高
周波電流が流されると、コイル部分に誘導起電力が発生
し、非接触で電力が可搬式腕装置113に供給されると
ともに、スタッドテンショナー111およびボルト磨き
治具115などの吊装置112が走行するレールにも高
周波電流を流し、非接触で水中において直接電力の供給
を行い、吊り降ろし装置および走行装置の駆動を行う。
【0209】(第1変形例の効果)このように第1変形
例によれば、第9実施例と同様な効果が得られ、レール
114上を走行する可搬式腕装置113,スタッドテン
ショナー111およびボルト磨き治具115などの吊装
置112に電力を供給するためのケーブルが不要にな
り、構成が簡略化される。
【0210】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
によれば、分解点検を行う機器が設置されている部屋の
天井面近傍に敷設された軌道と、上記機器の周囲に搬送
して据え付けられる竜巻式排気装置付の局所養生装置
と、上記軌道を走行する搬送装置に搭載され各種センサ
ーからなる環境計測装置と、上記軌道を走行する搬送装
置に搭載された分解・組立用の力バランス機能付の治工
具と、上記軌道を走行する搬送装置に搭載された機器吊
上げ装置とを備え、上記環境計測装置、力バランス機能
付の治工具および機器吊上げ装置にて上記機器の分解・
点検・組立作業を行うことにより、養生作業,足場作業
を不要とし、作業工程を削減することができる。
【0211】また、力バランス機能付の治工具を作業の
種類に応じて使い分けることにより、作業者の能力を拡
張することができる。さらに、竜巻式排気装置付の局所
養生装置を備えたことにより、粉塵,放射性物質の拡散
を防止し、余分な養生作業が不要になり、機器の洗浄・
除染・検査の作業量を削減することができる。
【0212】請求項2によれば、力バランス機能付の治
工具が油圧式スタッドテンショナーであって、このスタ
ッドテンショナーに油圧発生装置から油圧が供給され、
この油圧発生装置は軌道を走行する搬送装置に搭載され
たことにより、スタッドテンショナーによる作業性を向
上させることができる。
【0213】請求項3によれば、分解点検を行う機器が
設置されている部屋に局所排気装置付のドラフター設備
が設置され、このドラフター設備内においてユニット単
位で搬送された機器の分解・点検・洗浄・再組立を行う
ことにより、細々とした機器の分解・洗浄・検査・補修
を行う場合の作業性を向上させるとともに、養生作業の
削減および作業者の防御装備を簡素化することができ
る。
【0214】請求項4によれば、請求項1記載の竜巻式
排気装置が、局所養生装置に変えて、軌道を走行する搬
送装置にて分解点検を行う機器の周囲に据え付けられる
ことにより、請求項1と同様の効果が得られる。
【0215】請求項5によれば、請求項1記載の機器吊
上げ装置が、搬送装置に変えて、床面走行台車に搭載さ
れることにより、重量物の吊上げ作業を容易に行うこと
ができる。
【0216】請求項6によれば、請求項1記載の分解点
検を行う機器の周辺の床面および壁面に剥離可能な積層
シートが張り付けられたことにより、機器の分解・点検
中に機器周辺が汚れたことが判ると、その都度積層シー
トを一枚づつ剥離してクリーン度を保持する。その結
果、粉塵,放射性物質の拡散を防止することができ、機
器に対する悪影響を排除することが可能となる。
【0217】請求項7によれば、請求項1記載の定期点
検作業省力化装置において、機器吊上げ装置に、可搬式
知能アームが吊り下げられたことにより、可搬式知能ア
ームを適宜必要な場所に設置し、治工具などの支援する
ことで、粉塵などの発生する悪環境の場所においての機
器の分解・点検を効率よく行うことができるとともに、
多種類,少量の作業を短時間で高い信頼性で行うことが
できる。
【0218】請求項8によれば、分解点検を行う機器の
周囲に搬送して据え付けられ、竜巻式排気装置が搭載さ
れた局所養生台車と、上記機器の周囲に搬送して据え付
けられ、レーザ補修腕が搭載された台車とを備え、上記
レーザ補修腕にて上記機器を補修することにより、養生
作業を不要とし、作業工程を削減することができる。請
求項9によれば、分解点検を行う機器が設置されている
機器室の天井面近傍に敷設された軌道と、この軌道を走
行する搬送装置に搭載された分解・組立用の力バランス
機能付の治工具と、上記軌道を走行する搬送装置に搭載
された機器吊上げ装置と、分解・洗浄・点検・補修・再
組立・機能検査を行う各種自動機が設置された専用メン
テナンス建屋とを設け、分解点検を行う機器を上記機器
室から上記専用メンテナンス建屋へ搬送台車にて移送す
ることにより、各種自動機の稼働率を高めることができ
る。また、スペース的に制約されることが少ないため、
必要な自動機を設計・製作することが容易であり、そし
て専用の養生設備を設けることができるため、養生作業
するための作業量を削減することができる。
【0219】請求項10によれば、分解点検を行う機器
が設置された機器室は、壁面が空気浮上式移動装置にて
移動可能な可動式遮蔽壁にて構成されたことにより、機
器を搬出する際、作業者が可動式遮蔽壁を移動させて専
用メンテナンス建屋へ搬送する通路を十分広くすること
ができ、これにより搬送作業を容易にすることができ
る。
【0220】請求項11によれば、専用メンテナンス建
屋にドラフタシステムが装備されていることにより、分
解・洗浄・点検・補修・再組立作業における作業者の汚
染を防止することができる。
【0221】請求項12によれば、専用メンテナンス建
屋におけるドラフタシステムが三次元的に配置されたこ
とにより、ドラフタシステムを設置する敷地面積を狭く
することができる。
【0222】請求項13によれば、専用メンテナンス建
屋において、機器,交換部品,計測器,治工具は、コン
ベア,モノレール式搬送装置,自動搬送台車のいずれか
により移送されることにより、搬送作業効率が高くな
る。
【0223】請求項14によれば、専用メンテナンス建
屋に遠隔操作可能な可搬式知能アームを配備し、この可
搬式知能アームを遠隔操作して機器の分解・洗浄・点検
・補修・再組立・機能検査を行うことにより、これらの
作業を自動化することができる。
【0224】請求項15によれば、水を収容した原子炉
ウェルに原子炉圧力容器の蓋を開閉する蓋開閉装置を設
置し、この蓋開閉装置にスタッドテンショナーおよび遠
隔操作可能な可搬式知能アームを搭載し、この可搬式知
能アームを遠隔操作してスタッドテンショナーを扱い、
上記原子炉圧力容器の蓋の開閉作業を行うことにより、
水の排除作業が不要になり、定期点検期間を短縮するこ
とができる。
【0225】請求項16によれば、蓋開閉装置に可搬式
知能アームが走行するレールが取り付けられ、このレー
ルを介して上記可搬式知能アームに電力が供給されるこ
とにより、可搬式知能アームに電力を供給するケーブル
が不要になり、構造が簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る定期点検作業省力化装置の第1実
施例を示す斜視図。
【図2】図1の側面図。
【図3】図1の平面図。
【図4】第1実施例における竜巻式排気装置の原理を示
す斜視図。
【図5】本発明に係る定期点検作業省力化装置の第2実
施例を示す側面図。
【図6】図5の平面図。
【図7】本発明に係る定期点検作業省力化装置の第3実
施例を示す正面図。
【図8】本発明に係る定期点検作業省力化装置の第6実
施例を示す概略構成図。
【図9】本発明に係る定期点検作業省力化装置の第7実
施例を示す平面図。
【図10】本発明に係る定期点検作業省力化装置の第8
実施例を示す概略平面図。
【図11】第8実施例の第1変形例において1階に設置
されたドラフタシステムを示す概略平面図。
【図12】第8実施例の第1変形例において2階に設置
されたドラフタシステムを示す概略平面図。
【図13】第8実施例の第2変形例においてドラフタシ
ステム内の構成を示す概略平面図。
【図14】第8実施例の第3変形例においてドラフタシ
ステム内の構成を示す概略平面図。
【図15】第8実施例の第4変形例においてドラフタシ
ステム内の構成を示す概略平面図。
【図16】本発明に係る定期点検作業省力化装置の第9
実施例を示す構成図。
【符号の説明】
1 堅型ポンプ(機器) 2 機器室 3 モノレール式軌道 4 機器吊上げ装置 5 搬送装置 6 分解・組立用の力バランス式治工具 7 搬送装置 10 竜巻式排気装置 11 局所養生装置 11a 昇降台 13 ドラフター設備 13a 天井窓 14 前室 15 迷路 16,17 天井面 18 分岐装置 19 架台 20 曲管 21 端板 22 送風装置 23 駆動装置 24 床面移動式昇降台車 24a 昇降台 25 吸込孔 26 吸引装置 27 油圧式スタッドテンショナー 28 油圧発生装置 29 搬送内蔵 30 固定金具 31 エアーカーテン吹出柱 32 エアーカーテン 33 送風機 34 排気ダクト 35 負圧コアー部 36 人工竜巻 37 配管 38 入口配管 39 出口配管 40 横置き型熱交換器 40a 蓋 41 熱交換器室 42 天井面 43 モノレール式軌道 44 前室 45 迷路 46 仮置き場 47 吹出管 48 端板 49 昇降台 50 端板 51 タービンロータ 52 タービン室 53 架台 54 床面移動式の養生台車 55 レーザ補修腕 56 レーザ装置 57 光ファイバ 60 専用メンテナンス建屋(センター) 61 原子炉建屋 62 タービン建屋 63,64 経路 65 専用メンテナンス建屋(Hot) 66 専用メンテナンス建屋(Cold) 67,69 経路 68 予備品センター 70 可動式遮蔽壁 71 レール 72 ドラフタシステム 73 養生取り外し室 74 分解・除染室 75 組立室 76 検査室 77 梱包室 78 廃棄物処理室 79 加工室 80 部品倉庫 81 計測器保管室 82 搬出入室 83 納品室 84 発送室 85 テーブル 86 ロボット用支柱 87,88,89,91,93,94 コンベア 90 フード前面 92 搬入室 95 リフター 96 モノレール 97 旋回式モノレール 98,99 自動搬送台車 100,101,102,103,104 コンベア 106 原子炉圧力容器蓋開閉装置 107 蓋 108 原子炉圧力容器 109 原子炉ウエル 111 スタッドテンショナー 112 吊装置 113 可搬式腕装置(可搬式知能アーム) 114 レール 115 ボルト磨き治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 隆夫 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 湯口 康弘 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分解点検を行う機器が設置されている部
    屋の天井面近傍に敷設された軌道と、上記機器の周囲に
    搬送して据え付けられる竜巻式排気装置付の局所養生装
    置と、上記軌道を走行する搬送装置に搭載され各種セン
    サーからなる環境計測装置と、上記軌道を走行する搬送
    装置に搭載された分解・組立用の力バランス機能付の治
    工具と、上記軌道を走行する搬送装置に搭載された機器
    吊上げ装置とを備え、上記環境計測装置、力バランス機
    能付の治工具および機器吊上げ装置にて上記機器の分解
    ・点検・組立作業を行うことを特徴とする定期点検作業
    省力化装置。
  2. 【請求項2】 力バランス機能付の治工具は、油圧式ス
    タッドテンショナーであって、このスタッドテンショナ
    ーに油圧発生装置から油圧が供給され、この油圧発生装
    置は軌道を走行する搬送装置に搭載されたことを特徴と
    する請求項1記載の定期点検作業省力化装置。
  3. 【請求項3】 分解点検を行う機器が設置されている部
    屋には、局所排気装置付のドラフター設備が設置され、
    このドラフター設備内においてユニット単位で搬送され
    た機器の分解・点検・洗浄・再組立を行うことを特徴と
    する請求項1記載の定期点検作業省力化装置。
  4. 【請求項4】 竜巻式排気装置は、局所養生装置に変え
    て、軌道を走行する搬送装置にて分解点検を行う機器の
    周囲に据え付けられることを特徴とする請求項1記載の
    定期点検作業省力化装置。
  5. 【請求項5】 機器吊上げ装置は、搬送装置に変えて、
    床面走行台車に搭載されることを特徴とする請求項1記
    載の定期点検作業省力化装置。
  6. 【請求項6】 分解点検を行う機器の周辺の床面および
    壁面には、剥離可能な積層シートが張り付けられたこと
    を特徴とする請求項1記載の定期点検作業省力化装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の定期点検作業省力化装置
    において、機器吊上げ装置に、可搬式知能アームが吊り
    下げられたことを特徴とする定期点検作業省力化装置。
  8. 【請求項8】 分解点検を行う機器の周囲に搬送して据
    え付けられ、竜巻式排気装置が搭載された局所養生台車
    と、上記機器の周囲に搬送して据え付けられ、レーザ補
    修腕が搭載された台車とを備え、上記レーザ補修腕にて
    上記機器を補修することを特徴とする定期点検作業省力
    化装置。
  9. 【請求項9】 分解点検を行う機器が設置されている機
    器室の天井面近傍に敷設された軌道と、この軌道を走行
    する搬送装置に搭載された分解・組立用の力バランス機
    能付の治工具と、上記軌道を走行する搬送装置に搭載さ
    れた機器吊上げ装置と、分解・洗浄・点検・補修・再組
    立・機能検査を行う各種自動機が設置された専用メンテ
    ナンス建屋とを設け、分解点検を行う機器を上記機器室
    から上記専用メンテナンス建屋へ搬送台車にて移送する
    ことを特徴とする定期点検作業省力化装置。
  10. 【請求項10】 分解点検を行う機器が設置された機器
    室は、壁面が空気浮上式移動装置にて移動可能な可動式
    遮蔽壁にて構成されたことを特徴とする請求項9記載の
    定期点検作業省力化装置。
  11. 【請求項11】 専用メンテナンス建屋には、ドラフタ
    システムが装備されていることを特徴とする請求項9記
    載の定期点検作業省力化装置。
  12. 【請求項12】 専用メンテナンス建屋におけるドラフ
    タシステムは、三次元的に配置されたことを特徴とする
    請求項11記載の定期点検作業省力化装置。
  13. 【請求項13】 専用メンテナンス建屋において、機
    器,交換部品,計測器,治工具は、コンベア,モノレー
    ル式搬送装置,自動搬送台車のいずれかにより移送され
    ることを特徴とする請求項9記載の定期点検作業省力化
    装置。
  14. 【請求項14】 専用メンテナンス建屋に遠隔操作可能
    な可搬式知能アームを配備し、この可搬式知能アームを
    遠隔操作して機器の分解・洗浄・点検・補修・再組立・
    機能検査を行うことを特徴とする請求項9記載の定期点
    検作業省力化装置。
  15. 【請求項15】 水を収容した原子炉ウェルに原子炉圧
    力容器の蓋を開閉する蓋開閉装置を設置し、この蓋開閉
    装置にスタッドテンショナーおよび遠隔操作可能な可搬
    式知能アームを搭載し、この可搬式知能アームを遠隔操
    作してスタッドテンショナーを扱い、上記原子炉圧力容
    器の蓋の開閉作業を行うことを特徴とする定期点検作業
    省力化装置。
  16. 【請求項16】 蓋開閉装置には、可搬式知能アームが
    走行するレールが取り付けられ、このレールを介して上
    記可搬式知能アームに電力が供給されることを特徴とす
    る請求項15記載の定期点検作業省力化装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012081793A1 (ko) * 2010-12-16 2012-06-21 삼성중공업 주식회사 풍력 터빈 조립 및 관리 로봇 및 이를 포함하는 풍력 터빈 시스템
CN110823914A (zh) * 2019-11-02 2020-02-21 宜春市龙腾机械电气有限公司 铠装超导导体焊缝着色检查装备及其检查方法
KR102614539B1 (ko) * 2023-03-29 2023-12-15 (주)에스에프테크놀로지 원전 방사능용 비접촉 전력 픽업형 스마트 리니어 이송로봇장치 및 이를 통한 방사능 누출 진단방법

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