JPH0826168B2 - 発泡性シリコーンゴム組成物及びシリコーンゴムスポンジ - Google Patents

発泡性シリコーンゴム組成物及びシリコーンゴムスポンジ

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JPH0826168B2
JPH0826168B2 JP3566692A JP3566692A JPH0826168B2 JP H0826168 B2 JPH0826168 B2 JP H0826168B2 JP 3566692 A JP3566692 A JP 3566692A JP 3566692 A JP3566692 A JP 3566692A JP H0826168 B2 JPH0826168 B2 JP H0826168B2
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sponge
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政晴 高橋
畠山  潤
輝和 佐藤
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に安全衛生性に優れ
るシリコーンゴムスポンジを得るための発泡性シリコー
ンゴム組成物及び該組成物を発泡、硬化させて得られる
シリコーンゴムスポンジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリコーンゴムスポンジの製造方法とし
ては、シリコーンゴムコンパウンドに架橋剤,発泡剤等
を添加し、混練りした後、常圧熱気加硫法(HAV)な
どを採用して押し出し連続ラインで発泡、硬化させるこ
とにより成形する方法が一般的である。
【0003】この場合、架橋剤としてはベンゾイルパー
オキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチル
ベンゾイルパーオキサイドなどのアシル系パーオキサイ
ド又はこれにジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチ
ルビス(2,5−ターシャリブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、ジターシャリブチルパーオキサイド、ターシャリブ
チルパーベンゾエートなどのパーオキサイドを併用した
ものが用いられ、発泡剤としてはアゾビスイソブチロニ
トリル、ジニトロペンタメチレンテトラミン、p,p’
−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、N,
N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフタルアミ
ド、アゾジカルボンアミドなどが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、発泡剤として
アゾビスイソブチロニトリル,ジニトロソペンタメチレ
ンテトラミンなどを用いた場合、これら発泡剤はその分
解残渣が人的に安全衛生上悪影響を及ぼすものであり、
また、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベ
ンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオ
キサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイドなどの
アシル系パーオキサイドの架橋剤の分解残渣も少なから
ず人的に悪影響を及ぼすものであり、これらの分解物の
生成は作業環境上好ましいものではないという問題があ
る。更に、これら分解物を取り除くためには長時間の加
熱除去工程を必要としており、また、上述の発泡剤や架
橋剤を用いて成形されたスポンジは、衛生上問題がある
ため、食品用の器具や化粧用品などの用途としては好ま
しいものではないという問題もある。
【0005】これに対し、人的に悪影響の少ない発泡剤
としては、アゾジカルボンアミド、p,p’−オキシビ
ス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)が知られており、
また、白金系触媒を用いたアルケニル基とSiH基との
付加反応による架橋により成形されたスポンジが衛生的
に最も好ましいことから、これらの架橋剤を用い、付加
硬化反応でシリコーンゴムスポンジを得る方法が要望さ
れる。
【0006】しかし、付加反応によるスポンジの成形に
関しては、特公昭47−43294号公報に示されてい
るが、発泡剤としてアゾジカルボンアミドやp,p’−
オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)を用いた
例示はない。
【0007】また、特公昭53−1459号公報には付
加反応を部分的に進行させることにより、シリコーンコ
ンパウンドを発泡、硬化させる方法が記載されている
が、発泡剤としてアゾジカルボンアミドやp,p’−オ
キシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)を用いた例
示はなく、また、この方法は付加反応を部分的に進行さ
せるエージングを必要とし、工程的に無駄がある。
【0008】更に、特開昭61−223034号公報に
はポリジオルガノシロキサンスポンジに関する組成物が
開示されている。このスポンジは、ビニル基含有ポリジ
メチルシロキサンを白金又はロジウム触媒下でヒドロシ
レーションにより硬化させると同時に、大気圧下25℃
では気体である液体発泡剤を用いて発泡させることによ
り得られるものであるが、液体発泡剤は取扱い操作が難
しく、かつ高価なものである。
【0009】なおまた、特公昭63−10180号公報
には、粘度が10万cp以下のオイル状のポリジオルガ
ノシロキサン、ポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ン、発泡剤としてp,p’−オキシビス(ベンゼンスル
ホニルヒドラジド)を含む発泡性シリコーンゴム組成物
に白金系触媒を用い、ポリジオルガノシロキサンのアル
ケニル基とポリオルガノハイドロジェンシロキサンのS
iH基との付加反応によってスポンジを形成することが
できるが、アゾジカルボンアミドなどを発泡剤として用
いたときは、スポンジは形成するが硬化が起こらず、ス
ポンジの強度がないことが記載されている。この場合、
硬化しないのは、発泡剤の分解が付加硬化反応よりもか
なり早く起こってしまうためであると考えられる。
【0010】このように、発泡剤としてアゾジカルボン
アミドを用いた付加反応硬化型の発泡性シリコーン組成
物として実用的なものは提案されていないのが現状であ
る。
【0011】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
スポンジ強度及び発泡性に優れたシリコーンゴムスポン
ジを得ることができ、製造時における安全衛生性に優れ
たアゾジカルボンアミドを発泡剤とした発泡性シリコー
ンゴム組成物及び該組成物を硬化して得られるシリコー
ンゴムスポンジを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を行なった結果、(A)下
記平均組成式(1)で示され、25℃における粘度が1
6センチストークス以上であるジオルガノポリシロキ
サン、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)白金系触媒を含むシリコーンゴム組成物に、発泡
剤として(D)アゾジカルボンアミドを用いると共に、
(E)付加反応速度制御剤を添加した場合、付加反応速
度制御剤で付加硬化反応のスピードが発泡剤の分解速度
と同じレベルになるようにコントロールすることがで
き、ジオルガノポリシロキサン粘度が106cp以上の
高粘度重合体を用いてシリコーンゴムスポンジを成形す
ることが可能であり、更に例えば特公昭53−1459
号公報に示されているようにアゾビスイソブチロニトリ
ルを用いた場合とは異なり、エージング無しで良好なシ
リコーンゴムスポンジが得られること、得られたスポン
ジは強度及び発泡性に優れていることを見い出した。
【0013】
【化2】 (式中、R は置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示
すが、その0.01〜20モル%がアルケニル基であ
り、nは1.98〜2.02の正数を示す。)
【0014】また、発泡性シリコーンゴム組成物を発泡
させる方法としては後述するように種々の方法があり、
この場合、マイクロ波照射加硫(UHF加硫)を採用す
る場合、フェライト化合物を含んだ発泡性シリコーン組
成物を用いることは既に公知である(特公平2−175
735号公報)が、本発明者は発泡剤であるアゾジカル
ボンアミドがそれ自体UHF吸収特性に優れ、スポンジ
成形させるにあたって発泡剤としての作用だけではな
く、UHFを吸収し、昇温することにより成形効率を大
幅に上げることができるものであり、そのためフェライ
ト等のUHF吸収助剤を併用することなくUHF加硫で
良好なシリコーンゴムスポンジが得られ、上記組成物を
用いたシリコーンゴムスポンジの製造法としてUHF加
硫が有効であることを知見し、本発明をなすに至った。
【0015】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明の発泡性シリコーンゴム組成物は、(A)一
般式(1)のジオルガノポリシロキサン、(B)オルガ
ノハイドロジェンポリシロキサン、(C)白金系触媒、
(D)アゾジカルボンアミド、(E)付加反応速度抑制
剤を含有するものである。
【0016】この場合、(A)成分のジオルガノポリシ
ロキサンは下記一般式(1)で示されるものである。
【0017】
【化3】
【0018】ここで、Rは置換もしくは非置換の一価炭
化水素基で、好ましくは炭素数1〜10、特に1〜8の
ものであり、メチル基,エチル基,プロピル基等のアル
キル基,ビニル基,アリル基等のアルケニル基,フェニ
ル基等のアリール基などの一価炭化水素基及びこれらの
基の水素原子をハロゲン原子やシアノ基等で置換した基
などであるが、その0.01〜20モル%、より好まし
くは0.01〜5モル%がアルケニル基である。また、
nは1.98〜2.02の範囲の正数である。なお、
(A)成分のジオルガノポリシロキサンの分子鎖末端の
構造としては、例えばトリメチルシロキシ基、ジメチル
フェニルシロキシ基、ジメチルビニルシリル基、メチル
ジビニルシリル基、トリビニルシリル基などが挙げられ
る。
【0019】このジオルガノポリシロキサンとしては、
25℃における粘度が106cs以上、より好ましくは
106〜108csのものを使用する。粘度が106cs
未満では発泡性シリコーンゴム組成物全体の粘度が低下
してしまうので、この組成物を発泡硬化させたときに発
生ガスの抜けを起こし、実用に耐え得るスポンジが形成
されない。なお、(A)成分のジオルガノポリシロキサ
ンはその1種を単独で用いることができるが、粘度或い
は分子構造が異なる2種以上の混合物であっても何等差
し支えない。
【0020】このようなジオルガノポリシロキサンは、
通常、選択されたオルガノハロシランの1種又は2種以
上を(共)加水分解縮合することによって、或いは環状
ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体等)をア
ルカリ又は酸触媒を用いて開環重合することにより得る
ことができる。
【0021】(B)成分のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンは、珪素原子に直結した水素原子を有する基
を含むオルガノポリシロキサンであり、分子形状として
は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
具体的には、ジメチルハイドロジェンシリル基で封鎖さ
れたジオルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン単
位とメチルハイドロジェンシロキサン単位と末端トリメ
チルシロキサン単位との共重合体、ジメチルハイドロジ
ェンシロキサン単位とSiO2単位とからなる低粘度流
体、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,
5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プ
ロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,
5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5
−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,
5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンなどが例
示される。
【0022】(B)成分の使用量はオルガノポリシロキ
サンのアルケニル基1モル当たりSiH基が0.5〜3
モルであるが、特に0.7〜1.7モルとすることがよ
り好ましい。
【0023】(C)成分の白金系触媒は(A)成分のジ
オルガノポリシロキサンのアルケニル基と(B)成分の
オルガノハイドロジェンポリシロキサンのSiH基との
付加反応によりシリコーンゴム化合物を硬化させるため
の触媒である。この白金系触媒としては、白金元素単
体、白金化合物及び白金錯体が包含され、具体的には塩
化白金第一酸,塩化白金第二酸などの塩化白金酸、塩化
白金酸のアルコール化合物,アルデヒド化合物,エーテ
ル化合物或いは各種オレフィン類との錯体などが例示さ
れる。
【0024】この白金系触媒の配合量は、白金原子とし
て(A)成分の0.1〜1000ppm、特に1〜20
0ppmとすることが好ましい。白金原子の配合量が
0.1ppmより少ないと付加反応の度合が少なすぎ、
得られたスポンジがゴムとしての物性を示さないものと
なる。一方、白金原子が多すぎると白金系触媒が高価な
ものとなり、シリコーンゴム組成物のコストが高いもの
になってしまう。
【0025】(D)成分のアゾジカルボンアミド発泡剤
は、シリコーンゴム化合物を発泡させるためのものであ
り、室温では安定であるが100℃以上の高温にさらさ
れたときに、窒素ガス,二酸化炭素ガス,一酸化炭素ガ
スを主成分とする起泡性ガスを放出するものである。こ
のようなものとして、具体的にはセルマイクCE,セル
マイクC−22,セルマイクCAP−250(以上、三
協化成(株))、ビニホールAC(永和化成工業
(株))などの市販品が挙げられる。
【0026】この(D)成分の配合量は(A)成分10
0部に対して1〜10部、特に2〜7部とすることが好
ましい。配合量が1部未満では起泡性ガスの発生量が少
ないため良好なスポンジが得られない場合があり、10
部より多い場合は、組成物の加工性が低下し、またスポ
ンジのセルが不均一になり、時にはスポンジの内部に亀
裂が入ったりするため、出来上がったスポンジの形状が
好ましいものではなくなる場合がある。
【0027】なお、アゾジカルボンアミド発泡剤には、
種々の無機塩、金属石鹸、酸類、尿素、エタノールアミ
ン、グリコールなどの発泡助剤を添加してもよい。
【0028】(E)成分である付加反応速度抑制剤は、
付加硬化反応速度をコントロールするための制御剤であ
り、硬化反応速度と発泡速度とを調整するためのもので
ある。
【0029】このような付加反応速度制御剤としては、
分子量が50〜1000、特に90〜600であるビニ
ル基含有低分子シロキサン、アセチレン系アルコール、
アセチレングリコール化合物、アセチレン系アルコール
又はアセチレングリコール化合物で変性された分子量が
50〜1000、特に70〜600のオルガノシラン及
びオルガノシロキサンが挙げられる。
【0030】上記ビニル基含有低分子シロキサンとして
は、テトラメチルジビニルジシロキサン,ジメチルテト
ラビニルジシロキサン,ヘキサビニルジシロキサン,ト
リメチルトリビニルシクロトリシロキサン,テトラメチ
ルテトラビニルシクロテトラシロキサン等が例示され
る。
【0031】アセチレン系アルコールとしては、下記式
で示されるものが使用される。
【0032】
【化4】 (但し、R1,R2はそれぞれ炭素数1〜10の一価炭化
水素基であり、アルキル基,シクロヘキシル基やシクロ
ペンチル基等のシクロアルキル基,アリール基等が挙げ
られる。)
【0033】このようなアセチレン系アルコールとして
は、3−メチル−1−ペンチン−3−オール,3−フェ
ニル−1−ブチン−3−オール,3−メチル−1−ブチ
ン−3−オール,1−エチニルシクロヘキサン−1−オ
ール,1−エチニルシクロドデカン−1−オール等が例
示される。
【0034】アセチレングリコール化合物としては、下
記式で示されるものが使用される。
【0035】
【化5】 (但し、R3,R4,R5,R6はそれぞれ炭素数1〜10
の一価炭化水素基であり、R1,R2と同様のものが挙げ
られる。)
【0036】このようなアセチレングリコール化合物と
しては、下記のものを例示し得る。
【0037】
【化6】
【0038】上記アセチレン系アルコール又はアセチレ
ングリコール化合物で変性されたオルガノシラン,オル
ガノシロキサンとしては、下記のものが例示される。
【0039】
【化7】
【0040】(E)成分の配合量は、白金量,発泡剤の
種類,ポリマー架橋密度,添加剤の種類などの要因によ
り成形されるスポンジの状態(硬さ,比重,風合い)が
変わってくるので、それに応じて変化するが、付加硬化
反応のスピードを発泡剤の分解速度と実質的に同じにす
る量であり、通常、(A)成分100部に対して0.0
01〜0.05部、特に0.003〜0.03部とする
ことが好ましい。この配合量が0.001部未満のとき
には硬化速度が速くなるためにシリコーンゴム組成物が
発泡せず、配合量が0.05部を超えると硬化反応速度
が遅くなるために発泡が先行してしまうので弾力が無
く、加硫が不十分なスポンジになってしまう場合があ
る。
【0041】更に、本発明には、(F)成分として微粉
状シリカ充填材を配合することが好ましい。このシリカ
充填剤は、シリコーンゴムの機械的強度の補強、増粘、
加工性向上、増量などの目的で添加されるものであり、
煙霧質シリカ、沈殿シリカなどがその代表的なものであ
る。シリコーンゴムの機械的強度を得るために、その比
表面積は100m2/g以上、特100〜400m2/g
であることが好ましい。また、この(F)成分の配合量
は(A)成分100部に対して10〜70部、特に30
〜50部とすることが好ましい。配合量が10部未満或
いは70部を超えると十分な補強性が得られない場合が
ある。なお、このシリカ充填材の平均粒径は5mμ〜1
0μm、特に5mμ〜1μmとすることが好ましい。
【0042】本発明に係るシリコーン組成物には、上述
した(A)〜(F)成分に加え、難燃性を付与するた
め、カーボン、酸化鉄、水酸化アルミニウム、ベンゾト
リアゾール等を添加してもよい。また、シリコーンスポ
ンジの硬さを予め調整する目的で、本発明の目的を損な
わない量で、粉砕石英、溶融石英、炭酸マグネシウム、
硫酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどを添加すること
もできる。また、本発明の組成物には、通常シリコーン
ゴムに配合される公知のゴム配合剤を添加してもよい。
具体的にはけいそう土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、フェライト、カーボンブラック、酸化バリウム、酸
化マグネシウム、水酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、炭酸亜鉛、アスベスト、ガラスウー
ル、微粉マイカ、溶融シリカ粉末等が挙げられる。更
に、必要に応じて顔料、染料、老化防止剤、酸化防止
剤、帯電防止剤、酸化アンチモン、塩化パラフィンなど
の難燃剤、窒化ホウ素、酸化アルミニウム等の熱伝導性
向上剤などを配合してもよく、フィラー用分散剤などを
本発明の効果を損なわない程度に加えてもよい。このフ
ィラー分散剤として用いられる最も一般的なものは、ジ
フェニルシランジオール、各種アルコキシシラン、カー
ボンファンクショナルシラン、シラノール含有低分子シ
ロキサン等である。
【0043】本発明のシリコーンゴム組成物は上述した
成分を2本ロール、バンバリーミキサー、ドウミキサー
(ニーダー)などのゴム混練り機を用いて均一に混合し
た後、必要に応じ加熱処理を施すことによって得ること
ができる。混合の順序は特に制限はないが、通常は成分
(A),(F)を充分に均一混練りし、次いで成分
(C),(E),(D),(B)の順に混合するという
ように、各成分を配合混練りする方法が有効である。
このように混合して得られた発泡性シリコーンゴム組成
物をシリコーンゴムスポンジ成型体に成形するには、常
法に従い、注型成形、金型加圧成形、押し出し成形、各
種基材へのコーティングなど、従来の成形法を採用して
成形することができるが、特に押し出し成形による方法
が最も一般的である。その際の発泡方法としては、常圧
熱気加硫法(HAV)、スチーム連続加硫法(CV)、
溶融塩加硫法(LCM)、マイクロ波照射加硫法(UH
F加硫)などのいずれの方法であってもよいが、特にU
HF加硫が最も望ましい。UHF加硫は建築用ガスケッ
ト、インシュレーター、スポンジロールなどを得るため
に肉厚のスポンジを連続押し出しで安定かつ安価に生産
するのに最も有効な方法であるが、このUHF加硫方法
を用いてシリコーンスポンジを得る場合、通常、周波数
2450±50MHz或いは915±25MHzのマイ
クロ波を使用し、これを被処理体に照射することが好ま
しく、マイクロ波の照射で被処理体の内部に発生する熱
によって加硫が行われる。
【0044】なお、発泡、硬化は特に制限されないが、
100〜400℃、特に150〜300℃で1〜20分
程度行うことができ、発泡、硬化後は、必要に応じ15
0〜200℃で0〜8時間ポストキュアーを行ない、加
硫の完結、発泡剤の分解の完結を図ることができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0046】[実施例1]ジメチルシロキシ単位99.
825モル%、メチルビニルシロキシ単位0.15モル
%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%から
なる粘度が1×107csのガム状オルガノポリシロキ
サン100部に、分散剤としてのジフェニルシランジオ
ール3部、末端シラノール基ジメチルポリシロキサン
(重合度n=10)4部とフュームドシリカ[アエロジ
ル200(日本アエロジル(株)製)]40部を添加
し、ドウミキサーを用いて170℃で加熱しながら2時
間混練りしたものをベースコンパウンドAとした。
【0047】[実施例2,比較例1]ジメチルシロキシ
単位99.825モル%、メチルビニルシロキシ単位
0.15モル%,ジメチルビニルシロキシ単位0.02
5モル%からなる粘度が1×107csのガム状のオル
ガノポリシロキサン100部に、分散剤としてのジメト
キシジメチルシラン3部、末端シラノール基ジメチルポ
リシロキサン(重合度n=10)1部と湿式法シリカ
[ニプシルLp(日本シリカ工業(株)製)]40部を
添加し、ドウミキサーを用いて170℃で加熱しながら
2時間混練りしたものをベースコンパウンドBとした。
【0048】次いで、上記ベースコンパウンドA又はB
100部にオルガノハイドロジェンポリシロキサン1.
0部(SiH基/ビニル基 モル比=1.3)、白金1
00ppmを添加し、更に表1に示す量で1−エチニル
シクロヘキサン−1−オール及びアゾジカルボンアミド
(セルマイクCAP−250)を添加して2本ロールに
て混練りし、発泡性シリコーンゴム組成物を得た。次に
この発泡性シリコーンゴム組成物を長さ70mm,幅5
0mm,厚さ5mmに分出しして、250℃の熱気流下
に10分間放置してスポンジを得た。このスポンジ物性
を表1に示す。なお、比較のため、上記ベースコンパウ
ンドAを使用し、1−エチニルシクロヘキサン−1−オ
ールを配合しない場合の効果を調べた。結果を表1に併
記する。
【0049】
【表1】
【0050】[実施例3,4]実施例2で得た発泡性シ
リコーンゴム組成物を、シリンダー直径が40mm/1
0mmでシリンダー長さLと直径Dとの比がL/D=1
2であり、20mm/10mmのダイを取り付けた押し
出し機に供給し、室温(15〜30℃)で外径5mmの
丸棒状のシリコーンゴム成型体として毎秒1mで連続的
に押し出した。このシリコーンゴム成型体について、実
施例3の場合は200℃の熱風を循環させながら、実施
例4の場合は出力2kw,周波数2,450MHzのU
HF波を照射させて200℃の熱風を循環させながら、
搬送速度毎分1mで全長12mの加熱炉を通過させるこ
とによってスポンジ形状に成形した。また、発泡するま
での時間を測定した。以上のような1次キュアーの後、
200℃の熱風乾燥器に4時間放置することによって2
次キュアーを行い、架橋を完結させ低分子分解物を揮散
させた。スポンジ物性、発泡までの時間を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】[比較例2]実施例1で用いたベースコン
パウンドA中のガム状オルガノシロキサンの粘度を20
00csにした以外は、実施例1と全く同じにしてベー
スコンパウンドCを作った。
【0053】次いで、このベースコンパウンドC100
部に実施例1と同じ架橋剤、発泡剤を等量添加したシリ
コーンゴム組成物を長さ70mm,幅50mm,厚さ5
mmに分出しして、250℃で10分間熱気流下に放置
し、スポンジ形状に成形した。このスポンジはガス抜け
を起こし、また、セルも不揃いで成型物の表面肌も出
ず、実用に耐え得るスポンジとはならなかった。
【0054】[実施例5,6]実施例1,2で得たベー
スコンパウンドA及びB合計100部にオルガノハイド
ロジェンポリシロキサン1.0部(Si8H基/ビニル
基,モル比=1.3)、白金100ppmを添加し、更
に表3に示す量で制御剤及びアゾジカルボンアミド(セ
ルマイクCAP−250)を添加して2本ロールにて混
練し、発泡性シリコーンゴム組成物を得た。次にこの発
泡性シリコーンゴム組成物を長さ70mm,幅50m
m,厚さ5mmに分出しして、250℃の熱気流下に1
0分間放置してスポンジを得た。このスポンジ物性を表
3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】[実施例7,8]実施例1で得たベースコ
ンパウンドAを用い、表4に示した制御剤を同表に示し
た量で用いた以外は実施例5,6と同様にしてスポンジ
を得た。このスポンジ物性を表4に示す。
【0057】
【表4】
【0058】
【発明の効果】本発明の発泡性シリコーンゴム組成物
は、製造時における安全衛生性に優れ、シリコーンゴ組
成物を発泡、硬化して得られたシリコーンスポンジはス
ポンジ強度及び発泡性に優れているものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)平均組成式(1)で示され、25℃
    における粘度が106センチストークス以上であるジオ
    ルガノポリシロキサン、 (B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、 (C)白金系触媒、 (D)アゾジカルボンアミド系発泡剤、 (E)付加反応速度制御剤 を含有することを特徴とする発泡性シリコーンゴム組成
    物。 【化1】 (式中、R は置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示
    すが、その0.01〜20モル%がアルケニル基であ
    り、nは1.98〜2.02の正数を示す。)
  2. 【請求項2】請求項1記載の発泡性シリコーン組成物を
    発泡、硬化させてなるシリコーンスポンジ。
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JP3368161B2 (ja) * 1996-11-27 2003-01-20 東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社 剥離性硬化皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物

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