JPH08260746A - 構造物の制振用減衰装置 - Google Patents

構造物の制振用減衰装置

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JPH08260746A
JPH08260746A JP6073795A JP6073795A JPH08260746A JP H08260746 A JPH08260746 A JP H08260746A JP 6073795 A JP6073795 A JP 6073795A JP 6073795 A JP6073795 A JP 6073795A JP H08260746 A JPH08260746 A JP H08260746A
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JP
Japan
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piston
control valve
stroke amount
damping
damper
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Application number
JP6073795A
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English (en)
Inventor
Kazuhide Maehata
一英 前畑
Haruhiko Kawasaki
治彦 川崎
Takeji Shizume
武治 鎭目
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダンパーがストロークエンドに達するのを防
止して機械的な衝突による損傷を回避する。 【構成】 構造物の架構本体と耐震要素との間にダンパ
ー5に介装し、構造物の振動を減衰するようにした制振
用減衰装置であって、ダンパー5としてのシリンダ10
の両シリンダ室を連通する連通回路15と、連通回路1
5に介装した制御弁30と、この制御弁30の前後の圧
力をそれぞれ検出するセンサ32a,32bと、構造物
の揺れの周期に対応した減衰力特性を付与するように、
検出した前後差圧に基づいて制御弁30の開口面積を演
算し、制御する一方、ピストンストローク量を推定し、
これが限界ストローク値に達したときに、制御弁30の
開度を閉じるコントローラ40を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は構造物の制振用の高減衰
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高層建築物などが風による揺れや、地震
による揺れを減衰するために、構造物の柱梁架構内にブ
レースや壁などの耐震要素を組み込み、この耐震要素と
架構本体との間をダンパーで連結し、構造物の振動を減
衰する方式が種々提案されている(例えば特開平5−5
9841号、特開平6−2450号公報等参照)。
【0003】ところで、風による構造物の揺れと、地震
による揺れでは、その振動周期が相違し、したがって、
これらの振動を減衰するのに最適なダンパーの減衰特性
も異なる。
【0004】そこで、特開平6−2450号では、ダン
パーのピストン内部に設けた調整弁とリリーフ弁によ
り、図7にも示すように、減衰力特性を、減衰係数Cが
大きい傾きが急な部分(減衰係数Ca)、傾きが中程度
の部分(減衰係数Cb=中)、傾きの緩やかな部分(減
衰係数Cc=小)からなる折れ線特性に設定し、減衰係
数Caの部分では風に対する制振、Cbの部分は地震に
対する制振作用を発揮させ、また、Ccの部分では過大
な外力に対して構造物を保護しつつ制振するようにして
いる。
【0005】そして、このように減衰力を変化させるの
に、前記調整弁にスリットを設けたりしてダンパーの発
生減衰力を制御している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
減衰装置にあっては、構造物に過大な揺れが入力する
と、ダンパーが最大限度までストロークすることがあ
り、この場合には、ダンパーのピストンがシリンダ壁に
衝突し、この衝撃力により、ひどいときは破壊すること
がある。
【0007】しかし、従来の減衰装置にはこのような対
策が講じられてなく、安全性や耐久性の点から問題があ
った。
【0008】本発明はこのような問題を解決することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで第1の発明は、図
6に示すように、構造物の架構本体と耐震要素との間に
ダンパーに介装し、構造物の振動を減衰するようにした
制振用減衰装置において、前記ダンパーとしての作動流
体を封入した両ロッド型のシリンダ(10)と、シリン
ダのピストンで画成された両シリンダ室を連通する連通
回路(15)と、連通回路に介装した制御弁(30)
と、この制御弁の前後の圧力をそれぞれ検出する手段
(32a,32b)と、構造物の揺れの周期に対応した
減衰力特性を設定する手段51と、検出した前後差圧に
基づいて設定減衰力特性を付与するための制御弁の開口
面積を演算しかつその開口面積に制御する手段52と、
同じく前記前後差圧と制御弁開口面積からピストン速度
を演算する手段53と、このピストン速度を積分してピ
ストンストローク量を推定する手段54と、このストロ
ーク量が所定の限界値に達したら前記制御弁を強制的に
全閉する停止手段55とを備える。(ただし、括弧内の
符号は実施例に対応する) 第2の発明は、第1の発明において、前記ピストンスト
ローク量推定手段は、制御弁の前後差圧がゼロから変化
して次に差圧がゼロになるまでの期間、ピストン速度を
積分してストローク量を推定する。
【0010】第3の発明は、第1の発明において、前記
ピストンストローク量推定手段は、制御弁の前後差圧の
符号が同一の期間だけ、ピストン速度を積分してストロ
ーク量を推定する。
【0011】
【作用】第1の発明では、構造物に揺れが起きると、架
構本体と耐震要素との間に相対的な変位差が生じ、これ
に応じてシリンダのピストンが変位する。ピストンの変
位により作動流体が連通回路を経由して左右のシリンダ
室間を移動し、このとき制御弁の開度に応じて流体抵抗
が発生し、これが前記変位差を吸収、減衰する減衰力と
なり、構造物の揺れを減少させる。このときの減衰力
は、構造物の揺れの周期に対応しての所定の減衰力特性
となるように、予めピストン速度と減衰力との関係が設
定されており、このため、構造物の揺れの特性に対応し
て最も効果的な制振作用を生じる。
【0012】一方、ピストン速度に基づいてピストンス
トローク量が推定され、このストローク量が所定の限界
値に達すると、制御弁が閉じられ、それ以上のピストン
の移動を阻止する。このため、過大な振動の入力時など
でも、ピストンがストロークエンドに到達してシリンダ
壁に激しく衝突するようなことがなくなり、ダンパーの
損傷が避けられる。
【0013】第2の発明では、制御弁の前後差圧が発生
してからゼロになるまでのピストンストローク量が算出
される。ピストンの振動の方向が反転するときに必ず差
圧がゼロとなり、これにより、振動の最大振幅に相当す
るストローク量が推定され、このストローク量をダンパ
ーの最大ストローク量と比較することにより、容易にか
つ正確に限界ストロークに達したことを判断できる。
【0014】第3の発明では、同じようにして、前後差
圧の符号が同一の範囲内のピストンストローク量が算出
され、これによっても、最大振幅に相当するストローク
量が正確に推定できる。
【0015】
【実施例】図1は制振用のダンパー、図2、図3はこの
ダンパーを組み込んだ構造物を現すもので、まず、図
2,図3において、1は構造物、2は構造物1の各階を
構成する柱、3は梁であり、さらに、これら柱2、梁3
からなる架構本体の各階には、局所的に耐震要素として
のブレース4が設けられ、例えば、ブレース4と梁3と
をダンパー5で連結し、水平方向の相対振動を減衰す
る。
【0016】構造物1に風などにより揺れ(水平方向の
揺れ)が発生したときに、耐震要素としてのブレース4
に対して梁3の移動量が大きく、相対的な振動差を生じ
るが、この振動差をダンパー5の抵抗力で減衰すること
により、梁3の移動を抑制して構造物1の全体の揺れを
小さくすることができる。このとき、構造物1の揺れの
振動周期は、風などによるものと地震によるものとでは
相違し、これら振動特性に対応してダンパー5に要求さ
れる減衰力特性も異なってくる。
【0017】このような減衰力特性の要求に対応するた
め、ダンパー5は、図1のように構成されている。
【0018】図中10は両ロッド型のシリンダ、11は
ピストン、12a,12bはシリンダ10の両端から突
出させた同一径のピストンロッド、13a,13bはピ
ストン11の両側に形成されたシリンダ室、14a,1
4bは一方がピストンロッド12a、他方がシリンダ1
0に取付けた連結ブラケットである。
【0019】これら左右のシリンダ室13a,13b
は、連通回路15により相互に連通され、ピストン11
の変位に伴い、内部に封入した作動流体が両方のシリン
ダ室13a,13b間を移動する。なお、図示しない
が、連通回路15の一部にアキュムレータを接続し、作
動流体の膨張収縮あるいは漏れ分を補償する。ただし、
漏れがあっても、揺れが停止すると、ピストン11は強
制的に中立位置に復帰させられる。
【0020】連通回路15には電磁比例制御弁30が介
装され、この比例制御弁30の開度に応じて作動流体の
流れに抵抗を付与し、減衰力を発生させる。
【0021】電磁比例制御弁30はコントローラ40か
らの制御信号により作動し、コントローラ40は、図5
(A)(B)に示すような、予め設定した目標の減衰力
特性にしたがって電磁比例制御弁30の開度(開口面
積)を演算し、実際の減衰力が目標値と一致するように
その開度をフィードパック制御する。さらにまた、電磁
比例制御弁30の開度と、そのときの前後差圧とから求
まる作動流体の流量に基づいてピストン速度を演算し、
同一方向に作動流体が流れている間のピストン速度の積
分値からピストンストローク量を推定し、このストロー
ク量が予め設定された限界値に達したら電磁比例制御弁
30を閉じて、ダンパー5の作動を停止させるようにな
っている。
【0022】このため、コントローラ40には、電磁比
例制御弁30の変位(開度)を検出する変位センサ3
1、シリンダ室13a,13bの圧力を検出する圧力セ
ンサ32a,32bからの信号が入力する。
【0023】ここで、コントローラ40において実行さ
れる減衰力の制御動作について、まずその原理から説明
する。
【0024】いま、例えば、目標とする減衰力特性を図
5(A)として、その減衰力特性を発生させるのに必要
な電磁比例制御弁30の開度特性は図5(B)のように
なるものとする。
【0025】実線で示す減衰力特性は2つの直線的な減
衰特性との合成特性となり、それぞれの減衰係数を
1,C2として、この場合、減衰力の制御特性として
は、ピストン速度に対して、直線特性、のいずれか
小さい方を選択すればよいことになる。
【0026】いま、直線の減衰力特性は、発生減衰力
F、ピストン速度Vとして、 F=C1・V…(1) で与えられる。ここで、作動流体の圧縮性を無視する
と、減衰力Fとピストン速度Vは、 F=A・P…(2) V=Q/A…(3) ただし、Pはシリンダ室13a,13bの差圧(│Pa
−Pb│)、Qはピストン排出量(弁通過流量)、Aは
ピストン受圧面積 となる。
【0027】また、シリンダ排出量(弁通過流量)Q
は、弁開口面積a1、と、その前後差圧Pとから、 Q=α・a1√(P)…(4) ただし、αは定数として求まる。したがって、これら
(1)〜(4)式により、直線の特性を発生するための電磁
比例制御弁の弁開口面積a1(図5(B)参照)は次の
ようにして求められる。
【0028】a1=(A2/C1・α)・√(P)…(5) 次に、直線の減衰力特性は、 F=C2・V+F2…(6) ただし、F2はピストン速度V=0のときの減衰力 として与えられる。また、直線と同様にして、 F=A・P…(7) V=Q/A…(8) Q=α・a2√(P)…(9) ただし、a2は弁開口面積 が求められる。これら(6)〜(9)式から、弁開口面積a2
を求めると、次のようになる。
【0029】 a2=(A2/C2・α)[√(P)−P2/√(P)]…(10) ただし、P2はピストン速度=0のときの圧力(=F2
A) この式(10)において、P≦P2(F≦F2)の範囲は制御
しなくてもよいから、 a2=0 (ただし、P≦P2) a2=(A2/C2・α)[√(P)−P2/√(P)] (ただし、P>P2 )…(11) となり、したがって、これに基づいて弁開口面積がa2
となるように制御すれば、直線の特性が得られる。
【0030】全体の減衰力特性は、前にも述べたよう
に、直線とのうち小さい方を選択すればよいから、
弁開口面積a1とa2については、弁開口面積が大きい方
が発生減衰力が小さくなるので、a1、a2の計算値のう
ち大きい値arを選択すればよいことになる。したがっ
て、 ar=max(a1,a2)…(12) ただし、max(a1,a2)はa1とa2のうちいずれか
大きい方を選択するという意味。
【0031】なお、以上の説明では、2つの直線、
を合成した減衰力特性の制御について述べたが、N個の
直線の合成からなる減衰力特性は、前記(11)式に基づい
て、次のようにして算出することができる。
【0032】 ai=0 (ただし、P≦Pi) ai=(A2/Ci・α)[√(P)−Pi/√(P)] (ただし、P> Pi)…(13) ただし、i=1,2,…N 次に、ダンパー5のピストンストローク量を推定し、所
定の限界値に達したときに停止させるための原理につい
て説明する。
【0033】まず、シリンダ排出流量Qは、前記(4)(9)
から、 Q=α・ai√(P)…(14) として求められる。この流量Qからピストン速度Vは、
前記(3)(8)式から、 V=Q/A…(15) となる。このピストンが同一方向に移動している期間中
の、ピストン速度Vを積分することにより、ピストンス
トローク量Yを算出できる。すなわち、 Y=∫Vdt…(16) として算出される。
【0034】なお、ピストンの同一方向へ移動の判定
は、ダンパーへの振動の入力により、移動の方向が反転
する度に必ず差圧がゼロとなるから、積分期間は差圧ゼ
ロからの変化に伴って開始して次にゼロになるまでの間
となり、あるいは、制御弁の上流と下流の圧力差の符号
が移動方向の反転に伴って正から負、または負から正に
変換するので、これら符号が同一の期間だけ積分しても
よい。
【0035】そして、このピストンストローク量Yの絶
対値を、予め設定してある限界ストローク値Yeと次の
ように比較し、限界ストロークを判定する。
【0036】│Y│≦Ye…(17) もし、限界ストローク量Yeに達したときは、前記弁開
口面積arとして、a0(全閉を意味する)を出力する
ことにより、制御弁を閉じ、この結果、ピストン11が
シリンダ壁に衝突するのを阻止することができる。
【0037】ここで、a0を出力するときは、瞬間的に
制御弁を閉じると、ピストン停止時のショックが大きく
なるので、時間関数として制御弁をある時間をかけて閉
じるようにするとよい。
【0038】これらのことを実現するために、コントロ
ーラ40で実行される制御内容は次のようになる。
【0039】図4に示すように、まず直線の特性に関
して、ステップ1では、検出した圧力Pa,Pbより、
差圧Pを、P=│Pa−Pb│として算出する。ステッ
プ2で、この差圧Pと減衰係数C1とから、弁開口面積
1を、a1=(A2/C1・α)・√(P)として算出す
る。
【0040】次に、直線に関して、ステップ3で差圧
Pと、減衰係数C2、切片圧力P2とにより、弁開口面積
2を、a2=0(ただし、P≦P2)、またa2=(A2
/C・α)[√(P)−P/√(P)](ただし、
P>P2)として算出する。
【0041】そして、ステップ4でこれらa1とa2のう
ち大きい方の値を、arとして選択し、ステップ5でこ
の弁開口面積arを、弁変位xrに、面積−変位変換テ
ーブルをルックアップして変換する。
【0042】次にステップ6において、差圧Pと弁開口
面積arから求めた流量Qと、ピストン断面積Aからピ
ストン速度Vを、V=Q/Aとして算出する。ステップ
7でこのピストン速度Vを、ピストン移動方向が同一の
期間中だけ積分し、ピストンストローク量YをY=∫V
dtとして求め、さらにステップ8でこのストローク量
の絶対値を予め設定してある限界ストローク値Yeと比
較する。
【0043】ピストンストローク量Yが限界値内のとき
は、ステップ9に移り、前記ステップ5で求めた弁変位
xrを電磁比例制御弁30の弁変位指令信号とする。し
かし、ストローク量が限界ストローク値Yeに達したと
きは、それ以上はダンパー5をストロークさせないよう
に、電磁比例制御弁30の弁変位指令信号xrをx
0(ただしa0に対応する)として、全閉信号を出力する
(ステップ10)。
【0044】そして、ステップ11では、弁変位指令信
号xrを実際の弁変位量xと比較し、このxがxrと一
致するように、電磁比例制御弁30への制御信号SIG
が修正され、これが出力される。
【0045】以上の制御により、電磁比例制御弁30の
開度(変位)が、ダンパー5のピストン速度に応じて変
化し、この開度に対応して、ダンパー5は図5に示すよ
うな減衰力を発生する。
【0046】構造物1に風などにより揺れが発生したと
きに、耐震要素としてのブレース4と梁3との間に相対
的な変位を生じるが、この相対変位をダンパー5の抵抗
力で減衰する。構造物1の揺れの周期は、風による場合
と地震による場合とで異なり、これに応じてダンパー5
のピストン速度が変化する。したがって、このピストン
速度に対応して、減衰力が可変的に制御されることによ
り、構造物1の振動を効果的に吸収、減衰できる。
【0047】一方、ダンパー5のピストンストロークが
最大ストロークに達すると、ピストン11がシリンダ壁
に衝突し、ダンパー5が損傷する恐れがある。
【0048】しかし、上記のように、常にピストンスト
ローク量が推定され、所定の限界ストローク値に達する
と、電磁制御弁30の開度が強制的にゼロ、つまり閉弁
し、シリンダ室間の作動流体の移動を阻止する。これに
より、ダンパー5がそれ以上ストロークすることができ
なくなり、ピストン11の機械的な衝突が回避され、ダ
ンパー5の破壊などを確実に阻止することができる。な
お、この場合、ピストンストローク量を測定するのに、
ストロークセンサ等を備える必要がないので、それだけ
構成が簡略化できる。
【0049】ピストンストローク量が限界ストローク値
の範囲内に戻れぱ、自動的に電磁比例制御弁30の開度
は、振動減衰に最適な開度に戻り、制振動作が再開され
ることになる。
【0050】なお、ダンパー5はシリンダ10とピスト
ンロッド12aの連結ブラケット14a,14bによ
り、梁3とブレース4との間に連結されているので、構
造物1の揺れが止まれば、自動的に初期状態、つまりピ
ストン中立位置に復帰する。このため、作動流体の漏れ
等があっても、ピストン11の移動は、必ず中立位置か
ら開始されることになる。したがって、ピストンストロ
ークが所定の限界ストローク値に収まる範囲ならば、ピ
ストン11がストロークエンドに達することは無い。
【0051】前記電磁比例制御弁30により発生するダ
ンパー5の減衰力特性は、コントローラ40からの信号
により、自由に調整することができ、図5のように、2
つの直線、の合成特性に限らず、前記した式(13)に
示すようにして、さらに複数の直線を合成した減衰力特
性に設定することも自由に行えるので、実際の構造物1
の振動特性に対応して、最適な制振効果をもたらすこと
が可能となる。
【0052】
【発明の効果】第1の発明は、構造物の架構本体と耐震
要素との間にダンパーに介装し、構造物の振動を減衰す
るようにした制振用減衰装置において、前記ダンパーと
しての作動流体を封入した両ロッド型のシリンダと、シ
リンダのピストンで画成された両シリンダ室を連通する
連通回路と、連通回路に介装した制御弁と、この制御弁
の前後の圧力をそれぞれ検出する手段と、構造物の揺れ
の周期に対応した減衰力特性を設定する手段と、検出し
た前後差圧に基づいて設定減衰力特性を付与するように
制御弁の開口面積を制御する手段と、同じく前記前後差
圧と制御弁開口面積からピストン速度を演算する手段
と、このピストン速度を積分してピストンストローク量
を推定する手段と、このストローク量が所定の限界値に
達したら前記制御弁を強制的に全閉する停止手段とを備
えるため、構造物に揺れが起き、架構本体と耐震要素と
の間に相対的な変位差が生じると、これに応じてダンパ
ーのピストンが変位し、このとき制御弁の開度に応じて
発生する流体抵抗が構造物の振動を減衰する減衰力とな
り、この減衰力は構造物の揺れの周期に対応しての所定
の減衰力特性となるように予め設定されているので、構
造物の揺れの特性に対応して最も効果的な制振作用を生
じる一方、このときのピストンストローク量が推定さ
れ、このストローク量が所定の限界値に達すると、制御
弁を閉じてそれ以上のピストンの移動を阻止するため、
過大な振動の入力時などでも、ピストンがストロークエ
ンドに到達してシリンダ壁に激しく衝突するようなこと
がなく、ダンパーの損傷、破壊を回避することができ、
制振装置としての信頼性、耐久性を向上させられる。
【0053】第2の発明は、前記ピストンストローク量
推定手段が、制御弁の前後差圧がゼロから変化して次に
差圧がゼロになるまでの期間、ピストン速度を積分して
ストローク量を推定するので、振動の最大振幅に相当す
るストローク量が推定され、このストローク量をダンパ
ーの最大限界ストローク値と比較することにより、特別
なストロークセンサ等を備えずに、容易にかつ正確に限
界ストロークに達したことを判断できる。
【0054】第3の発明は、前記ピストンストローク量
推定手段が、制御弁の前後差圧の符号が同一の期間だ
け、ピストン速度を積分してストローク量を推定するの
で、上記と同じく特別なストロークセンサ等を備えず
に、正確にピストンストローク量を測定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す油圧回路図である。
【図2】構造物の概略構成図である。
【図3】ダンパーの取付状態を示す概略構成図である。
【図4】コントローラの制御動作を示すフローチャート
である。
【図5】ダンパーの減衰力特性を示すもので、(A)は
ピストン速度と減衰力の関係を示す説明図、(B)はピ
ストン速度と制御弁の開口面積の関係を示す説明図であ
る。
【図6】本発明の構成を示す構成図である。
【図7】従来の減衰力特性を示す説明図である。
【符号の説明】
10 シリンダ 12a,12b ピストンロッド 13a,13b シリンダ室 15 連通回路 30 電磁比例制御弁 31 変位センサ 32a,32b 圧力センサ 40 コントローラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の架構本体と耐震要素との間にダ
    ンパーに介装し、構造物の振動を減衰するようにした制
    振用減衰装置において、前記ダンパーとしての作動流体
    を封入した両ロッド型のシリンダと、シリンダのピスト
    ンで画成された両シリンダ室を連通する連通回路と、連
    通回路に介装した制御弁と、この制御弁の前後の圧力を
    それぞれ検出する手段と、構造物の揺れの周期に対応し
    た減衰力特性を設定する手段と、検出した前後差圧に基
    づいて設定減衰力特性を付与するように制御弁の開口面
    積を制御する手段と、同じく前記前後差圧と制御弁開口
    面積からピストン速度を演算する手段と、このピストン
    速度を積分してピストンストローク量を推定する手段
    と、このストローク量が所定の限界値に達したら前記制
    御弁を強制的に全閉する停止手段とを備えることを特徴
    とする構造物の制振用減衰装置。
  2. 【請求項2】 前記ピストンストローク量推定手段は、
    制御弁の前後差圧がゼロから変化して次に差圧がゼロに
    なるまでの期間、ピストン速度を積分してストローク量
    を推定する請求項1に記載の構造物の制振用減衰装置。
  3. 【請求項3】 前記ピストンストローク量推定手段は、
    制御弁の前後差圧の符号が同一の期間だけ、ピストン速
    度を積分してストローク量を推定する請求項1に記載の
    構造物の制振用減衰装置。
JP6073795A 1995-03-20 1995-03-20 構造物の制振用減衰装置 Pending JPH08260746A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10226477A (ja) * 1997-02-17 1998-08-25 Toshiba Corp エレベータかご内の気圧調整装置
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