JPH0826010B2 - クロマン誘導体及びこれを有効成分とするpge2産生抑制剤並びにngf産生誘導剤 - Google Patents
クロマン誘導体及びこれを有効成分とするpge2産生抑制剤並びにngf産生誘導剤Info
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- JPH0826010B2 JPH0826010B2 JP3061216A JP6121691A JPH0826010B2 JP H0826010 B2 JPH0826010 B2 JP H0826010B2 JP 3061216 A JP3061216 A JP 3061216A JP 6121691 A JP6121691 A JP 6121691A JP H0826010 B2 JPH0826010 B2 JP H0826010B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハリタケ科(Hydnacea
e)、サンゴハリタケ属(Hericium)のキノコであるヤマブ
シタケ(Hericium erinaceum)の子実体中に存在するクロ
マン誘導体及びこれを有効成分とするPGE2(プロス
タグランジンE2)産生抑制剤並びにNGF(神経成長
因子)産生誘導剤に関する。
e)、サンゴハリタケ属(Hericium)のキノコであるヤマブ
シタケ(Hericium erinaceum)の子実体中に存在するクロ
マン誘導体及びこれを有効成分とするPGE2(プロス
タグランジンE2)産生抑制剤並びにNGF(神経成長
因子)産生誘導剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、キノコに含まれる化合物及びその
薬剤効果について複数の報告がある。例えばサルノコシ
カケ科のキノコであるカワラタケ(Polyporus versicolo
r)にはエルゴステロール誘導体が含まれており、該エル
ゴステロール誘導体には肝臓癌細胞に対する殺細胞効果
のあることがテトラヘドロン(Tetrahedron) 39,27
79〜2785(1983)に報告されている。
薬剤効果について複数の報告がある。例えばサルノコシ
カケ科のキノコであるカワラタケ(Polyporus versicolo
r)にはエルゴステロール誘導体が含まれており、該エル
ゴステロール誘導体には肝臓癌細胞に対する殺細胞効果
のあることがテトラヘドロン(Tetrahedron) 39,27
79〜2785(1983)に報告されている。
【0003】またハラタケ科のキノコであるヒメマツタ
ケ(Agaricusblazei)にもエルゴステロール誘導体が含ま
れており、該エルゴステロール誘導体には子宮頸癌細胞
に対する殺細胞効果のあることがフィトケミストリ(Phy
tochemistry) 27、2777〜2789(1988)
に報告されている。
ケ(Agaricusblazei)にもエルゴステロール誘導体が含ま
れており、該エルゴステロール誘導体には子宮頸癌細胞
に対する殺細胞効果のあることがフィトケミストリ(Phy
tochemistry) 27、2777〜2789(1988)
に報告されている。
【0004】同様のことは特公昭48−6766号公
報、特開昭55−71702号公報、特開昭58−62
118号公報等にも報告されている。
報、特開昭55−71702号公報、特開昭58−62
118号公報等にも報告されている。
【0005】更にハリタケ科のキノコであるヤマブシタ
ケにはフタリド誘導体及びイソインドリノン誘導体が含
まれており、該フタリド誘導体及び該イソインドリノン
誘導体には子宮頸癌細胞に対する殺細胞効果のあること
がテトラヘドロン(Tetrahedron) 3,373〜376
(1990)に報告されている。
ケにはフタリド誘導体及びイソインドリノン誘導体が含
まれており、該フタリド誘導体及び該イソインドリノン
誘導体には子宮頸癌細胞に対する殺細胞効果のあること
がテトラヘドロン(Tetrahedron) 3,373〜376
(1990)に報告されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ヤマブシタケ
に含まれる他の化合物及びその薬剤効果については報告
がない。
に含まれる他の化合物及びその薬剤効果については報告
がない。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
叙上の如き実情に鑑み、ヤマブシタケに含まれる他の化
合物及びその薬剤効果について鋭意研究した結果、ヤマ
ブシタケには特定の化学構造から成る新規のクロマン誘
導体が含まれており、該クロマン誘導体にはPGE2産
生抑制効果及びNGF産生誘導効果のあることを見出し
た。
叙上の如き実情に鑑み、ヤマブシタケに含まれる他の化
合物及びその薬剤効果について鋭意研究した結果、ヤマ
ブシタケには特定の化学構造から成る新規のクロマン誘
導体が含まれており、該クロマン誘導体にはPGE2産
生抑制効果及びNGF産生誘導効果のあることを見出し
た。
【0008】すなわち本発明は、下記の式1で示される
クロマン誘導体、及び該クロマン誘導体を有効成分とす
るPGE2産生抑制剤並びにNGF産生誘導剤に係る。
クロマン誘導体、及び該クロマン誘導体を有効成分とす
るPGE2産生抑制剤並びにNGF産生誘導剤に係る。
【0009】
【式1】 [但し、Rはカルボキシル基を除いた、パルミチン酸残
基、ステアリン酸残基又はリノール酸残基]
基、ステアリン酸残基又はリノール酸残基]
【0010】式1で示されるクロマン誘導体はヤマブシ
タケの子実体を次のように処理することによって得られ
る。先ず、ヤマブシタケの生或いは乾燥子実体を水及び
有機溶媒の均一系で抽出処理し、濾過や遠心分離等で固
液分離したその抽出液から有機溶媒を蒸発して水相を得
る。この場合、水及び有機溶媒の均一系としては、80
〜85%メタノールやエタノール、85%アセトン等が
ある。抽出は通常室温で行なうが、加熱還流してもよ
く、抽出時間は通常1〜72時間である。例えば、85
%エタノール中にヤマブシタケの生子実体を加え、ホモ
ジナイズ処理し、これを室温で一昼夜放置した後、濾過
して抽出液を得、該抽出液を減圧下に40〜45℃で加
熱してエタノールを蒸発することにより水相を得るので
ある。
タケの子実体を次のように処理することによって得られ
る。先ず、ヤマブシタケの生或いは乾燥子実体を水及び
有機溶媒の均一系で抽出処理し、濾過や遠心分離等で固
液分離したその抽出液から有機溶媒を蒸発して水相を得
る。この場合、水及び有機溶媒の均一系としては、80
〜85%メタノールやエタノール、85%アセトン等が
ある。抽出は通常室温で行なうが、加熱還流してもよ
く、抽出時間は通常1〜72時間である。例えば、85
%エタノール中にヤマブシタケの生子実体を加え、ホモ
ジナイズ処理し、これを室温で一昼夜放置した後、濾過
して抽出液を得、該抽出液を減圧下に40〜45℃で加
熱してエタノールを蒸発することにより水相を得るので
ある。
【0011】次に、該水相を水及び有機溶媒の混合系で
液液分配抽出処理して有機溶媒層を分取し、該有機溶媒
層から有機溶媒を蒸発して乾固物を得る。この場合、有
機溶媒としては、クロロホルム、酢酸エチル、ジエチル
エーテル等があるが、収率の点でクロロホルムが好まし
い。例えば、上記水相にクロロホルムを加え、振盪後、
放置して分層したクロロホルム層を分取し、該クロロホ
ルム層を減圧下に40〜45℃で加熱してクロロホルム
を蒸発することにより乾固物を得るのである。
液液分配抽出処理して有機溶媒層を分取し、該有機溶媒
層から有機溶媒を蒸発して乾固物を得る。この場合、有
機溶媒としては、クロロホルム、酢酸エチル、ジエチル
エーテル等があるが、収率の点でクロロホルムが好まし
い。例えば、上記水相にクロロホルムを加え、振盪後、
放置して分層したクロロホルム層を分取し、該クロロホ
ルム層を減圧下に40〜45℃で加熱してクロロホルム
を蒸発することにより乾固物を得るのである。
【0012】上記乾固物はそれ自体がPGE2産生抑制
剤及びNGF産生誘導剤として有効なものであるが、該
乾固物から不純物を除去してそのPGE2産生抑制効果
及びNGF産生誘導効果を高めるために、該乾固物をク
ロマト分画処理するのが好ましく、クロマト分画処理し
たものを更に再分画処理して単離するのがより好まし
い。この場合、詳しくは実施例で後述するように、ヘキ
サン、クロロホルム、クロロホルム/アセトン等を展開
溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー或いは
薄層クロマトグラフィーを用いてクロマト分画処理する
ことができ、またODSカラムを用いた高速液体クロマ
トグラフィーで再分画処理することができる。
剤及びNGF産生誘導剤として有効なものであるが、該
乾固物から不純物を除去してそのPGE2産生抑制効果
及びNGF産生誘導効果を高めるために、該乾固物をク
ロマト分画処理するのが好ましく、クロマト分画処理し
たものを更に再分画処理して単離するのがより好まし
い。この場合、詳しくは実施例で後述するように、ヘキ
サン、クロロホルム、クロロホルム/アセトン等を展開
溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー或いは
薄層クロマトグラフィーを用いてクロマト分画処理する
ことができ、またODSカラムを用いた高速液体クロマ
トグラフィーで再分画処理することができる。
【0013】かくして再分画処理することにより単離さ
れる化合物の物理化学的性質及び構造解析結果は下記の
通りである。
れる化合物の物理化学的性質及び構造解析結果は下記の
通りである。
【0014】式1のRがカルボキシル基を除いたパルミ
チン酸残基である場合の化合物(以下、これを化合物A
という)。 (1) 分子量:570 (2) 赤外線吸収スペクトル:1740,1675,1665cm-1 (3) 核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR):0.88(t,J=6.60),
1.25〜1.39(m),1.44(s), 1.69(m), 1.86(s), 1.92(ddd,
J=13.93,6.61,6.61),2.00(ddd,J=13.93,6.61,6.61), 2.
14(s), 2.41(t,J=7.33),2.63(dd,J=6.61,6.61), 2.66
(d,J=13.94), 2.82(d,J=13.94), 3.88(s),5.51(s), 6.0
6(s), 6.55(s), 10.41(s) (4) 溶媒に対する溶解性:酢酸エチル、クロロホルム、
ヘキサンに可溶、メタノール、エタノールにやや可溶、
水に不溶 (5) 塩基性、中性、酸性の区別:酸性物質 (6) 色及び形状:白色油状
チン酸残基である場合の化合物(以下、これを化合物A
という)。 (1) 分子量:570 (2) 赤外線吸収スペクトル:1740,1675,1665cm-1 (3) 核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR):0.88(t,J=6.60),
1.25〜1.39(m),1.44(s), 1.69(m), 1.86(s), 1.92(ddd,
J=13.93,6.61,6.61),2.00(ddd,J=13.93,6.61,6.61), 2.
14(s), 2.41(t,J=7.33),2.63(dd,J=6.61,6.61), 2.66
(d,J=13.94), 2.82(d,J=13.94), 3.88(s),5.51(s), 6.0
6(s), 6.55(s), 10.41(s) (4) 溶媒に対する溶解性:酢酸エチル、クロロホルム、
ヘキサンに可溶、メタノール、エタノールにやや可溶、
水に不溶 (5) 塩基性、中性、酸性の区別:酸性物質 (6) 色及び形状:白色油状
【0015】式1のRがカルボキシル基を除いたステア
リン酸残基である場合の化合物(以下、これを化合物B
という)。 (1) 分子量:598 (2) 赤外線吸収スペクトル:化合物Aの場合と同じ (3) 核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR):0.88(t,J=6.59),
1.25〜1.38(m),1.44(s), 1.69(m), 1.86(s), 1.90(ddd,
J=13.92,6.96,6.96),2.00(ddd,J=13.93,6.60,6.60), 2.
14(s), 2.41(t,J=7.33),2.63(dd,J=6.96,6.60), 2.66
(d,J=14.92), 2.77(dd,J=6.61,6.60),2.82(d,J=14.92),
3.88(s), 5.51(s), 6.06(s), 6.54(s), 10.41(s) (4)〜(6)の溶媒に対する溶解性〜色及び形状:化合物A
の場合と同じ
リン酸残基である場合の化合物(以下、これを化合物B
という)。 (1) 分子量:598 (2) 赤外線吸収スペクトル:化合物Aの場合と同じ (3) 核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR):0.88(t,J=6.59),
1.25〜1.38(m),1.44(s), 1.69(m), 1.86(s), 1.90(ddd,
J=13.92,6.96,6.96),2.00(ddd,J=13.93,6.60,6.60), 2.
14(s), 2.41(t,J=7.33),2.63(dd,J=6.96,6.60), 2.66
(d,J=14.92), 2.77(dd,J=6.61,6.60),2.82(d,J=14.92),
3.88(s), 5.51(s), 6.06(s), 6.54(s), 10.41(s) (4)〜(6)の溶媒に対する溶解性〜色及び形状:化合物A
の場合と同じ
【0016】式1のRがカルボキシル基を除いたリノー
ル酸残基である場合の化合物(以下、これを化合物Cと
いう)。 (1) 分子量:594 (2) 赤外線吸収スペクトル:化合物Aの場合と同じ (3) 核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR):0.88(t,J=6.60),
1.25〜1.38(m),1.44(s), 1.69(m), 1.86(s), 1.92(ddd,
J=14.00,7.34,7.34), 2.02(m),2.15(s), 2.41(t,J=7.3
3), 2.63(dd,J=7.34,6.60),2.66(d,J=13.94),2.82(d,J=
13.94), 3.88(s), 5.51(s), 5.35(m), 6.06(s),6.54
(s), 10.42(s) (4)〜(5)の溶媒に対する溶解性〜塩基性、中性、酸性の
区別:化合物Aの場合と同じ (6) 色及び形状:無色結晶(融点56〜58℃)
ル酸残基である場合の化合物(以下、これを化合物Cと
いう)。 (1) 分子量:594 (2) 赤外線吸収スペクトル:化合物Aの場合と同じ (3) 核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR):0.88(t,J=6.60),
1.25〜1.38(m),1.44(s), 1.69(m), 1.86(s), 1.92(ddd,
J=14.00,7.34,7.34), 2.02(m),2.15(s), 2.41(t,J=7.3
3), 2.63(dd,J=7.34,6.60),2.66(d,J=13.94),2.82(d,J=
13.94), 3.88(s), 5.51(s), 5.35(m), 6.06(s),6.54
(s), 10.42(s) (4)〜(5)の溶媒に対する溶解性〜塩基性、中性、酸性の
区別:化合物Aの場合と同じ (6) 色及び形状:無色結晶(融点56〜58℃)
【0017】上記の物理化学的性質及び構造解析結果か
ら、単離される化合物は式1で示されるクロマン誘導体
であり、このうち化合物Aは8−ホルミル−5−メトキ
シ−2−メチル−2−(4’−メチル−2’−オキソ−
3’−ペンテニル)−7−クロマニルメチルパルミテー
ト、また化合物Bは8−ホルミル−5−メトキシ−2−
メチル−2−(4’−メチル−2’−オキソ−3’−ペ
ンテニル)−7−クロマニルメチルステアレート、そし
て化合物Cは8−ホルミル−5−メトキシ−2−メチル
−2−(4’−メチル−2’−オキソ−3’−ペンテニ
ル)−7−クロマニルメチルリノレートであることが決
定された。
ら、単離される化合物は式1で示されるクロマン誘導体
であり、このうち化合物Aは8−ホルミル−5−メトキ
シ−2−メチル−2−(4’−メチル−2’−オキソ−
3’−ペンテニル)−7−クロマニルメチルパルミテー
ト、また化合物Bは8−ホルミル−5−メトキシ−2−
メチル−2−(4’−メチル−2’−オキソ−3’−ペ
ンテニル)−7−クロマニルメチルステアレート、そし
て化合物Cは8−ホルミル−5−メトキシ−2−メチル
−2−(4’−メチル−2’−オキソ−3’−ペンテニ
ル)−7−クロマニルメチルリノレートであることが決
定された。
【0018】詳しくは実施例で後述するように、化合物
A〜CにはPGE2産生抑制効果及びNGF産生誘導効
果があり、また実施例を省略するが、化合物Aにはアラ
キドン酸遊離抑制効果がある。PGE2産生抑制効果を
有する化合物は抗炎症剤及び鎮痛剤としての利用が注目
されており、またNGF産生誘導効果を有する化合物は
老人性痴呆症治療剤としての利用が注目されている。
A〜CにはPGE2産生抑制効果及びNGF産生誘導効
果があり、また実施例を省略するが、化合物Aにはアラ
キドン酸遊離抑制効果がある。PGE2産生抑制効果を
有する化合物は抗炎症剤及び鎮痛剤としての利用が注目
されており、またNGF産生誘導効果を有する化合物は
老人性痴呆症治療剤としての利用が注目されている。
【0019】
【実施例】化合物A〜Cの抽出及び単離:85%エタノ
ール6リットルにヤマブシタケの生子実体7.3Kgを加
え、ホモジナイズ処理し、これを室温で一昼夜放置した
後、濾過して抽出液を得た。残渣に85%エタノール4
リットルを加え、同様に抽出処理を行なって抽出液を
得、これを1回目の抽出液と合わせた。そして合わせた
抽出液を減圧下に40〜45℃で加熱してエタノールを
蒸発することにより水相を得た。
ール6リットルにヤマブシタケの生子実体7.3Kgを加
え、ホモジナイズ処理し、これを室温で一昼夜放置した
後、濾過して抽出液を得た。残渣に85%エタノール4
リットルを加え、同様に抽出処理を行なって抽出液を
得、これを1回目の抽出液と合わせた。そして合わせた
抽出液を減圧下に40〜45℃で加熱してエタノールを
蒸発することにより水相を得た。
【0020】上記水相にクロロホルム1リットルを加
え、振盪後、放置して分層したクロロホルム層を分取し
た。残渣にクロロホルム1リットルを加え、同様に液液
分配抽出処理を行なってクロロホルム層を分取し、1回
目のクロロホルム層と合わせた。合わせたクロロホルム
層を減圧下に40〜45℃で加熱してクロロホルムを蒸
発し、更にデシケータで乾燥して、乾固物4.99gを
得た。
え、振盪後、放置して分層したクロロホルム層を分取し
た。残渣にクロロホルム1リットルを加え、同様に液液
分配抽出処理を行なってクロロホルム層を分取し、1回
目のクロロホルム層と合わせた。合わせたクロロホルム
層を減圧下に40〜45℃で加熱してクロロホルムを蒸
発し、更にデシケータで乾燥して、乾固物4.99gを
得た。
【0021】上記乾固物をヘキサンで溶解し、ワコーゲ
ルC−200(和光純薬社製)を用いてカラムクロマト
グラフィーを行なった。この際、展開溶媒として、順次
極性が大きくなるように、ヘキサン→クロロホルム→ク
ロロホルム/アセトン(8/2)を各60ml用い、10
mlの画分を合計18画分得た。このうちの第3及び4画
分をODSカラムを用いた高速液体クロマトグラフィー
に供した後、メタノール/水(95/5)で再分画処理
を行ない、この際の溶出時間のズレにより合計6グルー
プを得、このうちの第4グループから化合物Cを10.
0mg、また第5グループから化合物Aを53.0mg、そ
して第6グループから化合物Bを10.0mg単離した。
ルC−200(和光純薬社製)を用いてカラムクロマト
グラフィーを行なった。この際、展開溶媒として、順次
極性が大きくなるように、ヘキサン→クロロホルム→ク
ロロホルム/アセトン(8/2)を各60ml用い、10
mlの画分を合計18画分得た。このうちの第3及び4画
分をODSカラムを用いた高速液体クロマトグラフィー
に供した後、メタノール/水(95/5)で再分画処理
を行ない、この際の溶出時間のズレにより合計6グルー
プを得、このうちの第4グループから化合物Cを10.
0mg、また第5グループから化合物Aを53.0mg、そ
して第6グループから化合物Bを10.0mg単離した。
【0022】化合物A〜CのPGE2産生抑制効果:
1)ラット腹腔内マクロファージの調製、2)化合物A
〜Cを含むメディウム中での培養(20時間)、3)T
PAを含むメディウム中でのマクロファージの培養(4
時間後にサンプリング)を大内らの方法( Biochim. Bio
phys. Acta,1013, 86〜91, 1989 )にしたがい行った
後、マクロファージが産生したPGE2について二抗体
法によるラジオイムノアッセイ(RIA)を行った。そ
して化合物を投与しないで培養した対照群のPGE2産
生量と化合物A、化合物B、又は化合物Cを各25μg/
mlの濃度となるように投与したメディウム中で培養した
群のPGE2産生量との間でt検定を行った。その結
果、対照群に対して化合物A、化合物B、又は化合物C
を投与した各群はいずれも0.1%の危険率でPGE2
産生を有意に抑制した。尚、上記大内らの方法では3)
の培養時に薬物をTPAと同時に投与しているが、この
実施例では2)の培養時に薬物投与を行った。
1)ラット腹腔内マクロファージの調製、2)化合物A
〜Cを含むメディウム中での培養(20時間)、3)T
PAを含むメディウム中でのマクロファージの培養(4
時間後にサンプリング)を大内らの方法( Biochim. Bio
phys. Acta,1013, 86〜91, 1989 )にしたがい行った
後、マクロファージが産生したPGE2について二抗体
法によるラジオイムノアッセイ(RIA)を行った。そ
して化合物を投与しないで培養した対照群のPGE2産
生量と化合物A、化合物B、又は化合物Cを各25μg/
mlの濃度となるように投与したメディウム中で培養した
群のPGE2産生量との間でt検定を行った。その結
果、対照群に対して化合物A、化合物B、又は化合物C
を投与した各群はいずれも0.1%の危険率でPGE2
産生を有意に抑制した。尚、上記大内らの方法では3)
の培養時に薬物をTPAと同時に投与しているが、この
実施例では2)の培養時に薬物投与を行った。
【0023】化合物A〜CのNGF産生誘導効果:古川
らの方法( Biochemical and Biophysical Research Com
munications 136,57〜63, 1986 )にしたがい、胎生後期
(19日令)ラット皮質初代アストログリア細胞を培養
器に10%牛胎仔血清を含むダルベッコ変法イーグル培
地(DMEM)で培養(1〜2週間、3日毎に培地を交
換)し、コンフルエントに達したところで、0.5%牛
血清アルブミンを含むDMEMに変えて数日培養した。
ここへ、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した
化合物A、化合物B又は化合物Cを所定濃度となるよ
う、0.5%牛血清アルブミンを含むDMEM中にて調
整し、投与した。24時間の培養後、培養液を集め、古
川らの方法( Journal ofNeurochemistry, 40, 734〜74
4, 1983 )によるエンザイムイムノアッセイ法でNGF
濃度を測定した。薬物を投与しないで培養した対照群と
化合物A、化合物B又は化合物Cを各15μg/ml投与し
て培養した群との間でt検定を行った。その結果、投与
した各群はいずれも1%の危険率で有効と有意検定され
た。
らの方法( Biochemical and Biophysical Research Com
munications 136,57〜63, 1986 )にしたがい、胎生後期
(19日令)ラット皮質初代アストログリア細胞を培養
器に10%牛胎仔血清を含むダルベッコ変法イーグル培
地(DMEM)で培養(1〜2週間、3日毎に培地を交
換)し、コンフルエントに達したところで、0.5%牛
血清アルブミンを含むDMEMに変えて数日培養した。
ここへ、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した
化合物A、化合物B又は化合物Cを所定濃度となるよ
う、0.5%牛血清アルブミンを含むDMEM中にて調
整し、投与した。24時間の培養後、培養液を集め、古
川らの方法( Journal ofNeurochemistry, 40, 734〜74
4, 1983 )によるエンザイムイムノアッセイ法でNGF
濃度を測定した。薬物を投与しないで培養した対照群と
化合物A、化合物B又は化合物Cを各15μg/ml投与し
て培養した群との間でt検定を行った。その結果、投与
した各群はいずれも1%の危険率で有効と有意検定され
た。
【0024】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明に係る新規のクロマン誘導体にはPGE2産生抑制剤
及びNGF産生誘導剤として有効という効果がある。
明に係る新規のクロマン誘導体にはPGE2産生抑制剤
及びNGF産生誘導剤として有効という効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石黒 幸雄 栃木県那須郡西那須野町東三島5丁目96番 地19
Claims (3)
- 【請求項1】 下記の式1で示されるクロマン誘導体。 【式1】 [但し、Rはカルボキシル基を除いた、パルミチン酸残
基、ステアリン酸残基又はリノール酸残基] - 【請求項2】 請求項1記載のクロマン誘導体を有効成
分とするPGE2産生抑制剤。 - 【請求項3】 請求項1記載のクロマン誘導体を有効成
分とするNGF産生誘導剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3061216A JPH0826010B2 (ja) | 1991-03-02 | 1991-03-02 | クロマン誘導体及びこれを有効成分とするpge2産生抑制剤並びにngf産生誘導剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3061216A JPH0826010B2 (ja) | 1991-03-02 | 1991-03-02 | クロマン誘導体及びこれを有効成分とするpge2産生抑制剤並びにngf産生誘導剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04275285A JPH04275285A (ja) | 1992-09-30 |
JPH0826010B2 true JPH0826010B2 (ja) | 1996-03-13 |
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ID=13164784
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3061216A Expired - Fee Related JPH0826010B2 (ja) | 1991-03-02 | 1991-03-02 | クロマン誘導体及びこれを有効成分とするpge2産生抑制剤並びにngf産生誘導剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0826010B2 (ja) |
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US20040175396A1 (en) * | 2001-07-16 | 2004-09-09 | Hiromu Ohnogi | Remedies |
JP5066713B2 (ja) * | 2007-03-15 | 2012-11-07 | 国立大学法人静岡大学 | クロマン誘導体並びに神経変性疾患治療又は予防用医薬組成物及び食品 |
US8871492B2 (en) | 2008-05-02 | 2014-10-28 | Masaki Shirota | Anti-dementia substance from Hericium erinaceum and method of extraction |
-
1991
- 1991-03-02 JP JP3061216A patent/JPH0826010B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH04275285A (ja) | 1992-09-30 |
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