JPH04275285A - クロマン誘導体及びこれを有効成分とするpge2産生抑制剤並びにngf産生誘導剤 - Google Patents

クロマン誘導体及びこれを有効成分とするpge2産生抑制剤並びにngf産生誘導剤

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JPH04275285A
JPH04275285A JP3061216A JP6121691A JPH04275285A JP H04275285 A JPH04275285 A JP H04275285A JP 3061216 A JP3061216 A JP 3061216A JP 6121691 A JP6121691 A JP 6121691A JP H04275285 A JPH04275285 A JP H04275285A
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pge2
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Hirokazu Kawagishi
洋和 河岸
Fumihiro Kojima
文博 小嶋
Hideki Sakamoto
秀樹 坂本
Tomoshi Yoshida
知史 吉田
Yukio Ishiguro
石黒 幸雄
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハリタケ科(Hydn
aceae)、サンゴハリタケ属(Hericium)
のキノコであるヤマブシタケ(Hericium er
inaceum)の子実体中に存在するクロマン誘導体
及びこれを有効成分とするPGE2(プロスタグランジ
ンE2)産生抑制剤並びにNGF(神経成長因子)産生
誘導剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、キノコに含まれる化合物及びその
薬剤効果について複数の報告がある。例えばサルノコシ
カケ科のキノコであるカワラタケ(Polyporus
 versicolor)にはエルゴステロール誘導体
が含まれており、該エルゴステロール誘導体には肝臓癌
細胞に対する殺細胞効果のあることがテトラヘドロン(
Tetrahedron) 39,2779〜2785
(1983)に報告されている。
【0003】またハラタケ科のキノコであるヒメマツタ
ケ(Agaricusblazei)にもエルゴステロ
ール誘導体が含まれており、該エルゴステロール誘導体
には子宮頸癌細胞に対する殺細胞効果のあることがフィ
トケミストリ(Phytochemistry) 27
、2777〜2789(1988)に報告されている。
【0004】同様のことは特公昭48−6766号公報
、特開昭55−71702号公報、特開昭58−621
18号公報等にも報告されている。
【0005】更にハリタケ科のキノコであるヤマブシタ
ケにはフタリド誘導体及びイソインドリノン誘導体が含
まれており、該フタリド誘導体及び該イソインドリノン
誘導体には子宮頸癌細胞に対する殺細胞効果のあること
がテトラヘドロン(Tetrahedron) 3,3
73〜376(1990)に報告されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ヤマブシタケ
に含まれる他の化合物及びその薬剤効果については報告
がない。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
叙上の如き実情に鑑み、ヤマブシタケに含まれる他の化
合物及びその薬剤効果について鋭意研究した結果、ヤマ
ブシタケには特定の化学構造から成る新規のクロマン誘
導体が含まれており、該クロマン誘導体にはPGE2産
生抑制効果及びNGF産生誘導効果のあることを見出し
た。
【0008】すなわち本発明は、下記の式1で示される
クロマン誘導体、及び該クロマン誘導体を有効成分とす
るPGE2産生抑制剤並びにNGF産生誘導剤に係る。
【0009】
【式1】 [但し、Rはカルボキシル基を除いた、パルミチン酸残
基、ステアリン酸残基又はリノール酸残基]
【0010
】式1で示されるクロマン誘導体はヤマブシタケの子実
体を次のように処理することによって得られる。先ず、
ヤマブシタケの生或いは乾燥子実体を水及び有機溶媒の
均一系で抽出処理し、濾過や遠心分離等で固液分離した
その抽出液から有機溶媒を蒸発して水相を得る。この場
合、水及び有機溶媒の均一系としては、80〜85%メ
タノールやエタノール、85%アセトン等がある。抽出
は通常室温で行なうが、加熱還流してもよく、抽出時間
は通常1〜72時間である。例えば、85%エタノール
中にヤマブシタケの生子実体を加え、ホモジナイズ処理
し、これを室温で一昼夜放置した後、濾過して抽出液を
得、該抽出液を減圧下に40〜45℃で加熱してエタノ
ールを蒸発することにより水相を得るのである。
【0011】次に、該水相を水及び有機溶媒の混合系で
液液分配抽出処理して有機溶媒層を分取し、該有機溶媒
層から有機溶媒を蒸発して乾固物を得る。この場合、有
機溶媒としては、クロロホルム、酢酸エチル、ジエチル
エーテル等があるが、収率の点でクロロホルムが好まし
い。例えば、上記水相にクロロホルムを加え、振盪後、
放置して分層したクロロホルム層を分取し、該クロロホ
ルム層を減圧下に40〜45℃で加熱してクロロホルム
を蒸発することにより乾固物を得るのである。
【0012】上記乾固物はそれ自体がPGE2産生抑制
剤及びNGF産生誘導剤として有効なものであるが、該
乾固物から不純物を除去してそのPGE2産生抑制効果
及びNGF産生誘導効果を高めるために、該乾固物をク
ロマト分画処理するのが好ましく、クロマト分画処理し
たものを更に再分画処理して単離するのがより好ましい
。この場合、詳しくは実施例で後述するように、ヘキサ
ン、クロロホルム、クロロホルム/アセトン等を展開溶
媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー或いは薄
層クロマトグラフィーを用いてクロマト分画処理するこ
とができ、またODSカラムを用いた高速液体クロマト
グラフィーで再分画処理することができる。
【0013】かくして再分画処理することにより単離さ
れる化合物の物理化学的性質及び構造解析結果は下記の
通りである。
【0014】式1のRがカルボキシル基を除いたパルミ
チン酸残基である場合の化合物(以下、これを化合物A
という)。 (1) 分子量:570 (2) 赤外線吸収スペクトル:1740,1675,
1665cm−1(3) 核磁気共鳴スペクトル(1H
−NMR):0.88(t,J=6.60), 1.2
5〜1.39(m),1.44(s), 1.69(m
), 1.86(s), 1.92(ddd,J=13
.93,6.61,6.61),2.00(ddd,J
=13.93,6.61,6.61), 2.14(s
), 2.41(t,J=7.33),2.63(dd
,J=6.61,6.61), 2.66(d,J=1
3.94), 2.82(d,J=13.94), 3
.88(s),5.51(s), 6.06(s), 
6.55(s), 10.41(s)(4) 溶媒に対
する溶解性:酢酸エチル、クロロホルム、ヘキサンに可
溶、メタノール、エタノールにやや可溶、水に不溶 (5) 塩基性、中性、酸性の区別:酸性物質(6) 
色及び形状:白色油状
【0015】式1のRがカルボキシル基を除いたステア
リン酸残基である場合の化合物(以下、これを化合物B
という)。 (1) 分子量:598 (2) 赤外線吸収スペクトル:化合物Aの場合と同じ
(3) 核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR):0.
88(t,J=6.59), 1.25〜1.38(m
),1.44(s), 1.69(m), 1.86(
s), 1.90(ddd,J=13.92,6.96
,6.96),2.00(ddd,J=13.93,6
.60,6.60), 2.14(s), 2.41(
t,J=7.33),2.63(dd,J=6.96,
6.60), 2.66(d,J=14.92), 2
.77(dd,J=6.61,6.60),2.82(
d,J=14.92), 3.88(s), 5.51
(s), 6.06(s), 6.54(s), 10
.41(s)(4)〜(6)の溶媒に対する溶解性〜色
及び形状:化合物Aの場合と同じ
【0016】式1のRがカルボキシル基を除いたリノー
ル酸残基である場合の化合物(以下、これを化合物Cと
いう)。 (1) 分子量:594 (2) 赤外線吸収スペクトル:化合物Aの場合と同じ
(3) 核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR):0.
88(t,J=6.60), 1.25〜1.38(m
),1.44(s), 1.69(m), 1.86(
s), 1.92(ddd,J=14.00,7.34
,7.34), 2.02(m),2.15(s), 
2.41(t,J=7.33), 2.63(dd,J
=7.34,6.60),2.66(d,J=13.9
4),2.82(d,J=13.94), 3.88(
s), 5.51(s), 5.35(m), 6.0
6(s),6.54(s), 10.42(s) (4)〜(5)の溶媒に対する溶解性〜塩基性、中性、
酸性の区別:化合物Aの場合と同じ (6) 色及び形状:無色結晶(融点56〜58℃)

0017】上記の物理化学的性質及び構造解析結果から
、単離される化合物は式1で示されるクロマン誘導体で
あり、このうち化合物Aは8−ホルミル−5−メトキシ
−2−メチル−2−(4’−メチル−2’−オキソ−3
’−ペンテニル)−7−クロマニルメチルパルミテート
、また化合物Bは8−ホルミル−5−メトキシ−2−メ
チル−2−(4’−メチル−2’−オキソ−3’−ペン
テニル)−7−クロマニルメチルステアレート、そして
化合物Cは8−ホルミル−5−メトキシ−2−メチル−
2−(4’−メチル−2’−オキソ−3’−ペンテニル
)−7−クロマニルメチルリノレートであることが決定
された。
【0018】詳しくは実施例で後述するように、化合物
A〜CにはPGE2産生抑制効果及びNGF産生誘導効
果があり、また実施例を省略するが、化合物Aにはアラ
キドン酸遊離抑制効果がある。PGE2産生抑制効果を
有する化合物は抗炎症剤及び鎮痛剤としての利用が注目
されており、またNGF産生誘導効果を有する化合物は
老人性痴呆症治療剤としての利用が注目されている。
【0019】
【実施例】化合物A〜Cの抽出及び単離:85%エタノ
ール6リットルにヤマブシタケの生子実体7.3Kgを
加え、ホモジナイズ処理し、これを室温で一昼夜放置し
た後、濾過して抽出液を得た。残渣に85%エタノール
4リットルを加え、同様に抽出処理を行なって抽出液を
得、これを1回目の抽出液と合わせた。そして合わせた
抽出液を減圧下に40〜45℃で加熱してエタノールを
蒸発することにより水相を得た。
【0020】上記水相にクロロホルム1リットルを加え
、振盪後、放置して分層したクロロホルム層を分取した
。残渣にクロロホルム1リットルを加え、同様に液液分
配抽出処理を行なってクロロホルム層を分取し、1回目
のクロロホルム層と合わせた。合わせたクロロホルム層
を減圧下に40〜45℃で加熱してクロロホルムを蒸発
し、更にデシケータで乾燥して、乾固物4.99gを得
た。
【0021】上記乾固物をヘキサンで溶解し、ワコーゲ
ルC−200(和光純薬社製)を用いてカラムクロマト
グラフィーを行なった。この際、展開溶媒として、順次
極性が大きくなるように、ヘキサン→クロロホルム→ク
ロロホルム/アセトン(8/2)を各60ml用い、1
0mlの画分を合計18画分得た。このうちの第3及び
4画分をODSカラムを用いた高速液体クロマトグラフ
ィーに供した後、メタノール/水(95/5)で再分画
処理を行ない、この際の溶出時間のズレにより合計6グ
ループを得、このうちの第4グループから化合物Cを1
0.0mg、また第5グループから化合物Aを53.0
mg、そして第6グループから化合物Bを10.0mg
単離した。
【0022】化合物A〜CのPGE2産生抑制効果:1
)ラット腹腔内マクロファージの調製、2)化合物A〜
Cを含むメディウム中での培養(20時間)、3)TP
Aを含むメディウム中でのマクロファージの培養(4時
間後にサンプリング)を大内らの方法( Biochi
m. Biophys. Acta,1013, 86
〜91, 1989 )にしたがい行った後、マクロフ
ァージが産生したPGE2について二抗体法によるラジ
オイムノアッセイ(RIA)を行った。そして化合物を
投与しないで培養した対照群のPGE2産生量と化合物
A、化合物B、又は化合物Cを各25μg/mlの濃度
となるように投与したメディウム中で培養した群のPG
E2産生量との間でt検定を行った。その結果、対照群
に対して化合物A、化合物B、又は化合物Cを投与した
各群はいずれも0.1%の危険率でPGE2産生を有意
に抑制した。尚、上記大内らの方法では3)の培養時に
薬物をTPAと同時に投与しているが、この実施例では
2)の培養時に薬物投与を行った。
【0023】化合物A〜CのNGF産生誘導効果:古川
らの方法( Biochemical and Bio
physical Research Communi
cations 136,57〜63, 1986 )
にしたがい、胎生後期(19日令)ラット皮質初代アス
トログリア細胞を培養器に10%牛胎仔血清を含むダル
ベッコ変法イーグル培地(DMEM)で培養(1〜2週
間、3日毎に培地を交換)し、コンフルエントに達した
ところで、0.5%牛血清アルブミンを含むDMEMに
変えて数日培養した。 ここへ、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した
化合物A、化合物B又は化合物Cを所定濃度となるよう
、0.5%牛血清アルブミンを含むDMEM中にて調整
し、投与した。24時間の培養後、培養液を集め、古川
らの方法( Journal ofNeurochem
istry, 40, 734〜744, 1983 
)によるエンザイムイムノアッセイ法でNGF濃度を測
定した。薬物を投与しないで培養した対照群と化合物A
、化合物B又は化合物Cを各15μg/ml投与して培
養した群との間でt検定を行った。その結果、投与した
各群はいずれも1%の危険率で有効と有意検定された。
【0024】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明に係る新規のクロマン誘導体にはPGE2産生抑制剤
及びNGF産生誘導剤として有効という効果がある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】  下記の式1で示されるクロマン誘導体
    。 【式1】 [但し、Rはカルボキシル基を除いた、パルミチン酸残
    基、ステアリン酸残基又はリノール酸残基]【請求項2
    】  請求項1記載のクロマン誘導体を有効成分とする
    PGE2産生抑制剤。 【請求項3】  請求項1記載のクロマン誘導体を有効
    成分とするNGF産生誘導剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0613903A1 (en) * 1993-03-04 1994-09-07 Kagome Kabushiki Kaisha Cyathane derivatives and production stimulators of nerve growth factors and antimicrobial agents containing same
WO2003007977A1 (fr) * 2001-07-16 2003-01-30 Takara Bio Inc. Remèdes
JP2008222680A (ja) * 2007-03-15 2008-09-25 National Univ Corp Shizuoka Univ クロマン誘導体並びに神経変性疾患治療又は予防用医薬組成物及び食品
JP2009269911A (ja) * 2008-05-02 2009-11-19 Shirata Masaki ヤマブシタケ由来の抗認知症活性物質およびその製造方法

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