JPH08259919A - プレコートガラス容器用接着剤組成物、蓋材およびこの蓋材を用いた密封容器 - Google Patents

プレコートガラス容器用接着剤組成物、蓋材およびこの蓋材を用いた密封容器

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JPH08259919A
JPH08259919A JP7069521A JP6952195A JPH08259919A JP H08259919 A JPH08259919 A JP H08259919A JP 7069521 A JP7069521 A JP 7069521A JP 6952195 A JP6952195 A JP 6952195A JP H08259919 A JPH08259919 A JP H08259919A
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朋伸 関口
Yoshiaki Shibamura
良昭 芝村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】開封が容易で、液状内容物に対しても長期にわ
たり優れた密封性を発揮し、また製造時の問題点が少な
く、製造コストが低いガラス密封容器を提供することを
主な目的とする。 【構成】1.エチレン−α−オレフィン共重合樹脂に不
飽和カルボン酸をグラフト重合させた三元共重合樹脂で
あって、エチレン−α−オレフィン共重合樹脂中のα−
オレフィン含有量が8〜30重量%であり、三元共重合
樹脂中の不飽和カルボン酸含有量が3〜20重量%であ
ることを特徴とするプレコートガラス容器用接着剤組成
物。 2.プレコートガラス容器用の蓋材であって、該蓋材
は、基材上にα−オレフィン含有量が8〜30重量%で
あるエチレン−α−オレフィン共重合樹脂に不飽和カル
ボン酸をグラフト重合させた三元共重合樹脂組成物層を
備え、該三元共重合樹脂組成物は、不飽和カルボン酸3
〜20重量%を含有することを特徴とする蓋材。 3.プレコートガラス容器本体部と上記項2に記載の蓋
材とにより構成される密封容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉体内容物のみなら
ず、液体内容物および乾燥粉体内容物にたいしても長期
にわたり優た密封性を発揮するとともに、開封の容易な
密封包装体用材料に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来、酒、ジュース、ドレッ
シング、マヨネ-ズ、ジャム、ヨ-グルト、プリンなどの
液体ないし流動体内容物は、ガラス容器などのセラミッ
クス製容器(本明細書では単にガラス容器という)に収
容され、金属製またはプラスティック製のスクリューキ
ャップにより密封されているが、この様な容器は、非常
に開封し難く、且つ容器の製造コストも高いという欠点
がある。
【0003】ガラス容器開口部にアルミ板をかしめ成形
し、密封する方法があるが、これも開封が困難でかつ製
造コストも高い。
【0004】さらに、熱接着層を含むアルミニウム箔複
合蓋材による密封方法があるが、この場合には、熱接着
層の耐水性が不十分で、比較的短期間内に密封性が低下
する欠点がある。
【0005】耐水性のある熱接着層としてアイオノマ−
樹脂を含むアルミニウム箔複合蓋材による密封方法(特
公平2−61429号公報)も提案されている。しかし
ながら、この方法は、高い熱融着温度を必要とする、熱
接着時の熱で熱接着層が分解して強い臭気を発生させ
る、熱接着装置の熱板(金属にゴムを被覆したもの)の
劣化が激しいので、熱板を頻繁に取り替える必要があ
り、生産性が低いなどの欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、開
封が容易で、液状内容物に対しても長期にわたり優れた
密封性を発揮し、また製造時の問題点が少なく、製造コ
ストが低いガラス密封容器を提供することを主な目的と
する。
【0007】本発明者は、上記のような従来技術の問題
点に鑑みて研究を進めた結果、エチレンーα−オレフィ
ン共重合樹脂に不飽和カルボン酸をグラフト重合させた
特定の三元共重合樹脂を熱融着層とする蓋材を使用する
場合には、従来技術の問題点が実質的に解消乃至大幅に
軽減されることを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、下記のプレコートガ
ラス容器用接着剤組成物、蓋材およびこの蓋材を用いた
密封容器を提供するものである; 1.エチレン−α−オレフィン共重合樹脂に不飽和カル
ボン酸をグラフト重合させた三元共重合樹脂であって、
エチレン−α−オレフィン共重合樹脂中のα−オレフィ
ン含有量が8〜30重量%であり、三元共重合樹脂中の
不飽和カルボン酸含有量が3〜20重量%であることを
特徴とするプレコートガラス容器用接着剤組成物。
【0009】2.プレコートガラス容器用の蓋材であっ
て、該蓋材は、基材上にα−オレフィン含有量が8〜3
0重量%であるエチレン−α−オレフィン共重合樹脂に
不飽和カルボン酸をグラフト重合させた三元共重合樹脂
組成物層を備え、該三元共重合樹脂組成物は、不飽和カ
ルボン酸3〜20重量%を含有することを特徴とする蓋
材。
【0010】3.プレコートガラス容器本体部と上記項
2に記載の蓋材とにより構成される密封容器。
【0011】以下本発明を構成する各要素について、詳
細に説明する。
【0012】I.ガラス容器 本発明が対象とするガラス容器は、ガラス表面に金属酸
化物の被膜を形成した公知のプレコートガラス容器であ
る。この様なプレコートガラス容器は、通常のガラス容
器製造工程において成形ステーションを出た直後のガラ
ス容器、すなわち、高温端(ホットエンド:300〜6
00℃程度)にあるガラス容器に四塩化スズのような金
属化合物をスプレーすることにより、ガラスの編み目構
造に食い込んだ酸化スズのような金属酸化物の極めて薄
い被膜を形成させ、ガラス容器の機械的強度および化学
的安定性を向上させている。さらに、上記の金属酸化物
の表面をクロム有機化合物で処理することにより、蓋材
との熱融着層(熱可塑性樹脂層)との結合の安定性を著
しく高めることができる。本発明においては、上記の金
属酸化物被膜を有するガラス容器およびこの様な金属酸
化物被膜をさらにクロム有機化合物で処理(いわゆるボ
ラン処理)したガラス容器をプレコートガラス容器とい
う。
【0013】本発明が対象とするプレコートガラス容器
としては、蓋材側の熱可塑性樹脂層との結合安定性がさ
らに改善されるので、表面に形成された金属酸化物被膜
をさらにクロム有機化合物で処理したガラス容器がより
好適である。
【0014】II.蓋材 一般に、ガラス容器用の蓋材は、アルミニウム箔、プラ
スティックフィルム、紙、これらの組み合わせからなる
積層体などで構成される基体の片面に熱可塑性樹脂層を
形成した構造を有している。
【0015】この様な蓋材に関しては、以下の様な特性
を有しているか或いは以下のような効果を奏しうること
が求められる; (1)蓋材の熱接着性をおよび安定性を確保するため、
低温で熱接着が可能である。
【0016】(2)熱接着密封の生産性が高い。
【0017】(3)熱接着操作時に樹脂臭が発生しな
い。
【0018】(4)ガラス容器に樹脂臭が残らない。
【0019】(5)熱接着装置の熱板のゴム被覆の劣化
が少ない。
【0020】(6)ガラス容器の密封性が長期にわたり
良好である。
【0021】(7)密封性が良好であるにも関わらず、
開封が容易である。
【0022】(8)開封後のガラス容器開口部に樹脂の
残存(口残り)が少ない。
【0023】(9)材料および密封のコストが低い。
【0024】本発明者の研究によれば、α−オレフィン
共重合比率が8〜30重量%(より好ましくは13〜2
6重量%)であるエチレン−α−オレフィン共重合体に
不飽和カルボン酸をグラフト重合させた三元共重合体で
あって、不飽和カルボン酸3〜20重量%(より好まし
くは5〜15重量%)を含有する三元共重合体樹脂を蓋
材における熱可塑性樹脂として使用する場合には、上記
のような要件を充足しうることが、明らかとなった。
【0025】本発明において、エチレン−α−オレフィ
ン共重合体としては、エチレン−ブテン共重合体、エチ
レン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが例
示される。
【0026】エチレン−α−オレフィン共重合体におけ
るα−オレフィンの含有量が少なすぎる場合には、蓋材
とガラス容器との熱接着性が低くなり、実用に供し得な
い。一方、エチレン−α−オレフィン共重合体中のα−
オレフィンの含有量が過剰となる場合には、密封容器の
開封性が低下する。
【0027】エチレン−α−オレフィン共重合体とグラ
フト重合させる不飽和カルボン酸としては、無水マレイ
ン酸、フマル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水マレ
イン酸、ヘキサクロルエンドメチレンテトラヒドロ無水
マレイン酸などが例示される。
【0028】本発明において使用するエチレン−α−オ
レフィン−不飽和カルボン酸三元共重合樹脂において、
不飽和カルボン酸の含有量が少なすぎる場合には、低温
熱接着性が低下するのに対し、三元共重合樹脂中の不飽
和カルボン酸の含有量が過剰となる場合には、熱接着温
度が余りにも低温となって、三元共重合樹脂のフィルム
がフィルム相互間でブロッキング現象を起こすので、使
用できない。
【0029】III.密封容器 本発明による密封ガラス容器を製造するためには、上述
のプレコートガラス容器を殺菌し、内容物を充填し、次
いで蓋材を常法に従って、例えば熱密封接着温度130
℃、熱密封接着時間2秒程度の条件で熱密封接着すれば
良い。なお、密封接着条件は、必要に応じて適切に選択
すれば良く、特に限定されない。
【0030】
【発明の効果】本発明による三元共重合樹脂からなる接
着剤組成物層を備えた蓋材を使用することにより、低温
且つ短時間でプレコートガラス容器を熱接着密封するこ
とができる。
【0031】得られた密封容器は、耐水性に優れている
ので、液状物或いは流動体を収容する場合にも、長期に
わたり優れた密封状態を維持し続ける。
【0032】熱接着により樹脂を変質させることがない
ので、内容物の味、香りなどに影響を及ぼすことはな
い。
【0033】密封性に優れているにも関わらず、密封ガ
ラス容器の開封は容易である。
【0034】開封したガラス容器の開口部に口残りが殆
どないので、開封後の外観に優れている。
【0035】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明らかにする。
【0036】なお、実施例および比較例における各種の
試験は、以下の様にして行った。
【0037】1.低温熱接着性試験 予め前処理(酸化錫処理およびボラン処理)した肉厚6
mm、容量150cc、開口部外径54mmのガラス瓶
に水を充填した状態で所定温度で熱接着し、熱接着部分
を15mm幅に切断し、熱接着強度を測定する。剥離角
度は、90度で、剥離速度は、100mm/分である。
【0038】2.官能臭いテスト 2−1.熱接着前の蓋材の接着剤層の官能臭いテスト 2−2.熱接着経時後の官能臭いテスト 予め前処理(酸化錫処理およびボラン処理)した肉厚6
mm、容量150cc、開口部外径54mmのガラス瓶
に水を充填した状態で熱接着し、一週間後に密封包装体
から蓋材をはがして開封すると同時に、ガラス容器内部
の臭いの有無の確認をおこなった。
【0039】3.易開封性 予め前処理(酸化錫処理およびボラン処理)した肉厚6
mm、容量150cc、開口部外径54mmのガラス瓶
に水を充填した状態で熱接着し、熱接着強度を測定す
る。剥離角度は、90度で、剥離速度は、100mm/
分である。
【0040】4.経時(6ケ月後)易開封性テスト 各蓋材の熱接着強度が安定する熱接着温度にて、予め前
処理(酸化錫処理およびボラン処理)した肉厚6mm、
容量150cc、開口部外径54mmのガラス瓶 に水
を充填した状態で熱接着し、次いで得られた密封包装体
について、6ケ月間の期間中に1週間、2週間、1ケ月
間、2ケ月間、3ケ月間、4ケ月間、5ケ月間および6
ケ月間の経過時点での蓋材とガラス容器との接着強度を
測定した。5.口残りテスト 各蓋材の熱接着強度が安定する熱接着温度にて、予め前
処理(酸化錫処理およびボラン処理)した肉厚6mm、
容量150cc、開口部外径54mmのガラス瓶に水を
充填したのち、蓋材を熱接着し、次いで得られた密封包
装体を1週間放置した後、蓋材を開封し、ガラス容器開
口部に熱接着層が残存しているか否かを肉眼で観察し
た。
【0041】6.熱板寿命 熱接着シ−ル装置を使って30ショット/分で1日8時
間稼働させて熱板の磨耗寿命を調べた。
【0042】実施例1 常法に従って、ガラス容器を先ずホットエンド処理(3
00〜600℃)で容器の表面ないし熱接着面に四塩化
錫の金属酸化物溶液をスプレーし、ガラス表面に薄い酸
化錫被膜を形成させた後、容器を徐冷し、ガラスの磨滅
および擦傷を防止するために、平滑増加剤(ステアリン
酸塩)をさらに塗布した。平滑増加剤による熱接着面の
汚染除去は、ガラスの融解温度より低い温度で熱接着面
のみ短時間熱処理(ガスバーナで5秒以下加熱)するこ
とによって行った。
【0043】次いで、熱処理によってまだガラス容器の
処理面が熱い間にクロム(III)有機金属錯体をローラ
ー塗布機によって熱接着面に形成させた。クロム錯体と
しては、クロム(III)とフマル酸のトランス置換体
(米国デュポン社のボラン(VOlan))を使用した。
【0044】一方、エチレン−イソブテン共重合体(以
下においては、エチレン−α−オレフィン共重合体とい
うことがある)であって、イソブテンの共重合比率が1
3重量%である共重合体に対し、無水マレイン酸(以下
においては、不飽和カルボン酸ということがある)8重
量%をグラフト重合させた三元共重合体樹脂を用いてイ
ンフレ押出し機によって、片面コロナ処理しながら50
μmのフィルムを製膜した後、片面にエポキシ樹脂コー
ト層を設けた厚さ50μmのアルミニウム箔の反対面に
二液硬化ウレタン系接着剤を介して、コロナ処理面を積
層し、蓋材とした。
【0045】次いで 上記のガラス容器に水を充填した
後、ガラス容器開口部に対し、上記蓋材を熱接着温度1
30℃、圧力0.3MPa、熱接着時間2秒の条件で熱
接着した。
【0046】次いで、得られた密封包装体について、1
週間後、2週間後、1ケ月後、2ケ月後、3ケ月後、4
ケ月後、5ケ月後および6ケ月後の蓋材とガラス容器と
の接着強度を測定したところ、大きな変化はなく、1.
5〜2.5kg/15mm幅(瓶口径50mm、剥離角
度90度)の範囲内にあり、人の手で開封するのに適度
な強度であった。
【0047】実施例2 エチレン−α−オレフィン共重合体であって、α−オレ
フィンの共重合比率が13重量%の共重合体に対し、不
飽和カルボン酸15重量%をグラフト重合させた三元共
重合体樹脂をインフレーション押出し機によって片面コ
ロナ処理しながら50μmのフィルムを製膜した。次い
で、片面にエポキシ樹脂コ−ト層を設けた厚さ50μm
のアルミニウム箔の反対面と上記フィルムのコロナ処理
面とにウレタン系のアンカ−コ−ト剤を塗布しながら、
低密度ポリエチレンを使って樹脂押出しラミネ−ト機に
てアルミニウム箔とフィルムとを積層し、蓋材とした。
【0048】次いで、実施例1と同様に予め処理したガ
ラス容器に水を充填した後、ガラス容器開口部に上記蓋
材を熱接着温度130℃、圧力0.3MPa、熱接着時
間2秒の条件で熱接着して、密封包装体を得た。
【0049】次いで、得られた密封包装体について、1
週間後、2週間後、1ケ月後、2ケ月後、3ケ月後、4
ケ月後、5ケ月後および6ケ月後の蓋材とガラス容器と
の接着強度を測定したところ、大きな変化はなく、1.
5〜2.0kg/15mm幅(瓶口径50mm、剥離角
度90度)の範囲内にあり、人の手で開封するのに適度
な強度であった。
【0050】実施例3 エチレン−α−オレフィン共重合体であって、α−オレ
フィンの共重合比率が20重量%の共重合体に対し、不
飽和カルボン酸5重量%をグラフト重合させた三元共重
合体樹脂をインフレーション押出し機によって片面コロ
ナ処理しながら50μmのフィルムを製膜した。次い
で、二液硬化ウレタン系接着剤を介して、一面にエポキ
シ樹脂コ−ト層を設けた厚さ50μmのアルミニウム箔
の他の一面と上記フィルムのコロナ処理面とを積層し、
蓋材とした。
【0051】次いで、実施例1と同様に予め処理したガ
ラス容器に水を充填した後、ガラス容器開口部に上記蓋
材を熱接着温度130℃、圧力0.3MPa、熱接着時
間2秒の条件で熱接着して、密封包装体を得た。
【0052】次いで、得られた密封包装体について、1
週間後、2週間後、1ケ月後、2ケ月後、3ケ月後、4
ケ月後、5ケ月後および6ケ月後の蓋材とガラス容器と
の接着強度を測定したところ、大きな変化はなく、1.
5〜2.0kg/15mm幅(瓶口径50mm、剥離角
度90度)の範囲内にあり、人の手で開封するのに適度
な強度であった。
【0053】実施例4 エチレン−α−オレフィン共重合体であって、α−オレ
フィンの共重合比率が20重量%の共重合体に対し、不
飽和カルボン酸10重量%をグラフト重合させた三元共
重合体樹脂をを用いて、インフレーション押出し機によ
って片面コロナ処理しながら50μmのフィルムを製膜
した次いで、二液硬化ウレタン系接着剤を介して、片面
にエポキシ樹脂コ−ト層を設けた厚さ50μmのアルミ
ニウム箔の反対面に上記フィルムのコロナ処理面と積層
し、蓋材とした。
【0054】次いで、実施例1と同様にして処理したガ
ラス容器に水を充填した後、ガラス容器の開口部に対し
上記蓋材を熱接着温度130℃、圧力0.3MPa、熱
接着時間2秒の条件で熱接着て、密封包装体を得た。
【0055】次いで、得られた密封包装体について、1
週間後、2週間後、1ケ月後、2ケ月後、3ケ月後、4
ケ月後、5ケ月後および6ケ月後の蓋材とガラス容器と
の接着強度を測定したところ、大きな変化はなく、1.
5〜2.0kg/15mm幅(瓶口径50mm、剥離角
度90度)の範囲内にあり、人の手で開封するのに適度
な強度であった。
【0056】比較例1 エチレンーα−オレフィン共重合体であって、α−オレ
フィンの共重合比率が5重量%の共重合体に対し、不飽
和カルボン酸8重量%をグラフト重合させた三元共重合
体樹脂を用いて、インフレ押出し機によって片面コロナ
処理しながら50μのフィルムを製膜した。
【0057】次いで、二液硬化ウレタン系接着剤を介し
て、片面にエポキシ樹脂コ−ト層を設けた厚さ50μm
のアルミニウム箔の反対面に上記フィルムのコロナ処理
面を積層し、蓋材とした。
【0058】実施例1と同じ方法で処理したガラス容器
に水を充填した後、上記蓋材を熱接着温度130℃また
は230℃、圧力0.3MPa、熱接着時間2秒の条件
で熱接着しようと試みたが、接着しなかった。
【0059】α−オレフィンの含有量が10重量%未満
である場合には、熱接着性が不十分となることが明らか
である。
【0060】比較例2 エチレン−α−オレフィン共重合体であって、α−オレ
フィンの共重合比率が30重量%の共重合体に対し、不
飽和カルボン酸10重量%をグラフト重合させた三元共
重合体樹脂を用いて、インフレ押出し機によって片面コ
ロナ処理しながら50μmのフィルムを製膜した。
【0061】次いで、二液硬化ウレタン系接着剤を介し
て、片面にエポキシ樹脂コ−ト層を設けた厚さ50μm
のアルミニウム箔の反対面に上記フィルムのコロナ処理
面を積層し、蓋材とした。
【0062】次いで、実施例1と同様に処理したガラス
容器に水を充填した後、上記蓋材を熱接着温度130
℃、圧力3MPa、熱接着時間2秒の条件で熱接着した
ところ、接着強度が5.0〜5.5kg/15mm幅
(瓶口径50mm、剥離角度90度)と高過ぎるため、
人手による開封が困難であった。
【0063】比較例3 エチレン−α−オレフィン共重合体であって、α−オレ
フィンの共重合比率が2O重量%の共重合体に対し、不
飽和カルボン酸2重量%をグラフト重合させた三元共重
合体樹脂を用いて、インフレーション押出し機によって
片面コロナ処理しながら50μmのフィルムを製膜し
た。
【0064】次いで、二液硬化ウレタン系接着剤を介し
て、片面にエポキシ樹脂コ−ト層を設けた厚さ50μm
のアルミニウム箔の反対面に上記フィルムのコロナ処理
面を積層し、蓋材とした。
【0065】次いで、実施例1と同様に処理したガラス
容器に水を充填した後、上記蓋材を熱接着温度130
℃、圧力3MPa、熱接着時間2秒の条件で熱接着した
ところ、熱接着しなかった。
【0066】そこで、熱接着温度を170℃或いは23
0℃としたところ、人の手で開封できる接着強度を示し
た。しかしながら、実施例による密封包装体とは異なっ
て、熱接着層の樹脂臭が認められ、食品内容物への影響
が心配されるものであった。
【0067】比較例4 エチレン−α−オレフィン共重合体であって、α−オレ
フィンの共重合比率が20重量%の共重合体に対し、不
飽和カルボン酸25重量%をグラフト重合させた三元共
重合体樹脂を用い、インフレーション押出し機によって
片面コロナ処理しながら50μmのフィルムを製膜し
た。このフィルムは、巻き取り時にフィルム同士がブロ
ッキング現象をおこして、巻き取りができなかった。
【0068】比較例5 二液硬化ウレタン系接着剤を介して、片面にエポキシ樹
脂コ−ト層を設けた厚さ50μのアルミニウム箔の反対
面にエチレンとメタクリル酸の共重合体をZnの金属イ
オンで部分的に中和したアイオノマー樹脂フィルム(中
央製袋(株)製、厚さ30μm)のコロナ処理面を積層
し、蓋材とした。
【0069】次いで、実施例1と同様に処理したガラス
容器に水を充填した後、上記蓋材を熱接着温度130℃
または230℃、圧力3MPa、熱接着時間2秒の条件
で熱接着した。
【0070】次いで、得られた密封包装体について、1
週間後、2週間後、1ケ月後、2ケ月後、3ケ月後、4
ケ月後、5ケ月後および6ケ月後の蓋材とガラス容器と
の接着強度を測定したところ、大きな変化はなく、1.
5〜2.0kg/15mm幅(瓶口径50mm、剥離角
度90度)の範囲内にあり、人の手で開封するのに適度
な強度であった。
【0071】しかしながら、開封後に瓶の中の臭いを嗅
ぐと、実施例の場合と異なって、アイオノマー樹脂臭が
強く感じられ、食品内容物への影響が心配であった。
【0072】また、熱接着温度が高いため、密封生産性
が悪く、密封安定性にも欠ける。 考察 表1に本実施例および実施例2〜4ならびに比較例1〜
5で使用したエチレン−イソブテン共重合樹脂中のイソ
ブテンの含有量(重量%)およびエチレン−イソブテン
−不飽和カルボン酸共重合樹脂中の無水マレイン酸の含
有量(重量%)を示す。
【0073】
【表1】
【0074】また、表2に実施例および比較例で得られ
た密封容器についての接着強度を示す。なお、比較例4
の樹脂組成物は、ブロッキング現象を起こして、製膜不
可能であった。
【0075】
【表2】
【0076】注:表2中の単位は、kg/15mm幅で
ある。
【0077】さらに、表3および表4に実施例および比
較例について、臭い、易開封性、口残りおよび熱板寿命
を示す。
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】表1〜表4に示す結果から明らかなよう
に、本発明で使用するエチレン−α−オレフィン共重合
樹脂中のイソブテンなどのα−オレフィン成分の共重合
比率は、通常8〜30重量%程度が適当であり、より好
ましくは13〜26重量%程度である。α−オレフィン
共重合比率が過小である場合には、熱接着性を示さなく
なって、蓋材用接着剤としての役目を果たさないの対
し、過剰である場合には、易開封性に劣る。
【0081】一方、本発明で使用する三元共重合樹脂中
の不飽和カルボン酸成分は、通常3〜20重量%が適当
であり、より好ましくは5〜15重量%程度である。不
飽和カルボン酸成分が過小の場合には、低温熱接着性に
欠けるのに対し、過剰である場合には、熱接着温度が低
温側に寄り過ぎてフィルム同士のブロッキング現象を起
こすので、使用しがたい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン−α−オレフィン共重合樹脂に不
    飽和カルボン酸をグラフト重合させた三元共重合樹脂で
    あって、エチレン−α−オレフィン共重合樹脂中のα−
    オレフィン含有量が8〜30重量%であり、三元共重合
    樹脂中の不飽和カルボン酸含有量が3〜20重量%であ
    ることを特徴とするプレコートガラス容器用接着剤組成
    物。
  2. 【請求項2】プレコートガラス容器用の蓋材であって、
    該蓋材は、基材上にα−オレフィン含有量が8〜30重
    量%であるエチレン−α−オレフィン共重合樹脂に不飽
    和カルボン酸をグラフト重合させた三元共重合樹脂組成
    物層を備え、該三元共重合樹脂組成物は、不飽和カルボ
    ン酸3〜20重量%を含有することを特徴とする蓋材。
  3. 【請求項3】プレコートガラス容器本体部と請求項2に
    記載の蓋材とにより構成される密封容器。
JP06952195A 1995-03-28 1995-03-28 プレコートガラス容器用接着剤組成物、蓋材およびこの蓋材を用いた密封容器 Expired - Lifetime JP3603168B2 (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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