JPH08259607A - 無機物含有ポリマー粒子の製造方法 - Google Patents

無機物含有ポリマー粒子の製造方法

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JPH08259607A
JPH08259607A JP9187595A JP9187595A JPH08259607A JP H08259607 A JPH08259607 A JP H08259607A JP 9187595 A JP9187595 A JP 9187595A JP 9187595 A JP9187595 A JP 9187595A JP H08259607 A JPH08259607 A JP H08259607A
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water
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monomer
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Kiyoshi Kasai
澄 笠井
Akio Hiraharu
晃男 平春
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Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラジカル重合により得られ、粒径が0.1〜
1μmにある無機物含有ポリマー粒子の提供を目的とす
る。 【構成】 ラジカル重合性の疎水性モノマーに無機物を
分散し、体積分率で5〜30%になる量の水と界面活性
剤の混合物の中に攪拌しながら添加して得られる水中油
滴型エマルジョンを、油溶性重合開始剤を用い、重合転
化率30%までは水相の体積分率を30%以下に維持し
て重合することを特徴とする無機物含有ポリマー粒子の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無機物を含有したポリマ
ー粒子に関する。とりわけ従来の技術では製造が困難で
あったラジカル重合による、無機物を含有する粒子径
0.1〜1μmポリマー粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】ラジカル重合でのポリマー粒子の製造法
には大きく分けて、懸濁重合と乳化重合がある。懸濁重
合はあらかじめ油溶性の開始剤を溶かした油性のモノマ
ーを懸濁保護剤あるいは乳化剤を含む水に分散して重合
する重合法である。得られるポリマー粒子の粒子径は通
常数μm〜数百μmの大粒径で幅広い粒径分布を有す
る。 また、懸濁重合においては、重合反応に影響を与
えない無機物をモノマーに混入しておけば無機物含有ポ
リマー粒子が比較的容易に製造できる。つまり、懸濁重
合では無機物含有ポリマー粒子の製造は容易であるが、
得られるポリマー粒子の粒子径は数μm以上で、粒子径
分布は幅広くなる。例えば、特開昭56−164503
では無機物を混入したモノマーの一部または全部を高い
剪断力で水中に機械分散して懸濁重合することで粒子径
が1μm以下に小さくする無機物含有ポリマー粒子の製
造方法を開示しているが、得られる無機物含有ポリマ−
粒子の粒子径分布は幅広いものであった。また、特公表
昭59−500691では、懸濁重合で粒子径分布の狭
い無機物含有ポリマ−粒子を製造するための試みがなさ
れているが、これでも1μm以下の無機物含有ポリマー
粒子の製造は困難であった。
【0003】一方、乳化重合は油性のモノマーを乳化剤
で水中に乳化し、水溶性開始剤で重合する重合法であ
る。重合の初期には水中の乳化剤ミセル中あるいは水に
微量に溶解しているモノマーが水溶性開始剤からの水中
のラジカルによって重合する。この重合成分は水中に溶
けておられずに析出し、系内に無数の微小粒子が形成さ
れ膨大な界面面積となるためコロイド的に不安定とな
り、その系で安定に存在できる界面面積になるまで互い
に凝集する。この段階は通常、重合転化率で数%以内の
極く初期に完結する。この後は凝集した粒子の数は変わ
らずに、この凝集した粒子に対し、水を経由してモノマ
ー分子とラジカルが分子拡散で粒子に侵入して重合を継
続する。ここでは系内のモノマー液滴からモノマーが徐
々に水に溶出し、重合中の粒子が徐々に太り、重合の完
結まですすむ。このような乳化重合では粒子径は通常
0.05〜0.5μm程度であり、粒子径分布は比較的
狭い。しかしながら、重合の大部分の段階がモノマーが
水を拡散して粒子に移る機構のため、乳化重合のポリマ
ー粒子に無機物を含有させることは困難であった。たと
えモノマーに無機物を混ぜて乳化重合しても、モノマー
のみが粒子に移って重合し、無機物は水中に取り残され
た。
【0004】特開昭57−125203では、水に分散
した無機物を共存させて乳化重合を行なわせることで、
初期の核形成の段階に無機物を抱き込んで無機物含有ポ
リマー粒子を乳化重合で製造することが開示されてい
る。しかし、この方法ではポリマー粒子に含有させるこ
とができる無機物の量が少ないこと、無機物は水によく
分散するものに限られるなどの制約があった。このほか
に、特開昭59−111929、特開昭63−6508
5などでは、あらかじめ合成したポリマー粒子の表面に
後から無機物を付着あるいは結合させることが試みられ
ている。しかし、これらでは粒子表面に無機物が存在
し、無機物による粒子性能の低下が問題なった。また、
これらにさらにポリマー被覆を行ないことも考えられる
が、技術的にはかなり困難であった。この様に、従来の
技術では1μm以下の粒子径で比較的粒子径分布の狭い
無機物含有ポリマー粒子を製造することは技術上困難で
あった。一方、E.ルッケンシュタインらは J.Appl.Po
lym.Sci.,Vol.36, P.907 (1988)および同Vol.48,P.1279
(1993) にて、高濃度乳化重合と称する重合法を発表し
た。 この文献には、モノマーであるスチレンに対して
水をその体積の10〜25%しか使用せず乳化剤で乳化
する方法が開示されている。この方法では固いクリーム
状の水中油滴型のモノマーエマルジョンができ、これを
重合することで粒子径0.1〜0.3μmでかつ比較的
粒子径分布の狭いポリスチレン粒子を得られる。この固
いクリーム状のモノマーエマルジョンでのモノマーの体
積分率は球の最大充填体積密度(0.74)より大き
く、モノマー滴は蜂の巣状に押し合って存在している。
この様な固いクリーム状のモノマーを重合するとは驚き
であるが、得られる粒子は通常の乳化重合と大差ない粒
子径と粒子径分布であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の状況をもとに、
本発明では1μm以下で比較的粒子径分布が狭く、無機
物が内部に均一に分布する無機物含有ポリマー粒子を提
供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、各種の重
合法を鋭意検討し、上述において説明したように通常の
乳化重合では無機物を含有するポリマー粒子の合成が機
構上困難であるとされるのに対し、高濃度乳化重合にお
いては無機物を容易に導入できることを見い出し、本発
明に到達した。即ち、本発明はラジカル重合性の疎水性
モノマーに無機物を分散した分散体を、水中油滴型エマ
ルジョンに対する体積分率が5〜30%になる量の水と
界面活性剤との混合物の中に攪拌しながら添加して水中
油滴型エマルジョンを形成した後、油溶性重合開始剤を
用い、重合転化率30%までは水相の体積分率を30%
以下に維持しながら重合することを特徴とするポリマー
粒子の製造方法を提供するものである。本発明でのモノ
マーは疎水性のラジカル重合性のビニルモノマーであ
り、その具体例を挙げると、スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香
族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2
−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジ
ル、(ポリ)エチレングリコールのモノあるいはジ(メ
タ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールのモ
ノあるいはジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジ
オールのモノ−あるいはジ−(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパンのモノ、ジあるいはトリ(メタ)
アクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル類、ジア
リルフタレート、ジアリルアクリルアミド、トリアリル
(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテートなど
のアリル化合物;(ポリ)エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレートなどの(ポリ)オキシアルキレン
グリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの共
役ジエン化合物。さらに、アクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸、フマル酸、グリシジルメタクリレート、ビ
ニルピリジン、ジエチルアミノエチルアクリレート、N
−メチルメタクリルアミド、アクリロニトリルなどの官
能基含有モノマーが挙げられる。これらのなかでアクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸など水溶性の高いモノ
マーはモノマー全体としての水溶解度が高くなって水中
油滴型モノマーエマルジョンができなくなることのない
範囲で使用できる。具体的には水溶性モノマーの量は全
モノマーの10重量%以下である。
【0007】本発明で使用する無機物はモノマーに不溶
であり、ラジカル重合に致命的な影響を与えないもので
ある。多くの無機物はある程度ラジカル重合に対して阻
害あるいは促進効果を有するが、重合開始剤の量を調整
することで対応できるものは本発明の無機物として使用
できる。本発明で使用できる無機物の具体例を示すと、
銅、金、真鍮などの金属、あるいは酸化鉄、フェライ
ト、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、フライ
アッシュなどの金属酸化物、あるいは炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウムなどの炭酸塩類、リン酸カルシウム、
リン酸鉛などのリン酸塩類、シリカおよびシリケートな
どの粘土とガラス類、塩化銀などの金属塩、水酸化アル
ミニュウムなどのアルミニウム水和物などである。これ
らのうち、磁性体であるフェライトを含めた金属酸化物
の粉末が好ましい。
【0008】無機物の形状は粒子状であることが好まし
く、粒子径は小さいことおよびモノマーによく分散する
ことが必要である。無機物の平均粒子径はモノマー中で
0.3μm以下、好ましくは0.1μm以下さらに好ま
しくは0.07μm以下で均一に分散することが必要で
ある。このため、使用する無機物は小粒径に調整するこ
とおよび無機物とモノマーとの親和性が悪いときには無
機物を表面処理することもできる。無機物の表面処理に
はシランカップリング剤処理、チタネートカップリング
剤処理あるいは重合によるポリマーコート処理など既知
の方法を適用することができる。本発明の無機物として
は、あらかじめ油中に磁性体を分散した磁性流体あるい
は顔料が分散されている油性ペイントおよびその半製品
は良好に使用できる。本発明で無機物をモノマーに分散
するには通常の攪拌機でもよいが、無機物の分散性が悪
いとき、あるいは得られる無機物含有ポリマー粒子中の
無機物含有量を均一にすることが必要な場合は、ホモミ
キサー、ホモジナイザー、ペイントミルなどの高剪断力
での分散機を使用することができる。
【0009】本発明では無機物を分散したモノマーを界
面活性剤を溶解した少量の水を用いて乳化する。ここで
使用する界面活性剤を溶解した水の量はエマルジョン中
で体積分率で5〜30%、好ましくは10〜25%であ
る。本発明ではモノマーエマルジョンは水中油滴型エマ
ルジョンである必要がある。この様にするためには、通
常界面活性剤を溶解した水のなかに、攪拌しながらゆっ
くりモノマー相を添加することで調整できる。ここで、
添加順を入れ替えるまたは添加速度が速すぎると、本発
明で必要な水中油滴型エマルジョンが得られない。な
お、モノマーエマルジョンが水中油滴型であることは、
これを水中に滴下して容易に水中に分散することで確認
判定できる。ここでモノマーエマルジョン中の水相の体
積分率が5%未満では水中油滴型エマルジョンが得られ
なくなり、本発明の実施ができない。また、これが重合
開始時点及び重合前期において30%を越えると粒子径
が大きく粒子径分布の広い通常の懸濁重合による粒子が
混在する様になり、本発明の目的を達せない。
【0010】本発明で使用する界面活性剤は通常のアニ
オン界面活性剤が使用でき、使用するモノマーにあわせ
て選定すればよい。このうちとくにエマルジョンの安定
性の点で硫酸エステル塩あるいは硫酸塩が好ましく、具
体的にはラウリル硫酸エステルナトリウム、セチル硫酸
エステルナトリウム、オレイル硫酸エステルナトリウ
ム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウムなどが挙げられ
る。また、モノマーエマルジョンの安定性を補強するた
めに界面活性剤のほかに、セチルアルコールなどの乳化
助剤を使用することも好ましい。本発明で使用するラジ
カル重合開始剤は油溶性のものであり、乳化の際にあら
かじめモノマー相に溶かして使用する。使用できる開始
剤を例示すると、アゾビスイソブチロニトリルなどのア
ゾ系開始剤、ベンゾイルペルオキシド、2、4−ジクロ
ルベンゾイルペルオキシドなどの芳香族系過酸化物、イ
ソブチルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカ
ーボネート、ジ(2−エチルヘキシルペルオキシ)ジカ
ーボネートなどの脂肪族系過酸化物が挙げられる。これ
らうち特にアゾビスイソブチロニトリル、ジイソプロピ
ルペルオキシジカーボネートなど比較的低温で重合でき
るものが好ましい。
【0011】本発明では得られたモノマーエマルジョン
を開始剤の重合開始条件にあわせた条件に温度を設定す
ることで重合を行なう。モノマーエマルジョンは高温ほ
どエマルジョンが破壊されやすくなるため、開始剤の適
用可能温度のうちなるべく低温で重合することが好まし
い。本発明ではモノマーエマルジョンの粘度が高いた
め、重合の際には必ずしも攪拌を行わなくてもよい。む
しろ、エマルジョンの安定性を損なうため強い攪拌を行
なうことは避けねばならない。攪拌なしの静置重合も可
能であるが、除熱のため最小限の攪拌を連続あるいは間
欠的に行うことが好ましい。本発明の重合前のモノマー
エマルジョンはやや固いクリーム状であり、重合に従っ
て徐々に固体状になるが、水中油滴型の分散状態は変わ
らない。重合後、水に分散することで無機物含有ポリマ
ー粒子の水分散体を得る。なお、重合に従って間欠的に
あるいは連続的に適量の水を添加して、重合中の反応系
の流動性を維持することも可能である。ただし、重合転
化率30%までは好ましくは重合転化率40%までは、
重合系の水相の体積分率を30%以下に維持しなければ
らない。この水相の体積分率が30%を越えると乳化重
合と同時に懸濁重合が併発し、粒子径分布が極端に広く
なってしまい好ましくない。
【0012】本発明で得られる無機物含有ポリマー粒子
は平均粒径(R)が好ましくは0.1〜1μmにあり、
比較的狭い粒子径分布を達成する。粒子径分布の測定法
は、電子顕微鏡法で100個以上のポリアー粒子をラン
ダムに計測して0.8Rから1.2Rの間に存在する成
分の体積分率(PD0.8-1.2)として定義することがで
きる。本発明の無機物含有ポリマー粒子は通常PD0.8-
1.2値で70%以上である。
【0013】以下に実施例で本発明をさらに詳細に説明
する。
【実施例】
実施例1 スチレン98g、メタクリル酸2g、重合開始剤として
の2、2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5g、フ
ェライトの分散液30g(フェリコロイドHC−50、
タイホー工業(株)製、磁性体含量50重量%、分散媒
ケロシン、磁性体粒径0.02μm)を添加し、均一に
混合し、全体積130.3mlのモノマー混合物を得
た。このモノマー混合物の全量をラウリル硫酸ナトリウ
ム4gを溶かした水23.0ml中に攪拌しながら少量
ずつ10分間かけて添加し、黒色のクリーム状の水相分
率15体積%のモノマーエマルジョンを得た。このモノ
マーエマルジョンの一部を水に投入したところ、水中に
完全に分散し、水中油滴型エマルジョンであることが確
認された。これを窒素雰囲気下、静置状態で45℃に温
度コントロールし、40時間重合を行った。重合終了
後、反応系は半固体状になっており、重合転化率85%
であった。これを水中に投入してホモミキサーで分散し
たところ、ポリマー粒子は均一に分散した。得られたポ
リマー粒子は電子顕微鏡計測で平均粒径0.42μm、
PD0.8-1.2値86%で粒子径分布の狭いものであっ
た。また電子顕微鏡写真では各ポリマー粒子の内部に均
一に磁性体が存在し、磁性体の存在しないポリマー粒子
は見い出されなかった。また、得られたポリマー粒子は
磁石で吸引でき、上澄みは清澄であった。
【0014】比較例1 ラウリル硫酸エステルナトリウム4gを溶かした水30
0gに、スチレン98g、メタクリル酸2g、フェリコ
ロイドHC−50を30gを溶解したモノマーと磁性流
体の混合物を添加した。窒素雰囲気下に攪拌しながら7
0℃に昇温し、過硫酸カリウムの2重量%水溶液25g
を加えて重合を開始し、70℃で12時間の乳化重合を
行なった。重合収率98%で粒子径0.15μmでPD
0.8-1.2値87%の比較的狭い粒子径分布のポリマー粒
子が得られたが、白色であり、電子顕微鏡写真ではポリ
マー粒子には磁性体が存在せず、単なるポリマー粒子で
あった。添加した磁性体は水中に数μm〜数十μmの凝
集塊として存在していた。
【0015】比較例2 ポリビニルアルコール10gを溶かした水500ml
に、スチレン98g、メタクリル酸2g、ベンゾイルペ
ルオキシド0.5g、フェリコロイドHC−50を30
gを溶解したモノマーと磁性流体の混合物を添加し、パ
ドル型攪拌翼で攪拌しよく分散した。これを窒素雰囲気
下、攪拌しながら70℃で重合を行なったところ、重合
転化率97%でポリマー粒子を得た。得られたポリマー
粒子はポリマー粒子内に磁性体を含有しており、磁石で
吸引できる磁性粒子であるが、粒子径2μmから50μ
mにわたる幅広い粒子径分布であり、平均粒子径24μ
m、PD0.8-1.2値33%であった。
【0016】実施例2〜4、比較例3および4 モノマーエマルジョンの水の量を変更した以外は実施例
1と同様にして実施例2〜4、比較例3および4のポリ
マー粒子を得た。表1に結果を示す。比較例3のモノマ
ーエマルジョンの水量が5体積%未満の条件ではエマル
ジョンの形態が油中水滴型に転相してしまい、重合によ
ってポリマー粒子が得られなくなる。比較例4ではモノ
マーエマルジョンの水量が多すぎるため、系中の一部で
通常の懸濁重合が生じ、粒子径分布が幅広いものとなっ
た。
【0017】
【表1】
【0018】実施例5 スチレン30g、ブチルメタクリレート50g、メタク
リル酸メチル17g、アクリル酸3gに、開始剤として
2、2’−アゾビスイソブチロニトリル10g、無機物
としてカーボンブラック(粒子径0.02μm)10g
を混合した。これをセチル硫酸エステルナトリウム3g
を溶かした水30ml中に攪拌しながら少量ずつ15分
かけて添加し黒色のクリーム状の水中油滴型モノマーエ
マルジョンを得た。これを窒素雰囲気下、50℃で60
時間の重合を行った。重合中は静置であったが、途中1
2時間毎に緩い攪拌を行った。重合終了後、固形分濃度
を測定したところ、重合転化率93%であった。系に石
鹸水を添加しホモミキサーで分散したところ、黒色粒子
の均一な分散体となった。得られたポリマー粒子は粒子
径0.5μm、PD0.8-1.2値91%の狭いポリマー粒
子径であった。各ポリマー粒子にはカーボンブラックが
ほぼ均一にポリマー粒子内に入っており、カーボンブラ
ックのないポリマー粒子は観察されなかった。
【0019】実施例6 重合中1時間毎に1分間緩い攪拌を行い、重合開始後
6、12、24時間目にそれぞれ水を15mlづつ添加
したほかは実施例1と同様にして実施例6の重合を行っ
た。各重合時間での重合転化率、水相体積分率(水添加
前、後)、系の粘度(水添加前)はそれぞれ次のとおり
であった。 水添加により、全重合時間中重合系は流動性を維持する
ことができ、良好な重合安定性と作業性であった。得ら
れたポリマー粒子は平均粒子径0.4μm、粒子径分布
PD0.8-1.2値90%の粒子径の揃った磁性粒子であっ
た。ポリマー粒子は磁石で沈降でき、上澄みは清澄であ
った。
【0020】比較例5 水の添加時期を重合開始後4、8、12時間目としたほ
かは実施例6と同様にして比較例5を行なった。各重合
時間での重合転化率、水相体積分率(水添加前、後)、
系の粘度(水添加前)はそれぞれ次のようであった。 比較例5では、重合転化率30%を越える前に水の体積
分率が30%を越えたため、重合安定性は問題なく重合
系の粘度も操作可能の範囲であったが、得られたポリマ
ー粒子は平均粒子径3.2μm、PD0.8-1.2値28%
であり、0.3μm前後のポリマー粒子と数μmから数
十μmの通常の懸濁重合のポリマー粒子が多量に混在し
ている粒子径分布の幅広いものであった。
【0021】
【発明の効果】本発明の無機物含有ポリマー粒子は、従
来合成が困難であった0.1〜1μmで比較的粒子径分
布の狭いポリマー粒子である。このために塗料用ポリマ
ー粒子、機能性バインダー粒子、湿式現像剤ポリマー粒
子、免疫診断用ポリマー粒子、遺伝子工学用核酸結合ポ
リマー粒子、細胞あるいは蛋白分離用ポリマー粒子、医
療用薬物担持ポリマー粒子、情報記録材料用ポリマー粒
子、情報表示用ポリマー粒子、徐放性ポリマー粒子など
に適用の可能性が拓け、実用上有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル重合性の疎水性モノマーに無機
    物を分散した分散体を、水中油滴型エマルジョンに対す
    る体積分率が5〜30%になる量の水と界面活性剤との
    混合物の中に攪拌しながら添加して水中油滴型エマルジ
    ョンを形成した後、油溶性重合開始剤を用い、重合転化
    率30%までは水相の体積分率を30%以下に維持しな
    がら重合することを特徴とする無機物含有ポリマー粒子
    の製造方法。
JP9187595A 1995-03-24 1995-03-24 無機物含有ポリマー粒子の製造方法 Pending JPH08259607A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004003231A3 (en) * 2002-07-01 2004-03-11 Particle Solution As Remanent magnetic paricles capable of binding a target substance, their production and uses thereof

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