JPH08259451A - 天然カロチノイドを包含した多芯型構造のマイクロカプセル又はその用途 - Google Patents

天然カロチノイドを包含した多芯型構造のマイクロカプセル又はその用途

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JPH08259451A
JPH08259451A JP7066596A JP6659695A JPH08259451A JP H08259451 A JPH08259451 A JP H08259451A JP 7066596 A JP7066596 A JP 7066596A JP 6659695 A JP6659695 A JP 6659695A JP H08259451 A JPH08259451 A JP H08259451A
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microcapsule
microcapsules
carotenoid
oil
gelatin
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Ryoji Yasue
良司 安江
Kentarou Kiyama
健太郎 貴山
Taku Akamatsu
卓 赤松
Noboru Hara
昇 原
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 芯物質の平均粒子径が0.001〜5μmの
多芯型構造から成り、芯物質がパーム油カロチノイドと
食用油脂を含有し、かつ膜形成成分がゼリー強度250
ブルーム以上のゼラチンを含有する天然カロチノイドを
包含した多芯型構造のマイクロカプセルである。 【効果】 カプセル強度が高くて内包する天然カロチノ
イドが酸化劣化されにくく、したがって、錠剤中などへ
安定に配合することができ、食品用や医薬品用として好
適に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然カロチノイドを包
含した多芯型構造のマイクロカプセル及びその用途、さ
らに詳しくは人体に対して良好な生理作用を有する天然
カロチノイドを包含し、かつ強度が高く、安定に錠剤中
などに配合することができ、食品用や医薬品用などとし
て好適に用いられる多芯型構造のマイクロカプセルに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】天然カロチノイドは黄色、だいだい色か
ら赤色を示す脂溶性のポリエン色素であり、食品、健康
食品、医薬品などに、着色や栄養強化などの目的で配合
されている。従来、この配合は、そのままで、あるいは
油懸濁液、マイクロカプセル又は粉末などに加工して混
合することにより行われているが、これらの中で、マイ
クロカプセルや粉末に加工して配合する方法は、そのま
ま配合する方法や油懸濁液として配合する方法に比べ
て、カロチノイドを安定に製品中に配合することができ
るので有利である。そして、前記のカロチノイドの加工
は、例えばコロイド分散カロチノイド調剤の製造方法
(特開平3−66615号公報)、液体又は粉末の調製
物(特開平2−51594号公報)、マイクロカプセル
の製造方法及びその装置(特開平6−254382号公
報)などに示されている方法によって、行われている。
【0003】そして、カロチノイドには天然及び合成品
があるが、近年の市場における消費者の好みは天然品指
向にあり、天然のカロチノイドが好まれている。特に、
α,β,γ‐カロチノイド及びリコペンなどを含む天然
パーム油カロチノイドは、発ガン抑制作用の点で他のカ
ロチノイドより優れているので好ましい[「キャンサー
・リサーチ(CANCER RESEARCH)」第5
2巻,第6583〜6587ページ(1992年)]。
【0004】ところで、マイクロカプセルの芯物質とし
ては、合成β‐カロチノイドの場合は100%結晶であ
るため、組成の自由度が広くなり、安定性に優れるマイ
クロカプセルの製造が可能であるが、食用油脂を40重
量%以上含むパーム油カロチノイドの場合は、マイクロ
カプセルの強度が弱くなるため、安定性に優れるマイク
ロカプセルが得られないという欠点があった。
【0005】他方、膜材として用いられるゼラチンは、
良好な保護コロイド剤であり、酸化防止剤との組合せで
安定化効果を発揮する。すなわち、このゼラチンから成
る保護膜は酸素に対して不透過性に優れており、このこ
とは、特に酸素に対して敏感な天然カロチノイドにとっ
ては極めて重要なことである[「インターナショナル・
エンサイクロペディア・オブ・フード・アンド・ニュー
トリション(International Encyc
lopaedia of Food andNutri
tion)」第9巻,129ページ以下(1970年)
参照]。しかしながら、天然カロチノイドを分散するた
めの食用油脂の量が多い場合は、得られるマイクロカプ
セル強度が弱くなり、酸化に対してゼラチン保護膜とし
ての効果が十分に発揮されず、天然カロチノイドが劣化
しやすいという欠点を伴なう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、天然カロチノイドを包含し、かつ強度が
高くて酸化劣化されにくく、安定に錠剤中などに配合す
ることができ、食品用や医薬品用などとして好適に用い
られるマイクロカプセルを提供することを目的としてな
されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、天然カロ
チノイドを包含した強度の高いマイクロカプセルを開発
すべく鋭意研究を重ねた結果、カプセル及び芯物質の粒
径が特定の範囲にあり、かつ芯物質として、パーム油カ
ロチノイドと食品用油脂を特定の割合で含有するもの
を、膜材として、特定のゼリー強度を有するゼラチンを
用いて成る多芯型構造のマイクロカプセルが、その目的
に適合しうることを見出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、芯物質の平均粒子径
が0.001〜5μmの多芯型構造から成り、芯物質が
パーム油カロチノイドと食用油脂を含有し、かつ膜形成
成分がゼリー強度250ブルーム(#)以上のゼラチン
を含有することを特徴とする天然カロチノイドを包含し
た多芯型構造のマイクロカプセル及びその用途を提供す
るものである。なお、本発明におけるゼリー強度はJI
S K6503に従って測定されたものである。
【0009】本発明のマイクロカプセルにおいては、マ
イクロカプセルの平均粒子径は50〜3000μmの範
囲にあることが必要である。この平均粒子径が50μm
未満ではパーム油カロチノイドの酸化安定性に劣るし、
3000μmを超えると製品の外観及び打錠時の配合性
が悪くなる。酸化安定性、配合性及び外観などの面か
ら、マイクロカプセルの好ましい平均粒子径は100〜
2000μmの範囲である。また、芯物質の平均粒子径
は0.001〜5μmの範囲にあることが必要である。
この平均粒子径が前記範囲を逸脱するとマイクロカプセ
ルの強度が不十分となる。強度の面から、芯物質の特に
好ましい平均粒子径は0.01〜1.0μmの範囲であ
る。
【0010】本発明のマイクロカプセルにおける膜形成
成分となる水相成分は、ゼラチン、抗酸化剤、安定剤、
糖類などを含有するものである。ここで、ゼラチンとし
ては、ゼリー強度が250ブルーム(#)以上のものが
用いられる。このようなゼラチンとしては、A型及びB
型がある。ゼリー強度が250ブルーム(#)未満のも
のでは、カプセル強度が弱く、本発明の目的が達せられ
ない。カプセル強度の面から、300ブルーム(#)以
上のものが好適である。このゼラチンは単独で用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以
上を組み合わせて用いる場合は、例えば300ブルーム
(#)以上のゼラチンに対し250ブルーム(#)未満
のゼラチンを混合したり、あるいは250ブルーム
(#)未満のゼラチンに300ブルーム(#)以上のゼ
ラチンを加えて、ゼリー強度250ブルーム(#)以上
に調製して用いると、カプセル強度が高くなり、かつマ
イクロカプセル製造上有利になる。
【0011】本発明のマイクロカプセルにおいては、膜
物質はマイクロカプセルの乾燥重量に対し、通常10〜
60重量%、好ましくは20〜55重量%の範囲で選ば
れる。また、抗酸化剤としては、例えばアスコルビン
酸、アスコルビン酸のアルカリ金属塩、トコフェロー
ル、没食子酸やアスコルビン酸のエステル類、エリソル
ビン酸、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチ
ル化ヒドロキシアニソール(BHA)などが用いられ、
これらは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。この抗酸化剤は、水相、油
相の両方に用いるのが有利であり、特に水相にアスコル
ビン酸、液相にトコフェロールやアスコルビン酸エステ
ル類を用いるのがよい。また、安定剤としては、例えば
クエン酸、リン酸、フィチン酸及びこれらのアルカリ金
属塩やアルカリ土類金属塩などが用いられ、これらは、
それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0012】さらに、糖類としては、単糖類、二糖類及
び多糖類があり、単糖類としては、例えばアラビノー
ス、キシロース、ガラクトース、グルコース、マンノー
ス、イノシトール、マンニトール、グルコン酸などが挙
げられる。二糖類としては、例えばマルトース、アガラ
ビオース、イソマルトース、サッカロース、ソホース、
ラクトース、スタキオースなどが挙げられ、多糖類とし
ては、例えばアガロース、アミロース、グルコマンナ
ン、デキストランなどが挙げられる。これらの糖類は、
それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0013】一方、本発明のマイクロカプセルにおける
芯物質となる油相成分は、天然カロチノイド、食用油
脂、抗酸化剤などを含有するものであり、天然カロチノ
イドとしては、パーム油カロチノイドが用いられる。こ
のパーム油カロチノイドは、食用油脂に懸濁して使用さ
れる。食用油脂としては、植物油、動物油、合成油など
があり、植物油としては、例えば落花生油、大豆油、綿
実油、コーン油などが挙げられる。また、動物油として
は、例えば牛脂、豚脂、イカ油、鯨油などが挙げられ、
合成油としては、例えば中鎖トリグリセリドなどが挙げ
られる。これらの食用油脂は、それぞれ単独で用いても
よいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、こ
の食用油脂の使用量については、食用油脂が多くなる
と、カプセルの強度が低下するし、パーム油カロチノイ
ドが多くなると油相の粘度が高くなり、取扱い性が悪く
なる。カプセルの強度及び取扱い性などの面から、パー
ム油カロチノイドと食用油脂の使用割合は、重量比で2
0:80ないし50:50の範囲、好ましくは25:7
5ないし40:60の範囲で選ばれる。また、抗酸化剤
としては、前記したものと同じものを挙げることができ
る。
【0014】本発明のマイクロカプセルの製造方法につ
いては特に制限はないが、例えば以下に示す方法により
効率よく製造することができる。まず、膜形成成分であ
る水相中において、芯物質となる油相を乳化して平均油
滴粒子径0.001〜5μmのO/W型乳化物を形成す
る。好ましくは、油相に対して50〜80重量%の膜形
成成分である水相と芯物質となる油相とでW/O型乳化
物を形成したのち、残りの水相を添加し、転相乳化させ
て、平均油滴粒子径0.01〜1.0μmのO/W型乳
化物を形成する。この際の乳化機としては、アジホモミ
キサー、ニーダー、マイルダーなどが用いられるが、特
にアジホモミキサーが有利である。次に、この乳化物を
食用油脂に分散し、冷却固化させる、いわゆる液中硬化
法、空気中で冷却させる、いわゆるスプレークーリング
法、ノズルを通して微粒化させ空気中で固化させる、い
わゆる滴下法などにより、マイクロカプセル化し、天然
カロチノイドを包含した多芯型構造のマイクロカプセル
を得る。図1は、このようにして得られた多芯型構造の
マイクロカプセルの模式図であり、図において1は芯物
質、2は膜物質を示す。
【0015】本発明の天然カロチノイドを包含した多芯
型構造のマイクロカプセルは、賦形剤を用いて成形され
る錠剤中に配合して用いることができ、食品用又は医薬
品用配合剤として好適である。
【0016】
【発明の効果】本発明のマイクロカプセルは、天然カロ
チノイドを包含した多芯型構造を有するものであり、カ
プセルの強度が高く、カロチノイドの酸化劣化が抑制さ
れ、錠剤などへ安定して配合することができる。また、
内包する天然カロチノイドは人体に対して良好な生理作
用を有するとともに、天然着色料としても有用であり、
これらの機能を利用して、本発明のマイクロカプセル
は、食品、健康食品、医薬品などに好適に用いられる。
【0017】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0018】なお、マイクロカプセルの調製方法及び評
価方法を次に示す。 (1)マイクロカプセルの調製方法 (i)調製法1(転相乳化法) かきまぜ機を備えた溶解槽中に、パーム油カロチノイ
ド、食用油脂を所定の割合で装入し、120℃まで加熱
して溶解したのち、70℃まで冷却して油相を調製す
る。別に水の中へ所定量のゼラチン、糖類、抗酸化剤を
加え70℃に加熱し、溶解させることにより水相を調製
する。次いで溶解槽中の油相を70℃に保ち、この油相
に対して水相を70重量%の割合で添加し、よくかきま
ぜてW/O型乳化物を形成したのち、さらに残りの水相
を添加して、O/W型乳化物を形成させる。このO/W
型乳化物を、通常行われている液中硬化法、スプレーク
ーリング法又は滴下法によりカプセル化したのち、乾燥
処理して天然カロチノイドを包含した多芯型構造のマイ
クロカプセルを得た。
【0019】(ii)調製法2(機械乳化法) かきまぜ機を備えた溶解槽中に、パーム油カロチノイ
ド、食用油脂を所定の割合で装入し、120℃まで加熱
して溶解したのち、70℃まで冷却して油相を調製す
る。別に水の中へ所定量のゼラチン、糖類、抗酸化剤を
加え70℃に加熱し、溶解させることにより水相を調製
させる。次いで70℃において、この水相を溶解槽中の
油相にかきまぜながら添加し、O/W型乳化物を調製す
る。このO/W型乳化物を、通常行われている液中硬化
法、スプレークーリング法又は滴下法によりカプセル化
したのち、乾燥処理して天然カロチノイドを包含した多
芯型構造のマイクロカプセルを得た。
【0020】(2)マイクロカプセルの安定性評価 1リットル容量サンプルびんに、マイクロカプセル10
gを入れ、40℃の恒温槽に2か月間保存したのち、マ
イクロカプセル中に残存する天然カロチノイドをシクロ
ヘキサンに抽出し、吸光度計で濃度の測定を行い、天然
カロチノイドの残存率を算出し、安定性を評価した。
【0021】(3)錠剤成形時のマイクロカプセル評価
(マイクロカプセルの強度評価) 乳糖445mg、ステアリン酸マグネシウム5mg及び
マイクロカプセル50mgを配合し、打錠圧300kg
/cm2で錠剤の成形を行った。マイクロカプセルが破
壊されているかどうかは、錠剤成形直後、パーム油カロ
チノイドがしみ出して、赤く着色しているか目視観察
し、次の基準に従って評価した。 ○:着色なし(カプセルの破壊なし) △:やや着色あり(カプセルの破壊ややあり) ×:着色(カプセルの破壊)
【0022】(4)錠剤中のマイクロカプセル安定性評
価 1リットル容量サンプルびんに、上記(3)で成形され
た錠剤を20錠入れ、40℃の恒温槽にて2か月間保存
したのち、錠剤中のマイクロカプセルに残存する天然カ
ロチノイドをシクロヘキサンに抽出し、吸光度計で濃度
の測定を行い、天然カロチノイドの残存率を算出し、安
定性を評価した。
【0023】実施例1 表1に示すように、水相のゼラチンとして250#のゼ
ラチン[新田ゼラチン(株)製]、糖類としてサッカロ
ースを用い、パーム油カロチノイドを含む油相の食用油
脂としてコーン油、抗酸化剤としてトコフェロール及び
アスコルビン酸ステアレートを用い、水相及び油相を調
製し、調製法1に従い、マイクロカプセルの形成を液中
硬化法により行い、多芯型マイクロカプセルを製造し
た。このマイクロカプセルの評価結果を表1に示す。そ
の結果、マイクロカプセル製造中の破壊もなく、長期間
パーム油カロチノイドを安定に保護するマイクロカプセ
ルが得られた。さらに、このマイクロカプセルを錠剤に
配合しても、破壊されずに長期間パーム油カロチノイド
を安定に保護することができた。
【0024】実施例2 実施例1において、ゼラチンを250#から300#の
ものに、コーン油をピーナッツ油に変えた以外は、実施
例1と同様にしてマイクロカプセルを製造した。マイク
ロカプセルの製造条件及び評価結果を表1に示す。表1
から分かるように、実施例1と同様に良好な結果が得ら
れた。
【0025】実施例3 実施例1において、ゼラチンを250#1種から、20
0#/300#(重量比50/50)の混合ゼラチン
(混合時のゼリー強度250#)に、サッカロースをマ
ルトースに、コーン油を大豆油に、アスコルビン酸ステ
アレートをアスコルビン酸パルミテートに、それぞれ変
えた以外は、実施例1と同様にしてマイクロカプセルを
製造した。マイクロカプセルの製造条件及び評価結果を
表1に示す。表1から分かるように、実施例1と同様に
良好な結果が得られた。
【0026】実施例4 実施例1において、ゼラチンを250#1種から、水溶
性ゼラチン/300#(重量比20/80)の混合ゼラ
チン(混合時のゼリー強度250#)に、サッカロース
をグルコースに、コーン油を中鎖トリグリセリド(MC
T)に、アスコルビン酸ステアレートをアスコルビン酸
パルミテートに、それぞれ変えた以外は、実施例1と同
様にしてマイクロカプセルを製造した。マイクロカプセ
ルの製造条件及び評価結果を表1に示す。この表から分
かるように、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0027】
【表1】
【0028】実施例5 実施例1において、ゼラチンを250#から、300#
に変え、かつ水相の抗酸化剤としてアスコルビン酸2.
5重量部を用い、サッカロースを5重量部から2.5重
量部に変え、かつマイクロカプセルの形成を滴下法に変
えた以外は、実施例1と同様にしてマイクロカプセルを
製造した。マイクロカプセルの製造条件及び評価結果を
表2に示す。この表から分かるように、実施例1と同様
に良好な結果が得られた。
【0029】実施例6 実施例1において、ゼラチンを250#から300#
に、サッカロースをマンノースに変え、かつマイクロカ
プセルの形成をスプレークーリング法で行うことに変え
た以外は、実施例1と同様にしてマイクロカプセルを製
造した。マイクロカプセルの製造条件及び評価結果を表
2に示す。この表から分かるように、実施例1と同様に
良好な結果が得られた。
【0030】
【表2】
【0031】比較例1 実施例2において、調製法1から調製法2に変え、芯物
質の平均粒子径を10μmに調整した以外は、実施例2
と同様にしてマイクロカプセルを製造した。マイクロカ
プセルの製造条件及び評価結果を表3に示す。この表か
ら分かるように、芯物質の粒径が大きいために、マイク
ロカプセル製造時に一部破壊を生じ、経時的にパーム油
カロチノイドが劣化した。さらに、このマイクロカプセ
ルを錠剤に配合した場合、マイクロカプセルが破壊さ
れ、パーム油カロチノイドが経時的に劣化した。
【0032】比較例2 実施例1において、ゼラチンを250#から一般に使用
されている120#に変えた以外は、実施例1と同様に
してマイクロカプセルを製造した。マイクロカプセルの
製造条件及び評価結果を表3に示す。この表から分かる
ように、カプセル強度が弱くなるため、比較例1に比べ
てさらにパーム油カロチノイドが劣化した。
【0033】比較例3 実施例1において、ゼラチンを250#から一般に使用
されている200#に変えた以外は、実施例1と同様に
してマイクロカプセルを製造した。マイクロカプセルの
製造条件及び評価結果を表3に示す。この表から分かる
ように、比較例1と同様に好ましくない結果が得られ
た。
【0034】
【表3】
【0035】注1)200#/300#:200#/3
00#(重量比80/20)混合ゼラチン 2)水溶性/300#:水溶性ゼラチン/300#(重
量比20/80)混合ゼラチン 3)As−St:アスコルビン酸ステアレート As−Pt:アスコルビン酸パルミテート 4)MCT:中鎖トリグリセリド
【0036】実施例7〜9、比較例4,5 実施例2において、水相及び油相の組成、並びにパーム
油カロチノイド/食用油脂重量比を表4に示すように変
えかつ、食用油脂をコーン油に変えた以外は、実施例2
と同様にしてマイクロカプセルを製造した。その評価結
果を表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】表4から分かるように、実施例7〜9にお
いては、長期間パーム油カロチノイドを安定を保護する
マイクロカプセルが得られた。これに対し、比較例4で
は、十分にパーム油カロチノイドを酸素から保護するこ
とができず、経時的に劣化した。また、比較例5では、
油相の粘度が極めて高くなり、取扱い性が悪く、カプセ
ルを製造することができなかった。
【0039】実施例10 調製法2に従い、O/W型乳化物を調製した以外は、実
施例1と同様にしてマイクロカプセルを製造した。この
ものは、芯物質の平均粒子径が5μmとやや大きくなっ
たが、マイクロカプセル製造中の破壊もなく、長期間パ
ーム油カロチノイドを安定に保護するマイクロカプセル
が得られた。さらに、このマイクロカプセルを錠剤に配
合しても、破壊されずに長期間パーム油カロチノイドを
安定に保護することができた。
【0040】参考例 以下に示す組成にて、食品錠剤を作製した結果、錠剤中
でマイクロカプセルの破壊はなく、経時的なパーム油カ
ロチノイドの安定性も良好な結果が得られた。 実施例1のマイクロカプセル:10重量部 アスコルビン酸 :10重量部 ステアリン酸マグネシウム : 1重量部 乳 糖 :69重量部 蔗 糖 :10重量部
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の天然カロチノイドを包含した多芯型
構造のマイクロカプセルの1例の模式図。
【符号の説明】
1 芯物質 2 膜物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B01J 13/14 C09B 61/00 A C09B 61/00 C09K 15/34 C09K 15/34 B01J 13/02 H (72)発明者 原 昇 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯物質の平均粒子径が0.001〜5μ
    mの多芯型構造から成り、芯物質がパーム油カロチノイ
    ドと食用油脂を含有し、かつ膜形成成分がゼリー強度2
    50ブルーム以上のゼラチンを含有することを特徴とす
    る天然カロチノイドを包含した多芯型構造のマイクロカ
    プセル。
  2. 【請求項2】 芯物質の平均粒子径が0.01〜1.0
    μmの範囲である請求項1記載のマイクロカプセル。
  3. 【請求項3】 芯物質の粒子が転相乳化により得られた
    ものである請求項1又は2記載のマイクロカプセル。
  4. 【請求項4】 賦形剤を用いて成形される錠剤中に配合
    される請求項1,2又は3記載のマイクロカプセル。
  5. 【請求項5】 請求項1のマイクロカプセルから成る食
    品用配合剤。
  6. 【請求項6】 請求項1のマイクロカプセルから成る医
    薬品用配合剤。
JP7066596A 1995-03-24 1995-03-24 天然カロチノイドを包含した多芯型構造のマイクロカプセル又はその用途 Pending JPH08259451A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998042319A3 (en) * 1997-03-20 1998-12-17 Smithkline Beecham Plc Non-aqueous compositions for oral administration
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