JPH0825937A - 車輌用サスペンション - Google Patents

車輌用サスペンション

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Publication number
JPH0825937A
JPH0825937A JP18628694A JP18628694A JPH0825937A JP H0825937 A JPH0825937 A JP H0825937A JP 18628694 A JP18628694 A JP 18628694A JP 18628694 A JP18628694 A JP 18628694A JP H0825937 A JPH0825937 A JP H0825937A
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JP
Japan
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housing
wheel
carrier
rotary damper
suspension
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Application number
JP18628694A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Tabata
充広 田畑
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロータリダンパの複雑化、大型化、高コスト
化を招くことなくロータリダンパの減衰力特性を車輪の
バウンド、リバウンドによって異ならせる。 【構成】 車輪(12)を回転可能に支持する車輪キャ
リア10と、内端にて車体に枢支され外端にてキャリア
に枢軸線30の周りに枢動可能に連結されたロアアーム
16と、枢軸線に整合する回転軸線38Aの周りに相対
回転可能に互いに嵌合するハウジング58及びベーンシ
ャフト40、50を有しハウジング及びベーンシャフト
の相対回転により減衰力を発生するよう構成されたロー
タリダンパ38とを有する。ベーンシャフトはキャリア
に連結され、ハウジングはロアアームに連結され、車輪
のバウンド、リバウンドに伴いベーンシャフトはキャリ
アによりハウジングに対し相対的に回転される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車輌のサス
ペンションに係り、更に詳細にはロータリダンパが組込
まれたサスペンションに係る。
【0002】
【従来の技術】ロータリダンパは一般に回転軸線の周り
に相対回転可能に互いに嵌合するハウジング及びベーン
シャフトを有し、ハウジング及びベーンシャフトの相対
回転により作動油がオリフィス若しくはチョーククリア
ランスに強制的に通され、その際の流通抵抗により減衰
力を発生するよう構成されている。かかるロータリダン
パが組込まれた自動車等の車輌のサスペンションの一つ
として、例えば特開平2−270616号公報に記載さ
れている如く、ロータリダンパの回転軸線とサスペンシ
ョンアームの枢軸線とが一致するようロータリダンパが
サスペンションアームの車体側の枢着部に組込まれ、サ
スペンションアームの枢動によりハウジングがシャフト
に対し相対的に回転されるよう構成されたサスペンショ
ンが従来より知られている。
【0003】かかるサスペンションによれば、車輪のバ
ウンド、リバウンドによりサスペンションアームがその
枢軸線の周りに枢動すると、ロータリダンパはそのハウ
ジングがベーンシャフトに対し回転軸線の周りに相対的
に回転されることにより減衰力を発生するので、シリン
ダ−ピストン式のショックアブソーバが実質的に上下方
向に延在する状態にて車体とサスペンションアームとの
間に配設される場合に比して、車体とサスペンションア
ームとの間の空間を低減し車室内空間を増大することが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしロータリダンパ
が上述の如く組込まれたサスペンションに於ては、車輪
がバウンドする場合及びリバウンドする場合の何れの場
合にもロータリダンパのハウジング及びベーンシャフト
の相対回転角度はサスペンションアームの枢動角度と同
一であるため、車輪のバウンド時及びリバウンド時に於
けるロータリダンパの減衰力特性が同一になってしまう
という問題がある。
【0005】またロータリダンパが上述の如く組込まれ
たサスペンションに於て、ロータリダンパの減衰力特性
を車輪のバウンド、リバウンドによって異ならせようと
すると、互いに特性の異なる少くとも一対の減衰力発生
弁がベーンシャフトのベーン部に組込まれなければなら
ず、ロータリダンパの複雑化、大型化、高コスト化が避
けられないという問題がある。
【0006】本発明は、ロータリダンパが組込まれた従
来のサスペンションに於ける上述の如き問題に鑑みてな
されたものであり、本発明の主要な課題は、ロータリダ
ンパの複雑化、大型化、高コスト化を招来することなく
ロータリダンパの減衰力特性を車輪のバウンド、リバウ
ンドによって異ならせることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本
発明によれば、車輪を回転可能に支持する車輪キャリア
と、一端にて車体に枢支され他端にて前記キャリアに枢
軸線の周りに枢動可能に連結されたサスペンションアー
ムと、前記枢軸線に整合する回転軸線の周りに相対回転
可能に互いに嵌合するハウジング及びベーンシャフトを
有し前記ハウジング及び前記ベーンシャフトの相対回転
により減衰力を発生するよう構成されたロータリダンパ
とを有し、前記ハウジング及び前記ベーンシャフトの一
方は前記キャリアに連結され、前記ハウジング及び前記
ベーンシャフトの他方は前記サスペンションアームに連
結された車輌用サスペンションによって達成される。
【0008】
【作用】車輪がバウンド、リバウンドすることによりサ
スペンションアームがその一端の周りに上下方向に枢動
すると、キャリアはサスペンションアームに対し相対的
に枢軸線の周りに枢動するが、一般に車輪のストローク
が同一であっても、車輪がバウンドする場合とリバウン
ドする場合とではサスペンションアームに対するキャリ
アの枢動角度が異なり、また車輪のストローク速度が同
一であっても、車輪がバウンドする場合とリバウンドす
る場合とではサスペンションアームに対するキャリアの
枢動角速度が異なる。
【0009】上述の構成によれば、ロータリダンパはそ
のハウジング及びベーンシャフトの一方にてキャリアに
連結され、ハウジング及びベーンシャフトの他方にてサ
スペンションアームに連結されており、車輪のバウン
ド、リバウンドに伴いキャリアがサスペンションアーム
に対し相対的に枢軸線の周りに枢動することにより、ハ
ウジング及びベーンシャフトが互いに他に対し回転軸線
の周りに相対回転され減衰力が発生されるので、互いに
特性の異なる減衰力発生弁がベーンシャフトのベーン部
に組込まれなくても、ロータリダンパは車輪のバウン
ド、リバウンドによって異なる減衰力特性を発揮する。
【0010】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
【0011】図1はダブルウィッシュボーン式サスペン
ションとして構成された本発明による車輌用サスペンシ
ョンの第一の実施例を示す斜視図、図2は図1に示され
た第一の実施例の要部を示す拡大部分平面図(A)及び
拡大部分縦断面図(B)である。
【0012】これらの図に於て、符号10は車輪12を
回転軸線12Aの周りに回転可能に支持する車輪キャリ
アを示しており、符号14及び16はそれぞれアッパア
ーム及びロアアームを示している。アッパアーム14は
実質的にJ形に湾曲したI型アームであり、内端にてジ
ョイント18により図には示されていない車体に枢支さ
れ、外端にてジョイント20によりキャリア10の上端
に枢着されている。一方ロアアーム16は実質的にH形
をなし、二つの内端にてジョイント22及び24により
車体に枢支され、二つの外端にてジョイント26及び2
8によりキャリア10の下端に枢軸線30の周りに枢動
可能に連結されている。尚符号32は車体とロアアーム
16との間に弾装されたサスペンションスプリングとし
てのコイルスプリングを示している。
【0013】図2に詳細に示されている如く、ジョイン
ト26は枢軸線30に沿って延在するゴムブッシュ装置
34を含み、ゴムブッシュ装置34はロアアーム16の
前側の外端に圧入された外筒34Aと、これと同心に延
在する内筒34Bと、外筒34Aと内筒34Bとの間に
介装されたゴムブッシュ34Cとよりなっている。同様
にジョイント28は枢軸線30に沿って延在するゴムブ
ッシュ装置36を含み、ゴムブッシュ装置36はロアア
ーム16の後側の外端に圧入された外筒36Aと、これ
と同心に延在する内筒36Bと、外筒36Aと内筒36
Bとの間に介装されたゴムブッシュ36Cとよりなって
いる。
【0014】ジョイント26と28との間には枢軸線3
0に沿って延在するロータリダンパ38が配置され、ロ
ータリダンパ38のシャフト40、キャリア10の前側
及び後側の下端、ゴムブッシュ装置34及び36の内筒
34B及び36Bには枢軸線30に沿って延在するボル
ト42が挿通されている。ボルト42に螺合するナット
44と内筒34Bとの間にはカラー46が介装され、ボ
ルト42のヘッド部と内筒36Bとの間にはカラー48
が介装されている。内筒34B及び36Bの互いに対向
する端部とキャリア10の対応する下端の側面とはセレ
ーション係合しており、かかるセレーション係合及びボ
ルト42及びナット44の締結力によりボルト42はキ
ャリア10の前側及び後側の下端に対し枢軸線30の周
りに相対回転することがないよう固定されている。
【0015】尚図には示されていないが、シャフト40
及びボルト42はキーにより互いに相対回転しないよう
連結されているが、枢軸線30に沿って延在し互いに対
向する少なくとも一対の平面にて面係合したり、径方向
に延在するようシャフト40にねじ込まれ先端にてボル
ト42に設けられた孔に嵌入又は螺合するボルトにより
連結されてもよい。同様にキャリア10の前側及び後側
の下端もキー、面係合、若しくはボルト42に相対回転
しないよう連結されてもよい。
【0016】ロータリダンパ38はボス部50Aにて図
には示されていないキーによりシャフト40に固定され
径方向に互いに隔置された一対の一体的なベーン部50
Bを有するベーン50と、シャフト40及びベーン50
に対し回転軸線38Aの周りに相対回転可能に嵌合しベ
ーン50と共働してチョーククリアランス52を経て互
いに連通する二対のオイル室54を郭定するハウジング
56とを有し、ハウジング及びシャフトが互いに他に対
し相対回転することにより一方のオイル室よりチョーク
クリアランス52を経て他方のオイル室へオイルを強制
的に流し、その際の流通抵抗により減衰力を発生するよ
うになっている。
【0017】ハウジング56にはブラケット56Aが一
体的に設けられており、ブラケット56Aにはボールジ
ョイント58によりリンク60の上端が枢着されてい
る。一方ロアアーム16にはブラケット62が固定され
ており、ブラケット62にはボールジョイント64によ
りリンク60の下端が枢着されている。従ってリンク6
0はロータリダンパ38のハウジング56が枢軸線30
の周りにロアアーム16に対し相対的に回転することを
阻止すると共に、車輌の旋回時や加減速時に車輪12に
作用する横力や前後力によってゴムブッシュ装置34及
び36のゴムブッシュ34C及び36Cが弾性変形せし
められることによるロアアーム16に対するキャリア1
0及びロータリダンパ38の車輌横方向及び前後方向の
相対変位を吸収する。
【0018】かくして車輪12がバウンド、リバウンド
することによりロアアーム16がその内端の周りに上下
方向に枢動すると、キャリア10はロアアームに対し相
対的に枢軸線30の周りに枢動し、ロータリダンパ38
のシャフト40及びベーン50はキャリア10と共に枢
軸線30の周りに回転するが、ハウジング56はロアア
ーム16に対し実質的に静止状態を維持し、これにより
シャフト40及びベーン50がハウジング56に対し相
対的に回転軸線38Aの周りに回転し、減衰力が発生さ
れる。
【0019】例えば図3は車輪12が中立位置にある状
態に於てアッパアーム14及びロアアーム16が互いに
平行に延在しアッパアーム14がロアアーム16よりも
短く設定された場合に於ける第一の実施例の作動を示す
スケルトン図である。
【0020】図3に示されている如く、車輪12がバウ
ンドすることによりアッパアーム14及びロアアーム1
6がそれらの内端の周りに図3に於て実線にて示された
中立位置より破線にて示された位置まで上方へ枢動する
と、キャリア10は破線にて示された位置まで上方且つ
僅かにインボード方向へ変位し、ロアアーム16に対し
相対的に枢軸線30の周りに図3で見て時計廻り方向へ
枢動し、これによりロータリダンパ38のシャフト40
及びベーン50がハウジング56に対し相対的に回転軸
線38Aの周りに時計廻り方向へ回転し、減衰力が発生
される。
【0021】逆に車輪がリバウンドすることによりアッ
パアーム14及びロアアーム16がそれらの内端の周り
に図3に於て実線にて示された中立位置より仮想線にて
示された位置まで下方へ枢動すると、キャリア10は仮
想線にて示された位置まで下方且つ僅かにインボード方
向へ変位し、ロアアーム16に対し相対的に枢軸線30
の周りに図3で見て反時計廻り方向へ枢動し、これによ
りロータリダンパ38のシャフト40及びベーン50が
ハウジング56に対し相対的に回転軸線38Aの周りに
反時計廻り方向へ回転し、減衰力が発生される。
【0022】尚図3に於てOb 及びOr はそれぞれキャ
リア10、アッパアーム14、ロアアーム16が図示の
車輪のバウンド位置及びリバウンド位置にある場合に於
けるキャリアの車体に対する瞬間中心を示しており、図
3より、図示の構成の場合には瞬間中心Ob はキャリア
に対しインボード側に位置し、瞬間中心Or はキャリア
に対しアウトボード側に位置することが解る。
【0023】上述の如くアッパアーム14はロアアーム
16よりも短く設定されているので、車輪12のストロ
ークが同一であっても、車輪がバウンドする場合とリバ
ウンドする場合とではロアアーム16に対するキャリア
の枢動角度、従ってロータリダンパ38のシャフト4
0、ベーン50及びハウジング56の相対回転角度が異
なり、また車輪のストローク速度が同一であっても、車
輪がバウンドする場合とリバウンドする場合とではロア
アームに対するキャリアの枢動角速度、従ってシャフト
40、ベーン50及びハウジング56の相対回転角速度
が異なり、相対回転角速度は車輪のバウンドストローク
の増大につれて減少し車輪のリバウンドストロークの増
大につれて増大する。
【0024】図4は車輪のストローク速度が一定である
場合について車輪のストロークHと車輪に対する減衰力
Fとの間の関係を示しており、Hfb及びHfrはそれぞれ
フルバウンド及びフルリバウンドを示している。特に破
線はロータリダンパがロアアームの車体側の枢支部に組
込まれハウジング及びシャフトの相対回転角度がロアア
ームの枢動角度と同一であるよう構成された比較例とし
てのサスペンションに於ける減衰力を示しており、実線
は第一の実施例の減衰力を示している。この図4からも
解る如く、第一の実施例によれば、ロータリダンパ38
の減衰力特性を車輪のバウンド、リバウンドによって異
ならせることができる。図示の第一の実施例の減衰力特
性は図4で見て右下りの特性であるので、この実施例が
リヤサスペンションとして適用されると、車輌の急制動
時に於けるテールリフトが比較例の場合に比して効果的
に抑制される。
【0025】尚図示の第一の実施例に於ては、ロータリ
ダンパ38はロアアーム16の外端とキャリア10の下
端との間の枢着部に設けられているが、ロータリダンパ
はアッパアーム14の外端とキャリア10の上端との間
の枢着部に設けられてもよく、その場合にはロータリダ
ンパの減衰力特性は図4に於て仮想線にて示されている
如くなり、この場合にもロータリダンパの減衰力特性を
車輪のバウンド、リバウンドによって異ならせることが
でき、特にこの場合の減衰力特性は図4で見て左下りの
特性であるので、比較例(破線)の場合に比して車輌の
良好な乗り心地性を確保しつつ車輌の旋回時等に於ける
車体の姿勢変化を効果的に抑制することができる。
【0026】図5は4リンク式サスペンションとして構
成された本発明による車輌用サスペンションの第二の実
施例の構成及び作動を示すスケルトン図である。尚図5
に於て図1及び図2に示された部分に対応する部分には
これらの図に於て付された符号と同一の符号が付されて
いる。
【0027】図5に於て、符号70は車輪12を回転軸
線12Aの周りに回転可能に支持し車輌横方向(図5の
紙面に垂直な方向)に延在するキャリアとしてのアクス
ルハウジングを示しており、符号72及び74はそれぞ
れ実質的に車輌前後方向に延在するサスペンションアー
ムとしてのアッパリンク及びロアリンクを示している。
アッパリンク72及びロアリンク74は車輪12が中立
位置にあるときには車輌横方向に見て互いに平行に延在
するよう配設され、アッパリンク72はロアリンク74
よりも短く設定されている。
【0028】アクスルハウジング70にはアッパブラケ
ット76及びロアブラケット78が固定されており、ア
ッパリンク72は前端にてジョイント80により車体8
2に枢支され、後端にて第一の実施例に於けるジョイン
ト26及び28と同様の一対のジョイント84によりア
ッパブラケット76の上端に枢軸線86の周りに枢動可
能に連結されている。同様にロアリンク74は前端にて
ジョイント88により車体82に枢支され、後端にてジ
ョイント90によりロアブラケット78の下端に枢着さ
れている。
【0029】また図5には詳細には示されていないが、
アッパリンク72とアッパブラケット76との間の枢着
部には回転軸線38Aが枢軸線86と整合された状態に
てロータリダンパ38が組込まれている。尚図5には示
されていないが、ロータリダンパのシャフトは第一の実
施例に於けるボルト42と同様のボルトを介してアッパ
ブラケット76に一体的に連結されており、ロータリダ
ンパのハウジングは第一の実施例に於けるリンク60と
同様のリンクによりアッパリンク72に連結されてい
る。
【0030】従ってこの実施例に於て車輪12がバウン
ド、リバウンドすることによりアッパリンク72がその
前端の周りに上下方向に枢動すると、アッパブラケット
76はアッパリンク72に対し相対的に枢軸線86の周
りに枢動し、ロータリダンパ38のシャフト及びベーン
はアッパブラケット76と共に枢軸線86の周りに回転
するが、ハウジングはアッパリンク72に対し実質的に
静止状態を維持し、これによりシャフト及びベーンがハ
ウジングに対し相対的に回転軸線38Aの周りに回転
し、減衰力が発生される。
【0031】この第二の実施例に於てもアッパリンク7
2はロアリンク74よりも短く設定されているので、車
輪12のストロークが同一であっても、車輪がバウンド
する場合とリバウンドする場合とではアッパリンク72
に対するアッパブラケット76の枢動角度、従ってロー
タリダンパ38のシャフト及びベーンとハウジングとの
間の相対回転角度が異なり、また車輪のストローク速度
が同一であっても、車輪がバウンドする場合とリバウン
ドする場合とではアッパリンクに対するアッパブラケッ
トの枢動角速度、従ってシャフト及びベーンとハウジン
グとの間の相対回転角速度が異なり、相対回転角速度は
車輪のバウンドストロークの増大につれて増大し、車輪
のリバウンドストロークの増大につれて減少する。
【0032】図6は車輪のストローク速度が一定である
場合について車輪のストロークHと車輪に対する減衰力
Fとの間の関係を示しており、特に破線はロータリダン
パがアッパリンクの車体側の枢支部に組込まれハウジン
グ及びシャフトの相対回転角度がアッパリンクの枢動角
度と同一であるよう構成された比較例としてのサスペン
ションに於ける減衰力を示しており、実線は第二の実施
例の減衰力を示している。この図6からも解る如く、第
二の実施例によれば、第一の実施例の場合と同様ロータ
リダンパ38の減衰力特性を車輪のバウンド、リバウン
ドによって異ならせることができる。
【0033】尚図示の第二の実施例に於ては、ロータリ
ダンパ38はアッパリンク72の後端とアッパブラケッ
ト76の上端との間の枢着部に設けられているが、ロー
タリダンパはロアリンク74の後端とロアブラケット7
8の下端との間の枢着部に設けられてもよく、その場合
にはロータリダンパの減衰力特性は図6に於て仮想線に
て示されている如くなり、この場合にもロータリダンパ
の減衰力特性を車輪のバウンド、リバウンドによって異
ならせることができる。
【0034】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施
例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0035】例えば上述の第一及び第二の実施例に於て
は、ロータリダンパ38のハウジング56がロアアーム
16又はアッパリンク72に対し静止状態を維持するよ
う連結され、シャフト40及びベーン50がキャリア1
0又はアッパブラケット76に連結されているが、ロー
タリダンパのシャフト及びベーンがサスペンションアー
ムに対し静止状態を維持するよう連結され、ハウジング
がキャリア又はこれに固定された部材に連結されてもよ
い。
【0036】また図示の各実施例に於ては、ロアアーム
16又はアッパリンク72の枢動角速度に対するロータ
リダンパ38のハウジング56とシャフト40及びベー
ン50との間の相対回転角速度の比は1未満であるが、
この角速度の比が1以上になり、図示の実施例の場合よ
りも高い減衰力が発生されるよう、ロータリダンパのハ
ウジングとシャフト及びベーンとの間の相対回転が例え
ばリンク装置や歯車装置により増速されてもよい。
【0037】更に図示の実施例はダブルウィッシュボー
ン式サスペンション及び4リンク式サスペンションであ
るが、本発明のサスペンションはかかる型式のものに限
定されるものではなく、本発明は車輪を回転可能に支持
する車輪キャリアと、一端にて車体に枢支され他端にて
キャリアに枢軸線の周りに枢動可能に連結されたサスペ
ンションアームとを有する限り、例えばマルチリンク式
サスペンションの如き任意の型式のサスペンションに適
用されてよい。
【0038】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明によれば、ロータリダンパはそのハウジング及びベー
ンシャフトの一方にてキャリアに連結され、ハウジング
及びベーンシャフトの他方にてサスペンションアームに
連結されており、車輪のバウンド、リバウンドに伴いキ
ャリアがサスペンションアームに対し相対的に枢軸線の
周りに枢動することにより、ハウジング及びベーンシャ
フトが互いに他に対し回転軸線の周りに相対回転され減
衰力が発生されるので、互いに特性の異なる減衰力発生
弁をベーンシャフトのベーン部に組込まなくても、ロー
タリダンパの減衰力特性を車輪のバウンド、リバウンド
によって異ならせることができ、ベーンシャフトのベー
ン部に減衰力発生弁を組込むことに起因するロータリダ
ンパの複雑化、大型化、高コスト化を確実に防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダブルウィッシュボーン式サスペンションとし
て構成された本発明による車輌用サスペンションの第一
の実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示された第一の実施例の要部を示す拡大
部分平面図(A)及び拡大部分縦断面図(B)である。
【図3】図1及び図2に示された第一の実施例の作動を
示すスケルトン図である。
【図4】車輪のストローク速度が一定である場合につい
て第一の実施例に於ける車輪のストロークHと車輪に対
する減衰力Fとの間の関係を示すグラフである。
【図5】4リンク式サスペンションとして構成された本
発明による車輌用サスペンションの第二の実施例の構成
及び作動を示すスケルトン図である。
【図6】車輪のストローク速度が一定である場合につい
て第二の実施例に於ける車輪のストロークHと車輪に対
する減衰力Fとの間の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10…キャリア 14…アッパアーム 16…ロアアーム 26、28…ジョイント 38…ロータリダンパ 40…シャフト 50…ベーン 56…ハウジング 70…アクスルハウジング 72…アッパリンク 76…アッパブラケット

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪を回転可能に支持する車輪キャリア
    と、一端にて車体に枢支され他端にて前記キャリアに枢
    軸線の周りに枢動可能に連結されたサスペンションアー
    ムと、前記枢軸線に整合する回転軸線の周りに相対回転
    可能に互いに嵌合するハウジング及びベーンシャフトを
    有し前記ハウジング及び前記ベーンシャフトの相対回転
    により減衰力を発生するよう構成されたロータリダンパ
    とを有し、前記ハウジング及び前記ベーンシャフトの一
    方は前記キャリアに連結され、前記ハウジング及び前記
    ベーンシャフトの他方は前記サスペンションアームに連
    結された車輌用サスペンション。
JP18628694A 1994-07-15 1994-07-15 車輌用サスペンション Pending JPH0825937A (ja)

Priority Applications (1)

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JP18628694A JPH0825937A (ja) 1994-07-15 1994-07-15 車輌用サスペンション

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100412836B1 (ko) * 2001-07-12 2003-12-31 현대자동차주식회사 자동차의 회전형 쇽 업소버장치
JP2016104631A (ja) * 2016-03-02 2016-06-09 Kyb株式会社 懸架装置
CN106573662A (zh) * 2014-06-13 2017-04-19 株式会社松美可石川 自动两轮车的后悬架

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