JPH08258498A - 暗視可能な装飾成形品とその製造方法 - Google Patents

暗視可能な装飾成形品とその製造方法

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JPH08258498A
JPH08258498A JP9141495A JP9141495A JPH08258498A JP H08258498 A JPH08258498 A JP H08258498A JP 9141495 A JP9141495 A JP 9141495A JP 9141495 A JP9141495 A JP 9141495A JP H08258498 A JPH08258498 A JP H08258498A
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JP
Japan
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pattern
molded product
transfer film
phosphorescent pigment
decorative
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JP9141495A
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English (en)
Inventor
Motoyasu Nakanishi
幹育 中西
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Suzuki Sogyo Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Sogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水圧転写技法を利用し、その塗膜たる活性剤
層か、ベースコート層か、トップコート層の何れか一つ
ないし全ての層において蓄光顔料を含有させ、ノブ、つ
まみ、スイッチプレート、手すり、泥除けカバー、ヘル
メットの何れかの形状に成形させることを特徴とし、普
段の装飾性と暗中での視認性とを具えて成る。 【効果】 普段の明るい下では、従来と変わりない水圧
転写による木目模様や大理石模様等の精緻な装飾模様が
呈されており、パターンによる装飾模様を損なうことな
く本来の本物感や意匠性が高められ、夜間、暗闇にあっ
ては発光して、その存在や在り処が知れることによっ
て、より便利さを享受することができ、安全性も高ま
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は、水圧による押圧力を利
用して、金属、樹脂等の成形品に木目や大理石模様など
を施す、いわゆる水圧転写技術を利用して、それら装飾
模様を施すのと同時に、暗闇中で発光しての視認性を付
与した暗視可能な装飾成形品とその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【発明の背景】水圧転写技術が普及し、あらゆる用途の
製品が対象とされてくると、単なる装飾効果だけでな
く、別途の機能付加も要求されてくる。例えば、ノブ、
つまみ、スイッチプレート、手すり、泥除けカバー、ヘ
ルメット等にあっては、木目模様や大理石模様が付され
ることで本物感や意匠性が高まるのは勿論であるが、こ
れらが夜間、暗闇中にあって、その存在場所が知れれ
ば、便利さが増し、安全性も高まると予想される。
【0003】このような折り、従来の夜光塗料と似た材
料で、従来の夜光塗料には無い、安全性、高い残光性、
耐光性、寿命等を有するものに、蓄光材料なるものが開
発されている。そして、このものの利用の仕方の一つ
に、蓄光材料を微粉砕、顔料化してインク中に分散さ
せ、スクリーン印刷することが知られている。その印刷
塗膜における長時間にわたる発光度合い、すなわち残光
輝度を上げるためには、ある程度の塗膜厚が必要とされ
ており、また蓄光顔料の粒度が比較的高いことからして
も、スクリーン印刷が蓄光顔料を塗布する際の最適の手
段とされている。ところが、スクリーン印刷では曲面の
多い成形品に対して複雑精緻な装飾模様を付すことがで
きない大きな問題があり、新たな技術の開発が待たれて
いた。
【0004】
【開発を試みた技術的事項】そこで、本発明は、この蓄
光顔料が昼間蓄えたエネルギーを夜間、暗闇で発光残光
することで、それが施された成形品の存在、在り処が示
されることとなり、普段は表面パターンの装飾模様で本
物感や意匠性を高めようとするものである。そして、ベ
ースコート層、活性剤層、トップコート層の何れか一つ
ないし全ての層において、蓄光顔料を含有して、異なる
意匠効果や、夜間、暗闇での十分な視認性を確保可能と
し、もって夜間、暗闇中でその存在、在り処が知れるこ
とによる便利さ、安全性を提供しようとするものであ
る。
【0005】
【発明の構成】
【目的達成の手段】そこで、本出願に係る第1の発明た
る暗視可能な装飾成形品は、水圧転写によって所望のパ
ターンが施された成形品であって、その塗膜たる活性剤
層か、ベースコート層か、トップコート層の何れか一つ
ないし全ての層において蓄光顔料を含有しており、普段
の装飾性と暗中での視認性とを具えて成ることを特徴と
するものである。
【0006】また、本出願に係る第2の発明たる暗視可
能な装飾成形品は、これに加え、前記成形品は、ノブ、
つまみ、スイッチプレート、手すり、泥除けカバー、ヘ
ルメットの何れかの形状に成形されたものであることを
特徴とする。
【0007】また、本出願に係る第3の発明たる暗視可
能な装飾成形品の製造方法は、転写フィルム上に所望の
パターンを印刷、乾燥の後、該転写フィルムを水面上に
浮かべる前後何れか一方又は双方において、蓄光顔料が
添加された活性剤を該パターン上に塗布して、該パター
ン上に蓄光顔料を含有する活性剤層を形成するとともに
この活性剤層でパターンを転写可能な状態に活性化し、
次いで水面上の転写フィルムに成形品を当接せしめつつ
該成形品の一部ないし全部を水中に没入させ、これによ
って転写フィルムを水圧によって該成形品に密着せし
め、成形品にパターンの装飾模様を施すのと同時に蓄光
顔料にて暗中での視認性を付与するようにしたことを特
徴とするものである。
【0008】また、本出願に係る第4の発明たる暗視可
能な装飾成形品の製造方法は、転写フィルム上に印刷さ
れた所望のパターンが転写可能な状態において、水面上
の転写フィルムに成形品を当接せしめつつ該成形品の一
部ないし全部を水中に没入させ、これによって転写フィ
ルムを水圧によって該成形品に密着せしめるとともに、
該成形品は、蓄光顔料を添加された塗料類にて、予めベ
ースコートを施すか、爾後トップコートを施すかの何れ
か一方又は双方を行って、成形品にパターンの装飾模様
を施すのと同時に蓄光顔料にて暗中での視認性を付与す
るようにしたことを特徴とするものである。
【0009】更に、本出願に係る第5の発明たる暗視可
能な装飾成形品の製造方法は、転写フィルム上に所望の
パターンを印刷、乾燥の後、該転写フィルムを水面上に
浮かべる前後何れか一方又は双方において、蓄光顔料が
添加された活性剤を該パターン上に塗布して、該パター
ン上に蓄光顔料を含有する活性剤層を形成するとともに
この活性剤層でパターンを転写可能な状態に活性化し、
次いで水面上の転写フィルムに成形品を当接せしめつつ
該成形品の一部ないし全部を水中に没入させ、これによ
って転写フィルムを水圧によって該成形品に密着せしめ
るとともに、該成形品は、蓄光顔料を添加された塗料類
にて、予めベースコートを施すか、爾後トップコートを
施すかの何れか一方又は双方を行って、成形品にパター
ンの装飾模様を施すのと同時に蓄光顔料にて暗中での視
認性を付与するようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0010】更に、本出願に係る第6の発明たる暗視可
能な装飾成形品の製造方法は、これらに加えて、前記成
形品は、白色の地色を有していることを特徴とする。
【0011】また、本出願に係る第7の発明たる暗視可
能な装飾成形品の製造方法は、同じく、前記パターン
は、緑黄色ないし黄緑色基調の大理石模様であることを
特徴とする。
【0012】
【発明の作用】ベースコート層、活性剤層、トップコー
ト層の何れか一つないし全ての層において存在する蓄光
顔料は、太陽光や蛍光灯などの光の刺激を受けてエネル
ギーを吸収し、刺激停止後も吸収したエネルギーを光と
して、徐々に、比較的長時間にわたり発光する。このた
め、夜間、暗闇にあっては、それが施された成形品の存
在、在り処が示されるようになる。一方、普段における
成形品外観は、従来とほぼ変わりない水圧転写によるも
のであり、木目模様や大理石模様等の精緻な装飾模様を
呈して、本物感や意匠性が高められる。また、ベースコ
ート層、活性剤層、トップコート層のそれぞれに蓄光顔
料を添加して、重ね塗り的に蓄光顔料を塗布でき、昼間
観察される装飾模様中における微妙な発光による異なる
意匠効果、夜間、暗闇での残光輝度の向上、視認性の向
上をもたらす。更に、成形品の地色を白色とすることに
より、蓄光顔料の残光輝度を余すことなく利用でき、パ
ターンを緑黄色ないし黄緑色基調の大理石模様とすれ
ば、パターンによる装飾模様を損なわない。また、成形
品が、ノブ、つまみ、スイッチプレート、手すり、泥除
けカバー、ヘルメットの何れかの形状に成形されたもの
であれば、それらの便利さ、安全性が助長される。
【0013】
【実施例】そこで、まず本発明が利用する水圧転写の基
本的な流れや基本的事項について説明する。水圧転写で
は、予め、木目模様や大理石模様等の適宜な模様をグラ
ビア印刷等の印刷手段によりベースフィルム、例えばポ
リビニールアルコールを主成分とする水溶性フィルム上
に印刷し、乾燥の後、ロール又はカットシート状の転写
フィルムとして用意しておく。ここで、ベースフィルム
上に印刷するに用いるインク類は、ベースフィルムに仮
接着し、乾燥皮膜の形成が容易であり、被転写体たる成
形品の表面に対して接着し、且つ活性剤に容易に膨潤す
る樹脂をビヒクルとして含むものである。そして、転写
に際しては、この転写フィルムを連続的或いは一枚毎引
き出しながら、活性剤をパターン側にのみロールコータ
ー等の塗布手段を用いて塗布する。ここで、活性剤は、
インク類を膨潤させ得る溶剤を含み、成形品の表面を浸
食したり、成形品がベースコートされている場合には、
このベースコート層を急激に溶解させないものであるこ
とが望ましく、更にこの溶剤と親和性のある樹脂が添加
されているなどの基本的条件を備える。
【0014】続き、活性剤が塗布された面を上にしたま
ま転写フィルムを水槽水面上に浮かべると、転写フィル
ムにおけるベースフィルムは、水を吸収して膨潤軟化
し、同時に、パターンも活性剤に膨潤活性化され、印刷
直後のような粘着性を帯びた状態となる。そこで、頃合
いを見計らい、上空から例えばABS樹脂製スイッチパ
ネルのような成形品を、転写フィルムに当接せしめつ
つ、該転写フィルムともども、その一部乃至全部が没す
るよう水中に押し入れる。これによって、転写フィルム
は成形品の大きな曲面及び微細な凹凸に呼応しつつその
表面に密着する。その後、この成形品を水中より引き上
げ、別途ブースにて湯水シャワーを浴びせて残存するベ
ースフィルム分を洗い落とし、熱風等を吹き付けてイン
ク及び活性剤に含まれる溶剤分を揮発させ、更に必要に
応じてクリアーにてトップコートして完成とする。な
お、成形品は水面に対し傾斜した状態で押し入れれば、
成形品と転写フィルムとの間の空気を排除して、いわゆ
るピンホール欠陥を回避でき、また、水槽中の水を流動
させ、定常流下中の水面に対し成形品を斜降没入させれ
ば、転写処理を連続的に行うことができる。
【0015】続いて、上記水圧転写における流れの中で
使用する蓄光材料、その微粉末たる蓄光顔料について説
明する。蓄光材料、蓄光顔料は、太陽光や蛍光灯などの
光の刺激を受けてエネルギーを吸収し、刺激停止後も吸
収したエネルギーを光として、徐々に、比較的長時間に
わたり発光し、また永く繰り返し使用できるものであ
る。放射性物質を含まず、残光輝度が高く、残光時間が
長くて、耐光性、耐久性があり、従来の夜光塗料物質と
は異なる、新規物質が幾つか開発され、販売されるに至
っている。このようなものに、アルミン酸ストロンチウ
ムにより、或いはこれを主成分とする、根本特殊化学株
式会社のN夜光(商品名)がある。このものは、高純度
のアルミナを主原料とし、これに炭酸ストロンチウム
と、数種類の希土類元素を賦活剤として混合し、還元性
雰囲気の1200度以上の高温で3時間程度焼成後冷却
し、更にこれを粉砕して、ふるい分けすることにより製
造される。また同様な蓄光顔料として、酸化アルミニウ
ム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどを主成分と
する、ケミテック株式会社のケミテックピカリコCP−
04(商品名)などがある。このような蓄光顔料は、水
圧転写における活性剤やベースコート用又はトップコー
ト用の塗料類に添加されるのであるが、蓄光顔料は平均
粒度10ミクロン前後であって、活性剤や塗料中にあっ
て沈降気味となるので、それらの塗布に際しては使用直
前に撹拌するのが望ましい。
【0016】図示の水圧転写ライン1について説明す
る。このライン1は、図1に示すように液圧転写装置2
と、その側方に連続的に配置される供給コンベア3、連
絡コンベア4、排出コンベア5と、連絡コンベア4の上
方に設けられ液圧転写装置2の側方に位置する自動供給
装置6及び自動排出装置7とを具えて成る。液圧転写装
置2は、水Wを入れるための転写槽10と、その上方に
位置し被転写体たる成形品の保持装置14を一定間隔毎
に設けた転写コンベア11と、転写フィルムの供給装置
12とを具えて成る。転写フィルムの供給装置12は、
転写フィルムFがロール状に巻回された原反ロール15
と、転写フィルムFに印刷されたインクを活性化するた
めの活性剤Sを貯留する溶剤タンク16とを具えて成
り、原反ロール15から繰り出された転写フィルムFが
途中溶剤タンク16内の活性剤Sで活性化された後、転
写槽10内へ連続供給されるように、適宜送りローラ1
7が設けられる。また、自動供給装置6は複数の把持装
置18を具え、この把持装置18により成形品をチャッ
クして、上方から転写槽10内に供給し、転写完了後、
これを排出できるようになっている。
【0017】そこで、このようなライン1において、上
記蓄光顔料を使用して前述の水圧転写が実行されるので
あるが、改めて本発明の特徴的部分について説明する
と、成形品に予め蓄光顔料を添加した塗料類でベースコ
ートを施して図2(a)に示すようにベースコート層C
B に蓄光顔料Tを含有させるか、水圧転写した後、蓄光
顔料を添加した塗料類にてトップコートを施して図2
(b)に示すようにトップコート層CT に蓄光顔料Tを
含有させるか、転写フィルムを水面上に浮かべる前後何
れか一方又は双方において、蓄光顔料を添加した活性剤
を塗布して水圧転写して図2(c)に示すように活性剤
S層に蓄光顔料Tを含有させるか、更には、例えば成形
品に予め蓄光顔料を添加した塗料類でベースコートを施
し、転写フィルムを水面上に浮かべる前において、蓄光
顔料を添加した活性剤を塗布して水圧転写して図2
(d)に示すようにベースコート層CB と活性剤S層の
二つの層において蓄光顔料Tを含有させる等、ベースコ
ート層CB 、活性剤S層、トップコート層CT の何れか
一つ又は全ての層において蓄光顔料Tを含有させる。な
お、図2(a)ないし(d)において、活性剤S層とイ
ンク層Pとを別な層として図示したが、実際のインクの
活性化状態では、インクと活性剤とは両者混合した状態
で存在し、水圧転写の完了時点では活性剤中の溶剤は乾
燥蒸発してしまっている。
【0018】ここで、ライン1に供給される本発明の対
象物たる成形品Aとしては、基本的には如何なる用途、
形状の成形品であっても良いのであるが、単に本物感や
意匠性が求められるものより、夜間、暗闇にあって、そ
の存在、在り処が示されることにより、便利さが増し、
安全性が高まるものが好ましい。すなわち、例えば、図
3に示すドア用ノブA1、図4に示す引出し用つまみA
2にあっては、夜間その存在が示されることにより、電
気が消えた中でも、ノブ、つまみを即座に掴むことがで
きる。また、図5に示すスイッチプレートA3、図6に
示す階段手すりA4にあっては、夜間その存在が示され
ることにより、スイッチの位置、手すりの位置が知れ
て、暗闇で手探りする必要から開放される。また、図7
に示す自転車の泥除けカバーA5、図8のヘルメットA
6にあっては、夜間その存在が示されることにより、後
方車両から確認されて、安全性が高められる。
【0019】然して、これら成形品の塗膜たるベースコ
ート層、活性剤層、トップコート層の何れか一層ないし
複数層において存在する蓄光顔料は、太陽光や蛍光灯な
どの光の刺激を受けてエネルギーを吸収し、刺激停止後
も吸収したエネルギーを光として、徐々に、比較的長時
間にわたり発光する。これが夜間、暗闇ともなれば、成
形品の形状として全体が光ってくるので、成形品の存
在、在り処が示されることとなり、便利さが増し、安全
性が高まる。一方、普段、昼間等における成形品の外観
は、従来と変わりない水圧転写によるものとほぼ同等で
あり、木目模様や大理石模様等の精緻な装飾模様が呈さ
れて、本物感や意匠性が高められている。なお、ここ
で、ほぼ同等と言うのは、蓄光顔料は刺激を受けている
最中も発光しており、ただ周囲が明るいために感知され
難いが、この装飾模様中での発光により多少とも異なる
意匠効果を生じてるからである。また、蓄光顔料をベー
スコート層、活性剤層、トップコート層のそれぞれに含
有させて、蓄光顔料を塗り重ねる様に存在させることが
できるのは、この異なる意匠効果の創出とともに、夜
間、暗闇での視認性の向上につながる。
【0020】なお、蓄光顔料を添加するベースコート用
やトップコート用の塗料類は、透明なものをベースとす
るのが望ましく、同様に、活性剤もパターンインクの性
質、意匠的効果、希望する発光程度等によって、適宜組
成を変化させるべきものであるが、本出願人が試行した
範囲では、従来体質顔料として添加していた沈降性硫酸
バリウム入りのものに代えて、アエロジル(商品名)の
ような超微粒子シリカを添加して透明性を増したものを
ベースとし、その樹脂分10重量部に対して蓄光顔料5
重量部を添加するのが好ましい結果を得た。また、成形
品は下地色が白色系なもの程、蓄光顔料の残光輝度を減
少させずに利用することができて有利である為、成形品
の素地色を白色のものとするか、着色処理としてのベー
スコートを白色の塗料で行うのに加え、蓄光顔料を添加
した透明ベースの塗料を塗り重ねるようにしてもよい。
さらに、普段の装飾模様となる転写フィルム上のパター
ンは、緑黄色ないし黄緑色基調の大理石模様とするのが
好ましく、この場合、蓄光顔料本来の色及び発光色がそ
のような色調であるので、パターンを損なうことがな
い。
【0021】また、成形品の原料としては、ABS樹脂
の他、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニー
ル樹脂、ポリスチレン樹脂、ノリル樹脂、フェノール樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、FRP、エポキシ樹脂
を始め、ほとんどのプラスチック材料、金属、木、石
等、インク類や活性剤の成分等を適宜調整することによ
って同様に施用できるものである。また、活性剤を塗布
するタイミングとして、転写フィルムを水面に浮かべた
後にこれを行うラインとして説明したが、先に転写フィ
ルムを水面に浮かべておき、フィルムが水を吸収して膨
潤するのを待ってスプレーコート等の手段で活性剤を塗
布するようにしてもよく、更にはその両時点において塗
布するようにしても勿論よい。
【0022】
【発明の効果】以上、本発明によれば、ベースコート
層、活性剤層、トップコート層の何れか一つないし全て
の層において存在する蓄光顔料が、夜間、暗闇にあって
発光し、成形品の存在、在り処が示される。他方、普段
の明るい下では、従来と変わりない水圧転写による木目
模様や大理石模様等の精緻な装飾模様が呈されており、
本来の本物感や意匠性が高められている。また、ベース
コート層、活性剤層、トップコート層のそれぞれに蓄光
顔料を添加して、多重的に蓄光顔料を塗布でき、装飾模
様中における発光度合いの違いにより異なる意匠効果を
生じさせる他、夜間、暗闇での残光輝度を向上し、成形
品における視認性を向上することができる。成形品が、
ノブ、つまみ、スイッチプレート、手すり、泥除けカバ
ー、ヘルメットの何れかの形状に成形されたものであれ
ば、夜間、暗闇中でその存在、在り処が知れることによ
って、より便利さを享受することができ、安全性も高ま
る。また、成形品の地色を白色とすれば、蓄光顔料の残
光輝度を余すことなく利用することができ、更にパター
ンを緑黄色ないし黄緑色基調の大理石模様とすれば、パ
ターンによる装飾模様を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する水圧転写装置を示す側面図で
ある。
【図2】蓄光顔料の混入箇所を異ならせた種々の実施例
を示す骨格的断面図である。
【図3】対象となるドア用ノブ成形品を示す斜視図であ
る。
【図4】対象となる引出し用つまみ成形品を示す斜視図
である。
【図5】対象となるスイッチプレート成形品を示す斜視
図である。
【図6】対象となる階段手すり成形品を示す斜視図であ
る。
【図7】対象となる自転車の泥除けカバー成形品を示す
側面図である。
【図8】対象となるヘルメット成形品を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 水圧転写ライン 2 水圧転写装置 3 供給コンベア 4 連絡コンベア 5 排出コンベア 6 自動供給装置 7 自動排出装置 10 転写槽 11 転写コンベア 12 転写フィルムの供給装置 13 上昇部 14 成形品の保持装置 15 原反ロール 16 溶剤タンク 17 送りローラ 18 把持装置 A 成形品 A1 ドア用ノブ A2 引出し用つまみ A3 スイッチプレート A4 階段手すり A5 自転車の泥除けカバー A6 ヘルメット CB ベースコート層 CT トップコート層 F 転写フィルム P インク層 S 活性剤 T 蓄光顔料 W 水

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水圧転写によって所望のパターンが施され
    た成形品であって、その塗膜たる活性剤層か、ベースコ
    ート層か、トップコート層の何れか一つないし全ての層
    において蓄光顔料を含有しており、普段の装飾性と暗中
    での視認性とを具えて成ることを特徴とする暗視可能な
    装飾成形品。
  2. 【請求項2】前記成形品は、ノブ、つまみ、スイッチプ
    レート、手すり、泥除けカバー、ヘルメットの何れかの
    形状に成形されたものであることを特徴とする請求項1
    記載の暗視可能な装飾成形品。
  3. 【請求項3】転写フィルム上に所望のパターンを印刷、
    乾燥の後、該転写フィルムを水面上に浮かべる前後何れ
    か一方又は双方において、蓄光顔料が添加された活性剤
    を該パターン上に塗布して、該パターン上に蓄光顔料を
    含有する活性剤層を形成するとともにこの活性剤層でパ
    ターンを転写可能な状態に活性化し、次いで水面上の転
    写フィルムに成形品を当接せしめつつ該成形品の一部な
    いし全部を水中に没入させ、これによって転写フィルム
    を水圧によって該成形品に密着せしめ、成形品にパター
    ンの装飾模様を施すのと同時に蓄光顔料にて暗中での視
    認性を付与するようにしたことを特徴とする暗視可能な
    装飾成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】転写フィルム上に印刷された所望のパター
    ンが転写可能な状態において、水面上の転写フィルムに
    成形品を当接せしめつつ該成形品の一部ないし全部を水
    中に没入させ、これによって転写フィルムを水圧によっ
    て該成形品に密着せしめるとともに、該成形品は、蓄光
    顔料を添加された塗料類にて、予めベースコートを施す
    か、爾後トップコートを施すかの何れか一方又は双方を
    行って、成形品にパターンの装飾模様を施すのと同時に
    蓄光顔料にて暗中での視認性を付与するようにしたこと
    を特徴とする暗視可能な装飾成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】転写フィルム上に所望のパターンを印刷、
    乾燥の後、該転写フィルムを水面上に浮かべる前後何れ
    か一方又は双方において、蓄光顔料が添加された活性剤
    を該パターン上に塗布して、該パターン上に蓄光顔料を
    含有する活性剤層を形成するとともにこの活性剤層でパ
    ターンを転写可能な状態に活性化し、次いで水面上の転
    写フィルムに成形品を当接せしめつつ該成形品の一部な
    いし全部を水中に没入させ、これによって転写フィルム
    を水圧によって該成形品に密着せしめるとともに、該成
    形品は、蓄光顔料を添加された塗料類にて、予めベース
    コートを施すか、爾後トップコートを施すかの何れか一
    方又は双方を行って、成形品にパターンの装飾模様を施
    すのと同時に蓄光顔料にて暗中での視認性を付与するよ
    うにしたことを特徴とする暗視可能な装飾成形品の製造
    方法。
  6. 【請求項6】前記成形品は、白色の地色を有しているこ
    とを特徴とする請求項3、4、又は5記載の暗視可能な
    装飾成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】前記パターンは、緑黄色ないし黄緑色基調
    の大理石模様であることを特徴とする請求項3、4、
    5、又は6記載の暗視可能な装飾成形品の製造方法。
JP9141495A 1995-03-24 1995-03-24 暗視可能な装飾成形品とその製造方法 Pending JPH08258498A (ja)

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