JPH08258273A - インク噴射装置の製造方法 - Google Patents

インク噴射装置の製造方法

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JPH08258273A
JPH08258273A JP6033695A JP6033695A JPH08258273A JP H08258273 A JPH08258273 A JP H08258273A JP 6033695 A JP6033695 A JP 6033695A JP 6033695 A JP6033695 A JP 6033695A JP H08258273 A JPH08258273 A JP H08258273A
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JP
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ink
master
actuator
conductive layer
layer
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JP6033695A
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English (en)
Inventor
Yumiko Ohashi
弓子 大橋
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動電圧が小さく、小型化が可能で、各アク
チュエータ部の位置決めを不要とすること。 【構成】 まず、複数の円筒21が所定間隔導電性基板
11上に立ち並ぶニッケル製の原盤10を作製する。次
に、原盤10の円筒21上にチタン製の導電層3aを形
成する。次に導電層3a上から円筒21に圧電セラミッ
クス層2aをチタン酸ジルコン酸鉛ゾルゲル液を用いて
作製する。続いて圧電セラミックス層2a上にチタン製
の導電層3、圧電セラミックス層2bと積層していく。
次に、積層された複数の円筒部を樹脂によって一体化
し、ニッケルからなる原盤10を塩化第二鉄溶液により
ウェットエッチングして溶出させる。すると、円筒21
に対応する部分が中空部となり、インク室が形成される
と共に、導電層及び圧電セラミックス層からなるアクチ
ュエータ部が作製される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク供給源からイン
クが供給される複数のインク室と、電極に電圧が印加さ
れることによって前記インク室内の容積を変化させてイ
ンクを噴射させるアクチュエータ部とを有するインク噴
射装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットプリンタ等に利用
されるオンデマンド方式の印字ヘッドとして電気−熱変
換素子である発熱素子を利用した、いわゆるサーマルジ
ェット方式印字ヘッドや、電気−機械変換素子である圧
電素子を利用したピエゾ方式印字ヘッドが実用化されて
いる。圧電素子を利用した印字ヘッドは、発熱素子を利
用した印字ヘッドに比べて、熱の発生を伴わないことか
ら被噴射物としての液体の制限が少なく、また印字ヘッ
ドの耐久性に優れる等の利点を有している。
【0003】圧電素子の形態は様々有るが、例えば、特
開昭55−71572号公報に開示されているようにイ
ンク室を円管型で形成するインクジェットヘッドが提案
されていおり、以下にその概略構成を説明する。
【0004】図21及び22に示すように、マルチノズ
ルタイプのインクジェットヘッドは、筺体301と、多
数の円筒状の電歪振動子302と、ノズルプレート30
3と、プリント電極板304とから構成されている。
【0005】筺体301は、複数の貫通孔307が設け
られた筺体基板301aにケース板301bを接合した
ものであり、これらによって構成される空間がマニホー
ルド313である。このマニホールド313にはパイプ
305を介して図示しないインク供給源からインクが供
給される。筺体基板301aには、プリント電極板30
4が接合されており、プリント電極板304には、貫通
孔307に対応した位置に位置決め孔312が複数形成
されている。
【0006】各電歪振動子302の一端は、それぞれの
位置決め孔312に嵌合されると共に、筺体基板301
aに接合されており、電歪振動子302内の空間は貫通
孔307を介してマニホールド313に連通している。
また電歪振動子302の他端には、ノズル326が形成
されたノズルプレート303が接合されている。
【0007】それら電歪振動子302の内側表面からそ
の両端部及び外側表面にわたって電極308が形成さ
れ、電歪振動子302の外側表面に電極309が形成さ
れている。電極308の全表面にわたって撥水性のテフ
ロン被膜310が形成されている。各電歪振動子302
の電極308は共通アース線311に接続され、電極3
09は、それぞれプリント基板304の分割電極306
の各々に接続されている。
【0008】前記円筒状の電歪振動子302の作製には
通常、型焼結が用いられる。
【0009】そして、噴射するノズル326に対応する
電歪振動子302の電極309に駆動電圧を印加するこ
とによって、電歪振動子302を変形させて前記ノズル
326からインクを噴射する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
単層の円管状の電歪振動子2の作製には、型焼結法が用
いられているので、電歪振動子2の変形する厚みを薄く
することは難しく、その厚さは30から40μmが限界
である。そして、噴射のために必要な前記駆動電圧は、
電歪振動子2の厚みに比例して大きくなるので、従来の
製法で作製された電歪振動子2では、噴射のための駆動
電圧が大きかった。このように駆動電圧が大きいと、プ
リント基板4の分割電極6と電歪振動子2との電気的接
続点を、他の電気的接続点との距離を大きくしなければ
ならない。このため、インクジェットヘッドの小型化が
困難であるといった問題があった。また、駆動電圧が大
きいと、回路が高価となるといった問題があった。
【0011】また、複数の電歪振動子2が個々に別体で
作製されるので、各電歪振動子2の位置決めが困難で非
常に手間がかかっていた。
【0012】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、駆動電圧が小さく、小型化が可
能で、各アクチュエータ部の位置決めが不要であるイン
ク噴射装置の製造方法を提示することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1では、インク供給源からインクが供
給される複数のインク室と、電極に電圧が印加されるこ
とによって前記インク室内の容積を変化させてインクを
噴射させるアクチュエータ部とを有するインク噴射装置
の製造方法において、複数の筒状部を有する原盤を作製
する第一工程と、前記原盤の少なくとも筒状部を、圧電
セラミックスのゾルゲル液に付着させて圧電セラミック
ス層を形成する第二工程と、前記圧電セラミックス層の
複数の筒状部を一体化する第三工程と、前記原盤を溶融
して、前記原盤の筒状部に対応する部分を中空部とし
て、前記インク室を形成すると共に、前記圧電セラミッ
クス層を含む複数の前記アクチュエータ部を作製する第
四工程とからなることを特徴とする。
【0014】請求項2では、インク噴射装置が、前記各
インク室に連通し、インク供給源からインクが供給され
るマニホールドを有し、前記第一工程で、複数の筒状部
と、それら筒状部を支持する支持部を有する原盤を作製
し、前記第二工程で、圧電セラミックス層を前記原盤の
筒状部及び支持部に形成し、前記第四工程で、前記原盤
を溶融して、前記原盤の筒状部及び支持部に対応する部
分を中空部として、前記インク室及び前記マニホールド
を形成すると共に、前記圧電セラミックス層を含む複数
の前記アクチュエータ部を作製することを特徴とする。
【0015】請求項3では、前記第一工程と前記第二工
程の間において、前記原盤の少なくとも筒状部に導電層
を形成し、前記第二工程と前記第三工程との間におい
て、前記圧電セラミックス層上に導電層を形成し、前記
第四工程で前記原盤を溶融して、前記原盤の筒状部に対
応する部分を中空部として、前記インク室を形成すると
共に、前記導電層及び前記圧電セラミックス層からなる
前記アクチュエータ部を作製することを特徴とする。
【0016】請求項4では、前記圧電セラミックス層及
び前記導電層を複数積層させる工程を有することを特徴
とする。
【0017】請求項5では、前記第一工程と前記第二工
程との間において形成された前記導電層は、前記一体化
されたアクチュエータ部の外面の一部に露出され、前記
第二工程と前記第三工程との間において形成された導電
層は、前記一体化されたアクチュエータ部の外面の前記
一部と異なる他の一部に露出され、前記一部もしくは前
記他の一部に全てのアクチュエータ部の導電層を接続す
る共通電極が形成され、前記他の一部もしくは前記一部
に駆動電極が各アクチュエータ部に対応して形成される
ことを特徴とする。
【0018】請求項6では、前記一体化されたアクチュ
エータ部の外面の前記一部は、前記一体化されたアクチ
ュエータ部の一端面であり、前記一体化されたアクチュ
エータ部の外面の前記他の一部は、前記一体化されたア
クチュエータ部の他端面であることを特徴とする。
【0019】請求項7では、前記第三工程で前記圧電セ
ラミックス層の複数の筒状部を一体化する材料は、ロッ
クウエル硬度がM−60〜M−130であることを特徴
とする。
【0020】請求項8では、前記原盤の一部にインクが
噴射されるノズルに対応する部分が形成され、前記ノズ
ルが前記アクチュエータ部に一体に形成されることを特
徴とする。
【0021】請求項9では、前記原盤の前記ノズルに対
応する部分が形状は、前記筒状部と異なる形状であるこ
とを特徴とする。
【0022】
【作用】上記の構成を有する本発明のインク噴射装置の
製造方法では、第一工程で、複数の筒状部を有する原盤
が作製され、第二工程で、前記原盤の少なくとも筒状部
に圧電セラミックスのゾルゲル液が付着されて圧電セラ
ミックス層が形成され、第三工程で、前記圧電セラミッ
クス層の複数の筒状部が一体化され、第四工程で、前記
原盤が溶融される。これにより、前記原盤の筒状部に対
応する部分が中空部とされて、前記インク室が形成され
ると共に、前記圧電セラミックス層を含む複数の前記ア
クチュエータ部が作製される。そして、前記アクチュエ
ータ部の前記電極に電圧が印加されることによって、多
層の前記圧電セラミックスが前記インク室に向かって変
形し、前記インク室の容積が変化されてインクが噴射さ
れる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を具体化した第一実施例を図面
を参照して詳細に説明する。図1は、インクジェットヘ
ッドの構造斜視図である。インクジェットヘッド40
は、アクチュエータ部材30とマニホールド部材17と
フレキシブルプリント基板41とから構成されている。
アクチュータ部材30は、中空の円筒状の複数のアクチ
ュエータ部4と、複数のアクチュエータ部4を保持する
樹脂製の保持部5とからなる。保持部5には、例えば、
ロックウエル硬度がM−85のエポキシ樹脂が用いられ
る。保持部5に用いられる樹脂は、ロックウエル硬度が
M−60〜M−130のものであれば、各アクチュエー
タ部4からの噴射を良好に行なうことができる。
【0024】図2に示すように、アクチュエータ部4は
導電層3と圧電セラミックス層2とが交互に複数積層さ
れたものである。第一実施例では、導電層3が4層積層
され、圧電セラミックス層2が3層積層されている。中
空の円筒状の圧電セラミックス層2aの内面に導電層3
aが形成され、外面に導電層3bが形成され、その導電
層3bの外側に圧電セラミックス層2bが形成され、圧
電セラミックス層2bの外面に導電層3cが形成され、
その導電層3cの外側に圧電セラミックス層2cが形成
され、圧電セラミックス層2cの外面に導電層3dが形
成されている。導電層3a、3cは端面30a側に露出
し、且つ端面30b側に露出していない。また、導電層
3b、3dは端面30b側に露出し、且つ端面30a側
に露出していない。
【0025】このため、導電層3a、3cはアクチュー
タ部材30の端面30aに形成された金属電極61に接
続され、導電層3b、3dは端面30bに形成された金
属電極62に接続されている。金属電極61は全てのア
クチュエータ部4の導電層3a、3cを共通に接続し、
各金属電極62は溝9によって分離されているので、各
金属電極62は各アクチュエータ部4に対応して形成さ
れ、各アクチュエータ部4の導電層3b、3dに接続し
ている。
【0026】図4に示すように、圧電セラミックス層2
aは、導電層3bから導電層3aへの方向である矢印A
方向に分極されており、圧電セラミックス層2bは導電
層3bから導電層3cへの方向である矢印B方向に分極
されおり、圧電セラミックス層2cは導電層3dから導
電層3cへの方向である矢印C方向に分極されている。
【0027】そして、図2に示すように、筒状のアクチ
ュエータ部4の中空部はインクが充填されるインク室1
となり、アクチュエータ部材30の対向する端面30
a、30bに開口している。端面30a側の開口部は、
インクが噴射されるノズル6である。
【0028】図1に示すように、マニホールド部材17
には、全てのインク室1に連通するマニホールド22と
図示しないインクタンクに連通されるインク供給口23
とが形成されており、マニホールド22の開口側がアク
チュエータ部材30の端面30bに接着される。マニホ
ールド22は全てのアクチュエータ部4の開口部を被覆
する大きさである。
【0029】フレキシブルプリント基板41は、アクチ
ュエータ部材30の面30c(図1では上面)に接着さ
れる。尚、面30cと反対側の面であってもよい。その
フレキシブルプリント基板41には、接点電極43、4
4が形成されており、接点電極44は金属電極61に対
応して配置され、接点電極43は各金属電極62に対応
して配置されている。各接点電極43は各パターン42
に接続され、接点電極44は各パターン45に接続され
ている。
【0030】それぞれのパターン42、45は、図3に
示すように、LSIチップ51に接続されており、クロ
ックライン52、データライン53、電圧ライン54及
びアースライン55もLSIチップ51に接続されてい
る。LSIチップ51は、クロックライン52から供給
された連続するクロックパルスに基づいて、データライ
ン53上に現れるデータから、どのノズル6からインク
滴の噴射を行うべきかを判断し、駆動するインク室1に
対応する金属電極62に導通するパターン42に電圧ラ
イン54の電圧Vを印加する。また、駆動するインク室
1以外の金属電極62に導通するパターン42及び金属
電極61に導通するパターン45をアースライン55に
接続する。
【0031】次にインクジェットヘッド40の駆動に付
いて説明する。LSIチップ51が図5に示すインク室
1aからインクを噴射すると判断すると、LSIチップ
51は、インク室1aの金属電極62に電気的に接続さ
れたパターン42に電圧ライン54を接続し、他のイン
ク室1の金属電極62に電気的に接続されたパターン4
2及び全てのインク室1の金属電極61に電気的に接続
されたパターン45をアースライン55に接続する。す
ると、インク室1aのアクチュエータ部4の圧電セラミ
ックス層2aには導電層3bから導電層3aへの方向の
電界が発生し、圧電セラミックス層2bには導電層3b
から導電層3cへの方向の電界が発生し、圧電セラミッ
ク層2cには導電層3dから導電層3cへの方向の電界
が発生する。つまり、インク室1aの圧電セラミックス
層2a、2b、2cには、それぞれの分極方向A、B、
Cと同一方向の電界が発生する。
【0032】すると、インク室1aのアクチュエータ部
4の圧電セラミックス層2a、2b、2cは、分極方向
A、B、Cと電界方向とが同一方向であるので、図5の
ように、圧電セラミックス層2a、2b、2cがインク
室1a内方向に膨張し、インク室1aの容積を減少させ
る。これによりインク室1a内のインクに圧力が加わっ
てノズル6からインクが噴射される。その後、インク室
1aの金属電極62をアースライン55に接続して、イ
ンク室1aの容積を前記減少状態から自然状態(図4に
示す状態)へと増加させてインク室1a内にマニホール
ド22からインクを供給させる。
【0033】尚、圧電セラミックス層2a、2b、2c
の分極方向と発生する電界方向とを逆方向として、イン
ク室1aの容積を増加させてインクを供給し、次に駆動
電圧の印加を停止しインク室1aの容積を自然状態に減
少してインク室1aからインク滴を噴射してもよい。
【0034】このように、本実施例のインクジェットヘ
ッド40では、圧電セラミックス層2が複数積層されて
いるので、アクチュエータ部4の剛性が高い。このた
め、インク室1aからインクを噴射させるための駆動電
圧値を低くすることができる。従って、フレキシブルプ
リント基板42の接点電極43、45に接続される金属
電極62間の距離を従来より短くすることができる。よ
ってインクジェットヘッド40の小型化が可能で、ノズ
ル集積度を向上することができる。また、駆動回路のコ
ストが低減する。
【0035】また、全てのアクチュエータ部4が樹脂製
の保持部5によって一体化されているので、各アクチュ
エータ部4の位置決めを行なう必要が無い。
【0036】また、LSIチップ51に接続するフレキ
シブルプリント基板41と金属電極61、62との接続
をアクチュエータ部材30の上面30cで行なっている
ので、その接続が容易である。
【0037】また、アクチュエータ部4の端面30a側
の開口がノズル6となっているので、従来のようなノズ
ルが形成されたノズルプレートを必要とせず、そのため
の装置、工程が必要なく、製造コストを低減することが
できる。
【0038】また、インク室1の内面に露出した導電層
3aは、常に接地されているので、インクと導電層3a
とを絶縁するための絶縁層を設ける必要がなく、そのた
めの装置、工程が必要なく製造コストを低減することが
できる。
【0039】尚、請求項の電源回路は、LSIチップ5
1、クロックライン52、データライン53、電圧ライ
ン54及びアースライン55等から構成される。請求項
の第一電極は導電層3a、3cからなり、第二電極は導
電層3b、3dからなる。請求項の共通電極は金属電極
61であり、駆動電極は金属電極62である。
【0040】続いて、インクジェットヘッド40の製造
方法に付いて説明する。まず図6に示すように、所定の
寸法の複数の円筒21が所定間隔でニッケル製の導電性
基板11上に立ち並ぶ原盤10を作製する。前記円筒2
1がインク室1に対応している。例えば円筒21の数は
62本、円筒直径は40μm、高さは1mm、ピッチは
300μmで一列に並んでいる。尚、図6では、円筒2
1を3本のみ示す。
【0041】この原盤10の作製にはマイクロマシンで
よく用いられるリガプロセスを利用する。具体的には、
図7に示すように、まずニッケル製の導電性基板11の
上に1mm以上のエックス線用レジスト12を形成す
る。このエックス線用レジスト12は、感度や解像度の
良いポジ型レジストを複数回塗布して所定の厚みにす
る、或いはやや解像度が落ちるがフィルム状のレジスト
を熱圧着する等の方法により形成する。
【0042】続いて、マスク13を前記ポジレジスト1
2の形成された導電性基板11にコンタクトさせる。図
7では分かりやすいようにマスク13と導電性基板11
とを離して示す。ただしエックス線露光ではレジスト1
2とマスク13との密着性はさほど要求されない。また
マスク13は、エックス線を透過しない非透過部13a
とエックス線を透過する所定のパターン13bとからな
り、パターン13bは、直径40μmの円形で、一列に
62個配置されている(図では3個のみ示す)。そし
て、図7中上からシンクロトロン放射光(エックス線)
14をマスク13に照射する。レジスト12のパターン
13bに対応する部分(図中斜線で示した部分)のみ
が、シンクロトロン放射光14に照射される。
【0043】次に、アルカリ系の現像液にて現像を行う
と、エックス線14が照射された部分のレジスト12が
現像液に溶けて除去される。即ちレジスト12の膜厚が
高さである直径40μmの円筒孔が形成される。このよ
うに、高さ1mm以上もある高アスペクト比のレジスト
12に円筒孔が形成できるのはシンクロトロンエックス
線露光を用いたからである。この円筒孔を形成したレジ
スト12を型として、導電性基板11上のレジスト12
の円筒孔に対応する部分に、例えばニッケルを電解メッ
キにより約1mm程析出させる。そしてレジスト12を
有機溶剤等で除去すると、図6に示すような、ニッケル
で形成された複数の円筒21が導電性基板11上に立ち
並ぶ原盤10が作製される。
【0044】続いてアクチュエータ部材30の作製につ
いて説明する。まず原盤10の円筒21上にチタン製の
1μmの導電層3aを形成する。これは以下のように形
成する。図8(a)に示すように、円筒21の基端部及
び導電性基板11に対応する部分に遮蔽板32をセット
し、2方向(矢印15、16)からの蒸着により、図9
(a)に示すように円筒21上に導電層3aを形成す
る。蒸着は周知の方法なので詳細な説明は省くが、蒸着
源から、飛来する原子、分子を堆積させる方法であり、
直進性があるため、その方向に遮蔽をすることで比較的
簡単に成膜エリアを限定できる。
【0045】次に導電層3a上から円筒21に圧電セラ
ミックス層2aを作製する。具体的には、まず導電層3
a付き原盤10を4%のチタン酸ジルコン酸鉛(PZ
T)ゾルゲル液(高純度化学社製)の浴に浸す(この工
程をディップ工程という)。尚、少なくとも円筒21全
体をゾルゲル液に浸す。次に、毎分2mmの速度で引き
上げる。そして、クリーンな雰囲気で150℃、10分
間仮焼する。このような工程を経ると、膜厚0.3μm
程度の圧電セラミックス層しか形成できないので、約1
5μmになるまで前記ディップ工程、引き上げ工程、仮
焼き工程を繰り返す。すると、図9(b)に示すように
原盤10に圧電セラミックス層2aが形成される。また
ゾルゲル液は空気中の水分等に反応するため、浴全体を
閉鎖する必要がある。
【0046】次に図9(c)に示すように、圧電セラミ
ックス層2a上にチタン製の1μmの導電層3bを形成
する。これは以下のように形成する。図8(b)に示す
ように、円筒21の先端部及び導電性基板11に対応す
る部分に遮蔽板31、32をセットし、2方向(矢印1
5、16)からの蒸着により、導電層3bを形成する。
【0047】次に図9(d)に示すように圧電セラミッ
クス層2bを圧電セラミックス層2aと同様の方法で作
製する。続いて圧電セラミックス層2b上にチタン製の
1μmの導電層3cを導電層3aと同様にして作製し、
さらに圧電セラミックス層2cを圧電セラミックス層2
aと同様にして作製し、次に、圧電セラミックス層2c
上にチタン製の1μmの導電層3dを導電層3bと同様
にして作製する。
【0048】このように導電層3a、3b、3c、3d
及び圧電セラミックス層2a、2b、2cが作製された
原盤10を、約600℃で30分ほど本焼成をして、圧
電特性の優れた圧電セラミックス層2とする。
【0049】このようにして積層円筒を有するPZT構
造体33(図10)が作製される。エポキシ系等の樹脂
で複数の積層円筒を覆って、PZT構造体33をブロッ
ク状にする(図11)。前記樹脂が保持部5となる。そ
して、円筒21の先端部側のX−X線で切断し、円筒2
1の基端部側のY−Y線で切断する。X−X線切断面に
は導電層3a、3cが露出し、Y−Y線切断面には導電
層3b、3dが露出する。
【0050】次に、ニッケルからなる原盤10を塩化第
二鉄溶液によりウェットエッチングして溶出させる。す
ると、円筒21に対応する部分が中空となる。そして図
12に示すように、まず導電層3a、3cが露出した端
面全体にクロム、ニッケルの二層膜を矢印18の方向か
ら蒸着により形成する。続いて導電層3b、3dが露出
した端面全体に、クロム、ニッケルの二層膜を矢印19
の方向からの蒸着により形成する。この時インク室1の
内部で導電層3a及び3a露出側に形成したクロム、ニ
ッケルの二層膜と、続いて、3b露出側に形成するクロ
ム、ニッケルの二層膜とが短絡しないように、インク室
1よりわずかに大きく、導電層3b間距離(図12で
は、上の導電層3bと下の導電層3bとの間の距離)よ
りもわずかに小さい遮蔽板135を図12に示す位置関
係に設置して、矢印19の方向から蒸着を行い、導電層
3b露出側に形成する二層膜がインク室1に入り込まな
いようにする。その後、導電層3b、3dが露出した端
面側の前記二層膜をダイヤモンドブレードを用いて機械
的に分断して、図1に示す溝9を形成する。この分断さ
れた二層膜が金属電極62であり、導電層3a、3cが
露出した端面側の前記二層膜が金属電極61である。
【0051】そして、金属電極61を接地し、且つ全て
の金属電極62に高電圧を印加する。即ち、全ての導電
層3a、3cを接地し、且つ全ての導電層3b、3dに
高電圧を印加して、圧電セラミックス層2a、2b、2
cを矢印A、B、C方向に分極する。
【0052】このようにして作製されたアクチュエータ
部30に、上述したように端面30bにマニホールド部
材17が接合され、上面30cにフレキシブルプリント
基板41が接合されてインクジェットヘッド40が作製
される。
【0053】以上説明したようなインクジェットヘッド
40の製造方法では、アクチュエータ部4の積層された
圧電セラミックス層2をゾルゲル液によって形成してい
るので、圧電セラミックス層2の厚さを薄く形成するこ
とができる。このため、インク室1aからインクを噴射
させるための駆動電圧値を非常に低くすることができ
る。15μmの圧電セラミックス層2が3層のものはわ
ずか数ボルトでよい。従って、フレキシブルプリント基
板41の接点電極43に接続される金属電極62間の距
離を従来より短くすることができる。よってインクジェ
ットヘッド40の小型化が可能で、ノズル集積度を向上
することができる。また、駆動回路のコストが低減す
る。
【0054】また、インク室1の内面は、非常になめら
かな原盤10上に形成された導電層3aであるので、イ
ンク室1の内面は非常になめらかでエアーのたまる部分
が無く、安定噴射が可能となる。
【0055】また、ノズル6とインク室1とを同時に形
成することができるので、従来のようなノズルが形成さ
れたノズルプレートを必要とせず、そのための装置、工
程が必要なく、製造コストを低減することができる。
【0056】また、全てのアクチュエータ部4が樹脂製
の保持部5によって一体化されて製造されるので、各ア
クチュエータ部4の位置決めを行なう必要が無い。
【0057】また、LSIチップ51に接続するフレキ
シブルプリント基板41と金属電極61、62との接続
をアクチュエータ部材30の上面30cで行なっている
ので、その接続が容易である。
【0058】さらに、このインクジェットヘッドの製造
方法では、リソグラフィー技術により原盤10から作製
しているので、原盤10の作製時に使用されるマスク1
3のパターン13bのデザインによってインク室1の配
置、形状が決まる。マスク13は通常電子ビームで自由
自在に描画して造られるので、インク室配置の自由度が
非常に高い。製造工程を見ても、原盤10作製のための
リガ技術は半導体技術の延長であり、量産にたけてい
る。またメッキ、蒸着ともにすでに安定した技術であり
歩留まりも高い。なおゾルゲル液による圧電セラミック
ス層2の形成は、大量生産が可能である。さらには、圧
電セラミックス層2を所定の厚み形成することができ
る。
【0059】前記第一実施例では、アクチュエータ部材
30とマニホールド部材17とが別体であったが、一体
としてもよい。その例を第二実施例として図面を参照し
て以下に説明する。図12は、インクジェットヘッドの
構造斜視図である。インクジェットヘッド140は、ア
クチュエータ部材130と蓋部材117とフレキシブル
プリント基板141とから構成されている。アクチュー
タ部材130は、中空の円筒状の複数のアクチュエータ
部104と、複数のアクチュエータ部104を保持する
樹脂製の保持部105と、各筒状のアクチュエータ部1
04の中空部に連通したマニホールド122からなる。
【0060】図14に示すように、アクチュエータ部1
04は導電層103と圧電セラミックス層102とが交
互に複数積層されたものである。第二実施例では、導電
層103が4層積層され、圧電セラミックス層102が
3層積層されている。アクチュエータ部104には、複
数の円柱状の第一中空部と、各第一中空部に連通する第
二中空部とが形成されている。
【0061】第一、第二中空部に対応した部分の圧電セ
ラミックス層102aの内面に導電層103aが形成さ
れ、第一中空部に対応する外面に導電層103bが形成
され、その導電層103bの外側から圧電セラミックス
層102bが第一、第二中空部に対応する部分に形成さ
れ、圧電セラミックス層102bの外面の第一、第二中
空部に対応する部分に導電層103cが形成され、その
導電層103cの外側から圧電セラミックス層102c
が第一、第二中空部に対応する部分に形成され、圧電セ
ラミックス層102cの外面の第一中空部に対応する部
分に導電層103dが形成されている。導電層103
a、103cは端面130b側に露出し、且つ端面13
0a側に露出していない。また、導電層103b、10
3dは端面130a側に露出し、且つ端面130b側に
露出していない。
【0062】このため、導電層103a、103cはア
クチュータ部材130の端面130bに形成された金属
電極162に接続され、導電層103b、103dは端
面130aに形成された金属電極161に接続されてい
る。金属電極162は全てのアクチュエータ部104の
導電層103a、103cを共通に接続し、各金属電極
161は溝109によって分離されているので、各金属
電極162は各アクチュエータ部104に対応して形成
され、各アクチュエータ部104の導電層103b、1
03dに接続している。
【0063】圧電セラミックス層102a、102b、
102cの分極方向は、図4に示す第一実施例の圧電セ
ラミックス層2a、2b、2cの分極方向A、B、Cと
同一方向である。即ち圧電セラミックス層102aは導
電層103bから導電層103aへの方向に分極されて
おり、圧電セラミックス層102bは導電層103bか
ら導電層103cへの方向に分極されおり、圧電セラミ
ックス層102cは導電層103dから導電層103c
への方向に分極されている。
【0064】そして、アクチュエータ部104の前記第
一中空部はインクが充填されるインク室1となり、アク
チュエータ部材130の対向する端面130aに開口し
ている。端面130a側の開口部は、インクが噴射され
るノズル106である。またアクチュエータ部104の
第二中空部はマニホールド122となる。
【0065】図13に示すように、蓋部材117がアク
チュエータ部材130の端面130bに接着されてマニ
ホールド122が被覆される。蓋部材117には、図示
しないインクタンクに連通されるインク供給口123が
形成されており、マニホールド122に前記インクタン
クからインク供給口123を介してインクが供給され
る。
【0066】フレキシブルプリント基板141は、アク
チュエータ部材130の面130c(図13では上面)
に接着される。そのフレキシブルプリント基板141に
は、接点電極143、144が形成されており、各接点
電極144は各金属電極161に対応して配置され、接
点電極143は金属電極162に対応して配置されてい
る。各接点電極141は各パターン142に接続され、
接点電極143はパターン145に接続されている。
【0067】それぞれのパターン142、145は、図
15に示すように、LSIチップ151に接続されてお
り、クロックライン152、データライン153、電圧
ライン154及びアースライン155もLSIチップ1
51に接続されている。LSIチップ151は、クロッ
クライン152から供給された連続するクロックパルス
に基づいて、データライン153上に現れるデータか
ら、どのノズル106からインク滴の噴射を行うべきか
を判断し、駆動するインク室101に対応する金属電極
131に導通するパターン142に電圧ライン154の
電圧Vを印加する。また、駆動するインク室101以外
の金属電極161に導通するパターン142及び金属電
極162に導通するパターン145をアースライン15
5に接続する。
【0068】このインクジェットヘッド140の駆動
は、第一実施例と同様に、インク室1に対応する部分の
圧電セラミックス層102a、102b、102cが変
形して行なわれる(図4、5参照)。
【0069】続いて、インクジェットヘッド140の製
造方法に付いて説明する。まず第一実施例と同様にし
て、図6に示す複数の円筒21が導電性基板11上に立
ち並ぶ原盤10を作製する。
【0070】続いて原盤10の円筒21及び導電性基板
11上にチタン製の1μmの導電層103aを形成す
る。これは以下のように形成する。図16(a)に示す
ように、円筒21の先端部に対応する部分に遮蔽板13
2をセットし、2方向(矢印15、16)からの蒸着に
より、図17(a)に示すように、先端を除く円筒21
及び導電性基板11上に導電層103aを形成する。
【0071】次に導電層103a上から円筒21及び導
電性基板11に圧電セラミックス層102aを、図17
(b)のように第一実施例と同様な方法で作製する。
【0072】次に図17(c)に示すように圧電セラミ
ックス層102a上の円筒21部分にチタン製の1μm
の導電層103bを形成する。これは以下のように形成
する。図16(b)に示すように、円筒21の基端部及
び導電性基板11に対応する部分に遮蔽板132をセッ
トし、2方向(矢印15、16)からの蒸着により、導
電層103bを形成する。
【0073】次に図17(d)に示すように圧電セラミ
ックス層102bを圧電セラミックス層102aと同様
に作製する。続いて圧電セラミックス層102b上にチ
タン製の1μmの導電層103cを導電層103aと同
様に作製し、さらに圧電セラミックス層102cを圧電
セラミックス層102aと同様に作製し、次に、圧電セ
ラミックス層102c上にチタン製の1μmの導電層1
03dを導電層103bと同様に作製する。
【0074】このように導電層103a、103b、1
03c、103d及び圧電セラミックス層102a、1
02b、102cが作製された原盤10を、約600℃
で30分ほど本焼成をして、圧電特性の優れた圧電セラ
ミックス層102とする。
【0075】このようにして積層円筒を有するPZT構
造体133(図18)ができる。エポキシ系等の樹脂で
複数の積層円筒を覆って、PZT構造体133をブロッ
ク状にする(図19)。前記樹脂が保持部105とな
る。そして、円筒21の先端部側のX−X線で切断し、
導電性基板11側のZ−Z線で切断する。X−X線切断
面には導電層103b、103dが露出し、Z−Z線切
断面には導電層103a、103cが露出している。
【0076】次に、ニッケルからなる原盤10を塩化第
二鉄溶液によりウェットエッチングして溶出させる。す
ると、円筒21及び導電性基板11に対応する部分が中
空となる。そして図20に示すように、まず導電層10
3a、103cが露出した端面全体にクロム、ニッケル
の二層膜を矢印19の方向から蒸着により形成する。続
いて導電層103b、103dが露出した端面全体に、
クロム、ニッケルの二層膜を矢印18の方向から蒸着に
より形成する。この時インク室1の内部で導電層103
a及び103a露出側に形成したクロム、ニッケルの二
層膜と、導電層103b露出側に形成するクロム、ニッ
ケルの二層膜とが短絡しないように、インク室1よりわ
ずかに大きく、導電層103b間距離(図20では、上
の導電層103bと下の導電層103bとの間の距離)
よりもわずかに小さい遮蔽板136を図20に示す位置
関係に設置して、矢印18の方向から蒸着を行い、導電
層103b露出側に形成する二層膜がインク室1に入り
込まないようにする。その後、導電層103b、103
dが露出した端面側の前記二層膜をダイヤモンドブレー
ドを用いて機械的に分断して、図13に示す溝109を
形成する。この分断された二層膜が金属電極161であ
り、導電層103a、103cが露出した端面側の前記
二層膜が金属電極162である。
【0077】そして、金属電極162を接地し、且つ全
ての金属電極161に高電圧を印加する。即ち、全ての
導電層103a、103cを接地し、且つ全ての導電層
103b、103dに高電圧を印加して、圧電セラミッ
クス層102a、102b、102cを分極する。
【0078】このようにして作製されたアクチュエータ
部130に、上述したように端面130bに蓋部材11
7を接合し、上面130cにフレキシブルプリント基板
141を接合してインクジェットヘッド140が作製さ
れる。
【0079】以上説明した第二実施例のインクジェット
ヘッド140の製造方法においても、第一実施例と同様
の効果を奏し、さらに、マニホールド122とインク室
101とが同時に形成されるので、マニホールド122
とインク室101との間で接着部分か無い。このため、
マニホールド122とインク室101との位置決めが容
易であり、マニホールド122とインク室101との間
でインク漏れが起こることがない。
【0080】尚、前記第一、第二実施例では、アクチュ
エータ部4、104の形状が円筒状であったが、円でな
くて多角形の筒状であってもよい。
【0081】また、前記第一、第二実施例では、インク
室1、101の開口端がノズル6、106であったが、
複数のノズルが形成されたノズルプレートを開口端に接
合してもよい。更に、複数のインク室、例えば2つのイ
ンク室に1つのノズルが連通するようなノズルプレート
であってもよい。
【0082】更に、前記第一、第二実施例では、インク
室1、101の形状が円柱状であったが、ノズルとなる
部分に形状を漏斗状としたり、テーパ状としたりしても
よい。
【0083】また、前記第一、第二実施例では、導電層
3を形成するときに2方向(矢印15、16)からの蒸
着であったが、3方向以上の蒸着であってもよし、1方
向からの蒸着で原盤の裏返すことによって所定の位置に
導電層を形成してもよい。
【0084】更に、前記第一、第二実施例では、圧電セ
ラミックス層2が3層積層されていたが、圧電セラミッ
クス層2の積層数はいくつであってもよい。
【0085】更に、前記第一、第二実施例では、原盤1
0はニッケルで形成されていたが、クロムでもよい。
【0086】また、前記第一、第二実施例では、全ての
インク室1、101に共通の金属電極61、162を接
地し、各インク室1、101に対応する金属電極62、
161に電圧を印加するか接地するかを選択することに
よってインクを噴射するか否かを選択していたが、LS
Iチップの構造を変えて、金属電極61、162に電圧
を印加して、金属電極62、161を接地するか高イン
ピーダンス状態にするかの選択によってインクを噴射す
るか否かを選択してもよい。
【0087】また、前記第二実施例では、アクチュエー
タ部材130とインク供給口123を有する蓋部材11
7とを別体に設けていたが、アクチュエータ部材にイン
ク供給口を一体に設けることもできる。このようにすれ
ば、蓋部材117が必要なく、コストが低減する。
【0088】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明のインク噴射装置の製造方法によれば、第二工程
で、前記原盤の少なくとも筒状部に圧電セラミックスの
ゾルゲル液によって圧電セラミックス層が形成されるの
で、圧電セラミックス層を非常に薄く形成することがで
きる。このため、インク室からインクを噴射させるため
の駆動電圧値を低くすることができる。従って、電極の
電源回路に接続する部分間の距離を従来より短くするこ
とができる。よってインク噴射装置の小型化が可能で、
ノズル集積度を向上することができる。また、駆動回路
のコストが低減する。
【0089】また、第三工程で、前記圧電セラミックス
層の複数の筒状部が一体化され、第四工程で前記原盤が
溶融さて、前記原盤の筒状部に対応する部分が中空部と
されて、前記インク室が形成されると共に、前記圧電セ
ラミックス層を含む複数の前記アクチュエータ部が作製
されるので、インク室を有する複数のアクチュエータ部
が一体となって作製される。このため、複数のアクチュ
エータ部の個々の位置決めが不要であり、製造が容易で
ある。
【0090】また、原盤を所望の形状に形成すれば、イ
ンクが流れ流路をインクが流れ易い形状にすることがで
きるので、エアーをトラップすることの無いインク噴射
装置を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例のインクジェットヘッドを
示す斜視図である。
【図2】前記第一実施例のアクチュエータ部材の断面図
である。
【図3】前記第一実施例の制御部を示すブロック図であ
る。
【図4】前記第一実施例のインクジェットヘッドの断面
図である。
【図5】前記第一実施例のインクジェットヘッドの動作
を示す説明図である。
【図6】前記第一実施例のアクチュエータ部材を作製す
るための原盤を示す斜視図である。
【図7】前記第の実施例の原盤を作製する工程を示す説
明図である。
【図8】前記第一実施例のアクチュエータ部材の導電層
を形成する工程を示す説明図である。
【図9】前記第一実施例のアクチュエータ部材の導電層
及び圧電セラミックス層が積層されていく工程を示す説
明図である。
【図10】前記第一実施例のPZT構造体を示す断面図
である。
【図11】前記第一実施例のアクチュエータ部材の製造
工程を示す説明図である。
【図12】前記第一実施例のアクチュエータ部材の端面
に金属電極を形成する工程を示す説明図である。
【図13】本発明の第二実施例のインクジェットヘッド
を示す斜視図である。
【図14】前記第二実施例のアクチュエータ部材の断面
図である。
【図15】前記第二実施例の制御部を示すブロック図で
ある。
【図16】前記第二実施例のアクチュエータ部材の導電
層を形成する工程を示す説明図である。
【図17】前記第二実施例のアクチュエータ部材の導電
層及び圧電セラミックス層が積層されていく工程を示す
説明図である。
【図18】前記第二実施例のPZT構造体を示す断面図
である。
【図19】前記第二実施例のアクチュエータ部材の製造
工程を示す説明図である。
【図20】前記第二実施例のアクチュエータ部材の端面
に金属電極を形成する工程を示す説明図である。
【図21】従来例のインクジェットヘッドを示す斜視図
である。
【図22】従来例のインクジェットヘッドを示す断面図
である。
【符号の説明】
1,101 インク室 2,102 圧電セラミックス層 3,103 導電層 4,104 アクチュエータ部 5,105 保持部 6,106 ノズル 10 原盤 11 導電性基板 17 マニホールド部材 21 円筒 22,122 マニホールド 33,133 PZT構造体 40,140 インクジェットヘッド 41,141 フレキシブルプリント基板 43,143 接点電極 44,144 接点電極 61,161 金属電極 62,162 金属電極

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク供給源からインクが供給される複
    数のインク室と、電極に電圧が印加されることによって
    前記インク室内の容積を変化させてインクを噴射させる
    アクチュエータ部とを有するインク噴射装置の製造方法
    において、 複数の筒状部を有する原盤を作製する第一工程と、 前記原盤の少なくとも筒状部を、圧電セラミックスのゾ
    ルゲル液に付着させて圧電セラミックス層を形成する第
    二工程と、 前記圧電セラミックス層の複数の筒状部を一体化する第
    三工程と、 前記原盤を溶融して、前記原盤の筒状部に対応する部分
    を中空部として、前記インク室を形成すると共に、前記
    圧電セラミックス層を含む複数の前記アクチュエータ部
    を作製する第四工程とからなることを特徴とするインク
    噴射装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 インク噴射装置が、前記各インク室に連
    通し、インク供給源からインクが供給されるマニホール
    ドを有し、前記第一工程で、複数の筒状部と、それら筒
    状部を支持する支持部を有する原盤を作製し、前記第二
    工程で、圧電セラミックス層を前記原盤の筒状部及び支
    持部に形成し、前記第四工程で、前記原盤を溶融して、
    前記原盤の筒状部及び支持部に対応する部分を中空部と
    して、前記インク室及び前記マニホールドを形成すると
    共に、前記圧電セラミックス層を含む複数の前記アクチ
    ュエータ部を作製することを特徴とする請求項1記載の
    インク噴射装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第一工程と前記第二工程の間におい
    て、前記原盤の少なくとも筒状部に導電層を形成し、前
    記第二工程と前記第三工程との間において、前記圧電セ
    ラミックス層上に導電層を形成し、前記第四工程で前記
    原盤を溶融して、前記原盤の筒状部に対応する部分を中
    空部として、前記インク室を形成すると共に、前記導電
    層及び前記圧電セラミックス層からなる前記アクチュエ
    ータ部を作製することを特徴とする請求項1または2記
    載のインク噴射装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記圧電セラミックス層及び前記導電層
    を複数積層させる工程を有することを特徴とする請求項
    3記載のインク噴射装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第一工程と前記第二工程との間にお
    いて形成された前記導電層は、前記一体化されたアクチ
    ュエータ部の外面の一部に露出され、前記第二工程と前
    記第三工程との間において形成された導電層は、前記一
    体化されたアクチュエータ部の外面の前記一部と異なる
    他の一部に露出され、前記一部もしくは前記他の一部に
    全てのアクチュエータ部の導電層を接続する共通電極が
    形成され、前記他の一部もしくは前記一部に駆動電極が
    各アクチュエータ部に対応して形成されることを特徴と
    する請求項3記載のインク噴射装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記一体化されたアクチュエータ部の外
    面の前記一部は、前記一体化されたアクチュエータ部の
    一端面であり、前記一体化されたアクチュエータ部の外
    面の前記他の一部は、前記一体化されたアクチュエータ
    部の他端面であることを特徴とする請求項5記載のイン
    ク噴射装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第三工程で前記圧電セラミックス層
    の複数の筒状部を一体化する材料は、ロックウエル硬度
    がM−60〜M−130であることを特徴とする請求項
    1記載のインク噴射装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記原盤の一部にインクが噴射されるノ
    ズルに対応する部分が形成され、前記ノズルが前記アク
    チュエータ部に一体に形成されることを特徴とする請求
    項1記載のインク噴射装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記原盤の前記ノズルに対応する部分が
    形状は、前記筒状部と異なる形状であることを特徴とす
    る請求項8記載のインク噴射装置の製造方法。
JP6033695A 1995-03-09 1995-03-20 インク噴射装置の製造方法 Pending JPH08258273A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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