JPH0825817A - 記録材、その製造方法、記録方法及び記録装置 - Google Patents

記録材、その製造方法、記録方法及び記録装置

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JPH0825817A
JPH0825817A JP18536894A JP18536894A JPH0825817A JP H0825817 A JPH0825817 A JP H0825817A JP 18536894 A JP18536894 A JP 18536894A JP 18536894 A JP18536894 A JP 18536894A JP H0825817 A JPH0825817 A JP H0825817A
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JP
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JP18536894A
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English (en)
Inventor
Eiki Hirano
栄樹 平野
Kenji Shinozaki
研二 篠崎
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Priority to EP95111023A priority patent/EP0692390B1/en
Priority to DE69501646T priority patent/DE69501646T2/de
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/26Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
    • B41M5/382Contact thermal transfer or sublimation processes
    • B41M5/385Contact thermal transfer or sublimation processes characterised by the transferable dyes or pigments

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Electronic Switches (AREA)
  • Laser Beam Printer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 被記録体(印画紙50)へ移行してこの被記録
体に所定の記録を行うのに供される記録材(染料22)に
おいて、前記記録後に前記被記録体へ移行しないで残る
残留不純物の含有率を2重量%未満としたこと。 【効果】 記録に際してヘッド上に生成する残留不純物
(残留固形分)の発生を防止することができ、その残留
不純物による影響を回避し、感度、階調再現性に優れ、
高品質の記録を常に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録材、その製造方
法、記録方法及び記録装置(特にレーザビームプリン
タ)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラ、テレビジョン、コ
ンピュータグラフィクス等の画像記録において、モノカ
ラーの記録は勿論のこと、ハードコピーのカラー化に対
するニーズが高まっている。これに対応して、色々な方
式のプリンタが開発され、様々な分野に展開している。
【0003】これらの記録方式の中で、適当なバインダ
樹脂中に高濃度の転写染料が分散してなるインク層が塗
布されたインクシートと、転写された染料を受容する染
着樹脂がコーティングされた印画紙等の被転写体とを一
定の圧力で密着させ、インクシート上に位置する感熱記
録ヘッドから画像情報に応じた熱を加え、この加熱に応
じてインクシートから染料受容層に転写染料を熱転写さ
せる方式がある。
【0004】上記の操作を例えば、減法混色の三原色で
あるイエロー、マゼンタ、シアンに分解された画像信号
についてそれぞれ繰り返すことによって、フルカラー画
像を得るようにしたいわゆる熱転写方式は、小型化、保
守が容易で、即時性を備え、銀塩カラー写真並の高品位
な画像を得る優れた技術として注目を集めてはいる。
【0005】図10は、こうした熱転写方式のプリンタの
要部の概略正面図である。このプリンタによれば、感熱
記録ヘッド(以下、サーマルヘッドと称する。)1とプ
ラテンローラ3とが対向し、これらの間に、ベースフィ
ルム12b上にインク層12aを設けたインクシート12と、
紙20b上に染着樹脂層(染料受容層)20aを設けた被記
録紙(被転写体)20とが挟着された状態で、プラテンロ
ーラ3によってサーマルヘッド1に押し付けられる。
【0006】そして、サーマルヘッド1によって選択的
に加熱されたインク層12a中のインク(転写染料)が、
被転写体20の染着樹脂層20aにドット状に転写され、熱
転写記録が遂行される。このような熱転写記録には、一
般に、長手状のサーマルヘッドを被記録紙走行方向に直
交させて固定して配したライン方式や、サーマルヘッド
を記録紙走行方向に直交する方向に往復動させるシリア
ル方式が採用されている。
【0007】本出願人は、こうした熱転写記録方式の利
点を生かしつつ、廃棄物及び転写エネルギーを低減し、
プリンタを小型、軽量化するために、図11に示すような
非接触方式の染料気化型レーザビームプリンタ(LB
P)を既に提案した。
【0008】この記録方式によれば、熱溶融性の染料層
22を気化部17に有する記録ヘッド(プリンタヘッド)10
と、気化した(或いは昇華した)染料を受容する受容層
50aを持つ被記録体(印画紙)50との間に1μm〜1mm
の範囲の微小空隙11を設けている。
【0009】そして、レーザ光Lの照射によって、記録
ヘッド10の気化部17の染料収容部37に収容した液化染料
22をその沸点近傍まで選択的に加熱して気化させ、気化
染料32を空隙11内で飛翔させて、気化穴23から被記録体
である印画紙50上に転写し、連続的な階調を持つ画像を
得る。この操作を減法混色の三原色であるイエロー、マ
ゼンタ、シアンに分解された画像信号についてそれぞれ
繰り返すことによって、フルカラー化を達成できる。
【0010】なお、この記録方式では、印画紙50を記録
ヘッド10に対して例えば上方側で対向させ、気化部17の
上面付近に、レーザ18から出射されてレンズ19で集光さ
れたレーザ光Lを照射して気化染料32を上方に飛翔若し
くは移行させるのがよい。この場合、転写染料が加熱手
段により空隙11を移動するためには、気化現象の他に、
高出力レーザが照射された時にしばしば見られ、染料分
子の結合が効率よく切断されてそのエネルギーを利用し
て非常に大きい速度でエッチングされる現象や、沸騰や
爆発により発生したガスのエネルギーを利用して非常に
大きい速度でエッチングされる現象も利用できる(こう
した気化機構以外の転写機構をアブレーションと称す
る:以下、同様)。
【0011】また、レーザ光透過性のあるヘッドベース
14に染料溜め15を設け、ヘッドベース14上に固定したス
ペーサ28との間に液化染料22を収容し、ここから染料通
路27を経て気化部17に液化染料22を供給する。この場
合、気化部17への染料の供給効率及び気化効率の向上の
ために、毛細管現象を利用して染料の供給及び保持を行
う小円柱体21からなる微小凹凸を気化部17に設けてい
る。
【0012】そして、上記の空隙11を保持し、X方向に
移動する印画紙50をガイドするために、スペーサ28上に
保護板29を固定している。この保護板29には、上記の染
料の液化状態を保持するためのヒータ16が埋設されてい
るが、こうしたヒータは染料収容部(上記の通路17及び
染料溜め15)内に配設することができる。
【0013】また、このプリンタヘッドを含むプリンタ
全体は、例えばフルカラー用としてイエロー、マゼン
タ、シアンの各染料溜め15Y、15M、15Cをそれぞれ共
通のベース14に設け、そこから各色の染料を12〜24個の
多数のドットを形成する列状の気化部17Y、17M、17C
に供給する。
【0014】各気化部に対しては、対応するレーザ(特
に半導体レーザチップ)18を各12〜24個アレイ状に配し
たマルチレーザアレイ30から出射される各レーザ光を多
数の集光レンズ19を配したマイクロレンズアレイ31によ
ってそれぞれ集光する。
【0015】上記したように、この染料気化型レーザビ
ームプリンタによれば、記録に消費される染料について
は、その失われた分だけを染料溜めから溶融状態で気化
部へ自発的若しくは強制的に流すことにより、或いは、
適当な基体上に連続的に塗布され、その基体が転写部に
移動することにより、気化部へ連続的に供給することが
できる。これは、染料がバインダ樹脂を殆ど含有しない
ために、可能となる。従って、記録に関与する気化部
は、繰り返して多数回使用できるので、上述した熱転写
方式においてはインクシートが1回限りの使い捨てであ
るのに対し、省資源及び環境保護の面で有利である。
【0016】また、気化型又はアブレーション型である
ために、染料層と被記録体(印画紙)とが接触しないで
記録を行え、従って、2回目以降のプリント時に上述し
た熱転写方式でみられるような染料の逆転写、混色は生
じることがないと共に、加熱部分は気化部を含むヘッド
のみとなり、上述した熱転写方式に比べて著しく消費電
力が低減する。同時に、染料の供給に上述したインクシ
ートではなく小体積の染料溜めを使用するために、プリ
ンタを小型、軽量化できる。
【0017】また、この記録方式は、染料の気化又は昇
華を利用したものであるために、上述の熱転写方式のよ
うに被記録体の染料受容層を加熱する必要がなく、イン
クシートと被記録体とを高い圧力で押し付ける必要もな
く、この点でもプリンタの小型化、軽量化に有利であ
る。そして、気化部の染料層と被記録体とが接触しない
ために、それらの間で熱融着が起こり得ないだけではな
く、染料と受容層樹脂の相溶性が小さくても記録可能で
ある。従って、染料及び受容層樹脂の設計、選択の幅が
著しく広がる。
【0018】また、染料の気化(或いは昇華)のための
熱エネルギー供給源として、光源に半導体レーザ18を用
いることを基本としているが、半導体レーザは電力から
光への変換効率が高く、その上、指向性、集光性に優れ
ているので、染料の熱エネルギー伝達効率も非常に高
い。従って、従来方式(上記のサーマルヘッドによる熱
転写やインクジェット)に比べてトータルのエネルギー
利用効率が格段に高くなり、小型化や省電力化に有利に
なるという特徴も有する。
【0019】さらに、従来のインクジェット方式のカラ
ープリンタでは、階調表現が難しいが、半導体レーザは
出力パワーやパルス幅等の制御が容易であるため、上記
の記録方式では簡単に多階調表現が実現できる。即ち、
カラービデオカメラ等で作り出された電気的な画像を半
導体レーザによって画像信号に応じた染料転写に変換
し、銀塩写真に匹敵する少なくとも1色当たり 128階調
を持つフルカラー画像を形成することができる。
【0020】なお、この染料気化型の記録方法に適した
転写体としてのヘッド10は、転写時に瞬間的に加わる熱
量に対して十分耐える性質と、気化部(転写部)へ毛細
管現象により自発的に液状の染料を供給するための表面
積が大きくかつ転写時にも強固に染料を保持することの
できる例えば数μmサイズの小円柱体21が配置された構
造とを有することが好ましい。また、適当な保温装置を
設けることによって、融点が室温以上である染料又は染
料混合物の使用も可能になる。
【0021】また、この記録方法に適した転写染料は、
適当な気化速度又はアブレーション速度を有し、単独若
しくは混合状態で 200℃以下において流動状態を示し、
かつ必要十分な耐熱性を具備していれば、どのような染
料でもよい。具体的には、分散染料、油溶性染料、塩基
性染料、酸性染料などが挙げられる。特に、アブレーシ
ョン機構が気化機構よりも優位を占める場合は、直接染
料のように分子量が大きくて気化速度が小さい染料や、
カーボンブラックや顔料でさえも転写は可能である。融
点が室温以上にある染料でも、染料同士を混合すること
により、或いは染料と揮発性の低分子量物質を混合する
ことにより、融点は低下する。
【0022】また、この記録方法に適した印画紙は、転
写染料と適当な相溶性を有し、転写染料を容易に受容し
て染料本来の発色を促進し、かつ染料を固定する作用が
あれば、どのような印画紙でもよい。例えば、分散染料
に対しては、分散染料と相溶性の良いポリエステル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂等を表面にコ
ートした紙などが好ましい。印画紙に転写された染料の
定着は、転写後の画像を加温して、表面の転写染料を受
容層内部に浸透させる方式によって行うことも可能であ
る。
【0023】染料転写方式の加熱手段は、大別して、熱
ヘッドによる方法と、レーザ光の波長領域を含む波長領
域に吸収を示し、光エネルギーを熱エネルギーに変換す
る材料(光熱変換体)とレーザ光とを組み合わせる方法
とが挙げられる。
【0024】レーザ光を使用する場合には、解像度が著
しく向上すると共に、レーザ光密度を光学系で大きくす
ることにより集中的な加熱が可能となり、到達温度が上
がり、この結果、熱効率が向上するという特徴がある。
特に、マルチレーザを使用することによって、1画面を
転写する時間は大幅に短縮される。
【0025】但し、光熱変換体は、連続的にレーザ光の
光エネルギーを吸収するために耐熱性を十分に満足する
ものでなければならない。従って、この方式に用いる光
熱変換体としては、レーザの発光波長に一致する吸収を
示す金属薄膜、金属薄膜と高誘電率を持つセラミック薄
膜との2層膜等の薄膜系光吸収体を直接転写部に設ける
他に、カーボンブラック、金属微粒子等の微粒子系光吸
収体や、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色
素、シアニン系色素、アントラキノン系色素等の有機系
色素又は有機金属系色素等の如く耐熱性に優れた材料又
は顔料を転写染料に均一に分散して使用してもよい。
【0026】本発明者は、上記の染料気化型の記録方法
で熱転写を行う時に、転写色剤である記録材に、染料成
分及び必要添加物(酸化防止剤、ラジカル禁止剤、赤外
吸収剤、可塑剤又は融点低下剤等)以外の不純物が含ま
れる場合、こうした不純物は気化又はアブレートせず、
転写体の転写部に固形分として残留することがあり、こ
のような固形分は転写体の目詰まりを引起し、感度低
下、階調再現性の低下がみられ、高品質の画像が得られ
なくなる場合があることを見出した。
【0027】こうした固形分を採取し、分析した結果、
この残留固形分は、染料又は必要添加物の熱分解物、
染料又は必要添加物以外の物質の熱分解物、染料又
は必要添加物以外の不揮発性物質であることが判明し
た。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した熱転写の特長を生かしながら、転写されないで残留
する不純物による影響を回避し、感度、階調再現性に優
れ、高品質の記録を常に得ることのできる記録材と、そ
の製造方法、更にはその記録材を用いる記録方法及び記
録装置を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した記
録方法において、ヘッド上に生成する残留不純物(残留
固形分)の発生を防止するためには、記録材中の不純物
の濃度を低減すればよく、具体的には、記録材に含まれ
る染料成分及び必要添加物(これは、上記した赤外線吸
収剤等である。)以外の不純物の量を適当な精製手段に
より十分低減し、この不純物の濃度を記録材に対して2
重量%未満にすると、固形分の生成速度は著しく抑制さ
れることをつき止め、本発明に到達した。
【0030】即ち、本発明は、被記録体へ移行してこの
被記録体に所定の記録を行うのに供され、前記記録後に
前記被記録体へ移行しないで残る残留不純物を2重量%
未満含有している記録材に係るものである。
【0031】本発明において、記録材中の残留不純物量
は2重量%未満とすべきであるが、記録材には通常、不
純物として気化するものも含めて5重量%以下の不純物
が含まれていることが望ましく、このうち全不純物量の
20%程度以下を上記した気化しない残留不純物が占める
ため、本発明の目的を一層効果的に達成するには記録材
中の残留不純物量を1重量%以下とすることが望まし
い。
【0032】本発明による記録材に含まれる上記の残留
不純物(残留固形分)は、ほぼ全て転写染料中の不純物
に起因し、具体的には次の通りである。
【0033】(1) 転写染料中にNaCl、Na2
3 、MgCl2 等の無機塩類又は有機金属塩類(これ
は、塩析で染料を作成するときにイオンとして混入し易
い。)が存在すると、転写染料の熱分解反応の触媒とし
て作用し、転写染料の分解生成物が気化部に堆積して更
に加熱されて炭化物となり、気化部に残留する。
【0034】(2) 転写染料中に 400℃以上でも揮発しな
い不純物(これは、染料作成時の染料中間体として生じ
易い。)が存在すると、一般に 400℃以下で気化又はア
ブレーションする染料が転写された後に不純物は残留
し、固形分となる。
【0035】(3) 転写染料中に 300℃以下で大きな速度
で分解する不純物(これは、染料作成過程で 300〜400
℃で窒素化合物が分解して生じるオリゴマーや窒素酸化
物等として混入し易い。)が存在すると、不純物の熱分
解物が気化部に堆積して更に加熱され、炭化物となり、
気化部に残留する。
【0036】特に不純物として含まれる上記の無機塩類
及び/又は有機金属塩類は触媒として作用するために、
記録材に対するその含有量は 0.5重量%以下(更には
0.2重量%以下)とすれば、著しく熱分解反応速度は低
くなる。
【0037】また、上記の不揮発性物質は、転写染料に
対する含有量が1重量%以下であると、記録材と同時に
被記録体へ転写されることが判明した。この不揮発性物
質の定量的な評価は、示差熱天秤法が適当であり、不純
物10mgを示差熱天秤で10K/分の速度で昇温する時に 4
00℃における重量減少が1mg以下である物質は、転写時
に残留固形分としてヘッドに堆積し、不揮発性物質とす
る。
【0038】さらに、上記の低温分解性物質は、記録材
に対する含有量が1重量%以下であると、熱分解物も記
録材と同時に被記録体に転写されることが判明した。こ
の低温分解性物質の定量的な評価は、示差熱天秤法が適
当であり、不純物10mgを示差熱天秤で10K/分の速度で
昇温する時に 300℃以下で1mg以上の重量が減少し、か
つ重量減少に伴う発熱が生じる物質は、転写時に残留固
形分としてヘッドに堆積し、低温分解性物質とする。
【0039】本発明による記録材は、被記録体に対して
間隙を置いて対向し、記録情報に応じて与えられた熱量
による気化又はアブレーションで前記間隙を通して前記
被記録体へ飛翔する例えば液状の記録材であって、残留
不純物が染料成分及び必要添加物以外の物質からなって
いることが望ましい。
【0040】また、本発明は、本発明による記録材を得
る製造方法として、合成された粗記録材を、カラムクロ
マトグラフィー法、蒸留法、昇華精製法、溶媒抽出法、
帯融解法、再結晶法、限外濾過法又は逆浸透法、或いは
これらの方法の2種以上の組み合わせによって精製し、
合成された粗記録材に含有される上記の残留不純物(残
留固形分)を2重量%未満となるまで除去する方法(即
ち、精製方法)を提供するものである。
【0041】こうして精製した記録材の純度の判定は、
NMR法、IR法、ガスクロマトグラム法、質量分析
法、TLC法などの一般的な化学分析手段によって行う
ことが適当である。
【0042】また、本発明は、本発明による記録材を記
録情報に応じて加熱し、被記録体へ移行させるようにし
た記録方法を提供するものである。
【0043】この記録方法では、被記録体に対して間隙
を置いて液状の記録材を対向させ、この記録材を気化又
はアブレーションで前記被記録体へ飛翔させることが望
ましい。
【0044】また、記録材をレーザ光の照射によって加
熱したり、例えば液状の記録材を気化又はアブレーショ
ン部に連続的に供給することが望ましい。こうして、濃
度階調性を有する画像を被記録体に形成することができ
る。
【0045】更に、本発明は、本発明による記録材を収
容する記録材収容部を有し、本発明による記録方法を実
施する記録装置も提供するものである。
【0046】この場合、記録装置はヘッドとして構成さ
れてもよいし、ヘッドを組み込み、記録材収容部に対し
て被記録体を対向させる被記録体支持手段と、記録材を
加熱して前記被記録体へ移行させるための加熱手段とを
更に有するプリンタとして構成することもできる。
【0047】なお、本発明は、間隙を通して前記被記録
体に移行(特に飛翔)させるように構成された、上述の
非接触方式の染料気化型プリンタ用の記録ヘッドに好適
である。但し、既述した接触方式の熱転写プリンタ用の
記録ヘッド(サーマルヘッド等)にも適用可能である。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明が以下の実施例のみに限定されるもので
ないことは勿論である。
【0049】まず、図2〜図5について、本実施例によ
る非接触方式の染料気化型レーザビームプリンタ(例え
ばシリアル型ヘッドを有するビデオプリンタ)の概略的
構成を説明する。
【0050】この染料気化型レーザビームプリンタ(上
述した熱転写方式のプリンタでも同様)において、多色
印刷を行うために、プリンタヘッド部を例えば3組(黒
色用のものを別に用意する場合は4組)用意し、それぞ
れのヘッド部を小型化して近接させ、多色印刷用のヘッ
ド部としている。
【0051】即ち、図3に示すように、各色用の1次元
レーザアレイを3個分、ヘッドのスキャン方向Yに並設
する。具体的には、図2に明示するように、例えばフル
カラー用としてシアン、マゼンタ、イエローの各染料溜
め15C、15M、15Yをそれぞれのベース14に設けて各染
料収容部又は染料供給ヘッド部37C、37M、37Yを構成
し、そこから各色の染料を12〜24個の多数のドットを形
成する列状の気化部17C、17M、17Yに供給する。
【0052】各気化部に対しては、対応するレーザ(特
に半導体レーザチップ)18を各12〜24個アレイ状に配し
たマルチレーザアレイ30から出射される各レーザ光を多
数の集光レンズ19を配したマイクロレンズアレイ31によ
ってそれぞれ集光する(36はレーザ光Lを直角方向に導
くためのミラー)。
【0053】集光レンズとしては、図示したレンズ系で
もよいが、仮想線で示す1枚の径大の集光レンズ38を使
用してよい。このレンズ38は、光入射位置に応じて光出
射位置が上記の各気化部17C、17M、17Yに相当するよ
うに屈折経路が変化するように形成されたものである。
なお、マルチレーザアレイ30は、基板33に設けたコント
ロールIC34によって駆動制御し、またヒートシンク35
によって十分に放熱できるようになっている。
【0054】なお、モノカラー印刷の場合は、図4に示
すように、1次元レーザアレイ30を作製し、それぞれの
レーザ素子を独立かつ並列に動作できる構造にすること
によって、簡単にビーム数の一倍以上の印刷速度が得ら
れる(例えば24ビームのレーザアレイを用いれば24倍の
速度となる)。
【0055】上記した各プリンタヘッド10はいずれも、
染料収容部37において記録ドット数に対応した個数分だ
け液化染料22をドット状に収容すると共に、レーザ18も
記録ドット数の各発光点18aを有するアレイ状に配した
ものである。レーザ18に依らない上記の熱転写方式のプ
リンタでも、サーマルヘッド1の加熱部も同様にドット
状に配列されている。
【0056】また、上記した各プリンタは、縦方向(X
方向)の紙送りと、X方向と直交方向のヘッドの横方向
(Y方向)スキャンとによって、印刷を行うものであ
り、これらの縦方向の紙送りと横方向のヘッドスキャン
は交互に行うように構成されている。
【0057】本例のプリンタ81において、例えば多色印
刷用のプリンタヘッド10は、図5に示すように、送りね
じ機構からなるヘッド送り軸42とヘッド支軸43により印
画紙50の紙送り方向Xと直交するヘッド送り方向Yに往
復移動自在にしてある。
【0058】また、ヘッド10の上側には、印画紙50を挟
むように支持するヘッド受けローラ44が回転自在に設け
られている。そして、印画紙50は、紙送り駆動ローラ45
と従動ローラ46との間に挟持されて紙送り方向Xに移動
するようになっている。
【0059】なお、ヘッド10は、フレキシブルハーネス
87を介してヘッド駆動回路基板(図示せず)等にそれぞ
れ接続されている。また、プリンタヘッド10の構造自体
は図11に示したものと基本的に同様である。
【0060】図6は、ライン型ヘッドを有するレーザ気
化型カラービデオプリンタ(レーザ気化型プリンタ)10
0 を示すものであり、筐体2aで覆われたフレームシャ
ーシ2上に、被記録紙50を入れるカセット3と記録用の
平面ベース4が設けられている。
【0061】筐体2a内の被記録紙排出口2b側には、
モータ5等により駆動する紙送り駆動ローラ6aが設け
られ、紙送り駆動ローラ6aとの間で被記録紙50を軽圧
力で挟持する圧接従動ローラ6bが設けられている。筐
体2a内のカセット3の上方には、駆動IC80をマウン
トしたヘッド駆動回路基板7とDC電源8とを設けてあ
る。ヘッド駆動回路基板7と、平面ベース4上に配置さ
れたヘッド部(記録部)10とは、フレキシブルハーネス
7aを介して接続されている。
【0062】ヘッド部40は、例えばイエロー(Y)、マ
ゼンタ(M)及びシアン(C)の固形粉末状の各気化性
染料を収納する各固体染料収納槽(総称して符号110 で
示す)を有していて、上記したと同様にして液化染料を
選択的にレーザ加熱し、被記録紙50上に転写することが
できる。
【0063】本実施例のプリンタヘッド10、40、及びこ
のプリンタヘッドを使用したレーザビームプリンタ81、
100 、更にはこれらを用いた記録方法は、染料22をレー
ザ18によるレーザ光Lで加熱、気化させて印画紙50に飛
翔させ、転写しているので、既述した非接触方式の染料
気化型レーザビームプリンタについて述べたと同様の効
果が得られる。
【0064】次に、本実施例による上記の各プリンタ81
又は100 、或いはヘッド10又は40を使用する際、気化さ
れるべき染料としての染料成分及び必要添加物(酸化防
止剤、ラジカル禁止剤、赤外線吸収剤、可塑剤又は融点
低下剤等)以外の不純物、即ち残留不純物又は残留固形
分の含有率を染料に対して種々変化させ、それぞれに対
応した転写性能を以下の例に示すようにして測定した。
【0065】例1 使用したヘッドは、基本的には図4及び図11に示したも
のと同様であるが、実際には図7の如くとした。即ち、
パイレックスガラスからなる透明基板14上に、通常の半
導体リソグラフィー技術にリアクティブエッチング技術
を組み合わせることによって、気化部17に直径2μm、
高さ10μm、間隔2μmのガラス小柱体21を10×10本立
てた構造を持つ転写チップ(ヘッド)を作製した。さら
に、上部から金属を蒸着して、仮想線のように気化部17
に対する抵抗加熱用の電極90、91を設けることができる
が、ここではレーザ光による加熱方式(これは後述の図
8参照)とした。基板14の裏面には染料を溶融するヒー
タ16としてITO(indiumtin oxide)を蒸着した。
【0066】例えば、A6サイズの印画紙が 300DPI
の解像度を持つには、約1400×1000画素を必要とする。
従って、1400個の転写部(気化部)を持つ転写チップ
(ヘッド)を使用するならば、A6サイズの画像を1枚
形成するためには、転写チップ中の一つの転写部は約10
00画素分駆動される。一つの転写チップで1万枚分のA
6サイズの印画を行うためには、転写チップ中の転写部
は少なくとも1000万(107)画素分の転写信頼性を持つ必
要がある。即ち、転写チップ中の転写部は1000万回の転
写操作を行っても、転写部に炭化物のような固形分が蓄
積しない性能を持たなければならない。転写回数は、あ
らゆる不純物について少なくとも105 回は必要である。
【0067】図1には、典型的な不純物としてポリスチ
レンオリゴマー(平均分子量:2000)、無機塩類として
炭酸ナトリウム、不揮発性物質としてカーボンブラッ
ク、低温分解性物質としてニトロセルロースオリゴマー
(平均分子量:4000)を、それぞれ染料(ディスパース
レッド15、純度:99.8%)に添加した時の、不純物濃度
と、気化部に溶媒に不溶の固形成分が出現するまでの転
写回数との関係を示す。
【0068】この結果から、不純物濃度が2重量%未満
のとき(特に、不純物として無機塩類が 0.5重量%以下
のとき、不揮発性物質が1重量%以下のとき、低温分解
成分が1重量%以下のとき)に、転写部は1000万回の転
写操作を行っても転写部に溶媒に不溶の固形分が蓄積し
ない性能を持つことが判明した(転写方法は後述の図8
を参照)。
【0069】即ち、不純物濃度が本発明に基いて2重量
%未満のときには残留固形分が生じるまでの転写回数
は、すべての不純物について少なくとも 105回となる
(但し、無機塩類では 105回以上、不揮発性物質及び低
温分解成分では 106回以上、ポリスチレンオリゴマーで
は 107回以上となり、107 回以上とするには各不純物量
は上記した範囲とするのが望ましい)が、不純物濃度が
2重量%以上になると残留固形分が生じるまでの転写回
数が 105回未満となることがあり、すべての不純物につ
いて 105回を確保することでさえ不可能となる。
【0070】こうして、本発明に基づく染料の使用によ
って、上述した非接触の染料気化型熱転写の特長を生か
しながら、転写されないで残留する不純物による影響を
回避し、転写回数を増やしてもヘッド目詰まりや感度低
下、階調再現性の低下のない高品質の記録を常に得るこ
とができる。
【0071】例2 この例では、使用するシアン染料を次のようにして精製
した。即ち、直径5cm、高さ 120cmのカラムに、吸着剤
としてトルエンに分散したシリカゲルを 100cmの高さに
詰め、市販のシアン油溶性染料:Solvent Blue−35(Ald
rich社製、融点123℃)1gを9gのトルエンに溶解し
た溶液をカラム上部へ導入し、通常の方法で展開を行っ
た。
【0072】その結果、カラム上部に黒色成分が残留し
た。残留成分は高分子化した染料中間体(不揮発性物
質)50mgであって染料の5重量%であり、示差熱天秤分
析の結果、 400℃まで全く重量減少はしなかった。染料
成分はエバポレータで処理し、溶媒を除去した。染料の
収率は89%であり、融点は1℃上昇し、また、その残留
固形分は1重量%であった。
【0073】このシアン染料を入れる転写チップ(ヘッ
ド)は図7に示したものと同じであった。そして、この
ヘッドを用い、次のようにして転写操作を行った。
【0074】上記のようにして精製したSolvent Blue−
35に、赤外吸収染料として最大吸収波長が 780nm近傍に
あるナフタロシアニン系染料TS−1(三井東圧社製)
を下記の組成で混合し、 150℃で超音波攪拌機により完
全に分散させて転写染料を作製した。 精製シアン染料 100重量部 ナフタロシアニン系染料 2重量部
【0075】固体状態のこの転写染料を転写チップ10の
染料溜め15に導入して、ITO16に通電して加熱を行
い、転写体の温度を 150℃にすると、転写染料は溶融し
て毛細管効果により自発的に気化部17へ導入された。
【0076】転写染料22の入った転写チップは図8に示
す転写装置に組み込んだ。即ち、6μmのポリエステル
系受容層を 180μmの合成紙に塗布した被転写体50を、
転写体10に対して50μmのギャップ11を設けて転写装置
に組み込み、X−Yステージ111 により4cm/secの相対
速度で移動させながら、半導体レーザ18(SLD20
3:ソニー社製)から得られ、 780nmの波長を有し、1
ms照射、1ms休みのパルスレーザ光Lをフォーカシング
レンズ系19により転写体の転写部に集光した。気化部の
染料層でのレーザ光のサイズは5×10μmであり、転写
体面での出力は30mWであった。
【0077】こうして、印画紙50には1パルス毎に90μ
m径のスポットが転写された。連続したスポットから形
成されるいわゆるベタ画の光学濃度をマクベス濃度計で
測定すると、 2.2に達した。このパルスを1000万回繰り
返して照射したが、転写部に固形分は全く現れなかっ
た。
【0078】比較例1 シアン油溶性染料:Solvent Blue−35を精製せずに使用
し(但し、残留成分は5重量%である。)、例2と同様
の方法で転写試験を行うと、1msのレーザパルスを20万
回繰り返して照射すると、転写部に固形分が出現した。
この固形分はアセトン、トルエン等の有機溶媒に対し不
溶であった。また、この固形分をXPS(X線光電子分
光スペクトル)で分析すると、炭素(カーバイド)であ
ることが判明した。
【0079】例3 シアン分散染料:ESC−655(住友化学社製、融点 149
℃)1gを図9に示す昇華精製装置に装入し、装置内部
を油拡散ポンプDP及びロータリポンプRPで2×10-6
Torrに減圧してから試料装入部120 をヒータ124 によっ
て 140℃に4時間保った。なお、この精製装置において
は、上下の容器121 、122 をすり合わせ123 によって接
合しているが、上部の容器121 を取外せば下部の容器12
2 の上部開口から装入部120 へ未精製染料125 を導入で
きる。また、容器内は冷却水によって所定温度に保持す
る。
【0080】この精製装置による精製の結果、試料装入
部120 には黒色の有機溶媒不溶成分(Cu、Coを含む
有機金属塩類であって染料合成時の触媒により生じるも
の)が20mg(残留分としては染料の2重量%)残留し
た。残留物には銅及びコバルトが含まれていた。回収し
た染料126 の融点は精製前と同じであり、その残留固形
分は 0.4重量%であった。
【0081】このようにして得られた染料を使用し、例
2と同様の方法で転写試験を行うと、1msのレーザパル
スを1000万回繰り返して照射しても、転写部に固形分は
全く出現しなかった。
【0082】比較例2 シアン分散染料:ESC−655 を精製せずに使用し(但
し、残留成分は2重量%)、例2と同様の方法で転写試
験を行うと、1msのレーザパルスを8万回繰り返して照
射すると、転写部に固形分が出現した。この固形分はア
セトン、トルエン等の有機溶媒に対し不溶であった。ま
た、この固形分をXPSで分析すると炭素(カーバイ
ド)であることが判明した。
【0083】例4 マゼンタ分散染料:HSR−2031(三菱化成社製、融点
123℃)3gを27gのトルエンに溶解して分液ロートに
入れ、更にイオン交換水50gを添加し、良くシェイクし
てから有機層を取り出し、エバポレータで溶媒を除去し
た。水層中には微量の金属イオンが存在した。このHS
R−2031染料の凝固点降下定数は15.2であり、不純物の
分子量は質量分析器で測定すると296 であったので、不
純物は 5.8重量%と計算された。
【0084】次に、一次精製染料を直径5mm、長さ20cm
の石英製パイプに詰め込み、帯融解法(ゾーンメルティ
ング法)を3回繰り返すことによって不純物の除去を行
った。回収した染料の融点は精製前から3℃上昇してお
り、またその残留固形分は 0.5重量%であった。
【0085】このようにして得られた染料を使用し、例
2と同様の方法で転写試験を行うと、1msのレーザパル
スを1000万回繰り返して照射しても転写部に固形分は全
く出現しなかった。
【0086】比較例3 マゼンタ分散染料:HSR−2031を精製せずに使用し
(但し、残留固形分は 5.8重量%)、例2と同様の方法
で転写試験を行うと、1msのレーザパルスを2万回繰り
返して照射すると、転写部に固形分が出現した。この固
形分はアセトン、トルエン等の有機溶媒に対し不溶であ
った。
【0087】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
の実施例は本発明の技術的思想に基いて更に変形が可能
である。
【0088】例えば、上述した染料気化型の転写方式に
限らず、既述したアブレーションによる転写方式も可能
であり、いずれの場合も染料又は記録材が飛翔して転写
されるものである。また、記録材の精製方法として上述
した方法以外を採用してよい。
【0089】染料等の記録材を気化又は昇華、或いはア
ブレーションさせるエネルギーとしては、レーザ光以外
の加熱ビームを用いてもよいし、或いは抵抗加熱等の他
の加熱方式によってもよい。このためには、記録材に導
電性物質を添加したり、また、毛管作用のある上述の小
円柱体に抵抗加熱用の抵抗体膜を設けることができる。
濃度階調性を出すために適宜の加熱方法を採用すること
ができる。
【0090】また、記録材(染料)を収容する記録材収
容部の数やドット数、及びこれに対応したレーザアレイ
のビーム数(発光点の数)は種々変更してよいし、その
配列形状やサイズ等も上述したものに限定されることは
ない。
【0091】また、ヘッドやプリンタの構造や形状は、
前記以外の適宜の構造、形状としてよく、ヘッドを構成
する各部分の材料には、他の適宜の材料を使用してよ
い。記録染料についても、マゼンタ、イエロー、シアン
の3色として(更には、黒を加えた)フルカラーの記録
を行うほか、2色印刷、1色のモノカラー又は白黒の記
録を行うことができる。
【0092】プリンタについては、上述の非接触方式の
ものに限らず、既述した熱転写方式のプリンタ(これは
ライン型でもシリアル型でもよい。)にも本発明を適用
できる。但し、この場合は、各色を選択する信号はサー
マルヘッドのドットに供給される。
【0093】また、上述の例のように、固体染料を一旦
液状にし、これを気化させて記録を行う他、固体染料を
レーザ光によって加熱して直接気化(即ち昇華)させて
記録を行うことができるし、染料溜めに液化染料(室温
にて液状)を収容することもできる。更に、記録材は上
述した飛翔以外の現象(例えば蒸気化)によっても印画
紙へ移行させることができ、この意味では上述した非接
触式でなくてもよい。また、上述したプリンタとは異な
り、ヘッド上方からレーザ光を照射してその下側に位置
する被記録紙に記録を行ってもよい。
【0094】
【発明の作用効果】本発明は上述した如く、被記録体へ
移行してこの被記録体に所定の記録を行うのに供される
記録材において、前記記録後に前記被記録体へ移行しな
いで残る残留不純物の含有率を2重量%未満としている
ので、記録に際してヘッド上に生成する残留不純物(残
留固形分)の発生を防止することができ、その残留不純
物による影響を回避し、感度、階調再現性に優れ、高品
質の記録を常に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく染料についてその不純物量によ
る転写性能を比較して示すグラフである。
【図2】本発明の実施例によるプリンタヘッドの分解斜
視図である。
【図3】同実施例によるプリンタヘッドとそのスキャン
状態を示す概略裏面図である。
【図4】他のプリンタヘッドの同様のスキャン状態を示
す概略裏面図である。
【図5】同プリンタを下方からみた概略斜視図である。
【図6】他のプリンタの分解斜視図である。
【図7】転写チップ(プリンタヘッド)の概略断面図で
ある。
【図8】転写試験機の概略図である。
【図9】染料の昇華精製装置の概略断面図である。
【図10】従来の感熱記録ヘッドを用いたプリンタの要部
正面図である。
【図11】本発明の完成前に案出されたプリンタの概略断
面図である。
【符号の説明】
10、40・・・プリンタヘッド 11・・・空隙 14・・・ベース 15・・・染料溜め 16・・・ヒータ 17、17C、17M、17Y・・・気化部 18・・・半導体レーザ 18a・・・発光点 19・・・集光レンズ 20、50・・・印画紙 22・・・液化染料 30・・・マルチレーザアレイ 31・・・マクロレンズアレイ 32・・・気化染料 37、77・・・染料収容部 42・・・ヘッド送り軸 43・・・ヘッド支軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 7267−2H B41M 5/26 A 7267−2H Q 7267−2H 101 J

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録体へ移行してこの被記録体に所定
    の記録を行うのに供され、前記記録後に前記被記録体へ
    移行しないで残る残留不純物を2重量%未満含有してい
    る記録材。
  2. 【請求項2】 被記録体に対して間隙を置いて対向し、
    記録情報に応じて与えられた熱量による気化又はアブレ
    ーションで前記間隙を通して前記被記録体へ飛翔する記
    録材であって、残留不純物が染料成分及び必要添加物以
    外の物質からなっている、請求項1に記載した記録材。
  3. 【請求項3】 残留不純物としての無機塩類及び/又は
    有機金属塩類を 0.5重量%以下含有している、請求項1
    又は2に記載した記録材。
  4. 【請求項4】 残留不純物としての不揮発性物質(但
    し、不揮発性物質とは、「10mgを示差熱天秤により10K
    /分の速度で昇温する時に、 400℃における重量減少が
    1mg以下である物質」と定義する。)を1重量%以下含
    有している、請求項1又は2に記載した記録材。
  5. 【請求項5】 残留不純物としての低温分解性物質(但
    し、低温分解性物質とは、「10mgを示差熱天秤により10
    K/分の速度で昇温する時に、 300℃以下で1mg以上の
    重量が減少し、かつ重量減少に伴う発熱が生じる物質」
    と定義する。)を1重量%以下含有している、請求項1
    又は2に記載した記録材。
  6. 【請求項6】 合成された粗記録材を、カラムクロマト
    グラフィー法、蒸留法、昇華精製法、溶媒抽出法、帯融
    解法、再結晶法、限外濾過法又は逆浸透法、或いはこれ
    らの方法の2種以上の組み合わせによって精製し、請求
    項1〜5のいずれか1項に記載した記録材を得る、記録
    材の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項に記載した
    記録材を記録情報に応じて加熱し、被記録体へ移行させ
    るようにした記録方法。
  8. 【請求項8】 被記録体に対して間隙を置いて記録材を
    対向させ、この記録材を気化又はアブレーションで前記
    被記録体へ飛翔させる、請求項7に記載した記録方法。
  9. 【請求項9】 記録材をレーザ光の照射によって加熱す
    る、請求項7又は8に記載した記録方法。
  10. 【請求項10】 記録材を気化又はアブレーション部に連
    続的に供給する、請求項7〜9のいずれか1項に記載し
    た記録方法。
  11. 【請求項11】 濃度階調性を有する画像を被記録体に形
    成する、請求項7〜10のいずれか1項に記載した記録方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜5のいずれか1項に記載した
    記録材を収容する記録材収容部を有し、請求項7〜11の
    いずれか1項に記載した記録方法を実施する記録装置。
  13. 【請求項13】 記録材収容部に対して被記録体を対向さ
    せる被記録体支持手段と、記録材を加熱して前記被記録
    体へ移行させるための加熱手段とを更に有する、請求項
    12に記載した記録装置。
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