JPH08257494A - 潤滑性、一次防錆性、電着塗装性に優れた有機被覆熱延・冷延鋼板 - Google Patents

潤滑性、一次防錆性、電着塗装性に優れた有機被覆熱延・冷延鋼板

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JPH08257494A
JPH08257494A JP6764895A JP6764895A JPH08257494A JP H08257494 A JPH08257494 A JP H08257494A JP 6764895 A JP6764895 A JP 6764895A JP 6764895 A JP6764895 A JP 6764895A JP H08257494 A JPH08257494 A JP H08257494A
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貝 和 彦 樋
Hiroyuki Ogata
形 浩 行 尾
Hideo Ogishi
岸 英 夫 大
Yoshihiro Naruse
瀬 義 弘 成
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Abstract

(57)【要約】 【目的】防錆油、潤滑油を塗布することなく、有機被覆
膜のみで一次防錆性及び潤滑性に優れ、なおかつアルカ
リ及び温水等による脱膜を行うことなく有機被覆膜が付
着したまま電着塗装性に優れる鋼板の提供。 【構成】冷延鋼板、または熱延鋼板の表面に、ガラス転
移温度が20〜120℃である水分散性または水溶性の
親水性樹脂固形分100重量部に対して、潤滑剤が固形
分として5〜50重量部、防錆剤を1〜100重量部含
む親水性樹脂組成物を乾燥させて得られる有機皮膜が
0.5〜5.0g/m2(片面当たり)塗布されたことを
特徴とする潤滑性、一次防錆性、電着塗装性に優れた有
機被覆熱延・冷延鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の親水性樹脂組成
物被覆膜を有する潤滑性、一次防錆性及び電着塗装性に
優れた有機被覆熱延・冷延鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、熱延・冷延鋼板(以下鋼板と
する)が自動車部品や家電用部品として加工されるま
で、貯蔵、運送等によりかなりの期間を経るのが通例で
あり、その間の発錆を防止するため、鋼板製造の最終段
階で防錆油を塗布することが常識となっている。さらに
鋼板は加工時に可成り強い加工を受けるのが通例であ
り、加工時に潤滑油の使用を必須としている。一般に防
錆油は潤滑性を有していることが多いため、防錆油が塗
布されたままの鋼板をプレス加工することが生産性、コ
スト上有利であるため、盛んに行われている。しかしな
がら潤滑油と比較すると潤滑性が劣るという問題があ
り、加工条件の厳しい部位については加工メーカーで加
工時に改めて潤滑油を塗布することが現状である。この
塗布作業はプレス加工の作業性を低下させる上に作業環
境を著しく悪化させるほか、その後の潤滑油のアルカリ
脱脂工程において、アルカリ脱脂液の廃液処理や作業性
の低下などの問題が生じるために改善が期待されてい
る。
【0003】こういった要求に対して、既に一次防錆
性、潤滑性を向上させるために、鋼板表面に有機皮膜を
予め形成させた有機被覆鋼板が広範囲に用いられるよう
になっている。これら有機皮膜は加工後に化成処理によ
るリン酸塩皮膜の形成、さらには電着塗装を行うために
アルカリにより洗浄し脱膜されることが多いため、容易
に脱膜することも満足されなければならない。特開昭5
3−60340号公報には固形パラフィン30〜70w
t%と、ジ長鎖アルキルケトン5〜30wt%を主成分
とし、脂肪酸3〜30wt%、グリセリン脂肪酸モノエ
ステル3〜30wt%及びアルキルフェノールに酸化エ
チレンを付加したものを3〜30wt%含有する組成物
を鋼板表面に塗布することで、防錆性、潤滑性、脱膜性
に優れる被覆鋼板を得られることが開示されている。し
かし、この場合でも加工後に有機皮膜の脱膜にアルカリ
処理液を用いることが必須条件となっており、作業性、
廃液処理等に問題が存在していた。特開昭60−238
393号公報では酸価が1.0未満の炭素数12〜23
を有する脂肪酸と多価アルコールまたはモノアルコール
とのエステルに防錆剤としてスルホネートバリウム塩を
3%以上含有する融点40〜65℃の潤滑組成物により
脱膜処理に用いた脱脂液からの油分分離性に優れた潤滑
処理鋼板を得ているもの、特開昭51−87461号公
報のごとく、平均重合度300〜1700の水溶性熱可
塑性合成樹脂10〜50重量部、アルカリ土類金属石ケ
ン水分散液40〜180重量部および気化性防錆剤0.
5〜12重量部からなる組成物を鋼板に塗布することで
潤滑性、防錆性が改善されかつ温水のみで脱膜可能であ
ることが開示されている。これらの先行技術は化成処理
後に電着塗装等の後塗装を行うことを前提としているの
で、成形加工後にアルカリもしくは温水により有機被膜
の脱膜を行った後に電着塗装を含む後塗装を施し、その
際の塗装後の外観及び密着性を確保しているため、脱膜
工程の省略は不可能である。従って作業性の低下、さら
に処理液中に油分などが混入するために、廃液処理等が
繁雑になるという問題点を有する。これらは近年の作業
環境保全、生産性向上の観点から潤滑油、防錆油の使用
を避け、さらに脱脂工程の省略が要望されている現状に
反する。
【0004】そこで、特開昭62−77498号公報に
は冷延鋼板に電解クロメートを施し、その上層にシリカ
ゾル、固体潤滑剤を含む水溶性もしくは水分散性樹脂を
塗布し、防錆性を高め、有機被覆膜の脱膜処理を行わず
とも後塗装密着性に優れる鋼板について開示されてい
る。しかしながら、以上の先行技術は有機被覆膜を形成
せしめることにより、熱延・冷延鋼板に防錆油を塗布し
た鋼板と比較すれば優れた一次防錆性を有してはいるも
のの、実用上十分ではなく、これら有機被覆熱延・冷延
鋼板にさらに防錆油を塗布することで一次防錆性を保っ
ている場合もある。また潤滑性についても加工メーカー
においては、潤滑油を塗布後に加工しているのが現状で
あり、十分な性能を有しているとは言えず、加えて脱膜
処理を必須としている。また有機被覆膜の脱膜処理を行
うことなく一次防錆性、後塗装密着性に優れる技術があ
るものの、潤滑性及び電着塗装性に劣っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
の問題点を解決する有機被覆熱延・冷延鋼板を提供する
もので、その特徴は防錆油及び潤滑油を塗布することな
く、本発明による有機被覆膜のみで一次防錆性及び潤滑
性が十分に優れ、なおかつアルカリ及び温水等による脱
膜を行うことなく有機被覆膜が鋼板表面に付着したま
ま、電着塗装性に優れる有機被覆熱延・冷延鋼板を提供
することにある。本発明は、これらの目的のうち少なく
とも一つを達成するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、冷延鋼板また
は熱延鋼板の表面に、ガラス転移温度が20〜120℃
である水分散性または水溶性の親水性樹脂固形分100
重量部に対して、潤滑剤として、好ましくは、融点が8
0〜130℃であるポリオレフィン系樹脂もしくは金属
石鹸を固形分として5〜50重量部、コロイダルシリカ
を1〜50重量部含む親水性樹脂組成物を乾燥させて得
られる有機皮膜が0.5〜5.0g/m 2 塗布されたこ
とを特徴とする潤滑性、一次防錆性、電着塗装性に優れ
た熱延・冷延鋼板である。また、本発明は上記の親水性
樹脂組成物に、さらにはじき防止剤を0.01〜5.0
重量部有していてもよい。好ましくは親水性樹脂組成物
がポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂またはポリ
酢酸ビニル系樹脂を含有するのが好ましい。
【0007】
【作用】本発明は、熱延鋼板及び冷延鋼板の表面に特定
の親水性樹脂を特定の付着量塗布し、焼付けにより乾燥
し、熱延・冷延鋼板の表面もしくは片面に有機被膜を形
成させることにより、課題を解決する。本発明に用いる
熱延鋼板及び冷延鋼板は、特に限定されない、好ましく
は酸洗後、表面にクロメート皮膜等の防錆皮膜を形成さ
せることなく、潤滑剤として、好ましくは、ポリオレフ
ィン系樹脂または金属石鹸、防錆剤としてコロイダルシ
リカを含む水分散型または水溶性の親水性樹脂水溶液を
塗付した有機被覆鋼板であり、本発明は、上記の有機被
覆膜を鋼板の両面に有するものである。以下に詳細を説
明する。
【0008】有機被覆層を形成するにあたり、その必要
条件について述べる。有機被覆組成物に用いる水分散型
または水溶性の親水性樹脂としては、ポリウレタン系樹
脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂が例示
される。さらにこの他に、鋼板との密着性が良く、後塗
装する場合に後塗装用塗料の選択の制限があまりない樹
脂であれば本発明に用いる親水性樹脂として使用するこ
とができる。これらには水分散性もしくは水溶性のポリ
スチレン、ブタジエン、ポリエステル、フェノール系樹
脂、あるいはこれらを主成分とする変性樹脂などでよ
い。さらにこれらを複数用いることもできる。またこれ
ら親水性樹脂のガラス転移点は、20〜120℃、好ま
しくは20〜80、より好ましくは、40〜80℃でな
ければならない。ガラス転移点が20℃未満の親水性樹
脂では得られる鋼板の高温での潤滑性が低下してしまう
し、逆に120℃を超えると親水性樹脂組成物を成膜さ
せるために焼付け温度を高温にしなければならず、加え
て十分な潤滑性が発揮されない。また加工後の外観も悪
化してしまうためである。例えば、分子量 50000〜1000
000 のポリアクリル樹脂を10〜50NV/%の濃度で
水分散させたもの、分子量 50000〜1000000 のポリ酢酸
ビニル樹脂を10〜50NV/%の濃度で水分散させた
ものが挙げられる。
【0009】つぎに有機被覆組成中の潤滑剤としては水
分散型ポリオレフィン系樹脂もしくは金属石鹸を使用す
るが、その他一般に潤滑剤として公知のもので、樹脂水
溶液に分散するものであればよく、水分散性フッ素樹脂
等の樹脂や有機硫黄化合物、有機リン化合物等の極圧
剤、もしくは二硫化モリブデン、グラファイト等の無機
物でもよい。さらにこれら複数を用いることもできる。
金属石鹸としては、一般に公知のものであればよく、炭
素数8〜22の高級脂肪酸(パルチミン酸、ステアリン
酸、オレイン酸等)とアルカリ土類金属(カルシウム、
バリウム等)の塩、つまりステアリン酸カルシウム、ラ
ウリン酸バリウム等がある。水分散型ポリオレフィン系
樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等を強制
乳化して、樹脂固型分5〜50重量%の水分散体とした
もの等がある。
【0010】潤滑剤は、親水性樹脂100重量部に対し
て5〜50、好ましくは5〜20、重量部でなければな
らない。潤滑剤が5重量部未満であれば十分な潤滑性が
得られず、逆に50重量部を超えると加工後の鋼板にパ
ウダリングが発生してしまう。また水溶液中の水分散型
樹脂と潤滑剤同士が凝集しやすくなるためポットライフ
が短くなってしまう。また、潤滑剤として用いるポリオ
レフィン系樹脂の融点は80〜130℃でなければなら
ない。融点が80℃未満であれば、高温での潤滑性が低
下してしまうし、逆に130℃を超えると加工時に十分
な潤滑効果を発揮しないためである。
【0011】さらに有機被覆組成中の防錆剤としてはコ
ロイダルシリカ、クロム酸塩、金属ゾル等の一般に防錆
剤として公知のものであればよく、さらにこれら複数を
用いることもできる。好ましくはコロイダルシリカ、ク
ロム酸マグネシウムを用いる。これら防錆剤は親水性樹
脂100重量部に対して1〜100重量部、さらに好ま
しくは5〜40重量部でなければならない。防錆剤が1
重量部未満であれば十分な一次防錆性が得られず、逆に
100重量部を超えると潤滑性及びポットライフが悪化
してしまうためである。
【0012】また有機被覆組成中に分散性を損なわない
範囲で、さらにはじき防止剤を添加することも可能であ
る。はじき防止剤は一般に湿潤剤として公知のものであ
ればよく、フッ素系界面活性剤、第二高級アルコール硫
酸エステル塩、スルホコハク酸エステル、アルキルナフ
タリンスルホン酸等がある。はじき防止剤を添加するの
は、潤滑性や一次防錆性の劣化を防止するために樹脂組
成物を表面により均一に塗布するためである。はじき防
止剤は親水性樹脂固型分100重量部に対して0.01
〜5.0重量部、さらに好ましくは0.01〜1.0、
より好ましくは0.01〜0.5重量部でなければなら
ない。はじき防止剤が0.01重量部未満では得られる
親水性樹脂組成物が均一に塗布しにくく、逆に5.0重
量部以上であれば得られる有機皮膜の後塗装密着性や防
錆性が低下してしまうためである。
【0013】本発明の有機被覆熱延・冷延鋼板は以上の
構成からなる樹脂組成物をあらかじめ洗浄された鋼板両
面に乾燥後の付着量が片面当たり0.1〜5.0、好ま
しくは0.5〜3.0、より好ましくは0.5〜2.0
g/m2 の範囲となるように常法により塗付すればよ
い。乾燥後の付着量が0.1g/m2 未満では潤滑性、
一次防錆性が満足されず、5.0g/m2 を超えると電
着塗装性に劣るためである。塗布方法としては、例えば
ロールコーティング法、スプレー法及びフローコーティ
ング法が挙げられる。また塗膜の乾燥には、高温及び長
時間を必要とせず室温での乾燥でも十分な性能が得られ
るが、10秒後の到達板温で60〜120℃の軽度の焼
付け乾燥を行うことが好ましい。
【0014】
【実施例】以下に、実施例及び比較例について述べる。
板厚1.2mmの熱延鋼板もしくは冷延鋼板に表1に示
す親水性樹脂組成物をバーコーターにより塗布し、オー
ブンで焼付けて塗膜を形成せしめた。表1には焼付け温
度、塗膜付着量を示す。その後、この鋼板より試験片を
採取し、加工性、防錆性、耐アルカリ性試験を行うとと
もに、試験片に塗装を施して、電着塗装性、後塗装性
(ポストコート)、耐水2次密着性の試験も行った。こ
の結果を表2に示す。なお表1の親水性樹脂組成物のう
ち樹脂、潤滑剤は以下の市販品を、コロイダルシリカは
日産化学工業(株)製:スノーテックスC(粒径1μ
m)を、はじき防止剤はネオス(株)製:フタージェン
ト(フッ素系界面活性剤)を使用した。 ウレタン分散体 :第一工業製薬(株)製スーパーフ
レックス100 樹脂固型分濃度30wt%。 アクリル分散体 :東亜合成化学工業(株)製HD−
104Cを改良したもの。 酢酸ビニル分散体 :日本カーバイト(株)ニカゾール 水溶性アクリル樹脂:大日本インキ化学(株)製ウォー
ターゾルR ポリオレフィン :三井石油化学工業(株)Wシリー
ズ フッ素樹脂分散体 :ヘキストジャパン(株)製TF50
00シリーズ また表2の各試験は次の要領で行い評価した。
【0015】(1)加工性 試験片をエリクセン試験機を用いて、ブランク径61m
m、ポンチ径33mm、成形速度60mm/s、しわ押
さえ圧2000kgfの条件で加工し、次の基準で評価
した。 ○ : 成形加工性良好(ネッキング・パウダリング発
生せず) △ : ネッキング・パウダリング発生 × : 成形加工性不良(われ発生)
【0016】(2)一次防錆性 平板の試験片に温度50℃、湿度98%で湿潤試験を1
00時間実施した後、試験片を肉眼で観察し、発錆面積
率を次の基準で評価した。 点数 発錆面積率(%) ○ 0〜3未満 △ 3以上〜10未満 × 10以上
【0017】(3)耐アルカリ性 親水性樹脂組成物を塗布後乾燥した鋼板をアルカリ溶液
(ファインクリーナーL3020システム)でスプレー
脱脂(浴温40℃、スプレー圧0.8kg/cm2 、ス
プレー時間10秒)した後に硫酸銅水溶液へ浸漬(硫酸
銅濃度3%、浴温25℃、浸漬時間40秒)し、蛍光X
線測定により銅付着量を測定した。この時、親水性樹脂
組成物を塗布しない熱延鋼板における銅付着量を100
として評価した。
【0018】(4)電着塗装性 表1の条件で有機皮膜を形成した後、電着塗装前の脱脂
工程としてスプレー脱脂、化成処理を施した後、もしく
は前処理を行わず、塗料(日本ペイント製:パワートッ
プU−600)を、浴温28℃、塗装電圧250Vの条
件で120s(スロースタート30s)間電着塗装した
後、170℃で20min間焼付けを行い、試験片の外
観及び電着塗装の塗膜の密着性の評価を次の基準で行っ
た。 a.外観 肉眼観察により以下の基準で行った。 ○ : 平滑面(ゆず肌、クレーター、ぶつ等存在しな
い) △ : ゆず肌、クレーター、ぶつ等の面積率が10%
未満 × : 試験片全面にゆず肌、クレーター、ぶつが発生 b.密着性 JIS G 3321に基づいてゴバン目試験をおこ
ない、そのとき剥離した塗膜の状態を次の基準で評価し
た。 ○ : 塗膜がまったく剥離しない △ : 塗膜が1〜10%剥離した × : 塗膜が11%以上剥離した c.耐水2次密着性 上述の電着塗装した試験片を40℃の温水に120時間
浸漬した後、JIS G 3321に基づいてゴバン目試験を行な
い、そのとき剥離した塗膜の状態を次の基準で評価し
た。 ○ : 塗膜がまったく剥離しない △ : 塗膜が1〜10%剥離した × : 塗膜が11%以上剥離した
【0019】(5)後塗装密着性(ポストコート密着
性) 表1の条件で親水性樹脂組成物を塗布後乾燥した有機皮
膜を有する鋼板にポストコート塗料(日本ペイント製:
オルガセレクト120ホワイト)をバーコーターにより
塗布し、オーブンで130℃、20分の条件で焼付け
た。その後JIS G3321に基づいて、塗料の密着性をゴバ
ン目試験により、次の基準で剥離した塗膜の状態を評価
した。 ○ : 塗膜がまったく剥離しない △ : 塗膜が1〜10%剥離した × : 塗膜が11%以上剥離した
【0020】評価の結果、本発明による親水性樹脂組成
物を熱延鋼板または冷延鋼板に塗布することで、加工
性、一次防錆性に加えて電着塗装性に優れる潤滑処理熱
延、冷延鋼板を製造することができた。また本鋼板は耐
アルカリ性、後塗装密着性(ポストコート密着性)にも
優れる。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【発明の効果】従来有機被覆熱延鋼板、冷延鋼板の潤滑
性、一次防錆性を補うために防錆油および潤滑油を塗布
していたが、本発明では酸洗した熱延鋼板及び冷延鋼板
表面にクロメート皮膜等の防錆皮膜を形成させることな
く、潤滑剤、防錆剤を含む水分散型または水溶性の親水
性樹脂水溶液を塗布し、有機皮膜を形成させることで防
錆油、潤滑油を塗布することなく優れた一次防錆性、潤
滑性を確保できる。また、アルカリや温水で脱膜するこ
となく、さらにはアルカリ脱脂された場合においても電
着塗装性に優れた有機被覆鋼板が得られ、本発明による
生産性及び経済的効果は極めて大なるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/24 303 B05D 7/24 303E (72)発明者 大 岸 英 夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 成 瀬 義 弘 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷延鋼板、または熱延鋼板の表面に、ガラ
    ス転移温度が20〜120℃である水分散性または水溶
    性の親水性樹脂固形分100重量部に対して、潤滑剤が
    固形分として5〜50重量部、防錆剤を1〜100重量
    部含む親水性樹脂組成物を乾燥させて得られる有機皮膜
    が0.5〜5.0g/m2(片面当たり)塗布されたこと
    を特徴とする潤滑性、一次防錆性、電着塗装性に優れた
    有機被覆熱延・冷延鋼板。
  2. 【請求項2】前記親水性樹脂組成物が、ポリウレタン系
    樹脂を含有する請求項1に記載の有機被覆熱延・冷延鋼
    板。
  3. 【請求項3】前記親水性樹脂組成物がポリアクリル系樹
    脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機被
    覆熱延・冷延鋼板。
  4. 【請求項4】前記親水性樹脂組成物がポリ酢酸ビニル系
    樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機
    被覆熱延・冷延鋼板。
  5. 【請求項5】前記潤滑剤が融点80〜130℃であるポ
    リオレフィン系樹脂もしくは金属石鹸である請求項1な
    いし4のいずれかに記載の有機被覆熱延・冷延鋼板。
  6. 【請求項6】請求項1〜6のいずれかに記載の親水性樹
    脂組成物に、さらにはじき防止剤を0.01〜5.0重
    量部含有することを特徴とする請求項1ないし5のいず
    れかに記載の有機被覆熱延・冷延鋼板。
JP6764895A 1995-03-27 1995-03-27 潤滑性、一次防錆性、電着塗装性に優れた有機被覆熱延・冷延鋼板 Withdrawn JPH08257494A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008229428A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Nippon Steel Corp 耐食性および塗料密着性に優れためっき鋼板の製造方法
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