JPH08257396A - 酸素吸収剤 - Google Patents

酸素吸収剤

Info

Publication number
JPH08257396A
JPH08257396A JP6640695A JP6640695A JPH08257396A JP H08257396 A JPH08257396 A JP H08257396A JP 6640695 A JP6640695 A JP 6640695A JP 6640695 A JP6640695 A JP 6640695A JP H08257396 A JPH08257396 A JP H08257396A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxygen
oxygen absorbent
fatty acid
absorbent
activity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6640695A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsushi Watanabe
哲志 渡辺
Kiyoshi Yoshikawa
潔 吉川
Teruo Takeuchi
照雄 竹内
Yoshiaki Inoue
義彰 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP6640695A priority Critical patent/JPH08257396A/ja
Publication of JPH08257396A publication Critical patent/JPH08257396A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、製造や使用に際し取扱い性
の良い大気下放置失効性の改善された酸素吸収剤を提供
することにある。 【構成】 還元性有機化合物を主剤とし活性調整剤を配
合してなることを特徴とする酸素吸収剤であり、詳しく
は前記酸素吸収剤において還元性有機化合物が不飽和脂
肪酸化合物および/または不飽和基を有する鎖状炭化水
素重合物であり、また活性調整剤が酸化防止剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、還元性有機化合物を主
剤とし活性調整剤を配合してなることを特徴とする酸素
吸収剤に関し、詳しくは大気下放置失効性を改善した酸
素吸収剤に関する。
【0002】
【従来の技術】酸素吸収剤は、近年、食品分野に限らず
あらゆる分野で、物品の保存に利用することが提案され
ている。即ち、酸素吸収剤は保存対象物品と共にガスバ
リヤ性容器に密封し、容器内の酸素を吸収して保存雰囲
気を嫌気性に保つことにより、例えば食品であれば腐敗
を防止し、金属であれば腐食を防止するなど、対象物品
の品質、性能を良好に保つことができる。酸素吸収剤の
保存対象物品には、食品、医薬品をはじめ、金属類、金
属製品、精密部品、金属粉、蒸着金属、半導体や半導体
部品などの電子品や電子部品、ガラス、写真、磁気テー
プ、絵画、押し花、ドライフラワー、衣類、毛皮、古
本、古文書などが挙げられ、様々な用途に酸素吸収剤が
用いられている。酸素吸収剤としては、大別して、例え
ば、鉄その他の金属粉、亜硫酸塩などの還元性硫黄化合
物、第1鉄塩などの無機化合物を主成分とするもの、ま
た、不飽和脂肪酸化合物、不飽和基を有する鎖状炭化水
素重合物、カテコール、グリコール、アスコルビン酸お
よび/またはその塩等の有機化合物等を主成分とするも
のが知られている。
【0003】酸素吸収剤は、通常、製造された酸素吸収
剤組成物を密封容器に無酸素雰囲気下にマスターバッチ
として保管しておき、マスターバッチの酸素吸収剤組成
物を通気性小袋に充填して酸素吸収剤包装体とし、酸素
吸収剤包装体が複数個まとめてガスバリヤー性のマスタ
ーバックに密封して無酸素状態でユーザーに供給され、
使用される(以下、酸素吸収剤および酸素吸収剤包装体
を含めて単に酸素吸収剤と言う)。しかし、酸素吸収剤
は製造や使用に際して無酸素雰囲気の密封容器から取り
出し大気に触れると、酸素を吸収して酸素吸収容量が減
ることになる。このように酸素吸収剤を大気下に曝した
時の酸素吸収能の低下を大気下放置失効性と言うが、従
来の酸素吸収剤には、大気下放置失効性に伴う取扱い性
に難点があった。
【0004】酸素吸収剤は使用に際し、マスターバック
から取り出し対象物品と容器に密封包装されるが、大気
下放置失効性が著しいと、大気下の包装作業中に実効酸
素吸収容量が減る。包装作業に手間取って空気曝露時間
が長くなると、失効量が増大って実際の使用時の酸素吸
収容量が減るばかりか、酸素吸収速度が低下して所定時
間内に保存容器内の無酸素状態を達成できないといった
問題も生じる。もちろん、酸素吸収剤の取扱いをグロー
ブボックス等で窒素置換した中で行えばこの心配はなく
なるが、実際には作業が煩雑になるためほとんどが大気
下での取り扱われているのが実状である。また、実用上
は、大気下放置失効性を考慮して酸素吸収容量の過剰な
ものを使用することにもなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような事情か
ら、少々長時間大気下に置いていても酸素吸収性能の低
下の心配が全くなく、大気下で取り扱い易い酸素吸収剤
の開発が望まれていた。本発明の目的は、製造や使用に
際し取扱い性の良い大気下放置失効性の改善された酸素
吸収剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、還元性有
機化合物を主剤とする酸素吸収剤に活性調整剤を配合す
ることにより、酸素吸収剤の大気下放置失効性を改善で
きることを見いだし本発明を完成した。すなわち、本発
明は、還元性有機化合物を主剤とし活性調整剤を配合し
てなることを特徴とする酸素吸収剤に関する発明であ
る。
【0007】本発明の酸素吸収剤の主剤は、還元性有機
化合物であれば特に制限を受けるものではないが、還元
性有機化合物としては、例えば、不飽和脂肪酸化合物、
不飽和基を有する鎖状炭化水素重合物、カテコール、グ
リコール、アスコルビン酸類などが好ましく、とりわけ
主剤の酸素吸収が自動酸化に基づくと考えられる不飽和
脂肪酸化合物および不飽和基を有する鎖状炭化水素重合
物が好ましい。
【0008】本発明で用いられる活性調整剤としては、
通常、酸化防止剤として用いられるものを使用すること
ができ、活性調整剤として、フェノール類、ホスファイ
ト類、イオウ類およびアミン類が挙げられる。
【0009】活性調整剤としてのフェノール類を例示す
れば、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブ
チル−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、
4,4−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−2−メチ
ルフェノール)、4,4−メチレン−ビス−(2,6−
ジ−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェノール、4,4’−チオ−ビス−(6
−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−ブ
チリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノー
ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−
(4−エチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ
−t−ブチル−4−エチルフェノール、1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフ
ェニル)ブタン、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネー
ト、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタ
ン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2,5−ジ
−t−ブチルヒドロキノン、ハイドロキノン、p−メト
キシフェノール、2−t−ブチルハイドロキノン、n−
オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−
ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、トリエチレ
ングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,
6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、
2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,
5−トリアジン、ペンタエリスリチル- テトラキス〔3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジエチレンビス
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミ
ド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベン
ジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4−ビス
[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール等が挙げ
られる。
【0010】同じくホスファイト類を例示すれば、トリ
フェニルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)
ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(トリ
デシル)ホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,
4’−イソプロピリデン−ジフェニル−ジホスファイ
ト、トリラウリル−トリチオホスファイト、トリス
(2,4−ジ−t- ブチルフェニル)ホスファイト、ト
リス(ノニレイティド−フェニル)ホスファイト、ジス
テアリルペンタエリスリトールジホスファイト、2,2
−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オ
クチルホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−
メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイ
トが挙げられる。
【0011】同じくイオウ類を例示すれば、テトラキス
〔メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート〕メ
タン、Ni−ジブチル−ジチオ−カルバメート、Zn−
ジブチル−ジチオ−カルバメート、Cd−エチル−フェ
ニル−ジチオ−カルバメート、チオ尿素、2−メルカプ
ト−ベンジミダゾール、ジラウリルチオジプロピオネー
ト、ジステアリルチオジプロピオネートが挙げられる。
【0012】同じくアミン類を例示すれば、アルドール
−α−ナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミ
ン、フェニル−β−ナフチルアミン、sym−ジ−β−
ナフチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニル−p−
フェニレンジアミン、フェニルシクロヘキシル−p−フ
ェニレンジアミン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、フェ
ノチアジン、ジミリスチルチオジプロピオネートオクチ
ル化ジフェニルアミン、N−イソプロピル−N’−フェ
ニル−p−フェニレンジアミン、N−1,3−ジメチル
ブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、
4,4’−ジオクチル−ジフェニルアミン、4,4’−
ジオクチル−ジフェニルアミン、4,4’−Bis
(α,α’−ジメチル−ベンジル)ジフェニルアミン等
が挙げられる。
【0013】活性調整剤は、上記の酸化防止剤の中でも
フェノール類が好ましく、フェノール類の中でも、2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールのようにフ
ェノール基のオルト位にアルキル基を立体障害的に配し
たヒンダードフェノールが、安定性も良く好適に用いら
れる。
【0014】本発明における活性調整剤の配合比は、酸
素吸収剤の主剤に対して(重量比)50ppm〜10,
000ppm、好ましくは100ppm〜5,000p
pm、より好ましくは500ppm〜3,000ppm
である。活性調整剤は、上記の濃度範囲より低すぎる
と、放置失効性の改善の程度が小さく実用的でない。ま
た、上記の濃度範囲を超えて高すぎると、酸素吸収速度
が遅くなり系内の酸素濃度を充分に低下させることがで
きない。活性調整剤の配合比は、活性調整剤の種類、酸
素吸収剤の活性、使用量、使用目的や状況に応じて、上
記の範囲で適宜選ばれる。
【0015】本発明の実施態様例を、不飽和脂肪酸化合
物及び/又は不飽和基を有する鎖状炭化水素重合物を主
剤とする酸素吸収剤について、以下に詳しく説明する。
不飽和脂肪酸化合物及び/又は不飽和基を有する鎖状炭
化水素重合物を主剤とする酸素吸収剤は、上記の主剤、
酸素吸収促進物質、活性調整剤および担体物質からな
り、好ましくはさらに酸性ガス吸収剤よりなる。殊に本
酸素吸収剤は、酸素吸収に水分を必要とせず、必要に応
じて、脱湿剤を併用することができる。
【0016】酸素吸収剤に用いられる不飽和脂肪酸化合
物は、炭素数が10以上で炭素間に2重結合を持った不
飽和脂肪酸、または該不飽和脂肪酸の塩もしくはエステ
ルである。該不飽和脂肪酸およびその脂肪酸の塩もしく
はエステルには、置換基、例えば水酸基、ホルミル基等
を有していても良い。また、不飽和脂肪酸化合物は必ず
しも純物質である必要はない。
【0017】不飽和脂肪酸化合物の例として、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、パリナリ
ン酸、ダイマー酸またはリシノール酸等の不飽和脂肪
酸、およびこれらのエステルを含有する油脂、エステル
類、金属塩が挙げられる。また、不飽和脂肪酸として植
物油、動物油から得られる脂肪酸、すなわち、アマニ油
脂肪酸、大豆油脂肪酸、桐油脂肪酸、糠油脂肪酸、胡麻
油脂肪酸、綿実油脂肪酸、菜種油脂肪酸、トール油脂肪
酸等も用いられる。
【0018】また、不飽和基を有する鎖状炭化水素重合
物とは、炭素数10以上で炭素原子間に2重結合を1つ
以上を有した重合物およびその誘導体である。該誘導体
は、置換基として、例えば水酸基、アミノ基、ホルミル
基、カルボキシル基等が存在しても良い。不飽和基を有
する鎖状炭化水素重合物を例示すれば、ブタジエン、イ
ソプレン、1,3ペンタジエンなどのオリゴマーや重合
体が挙げられる。不飽和基を有する鎖状炭化水素重合物
は、必ずしも純物質である必要はなく、その製造時に混
入してくる溶媒等の少量の不純物は、常識的な範囲で許
容される。
【0019】酸素吸収促進物質としては、有機化合物の
自動酸化を促進する金属塩やラジカル開始剤を例示する
ことができる。金属塩としては、Cu、Fe、Co、N
i、Cr、Mn等の遷移金属塩が好ましく、遷移金属塩
として、例えば不飽和脂肪酸遷移金属塩が好適に用いら
れる。
【0020】活性調整剤は、酸素吸収剤組成物の一成分
として、前記のごとく、酸素吸収剤に配合される。
【0021】担体物質としては、天然パルプ、合成パル
プからなる紙や合成紙、シリカゲル、アルミナ、活性
炭、ゼオライト、パーライト、活性白土等が例示され
る。殊に主剤等が液状物質である場合、担体物質に吸着
性物質を用いるのが好ましい。
【0022】酸性ガス吸収剤としては、主剤の酸素吸収
反応により生成する酸性物質を吸収できるものであれば
よく、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の
酸化物、水酸化物、炭酸塩、有機酸塩、有機アミン類が
用いられる。また、上記の担体物質および脱湿剤に酸性
ガス吸収能をもつものを選び、酸性ガス吸収剤とするこ
とができる。
【0023】酸素吸収剤における各成分は、主剤100
重量部に対し、酸化促進物質は0.01〜10重量部、
殊に酸化促進物質に遷移金属塩を選ぶ場合には、遷移金
属として、0.001〜1重量部の範囲で用いられる。
担体物質は1〜1000重量部の範囲で用いられる。ま
た酸性ガス吸収剤は必要に応じて0〜1000重量部の
範囲で用いられる。
【0024】また上記酸素吸収剤には、必要に応じて脱
湿剤を併用することができる。脱湿剤として、例えば、
天然パルプ、合成パルプからなる紙や合成紙、シリカゲ
ル、アルミナ、活性炭、ゼオライト、パーライト、活性
白土、生石灰、酸化バリウム、塩化カルシウム、臭化バ
リウム、水素化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化マグ
ネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸
アルミニウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、塩化亜鉛等が用いられる。なお、前記の担体
物質に、上記脱湿剤に例示されるものを選び、担体物質
に脱湿能を合わせもたせることも実際的な使用法であ
る。
【0025】酸素吸収剤の上記各成分の内、液状物質は
担体物質に担持させることが好ましく、上記各成分は混
合し、適宜、顆粒、錠剤、シート等にして用いられる。
酸素吸収剤は、通常、例えば紙又は不織布を基材とする
公知の通気性包材に包装して包装体として使用される。
この場合の包装体の形態は必ずしも限定されず、目的に
応じて、例えば、小袋、シート、ブリスター容器等の形
態を採ることができる。なお、脱湿剤と酸性ガス吸収剤
の一部あるいは全てを別の包装体として用いても差し支
えない。
【0026】本発明の酸素吸収剤は、使用に際し、保存
対象物と共にガスバリヤ性容器に密封される。用いられ
るガスバリヤ性容器のガスバリヤ性能は、25℃、60
%RHにおける酸素透気度が10ml/m2・Day ・atm 以
下であり、かつ、40℃、90%RHにおける水蒸気透
過度が1g /m2・Day 以下であることが好ましい。ガス
バリヤ性容器は、例えば、プラスチックス容器、フィル
ム袋、金属容器、ガラス容器等、ガスバリヤ性材料から
なる容器が保存対象物に合せて選定される。容器のガス
バリヤ性能は目的に応じて過剰性能とならないように選
ぶことが肝要であり、コスト的にも有利である。
【0027】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明をさら
に詳しく説明する。 実施例1 酸素吸収剤の製造:酸素吸収剤の主剤に大豆油、酸素吸
収促進剤にナフテン酸コバルト、活性調整剤に2,6−
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を選
び、活性調整剤のBHT(「BHTスワノックス」精工
化学製品を使用)の添加量を変えて酸素吸収剤を製造し
た。大豆油1400重量部とナフテン酸コバルト(Co
含量8%)100重量部に所定量のBHTを添加し、さ
らにゼオライト3500重量部を加え、ブレンダーで混
合した後、25℃で10分間静置して、流動性のある粉
状体の組成物を得た。得られた組成物5.0gと生石灰
2.5gとを、内面に開孔ポリエチレンフィルムを貼合
わせた紙の小袋(内寸、6.5cm×9cm)に充填し
た後、小袋の周囲をヒートシールして酸素吸収剤包装体
(以下、単に酸素吸収剤という)を製造する。酸素吸収
剤の製造は、窒素置換されたグローブボックスの中で行
う。ここでは、BHT添加量を、それぞれ、0、0.0
15、0.4、1.2、1.8および30重量部(主剤
+酸素吸収促進剤に対して、それぞれ、0、10、27
0、800、1,200および20,000ppm)と
変え、BHT添加量の異なる6種の酸素吸収剤を製造し
た。
【0028】酸素吸収テスト:上記に製造した酸素吸収
剤(包装体)について、新品の酸素吸収剤、および、新
品の酸素吸収剤を25℃、60%RHの空気中に120
分間放置して空気曝露処理したものを、それぞれ、空気
2500ml(25℃、60%RH)と共にアルミ箔積
層材(延伸ポリプロピレン/アルミ箔/ポリエチレン)
の包装袋(サイズ:240mm×340mm、以下「A
l袋」と言う)に密封し、密封したAl袋を25℃、6
0%RHの雰囲気下に1ケ月間保存し、1ケ月後にガス
クロマトグラフを用いて袋内の酸素濃度を測定する。こ
の酸素濃度の測定値に基づき、初期酸素濃度(21%)
からの変化から酸素吸収量を計算する。空気曝露のない
ものと空気曝露処理したものとの二つの酸素吸収量の差
を、空気曝露による酸素吸収の失効量とする。この失効
量の大小によって、酸素吸収剤の放置失効性を評価する
ことができる。また、新品酸素吸収剤を、空気500m
l(25℃、60%RH)と共にAl袋に密封し、密封
したAl袋を60%RHの雰囲気に保持し、24時間
後、密封Al袋内の酸素濃度を測定する。24時間後の
酸素濃度<0.1%が達成されたかどうかにより、初期
の酸素吸収能の良否を判断することができる。BHT添
加量の異なる6種の酸素吸収剤について、酸素吸収テス
トの結果を表1に示す。なお、ガスクロマトグラフによ
るガス分析に際し、酸素濃度と同時に水分濃度を測定し
たが、いずれの場合も系内の水分濃度は1%RH以下で
あった。
【0029】表1の結果に明らかなように、BHT濃度
(主剤+酸素吸収促進剤に対する重量比)が270、8
00、および1,200ppmの場合には、空気曝露
(120分間)による酸素吸収の失効量は極微小で、ま
た、活性調整剤を添加していても24時間後の酸素濃度
は<0.1%であり、酸素吸収速度は十分保持されてい
た。しかし、BHT濃度0および10ppmの場合、空
気曝露による酸素吸収の失効量が大きく、活性調整剤の
添加が少ないと、活性調整剤の添加効果は認められなか
った。また、BHT濃度20,000ppmの場合に
は、失効量そのものは極微小であったが、24時間後酸
素濃度は15%と高く、活性調整剤添加による酸素吸収
速度の低下が著しかった。この結果、活性調整剤の配合
比を、活性調整剤の添加が過剰にならない程度に適当に
選ぶことによって、酸素吸収剤の大気下放置失効性の改
良できることが知られる。
【0030】
【表1】
【0031】実施例2 実施例1の酸素吸収剤における酸素吸収促進剤の量を変
え、主剤;大豆油1400重量部、酸素吸収促進剤;ナ
フテン酸コバルト100重量部、活性調整剤;BHT
0.05重量部とし、実施例1と同様に、酸素吸収剤を
調製した。得られた酸素吸収剤の酸素吸収テスト結果を
表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】実施例3、実施例4 実施例1の酸素吸収剤における活性調整剤種;BHT
を、それぞれ、実施例3では2,5- ジ- t- ブチルハ
イドロキノン(精工化学製「ノンフレックスAlba」
使用)に、実施例4では2- t- ブチルハイドロキノン
(川口化学工業製TBHQ使用)に変え、実施例1と同
様にして、酸素吸収剤を調製した。得られた酸素吸収剤
について酸素吸収テストを行った。結果を表2に示す。
【0034】実施例5〜実施例15 実施例1の酸素吸収剤における主剤;大豆油を、次の如
く変え、実施例1と同様にして、酸素吸収剤を調製し
た。 実施例5:桐油、実施例6:麻実油、実施例7:ゴマ
油、実施例8:なたね油、実施例9:米ぬか油、実施例
10:落花生油、実施例11:ひまし油、実施例12:
オリーブ油、実施例13:椿油、実施例14:トール油
脂肪酸、実施例15:大豆油+液状ゴム(液状ゴム;液
状ポリイソプレン「ダイナクリンR113」日本合成ゴ
ム製品、大豆油/液状ゴム=6/4の混合物) なお上記実施例において酸素吸収促進剤に、それぞれ、
実施例7ではナフテン酸マンガン(Mn含量10%)、
実施例14ではトール油脂肪酸コバルト(Co含量6
%)を用い、他ではナフテン酸コバルト(Co含量8
%)を用いた。主剤の異なる酸素吸収剤のテスト結果を
表3および表4に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、還元性有機化合物を主
剤とする酸素吸収剤に活性調整剤を配合することによ
り、大気下放置失効性を容易に改善することがきる。大
気下放置失効性の改善された本発明の酸素吸収剤は、包
装作業に手間取って少々長時間大気下に放置していて
も、失効して酸素吸収容量が減ることはなく、酸素吸収
性能の低下の心配が全くない。このため、製造時また使
用に際し、酸素吸収剤をグローブボックス等を使って特
に嫌気性雰囲気下で取り扱う必要もなく、作業上極めて
取り扱い易い酸素吸収剤であり、また実用上、大気下放
置失効性を考慮して酸素吸収容量の過大なものを使用す
る必要もなくなる。また、不飽和脂肪酸化合物および/
または不飽和基を有する鎖状炭化水素重合物を主剤とし
活性調整剤を配合した本発明の酸素吸収剤は、乾燥条件
下でも容易に酸素吸収できる酸素吸収剤であり、例え
ば、食品、乾燥食品、医薬品、金属類、金属製品、精密
部品、金属粉、蒸着金属、半導体や半導体部品などの電
子品や電子部品、ガラス、写真、磁気テープ、絵画、押
し花、ドライフラワー、衣類、毛皮、古本、古文書な
ど、様々な物品の保存に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 義彰 東京都千代田区丸の内2丁目5番2号 三 菱瓦斯化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元性有機化合物を主剤とし活性調整剤
    を配合してなることを特徴とする酸素吸収剤。
  2. 【請求項2】 活性調整剤がフェノール類、ホスファイ
    ト類、イオウ類並びにアミン類である請求項1に記載の
    酸素吸収剤。
  3. 【請求項3】 還元性有機化合物が不飽和脂肪酸化合物
    および/または不飽和基を有する鎖状炭化水素重合物で
    ある請求項1又は請求項2に記載の酸素吸収剤。
  4. 【請求項4】 活性調整剤がヒンダードフェノールであ
    る請求項3に記載の酸素吸収剤。
  5. 【請求項5】 活性調整剤の配合割合が主剤に対して5
    0ppm〜10,000ppm(重量比)である請求項
    4に記載の酸素吸収剤。
JP6640695A 1995-03-24 1995-03-24 酸素吸収剤 Pending JPH08257396A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6640695A JPH08257396A (ja) 1995-03-24 1995-03-24 酸素吸収剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6640695A JPH08257396A (ja) 1995-03-24 1995-03-24 酸素吸収剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08257396A true JPH08257396A (ja) 1996-10-08

Family

ID=13314893

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6640695A Pending JPH08257396A (ja) 1995-03-24 1995-03-24 酸素吸収剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08257396A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002336693A (ja) * 2001-05-14 2002-11-26 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 酸素吸収剤組成物
US20130118925A1 (en) * 2010-07-16 2013-05-16 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. Laminated film and package

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002336693A (ja) * 2001-05-14 2002-11-26 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 酸素吸収剤組成物
US20130118925A1 (en) * 2010-07-16 2013-05-16 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. Laminated film and package

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4908151A (en) Oxygen absorbent
KR19980032770A (ko) 산소흡수용 조성물
AU734826B2 (en) Low migratory photoinitiators for oxygen-scavenging compositions
AU2005267550B2 (en) Method of removing sulfur odors from packages
US4524015A (en) Oxygen absorbent
US6039892A (en) Oxygen absorbent composition
JPH10508045A (ja) 香味保護クロージャーライナー組成物
US6596192B2 (en) Oxygen absorbent composition absorbing water vapor
EP0965381A1 (en) Oxygen absorbent
JPH08257396A (ja) 酸素吸収剤
JPWO2006095640A1 (ja) 粉状酸素吸収材及びその製造法
JPH08282739A (ja) 医薬品類の保存方法
JP3018430B2 (ja) 脱酸素剤組成物
JPH10314581A (ja) 酸素吸収剤及びこれを用いた嫌気性菌の培養方法
JPS61285973A (ja) 食品保存剤及びこれを用いた食品の保存方法
JP3824029B2 (ja) 脱酸素剤
JP2668888B2 (ja) 酸素吸収剤
JP3028966B2 (ja) 回転部品の軸受の保存方法
JPH0429741A (ja) 酸素吸収用組成物
JPH0811056B2 (ja) 酸素吸収剤
JPH08193001A (ja) ドライフラワーの製造方法
US5866070A (en) Method for preserving adhesive tape and method for preserving article using the same
JPS6121077A (ja) 食品の保存方法
JP2007307451A (ja) 脱酸素剤組成物
JP2932572B2 (ja) 防錆用組成物