JPH08253636A - 易加工性組成物、それを含む裏打ち材組成物およびそれを用いたカーペット - Google Patents

易加工性組成物、それを含む裏打ち材組成物およびそれを用いたカーペット

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JPH08253636A
JPH08253636A JP8487895A JP8487895A JPH08253636A JP H08253636 A JPH08253636 A JP H08253636A JP 8487895 A JP8487895 A JP 8487895A JP 8487895 A JP8487895 A JP 8487895A JP H08253636 A JPH08253636 A JP H08253636A
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carpet
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JP8487895A
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Akio Kajikawa
晃男 梶川
Takeshi Kabaya
武 蒲谷
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工性に優れた組成物、それを含む自動車用
カーペットおよびタイルカーペットに適したカーペット
裏打ち材組成物ならびにそれらを用いたカーペットを提
供する。 【構成】 (A)炭素原子、水素原子および前記原子と
異なる少なくとも1種の原子を有する脂肪族オレフィン
類をモノマーまたはコモノマーとする重合体100重量
部当たり、(B)数平均分子量300〜4,000の常
温で液状を呈するポリブテンを、不飽和カルボン酸およ
びその誘導体から選ばれる少なくとも1種のモノマーで
変性した変性ポリブテン1〜35重量部を含む易加工性
組成物、それを含む裏打ち材組成物およびそれを用いた
カーペット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工性に優れた新規組
成物、それを含むカーペット裏打ち材組成物およびその
組成物により裏打ちされたカーペットに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】カーペット裏打ち材は、カーペット基材
のパイル抜けを防止し、遮音性を付与し、また床や壁の
形状に合わせた成形加工を容易にしてズレを防止する、
など種々の目的をもって、カーペット基材の裏面に裏打
ち加工されるものである。カーペット基材としては、例
えば羊毛、綿、麻などの天然繊維、ポリプロピレン、ポ
リエステル、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリ塩化
ビニリデンなどの合成繊維、または偏平糸などの繊維素
材から形成される織カーペット、編カーペット、タフテ
ッドカーペット、ニードルパンチカーペット、人工芝な
どが用いられる。例えば、裏打ち加工された自動車用カ
ーペットにおいては、車内に装飾、保温、吸音、遮音な
ど各種の効果を付与し、さらに近年は、自動車ドライバ
ーの安全性重視の要求に応じて、自動車火災からドライ
バーを守るために難燃性を付与するなどの目的で、裏打
ち材が用いられている。また、タイルカーペットは、上
記のカーペット基材に比較的厚い裏打ち材を積層するこ
とによってタイルとしての機能を付与し、適当な大きさ
に裁断したものである。タイルカーペット用の裏打ち材
には、カーペット基材のパイル抜けを防止することがで
き、耐荷重変形性に富み、施工時の変形で割れることが
なく、さらに床の凹凸にも適合しやすい、などの機能が
要求されている。
【0003】従来、上記の機能を備えた自動車用カーペ
ットおよびタイルカーペットの裏打ち材としては、熱可
塑性樹脂、プロセスオイルおよび充填剤からなる組成物
(特開昭55−71734号公報)、エチレン共重合
体、可塑剤および硫酸バリウムからなる組成物(特開昭
56−53141号公報)、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、充填剤およびオレフィンエラストマーからなる組
成物(特開昭56−88464号公報)、エチレン共重
合体、凝結剤および充填剤からなる組成物(特開昭56
−79033号公報)、ポリオレフィン、エチレン−α
−オレフィン共重合体ゴムまたはビニル芳香族炭化水素
−共役ジオレフィン共重合体ゴム、プロセスオイルおよ
び充填剤からなる組成物(特開昭56−122847号
公報)などが開示されている。しかしながら、上記の各
種カーペット裏打ち材は、加工性に劣り、床や壁の形状
または床の凹凸形状に合わせて加工する際に亀裂を生じ
たり、脆くて割れを生じたり、また割れない場合にもプ
ロセスオイルや可塑剤などの液状成分が分離して滲み出
すなどの問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決し、適度な硬度を有しながら、衝撃や折り曲げに
対して亀裂を生じたり、脆くて割れたりすることがない
易加工性組成物、それを含むカーペット裏打ち材組成
物、特に自動車用カーペットおよびタイルカーペットに
適した裏打ち材組成物、ならびにそれらの組成物により
裏打ちされたカーペットを提供することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、数
平均分子量300〜4,000の常温で液状を呈するポ
リブテンを不飽和カルボン酸またはその誘導体から選ば
れる少なくとも1種のモノマーで変性した変性ポリブテ
ンを用いることにより達成される。すなわち本発明の第
1は、(A)炭素原子、水素原子および前記原子と異な
る少なくとも1種の原子を有する脂肪族オレフィン類を
モノマーまたはコモノマーとする重合体100重量部当
たり、(B)数平均分子量300〜4,000の常温で
液状を呈するポリブテンを、不飽和カルボン酸およびそ
の誘導体から選ばれる少なくとも1種のモノマーで変性
した変性ポリブテン1〜35重量部を含む易加工性組成
物に関するものである。また本発明の第2は、前記
(A)成分が、炭素原子、水素原子および酸素原子を有
する脂肪族オレフィン類をコモノマーとするエチレン共
重合体であることを特徴とする易加工性組成物に関す
る。また本発明の第3は、前記(A)成分が、エチレン
−不飽和カルボン酸エステル共重合体またはエチレン−
ビニルエステル共重合体であることを特徴とする易加工
性組成物に関する。また本発明の第4は、前記(A)成
分が、アクリル酸エチルまたは酢酸ビニルをコモノマー
とし、コモノマーの含有量が2〜50重量%であるエチ
レン共重合体からなることを特徴とする易加工性組成物
に関する。また本発明の第5は、前記(B)成分が、数
平均分子量300〜4,000の常温で液状を呈するポ
リブテンに無水マレイン酸を付加してなる変性ポリブテ
ンであることを特徴とする易加工性組成物に関する。ま
た本発明の第6は、前記(A)成分100重量部当た
り、(C)充填剤50〜1,000重量部を配合してな
ることを特徴とする易加工性組成物に関する。また本発
明の第7は、前記易加工性組成物を含むカーペット裏打
ち材組成物に関するものである。また本発明の第8は、
前記(A)成分100重量部当たり、(D)可塑剤1〜
70重量部を配合してなることを特徴とするカーペット
裏打ち材組成物に関する。また本発明の第9は、前記
(A)成分100重量部当たり、(E)少なくとも1種
のポリオレフィン1〜150重量部を配合してなること
を特徴とするカーペット裏打ち材組成物に関する。また
本発明の第10は、前記(E)成分が、高圧法低密度ポ
リエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレンおよびポリプロピレンの群から選ばれる少なくと
も1種のポリオレフィンであることを特徴とするカーペ
ット裏打ち材組成物に関する。また本発明の第11は、
前記直鎖状低密度ポリエチレンが、密度0.910〜0.
940g/cm3の、エチレンとプロピレン、ブテン−1、
4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−
1、デセン−1およびドデセン−1から選ばれる少なく
とも1種のα−オレフィンとの共重合体であることを特
徴とするカーペット裏打ち材組成物に関する。また本発
明の第12は、前記カーペットが自動車用カーペットで
あるカーペット裏打ち材組成物に関する。また本発明の
第13は、前記カーペットがタイルカーペットであるカ
ーペット裏打ち材組成物に関する。さらに本発明の第1
4は、前記カーペット裏打ち材組成物をカーペット基材
に裏打ちしてなるカーペットに関するものである。
【0006】以下、本発明についてさらに説明する。本
発明の(A)成分である、炭素原子、水素原子および前
記原子とは異なる少なくとも1種の原子を有する脂肪族
オレフィン類をモノマーまたはコモノマーとする重合体
とは、炭素原子、水素原子、およびその他の原子、例え
ば塩素、臭素、ヨウ素、フッ素などのハロゲン、酸素、
窒素、硫黄、リンなどから構成される脂肪族オレフィン
類、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソブテニル
クロライド、アクリルアミド、アクリロニトリル、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、アクリル酸、メタクリル酸などをモノマーまたは
コモノマーとする単独重合体、共重合体もしくはこれら
の混合物である。共重合体成分としてはエチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2
−ブテン、イソブチレン、1,3−ブタジエン、1−ペ
ンテン、シス−2−ペンテン、トランス−2−ペンテ
ン、2−メチルブテン−1、3−メチルブテン−1、2
−メチルブテン−2、1−ヘキセン、4−メチルペンテ
ン−1、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1
−デセン、スチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニル
トルエン、p−ビニルトルエン、α−メチルスチレン、
β−メチルスチレンなどが挙げられる。
【0007】上記重合体のうち単独重合体としては、例
えばポリ酢酸ビニル、ポリプロピオン酸ビニル、ポリ塩
化ビニル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポ
リ塩化ビニリデンなどが挙げられる。共重合体として
は、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、
エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アク
リル酸エチル−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エチル−酢酸ビニル共重合体、AAS(Acrylonitr
ile acrylic styrene)樹脂、アクリロニトリル−スチ
レン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体、ブタジエン−スチレン−メチルメタクリレ
ート共重合体などが挙げられる。
【0008】(A)成分としては、炭素原子、水素原子
および酸素原子から構成される脂肪族オレフィン類をコ
モノマーとしたエチレン共重合体が好ましく、特にエチ
レン−不飽和カルボン酸エステル共重合体およびエチレ
ン−ビニルエステル共重合体が好ましい。具体的にはエ
チレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共
重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピオン酸ビ
ニル共重合体などが挙げられる。特に、エチレン−アク
リル酸エチル共重合体およびエチレン−酢酸ビニル共重
合体が好ましい。
【0009】上記エチレン共重合体中の脂肪族オレフィ
ン類の含有量は2〜50重量%、特に5〜40重量%で
あることが望ましい。脂肪族オレフィン類の含有量が5
0重量%を越える場合は、耐熱性が悪く、軟化点が低い
ために好ましくない。また脂肪族オレフィン類の含有量
が2重量%より少ない場合には、得られる組成物が硬
く、柔軟性や伸びが低くなり、さらに低温特性に劣るた
めに好ましくない。また、上記エチレン共重合体のメル
トフローレート(MFR)は、通常0.1〜400g/10m
in であり、好ましくは0.1〜150g/10min、さらに
好ましくは0.2〜50g/10min である。MFRがこの
範囲をはずれる場合には、耐熱性、引張強度などが低く
なり、また配合性や加工性に劣るために好ましくない。
【0010】本発明の(B)成分は、常温で液状を呈す
るポリブテンに不飽和カルボン酸またはその誘導体を付
加してなる変性ポリブテンである。変性ポリブテンは、
加工温度で溶融し得るものであれば、常温で固体であっ
ても用いることができるが、常温で液体、粘稠液体また
は半固体の形態を有するものが、本発明の効果を発揮し
易い点で好ましい。ここでポリブテンとは、精製したイ
ソブチレンを原料とするイソブチレン単独重合体、石油
精製における流動床式接触分解法からのC4留分もしく
はナフサクラッカーからのC4留分に含まれるイソブチ
レンを、塩化アルミニウム、フッ化ホウ素などのフリー
デルクラフツ触媒により選択的に重合して得られるイソ
ブチレンの単独重合体、またはイソブチレンを主体とす
る1−ブテン、シス−2−ブテン、またはトランス−2
−ブテンとの共重合体であり、数平均分子量が300〜
4,000であって、常温で液状を呈するものであ
る。
【0011】(B)成分に用いる上記不飽和カルボン酸
の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒ
ドロフタル酸などのα,β−不飽和ジカルボン酸もしく
はモノカルボン酸が例示される。またその誘導体として
は、酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エステルな
どが挙げられ、具体的には塩化マレニル、マレイミド、
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、
テトラヒドロ無水フタル酸、マレイン酸モノメチル、マ
レイン酸ジメチル、マレイン酸グリシジルなどが例示さ
れる。これらの中で特に好ましいのは無水マレイン酸で
ある。
【0012】ポリブテンに不飽和カルボン酸またはその
誘導体を付加するには、従来公知の方法を採用すること
ができる。上記不飽和カルボン酸またはその誘導体をポ
リブテンに対して等モルまたはそれ以上の割合で混合
し、触媒の存在下または無触媒で、反応温度 −30〜
300℃において数時間撹拌した後、減圧蒸留または溶
剤抽出によって未反応物を除去し、必要に応じ濾過を行
って目的の変性ポリブテンを得ることができる。得られ
た変性ポリブテンにおける不飽和カルボン酸またはその
誘導体の付加量は、ポリブテン1モルに対して0.05
〜5.0モル、好ましくは0.1〜4.0モル、さらに好
ましくは0.5〜3.0モルである。
【0013】本発明における(B)成分の変性ポリブテ
ンは、非晶性部分を有する重合体との相容性に富むもの
である。変性ポリブテン中のポリブテン未変性部分が、
(A)成分、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体やエ
チレン−アクリル酸エチル共重合体などの非晶性部分に
相容することによって、著しく加工性に優れ、かつその
他の配合剤との相容性に優れた本発明の易加工性組成物
が得られる。
【0014】一方、ポリブテンに付加した不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体の官能基部分、例えばカルボン酸
無水物部分は、(C)成分の充填剤と強固に結合するこ
とによって、(A)成分と充填剤との間の親和性の不足
を補いつつ滑性を付与し、かつ、全体として易加工性の
組成物を形成する作用を示す。従って、ポリブテンに付
加した不飽和カルボン酸またはその誘導体の濃度、充填
剤の配合量および組成物の加工性の程度などに応じて、
変性ポリブテンの配合量を適宜変化させる。(B)成分
の変性ポリブテンの配合量は、(A)成分100重量部
当たり1〜35重量部、好ましくは2〜30重量部の範
囲である。配合量が1重量部より少ないと配合効果が発
揮されない。また35重量部を越えると軟質化が著し
く、場合により変性ポリブテンが分離して粘着性を生じ
るようになるので好ましくない。
【0015】本発明において用いられる(C)成分の充
填剤としては、金属、金属酸化物、金属塩、ケイ酸塩お
よびケイ酸塩鉱物などが挙げられる。例えば、金属とし
ては鉄、亜鉛、錫、鉛、銅、ニッケル、クロム、モリブ
デン、マンガン、アルミニウムなど、金属酸化物として
は酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化錫、酸化ニッケ
ル、酸化クロム、酸化モリブデン、アルミナなど、また
金属塩としては硫酸バリウム、硫酸鉛、硫酸カルシウ
ム、炭酸鉛、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなど、ケイ
酸塩およびケイ酸塩鉱物としてはケイ酸カルシウム、ケ
イ石粉、ケイ砂、シリカ、フライアッシュ、セメント
粉、マイカ、アスベスト、タルク、クレーなど、および
これらの混合物が挙げられる。好ましい充填剤として
は、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムおよびこれら
の混合物が挙げられる。
【0016】(C)充填剤の配合量は、(A)成分10
0重量部当たり、50〜1,000重量部であり、好ま
しくは100〜700重量部である。50重量部より少
ない場合は、組成物の硬さが不足するとともに、経済的
効果が生じない。また1,000重量部を越える量を配
合すると、硬さが過大になるとともに脆くなるので好ま
しくない。なお、炭酸カルシウムと水酸化マグネシウム
の混合物を配合する場合には、予め炭酸カルシウムと水
酸化マグネシウムを混合した後に他の成分と配合しても
よく、またそれぞれを別に配合してもよい。
【0017】上述した(A)成分、(B)成分および
(C)成分からなる易加工性組成物はカーペット裏打ち
材の主成分として適しており、さらに上記組成物に必要
に応じて(D)成分の可塑剤および/または(E)成分
のポリオレフィンを配合することによって、所望のカー
ペット裏打ち材を得ることができる。
【0018】(D)成分の可塑剤として、具体的には、
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチル、
フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソノニ
ル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ジイソデシル、
フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸誘導体;イソフ
タル酸誘導体;テトラヒドロフタル酸誘導体;アジピン
酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸
ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソノニル、ア
ジピン酸イソデシルなどのアジピン酸誘導体;アゼライ
ン酸ジ(2−エチルヘキシル) などのアゼライン酸誘導
体;セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ(2−エチルヘ
キシル) などのセバシン酸誘導体;トリメリト酸トリス
(2−エチルヘキシル) などのトリメリト酸誘導体;ク
エン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチ
ルなどのクエン酸誘導体;オレイン酸およびその誘導
体;ステアリン酸およびその誘導体;リシノール酸およ
びその誘導体;などの炭素数1〜20の一塩基酸、二塩
基酸もしくは三塩基酸、またはこれらの無水物からなる
有機酸成分と、炭素数が1〜20の一価のアルコールと
のエステル化反応によって得られる可塑剤のほか、ポリ
エステル系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤などの重合系
可塑剤、さらにナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油、芳
香族系鉱油などの鉱物油やヤシ油などの植物油などが挙
げられる。
【0019】上記(D)可塑剤の配合量は、(A)成分
100重量部当たり、1〜70重量部であり、好ましく
は10〜50重量部である。配合量が70重量部を越え
る場合にはカーペット裏打ち材の軟化により、耐熱性や
引張強度の低下を招き、また可塑剤が裏打ち材から分離
する傾向を示すため好ましくない。配合量が1重量部よ
り少ない場合には配合効果が認められない。
【0020】本発明においては、カーペット裏打ち材
に、耐熱性や形状保持性を付与したい場合に、(E)成
分として、少なくとも1種のポリオレフィンを配合す
る。ポリオレフィンとしては、例えば高圧法低密度ポリ
エチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリイソプレ
ン、ポリペンテン、ポリメチルペンテンなどの単独重合
体または共重合体が挙げられるが、好ましくは高圧法低
密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、ポリプロピレンが用いられる。
【0021】上記高圧法低密度ポリエチレンは、酸素、
過酸化物、アゾ化合物などを反応開始剤とする高圧ラジ
カル重合反応によって得られる低密度ポリエチレンであ
る。反応開始剤としては、酸素;ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、tert−ブチルネオデカネート、te
rt−ブチルパーピバレート、ジラウリルパーオキサイ
ド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパ
ーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キセノエート、tert−ブチルパーイソブチレート、tert
−ブチルパーアセテート、tert−ブチルパーベンゾエー
ト、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどの有機過
酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,
2−ジフェニルアセトニトリルなどのアゾ化合物;など
の1種または2種以上の混合物を使用することができ
る。開始剤の全濃度は、使用する開始剤の種類、使用量
および反応温度により異なる。
【0022】また上記重合時には、変性剤としてエタ
ン、プロパン、ブタン、ヘキサンのようなパラフィン系
炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの環
状パラフィン系炭化水素類;アセトン、メチルエチルケ
トンなどのケトン類;メタノール、エタノール、プロパ
ノールなどのアルコール類;トルエン、ジエチルベンゼ
ン、キシレンなどの芳香族化合物;硫黄化合物;ハロゲ
ン化物;アルデヒド類;アルキルカルボン酸類;水素な
どを適宜添加することができる。
【0023】上記高圧法低密度ポリエチレンは、例えば
管状反応器、撹拌オートクレーブ反応器、あるいはこれ
ら両方を組み合わせた反応器などを用い、上記の反応開
始剤および変性剤の存在下において、反応圧力1,00
0〜4,000kg/cm2、反応温度100〜400℃で重
合することにより得られる。
【0024】また、(E)成分の一つである直鎖状低密
度ポリエチレンは、密度0.910〜0.940g/cm
3の、エチレンと少なくとも1種の炭素数3〜12のα
−オレフィンとの共重合体である。具体的なα−オレフ
ィンとしては、プロピレン、ブテン―1、4−メチルペ
ンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1
またはドデセン−1などを挙げることができる。これら
のうち特に好ましいものはブテン―1である。
【0025】また、(E)成分として用いられるる高密
度ポリエチレンとは、密度0.941〜0.970g/cm3
のポリエチレンである。
【0026】前記直鎖状低密度ポリエチレンおよび高密
度ポリエチレンは、遷移金属触媒を用いて製造され、具
体的には、シリカやアルミナを担体とした酸化クロム触
媒などの遷移金属酸化物系触媒、またはハロゲン化チタ
ンなどの周期表の第IV〜VIII族の遷移金属のハロゲン化
物を塩化マグネシウムなどに担持させた触媒成分と、ア
ルキルアルミニウムあるいはアルキルアルミニウムクロ
リドなどの有機アルミニウムで代表される周期表の第I
〜III族の有機金属化合物との組合せからなる配位触媒
などが使用される。また重合方法には、懸濁重合、溶液
重合、気相重合などの各種のプロセスが用いられる。
【0027】さらに(E)成分として用いるポリプロピ
レンとは、ポリプロピレン単独重合体またはプロピレン
と少なくとも1種のα−オレフィンとのランダムあるい
はブロック共重合体である。上記α−オレフィンとして
は、エチレン、ブテン―1、4−メチルペンテン−1、
ヘキセン−1、およびオクテン−1などを挙げることが
できる。上記ポリプロピレンは、公知の方法によりアル
キルアルミニウム/四塩化チタン系のチーグラーナッタ
触媒を用いて得られる。
【0028】上記(E)成分としての高圧法低密度ポリ
エチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レンおよびポリプロピレンは、混合して配合することも
できる。(E)成分の配合量は、(A)成分100重量
部当たり1〜150重量部、好ましくは10〜100重
量部である。配合量が150重量部を越えると組成物が
硬くなり、割れやすくなるので好ましくない。また1重
量部より少ないと配合効果が認められない。
【0029】また(E)成分のポリオレフィンのMFR
は通常0.1〜150g/10min であり、好ましくは1〜
100g/10min である。MFRがこの範囲を外れる場合
には、カーペット裏打ち材として耐熱性および主要物性
が不十分となり、さらに配合性や加工性に劣るため好ま
しくない。
【0030】本発明の易加工性組成物を必須成分とする
カーペット裏打ち材組成物には、このほか必要に応じて
炭素数10〜24の脂肪酸またはその金属塩もしくはア
ミドの少なくとも1種を添加することができる。脂肪酸
は飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸のいずれでもよいが、
通常は飽和脂肪酸が好ましく用いられる。具体例として
はステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニ
ウムおよびステアリン酸アミドを挙げることができる。
【0031】さらに、カーペット裏打ち材組成物には、
酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、界面活性剤、紫外線
吸収剤、熱安定剤などを上記組成物の特性を害さない限
り適宜配合することができる。
【0032】上記組成物の配合は、ニーダー、ブラベン
ダー、バンバリーロールなどのミキサーによって行う。
配合に当たり、(A)、(B)および(C)成分、なら
びに必要に応じて(D)および/または(E)成分の各
必要量をミキサーに供給する際の順序は特に制約されな
い。配合する際の加熱温度は、通常100〜230℃、
好ましくは110〜200℃であり、配合時間は5〜4
0分、好ましくは8〜30分であり、十分均一に混合す
ることが好ましい。
【0033】上記組成物をカーペット裏打ち材として加
工するには、上記の方法によって得られた配合物を、続
いて押出機などにより通常100〜220℃で押し出
し、パウダー、ペレット、フィルムおよびシートなどに
成形する。予めパウダー状に成形した配合物は、カーペ
ット基材の裏面に均一に散布した後、加熱融着すること
によって裏打ちすることができる。ペレット状に成形し
た配合物は、押出機などによってフィルム状またはシー
ト状に押し出してカーペット基材に裏打ち加工すること
ができる。またフィルムあるいはシート状に成形した配
合物とカーペット基材とを、加熱もしくは接着剤を用い
て張り合わせることにより裏打ち加工することもでき
る。さらに、(A)、(B)および(C)成分、ならび
に必要に応じて(D)および/または(E)成分を、連
続供給装置により二軸混練押出機に供給しながら、カー
ペット基材上に直接シート状に連続的に押出し、裏打ち
加工することもできる。
【0034】上記のようにして前記配合物をカーペット
基材に裏打ちした後に、必要であれば、さらに織布、不
織布、プラスチックフィルム、紙、フェルトなどを積層
することができる。
【0035】上記組成物は、裏打ち材として種々のカー
ペット基材と組み合わせて使用することができる。カー
ペット基材としては、例えば、羊毛、綿、麻などの天然
繊維、またはポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニリデンなどの合成
繊維および偏平糸などの繊維素材から形成される織カー
ペット、編カーペット、タフテッドカーペット、ニード
ルパンチカーペット、人工芝などを挙げることができ
る。さらに、上記カーペット基材に対し、ラテックス系
のプレコート処理、エチレン−酢酸ビニル共重合体(E
VA)系のホットメルトタイプ接着剤によるプレコート
処理、あるいは低密度ポリエチレンのフィルムによるプ
レコート処理などを施したものも使用することができ
る。前記カーペット基材に本発明の組成物で裏打ち加工
を施したカーペットは、自動車用カーペットおよびタイ
ルカーペットとして好適である。
【0036】自動車用カーペットの製造においては、本
発明の組成物を用いて裏打ちしたカーペットを、組成物
の軟化点以下の温度、例えば150〜200℃に加熱し
た金型を用いて、自動車床面形状に応じた形状に賦形
し、脱型した後、室温まで冷却する。あるいは、裏打ち
したカーペットを上記温度に加熱した後、直ちに圧縮冷
却成形機により所定形状に成形する。このようにして自
動車の床面形状に応じて賦形したカーペットは、自動車
組立工程に供される。
【0037】タイルカーペットの場合には、例えば上記
カーペット基材に本発明の組成物を積層した後、さらに
裏基布として、カーペット基材と同様の繊維素材もしく
はガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維などの繊維素材
から形成される織布;上記の繊維素材を織成することな
く結合剤または熱融着で網目状に結合した布;あるいは
繊維をランダムに均一な厚みに結合した不織布などを張
り合わせる。また、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊
維などから形成された集束糸からなる平織、綾織、模写
織、絡み織、繻子織などの織布;集束糸を織らずに繊維
を経緯交差させ、交点を結合剤で固定して網目状に形成
した組布;あるいは繊維をランダム方向に均一の厚さに
分散させ、結合剤で付着した不織布などからなる中間基
布を、カーペット基材と裏基布との間にそれぞれ裏打ち
材を介して積層することもできる。
【0038】タイルカーペットの製造方法としては、例
えば、裏打ちしたカーペットまたはカーペット基材に中
間基布を圧着ロールにより積層し、その上に裏打ち材を
Tダイ法により押出し、ドクターブレードまたはカレン
ダーロールコーターなどのコーターを用いて積層した
後、裏基布を圧着ロールにより積層し、さらに必要に応
じ再度その上に裏打ち材を積層して、所定厚さおよび所
定性状の積層カーペット帯材を形成し、さらに後続工程
において冷却装置および切断装置を順次経由して所望の
タイルカーペットを得る方法などが挙げられる。なお、
本発明の易加工性組成物を必須成分とするカーペット裏
打ち材組成物は、上記カーペット基材に0.2〜10kg/
m2の割合で塗布される。
【0039】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明の
実施態様および効果をさらに詳細に説明する。裏打ち材
組成物、自動車用カーペットおよびタイルカーペットの
作製方法は次の通りである。 (1)裏打ち材組成物の配合 所定量の(A)、(B)および(C)成分、ならびに必
要に応じて(D)および/または(E)成分を電気加熱
式ニーダーに供給し、加熱温度140℃、混合時間10
分の条件で配合を行った。配合後、直ちに厚さ2mmの
シートとして押出成形し、裏打ち材とした。 (2)裏打ち自動車用カーペットの製作 小型二軸混練押出機の先端にTダイを取り付けた設備を
用い、裏打ち材用配合材料を約180℃で連続的に厚さ
2.0mmおよび1.5mmの溶融シートとして押出しな
がら、タフテッドカーペットの裏面に重ね、圧着ロール
で固着して自動車用カーペットを得た。 (3)裏打ちタイルカーペットの製作 小型二軸混練押出機の先端にTダイを取り付けた設備を
用い、裏打ち材用配合材料を約180℃で連続的に厚さ
1.5mmの溶融シートとして押し出しながら、変性ス
チレン・ブタジエン共重合体系目止め剤を施したタフテ
ッドカーペットに、中間基布としての目付け量80g/m2
のガラス組布(ガラス繊維を経緯交差させて交点を接着
剤で固定し網目状にしたもの)を重ねた上に積層し、そ
の上に目付け量40g/m2のガラス不織布を裏基布として
重ね、圧着ロールで固着させ、そのガラス不織布の上
に、厚さ1.5mmの上記溶融シートを押出し、積層し
て圧着ロールで固着し、冷却した後、一辺が50cmの
正方形に切断しタイルカーペットを得た。
【0040】実施例および比較例に用いた裏打ち材組成
物の各成分は以下の通りである。 (A)成分 A1:エチレン−酢酸ビニル共重合体(1) 酢酸ビニル含有量 23重量%、MFR 10g/10min A2:エチレン−酢酸ビニル共重合体(2) 酢酸ビニル含有量 30重量%、MFR 15g/10min A3:エチレン−アクリル酸エチル共重合体 アクリル酸エチル含有量 26重量%、MFR 12g/10
min (B)成分 B1:無水マレイン酸変性ポリブテン(1) マレイン化率 1.2モル(ポリブテン1モルに対し)、
数平均分子量1,400のポリブテン(商品名:HV3
00、日本石油化学(株)製)を無水マレイン酸でマレイ
ン化した変性ポリブテン B2:無水マレイン酸変性ポリブテン(2) マレイン化率 1.3モル、数平均分子量750のポリブ
テン(商品名:HV35、日本石油化学(株)製)を無水
マレイン酸でマレイン化した変性ポリブテン B3:ポリブテン 数平均分子量1,400(商品名:HV300、日本石
油化学(株)製) (C)成分 C1:炭酸カルシウム C2:水酸化マグネシウム (D)成分 D1:フタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)(DOP) D2:ナフテン系鉱油(商品名:コウモレックス2号プ
ロセスオイル、日本石油(株)製) (E)成分 E1:高圧法低密度ポリエチレン 密度0.919g/cm3、MFR 22g/10min E2:直鎖状低密度ポリエチレン 密度0.916g/cm3、MFR 32g/10min E3:高密度ポリエチレン 密度0.958g/cm3、MFR 17g/10min E4:ポリプロピレン 密度0.90〜0.91g/cm3、MFR 45g/10min
【0041】各物性値の評価方法は以下の通りである。 (a)裏打ち材の物性評価 (1)可塑剤ブリード状況:指触観察による。 (2)環球式軟化点(℃):JIS K2531 (3)室温折り曲げ:試料を折り曲げて、その状態を目視
により確認した。評価基準は次の通りである。 ○・・・亀裂なし、 ×・・・亀裂あり (4)脆化温度(℃):JIS K6301 (5)引張強度(kgf/cm2):JIS K6301 (6)伸び率(%):JIS K6301 (7)曲げ強度(kgf/cm2):ASTM D790 (b)自動車用カーペットおよびタイルカーペットの物
性評価 (1)引張強度(kgf/cm2):JIS L1021 (2)抜糸強度(kgf/本):JIS L1021 (3)燃焼速度(mm/min):JIS D1201 (4)燃焼煙濃度(最大値Ds):ASTM E622 (5)成形保持性:得られた裏打ちカーペットを40×4
0cmの大きさに切断し、180℃の熱風恒温槽に入れ
て10分間加熱した後、直ちに圧縮冷却成形機で成形す
る。脱型して24時間経過した後、裏打ちカーペットの
状態を目視により確認した。 (6)曲げ強度(kgf/cm2):ASTM D790 (7)−10℃折り曲げ:−10℃の雰囲気下に2時間放
置した後、試料を折り曲げて、その状態を目視により確
認した。評価基準は次の通りである。 ○・・・亀裂なし、 ×・・・亀裂あり (8)寸法安定性(%):20℃雰囲気下の寸法に対す
る、−20℃雰囲気下に2時間放置後の寸法の変化率を
測定した。 (9)床への馴染み性:指触観察による。
【0042】<実施例1〜8>表1の配合処方に従い混
合を行って裏打ち材用シートを作製し、それを用いて自
動車用カーペットおよびタイルカーペットを作製した。
物性の評価結果を表2および表3に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】<比較例1〜8>表4の配合処方に従い混
合を行って裏打ち材用シートを作製し、それを用いて実
施例と同様に自動車用カーペットおよびタイルカーペッ
トを作製した。物性の評価結果を表5および表6に示
す。
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【発明の効果】本発明の易加工性組成物は著しく加工性
に優れ、床や壁の形状に合わせた加工が容易であり、凹
凸に馴染み易い。また上記組成物を含むカーペット裏打
ち材を用いて裏打ちしたカーペットは、引張強度、曲げ
強度、抜糸強度などの物性において優れており、比較的
低温で折り曲げても亀裂が入ることなく、さらに可塑剤
などの液状成分が分離する現象も生じない。請求項1に
記載した発明により(B)変性ポリブテンを配合するこ
とによって、(A)脂肪族オレフィン重合体の加工性が
改善される。また他の配合材との相溶性が向上し、それ
らの配合が容易になる。具体的には、(A)脂肪族オレ
フィン重合体として請求項2から4に記載したものを、
(B)変性ポリブテンとして請求項5に記載したものを
それぞれ用いる。請求項6に記載した発明により(C)
充填材を配合しても、(B)変性ポリブテンが存在する
ことによって、組成物の物性の低下が少なく、(C)充
填材を大量に配合することが可能である。また、(B)
成分の存在により適宜に柔軟性を有する組成物が得られ
る。請求項7に記載した発明によれば、本発明の易加工
性組成物はカーペット裏打ち材に適するものである。請
求項8に記載した発明により(D)可塑剤を配合するこ
とによって、加工性のさらに向上したカーペット裏打ち
材が得られる。請求項9に記載した発明により(E)ポ
リオレフィンを配合することによって、カーペット裏打
ち材の耐熱性や形状保持性が向上する。具体的には、請
求項10および11に記載したポリオレフィンを用い
る。請求項12および13に記載した発明によれば、本
発明のカーペット裏打ち材は自動車用カーペットおよび
タイルカーペットとして好適に用いられる。請求項14
に記載した発明により上記組成物を用いて基材を裏打ち
したカーペットは、床や壁の形状に合わせて加工するこ
とが容易であり、かつ引張強度、曲げ強度、抜糸強度な
どに優れている。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)炭素原子、水素原子および前記原
    子と異なる少なくとも1種の原子を有する脂肪族オレフ
    ィン類をモノマーまたはコモノマーとする重合体100
    重量部当たり、(B)数平均分子量300〜4,000
    の常温で液状を呈するポリブテンを、不飽和カルボン酸
    およびその誘導体から選ばれる少なくとも1種のモノマ
    ーで変性した変性ポリブテン1〜35重量部を含む易加
    工性組成物。
  2. 【請求項2】 前記(A)成分が、炭素原子、水素原子
    および酸素原子を有する脂肪族オレフィン類をコモノマ
    ーとするエチレン共重合体であることを特徴とする請求
    項1に記載の易加工性組成物。
  3. 【請求項3】 前記(A)成分が、エチレン−不飽和カ
    ルボン酸エステル共重合体またはエチレン−ビニルエス
    テル共重合体であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の易加工性組成物。
  4. 【請求項4】 前記(A)成分が、アクリル酸エチルま
    たは酢酸ビニルをコモノマーとし、該コモノマーの含有
    量が2〜50重量%であるエチレン共重合体からなるこ
    とを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の易加
    工性組成物。
  5. 【請求項5】 前記(B)成分が、数平均分子量300
    〜4,000の常温で液状を呈するポリブテンに、無水
    マレイン酸を付加してなる変性ポリブテンであることを
    特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の易加工性
    組成物。
  6. 【請求項6】 前記(A)成分100重量部当たり、
    (C)充填剤50〜1,000重量部を配合してなるこ
    とを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の易加
    工性組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載の易加
    工性組成物を含むカーペット裏打ち材組成物。
  8. 【請求項8】 前記(A)成分100重量部当たり、
    (D)可塑剤1〜70重量部を配合してなることを特徴
    とする請求項7に記載のカーペット裏打ち材組成物。
  9. 【請求項9】 前記(A)成分100重量部当たり、
    (E)少なくとも1種のポリオレフィン1〜150重量
    部を配合してなることを特徴とする請求項7または8に
    記載のカーペット裏打ち材組成物。
  10. 【請求項10】 前記(E)成分が、高圧法低密度ポリ
    エチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
    レンおよびポリプロピレンの群から選ばれる少なくとも
    1種のポリオレフィンであることを特徴とする請求項7
    から9のいずれかに記載のカーペット裏打ち材組成物。
  11. 【請求項11】 前記直鎖状低密度ポリエチレンが、密
    度0.910〜0.940g/cm3の、エチレンとプロピレ
    ン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−
    1、オクテン−1、デセン−1およびドデセン−1から
    選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとの共重合体
    であることを特徴とする請求項7から10のいずれかに
    記載のカーペット裏打ち材組成物。
  12. 【請求項12】 前記カーペットが自動車用カーペット
    である請求項7から11のいずれかに記載のカーペット
    裏打ち材組成物。
  13. 【請求項13】 前記カーペットがタイルカーペットで
    ある請求項7から11のいずれかに記載のカーペット裏
    打ち材組成物。
  14. 【請求項14】 請求項7に記載のカーペット裏打ち材
    組成物をカーペット基材に裏打ちしてなるカーペット。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146122A (ja) * 2000-11-09 2002-05-22 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 重合体組成物及びそれを用いた易開封性シール材料
JP2007269836A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Emulsion Technology Co Ltd 人工芝カーペットバッキング材用組成物及び人工芝カーペット
JP2008088414A (ja) * 2006-09-06 2008-04-17 Emulsion Technology Co Ltd 人工芝カーペットバッキング材用組成物
CN108836086A (zh) * 2018-08-24 2018-11-20 宿迁南航新材料与装备制造研究院有限公司 一种阻燃抑菌地毯

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