JPH08251846A - ロータの構造 - Google Patents

ロータの構造

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JPH08251846A
JPH08251846A JP7055449A JP5544995A JPH08251846A JP H08251846 A JPH08251846 A JP H08251846A JP 7055449 A JP7055449 A JP 7055449A JP 5544995 A JP5544995 A JP 5544995A JP H08251846 A JPH08251846 A JP H08251846A
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浩 村上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロータ本体に埋設された永久磁石の端部間の
磁路短絡を防止し、リップルの少ない円滑な回転が得ら
れるロータを提供する。 【構成】 高透磁率材4からなるロータ本体3aの外周
部にロータ半径方向に直交して埋設された複数の永久磁
石8を有するロータ3において、相隣合う極性の異なる
永久磁石8の端部9間に、短絡磁路の形成を阻止する短
絡防止手段25を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマグネットトルクを利用
するモータや発電機の永久磁石付ロータの構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、高透磁率材からなるロータ本
体の外周部にロータ半径方向に直交して埋設された複数
の永久磁石を有する永久磁石付ロータが知られている。
【0003】図7は従来例を示すものである。ロータ3
は、ロータ本体3aと、その外周側部にロータ半径方向
に直交してS、N極交互に埋設された4つの永久磁石8
とを備えている。永久磁石8をロータ表面へ配設した場
合、効率良くマグネットトルクを得ることができるが、
ロータ3の高速回転による遠心力を受けて永久磁石8が
破損する危険があるため、図7に示すように永久磁石8
をロータ本体3aに埋設している形状のロータがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成におい
ては、ロータ本体3aに埋設された永久磁石8は、鉄材
などの高透磁率材中に存在するため、図7の34で示す
ように隣接する永久磁石8の端部間の磁束の短絡によ
り、ロータ外周面での磁束密度の低下を招くという問題
があった。
【0005】また、図7に示すセンサ36で図のA、
B、C、Dで示す方向に沿ってロータ3の外周面の磁束
密度を測定すると、図8に示すオープンフラックス特性
が測定された。
【0006】図8は縦軸が磁束密度を、横軸がA、B、
C、D等のロータ外周面の各位置を各々示すもので、上
記従来の構成においては、そのオープンフラックス特性
は図8の31と32で示すリップルを有するいびつな形
状となってしまうものであった。上記特性によれば磁束
密度は、永久磁石8の両端近傍に位置するロータ表面位
置で、すなわち図7の31、31に示す位置で極大とな
り、永久磁石8の中心近傍のロータ表面位置、すなわち
図7の32で示す位置で極小となっている。
【0007】上記リップルは、トルクリップルを生ずる
原因となり、出力トルク等の低下を招くと共に振動や騒
音を生じる原因となり問題であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の第1発明は、上記
従来例の問題点を解決するため、高透磁率材からなるロ
ータ本体の外周部にロータ半径方向に直交して埋設され
た複数の永久磁石を有するロータにおいて、相隣合う極
性の異なる永久磁石の端部間に、短絡磁路の形成を阻止
する短絡防止手段を設けたことを特徴とする。
【0009】本願の第2発明は、上記従来例の問題点を
解決するため、高透磁率材からなるロータ本体の外周部
にロータ半径方向に直交して埋設された複数の永久磁石
を有するロータにおいて、各永久磁石を複数の永久磁石
片を相隣接させて構成し、中央の永久磁石片の磁極方向
がロータ半径方向に向けられ、各永久磁石片の磁極方向
が、中央の永久磁石片の磁極方向線上の1点にほぼ集束
する方向に向けられ、かつ前記相隣合う極性の異なる永
久磁石のそれぞれの端部位置に、短絡磁路の形成を阻止
する短絡防止手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
【作用】本願の第1発明によれば、相隣合う極性の異な
る永久磁石の端部間に、短絡磁路の形成を阻止する短絡
防止手段を備えるため、相隣合う永久磁石の端部間の磁
束の短絡を防止することができる。この結果、永久磁石
の磁束の有効利用を図ることができると共に、磁石両端
部の磁気抵抗が大きくなるためオープンフラックス特性
を、図2に示すように矩形波形状にでき、永久磁石が位
置するロータ外周位置での磁束密度を略均一とすること
ができるので、トルクリップルを防止できる。
【0011】本願の第2発明によれば、永久磁石を構成
する複数の永久磁石片のすべての磁極方向が、中央の永
久磁石片の磁極方向線上の1点にほぼ集束する方向に向
けられ、かつ相隣合う極性の異なる永久磁石のそれぞれ
の端部位置に、短絡磁路の形成を阻止する短絡防止手段
を設けているので、相隣合う永久磁石の夫々の端部に位
置する永久磁石中間の磁束の短絡を効果的に防止でき
る。このため、第1発明の作用をより一層効果的に営む
ことができる。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1〜図2は本発明をモータに
適応した第1実施例を示すものである。
【0013】ロータ3には高透磁率材4からなる円形の
ロータ本体3aと、ロータ本体3aの外周部にロータ半
径方向に直交して図のS、Nで示すように極性が交互に
なるように埋設された4つの矩形形状の永久磁石8と、
相隣合う極性の異なる永久磁石8の端部9間に短絡磁路
の形成を阻止する短絡防止手段25とが設けられてい
る。
【0014】図1に示す短絡防止手段25は、各永久磁
石8の外周辺9aの両端部9、9に接すると共に、ロー
タ強度を損なわない程度にロータ外周面3bに図のwで
示す僅かな間隔を隔てる位置まで延びる三角形状の空隙
をロータ本体3に穿設し、この空隙に樹脂26が埋め込
まれて構成されている。前記樹脂26は永久磁石8をロ
ータ本体3aに固定すると共に透磁率が小さく磁束が通
りにくい材質であるため、磁路の短絡を防止する作用を
営む。
【0015】このため、永久磁石8の磁束は短絡磁路に
よるムダがなくなり有効にマグネットトルクを利用でき
る。
【0016】さらに上記構成では、磁石8の両端部の磁
気抵抗が大きくなるため、中央部で磁束が通り易く、両
端部で磁束は通り難くなる。よって、オープンフラック
スは図2に示すように平坦な形状となる。
【0017】このように矩形波形状のオープンフラック
ス特性を有するロータ3は、その回転で生ずる界磁部1
1に誘起される誘起電圧の高調波成分は低減され、ロー
タ3の回転にリップルが発生せず、円滑なロータ3の回
転が可能となる。
【0018】次に、本発明の第2実施例を図3を参照し
て説明する。
【0019】第2実施例は第1実施例の図1に示す矩形
状の永久磁石に代えて、ロータ3の求心方向に凸形をな
す三日月形状の永久磁石8を用い、さらに各永久磁石8
の両端部外側面9に接する磁気的空隙を設けて短絡防止
手段25とした点に特徴がある。
【0020】なお、第2実施例のその他の構成は第1実
施例のそれと共通しているので、図3において共通部分
に同一符号を付し説明を省略する。
【0021】次に、本発明の第3実施例を図4を参照し
て説明する。
【0022】第3実施例は第1実施例の三角形状の磁気
的空隙に代えて、永久磁石8の外周辺両端部9とロータ
外周面との間に形成した円形の貫通孔を磁気的空隙と
し、これによって短絡防止手段25を構成した点に特徴
がある。
【0023】なお、第3実施例のその他の構成は第1実
施例のそれと共通しているので、図4において共通部分
に同一符号を付し説明を省略する。
【0024】本実施例では、ロータ本体3aに貫通孔を
設けるだけで短絡防止手段25を構成でき、第1実施例
における樹脂26によるロータ3の固定が不要となるの
で構造の簡単化を図ることができる。
【0025】次に、本発明の第4実施例を図5を参照し
て説明する。
【0026】第4実施例は第3実施例の貫通孔に代えて
ロータ本体3aの外周面3bにおける永久磁石8の端部
対応箇所から、前記端部に向け形成した切込みを、短絡
防止手段25とした点に特徴がある。
【0027】なお、第4実施例のその他の構成は第3実
施例のそれと共通しているので、図5において共通部分
に同一符号を付し説明を省略する。
【0028】本実施例によれば、ロータ本体3aの外面
加工だけで短絡防止手段25を簡単に構成することがで
きる。
【0029】次に、本発明の第5実施例を図6を参照し
て説明する。
【0030】第5実施例は、第3実施例の短絡防止手段
25がより一層効果的な作用を営むように、各永久磁石
8を5個の永久磁石片30を相隣合わせて構成し、中央
の永久磁石片30の磁極方向がロータ方向に向けられ、
各永久磁石片30の中央の永久磁石片30の磁極方向線
上の1点に集束さるように構成し、かつ相隣合う極性の
異なる永久磁石8のそれぞれの端部位置に、短絡磁路の
形成を阻止する貫通孔による短絡防止手段25を設けた
点に特徴がある。
【0031】なお、第5実施例のその他の構成は第3実
施例のそれと共通しているので、図6において共通部分
に同一符号を付し説明を省略する。
【0032】本実施例によると、両端に位置する永久磁
石片30の磁極方向は図6に示すように、永久磁石8の
中央側を向くようになっているので、相隣合う永久磁石
8の夫々の端部に位置する永久磁石片30間の磁束の短
絡を防止できる。また本実施例においても、そのオープ
ンフラックス特性は、第1実施例と同様、図2に示すも
のと同様なものとなる。
【0033】なお、上記第1実施例及び第2実施例で
は、磁気的空隙25内に樹脂26を充填したが、永久磁
石8を固定する低透磁率材であれば他の材質のものでも
よく、場合によっては空隙のままとしてもよい。また第
3実施例では、ロータ本体3a内に設けた短絡防止手段
25を円形貫通孔で構成したが、楕円形貫通孔などであ
ってもよい。さらに第4実施例の切欠きの形状は図示す
るものに限定されない。さらに第5実施例の永久磁石8
の分割数は、上記実施例においては5分割としたが、そ
の数に限定されず、また奇数ばかりか偶数であってもよ
い。また、上記各実施例においては4つの永久磁石8を
用いたロータを示したが、多極構成のものであってもか
まわない。また、その短絡防止手段25は貫通孔に限定
するものではない。すなわち本発明は上記実施例に限定
されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形
が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するもの
ではない。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、ロータ本体に埋設され
た永久磁石の端部間の磁路短絡を防止し、リップルの少
ない円滑な回転が得られるロータを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図。
【図2】そのオープンフラックス特性を示すグラフ。
【図3】本発明の第2実施例を示す断面図。
【図4】本発明の第3実施例を示す断面図。
【図5】本発明の第4実施例を示す断面図。
【図6】本発明の第5実施例を示す断面図。
【図7】従来例を示す断面図。
【図8】そのオープンフラックス特性を示すグラフ。
【符号の説明】
3 ロータ 3a ロータ本体 3b ロータ外周面 8 永久磁石 9 端部 25 短絡防止手段 30 永久磁石片

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高透磁率材からなるロータ本体の外周部
    にロータ半径方向に直交して埋設された複数の永久磁石
    を有するロータにおいて、 相隣合う極性の異なる永久磁石の端部間に、短絡磁路の
    形成を阻止する短絡防止手段を設けたことを特徴とする
    ロータの構造。
  2. 【請求項2】 矩形状の永久磁石の外周辺両端部に接す
    ると共にロータ外周面に近接する位置まで延びる磁気的
    空隙をロータ本体に設けて、短絡防止手段を構成した請
    求項1記載のロータの構造。
  3. 【請求項3】 各永久磁石をロータの求心方向に凸形を
    なす三日月形状に形成し、各永久磁石の両端部外側面に
    接する磁気的空隙をロータ本体に設けて、短絡防止手段
    を構成した請求項1記載のロータの構造。
  4. 【請求項4】 矩形状の永久磁石の外周辺両端部とロー
    タ外周面との間に位置する磁気的空隙をロータ本体に設
    けて短絡防止手段を構成した請求項1記載のロータの構
    造。
  5. 【請求項5】 ロータ本体の外周面の永久磁石端部対応
    箇所から、前記端部に向け切込みを形成して、短絡防止
    手段を構成した請求項1記載のロータの構造。
  6. 【請求項6】 高透磁率材からなるロータ本体の外周部
    にロータ半径方向に直交して埋設された複数の永久磁石
    を有するロータにおいて、 各永久磁石を複数の永久磁石片を相隣接させて構成し、
    中央の永久磁石片の磁極方向がロータ半径方向に向けら
    れ、各永久磁石片の磁極方向が、中央の永久磁石片の磁
    極方向線上の1点にほぼ集束する方向に向けられ、かつ
    前記相隣合う極性の異なる永久磁石のそれぞれの端部位
    置に、短絡磁路の形成を阻止する短絡防止手段を設けた
    ことを特徴とするロータの構造。
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