JPH08251051A - Ｆｍ多重受信機のデータ表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表示すべき１つの交通情報を複数の表示形式
に変換する場合にデータ異常時にも伝送時間の長い図形
情報を表示更新する。 【構成】 文字情報データ及図形情報データを表示する
ＦＭ多重受信機のデータ表示装置に、情報データから図
形情報データを抽出し、情報データが正常の場合に、更
新表示させる図形情報データ抽出部21と、情報データか
ら文字情報データを抽出する文字情報データ抽出部22と
が設けられる。対応図形情報データ記憶部24,10は文字
情報データを基に図形情報データに対応する対応図形情
報データを記憶する。情報変換部25は文字情報データ
を、対応図形情報データ記憶部24,10の対応図形情報デ
ータと比較して、対応図形情報データに変換する。情報
選択部26は情報データが異常の場合に、図形情報データ
抽出部21の図形情報データに代わり、対応図形情報デー
タ記憶部24,19からの対応図形情報を選択して更新表示
させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＦＭ多重受信機に関
し、特に車両に搭載され、表示すべき１つの交通情報を
複数の表示形式に変換するＦＭ多重受信機の交通情報変
換装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】車両には、通常、ＦＭ受信機が搭載され
ている。近年、ＦＭ放送の音声信号に交通情報のデータ
を多重化して放送を通じて交通情報サービスを提供する
ことが計画されている。交通情報の内容には、渋滞、旅
行時間、簡易旅行時間、事故、規制、長い規制、注意、
警報、駐車場などがある。この場合、ＦＭ受信機が有す
る表示装置の程度に応じて、交通情報の種類は、次の３
つのサービスレベルがあり、これらの３つのサービスレ
ベルの放送は同時に行われる。

【０００３】図９はＦＭ多重受信機の表示部に表示され
るレベル１の文字情報の例を示す図である。本図に示す
ように、レベル１では、表示部に１５．５文字×２行程
度の文字による交通情報、例えば首都高速、東名、東京
西南部、東京東部の渋滞、事故、規制、簡易旅行情報が
ある。具体的には、「環状７号線 外回り 大原交差点
渋滞 ５Ｋｍ」との表示がある。この場合の受信する
データサイズは１００〜１３７バイト程度である。ＦＭ
多重のデータ速度が約１Ｋバイト／秒であるので、この
データサイズを受信するのに約０．１秒必要である。こ
のデータの内容は例えば５分毎に更新される。

【０００４】図１０はＦＭ多重受信機の表示部に表示さ
れるレベル２の簡易図形の例を示す図である。本図に示
すように、レベル２では、文字情報を含む簡易図形情報
を２４８×１９２ドット程度の画面への表示対象とす
る。つまり、交通情報付きの地図を形成するレベル２の
簡易図形情報にはマクロ情報及ぶページ情報がある。マ
クロ情報の例として、平場広域図、首都高速全体図、首
都高速部分図、東名高速部分部、区分地図１倍図、区分
地図詳細図がある。

【０００５】ページ情報の例として、メインメニュー、
首都高速メニュー、都市間高速メニュー、一般道メニュ
ー、平場広域図の渋滞、事故情報、首都高速全体図の渋
滞、事故情報、首都高速部分図の渋滞、事故情報、簡易
旅行時間、東名高速部分図の渋滞、事故情報、東京西南
部１倍の渋滞、事故情報、東京西南部詳細の事故、情報
がある。

【０００６】メニューで選ばれたマクロ情報の地図にぺ
ージ情報としての渋滞、事故等の情報が、画面に例えば
「国道２５４号線○×交差点付近、２Ｋｍ渋滞」と文字
表示されると同時に、その部分の道路が異なる色表示に
なったり、点滅表示される。この場合、送信される交通
情報と簡易な地図の双方のデータサイズは大きいもので
は２１７７バイト程度となる。同様に、このデータサイ
ズを受信するのに、約２秒必要である。

【０００７】図１１はＦＭ多重受信機の表示部に表示さ
れるレベル３の地図への描画情報の例を示す図である。
レベル３の地図への描画情報は、文字情報の他に、地図
へ重ねて表示するための２次メッシュの簡易図形の情報
からなる。本図に示すように、ＣＤ(Compact Disc)−Ｒ
ＯＭ(Read Only Memory)等による詳細地図を持ったナビ
ゲーションシステムを対象として、２次メッシュ渋滞、
旅行時間、事故、規制等の交通情報のデータを受信す
る。渋滞情報の場合には、画面に例えば「国道１４号線
○×交差点付近 ２Ｋｍ渋滞」と文字表示されると同時
にその部分が異なる色表示になったり点滅表示される。
ナビゲーションシステムでは、道路を構成するリンク毎
に道路情報が処理されるので、前述のように、これに対
応して２次メッシュデータが送信されるが、データサイ
ズは２２８４〜３９００バイト程度である。このデータ
サイズを受信するのに、最大約４秒必要となる。

【０００８】図１２は図１１の地図例に示される他の簡
易図形の例を示す図である。本図に示すように、レベル
３の地図への描写情報として、事故、故障車、障害物、
路上障害、工事、凍結、通行止め、閉鎖、片側交通運
行、チェーン規制、進入禁止、駐車場、空、満等の情報
がある。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このＦＭ多
重受信機を搭載した車両が走行中にビルや高架道路など
の影響を受ける場合、さらにマルチパスの影響を受けた
場合、レベル１と比較してレベル２及び３は、受信に要
する時間が大きいので、その影響が非常に大きく、つま
り、受信中に一部でも正常受信ができない場合には、巡
回冗長検査（ＣＲＣ）により、誤りが検出された場合に
は再送されるまで、表示を更新を中止している。このた
め、ビルや高架道路の影響、マルチパスの影響により表
示が更新されないという問題点がある。

【００１０】したがって、本発明は、上記問題点に鑑
み、ビルや高架道路の影響、マルチパスの影響を受けて
も表示更新を正常に行うことができるＦＭ多重受信機を
提供する。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記問題点を
解決するために、次の構成を有するＦＭ多重受信機のデ
ータ表示装置を提供する。すなわち、１つの情報データ
を文字情報データ及図形情報データとして受信し表示す
るＦＭ多重受信機のデータ表示装置に、前記情報データ
から前記図形情報データを抽出し、前記情報データが正
常の場合に、更新表示させる図形情報データ抽出部と、
前記情報データから前記文字情報データを抽出する文字
情報データ抽出部とが設けられる。対応図形情報データ
記憶部は前記文字情報データを基に前記図形情報データ
に対応する対応図形情報データを記憶する。情報変換部
は前記文字情報データを、前記対応図形情報データ記憶
部の対応図形情報データと比較して、対応図形情報デー
タに変換する。情報選択部は前記情報データが異常の場
合に、図形情報データ抽出部の図形情報データに代わ
り、対応図形情報データ記憶部からの対応図形情報を選
択して更新表示させる。

【００１２】

【作用】本発明のＦＭ多重受信機のデータ表示装置によ
れば、伝送時間が短い前記文字情報データを、前記対応
図形情報データ記憶部の対応図形情報データと比較し
て、対応図形情報データに変換し、前記情報データが異
常の場合に、図形情報データ抽出部の伝送時間の長い図
形情報データに代わり、対応図形情報データ記憶部から
の対応図形情報を選択して更新表示させることにより、
ビルや高架道路の影響、マルチパスの影響を受けても表
示更新を正常に行うことができる。

【００１３】

【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照して
説明する。図１は本発明の実施例に係るＦＭ多重受信機
の交通情報変化装置を説明する図である。本図に示すよ
うに、ＦＭ多重受信機は、アンテナ１と、アンテナ１に
接続されＲＦ増幅器、局部発振器、ミクサ、チャンネル
同調回路などを収容するフロントエンド２と、フロント
エンド２に接続され変調信号を元の信号に戻しコンポジ
ット信号を形成する復調回路３と、復調回路３に接続さ
れコンポジット信号を復調し音声信号としてステレオ信
号を形成するステレオ復調回路４と、音声信号を電力増
幅するパワーアンプ５と、パワーアンプ５により駆動さ
れるスピーカ６と、前記復調回路３に接続され、コンポ
ジット信号から７６ｋＨｚのデータ信号を抽出する７６
ｋＨｚバンドパスフィルタ７と、７６ｋＨｚバンドパス
フィルタ７に接続されデータ信号を復調しデコードする
ＦＭ多重復調・デコード部８と、ＦＭ多重復調・デコー
ド部８に接続されデータを表示するＦＭ多重データ表示
装置９と、ＦＭ多重データ表示部９に道路地図データを
供給するためのＣＤ−ＲＯＭ１０と、レベル２又は３の
データを受信できない場合にレベル１のデータを変換し
て使用するためにＦＭ多重データ表示装置９に設けられ
る交通情報変換部１１を具備する。

【００１４】図２はＦＭ多重放送の周波数配置を説明す
る図である。本図に示すように、移動体ＦＭ多重放送の
周波数配置として、周波数が小さい順に、メイン信号
（Ｌ＋Ｒ）、パイロット信号、サブ信号（Ｌ−Ｒ）、Ｆ
Ｍ多重データが配置される。ＦＭ多重データの信号レベ
ルは正常時に４〜１０％の範囲にある。図２のスレシュ
ホールド電圧Ｖth1は前記信号レベル１０％に対応し、
同様にＶth2は前記信号レベルの４％に対応する。

【００１５】図３はＦＭ多重受信機が受信するデータの
フォーマットを示す図である。本図に示すように、レベ
ル１の文字情報データ、レベル２の簡易図形情報デー
タ、レベル３の地図への描写情報データは、１フレーム
として伝送される。レベル１の文字情報データは、ＢＬ
Ｃ１のブロック識別符号でパケット１〜１３にブロック
化される。レベル２の簡易図形情報データのうちマクロ
情報データは、ＢＬＣ２−２のブロック識別符号でパケ
ット１４〜９５にブロック化され、ぺージ情報データは
ＢＬＣ２−１のブロック識別符号でパケット９６〜１０
８にブロック化される。レベル３の地図への描写情報デ
ータはＢＬＣ３のブロック識別符号でパケット１０９〜
１９０にブロック化される。そして、データはＢＬＣ
１、ＢＬＣ２−２、ＢＬＣ２−１、ＢＬＣ３の順に伝送
される。

【００１６】図４は図２のＦＭ多重データ表示装置９の
第１の例を示す図である。本図に示すように、ＦＭ多重
復調デコード部８のデータを入力し交通情報の３つのレ
ベルのうちレベル２の簡易図形情報のデータをＢＬＣ２
−２、２−１により抽出する簡易図形抽出部２１と、同
様にレベル１の文字情報をＢＬＣ１により抽出する文字
情報抽出部２２と、簡易図形抽出部２１及び文字情報抽
出部２２の抽出データを表示する表示部２３と、レベル
１の文字情報を構成する地名、交差点名、距離情報をパ
ラメータとして、レベル２の簡易図形情報のうちページ
情報データに対応するデータを記憶する対応簡易図形デ
ータ記憶部２４と、文字情報抽出部２２からの抽出デー
タと対応簡易図形データ記憶部２４に記憶されたデータ
と比較し抽出データをこれに対応するレベル２の簡易図
形情報のページ情報データに変換する情報変換部２５
と、情報変換部２５からの変換情報と簡易図形抽出部２
１からの抽出情報のいずれかを後述する異常検出部１１
により選択して表示部２３に出力する情報選択部２６と
を具備する。

【００１７】異常検出部１１は、７６ｋＨｚバンドパス
フィルタ７の抽出されたデータ信号を検波する検波部３
１と、検波信号を反転入力端子に入力し非反転端子に前
記４％レベルに対応するスレシュホールド信号Ｖref2を
入力する比較器３２と、検波信号を非反転入力端子に入
力し反転端子に前記１０％レベルに対応するスレシュホ
ールド信号Ｖref1を入力する比較器３３と、その入力が
比較器３２及び３３の出力に接続されその出力が情報選
択２６に接続されるＯＲ論理回路２８とを具備する。

【００１８】図５は異常検出部１１の動作を説明するフ
ローチャートである。本図（ａ）に示すように、検波信
号のレベルが４〜１０％相当の範囲にある場合には、本
図（ｂ）に示すように、受信が正常である「Ｌ（low)」
信号が出力される。検波信号のレベルが４％レベル相当
を下回る場合は、ビルや高架橋の影響で信号レベルが低
下し受信が異常である「Ｈ（high) 」信号が出力され
る。また、検波信号のレベルが１０％レベル相当を越え
る場合は、マルチパスの影響で信号レベルが上昇し受信
が異常である「Ｈ」信号が出力される。

【００１９】図６は図４の情報選択部２６の動作を説明
する図である。ステップＳ１において、レベル２の簡易
図形情報データのうちマクロ情報データが表示されてい
るか否かの判断を行う。この判断が「ＹＥＳ」ならステ
ップＳ２に進み、「ＮＯ」なら処理を終了する。ステッ
プＳ２において、レベル１の文字情報の最初のパケット
１が検出されたか否かを判断する。この判断が「ＹＥ
Ｓ」ならステップＳ３に進み、「ＮＯ」なら処理を終了
する。

【００２０】ステップＳ３において、タイマをスタート
する。ステップＳ４において、異常検出部１１により、
データ信号レベルの異常が検出されたか否かが判断され
る。この判断が「ＹＥＳ」ならステップＳ７に進み、
「ＮＯ」ならステップＳ５に進む。ステップＳ５におい
て、タイマースタートからレベル２の簡易図形情報デー
タの伝送に必要な時間２秒に余裕をとった３秒を経過し
たことを確認する。

【００２１】ステップＳ６において、３秒後に、簡易図
形抽出部２１からレベル２の簡易図形情報データのペー
ジ情報を選択する。ステップＳ７において、３秒前にデ
ータ信号レベルの異常が検出された場合には、情報変換
部２５からレベル１の文字情報により変換された変換情
報を選択する。

【００２２】このようにして、ビルや高架道路の影響、
マルチパスの影響を受けても、レベル２の簡易図形情報
の表示を更新することが可能になる。図７は図２のＦＭ
多重データ表示装置９の情報変換装置４０の第２の例を
示す図である。本図に示すように、図３の簡易図形抽出
部２１の代わりにレベル３の地図への描写情報をＢＬＣ
３により抽出する地図への描写抽出部２７が設けられ
る。さらに、図３の対応簡易図形データ記憶部２４に代
わり情報変換部２５にＣＤ−ＲＯＭ１０の地図データが
入力する。つまり、情報変換部２５は文字情報抽出部２
２からの抽出データとＣＤ−ＲＯＭ１０に記憶されたデ
ータと比較し抽出データをこれに対応するレベル３の地
図への描写情報に変換する。

【００２３】図８は図５の情報選択部２６の動作を説明
するフローチャートである。ステップＳ１１において、
レベル１の文字情報の最初のパケット１が検出されたか
否かを判断する。この判断が「ＹＥＳ」ならステップＳ
３に進み、「ＮＯ」なら処理を終了する。ステップＳ１
２において、タイマをスタートする。

【００２４】ステップＳ１３において、異常検出部１１
により、データ信号レベルの異常が検出されたか否かが
判断される。この判断が「ＹＥＳ」ならステップＳ１６
に進み、「ＮＯ」ならステップＳ１４に進む。ステップ
Ｓ１４において、タイマースタートからレベル３の地図
への描写情報データの伝送終了までに必要な時間４秒に
余裕をとった５秒を経過したことを確認する。

【００２５】ステップＳ１５において、５秒後に、地図
への描写情報データ抽出部２７からレベル３の地図への
描写情報を選択する。ステップＳ１６において、５秒前
にデータ信号レベルの異常が検出された場合には、情報
変換部２５からレベル１により変換されたレベル３の地
図への描写情報を選択する。

【００２６】このようにして、ビルや高架道路の影響、
マルチパスの影響を受けても、レベル３の地図への描写
情報の表示を更新することが可能になる。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、伝
送時間の短い文字情報データを、対応図形情報データ記
憶部の対応図形情報データと比較して、対応図形情報デ
ータに変換し、情報データが異常の場合に、図形情報デ
ータ抽出部の伝送時間の長い図形情報データに代わり、
対応図形情報データ記憶部からの対応図形情報を選択し
て更新表示させることにより、ビルや高架道路の影響、
マルチパスの影響を受けても表示更新を正常に行うこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るＦＭ多重受信機の交通情
報変化装置を説明する図である。

【図２】ＦＭ多重放送の周波数配置を説明する図であ
る。

【図３】ＦＭ多重受信機が受信するデータのフォーマッ
トを示す図である。

【図４】図２のＦＭ多重データ表示装置９の第１の例を
示す図である。

【図５】異常検出部１１の動作を説明するフローチャー
トである。

【図６】図４の情報選択部２６の動作を説明する図であ
る。

【図７】図２のＦＭ多重データ表示装置９の情報変換装
置４０の第２の例を示す図である。

【図８】図５の情報選択部２６の動作を説明するフロー
チャートである。

【図９】ＦＭ多重受信機の表示部に表示されるレベル１
の文字情報の例を示す図である。

【図１０】ＦＭ多重受信機の表示部に表示されるレベル
２の簡易図形の例を示す図である。

【図１１】ＦＭ多重受信機の表示部に表示されるレベル
３の地図への描画情報の例を示す図である。

【図１２】図１１の地図例に示される他の簡易図形の例
を示す図である。

【符号の説明】

１０…ＣＤ−ＲＯＭ １１…異常検出部 ２１…簡易図形抽出部 ２２…文字情報抽出部 ２３…表示部 ２４…対応簡易図形データ記憶部 ２５…情報変換部 ２６…情報選択部 ２７…地図への描写情報抽出部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 １つの情報データを文字情報データ及図
   形情報データとして受信し表示するＦＭ多重受信機のデ
   ータ表示装置において、 前記情報データから前記図形情報データを抽出し、前記
   情報データが正常の場合に、更新表示させる図形情報デ
   ータ抽出部（２１）と、 前記情報データから前記文字情報データを抽出する文字
   情報データ抽出部（２２）と、 前記文字情報データを基に前記図形情報データに対応す
   る対応図形情報データを記憶する対応図形情報データ記
   憶部（２４、１０）と、 前記文字情報データを、前記対応図形情報データ記憶部
   （２４、１０）の対応図形情報データと比較して、対応
   図形情報データに変換する情報変換部（２５）と、 前記情報データが異常の場合に、図形情報データ抽出部
   （２１）の図形情報データに代わり、対応図形情報デー
   タ記憶部（２４、１９）からの対応図形情報を選択して
   更新表示させる情報選択部（２６）とを備えることを特
   徴とするＦＭ多重受信機のデータ表示装置。