JPH08250978A - 音声用フィルタ装置 - Google Patents

音声用フィルタ装置

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Publication number
JPH08250978A
JPH08250978A JP7047184A JP4718495A JPH08250978A JP H08250978 A JPH08250978 A JP H08250978A JP 7047184 A JP7047184 A JP 7047184A JP 4718495 A JP4718495 A JP 4718495A JP H08250978 A JPH08250978 A JP H08250978A
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JP
Japan
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coefficient
tap
memory
digital filter
filter
Prior art date
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Application number
JP7047184A
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English (en)
Inventor
Isao Nishino
功 西野
Hideki Yoshii
秀樹 吉井
Shinji Takeuchi
伸次 竹内
Noboru Yashima
昇 八嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルタ係数が外部のメモリから与えられる
音声用フィルタ装置の電源投入時、係数を外部メモリか
ら転送終了するまでの間の異音の発生を防止し、また、
正規の音声が出るまでの時間を短くする。 【構成】 フィルタ係数を上位、下位の2つに分け、先
に上位の係数を外部メモリからバッファメモリへ転送す
ように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音響装置あるいはテレ
ビジョン受像機等における音声信号処理用のディジタル
フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】図12は従来の音声用フィルタ装置の構
成を示すブロック図である。図において、1は音声入力
端子、2は音声入力端子1より入力された音声信号をデ
ィジタル音声信号に変換するA/Dコンバータ、3は信
号の振幅、位相を周波数に応じて変化させるFIR(Fi
nite Impulse Response )フィルタ、4はFIRフィル
タ3の特性をきめる、FIRフィルタ3の内部の各タッ
プの係数を記憶する不揮発性メモリである。5はFIR
フィルタ3で処理されたディジタル音声信号をアナログ
音声信号に変換するD/Aコンバータ、6はスピーカド
ライブ用の電力増幅器、7はスピーカである。
【0003】図13はFIRフィルタ3の構成を示し、
図において、31、32、33はレジスタであり、3
1、32、33の順に信号を次段のレジスタに供給し、
信号を順々に遅延させるとともに、各段の出力(以後タ
ップ出力)をもっている。34、35、36、37は、
乗算器であり、前記レジスタ31〜33の各タップ出力
とそれぞれ任意の係数の乗算を行なう。38は加算器で
あり、前記乗算器34〜37の出力を加算し、FIRフ
ィルタの出力とする。
【0004】次に動作について説明する。図12におい
て、音声入力端子1より入力された音声信号は、A/D
コンバータ2によりディジタル音声信号に変換される。
ディジタル音声信号はFIRフィルタ3に入力され、不
揮発性メモリ4に予め記憶された係数によって得られる
特性のフィルタ処理が行なわれる。このフィルタ処理
は、図13により説明する。INより入力されたFIR
フィルタ3の入力は、レジスタ31〜33により段階的
に遅延される。レジスタ31〜33の各タップ出力はそ
れぞれ乗算器34〜37に供給され、不揮発性メモリ4
より供給された係数と乗算が行なわれる。乗算器34〜
37の出力は加算器38により加算され、FIRフィル
タ3の出力となる。図12にもどり、FIRフィルタ3
の出力はD/Aコンバータ5によりアナログ音声信号に
変換され、電力増幅器6により電力増幅され、スピーカ
7が駆動される。
【0005】以上のようにして、入力音声信号は不揮発
性メモリに予め記憶されている係数により特性がきまる
FIRフィルタをとおしてスピーカを駆動し、入力音声
信号を補正することができる。フィルタ特性をスピーカ
や増幅器の特性のちょうど逆となるようにすれば、総合
的に平坦な特性を実現できる。さらに、この平坦な特性
をもとに、例えば高域を持ち上げたり、中低域を持ち上
げたりするなど、フィルタの係数を変更することで自由
に特性を変えることが可能である。これは、係数を何種
類か不揮発性メモリに格納し、実現したい特性にあわせ
て係数を選択するようにすれば良い。
【0006】図14はフィルタ3をDSP(Digital Si
gnal Processor)構成としたテレビジョン受像機の音声
用フィルタ装置の例であり、通常、音声信号のディジタ
ル処理はこのようなDSPにより行なわれることが多
い。図において、303はA/Dコンバータ2、D/A コン
バータ5へのA/D クロック,D/AクロックやDSPのシス
テムクロックを生成するタイミング生成回路、306
は、A/D コンバータ2の出力データを一時記憶するデー
タメモリ、301はA/D クロックをもとにデータメモリ
306の書き込みアドレスを生成するアドレス生成回
路、304はシステムクロックをもとにデータメモリ3
06の読み出しアドレスを生成するアドレス生成回路、
305は、不揮発性メモリ4より係数が転送され、記憶
する係数バッファメモリ、302は、係数バッファメモ
リ305の読み出しアドレスをシステムクロックをもと
に生成するアドレス生成回路、307はデータメモリ3
06の出力と係数バッファメモリ305の出力を乗算す
る乗算器、309はレジスタ、308は、乗算器307
の出力とレジスタ309の出力を加算する加算器、31
0はD/A コンバータ5の出力を増減する音量調節器、3
11はマイコンであり、テレビジョン受像機の各機能の
制御を行ない、バスラインにより音量調節器310、不
揮発性メモリ4、係数バッファメモリ305と接続され
ている。
【0007】313はリセット回路であり、電源ON時
にタイミング生成回路303及びマイコン311にリセ
ットパルスを供給する。不揮発性メモリ4は、フィルタ
係数の他、音量調節器310や他のICの制御データを
記憶している。次に動作について説明する。この図14
に示す例は図13のレジスタ31〜33、乗算器34〜
37、加算器38をそれぞれ一個の、レジスタ309、
乗算器307、加算器308によるDSP構成としたも
のである。
【0008】A/D コンバータ2の出力であるディジタル
音声信号はデータメモリ306に書き込まれる。このデ
ータメモリ306の書き込みアドレスは、アドレス生成
回路301でA/D,D/A クロックを計数し与えられる。デ
ータメモリ306からはシステムクロックをアドレス生
成回路304で計数した読み出しアドレスからディジタ
ル音声信号が読み出され、乗算器307の一方の端子に
入力される。一方、不揮発性メモリ4よりマイコン31
1により読み出され、バスラインを通じて係数が転送さ
れ記憶している係数バッファメモリ305からはアドレ
ス生成回路302でシステムクロックを計数して作られ
た読み出しクロックにより係数が読み出され、乗算器3
07の別の端子に入力され、ディジタル音声信号と乗算
される。
【0009】乗算器307の出力は加算器308の一方
の端子に供給される。加算器308の出力はレジスタ3
09に供給されシステムクロック1個分遅延される。こ
のレジスタ309の出力は加算器308のもう一方の端
子に接続され、乗算器307の出力と加算される。乗算
器307、加算器308の演算はシステムクロックごと
に行なわれ、演算結果はレジスタ309の出力となって
いる。この演算結果はFIRフィルタ処理されたもので
あり、ディジタル音声信号の1サンプル周期の間にFI
Rフィルタのタップ数にあたる回数だけ、演算され、D/
A コンバータ5によりアナログ音声信号となり、音量調
節器310に供給される。この様子を図15に示す。
【0010】以上のような構成の従来の音声用フィルタ
装置においては、電源投入時および、係数変更時には、
係数バッファメモリ305に係数を不揮発性メモリ4よ
り転送する必要がある。電源投入時には、リセット回路
313より、リセットパルスがタイミング生成回路30
3及びマイコン311に供給され、これをもとに、タイ
ミング生成回路303のタイミングの初期化、係数バッ
ファメモリ305への係数転送・記憶等電源投入時の動
作が行なわれる。マイコン311は、不揮発性メモリ4
にアクセスし、フィルタ係数を読み出す。マイコン31
1はまた、音量調節器310の音量制御データ、他IC
の制御データを読み出しことも行ない、係数バッファメ
モリ305にフィルタ係数を、音量調節器310に音量
データ、他ICにそれぞれの制御データをバスラインを
通じて送信する作業を行なう。この様子を図16(a)
に示す。バスラインは、テレビジョン受像機等の場合2
線式のものが多く使われる。
【0011】図16(b)にバスライン上の各種データ
の送信時の様子を示す。バスラインは、クロックライン
とデータラインの2つからなる。まず、マイコン311
は非送信時HレベルのデータラインをLに下げる(スタ
ート)。その後クロックラインにクロックを送出し、こ
のクロックに同期してデータをデータラインに送出す
る。データは、最初に送信先のアドレス、その後にデー
タを送る。アドレス、データともに8ビット単位で送ら
れる。バスラインに接続された各ICはおのおのアドレ
スをクロックに同期して読み、該当するICは続いてデ
ータを取り込む。マイコン311はデータを送出し終わ
ると、データラインをHにし、上記の該当するICは、
ACKパルスとしてデータラインをLに一定期間下げ
る。このACKパルスをマイコン311は認識し、次の
送出へと移る。この動作をマイコン311および各IC
は行ないデータ送受が行なわれる。以上のように電源投
入時には不揮発性メモリ4から、係数を始め、各種の制
御データをマイコン311はいったん読み出した後、各
ICに時分割で送信する。
【0012】以上のような従来の音声用フィルタ装置で
は、電源投入時に、係数がすべて係数バッファメモリに
転送されるまではフィルタ係数が不定となり、正しいフ
ィルタ特性が出ず、異音発生等出力音声がおかしくな
る。これを防止するため、係数が転送し終わるまでは、
消音状態とする必要がある。また、テレビジョン受像機
等の機器の場合、係数を記憶する不揮発性メモリを他の
IC等の制御データの記憶用としても使い、他のICの
動作も遅れてはいけないので、係数ばかりを先に転送す
るわけにもいかない。さらに、マイコンはバスラインの
データ転送以外の動作(リモコン受信、画面表示制御
等)も並行して行なうため、転送に専念できず、また、
転送時の画面への妨害を防止するためにも時間を区切っ
て、例えばテレビジョン受像機の場合、垂直帰線期間に
転送が行なわれる。よって、係数転送終了までの時間が
さらに長くなり、転送終了までの消音状態が長く続くこ
とになる。また、電源投入時以外にも音声の特性を変え
る時には、係数を変更する必要があり、不揮発性メモリ
4より係数バッファメモリ305への係数転送が行なわ
れ、上記と同じ問題が生じる。
【0013】テレビジョン受像機の場合についてこの係
数の転送時間を具体的に示すと、FIRフィルタのタッ
プ数、すなわち係数を256 ステレオ対応としてL,Rの2個分として、512個=
9bitであるが、8bit単位で送信するのでアドレ
スは16bit必要になる。また、データ量すなわち係
数のbit数は16bitであり、メモリアドレスとし
て8bit必要とするので、送信すべき全bit数は、 (メモリアドレス8+アドレス16+データ16)×2
56×2=20480bit となる。例えばI2 Cバス(転送レート:100kbi
t/sec)を使用したとすると、テレビジョン受像機
の場合には垂直周期V(約16.7msec)のうちの
垂直帰線期間の間(約1msec)に転送するので、送
信すべき全bit数(すなわち20480bit)を転
送するに要する時間を求めると、 1msec/V×100kbit/sec=100bi
t/V 20480bit÷100bit/V204.8V =204.8×16.7msec=約3.4sec となる。すなわち、係数のみを転送するのに約3.4秒
かかることになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来の音
声用フィルタ装置では以上のような問題点があった。 (1)電源投入時係数がすべて係数バッファメモリに転
送されるまではフィルタ係数が不定となり、正しいフィ
ルタ特性が出ず、異音発生等出力音声がおかしくなる。
しかも係数を記憶するメモリを他のIC等の制御データ
の記憶用としても使うことが多く、この場合係数転送終
了までの時間が長くかかる。このためフィルタ装置の後
段において転送終了まで消音動作を行なう必要が生じ、
音がでるまで時間がかかる。 (2)係数を優先的に転送すると、他の制御データの転
送が遅れ、たとえば音量制御データの場合、電源投入後
しばらく所望の音量とならない。 この発明は上記問題を解決するもので、電源投入時にフ
ィルタへ係数を外部メモリから転送終了するまでの間の
異音の発生を防止でき、また、短時間で正規の音声を出
力することのできる音声用フィルタ装置を提供すること
を目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1の音
声用フィルタ装置は、入力される音声信号の振幅あるい
は位相の少なくとも一方を周波数に応じてあらかじめ定
められた特性となるように処理するディジタルフィルタ
と、ディジタルフィルタの各タップの出力にかけられる
係数を記憶するメモリと、メモリより転送される前記デ
ィジタルフィルタの各タップにかけられる係数を一旦記
憶してから各タップに供給するバッファメモリとを備え
電源投入時に、ディジタルフィルタの係数の値が大きな
タップが多く存在するタップ領域に対応する係数を先に
メモリからバッファメモリへ転送するように構成したも
のである。
【0016】この発明の請求項2の音声用フィルタ装置
は、入力される音声信号の振幅あるいは位相の少なくと
も一方を周波数に応じてあらかじめ定められた特性とな
るように処理するディジタルフィルタと、ディジタルフ
ィルタの各タップの出力にかけられる係数を記憶するメ
モリと、ディジタルフィルタの各タップの出力にかけら
れる予め定められた所定の第1の係数を記憶するROM
と、メモリより転送されるディジタルフィルタの各タッ
プにかけられる係数を一旦記憶してから各タップに供給
するバッファメモリとを備え、電源投入時に、ROMに
記憶されている第1の係数をディジタルフィルタの各タ
ップに出力するように構成したものである。
【0017】この発明の請求項3の音声用フィルタ装置
は、入力される音声信号の振幅あるいは位相の少なくと
も一方を周波数に応じてあらかじめ定められた特性とな
るように処理するディジタルフィルタと、ディジタルフ
ィルタの各タップの出力にかけられる係数を記憶するメ
モリと、メモリより転送される前記ディジタルフィルタ
の各タップにかけられる係数を一旦記憶してから各タッ
プに供給するバッファメモリとを備え、電源投入時に、
メモリからバッファメモリへ係数転送が終了するまでの
間、1個のタップのみに所定の係数を与えるように構成
したものである。
【0018】この発明の請求項4の音声用フィルタ装置
は、請求項3の装置において、電源投入時に、メモリか
らバッファメモリへ係数転送が終了するまでの間、全て
のタップに係数0を与えるように構成したものである。
【0019】この発明の請求項5の音声用フィルタ装置
は、請求項1の装置において、ディジタルフィルタの各
タップに対応する係数を最上位ビットから連続した所定
ビット長のものを上位係数とし、電源投入時に、メモリ
からバッファメモリへ前記上位係数から先に転送するよ
うに構成したものである。
【0020】
【作用】この発明の請求項1においては、電源投入時
に、ディジタルフィルタの係数の値が大きなタップが多
く存在するタップ領域に対応する係数を先にメモリから
バッファメモリへ転送するようにしたので、大体のフィ
ルタ特性が早く得られる。
【0021】この発明の請求項2においては、電源投入
時に、ROMに記憶されている第1の係数をディジタル
フィルタの各タップに出力するようにしたので、異音の
発生を防止する。
【0022】この発明の請求項3においては、電源投入
時に、メモリからバッファメモリへ係数転送が終了する
までの間、1個のタップのみに所定の係数を与えるよう
にしたので、平坦なフィルタ特性となり、異音の発生を
防止する。
【0023】この発明の請求項4においては、電源投入
時に、メモリからバッファメモリへ係数転送が終了する
までの間、全てのタップに係数0を与えるようにしたの
で、フィルタ出力はなくなり、消音モードとなる。
【0024】この発明の請求項5においては、電源投入
時に、メモリからバッファメモリへ上位係数から先に転
送するようにしたので、大体のフィルタ特性が早く得ら
れる。
【0025】
【実施例】
実施例1.図1は本発明の実施例を示し、FIRフィル
タのタップを、係数の値が大きなタップが多く存在する
連続する領域と、それ以外の領域の、予め定められた固
定の2つの領域に分け、電源投入時や係数変更時にマイ
コンによる不揮発性メモリからの係数転送は、先に前者
の領域の係数を転送した後、後者の領域の係数を転送す
るようにするものである。図において305Aは、大き
な値の係数領域(以後A領域と呼ぶ)の係数を記憶する
係数バッファメモリ、305Bはそれ以外の領域(以後
B領域と呼ぶ)の係数を記憶する係数バッファメモリで
ある。312はセレクタであり、係数バッファメモリ3
05Bの出力と定数0とを切換える。314は、セレク
タであり、係数バッファメモリ305Aと305Bの出
力をタイミング生成回路303よりのバッファメモリ切
換信号により切換える。図2は、フィルタ係数例を示
し、通常、タップ(ここでは250タップ)の中央付近
に大きな値の係数が集まる。この中央付近の、値の大き
なものが集まる領域をA領域、それ以外をB領域に分
け、それぞれの係数を図示している。
【0026】次に動作について電源投入時を例に説明す
る。図3(a)には、以下の各々のタイミングを示して
いる。電源投入時、リセット回路313はリセットパル
スをタイミング生成回路303およびマイコン311に
供給する。これによりマイコン311は、電源投入時の
動作として、バスラインを介し、不揮発性メモリ4にア
クセスし、フィルタ係数、音量調節器311の音量デー
タ、他ICのそれぞれのデータを読み出し、それぞれ対
応するICに送信する作業を行なう。マイコン311は
係数転送に関しては、まずA領域の係数を読み出し、係
数バッファメモリ305Aに転送する。A領域の係数が
すべて転送された後、B領域の係数を係数バッファメモ
リ305Bに転送する。A領域の係数が送信し終わるま
でマイコン311は、バスラインを介し音量調節器31
0を制御し消音状態にする。また、マイコン311は係
数を送信し終わるまでの期間を示す係数送信信号をセレ
クタ312に供給し、セレクタ312は、この期間0を
出力する。従って、B領域のタップ係数は電源投入時よ
り全係数が転送されるまでは、0となりB領域はこの間
は単なる遅延線として働く。
【0027】一方、FIRフィルタ処理は、図3(b)
に示すように、電源投入時より並行して行なわれ、セレ
クタ314は、タイミング生成回路303でシステムク
ロックを計数して得られた、領域Aの係数によるフィル
タ処理の期間とBの係数によるフィルタ処理の期間を識
別するバッファメモリ切換信号により、係数をバッファ
メモリ305Aからのものと、305Bからのものとを
切換え、乗算器307に供給する。係数の値の大きな、
A領域は実際の係数が先に与えられるので大体の特性に
よるフィルタが先に得られ、この時点で、マイコン31
1はバスラインを介し音量調節器を制御して消音解除
し、従来より早く音声を出すことができる。
【0028】図4は、図2に示した全体で250タップ
のFIRフィルタの係数を中央付近の100タップ分を
A領域、それ以外をB領域として、このA領域100タ
ップ分のフィルタによる特性を示している。250タッ
プのものに比べて、大体の特性は得られており、電源投
入時のしばらくの間はこの特性で十分である。従って、
100個の係数を転送すれば、消音状態を解除すること
ができ、従来に比べ、1/2.5の時間で音声を出すこ
とができる。
【0029】実施例2.図5は本発明の実施例2を示
し、図において314はセレクタ、315はあらかじめ
定められた係数を記憶しているROMであり、マイコン
311より電源投入時の係数送信タイミングを示す係数
送信信号がセレクタ314に与えられ、セレクタ314
はこの係数送信信号をもとにROM315の出力と係数
バッファメモリ305の出力を切り替える。
【0030】次に電源投入時を例にとり、動作について
説明する。実施例1と同様、電源投入時、マイコン31
1はバスラインを介し不揮発性メモリ4から係数を読み
出し、バッファメモリ305への係数転送を行なう。こ
れに伴い、マイコン311より係数送信信号が出力され
セレクタ314に供給される。セレクタ314はこの信
号の期間すなわち係数がメモリ4よりバッファメモリ3
05にすべて転送されるまでの間、ROM315よりの
係数を出力する。図6にこの様子を示す。ROM315
の係数は電源投入時の間だけの係数なので厳密なもので
なくてよく、ビット数も粗くて構わない。このROMに
あらかじめ記憶された係数によるフィルタにより音声を
出力できるので、異音等が発生せず、電源投入時に消音
状態とする必要がない。
【0031】実施例3.図7は本発明の実施例3を示
し、図において、314は係数バッファメモリ305か
らのフィルタ係数と定数K、0とを切り替えるセレクタ
である。次に電源投入時を例にとり、動作について説明
する。実施例1と同様、電源投入時マイコン311はバ
スラインを介し、不揮発性メモリ4から係数を読みだ
し、バッファメモリ305へ係数転送を行なう。これに
伴い、マイコン311から係数送信信号が出力されセレ
クタ314に供給される。セレクタ314にはA/D、
D/Aクロック及びシステムクロックも供給されてお
り、係数送信信号とA/D、D/Aクロック、システム
クロックにより出力をコントロールする。図8にこの様
子を示す。係数送信信号が入力されるとA/D、D/A
クロック1周期ごとにシステムクロック1クロック期間
の間セレクタ314は係数としてKを出力し、その他の
期間は、係数バッファメモリ305に係数が転送終了す
るまでの間、すなわち係数送信信号の間0を出力する。
係数転送終了後は、係数バッファメモリ305の出力を
出力する通常動作を行なう。
【0032】こうすることにより、係数送信終了まで
は、1個のタップのみ係数Kが与えられるフィルタとな
るので、特性は単なる遅延線となる(定数Kにより振幅
が決まる)。従って、電源投入時には、上記特性のフィ
ルタの音声として出力することにより、通常のフィルタ
による音声とは異なるものの、異音等の発生がなく、消
音状態とする必要がない。
【0033】実施例4.図7において、マイコン311
よりの係数送信信号の間セレクタ314が0を出力する
ようにする。こうすることにより、フィルタよりの出力
は係数が転送終了するまで0とすることができ、フィル
タ係数が電源ON時不定の間に生じる異音をフィルタ装
置の後段で消音する必要がない。
【0034】実施例5.図9は本発明の実施例5を示
し、図において305Aは係数の上位ビットを記憶する
係数バッファメモリ、305Bは係数の下位ビットを記
憶する係数バッファメモリとする。次に電源投入時を例
にとり動作について説明する。実施例1と同様、電源投
入時マイコン311は、バスラインを介しメモリ4にア
クセスし、係数を読み出す。また、バスラインを介し、
音量調節器310に音量データ、他ICにそれぞれのデ
ータを送信する作業を行なう。ここでフィルタ係数は上
位ビット、下位ビットの2つにわけて読み出すことがで
きるようにメモリ4には記憶されている。マイコン31
1は係数転送に関しては、まず上位ビットを読みだし、
係数バッファメモリ305Aに転送する。上位ビットが
すべて転送された後、下位ビットを転送する。また、マ
イコン311は、係数の上位ビットが転送終了するまで
バスラインを介し、音量調節器310を制御し、消音状
態とする。
【0035】この様子を図10に示す。従ってフィルタ
特性は上位ビットが実際の値、下位ビットは不定値の係
数のフィルタによる特性がまず、いち早く得られる。係
数の下位ビットが不定値をとっても上位ビットによる特
性に与える影響は少なく、電源投入時の期間であれば、
何ら問題はない。図11に16ビットの係数を上位8ビ
ット、下位8ビットに分けた時のフィルタ特性を示す。
図からわかるように、上位8ビットによるフィルタ特性
はほとんど16ビットによるものとかわらない。この上
位8ビットによるフィルタの音声を出力できるため、従
来のものに比べ、1/2の時間の消音でよい。
【0036】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の音声用フィルタ
装置によれば、FIRフィルタのタップを、係数を値の
大きなものが多く存在する領域とそれ以外の2つにわ
け、電源投入時の係数転送は、先に値の大きな係数が多
く存在する領域の係数から転送することにより、大体の
フィルタ特性を速く得ることができ、このフィルタによ
る音声を先に出力することにより、異音等が発生せず、
また、電源投入時の消音時間を短く、あるいは0とする
ことができる。
【0037】本発明の請求項2記載の音声用フィルタ装
置によれば、係数転送終了まで予めROMに記憶してい
る簡単な係数により音を出すことができ、異音等生じな
いので消音等の必要がない。
【0038】本発明の請求項3記載の音声用フィルタ装
置によれば、係数転送終了まで平坦な特性のフィルタと
して働かすことができ、異音等生じないので、消音等の
必要がない。
【0039】本発明の請求項4記載の音声用フィルタ装
置によれば、フィルタ自身で消音モードとすることによ
り、後段で消音する必要がない。
【0040】本発明の請求項5記載の音声用フィルタ装
置によれば、係数を上位、下位の2群にわけ、先に上位
を転送することにより、大体のフィルタ特性を速く得る
ことができ、このフィルタによる音声を先に出すことに
より、異音等生ぜず、電源投入時の消音時間を短く、あ
るいは0とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1による音声用フィルタ装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施例1による音声用フィルタ装置
のタップ領域およびその係数例を示す図である。
【図3】 本発明の実施例1による音声用フィルタ装置
の動作を示す波形図である。
【図4】 本発明の実施例1による音声用フィルタ装置
の電源投入時のフィルタ特性を示す図である。
【図5】 本発明の実施例2による音声用フィルタ装置
の構成を示すブロック図である。
【図6】 本発明の実施例2による音声用フィルタ装置
の動作を示す波形図である。
【図7】 本発明の実施例3による音声用フィルタ装置
の構成を示すブロック図である。
【図8】 本発明の実施例3による音声用フィルタ装置
の動作を示す波形図である。
【図9】 本発明の実施例5による音声用フィルタ装置
の構成を示すブロック図である。
【図10】 本発明の実施例5による音声用フィルタ装
置の電源投入時の動作を示す図である。
【図11】 本発明の実施例5による音声用フィルタ装
置の電源投入時のフィルタ特性を示す図である。
【図12】 従来の音声用フィルタ装置の概略の構成を
示すブロック図である。
【図13】 従来のFIRフィルタによる音声用フィル
タ装置の構成を示すブロック図である。
【図14】 従来のFIRフィルタによる音声用フィル
タ装置のDSPによる構成を示すブロック図である。
【図15】 従来のFIRフィルタによる音声用フィル
タ装置のDSPによる構成の動作を示す波形図である。
【図16】 従来のFIRフィルタによる音声用フィル
タ装置のバスラインによる、係数、データの送信動作を
示す波形図である。
【符号の説明】
1 音声入力端子、2 A/Dコンバータ、3 FIR
フィルタ、4 メモリ、5 D/Aコンバータ、6 電
力増幅器、7 スピーカ、31、32、33 レジス
タ、34、35、36、37 乗算器、38 加算器、
301、302、304 アドレス生成回路、303
タイミング生成回路、305、305A、305B 係
数バッファメモリ、306 データメモリ、307 乗
算器、308 加算器、309 レジスタ、310 音
量調節器、311 マイコン、312、314 セレク
タ、313 リセット回路、315 ROM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八嶋 昇 長岡京市馬場図所1番地 三菱電機株式会 社映像システム開発研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力される音声信号の振幅あるいは位相
    の少なくとも一方を周波数に応じてあらかじめ定められ
    た特性となるように処理するディジタルフィルタと、 前記ディジタルフィルタの各タップの出力にかけられる
    係数を記憶するメモリと、 前記メモリより転送される前記ディジタルフィルタの各
    タップにかけられる係数を一旦記憶してから各タップに
    供給するバッファメモリとを備え、 電源投入時に、前記ディジタルフィルタの係数の値が大
    きなタップが多く存在するタップ領域に対応する係数を
    先に前記メモリから前記バッファメモリへ転送すること
    を特徴とする音声用デジタルフィルタ装置。
  2. 【請求項2】 入力される音声信号の振幅あるいは位相
    の少なくとも一方を周波数に応じてあらかじめ定められ
    た特性となるように処理するディジタルフィルタと、 前記ディジタルフィルタの各タップの出力にかけられる
    係数を記憶するメモリと、 前記ディジタルフィルタの各タップの出力にかけられる
    予め定められた所定の第1の係数を記憶するROMと、 前記メモリより転送される前記ディジタルフィルタの各
    タップにかけられる係数を一旦記憶してから各タップに
    供給するバッファメモリとを備え、 電源投入時に、前記ROMに記憶されている前記第1の
    係数を前記ディジタルフィルタの各タップに出力するこ
    とを特徴とする音声用デジタルフィルタ装置。
  3. 【請求項3】 入力される音声信号の振幅あるいは位相
    の少なくとも一方を周波数に応じてあらかじめ定められ
    た特性となるように処理するディジタルフィルタと、 前記ディジタルフィルタの各タップの出力にかけられる
    係数を記憶するメモリと、 前記メモリより転送される前記ディジタルフィルタの各
    タップにかけられる係数を一旦記憶してから、各タップ
    に供給するバッファメモリとを備え、 電源投入時に、前記メモリから前記バッファメモリへ係
    数転送が終了するまでの間、1個のタップのみに所定の
    係数を与えることを特徴とする音声用デジタルフィルタ
    装置。
  4. 【請求項4】 電源投入時に、メモリからバッファメモ
    リへ係数転送が終了するまでの間、全てのタップに係数
    0を与えることを特徴とする請求項3に記載の音声用デ
    ジタルフィルタ装置。
  5. 【請求項5】 ディジタルフィルタの各タップに対応す
    る係数を最上位ビットから連続した所定ビット長のもの
    を上位係数とし、電源投入時に、メモリからバッファメ
    モリへ前記上位係数から先に転送することを特徴とする
    請求項1に記載の音声用デジタルフィルタ装置。
JP7047184A 1995-03-07 1995-03-07 音声用フィルタ装置 Pending JPH08250978A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005531087A (ja) * 2002-06-27 2005-10-13 トムソン ライセンシング フィルタ係数用のランダムアクセスメモリのための自動的なバンク切り替えを検出及び実行する方法及び装置
JP2017126830A (ja) * 2016-01-12 2017-07-20 ローム株式会社 オーディオ用のデジタル信号処理装置ならびにそれを用いた車載オーディオ装置および電子機器
USRE48014E1 (en) * 2005-12-06 2020-05-26 Co-Operations, Inc. Chemically bonded ceramic radiation shielding material and method of preparation

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