JPH08250017A - 電子放出素子、それを用いた電子源、画像形成装置及びこれらの製造方法 - Google Patents

電子放出素子、それを用いた電子源、画像形成装置及びこれらの製造方法

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JPH08250017A
JPH08250017A JP7940495A JP7940495A JPH08250017A JP H08250017 A JPH08250017 A JP H08250017A JP 7940495 A JP7940495 A JP 7940495A JP 7940495 A JP7940495 A JP 7940495A JP H08250017 A JPH08250017 A JP H08250017A
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electron
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voltage
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Katsuhiko Shinjo
克彦 新庄
Mitsuru Otsuka
満 大塚
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 電子放出特性が均一で、電子放出効率の高い
表面伝導型電子放出素子を提供する。 【構成】 対向する素子電極401,402間又は40
6,407間に、電子放出部を有する導電性膜を有する
電子放出素子において、素子電極の間隔が周期的に異な
っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子放出素子、これを
用いた電子源、表示装置や露光装置等の画像形成装置、
更には該電子放出素子、電子源及び画像形成装置の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子放出素子としては大別し
て熱電子源と冷陰極電子源の2種類が知られている。冷
陰極電子源には電界放出型(FE型)、金属/絶縁層/
金属型や表面伝導型電子放出素子等がある。
【0003】これらの内、例えば表面伝導型電子放出素
子は、絶縁性の基板上に形成された導電性薄膜に、膜面
に平行に電流を流すことにより電子放出が生ずる現象を
利用するものである。
【0004】表面伝導型電子放出素子の典型的な構成例
としては、絶縁性の基板上に設けた一対の素子電極間を
連絡する金属酸化物等の導電性薄膜に、予めフォーミン
グと称される通電処理により電子放出部を形成したもの
が挙げられる。フォーミングは、導電性薄膜の両端に直
流電圧あるいは非常にゆっくりとした昇電圧、例えば1
V/1分程度の昇電圧を印加通電することで通常行わ
れ、導電性薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変質させ
て構造を変化させ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部
を形成する処理である。電子放出は、上記電子放出部が
形成された導電性薄膜に電圧を印加して電流を流すこと
により、電子放出部に発生した亀裂付近から行われる。
【0005】上記表面伝導型電子放出素子は、構造が単
純で製造も容易であることから、大面積に亙って多数配
列形成できる利点がある。そこで、この特徴を活かすた
めの種々の応用が研究されている。例えば表示装置等の
画像形成装置への利用が挙げられる。
【0006】従来、多数の表面伝導型電子放出素子を配
列形成した例としては、並列に表面伝導型電子放出素子
を配列し、個々の表面伝導型電子放出素子の両端(両素
子電極)を配線(共通配線とも呼ぶ)にて夫々結線した
行を多数行配列(梯型配置とも呼ぶ)した電子源が挙げ
られる(特開平1−31332号公報、同1−2837
49号公報、同2−257552号公報)。また、特に
表示装置においては、液晶を用いた表示装置と同様の平
板型表示装置とすることが可能で、しかもバックライト
が不要な自発光型の表示装置として、表面伝導型電子放
出素子を多数配置した電子源と、この電子源からの電子
線の照射により可視光を発光する蛍光体とを組み合わせ
た表示装置が提案されている(アメリカ特許第5066
883号明細書)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記電子
源、画像形成装置等に用いられる電子放出素子には、電
子放出特性が安定で素子間にバラツキが少ないことが望
まれる。しかし、従来の表面伝導型電子放出素子にあっ
ては、導電性薄膜の膜厚、抵抗の変動及び配線抵抗の違
いがフォーミング工程に強く影響し、均一な電子放出源
の作製を困難にしていた。
【0008】また、表面伝導型電子放出素子の真空中の
挙動は、殆ど判っておらず、安定で制御された電子放出
特性、及びその効率の向上が望まれてきた。ここで効率
とは、一対の対向する素子電極に電圧を印加したとき、
流れる電流(以下、「素子電流If」という。)に対す
る真空中に放出される電流(以下、「放出電流Ie」と
いう。)との電流比を指す。即ち、素子電流Ifはでき
るだけ小さく、放出電流Ieはできるだけ大きいことが
望ましい。しかし、従来の表面伝導型電子放出素子にあ
っては、その構造から明らかなように、一旦真空中に放
出された電子も射出位置のごく近傍にある高電位側の素
子電極に再び吸い込まれる割合が高く、効率が低下する
要因の一つになっている。
【0009】本発明は、導電性薄膜の膜厚、抵抗の変動
及び配線抵抗の違いに影響されず、電子放出特性の均一
で、効率の高い電子放出素子、これを用いた電子源及び
画像形成装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】請求項1〜13
の発明は、電子放出素子に関する発明で、電極間に、電
子放出部を有する導電性膜を有する電子放出素子におい
て、前記電極間隔が周期的に異なっている点に特徴を有
するものである。
【0011】請求項14〜20の発明は、電子放出素子
の製造方法に関する発明で、電極間に、電子放出部が形
成された導電性膜を有する電子放出素子の製造方法にお
いて、導電性膜に電子放出部を形成するためのフォーミ
ング工程が、周期的に異なった間隔を有する一対の電極
を用いて、導電性膜に電圧を印加する工程を有する点に
特徴を有するものである。
【0012】請求項21〜27の発明は、上記電子放出
素子を複数個備えた電子源の製造方法に関する発明で、
電極間に電子放出部が形成された導電性膜を有する電子
放出素子を複数備えた電子源の製法において、導電性膜
に電子放出部を形成するためのフォーミング工程が、周
期的に異なった間隔を有する一対の電極を用いて、導電
性膜に電圧を印加する工程を有する点に特徴を有するも
のである。
【0013】請求項28〜32の発明は、上記製造方法
で得られる電子源に関する発明である。
【0014】更に、請求項33〜36の発明は、上記電
子源を用いた画像形成装置及びその製造方法に関する発
明である。
【0015】上記のように、本発明は、新規な電子放出
素子、この電子放出素子を複数個備えた新規な電子源、
これを用いた新規な画像形成装置及びこれらの製造方法
に係るもので、各発明の構成及び作用を以下に更に説明
する。
【0016】本発明の第1に意図するところは、一対の
電極(以下、「素子電極」と称す。)の周期的構造によ
ってフォーミング工程のバラツキを抑える点である。即
ち、フォーミング工程において、亀裂は多量のジュール
熱が発生する電界集中部で最初に生成される。一旦亀裂
が生成されると、亀裂先端部に電界が集中することによ
り、亀裂が進行していくと考えられる。素子電極形状が
直線的でかつ素子電極間隔が一様な従来の素子形状にお
いては、最初に生成される亀裂の位置及びその進行は導
電性膜の膜厚変動等種々の揺らぎの結果として決まり、
必ずしも十分に制御されていない。そのため、素子間で
電子放出特性のバラツキも多くなってしまう。
【0017】この欠点を解決するために、本発明は、電
極間に、電子放出部を有する導電性膜を有する電子放出
素子において、前記電極間隔が周期的に異なっているこ
とを特徴とする。このような電極形状を有する電子放出
素子に電圧を印加すると、電極形状に依存した電界の強
度分布が導電性膜面内に形成されるため、亀裂の発生点
とその進行を制御することが可能となる。
【0018】図4及び図5を用いて、その原理を説明す
る。フォーミング処理における亀裂形状は、通電に伴っ
て発生するジュール熱によって引き起こされる。単位面
積当たりのジュール熱は電界強度の2乗に比例するが、
一旦亀裂が生成されると、亀裂の先端部で電界集中が生
じるため、比較的小さな印加電圧でも亀裂の進行が可能
である。一方、亀裂の初期発生時には、亀裂先端部ほど
電界集中が生じる要因が無いため、十分なジュール熱を
発生させるためには、比較的大きな印加電圧が必要とな
る。即ち、亀裂の進行に必要な印加電圧をVpとし、亀
裂の初期生成に必要な電圧をVcとすると、一般的に次
の関係が成立する。
【0019】Vp<Vc …(1)
【0020】一対の平行電極を用いたフォーミング処理
を考えると、亀裂の初期生成に必要な電圧Vcを印加す
ることにより、亀裂発生直後に亀裂の進行に対しては過
剰な電圧が印加されてしまうことを(1)式は意味して
いる。実際の電子放出素子においては、導電性膜面内に
存在する不均一性のために電界集中が生じ、亀裂が発生
すると考えられる。しかし、このような不均一性は制御
が困難であり、素子間におけるバラツキの大きな要因と
なる。
【0021】図4(a)では、一方の素子電極401は
櫛形形状を有し、対向する素子電極402は直線的形状
を有している。このような電子放出素子に対して電圧を
印加すると、薄膜領域403における櫛形先端部404
で電界が集中し、谷の部分405で最も弱い電界強度を
示す周期的な電界分布が形成される。電界集中の度合い
は、櫛形先端部404の曲率や周期形状の振幅および周
期を調節することにより十分大きくできる。
【0022】その結果、印加電圧を上昇させていくと、
まず櫛形先端部404で亀裂が発生するが、そのままの
電圧では亀裂の進行は櫛形先端部404のごく近傍で抑
えられる。さらに、印加電圧を上げていくと、亀裂は徐
々に谷側に進行し、谷の領域で亀裂が合体することによ
り、フォーミングが終了する。印加電圧の上昇速度が十
分小さいならば、亀裂発生点近傍を除いては必要最小限
のジュール熱を与えられながら亀裂が進行することにな
る。
【0023】この事実は、電子放出素子の抵抗等に基本
的に依存しない。例えば抵抗が異なる場合、亀裂発生お
よび終了の電圧値に違いはあるものの、形成された亀裂
構造には殆ど差異がない。
【0024】次に、画像形成装置等において構造上避け
ることのできない配線抵抗の影響について考える。直列
の配線抵抗Rcが存在するとき、印加電圧Vaに対して
素子電極間電圧Vは次式で表される。
【0025】 V=Va・(R/(Rc+R)) …(2)
【0026】ここで、Rは亀裂進行仮定における素子電
極間の抵抗であり、亀裂の進行とともに増加し、亀裂形
成終了後においてはR>>Rcを満たす。図5に示すよ
うな印加電圧501を時間とともに増加させていくと、
従来の平行電極では亀裂の発生時点502直後の急激な
亀裂進行に伴う抵抗Rの増加によって、さらに過剰な電
圧Vが生じてしまう。その結果、幅が広く電子放出特性
の悪い亀裂が形成される。
【0027】一方、本発明では、配線抵抗がある場合で
あっても、亀裂の進行とともに素子電極間電圧Vが連続
的に変化するだけであるから、電圧変化のパスに沿って
同一の亀裂が形成されるという事実に変わりはない。即
ち、亀裂発生時503における僅かな電圧上昇により、
広い亀裂の領域が若干伸びるものの、全体の亀裂領域に
比べれば殆ど無視できる。亀裂発生後は素子電極間電圧
Vは連続的に印加電圧Vaに近付いて、504において
フォーミング処理が終了する。その結果、配線抵抗の有
無、大小によらずに、細く良質な亀裂が形成される。
【0028】図4(b)では、周期形状を有する一方の
素子電極形状406は、図4(a)の場合と同様である
が、対向する他方の素子電極407が傾斜している。こ
のような電子放出素子に電圧を印加すると、各櫛形先端
部409等の電界強度は素子電極間隔の狭い側の方が大
きくなる。印加電圧を上昇させていくと、素子電極間隔
の狭い側の櫛形先端部409から時系列的に亀裂が発生
するため、亀裂発生に伴う電圧上昇がさらに緩和され
る。
【0029】尚、電極形状の周期は、導電性膜の抵抗
率、厚み、印加電圧等で最適化が可能であり、一般に画
像形成装置に応用する場合、一画素は数μm〜数百μm
であるので、一画素内に均一に複数の電子放出点を作る
ためには周期は0.05μm〜50μmが好ましい。
【0030】次に、本発明の第2に意図するところは、
一旦真空中に放出された電子を有効に引き出す点であ
る。ここで、図1、図2及び図3を用いてその原理につ
いて説明する。図1は、本発明の電子放出素子の基本的
構成を示す平面図である。尚、ここでは本発明の第2に
意図する点を強調するために、電子放出部は1点のみを
表示している。図中、1は基板、4,5は素子電極であ
って、対向する一部分が極めて細くなっている。素子電
極4,5上にはある程度の抵抗を有する導電性膜3が形
成されており、フォーミング工程を経て亀裂6が形成さ
れている。ここで素子電極4,5間に駆動電圧Vfを印
加することにより、電子放出部2から電子が射出される
ことになる。
【0031】次に、図1におけるa−a’断面における
素子構成を図2(a)に、また同断面における電位分布
を図2(b)に示す。ここで、8はアノード電極であっ
て、高電圧Vaによって射出電子を引き上げる。この場
合、電子は素子電極の高電位側に落ちてしまう割合が大
きい。7は放出電子の軌道を表している。
【0032】一方、図1におけるb−b’断面の同様な
図を図3(a),(b)に示す。この場合、素子電極
4,5の間隔が大きく、また導電性膜3の抵抗がある程
度大きいので、アノード電極8に到達できる割合を大幅
に大きくすることが可能になる。このことは、導電性膜
3の一部分を高抵抗化あるいは低抵抗化して、低抵抗部
分を給電部として形成し、実質的に横方向の電界を変化
させても同様である。尚、本明細書において、上記低抵
抗部分からなる給電部を導電性膜の一部に周期的に形成
した素子にあっては、この給電部も含めて素子電極とし
ているものである。
【0033】次に、本発明の電子放出素子における素子
電極間の抵抗体部分(電子放出部2を含む導電性膜3)
の抵抗値について考える。等価回路は、図6のように考
える。ここで、Rは抵抗体部分の抵抗値で、幅をW2、
厚みをd、素子電極間隔(広い部分)をL2、抵抗率を
rとした場合、R=(r・L2)/(W2・d)であ
る。
【0034】また、ROは素子電極間隔の狭い部分に対
応する亀裂部分の抵抗値、R1は素子電極間隔の広い部
分に対応する亀裂部分の抵抗値で、素子電極間隔の狭い
部分の幅をW3とした場合、RO≒(W2/W3)・R
1である。
【0035】ここで、素子電極に印加した電圧のうち、
R1に掛かる電圧の割合をfとすると、f=R1/(R
1+R)となる。
【0036】また、実際に測定可能な量として素子全体
の抵抗値Rtをとると、Rt=(f・W2/(1−f)
/W3)・R/(W2・f/W3+1)となる。今、W
3/W2、R/Rtが1より小さいとして良い。従っ
て、f≒1−R/Rtである。本発明においてはfは
0.9以下が好ましく、より好ましくは0.5以下であ
る。従って、好ましくはRt<10・(r・L2/W2
/d)であって、より好ましくはRt<2・(r・L2
/W2/d)となるように各値を設定すれば良い。
【0037】本発明の電子放出素子には平面型と垂直型
がある。まず、平面型の電子放出素子の基本的な構成に
ついて、図1の平面型の表面伝導型電子放出素子を用い
て説明する。
【0038】基板1としては、例えば石英ガラス、Na
等の不純物含有量を減少させたガラス、青板ガラス、青
板ガラスにスパッタ法等によりSiO2 を積層した積層
体、アルミナ等のセラミックス等が挙げられる。
【0039】対向する素子電極4,5の材料としては、
一般的導体材料が用いられ、例えばNi、Cr、Au、
Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属ある
いは合金及びPd、Ag、Au、RuO2 、Pd−Ag
等の金属あるいは金属酸化物とガラス等から構成される
印刷導体、In23 −SnO2 等の透明導電体及びポ
リシリコン等の半導体導体材料等から適宜選択される。
【0040】素子電極間隔L2は、数百オングストロー
ムから数百マイクロメートルであることが好ましく、給
電部9,10の間隔L1は数百オングストロームから数
百マイクロメートルであることが好ましい。また、L2
/L1は2〜100程度である。これらの値は、素子電
極の製法の基本となるフォトリソグラフィー技術、即
ち、露光機の性能とエッチング方法等、及び素子電極
4,5間に印加する電圧等により設定されるが、より好
ましくは数マイクロメートルから数十マイクロメートル
である。
【0041】素子電極長さW1、素子電極厚dは、電極
の抵抗値、配線との結線、多数配置された電子源の配置
上の問題等を考慮して適宜設計される。素子電極長さW
1、給電部の幅W3は、数百オングストロームから数十
マイクロメートルであることが好ましく、W1/W3は
10〜数百程度である。素子電極厚dは、数百オングス
トロームから数マイクロメートルであることが好まし
い。
【0042】尚、図1に示される電子放出素子は、基板
1上に、素子電極4,5、導電性膜3の順に積層された
ものとなっているが、基板1上に、導電性膜3、素子電
極4,5の順に積層したものとしてもよい。
【0043】導電性膜3は、良好な電子放出特性を得る
ためには、微粒子で構成された微粒子膜であることが特
に好ましく、その膜厚は、素子電極4,5へのステップ
カバレージ、素子電極4,5間の抵抗値、電子放出部2
の導電性微粒子の粒径、及び後述するフォーミング条件
等によって適宜選択される。この導電性膜3の膜厚は、
好ましくは数オングストロームから数千オングストロー
ムで、特に好ましくは10オングストロームから500
オングストロームであり、その抵抗値は、10の3乗か
ら10の7乗オーム/□のシート抵抗値である。また、
給電部9,10の抵抗値は、10の1乗オーム/□以下
のシート抵抗値になるようにする。
【0044】導電性膜3を構成する材料としては、例え
ばPd、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、Cr、
Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金属、PdO、
SnO2 、In23 、PbO、Sb23 等の酸化
物、HfB2 、ZrB2 、LaB6 、CeB6 、YB
4 、GdB4 等の硼化物、TiC、ZrC、HfC、T
aC、SiC、WCなどの炭化物、TiN、ZrN、H
fN等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボン微粒
子等が挙げられる。
【0045】尚、上記微粒子膜とは、複数の微粒子が集
合した膜であり、その微細構造として、微粒子が個々に
分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに隣接、あ
るいは重なり合った状態(島状も含む)の膜をさす。微
粒子膜である場合、微粒子の粒径は、数オングストロー
ムから数千オングストロームであることが好ましく、特
に好ましくは10オングストロームから200オングス
トロームである。
【0046】電子放出部2は、好ましくは数オングスト
ロームから数百オングストローム、特に好ましくは10
オングストロームから500オングストロームの粒径の
導電性微粒子多数個からなり、導電性膜3の膜厚及び後
述するフォーミング条件等の製法に依存しており、適宜
選択される。電子放出部2を構成する材料は、導電性膜
3の元素の一部あるいは全てと同様のものである。ま
た、亀裂を含む電子放出部2及びその近傍の導電性膜3
は炭素及び炭素化合物を有することもある。
【0047】次に、垂直型の電子放出素子の基本的な構
成について説明する。
【0048】図7は、垂直型の表面伝導型電子放出素子
の基本的な構成を示す図で、図中21は段差形成部材
で、その他図1と同じ符号は同じ部材を示すものであ
る。
【0049】基板1、電子放出部2、導電性膜3及び素
子電極4,5は、前述した平面型の表面伝導型電子放出
素子と同様の材料で構成されたものである。
【0050】段差形成部材21は、例えば真空蒸着法、
印刷法、スパッタ法等で付設されたSiO2 等の絶縁性
材料で構成されたものである。この段差形成部材21の
膜厚は、先に述べた平面型の表面伝導型電子放出素子の
素子電極間隔L2(図1参照)に対応するもので、段差
形成部材21の作成法や素子電極4,5間に印加する電
圧等により設定されるが、好ましくは数百オングストロ
ームから数十マイクロメートルであり、特に好ましくは
数百オングストロームから数マイクロメートルである。
【0051】導電性膜3は、通常、素子電極4,5の作
成後に形成されるので、素子電極4,5の上に積層され
るが、導電性膜3の形成後に素子電極4,5を作成し、
導電性膜3の上に素子電極4,5が積層されるようにす
ることも可能である。
【0052】尚、以下の説明は、上述の平面型の電子放
出素子と垂直型の電子放出素子の内、平面型を例にして
説明するが、平面型の電子放出素子に代えて垂直型の電
子放出素子としてもよい。
【0053】本発明の電子放出素子の製法としては様々
な方法が考えられるが、その一例を図8ないし図11に
基づいて説明する。尚、図8において図1と同じ符号は
同じ部材を示すものである。
【0054】1)基板1を洗剤、純水及び有機溶剤によ
り十分に洗浄した後、真空蒸着法、スパッタ法等により
素子電極材料を堆積させた後、フォトリソグラフィー技
術により基板1の面上に素子電極4,5を形成する(図
8(a))。
【0055】2)素子電極4,5を設けた基板1上に有
機金属溶液を塗布して放置することにより、素子電極4
と素子電極5間を連絡して有機金属薄膜を形成する。
尚、有機金属溶液とは、前述のPd、Ru、Ag、A
u、Ti、In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、T
a、W、Pd等の導電性膜3の構成材料の金属を主元素
とする有機化合物の溶液である。この後、有機金属薄膜
を加熱焼成処理し、リフトオフ、エッチング等によりパ
ターニングされた導電性膜3を形成する(図8
(b))。
【0056】本発明においては、上記加熱焼成時に加熱
温度を所定の温度に制御することにより、導電性膜3の
構成材料が、酸化物と金属の2相混合状態か、あるいは
非化学量論組成を有する酸化物を有する状態にすること
が好ましい。これは再酸化又は再還元によって抵抗値の
調整を広範囲で行えるためである。
【0057】尚、ここでは、有機金属溶液の塗布法によ
り説明したが、これに限ることなく、例えば真空蒸着
法、スパッタ法、化学的気相堆積法、分散塗布法、ディ
ッピング法、スピンナー法等によって有機金属膜を形成
することもできる。
【0058】3)続いて、フォーミングと呼ばれる通電
処理を施す。素子電極4,5間に不図示の電源よりパル
ス状、あるいは昇電圧による通電処理が行われると、導
電性膜3の部位に構造の変化した亀裂6(図1参照)が
形成される。この通電処理により導電性膜3を局所的に
破壊、変形もしくは変質せしめ、構造の変化した部位が
電子放出部2である(図8(c))。
【0059】フォーミングの電圧波形の例を図9に示
す。
【0060】電圧波形は、特にパルス波形が好ましく、
パルス波高値を定電圧とした電圧パルスを連続的に印加
する場合(図9(a))と、パルス波高値を増加させな
がら電圧パルスを印加する場合(図9(b))とがあ
る。
【0061】まず、パルス波高値を定電圧とした場合に
ついて図9(a)で説明する。
【0062】図9(a)におけるT1及びT2は電圧波
形のパルス幅とパルス間隔であり、例えば、T1を1マ
イクロ秒〜10ミリ秒、T2を10マイクロ秒〜100
ミリ秒とし、波高値(フォーミング時のピーク電圧)を
前述した表面伝導型電子放出素子の形態に応じて適宜選
択して、適当な真空度、10の−5乗torr程度の真
空雰囲気下で、数秒から数十分印加する。尚、印加する
電圧波形は、図示される三角波に限定されるものではな
く、矩形波等の所望の波形を用いることができ、その波
高値及びパルス幅、パルス間隔等についても上述値に限
ることなく、電子放出部が良好に形成されるように、電
子放出素子の抵抗値等に合わせて所望の値を用いること
ができる。
【0063】次に、パルス波高値を増加させながら電圧
パルスを印加する場合について図9(b)で説明する。
【0064】図9(b)におけるT1及びT2は図9
(a)と同様であり、波高値(フォーミング時のピーク
電圧)を、例えば0.1Vステップ程度ずつ増加させ、
図9(a)の説明と同様の適当な真空雰囲気下で印加す
る。
【0065】尚、パルス間隔T2中に、導電性膜3を局
所的に破壊、変形もしくは変質させない程度の電圧、例
えば0.1V程度の電圧で素子電流を測定して抵抗値を
求め、例えば1Mオーム以上の抵抗を示したときにフォ
ーミングを終了することが好ましい。
【0066】4)さらに、水素0.5%程度を含む窒素
雰囲気中で、数mmW程度のアルゴンレーザー等で給電
部9,10(図1参照)に対応する部分に照射し、抵抗
値を低下させて、給電部9,10を形成する。尚、亀裂
6(図1参照)中最も電界の強い給電部が電子放出部2
となり、先に説明したように、電子放出部は導電性微粒
子で構成されていることを、本発明者等は観察してい
る。
【0067】上記フォーミング工程からそれ以降の工程
は、図10に示されるような測定評価系内で行われるも
のである。この測定評価系について説明する。
【0068】図10において、図1と同じ符号は同じ部
材を示す。また、51は素子に素子電圧Vfを印加する
ための電源、50は素子電極4,5間の導電性膜3を流
れる素子電流Ifを測定するための電流計、54は電子
放出部2より放出される放出電流Ieを捕捉するための
アノード電極、53はアノード電極54に電圧を印加す
るための高圧電源、52は電子放出部2より放出される
放出電流Ieを測定するための電流計、55は真空装
置、56は排気ポンプである。
【0069】電子放出素子及びアノード電極54等は真
空装置55内に設置され、この真空装置55には不図示
の真空計等の必要な機器が具備されていて、所望の真空
下で電子放出素子の測定評価ができるようになってい
る。
【0070】排気ポンプ56は、ターボポンプ、ロータ
リーポンプ等からなる通常の高真空装置系と、イオンポ
ンプ等からなる超高真空装置系とから構成されている。
また、真空装置55全体及び電子放出素子の基板1は、
ヒーターにより200℃程度まで加熱できるようになっ
ている。尚、この測定評価系は、後述するような表示パ
ネルの組み立て段階において、表示パネル及びその内部
を真空装置55及びその内部として構成することで、フ
ォーミング工程及び後述するそれ以後の工程における測
定評価及び処理に応用されるものである。
【0071】5)本発明の電子放出素子の場合、更に活
性化工程を施すことが好ましい。
【0072】活性化工程とは、例えば10の−4乗〜1
0の−5乗torr程度の真空度で、フォーミング工程
での説明と同様に、パルス波高値を一定にしたパルスの
印加を繰り返す処理のことを言い、真空中に存在する有
機物質から炭素及び炭素化合物を電子放出部2に堆積さ
せることで、素子電流If、放出電流Ieの状態を著し
く向上させることができる工程である。この活性化工程
は、例えば素子電流Ifや放出電流Ieを測定しながら
行って、例えば放出電流Ieが飽和した時点で終了する
ようにすれば効果的であるので好ましい。また、活性化
工程でのパルス波高値は、好ましくは素子を駆動する際
に印加する駆動電圧の波高値である。
【0073】尚、上記炭素及び炭素化合物とは、グラフ
ァイト(単結晶及び多結晶の双方を指す)、非晶質カー
ボン(非晶質カーボン及びこれと多結晶グラファイトと
の混合物を指す)である。また、その堆積膜厚は、好ま
しくは500オングストローム以下、より好ましくは3
00オングストローム以下である。
【0074】6)このようにして作成した電子放出素子
を、フォーミング工程、活性化工程での真空度より高い
真空度の真空雰囲気下で動作駆動する、安定化工程を施
すことが好ましい。
【0075】尚、フォーミング工程、活性化工程の真空
度より高い真空度の真空雰囲気とは、例えば約10の−
6乗torr以上の真空度を有する真空雰囲気であり、
より好ましくは超高真空系であり、炭素及び炭素化合物
が新たにほぼ堆積しない真空度である。
【0076】即ち、電子放出素子を上記真空雰囲気中に
封入してしまうことにより、これ以上の炭素及び炭素化
合物の堆積を抑制することが可能となり、これによって
素子電流If、放出電流Ieが安定する。
【0077】このようにして得られる電子放出素子の基
本特性を以下に説明する。
【0078】以下に述べる表面伝導型電子放出素子の基
本特性は、図10の測定評価系のアノード電極54の電
圧を1kV〜10kVとし、アノード電極54と表面伝
導型電子放出素子の距離Hを2〜8mmとして行った測
定に基づくものである。
【0079】まず、放出電流Ie及び素子電流Ifと、
素子電圧Vfとの関係の典型的な例を図11に示す。
尚、図11の(a)において、放出電流Ieは素子電流
Ifに比べて著しく小さいので、任意単位で示されてい
る。
【0080】図11から明らかなように、表面伝導型電
子放出素子は、放出電流Ieに対する次の3つの特徴的
特性を有する。
【0081】まず第1に、表面伝導型電子放出素子はあ
る電圧(しきい値電圧と呼ぶ:図11の(a)中のVt
h)を超える素子電圧Vfを印加すると急激に放出電流
Ieが増加し、一方しきい値電圧Vth以下では放出電
流Ieが殆ど検出されない。即ち、放出電流Ieに対す
る明確なしきい値電圧Vthを持った非線形素子であ
る。
【0082】第2に、放出電流Ieが素子電圧Vfに対
して単調増加する特性(MI特性と呼ぶ)を有するた
め、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御できる。
【0083】第3に、アノード電極54(図10参照)
に補足される放出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間
に依存する。即ち、アノード電極54に捕捉される電荷
量は、素子電圧Vfを印加する時間により制御できる。
【0084】放出電流Ieが素子電圧Vfに対してMI
特性を有すると同時に、素子電流Ifも素子電圧Vfに
対してMI特性を有する場合もある。このような表面伝
導型電子放出素子の特性の例が図11の(a)で示す特
性である。一方、図11の(b)で示すように、素子電
流Ifは素子電圧Vfに対して電圧制御型負性抵抗特性
(VCNR特性と呼ぶ)を示す場合もある。いずれの特
性を示すかは、表面伝導型電子放出素子の製法及び測定
時の測定条件等に依存する。また、VCNR特性を示す
境界電圧をVpと呼ぶ。但し、素子電流Ifが素子電圧
Vfに対してVCNR特性を有する素子でも、放出電流
Ieは素子電圧Vfに対してMI特性を有する。
【0085】以上のような本発明の表面伝導型電子放出
素子の特徴的特性のため、複数の素子を配置した電子源
や画像形成装置等でも、入力信号に応じて、容易に放出
電子量を制御することができることとなり、多方面への
応用ができる。
【0086】次に、本発明の電子源における電子放出素
子の配列について、表面伝導型電子放出素子を用いた場
合を例に説明する。
【0087】本発明の電子源における表面伝導型電子放
出素子の配列方式としては、従来の技術の項で述べたよ
うな梯型配置の他、m本のX方向配線の上にn本のY方
向配線を層間絶縁層を介して設置し、表面伝導型電子放
出素子の一対の素子電極に夫々X方向配線、Y方向配線
を接続した配置方式が挙げられる。これを以後単純マト
リクス配置と呼ぶ。まず、この単純マトリクス配置につ
いて詳述する。
【0088】前述した表面伝導型電子放出素子の基本的
特性によれば、単純マトリクス配置された表面伝導型電
子放出素子における放出電子は、しきい値電圧を超える
電圧では、対向する素子電極間に印加するパルス状電圧
の波高値とパルス幅で制御できる。一方、しきい値電圧
以下では殆ど電子は放出されない。従って、多数の表面
伝導型電子放出素子を配置した場合においても、個々の
素子に上記パルス状電圧を適宜印加すれば、入力信号に
応じて表面伝導型電子放出素子を選択し、その電子放出
量が制御でき、単純なマトリクス配線だけで個別の表面
伝導型電子放出素子を選択して独立に駆動可能となる。
【0089】単純マトリクス配置はこのような原理に基
づくもので、本発明の電子源の一例である、この単純マ
トリクス配置の電子源の構成について図12に基づいて
更に説明する。
【0090】図12において基板1は既に説明したよう
なガラス板等であり、この基板1上に配列された本発明
の表面伝導型電子放出素子104の個数及び形状は用途
に応じて適宜設定されるものである。
【0091】m本のX方向配線102は、夫々外部端子
Dx1,Dx2,……,Dxmを有するもので、基板1
上に、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成した導
電性金属等である。また、多数の表面伝導型電子放出素
子104にほぼ均等に電圧が供給されるように、材料、
膜厚、配線幅が設定されている。
【0092】n本のY方向配線103は、夫々外部端子
Dy1,Dy2,……,Dynを有するもので、X方向
配線102と同様に作成される。
【0093】これらm本のX方向配線102とn本のY
方向配線103間には、不図示の層間絶縁層が設置さ
れ、電気的に分離されて、マトリクス配線を構成してい
る。尚、このm,nは共に正の整数である。
【0094】不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等であり、X方
向配線102を形成した基板1の全面或は一部に所望の
形状で形成され、特に、X方向配線102とY方向配線
103の交差部の電位差に耐え得るように、膜厚、材
料、製法が適宜設定される。X方向配線102とY方向
配線103は、それぞれ外部端子として引き出されてい
る。
【0095】更に、表面伝導型電子放出素子104の対
向する素子電極(不図示)が、m本のX方向配線102
と、n本のY方向配線103と、真空蒸着法、印刷法、
スパッタ法等で形成された導電性金属等からなる結線1
05によって電気的に接続されているものである。
【0096】ここで、m本のX方向配線102と、n本
のY方向配線103と、結線105と、対向する素子電
極の導電性金属は、その構成元素の一部あるいは全部が
同一であっても、また夫々異なっていてもよく、Ni、
Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd
等の金属、あるいは合金及びPd、Ag、Au、RuO
2 、Pd−Ag等の金属、あるいは金属酸化物とガラス
等から構成される印刷導体、In23 −SnO2 等の
透明導体及びポリシリコン等の半導体材料等より適宜選
択される。これら素子電極への配線は、素子電極と材料
が同一である場合は素子電極と総称する場合もある。ま
た、表面伝導型電子放出素子104は、基板1あるいは
不図示の層間絶縁層上どちらに形成してもよい。
【0097】また、詳しくは後述するが、前記X方向配
線102には、X方向に配列された表面伝導型電子放出
素子104の行を入力信号に応じて走査するために、走
査信号を印加する不図示の走査信号印加手段が電気的に
接続されている。
【0098】一方、Y方向配線103には、Y方向に配
列された表面伝導型電子放出素子104の列の各列を入
力信号に応じて変調するために、変調信号を印加する不
図示の変調信号発生手段が電気的に接続されている。更
に、各表面伝導型電子放出素子104に印加される駆動
電圧は、当該表面伝導型電子放出素子104に印加され
る走査信号と変調信号の差電圧として供給されるもので
ある。
【0099】次に、以上のような単純マトリクス配置の
本発明の電子源を用いた本発明の画像形成装置の一例
を、図13〜図15を用いて説明する。尚、図13は表
示パネル201の基本構成図であり、図14は蛍光膜1
14を示す図であり、図15は図13の表示パネル20
1で、NTSC方式のテレビ信号に応じてテレビジョン
表示を行うための駆動回路の一例を示すブロック図であ
る。
【0100】図13において、1は上述のようにして本
発明の表面伝導型電子放出素子を配置した電子源の基
板、111は基板1を固定したリアプレート、116は
ガラス基板113の内面に蛍光膜114とメタルバック
115等が形成されたフェースプレート、112は支持
枠であり、リアプレート111、支持枠112及びフェ
ースプレート116にフリットガラス等を塗布し、大気
中あるいは窒素中で、400〜500℃で10分以上焼
成することで封着して外囲器118を構成している。
【0101】図13において、2は図1における電子放
出部に相当する。102、103は、表面伝導型電子放
出素子104の一対の素子電極4,5と接続されたX方
向配線及びY方向配線で、夫々外部端子Dx1ないしD
xm,Dy1ないしDynを有している。
【0102】外囲器118は、上述の如く、フェースー
プレート116、支持枠112、リアプレート111で
構成されている。しかし、リアプレート111は主に基
板1の強度を補強する目的で設けられるものであり、基
板1自体で十分な強度を持つ場合は別体のリアプレート
111は不要で、基板1に直接支持枠112を封着し、
フェースプレート116、支持枠112、基板1にて外
囲器118を構成してもよい。また、フェースプレート
116、リアプレート111の間にスぺーサーと呼ばれ
る不図示の支持体を更に設置することで、大気圧に対し
て十分な強度を有する外囲器118とすることもでき
る。
【0103】蛍光膜114は、モノクロームの場合は蛍
光体122のみからなるが、カラーの蛍光膜114の場
合は、蛍光体122の配列により、ブラックストライプ
(図14(a))あるいはブラックマトリクス(図14
(b))等と呼ばれる黒色導伝材121と蛍光体122
とで構成される。ブラックストライプ、ブラックマトリ
クスが設けられる目的は、カラー表示の場合必要となる
三原色の各蛍光体122間の塗り分け部を黒くすること
で混色等を目立たなくすることと、蛍光膜114におけ
る外光反射によるコントラストの低下を抑制することで
ある。黒色導伝材121の材料としては、通常良く用い
られている黒鉛を主成分とする材料だけでなく、導電性
があり、光の透過及び反射が少ない材料であれば他の材
料を用いることもできる。
【0104】ガラス基板113に蛍光体122を塗布す
る方法としては、モノクローム、カラーによらず、沈澱
法や印刷法が用いられる。
【0105】また、図13に示されるように、蛍光膜1
14の内面側には通常メタルバック115が設けられ
る。メタルバック115の目的は、蛍光体122(図1
4参照)の発光のうち内面側への光をフェースプレート
116側へ鏡面反射することにより輝度を向上するこ
と、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作
用すること、外囲器118内で発生した負イオンの衝突
によるダメージからの蛍光体122の保護等である。メ
タルバック115は、蛍光膜114の作製後、蛍光膜1
14の内面側表面の平滑化処理(通常フィルミングと呼
ばれる)を行い、その後Alを真空蒸着等で堆積するこ
とで作製できる。
【0106】フェースプレート116には、更に蛍光膜
114の導伝性を高めるため、蛍光膜114の外面側に
透明電極(不図示)を設けてもよい。
【0107】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体122と表面伝導型電子放出素子104とを対応
させなくてはいけないため、十分な位置合わせを行なう
必要がある。
【0108】外囲器118内は、不図示の排気管を通
じ、10の−6乗torr程度の真空度にされ、封止さ
れる。尚、不図示の排気管を通じ、例えばロータリーポ
ンプ、ターボポンプをポンプ系とする様な通常の真空装
置系で、10の−6乗torr程度の真空中で、容器外
端子Dx1ないしDxmとDy1ないしDynを通じ素
子電極4,5間に電圧を印加し、上述のフォーミング処
理を行った後、活性化処理をして電子放出部2を形成す
る。その後、80℃〜150℃でベーキングを3〜15
時間行いながら、例えばイオンポンプ等をポンプ系とす
る超高真空装置系に切り替える。超高真空装置系の切り
替え、及びベーキングは、前述の表面伝導型電子放出素
子の素子電流If、放出電流Ieの単調増加特性(MI
特性)を満足するためであり、その方法、条件は、これ
に限るものではない。
【0109】また、外囲器118の封止後の真空度を維
持するために、ゲッター処理を行うこともある。これ
は、外囲器118の封止を行う直前あるいは封止後に、
抵抗加熱あるいは高周波加熱等の加熱法により、外囲器
118内の所定の位置に配置したゲッター(不図示)を
加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通常
Ba等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、例
えば1×10の−5乗ないしは1×10の−7乗tor
rの真空度を維持するためのものである。
【0110】尚、前述したフォーミング及びこれ以降の
表面伝導型電子放出素子の各製造工程は、通常、外囲器
118の封止直前又は封止後に行われるもので、その内
容は前述の通りである。
【0111】上述の表示パネル201は、例えば図15
に示されるような駆動回路で駆動することができる。
尚、図15において、201は表示パネル、202は走
査回路、203は制御回路、204はシフトレジスタ、
205はラインメモリ、206は同期信号分離回路、2
07は変調信号発生器、Vx及びVaは直流電圧源であ
る。
【0112】図15に示されるように、表示パネル20
1は、外部端子Dx1ないしDxm、外部端子Dy1な
いしDyn及び高圧端子Hvを介して外部の電気回路と
接続されている。この内、外部端子Dx1ないしDxm
には前記表示パネル201内に設けられている表面伝導
型電子放出素子、即ちm行n列の行列状にマトリクス配
置された表面伝導型電子放出素子群を1行(n素子ず
つ)順次駆動して行くための走査信号が印加される。
【0113】一方、端子Dy1ないし外部端子Dynに
は、前記走査信号により選択された1行の各表面伝導型
電子放出素子の出力電子ビームを制御するための変調信
号が印加される。また、高圧端子Hvには、直流電圧源
Vaより、例えば10kVの直流電圧が供給される。こ
れは表面伝導型電子放出素子より出力される電子ビーム
に、蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを付与する
ための加速電圧である。
【0114】走査回路202は、内部にm個のスイッチ
ング素子(図15中S1ないしSmで模式的に示す)を
備えるもので、各スイッチング素子S1〜Smは、直流
電圧電源Vxの出力電圧もしくは0V(グランドレベ
ル)のいずれか一方を選択して、表示パネル201の外
部端子Dx1ないしDxmと電気的に接続するものであ
る。各スイッチング素子S1〜Smは、制御回路203
が出力する制御信号Tscanに基づいて動作するもの
で、実際には、例えばFETのようなスイッチング機能
を有する素子を組み合わせることにより容易に構成する
ことが可能である。
【0115】本例における前記直流電圧源Vxは、前記
表面伝導型電子放出素子の特性(しきい値電圧)に基づ
き、走査されていない表面伝導型電子放出素子に印加さ
れる駆動電圧がしきい値電圧以下となるような一定電圧
を出力するよう設定されている。
【0116】制御回路203は、外部より入力される画
像信号に基づいて適切な表示が行われるように、各部の
動作を整合させる働きを持つものである。次に説明する
同期信号分離回路206より送られる同期信号Tsyn
cに基づいて、各部に対してTscan、Tsft及び
Tmryの各制御信号を発生する。
【0117】同期信号分離回路206は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と
輝度信号成分を分離するための回路で、よく知られてい
るように、周波数分離(フィルター)回路を用いれば、
容易に構成できるものである。同期信号分離回路206
により分離された同期信号は、これもよく知られるよう
に、垂直同期信号と水平同期信号よりなる。ここでは、
説明の便宜上Tsyncとして図示する。一方、前記テ
レビ信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上D
ATA信号と図示する。このDATA信号はシフトレジ
スタ204に入力される。
【0118】シフトレジスタ204は、時系列的にシリ
アル入力される前記DATA信号を、画像の1ライン毎
にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制御
回路203より送られる制御信号Tsftに基づいて作
動する。この制御信号Tsftは、シフトレジスタ20
4のシフトクロックであると言い換えてもよい。また、
シリアル/パラレル変換された画像1ライン分(表面伝
導型電子放出素子のn素子分の駆動データに相当する)
のデータは、Id1ないしIdnのn個の並列信号とし
て前記シフトレジスタ204より出力される。
【0119】ラインメモリ205は、画像1ライン分の
データを必要時間だけ記憶するための記憶装置であり、
制御回路203より送られる制御信号Tmryに従って
適宜Id1ないしIdnの内容を記憶する。記憶された
内容は、Id’1ないしId’nとして出力され、変調
信号発生器207に入力される。
【0120】変調信号発生器207は、前記画像データ
Id’1ないしId’nの各々に応じて、表面伝導型電
子放出素子の各々を適切に駆動変調するための信号源
で、その出力信号は、端子Dy1ないしDynを通じて
表示パネル201内の表面伝導型電子放出素子に印加さ
れる。
【0121】前述したように、表面伝導型電子放出素子
は電子放出に明確なしきい値電圧を有しており、しきい
値電圧を超える電圧が印加された場合にのみ電子放出が
生じる。また、しきい値電圧を超える電圧に対しては表
面伝導型電子放出素子への印加電圧の変化に応じて放出
電流も変化して行く。表面伝導型電子放出素子の材料、
構成、製造方法を変えることにより、しきい値電圧の値
や印加電圧に対する放出電流の変化度合いが変わる場合
もあるが、いずれにしても以下のことがいえる。
【0122】即ち、表面伝導型電子放出素子にパルス状
の電圧を印加する場合、例えばしきい値電圧以下の電圧
を印加しても電子放出は生じないが、しきい値電圧を超
える電圧を印加する場合には電子放出を生じる。その
際、第1には電圧パルスの波高値を変化させることによ
り、出力される電子ビームの強度を制御することが可能
である。第2には、電圧パルスの幅を変化させることに
より、出力される電子ビームの電荷の総量を制御するこ
とが可能である。
【0123】従って、入力信号に応じて表面伝導型電子
放出素子を変調する方式としては、電圧変調方式とパル
ス幅変調方式とが挙げられる。電圧変調方式を行う場
合、変調信号発生器207としては、一定の長さの電圧
パルスを発生するが、入力されるデータに応じて適宜パ
ルスの波高値を変調できる電圧変調方式の回路を用い
る。また、パルス幅変調方式を行う場合、変調信号発生
器207としては、一定の波高値の電圧パルスを発生す
るが、入力されるデータに応じて適宜パルス幅を変調で
きるパルス幅変調方式の回路を用いる。
【0124】シフトレジスタ204やラインメモリ20
5は、デジタル信号式のものでもアナログ信号式のもの
でもよく、画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が
所定の速度で行えるものであればよい。
【0125】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路206の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要がある。これは同期信号分離回路206の出力
部にA/D変換器を設けることで行える。
【0126】また、これと関連して、ラインメモリ20
5の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かにより、
変調信号発生器207に設けられる回路が若干異なるも
のとなる。
【0127】即ち、デジタル信号で電圧変調方式の場
合、変調信号発生器207には、例えばよく知られてい
るD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路等を付
け加えればよい。また、デジタル信号でパルス幅変調方
式の場合、変調信号発生器207は、例えば高速の発振
器及び発振器の出力する波数を計数する計数器(カウン
タ)及び計数器の出力値と前記メモリの出力値を比較す
る比較器(コンパレータ)を組み合わせた回路を用いる
ことで容易に構成することができる。更に、必要に応じ
て、比較器の出力するパルス幅変調された変調信号を表
面伝導型電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するた
めの増幅器を付け加えてもよい。
【0128】一方、アナログ信号で電圧変調方式の場
合、変調信号発生器207には、例えばよく知られてい
るオペアンプ等を用いた増幅回路を用いればよく、必要
に応じてレベルシフト回路等を付け加えてもよい。ま
た、アナログ信号でパルス幅変調方式の場合、例えばよ
く知られている電圧制御型発振回路(VCO)を用いれ
ばよく、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電
圧にまで電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよ
い。
【0129】以上のような表示パネル201及び駆動回
路を有する本発明の画像形成装置は、端子Dx1〜Dx
m及びDy1〜Dynから電圧を印加することにより、
必要な表面伝導型電子放出素子から電子を放出させるこ
とができ、高圧端子Hvを通じて、メタルバック115
あるいは透明電極(不図示)に高電圧を印加して電子ビ
ームを加速し、加速した電子ビームを蛍光膜114に衝
突させることで生じる励起・発光によって、NTSC方
式のテレビ信号に応じてテレビジョン表示を行うことが
できるものである。
【0130】尚、以上説明した構成は、表示等に用いら
れる本発明の画像形成装置を得る上で必要な概略構成で
あり、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述の内容
に限られるものではなく、画像形成装置の用途に適する
よう、適宜選択されるものである。また、入力信号とし
てNTSC方式を挙げたが、本発明に係る画像形成装置
はこれに限られるものではなく、PAL、SECAM方
式等の他の方式でもよく、更にはこれらよりも多数の走
査線からなるTV信号、例えばMUSE方式を初めとす
る高品位TV方式でもよい。
【0131】次に、前述の梯型配置の電子源及びこれを
用いた本発明の画像形成装置の一例について図16及び
図17を用いて説明する。
【0132】図16において、1は基板、104は表面
伝導型電子放出素子、304は表面伝導型電子放出素子
104を接続する共通配線で10本設けられており、各
々外部端子D1〜D10を有している。
【0133】表面伝導型電子放出素子104は、基板1
上に並列に複数個配置されている。これを素子行と呼
ぶ。そしてこの素子行が複数行配置されて電子源を構成
している。
【0134】各素子行の共通配線304(例えば外部端
子D1とD2の共通配線304)間に適宜の駆動電圧を
印加することで、各素子行を独立に駆動することが可能
である。即ち、電子ビームを放出させたい素子行にはし
きい値電圧を超える電圧を印加し、電子ビームを放出さ
せたくない素子行にはしきい値電圧以下の電圧を印加す
るようにすればよい。このような駆動電圧の印加は、各
素子行間に位置する共通配線D2〜D9について、夫々
相隣接する共通配線304、即ち夫々相隣接する外部端
子D2とD3,D4とD5,D6とD7,D8とD9の
共通配線304を一体の同一配線としても行うことがで
きる。
【0135】図17は、本発明の電子源の他の例であ
る、上記梯型配置の電子源を備えた表示パネル301の
構造を示す図である。
【0136】図17中302はグリッド電極、303は
電子が通過するための開口、D1〜Dmは各表面伝導型
電子放出素子に電圧を印加するための外部端子、G1〜
Gnはグリッド電極302に接続された外部端子であ
る。また、各素子行間の共通配線304は一体の同一配
線として基板1上に形成されている。
【0137】尚、図17において図13と同じ符号は同
じ部材を示すものであり、図13に示される単純マトリ
クス配置の電子源を用いた表示パネル201との大きな
違いは、基板1とフェースプレート116の間にグリッ
ド電極302を備えている点である。
【0138】基板1とフェースプレート116の間に
は、上記のようにグリッド電極302が設けられてい
る。このグリッド電極302は、表面伝導型電子放出素
子104から放出された電子ビームを変調することがで
きるもので、梯型配置の素子行と直行して設けられたス
トライプ状の電極に、電子ビームを通過させるために、
各表面伝導型電子放出素子104に対応して1個ずつ円
形の開口303を設けたものとなっている。
【0139】グリッド電極302の形状や配置位置は、
必ずしも図17に示すようなものでなければならないも
のではなく、開口303をメッシュ状に多数設けること
もあり、またグリッド電極302を、例えば表面伝導型
電子放出素子104の周囲や近傍に設けてもよい。
【0140】外部端子D1〜Dm及びG1〜Gnは不図
示の駆動回路に接続されている。そして、素子行を1列
ずつ順次駆動(走査)して行くのと同期してグリッド電
極302の列に画像1ライン分の変調信号を印加するこ
とにより、各電子ビームの蛍光膜114への照射を制御
し、画像を1ラインずつ表示することができる。
【0141】以上のように、本発明の画像形成装置は、
単純マトリクス配置及び梯型配置のいずれの本発明の電
子源を用いても得ることができ、上述したテレビジョン
放送の表示装置のみならず、テレビ会議システム、コン
ピューター等の表示装置として好適な画像形成装置が得
られる。更には、感光ドラムとで構成した光プリンター
の露光装置としても用いることができるものである。
【0142】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳述す
る。
【0143】実施例1 図18(a)に本実施例の電子放出素子を示す。
【0144】図18(a)において1は基板、2は電子
放出部、3は導電性膜、4と5は素子電極、6は亀裂で
ある。素子電極4,5は櫛歯状に形成されており、その
櫛歯の先端部は相対向している。ここで、各部の寸法
は、W1が300マイクロメートル、W3が3マイクロ
メートル、gが12マイクロメートル、L1が3マイク
ロメートル、L2が30マイクロメートルである。尚、
櫛歯の数は、片側20組作製したが、図中では分かり易
くするために少数のみ表示した。
【0145】電子放出素子の製法は、基本的には図8で
説明した方法と同様である。以下、図18(a)及び図
8を用いて、本実施例で用いた電子放出素子の基本的な
構成及び製造法を説明する。
【0146】以下、製造手順を図18(a)及び図8に
基づいて説明する。
【0147】工程−a 清浄化した青板ガラス上に厚さ0.5マイクロメートル
のシリコン酸化膜をスパッタ法で形成した基板1上に、
所望の電極形状開口を有するパターンをホトレジスト
(RD−2000N−41・日立化成社製)で形成し、
真空蒸着法により、厚さ50オングストロームのTi、
厚さ1000オングストロームのNiを順次堆積した。
ホトレジストパターンを有機溶剤で溶解し、Ni/Ti
堆積膜をリフトオフして、素子電極4,5を形成した。
【0148】工程−b 次に、電子放出部2を形成するための導電性膜3を所定
の形状にパターニングするために、通常よく用いられる
蒸着マスクを素子電極4,5上に配置し、膜厚1000
オングストロームのCr膜を真空蒸着により堆積、パタ
ーニングし、その上に有機Pd(ccp4230奥野製
薬(株)製)をスピンナーにより回転塗布し、300℃
で10分間の加熱焼成処理をした。ここで、W2は20
0マイクロメートルであった。また、こうして形成され
た主として酸化パラジウムの微粒子からなる導電性膜3
の膜厚は100オングストローム、シート抵抗値は2×
10の4乗Ω/□であった。尚、ここで述べる微粒子膜
とは、前述したように、複数の微粒子が集合した膜であ
り、その微細構造として、微粒子が個々に分散配置した
状態のみならず、微粒子が互いに隣接、あるいは、重な
り合った状態(島状も含む)の膜をさし、その粒径と
は、この状態で粒子形状が認識可能な微粒子ついての径
をいう。
【0149】工程−c Cr膜及び焼成後の導電性膜3を酸エッチャントにより
エッチングして所望のパターンを形成した。
【0150】以上の工程により、基板1上に素子電極
4,5及び導電性膜3等を形成した。
【0151】工程−d 上記工程を経た基板1を図10の測定評価系に設置し、
真空ポンプにて排気して、2×10の−5乗torrの
真空度に達した後、素子電圧Vfを印加するための電源
51より、3素子のうち2素子の素子電極4,5間に夫
々電圧を印加し、通電処理(フォーミング処理)を施し
た。フォーミング処理の電圧波形は図9(b)に示され
るような波形とした。
【0152】図9(b)中、T1及びT2は電圧波形の
パルス幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1ミ
リ秒、T2を10ミリ秒とし、三角波の波高値(フォー
ミング時のピーク電圧)は0.1Vステップで昇圧させ
てフォーミング処理を行なった。また、フォーミング処
理中は、同時に、0.1Vの電圧でT2間に抵抗測定パ
ルスを挿入して抵抗を測定した。尚、フォーミング処理
の終了は、抵抗測定パルスでの測定値が約1Mオーム以
上になった時とし、同時に、電子放出素子への電圧の印
加を終了した。夫々の電子放出素子のフォーミング電圧
VFは5.1Vと5.0Vであった。
【0153】工程−e 続いて、フォーミング処理した電子放出素子に、上記工
程−dにおけるT2と同じ周期でパルス幅T1の矩形波
を印加して活性化処理をした。ここで、矩形波の波高値
を14Vとした。
【0154】尚、この時の図10の測定評価装置内の真
空度は1.5×10の−5乗torrであった。放出電
流Ieが、約30分で最大となったので、活性化処理を
終了した。こうして電子放出部2を形成し、電子放出素
子を作製した。以下、これを素子Aと呼ぶ。
【0155】また、比較のため、上記工程−aから工程
−eまでは同様にして、素子電極の形状を変えたものを
作製した。これは、W3を100マイクロメートルとし
たものである。以下、これを素子Bと呼ぶ。
【0156】さらに、素子Aと全く同じ形態で、工程−
eの活性化の前に10の−4乗torr程度の真空中で
400℃に加熱処理した後に、活性化処理を行ったもの
を作製した。以下、これを素子Cと呼ぶ。上記加熱処理
によって、素子電極間の抵抗値が約200Ω/□と減少
した。これは、初期に作製された酸化パラジウムの微粒
子膜が還元されたためであると思われる。
【0157】上述の工程で作成した素子A,B,Cの電
子放出特性を、上述の図10の測定評価系を用いて測定
した。この測定は、真空オイルを使用しないイオンポン
プ等の超高真空排気装置を用いて排気し、有機物質の混
入を極力防止した条件下で行った。
【0158】尚、図10におけるアノード電極54と電
子放出素子の距離を4mm、アノード電極54の電位を
1kV、電子放出特性測定時の真空装置内の真空度は1
×10の−6.5乗torrとした。
【0159】素子A,B,C共に素子電極4,5間に1
4Vの素子電圧を印加し、その時に流れる素子電流If
及び放出電流Ieを測定した。素子A,B,C共に、測
定初期より安定した素子電流If及び放出電流Ieが観
察され、素子Aでは素子電圧14Vで素子電流Ifが
0.1ミリアンペア、放出電流Ieが1.0マイクロア
ンペアとなり、電子放出効率は1%であった。また、素
子Bでは素子電流Ifが2.9ミリアンペア、放出電流
Ieが6.0マイクロアンペアと測定され、電子放出効
率は0.2%であった。さらに、素子Cでは素子電流I
fが4.2ミリアンペア、放出電流Ieが0.6マイク
ロアンペアと測定され、電子放出効率は0.01%と小
さかった。以上より、素子Aは、素子Bに比べて電子放
出部の長さが約30分の1であるにもかかわらず、放出
電流Ieは6分の1であって、素子電流Ifは約30分
の1であった。即ち、素子Aでは、一旦真空中に放出さ
れた電子のうち、再び素子電極に落ちてしまう部分を抑
えることができたと考えられる。また、素子Cでは、素
子電極間が低抵抗なので、本発明の意図とするところの
電子放出部近傍において、亀裂6に垂直で基板1に平行
な電界成分が基板1に垂直な電界成分に比べて小さい、
ということが達成されていなかったものと思われる。
【0160】実施例2 図18(b)に本実施例の電子放出素子を示す。
【0161】図18(b)において、1は基板、2は電
子放出部、3は導電性膜、4,5は素子電極、6は亀
裂、9,10は給電部である。給電部9,10は櫛歯状
に形成されており、その歯の先端部は相対向している。
ここで各部の寸法は、W1が300マイクロメートル、
W3が3マイクロメートル、gが12マイクロメート
ル、L1が3マイクロメートル、L2が30マイクロメ
ートルである。尚、櫛歯の数は、片側20組作製した
が、図中では分かり易くするために少数のみ表示した。
【0162】電子放出素子の製法は、基本的には図8で
説明した方法と同様である。以下、図18(b)及び図
8を用いて、本実施例で用いた電子放出素子の基本的な
構成及び製造法を説明する。
【0163】以下、製造手順を図18(b)及び図8に
基づいて説明する。
【0164】工程−a 清浄化した青板ガラス上に厚さ0.5マイクロメートル
のシリコン酸化膜をスパッタ法で形成した基板1上に、
所望の電極形状開口を有するパターンをホトレジスト
(RD−2000N−41・日立化成社製)で形成し、
真空蒸着法により、厚さ50オングストロームのTi、
厚さ1000オングストロームのNiを順次堆積した。
ホトレジストパターンを有機溶剤で溶解し、Ni/Ti
堆積膜をリフトオフして、素子電極4,5を形成した。
【0165】工程−b 次に、電子放出部2を形成するための導電性膜3を所定
の形状にパターニングするために、通常よく用いられる
蒸着マスクを素子電極4,5上に配置し、膜厚1000
オングストロームのCr膜を真空蒸着により堆積、パタ
ーニングし、その上に有機Pd(ccp4230奥野製
薬(株)製)をスピンナーにより回転塗布し、300℃
で10分間の加熱焼成処理をした。また、こうして形成
された主として酸化パラジウムの微粒子からなる導電性
膜3の膜厚は100オングストローム、シート抵抗値は
2×10の4乗Ω/□であった。尚、ここで述べる微粒
子膜とは、前述したように、複数の微粒子が集合した膜
であり、その微細構造として、微粒子が個々に分散配置
した状態のみならず、微粒子が互いに隣接、あるいは、
重なり合った状態(島状も含む)の膜をさし、その粒径
とは、この状態で粒子形状が認識可能な微粒子ついての
径をいう。
【0166】工程−c Cr膜及び焼成後の導電性膜3を酸エッチャントにより
エッチングして所望のパターンを形成した。
【0167】以上の工程により、基板1上に素子電極
4,5及び導電性膜3等を形成した。
【0168】工程−d 次に、図10の測定評価系の真空装置55内に0.5%
水素を含む窒素ガスを導入し、5mmWの出力のアルゴ
ンレーザーを照射することによって、導電性膜3の一部
を還元し、抵抗値を下げ、給電部9,10を形成した。
【0169】工程−e 上記工程を経た基板1を図10の測定評価系に設置し、
真空ポンプにて排気して、2×10の−5乗torrの
真空度に達した後、素子電圧Vfを印加するための電源
51より、3素子のうち2素子の素子電極4,5間に夫
々電圧を印加し、通電処理(フォーミング処理)を施し
た。フォーミング処理の電圧波形は図9(b)に示され
るような波形とした。
【0170】図9(b)中、T1及びT2は電圧波形の
パルス幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1を1ミ
リ秒、T2を10ミリ秒とし、三角波の波高値(フォー
ミング時のピーク電圧)は0.1Vステップで昇圧させ
てフォーミング処理を行なった。また、フォーミング処
理中は、同時に、0.1Vの電圧でT2間に抵抗測定パ
ルスを挿入して抵抗を測定した。尚、フォーミング処理
の終了は、抵抗測定パルスでの測定値が約1Mオーム以
上になった時とし、同時に、電子放出素子への電圧の印
加を終了した。夫々の電子放出素子のフォーミング電圧
VFは5.1Vと5.0Vであった。
【0171】工程−f 続いて、フォーミング処理した電子放出素子に、上記工
程−dにおけるT2と同じ周期でパルス幅T1の矩形波
を印加して活性化処理をした。ここで、矩形波の波高値
を14Vとした。
【0172】尚、この時の図10の測定評価装置内の真
空度は1.5×10の−5乗torrであった。放出電
流Ieが、約30分で最大となったので、活性化処理を
終了した。こうして電子放出部2を形成し、電子放出素
子を作製した。以下、これを素子Aと呼ぶ。
【0173】また、比較のため、上記工程−aから工程
−fまでは同様にして、給電部の形状を変えたものを作
製した。これは、W3を60マイクロメートルとしたも
のである。以下、これを素子Bと呼ぶ。
【0174】さらに、素子Aと全く同じ形態で、工程−
fの活性化の前に10の−4乗torr程度の真空中で
400℃に加熱処理した後に、活性化処理を行ったもの
を作製した。以下、これを素子Cと呼ぶ。上記加熱処理
によって、素子電極間の抵抗値が約200Ω/□と減少
した。これは、初期に作製された酸化パラジウムの微粒
子膜が還元されたためであると思われる。
【0175】上述の工程で作成した素子A,B,Cの電
子放出特性を、上述の図10の測定評価系を用いて測定
した。この測定は、真空オイルを使用しないイオンポン
プ等の超高真空排気装置を用いて排気し、有機物質の混
入を極力防止した条件下で行った。
【0176】尚、図10におけるアノード電極54と電
子放出素子の距離を4mm、アノード電極54の電位を
1kV、電子放出特性測定時の真空装置内の真空度は1
×10の−6.5乗torrとした。
【0177】素子A,B,C共に素子電極4,5間に1
4Vの素子電圧を印加し、その時に流れる素子電流If
及び放出電流Ieを測定した。素子A,B,C共に、測
定初期より安定した素子電流If及び放出電流Ieが観
察され、素子Aでは素子電圧14Vで素子電流Ifが
0.1ミリアンペア、放出電流Ieが1.0マイクロア
ンペアとなり、電子放出効率は1%であった。また、素
子Bでは素子電流Ifが3.0ミリアンペア、放出電流
Ieが3.0マイクロアンペアと測定され、電子放出効
率は0.1%であった。さらに、素子Cでは素子電流I
fが4.2ミリアンペア、放出電流Ieが0.6マイク
ロアンペアと測定され、電子放出効率は0.01%と小
さかった。以上より、素子Aは、素子Bに比べて電子放
出部の長さが約20分の1であるにもかかわらず、放出
電流Ieは3分の1であって、素子電流Ifは約30分
の1であった。即ち、素子Aでは、一旦真空中に放出さ
れた電子のうち、再び素子電極に落ちてしまう部分を抑
えることができたと考えられる。また、素子Cでは、素
子電極間が低抵抗なので、本発明の意図とするところの
電子放出部近傍において、亀裂6に垂直で基板1に平行
な電界成分が基板1に垂直な電界成分に比べて小さい、
ということが達成されていなかったものと思われる。
【0178】実施例3 本実施例は、実施例2と同様な形態の電子放出素子であ
って、導電性膜3としてRFスパッタ法によってPd薄
膜を130オングストローム堆積させたものを用いた。
それを、フォーミング処理の前に、酸素雰囲気中で給電
部以外の領域にアルゴンレーザ照射し、給電部9,10
を形成した。
【0179】この時、素子電極4,5間の抵抗値は、約
10kΩ/□であった。その後、フォーミング処理、活
性化処理を行って電子放出素子を作製したところ、実施
例2の素子Aと略同等の特性を得ることができた。
【0180】実施例4 本実施例は、多数の電子放出素子を単純マトリクス配置
した電子源を用いた画像形成装置の例である。
【0181】電子源の一部の平面図を図19に示す。ま
た、図中のA−A’断面図を図20に、製造手順を図2
1及び図22に示す。但し、図19、図20、図21及
び図22において同じ符号は同じ部材を示す。
【0182】ここで1は基板、102はX方向配線(下
配線とも呼ぶ)、103はY方向配線(上配線とも呼
ぶ)、3は導電性膜、4,5は素子電極、151は層間
絶縁層、152は素子電極5と下配線102と電気的接
続のためのコンタクトホールである。
【0183】次に製造方法を、図21及び図22に基づ
いて工程順に従って具体的に説明する。尚、以下の各工
程a〜hは図21及び図22の(a)〜(h)に対応す
るものである。
【0184】工程−a 清浄化した青板ガラス上に厚さ0.5マイクロメートル
のシリコン酸化膜をスパッタ法で形成した基板1上に、
真空蒸着により、厚さ50オングストロームのCr、厚
さ6000オングストロームのAuを順次積層した後、
ホトレジスト(AZ1370・ヘキスト社製)をスピン
ナーにより回転塗布し、ベークした後、ホトマスク像を
露光、現像して、下配線102のレジストパターンを形
成し、Au/Cr堆積膜をウエットエッチングして、所
望の形状の下配線102を形成した。
【0185】工程−b 次に、厚さ1.0マイクロメートルのシリコン酸化膜か
らなる層間絶縁層151をRFスパッタ法により堆積し
た。
【0186】工程−c 工程bで堆積したシリコン酸化膜にコンタクトホール1
52を形成するためのホトレジストパターンを作り、こ
れをマスクとして層間絶縁層151をエッチングしてコ
ンタクトホール152を形成した。エッチングはCF4
とH2 ガスを用いたRIE(Reactive・Ion
・Etching)法によった。
【0187】工程−d その後、素子電極4,5と素子電極間ギャップGとなる
べきパターンをホトレジスト(RD−2000N−41
・日立化成社製)で形成し、真空蒸着法により、厚さ5
0オングストロームのTi、厚さ1000オングストロ
ームのNiを順次堆積した。ホトレジストパターンを有
機溶剤で溶解し、Ni/Ti堆積膜をリフトオフし、素
子電極4,5を形成した。尚、ここでギャップの形状は
実施例1と同様とした。
【0188】工程−e 素子電極4,5の上に上配線103のホトレジストパタ
ーンを形成した後、厚さ50オングストロームのTi、
厚さ5000オングストロームのAuを順次真空蒸着に
より堆積し、リフトオフにより不要の部分を除去して、
所望の形状の上配線103を形成した。
【0189】工程−f 次に、膜厚1000オングストロームのCr膜153を
真空蒸着により堆積・パターニングし、その上に有機P
d(ccp4230・奥野製薬(株)製)をスピンナー
により回転塗布し、300℃で10分間の加熱焼成処理
をした。また、こうして形成された主として酸化パラジ
ウムの微粒子からなる導電性膜3の膜厚は100オング
ストローム、シート抵抗値は5×10の4乗Ω/□であ
った。尚、ここで述べる微粒子膜とは、上述したよう
に、複数の微粒子が集合した膜であり、その微細構造と
して、微粒子が個々に分散配置した状態のみならず、微
粒子が互いに隣接、あるいは、重なり合った状態(島状
も含む)の膜をさし、その粒径とは、上記状態で粒子形
状が認識可能な微粒子ついての径をいう。
【0190】工程−g Cr膜153及び焼成後の導電性膜3を酸エッチャント
によりエッチングして所望のパターンを形成した。
【0191】工程−h コンタクトホール152部分以外にレジストを塗布して
パターンを形成し、真空蒸着により厚さ50オングスト
ロームのTi、厚さ5000オングストロームのAuを
順次堆積した。リフトオフにより不要の部分を除去する
ことにより、コンタクトホール152を埋め込んだ。
【0192】次に、以上のようにして作成した未フォー
ミングの電子源を用いて画像形成装置を構成した例を、
図13と図14を用いて説明する。
【0193】上述のようにして多数の電子放出素子10
4を設けた基板1をリアプレート111上に固定した
後、基板1の5mm上方に、フェースプレート116
(ガラス基板113の内面に蛍光膜114とメタルバッ
ク115が形成されて構成される)を支持枠112を介
して配置し、フェースプレート116、支持枠112、
リアプレート111の接合部にフリットガラスを塗布
し、大気中で400℃で10分焼成することで封着し
た。またリアプレート111への基板1の固定もフリッ
トガラスで行った。
【0194】図13において、102,103は夫々X
方向及びY方向配線である。
【0195】蛍光膜114は、モノクロームの場合は蛍
光体122のみからなるが、本実施例では蛍光体122
はストライプ形状(図14(a))を採用し、先にブラ
ックストライプを形成し、その間隙部に各色蛍光体12
2を塗布して蛍光膜114を作製した。ブラックストラ
イプの材料としては、通常よく用いられている黒鉛を主
成分とする材料を用いた。
【0196】ガラス基板113に蛍光体122を塗布す
る方法としてはスラリー法を用いた。また、蛍光膜11
4の内面側にはメタルバック115を設けた。メタルバ
ック115は、蛍光膜114の作製後、蛍光膜114の
内面側表面の平滑化処理(通常フィルミングと呼ばれ
る)を行い、その後、Alを真空蒸着することで作製し
た。
【0197】フェースプレート116には、更に蛍光膜
114の導伝性を高めるため、蛍光膜114の外面側に
透明電極(不図示)が設けられる場合もあるが、本実施
例では、メタルバック115のみで十分な導伝性が得ら
れたので省略した。
【0198】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体122と電子放出素子104とを対応させなくて
はいけないため、十分な位置合わせを行った。
【0199】以上のようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管(図示せず)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、外部端子Dx1ないしD
xmとDy1ないしDynを通じ、電子放出素子104
の素子電極4,5間に電圧を印加し、導電性膜3をフォ
ーミング処理することにより電子放出部2を作成した。
【0200】フォーミング処理の電圧波形は、図9
(b)と同様とした。また、本実施例ではT1を1ミリ
秒、T2を10ミリ秒とし、約1×10の−5乗tor
rの真空雰囲気下で行った。
【0201】このようにして作成された電子放出部2
は、パラジウム元素を主成分とする微粒子が分散配置さ
れた状態となり、その微粒子の平均粒径は30オングス
トロームであった。
【0202】次に、フォーミングと同一波形、波高値1
4Vで、真空度2×10の−5乗torrの真空度で、
素子電流If、放出電流Ieを測定しながら、活性化処
理を行なった。
【0203】以上のようにフォーミング工程、活性化工
程を行い、電子放出部2を有する電子放出素子104を
作製した。
【0204】その後、10の−6.5乗torr程度の
真空度まで排気し、不図示の排気管をガスバーナーで熱
することで溶着し、外囲器の封止を行い、更に封止後の
真空度を維持するために、高周波加熱法でゲッター処理
を行った。
【0205】以上のように完成した本発明の画像形成装
置において、外部端子Dx1ないしDxmとDy1ない
しDynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号
発生手段より夫々電子放出素子104に印加することに
より電子放出させると共に、高圧端子Hvを通じてメタ
ルバック115に数kV以上の高圧を印加して、電子ビ
ームを加速し、蛍光膜114に衝突させ、励起・発光さ
せることで画像の表示が得られた。
【0206】実施例5 図21は、前述の電子放出素子を電子源として用いたデ
ィスプレイパネルに、例えばテレビジョン放送を初めと
する種々の画像情報源より提供される画像情報を表示で
きるように構成した本発明の画像形成装置の一例を示す
図である。
【0207】図中16100はディスプレイパネル、1
6101はディスプレイパネルの駆動回路、16102
はディスプレイコントローラ、16103はマルチプレ
クサ、16104はデコーダ、16105は入出力イン
ターフェース回路、16106はCPU、16107は
画像生成回路、16108及び16109及び1611
0は画像メモリーインターフェース回路、16111は
画像入力インターフェース回路、16112及び161
13はTV信号受信回路、16114は入力部である。
【0208】尚、本画像形成装置は、例えばテレビジョ
ン信号のように、映像情報と音声情報の両方を含む信号
を受信する場合には当然映像の表示と同時に音声を再生
するものであるが、本発明の特徴と直接関係しない音声
情報の受信、分離、再生、処理、記憶等に関する回路や
スピーカー等については説明を省略する。
【0209】以下、画像信号の流れに沿って各部の機能
を説明する。
【0210】まず、TV信号受信回路16113は、例
えば電波や空間光通信等のような無線伝送系を用いて伝
送されるTV信号を受信するための回路である。
【0211】受信するTV信号の方式は特に限られるも
のではなく、例えばNTSC方式、PAL方式、SEC
AM方式等、いずれの方式でもよい。また、これらより
更に多数の走査線よりなるTV信号、例えばMUSE方
式を初めとする所謂高品位TVは、大面積化や大画素数
化に適した前記ディスプレイパネルの利点を生かすのに
好適な信号源である。
【0212】TV信号受信回路16113で受信された
TV信号は、デコーダ16104に出力される。
【0213】TV信号受信回路16112は、例えば同
軸ケーブルや光ファイバー等のような有線伝送系を用い
て伝送されるTV信号を受信するための回路である。前
記TV信号受信回路16113と同様に、受信するTV
信号の方式は特に限られるものではなく、また本回路で
受信されたTV信号もデコーダ16104に出力され
る。
【0214】画像入力インターフェース回路16111
は、例えばTVカメラや画像読み取りスキャナーなどの
画像入力装置から供給される画像信号を取り込むための
回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ16104に
出力される。
【0215】画像メモリーインターフェース回路161
10は、ビデオテープレコーダー(以下VTRと略す)
に記憶されている画像信号を取り込むための回路で、取
り込まれた画像信号はデコーダ16104に出力され
る。
【0216】画像メモリーインターフェース回路161
09は、ビデオディスクに記憶されている画像信号を取
り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ
16104に出力される。
【0217】画像メモリーインターフェース回路161
08は、静止画ディスクのように、静止画像データを記
憶している装置から画像信号を取り込むための回路で、
取り込まれた静止画像データはデコーダ16104に入
力される。
【0218】入出力インターフェース回路16105
は、本表示装置と、外部のコンピュータもしくはコンピ
ュータネットワークもしくはプリンターなどの出力装置
とを接続するための回路である。画像データや文字・図
形情報の入出力を行うのは勿論のこと、場合によっては
本画像形成装置の備えるCPU16106と外部との間
で制御信号や数値データの入出力などを行うことも可能
である。
【0219】画像生成回路16107は、前記入出力イ
ンターフェース回路16105を介して外部から入力さ
れる画像データや文字・図形情報や、あるいはCPU1
6106より出力される画像データや文字・図形情報に
基づき、表示用画像データを生成するための回路であ
る。本回路の内部には、例えば画像データや文字・図形
情報を蓄積するための書き換え可能メモリーや、文字コ
ードに対応する画像パターンが記憶されている読み出し
専用メモリーや、画像処理を行うためのプロセッサー等
を初めとして、画像の生成に必要な回路が組み込まれて
いる。
【0220】本回路により生成された表示用画像データ
は、デコーダ16104に出力されるが、場合によって
は前記入出力インターフェース回路16105を介して
外部のコンピュータネットワークやプリンターに出力す
ることも可能である。
【0221】CPU16106は、主として本表示装置
の動作制御や、表示画像の生成や選択や編集に関わる作
業を行う。
【0222】例えば、マルチプレクサ16103に制御
信号を出力し、ディスプレイパネルに表示する画像信号
を適宜選択したり組み合わせたりする。その際には表示
する画像信号に応じてディスプレイパネルコントローラ
16102に対して制御信号を発生し、画面表示周波数
や走査方法(例えばインターレースかノンインターレー
スか)や一画面の走査線の数など表示装置の動作を適宜
制御する。また、前記画像生成回路16107に対して
画像データや文字・図形情報を直接出力したり、あるい
は前記入出力インターフェース回路16105を介して
外部のコンピュータやメモリーをアクセスして画像デー
タや文字・図形情報を入力する。
【0223】尚、CPU16106は、これ以外の目的
の作業にも関わるものであってよい。例えば、パーソナ
ルコンピュータやワードプロセッサ等のように、情報を
生成したり処理する機能に直接関わってもよい。あるい
は前述したように、入出力インターフェース回路161
05を介して外部のコンピュータネットワークと接続
し、例えば数値計算等の作業を外部機器と協同して行っ
てもよい。
【0224】入力部16114は、前記CPU1610
6に使用者が命令やプログラム、あるいはデータなどを
入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス
の他、ジョイスティック、バーコードリーダー、音声認
識装置等の多様な入力機器を用いることが可能である。
【0225】デコーダ16104は、前記16107な
いし16113より入力される種々の画像信号を3原色
信号、又は輝度信号とI信号、Q信号に逆変換するため
の回路である。尚、図中に点線で示すように、デコーダ
16104は内部に画像メモリーを備えるのが望まし
い。これは、例えばMUSE方式を初めとして、逆変換
するに際して画像メモリーを必要とするようなテレビ信
号を扱うためである。
【0226】画像メモリーを備える事により、静止画の
表示が容易になる。あるいは前記画像生成回路1610
7及びCPU16106と協同して、画像の間引き、補
間、拡大、縮小、合成を初めとする画像処理や編集が容
易になるという利点が得られる。
【0227】マルチプレクサ16103は、前記CPU
16106より入力される制御信号に基づき、表示画像
を適宜選択するものである。即ち、マルチプレクサ16
103はデコーダ16104から入力される逆変換され
た画像信号の内から所望の画像信号を選択して駆動回路
16101に出力する。その場合には、一画面表示時間
内で画像信号を切り換えて選択することにより、所謂多
画面テレビのように、一画面を複数の領域に分けて領域
によって異なる画像を表示することも可能である。
【0228】ディスプレイパネルコントローラ1610
2は、前記CPU16106より入力される制御信号に
基づき、駆動回路16101の動作を制御するための回
路である。
【0229】ディスプレイパネルの基本的な動作に関わ
るものとして、例えばディスプレイパネルの駆動用電源
(図示せず)の動作シーケンスを制御するための信号を
駆動回路16101に対して出力する。ディスプレイパ
ネルの駆動方法に関わるものとして、例えば画面表示周
波数や走査方法(例えばインターレースかノンインター
レースか)を制御するための信号を駆動回路16101
に対して出力する。また、場合によっては、表示画像の
輝度やコントラストや色調やシャープネスといった画質
の調整に関わる制御信号を駆動回路16101に対して
出力する場合もある。
【0230】駆動回路16101は、ディスプレイパネ
ル16100に印加する駆動信号を発生するための回路
であり、前記マルチプレクサ16103から入力される
画像信号と、前記ディスプレイパネルコントローラ16
102より入力される制御信号に基づいて動作するもの
である。
【0231】以上、各部の機能を説明したが、図23に
例示した構成により、本画像形成装置においては多様な
画像情報源より入力される画像情報をディスプレイパネ
ル16100に表示することが可能である。即ち、テレ
ビジョン放送を初めとする各種の画像信号は、デコーダ
16104におて逆変換された後、マルチプレクサ16
103において適宜選択され、駆動回路16101に入
力される。一方、デイスプレイコントローラ16102
は、表示する画像信号に応じて駆動回路16101の動
作を制御するための制御信号を発生する。駆動回路16
101は、上記画像信号と制御信号に基づいてディスプ
レイパネル16100に駆動信号を印加する。これによ
り、ディスプレイパネル16100において画像が表示
される。これらの一連の動作は、CPU16106によ
り統括的に制御される。
【0232】本画像形成装置においては、前記デコーダ
16104に内蔵する画像メモリや、画像生成回路16
107及び情報の中から選択したものを表示するだけで
なく、表示する画像情報に対して、例えば拡大、縮小、
回転、移動、エッジ強調、間引き、補間、色変換、画像
の縦横比変換等を初めとする画像処理や、合成、消去、
接続、入れ換え、嵌め込み等を初めとする画像編集を行
うことも可能である。また、本実施例の説明では特に触
れなかったが、上記画像処理や画像編集と同様に、音声
情報に関しても処理や編集を行なうための専用回路を設
けてもよい。
【0233】従って、本画像形成装置は、テレビジョン
放送の表示機器、テレビ会議の端末機器、静止画像及び
動画像を扱う画像編集機器、コンピュータの端末機器、
ワードプロセッサを初めとする事務用端末機器、ゲーム
機などの機能を一台で兼ね備えることが可能で、産業用
あるいは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0234】尚、図23は、表面伝導型電子放出素子を
電子ビーム源とする表示パネルを用いた画像形成装置と
する場合の構成の一例を示したに過ぎず、本発明の画像
形成装置がこれのみに限定されるものでないことは言う
までもない。
【0235】例えば図23の構成要素の内、使用目的上
必要のない機能に関わる回路は省いても差し支えない。
また、これとは逆に、使用目的によっては更に構成要素
を追加してもよい。例えば、本表示装置をテレビ電話機
として応用する場合には、テレビカメラ、音声マイク、
照明機、モデムを含む送受信回路等を構成要素に追加す
るのが好適である。
【0236】本画像形成装置においては、とりわけ表面
伝導型電子放出素子を電子源としているので、デイスプ
レイパネルの薄形化が容易であり、画像形成装置の奥行
きを小さくすることができる。それに加えて、表面伝導
型電子放出素子を電子ビーム源とする表示パネルは大画
面化が容易で輝度が高く視野角特性にも優れるため、画
像形成装置は臨場感にあふれ、迫力に富んだ画像を視認
性良く表示することが可能である。
【0237】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電極間に、電子放出部を有する導電性膜を有する電子放
出素子において、電子放出部の作製工程の一つであるフ
ォーミング工程を、配線抵抗や導電性膜の膜厚に依存す
ることなく最適な条件で、しかも安定して簡便に行うこ
とが可能になった。その結果、輝度ムラのない良質な画
像形成装置が実現された。
【0238】また、電子放出においては、電子を放出せ
しめる十分に大きな基板平行方向の電界を有し、電子放
出部近傍では電子の素子電極への再落下を少なくするこ
とができるので、非常に効率の良い電子放出素子の作製
が可能となる。
【0239】入力信号に応じて電子を放出する電子源に
おいては、上記の電子放出素子を基板上に複数個配置し
た電子源であって、基板に複数の電子放出素子を並列に
配置し、個々の電子放出素子の両端を配線に接続した電
子放出素子の行を複数持ち、さらに、変調手段を有して
いる配置法、あるいは基板に互いに電気的に絶縁された
m本のX方向配線とn本のY方向配線とに、該電子放出
素子の一対の素子電極とを接続した電子放出素子を複数
個配列した配置とする電子源とすることで、安定でかつ
歩留り良く作製できるようになる。また、効率の向上に
より、消費電力が少なく、周辺回路等の負担も軽減さ
れ、安価な装置が提供できる。
【0240】画像形成装置においては、入力信号に基づ
いて、画像を形成する装置であり、少なくとも画像形成
部材と前記電子源より構成されたことを特徴とする画像
形成装置であるため、安定で制御された電子放出特性と
効率の向上がなされ、例えば蛍光体を画像形成部材とす
る画像形成装置においては、低電流で明るい高品位な画
像形成装置、例えばフラットテレビが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平面型電子放出素子を示す概略的構成
図である。
【図2】本発明の電子放出素子の第2の意図を説明する
ための図である。
【図3】本発明の電子放出素子の第2の意図を説明する
ための図である。
【図4】本発明の平面型電子放出素子の素子電極形状を
示す基本構成図である。
【図5】本発明の電子放出素子の第1の意図を説明する
ための図である。
【図6】本発明の電子放出素子の等価回路図である。
【図7】本発明の垂直型電子放出素子を示す概略的構成
図である。
【図8】本発明の表面伝導型電子放出素子の製造方法を
示す図である。
【図9】フォーミング波形の例を示す図である。
【図10】本発明の電子放出素子の測定評価系の一例を
示す概略的構成図である。
【図11】本発明の表面伝導型電子放出素子の放出電流
−素子電圧特性(I−V特性)を示す図である。
【図12】単純マトリクス配置の本発明の電子源の概略
的構成図である。
【図13】単純マトリクス配置の電子源を用いた本発明
の画像形成装置に用いる表示パネルの概略的構成図であ
る。
【図14】図13の表示パネルにおける蛍光膜を示す図
である。
【図15】図13の表示パネルを駆動する駆動回路の一
例を示す図である。
【図16】梯型配置の電子源の概略的平面図である。
【図17】梯型配置の電子源を用いた本発明の画像形成
装置に用いる表示パネルの概略的構成図である。
【図18】実施例1及び実施例2の平面型電子放出素子
を示す基本構成図である。
【図19】実施例4における電子源を示す概略的平面図
である。
【図20】図19におけるA−A’断面図である。
【図21】実施例4における電子源の製造手順を示す図
である。
【図22】実施例4における電子源の製造手順を示す図
である。
【図23】実施例5における画像形成装置を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1 基体 2 電子放出部 3 導電性膜 4,5 素子電極 6 亀裂 7 放出電子軌道 8 アノード電極 9,10 給電部 21 段差形成部材 50 素子電流Ifを測定するための電流計 51 電源 52 放出電流Ieを測定するための電流計 53 高圧電源 54 アノード電極 55 真空装置 56 排気ポンプ 102 X方向配線(下配線) 103 Y方向配線(上配線) 104 表面伝導型電子放出素子 105 結線 111 リアプレート 112 支持枠 113 ガラス基板 114 蛍光膜 115 メタルバック 116 フェースプレート 118 外囲器 121 黒色導伝材 122 蛍光体 151 層間絶縁層 152 コンタクトホール 153 Cr層 201 表示パネル 202 走査回路 203 制御回路 204 シフトレジスタ 205 ラインメモリ 206 同期信号分離回路 207 変調信号発生器 301 表示パネル 302 グリッド電極 303 開口 304 共通配線 401,402 素子電極 403 薄膜領域 404 櫛形先端部 405 谷の部分 406,407 素子電極 408 薄膜領域 409 櫛形先端部 501 印加電圧 502,503 亀裂発生時 504 フォーミング終了 16100 ディスプレイパネル 16101 駆動回路 16102 ディスプレイコントローラ 16103 マルチプレクサ 16104 デコーダ 16105 入出力インターフェース回路 16106 CPU 16107 画像生成回路 16108 画像メモリーインターフェース回路 16109 画像メモリーインターフェース回路 16110 画像メモリーインターフェース回路 16111 画像入力インターフェース回路 16112 TV信号受信回路 16113 TV信号受信回路 16114 入力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 31/15 H01J 31/15 C H04N 5/68 H04N 5/68 B

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極間に、電子放出部を有する導電性膜
    を有する電子放出素子において、前記電極間隔が周期的
    に異なっていることを特徴とする電子放出素子。
  2. 【請求項2】 電極の周期的に変化する形状における周
    期が、0.05〜50マイクロメートルの範囲であるこ
    とを特徴とする請求項1の電子放出素子。
  3. 【請求項3】 電子放出部における電極間隔が、電子放
    出部近傍における電極間隔よりも小さいことを特徴とす
    る請求項1又は2の電子放出素子。
  4. 【請求項4】 電極間隔をL2、導電性膜の幅をW2、
    導電性膜の膜厚をd、導電性膜の抵抗率をrとした時、
    電子放出部形成後の素子抵抗Rtが、 Rt<10・(r・L2)/(W2・d)の関係を満足
    することを特徴とする請求項1ないし3いずれかの電子
    放出素子。
  5. 【請求項5】 導電性膜が、金属又は金属酸化物である
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかの電子放出
    素子。
  6. 【請求項6】 導電性膜が、微粒子膜であることを特徴
    とする請求項1ないし5いずれかの電子放出素子。
  7. 【請求項7】 電子放出部が、導電性微粒子からなるこ
    とを特徴とする請求項1ないし6いずれかの電子放出素
    子。
  8. 【請求項8】 電子放出部が、フォーミング処理によっ
    て形成されたものであり、フォーミング処理より高い真
    空度下で、安定化処理をしたことを特徴とする請求項1
    ないし7いずれかの電子放出素子。
  9. 【請求項9】 有機物質の存在下で、活性化処理をした
    ことを特徴とする請求項1ないし7いずれかの電子放出
    素子。
  10. 【請求項10】 電子放出部が、フォーミング処理によ
    って形成されたものであり、フォーミング処理及び活性
    化処理より高い真空度下で、安定化処理をしたことを特
    徴とする請求項9の電子放出素子。
  11. 【請求項11】 電極が同一面上に形成された平面型で
    あることを特徴とする請求項1ないし10いずれかの電
    子放出素子。
  12. 【請求項12】 電極が絶縁層を介して上下に位置し、
    該絶縁層の側面に電子放出部を含む導電性膜が形成され
    た垂直型であることを特徴とする請求項1ないし10い
    ずれかの電子放出素子。
  13. 【請求項13】 前記電子放出素子が、表面伝導型電子
    放出素子である請求項1ないし12いずれかの電子放出
    素子。
  14. 【請求項14】 電極間に、電子放出部が形成された導
    電性膜を有する電子放出素子の製造方法において、導電
    性膜に電子放出部を形成するためのフォーミング工程
    が、周期的に異なった間隔を有する一対の電極を用い
    て、導電性膜に電圧を印加する工程を有することを特徴
    とする電子放出素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 周期的に異なった間隔を有する一対の
    電極間に導電性膜を配設する工程と、前記フォーミング
    工程とを有する請求項14の電子放出素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 電極を周期的に変化する形状に形成す
    る工程が、アルゴンレーザー照射により行われることを
    特徴とする請求項14の電子放出素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 フォーミング工程の後に、フォーミン
    グ工程より高い真空度下で電子放出素子に電圧を印加す
    る安定化工程を有することを特徴とする請求項14ない
    し16いずれかの電子放出素子の製造方法。
  18. 【請求項18】 フォーミング工程の後に、有機物質の
    存在下で電子放出素子に電圧を印加する活性化工程を有
    することを特徴とする請求項14ないし16いずれかの
    電子放出素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 活性化工程の後に、フォーミング工程
    及び活性化工程より高い真空度下で電子放出素子に電圧
    を印加する安定化工程を有することを特徴とする請求項
    18の電子放出素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記電子放出素子が、表面伝導型電子
    放出素子である請求項14ないし19いずれかの電子放
    出素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 電極間に電子放出部が形成された導電
    性膜を有する電子放出素子を複数備えた電子源の製法に
    おいて、導電性膜に電子放出部を形成するためのフォー
    ミング工程が、周期的に異なった間隔を有する一対の電
    極を用いて、導電性膜に電圧を印加する工程を有するこ
    とを特徴とする電子源の製造方法。
  22. 【請求項22】 周期的に異なった間隔を有する一対の
    電極間に導電性膜を配設する工程と、前記フォーミング
    工程とを有する請求項21の電子源の製造方法。
  23. 【請求項23】 電極を周期的に変化する形状に形成す
    る工程が、アルゴンレーザー照射により行われることを
    特徴とする請求項21の電子源の製造方法。
  24. 【請求項24】 フォーミング工程の後に、フォーミン
    グ工程より高い真空度下で電子放出素子に電圧を印加す
    る安定化工程を有することを特徴とする請求項21ない
    し23いずれかの電子源の製造方法。
  25. 【請求項25】 フォーミング工程の後に、有機物質の
    存在下で各電子放出素子に電圧を印加する活性化工程を
    有することを特徴とする請求項21ないし23いずれか
    の電子源の製造方法。
  26. 【請求項26】 活性化工程の後に、フォーミング工程
    及び活性化工程より高い真空度下で各電子放出素子に電
    圧を印加する安定化工程を有することを特徴とする請求
    項25の電子源の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記電子放出素子が、表面伝導型電子
    放出素子である請求項21ないし26いずれかの電子源
    の製造方法。
  28. 【請求項28】 請求項21ないし27いずれかの方法
    で製造されたことを特徴とする電子源。
  29. 【請求項29】 電子放出素子が、その電極が同一面上
    に形成された平面型であることを特徴とする請求項28
    の電子源。
  30. 【請求項30】 電子放出素子が、その電極が絶縁層を
    介して上下に位置し、該絶縁層の側面に電子放出部を含
    む導電性膜が形成された垂直型であることを特徴とする
    請求項28の電子源。
  31. 【請求項31】 複数の電子放出素子を配列した素子列
    を少なくとも1列以上有し、各電子放出素子を駆動する
    ための配線がマトリクス配置されていることを特徴とす
    る請求項28ないし30いずれかの電子源。
  32. 【請求項32】 複数の電子放出素子を配列した素子列
    を少なくとも1列以上有し、各電子放出素子を駆動する
    ための配線がはしご状配置されていることを特徴とする
    請求項28ないし30いずれかの電子源。
  33. 【請求項33】 請求項28ないし32いずれかの電子
    源と、該電子源からの電子線の照射により画像を形成す
    る画像形成部材とを有することを特徴とする画像形成装
    置。
  34. 【請求項34】 請求項28ないし32いずれかの電子
    源と、該電子源から放出される電子線を情報信号に応じ
    て変調する変調手段と、該電子源からの電子線の照射に
    より画像を形成する画像形成部材とを有することを特徴
    とする画像形成装置。
  35. 【請求項35】 請求項28ないし32いずれかの電子
    源と、該電子源からの電子線の照射により画像を形成す
    る画像形成部材とを組み合わせることを特徴とする画像
    形成装置の製造方法。
  36. 【請求項36】 請求項28ないし32いずれかの電子
    源と、該電子源から放出される電子線を情報信号に応じ
    て変調する変調手段と、該電子源からの電子線の照射に
    より画像を形成する画像形成部材とを組み合わせること
    を特徴とする画像形成装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010050097A (ja) * 2008-08-22 2010-03-04 Samsung Sdi Co Ltd 電子放出素子及びこれを備えた発光装置

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