JPH0824981A - 山形鋼の製造方法 - Google Patents

山形鋼の製造方法

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JPH0824981A
JPH0824981A JP18293394A JP18293394A JPH0824981A JP H0824981 A JPH0824981 A JP H0824981A JP 18293394 A JP18293394 A JP 18293394A JP 18293394 A JP18293394 A JP 18293394A JP H0824981 A JPH0824981 A JP H0824981A
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angle
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幸雄 井上
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    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
    • B21B1/08Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling structural sections, i.e. work of special cross-section, e.g. angle steel
    • B21B1/09L-sections

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)
  • Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 肌荒れの発生がない山形鋼を,低コストで製
造することができ,かつ複数のサイズの山形鋼を容易に
製造することができ,更に不等辺の山形鋼の製造にも適
用できる,山形鋼の製造方法を提供すること。 【構成】 両辺部が互いに当接する外側に頂角部を有す
る山形鋼を製造する方法であって,上記圧延加工によ
り,上記頂角部41を有すると共に両辺部に波状曲部を
有する中間材,例えばW形状のW形中間材4に加工する
中間工程と,上記一辺部と他辺部とが互いに所定の角度
を形成するように,成形加工する成形工程とよりなる。
上記W形中間材4は,上記頂角部の頂点よりも低い位置
において,両側へ水平状に延設された翼部402,40
3を有することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,孔型圧延加工と成形加
工を組み合わせて,圧延素材から山形鋼を製造する方法
に関するものである。
【0002】
【従来技術】山形鋼は,建築物等における構造材料とし
て多用されている。この山形鋼を製造するにあたって
は,圧延ロールを用いて圧延成形されているのが通例で
ある。即ち,所定の孔型を形成した複数組の圧延ロール
を用いて,粗圧延を行い,その後所定形状の山形鋼に製
造している。この方法は,図10に示すごとく,ビレッ
ト等の圧延素材9を用い,これを図11〜図14に符号
91〜94で示す断面形状に,順次,一対の圧延ロール
951〜954を用いて熱間で圧延加工し,最終的に,
図15に示すごとく所望形状の山形鋼90を得るもので
ある。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来法に
は,次の問題がある。即ち,上記従来法で得られた山形
鋼90は,図15に示すごとく,両辺部902,903
の頂角近傍部901及びコバ近傍部905に,その内
面,外面に肌荒れ99が発生している。この肌荒れ99
は,山形鋼90の長手方向に線状に形成されている。
【0004】肌荒れ99の発生原因は,上記図11〜図
14に示すごとく,多数の圧延ロールで,順次山形鋼に
成形していく過程において,各工程における圧延ロール
の周速が,上記山形鋼90の頂角近傍部901とコバ近
傍部905と両者の中間部907との間において,大き
く異なることによる。
【0005】即ち,上記について図14により詳説する
と,材料が正しく圧延される場合,圧延された材料94
0の入・出口の平均速度VM は,一般的に,材料の重心
Gを通る平均ロール半径Rm 表面の周速度に等しいとし
て,実用上ほぼ問題ないとされている。そのため,例え
ば上ロールの孔型底ロール半径R1 上の周速度はR1
m 倍となり,平均速度VM に比べ遅くなる。逆に下ロ
ールの孔型突ロール半径R2 上の周速度はR2 /Rm
となり,平均速度VM に比べ大きくなる。
【0006】つまり,平均ロール径Rm に近いほど山形
鋼との間にすべりが生じにくく,平均ロール径Rm から
離れるほど山形鋼との間にすべりが生じ易いことにな
る。したがって,ロール孔型により起因する孔型表面の
周速差に対し,一定速度で圧延される山形鋼との間で材
料部位によっては,速度差が生ずる。
【0007】そのため,図15に示すごとく,山形鋼の
中間部907周辺では圧延速度とロール周速がほぼ一致
するため,すべりが生じにくく,頂角近傍部901やコ
バ近傍部905の周辺では圧延速度とロール周速との間
の差が大きいため,すべりが生じ易い。その結果,すべ
りによる表面疵が発生し,肌荒れとなる。
【0008】また,一辺の長さが長い大形の山形鋼を成
形する場合には,図11〜図14に示すカリバー深さK
91〜K94が大きくなるため,孔型ロールの半径をそ
の分大きくする必要がある。このため,必要な圧延荷
重,圧延トルクの増大により,ミルモータも大型とな
る。そのため,大型設備を必要とし,コスト高となる。
【0009】また,一辺の長さが異なる種々のサイズの
山形鋼を製造する場合,その各サイズ専用の孔型ロール
を必要とする。そのため,サイズ毎の複数組のロールを
備えておく必要があり,大きなコスト高となる。さら
に,サイズ毎にロール組み替え作業を行うため,生産能
率が低い。
【0010】本発明は,上記従来の問題点に鑑み,肌荒
れの発生がない山形鋼を,低コストで製造することがで
き,かつ複数のサイズの山形鋼を容易に製造することが
でき,更に不等辺の山形鋼の製造にも適用できる,山形
鋼の製造方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題の解決手段】本発明は,一辺部と他辺部の2つの
辺部からなると共に,両辺部が互いに当接する外側に頂
角部を有する山形鋼を製造する方法であって,圧延素材
を上記山形鋼の頂角部と同じ頂角部を有する中間材に圧
延加工する中間工程と,上記中間材を,上記一辺部と他
辺部とが互いに上記頂角部の角度と同じ角度を形成する
山形鋼に,成形加工する成形工程とよりなり,かつ上記
中間材は,上記一辺部と他辺部の両辺部に波状曲部を有
することを特徴とする山形鋼の製造方法にある。
【0012】本発明において最も注目すべき点は,圧延
素材を上記頂角部を有する中間材に加工する中間工程
と,上記中間材を成形加工する成形工程とよりなり,か
つ上記中間材は,その両辺部に波状曲部を有することに
ある。上記の波状曲部とは,山形鋼の頂角部の2等分線
に対し,直角に交わる方向に複数の屈曲点を有するもの
をいう。
【0013】まず,上記中間工程においては,圧延素材
を圧延加工することにより,頂角部を有し,その両辺部
が波状曲部を有する中間材に加工する。この中間材は,
得ようとする山形鋼の頂角部と略同形状の頂角部を有し
ている。例えば,山形鋼の頂角部が,直角(90度)又
は120度であれば,中間材の頂角部も同様に略直角又
は略120度である。
【0014】また,上記中間材は,上記頂角部を中心と
し,両辺に各1つの波状曲部を形成した,断面がW形状
の形状を有することが好ましい。即ち,このW形状の場
合,上記頂角部の両側には,頂角部の突出方向と逆の方
向に突出する突出部を有する。この場合には,中間材が
W形状を有しているので,後述のごとき利点が得られ
る。
【0015】また,上記中間材の端部においては,一方
または両側へ延設された翼部を有する。上記翼部は,上
記頂角部の頂点よりも低く,その両側の突出部よりも高
い位置において延設されていることが好ましい。この場
合には,周速差がより小さくなるという利点が得られ
る。
【0016】また,上記中間材は,2つの辺部における
端部の一端あるいは両端が水平状に伸びた翼部を有する
ことが好ましい。これにより,翼部の表裏両面におい
て,表裏両面の肌荒れを防止できる。
【0017】また,上記水平状の翼部は,圧延ロールの
中立線上に形成されることが好ましい。この中立線上に
おいては,圧延素材と対向するロールとの摩擦力がほと
んど等しいために,圧延素材はその長手方向に真っすぐ
に,圧延される。また,中立線は圧延条件としての圧延
素材の重心を通るロール軸芯と平行な線という認識があ
る。このため,中立線上の圧延素材の部分的な断面積の
増減が圧延中の材料のそりなど,操業に大きな影響を与
えない。
【0018】即ち,上記翼部を中立線上に設けることに
より,翼部の長さの長短にかかわらず,圧延条件を大き
く変更することなく,かつ真っすぐに圧延できるという
利点を発揮する。
【0019】また,上記中間材は,頂角部の両側の一辺
部および他辺部の端部の一端あるいは両端が互いに水平
状に伸びた翼部を有し,かつ得ようとする山形鋼の厚み
を有する上記W形状の中間材に圧延加工した後,上記成
形加工を行うことが好ましい。これにより,上記成形加
工を容易に行うことができると共に,寸法精度の向上を
図ることができる。また,上記成形工程においては,上
記中間材の一辺部および両辺部とが互いに上記頂角部の
角度と同じ角度を形成するように成形する。これによ
り,山形鋼が得られる。
【0020】また,上記圧延素材は,塑性変形可能な金
属,例えばステンレス鋼,耐熱鋼,構造用鋼,普通鋼,
アルミニウム,チタンなどの金属材料を用いる。特にス
テンレス鋼,耐熱鋼,チタン合金の場合は変形能が低い
ので,本発明の効果が一層発揮される。本発明において
得られる山形鋼としては,一辺部と他辺部とが直角状に
当接しているものがある。
【0021】また,上記山形鋼は,一辺部と他辺部と
が,前記のごとく120度等の鈍角状に当接しているも
のがある。また,本発明の製造方法は,等辺山形鋼,不
等辺山形鋼のいずれの製造にも適用できる。さらに,厚
みの異なる等辺,不等厚山形鋼や不等辺不等厚山形鋼の
いずれの製造にも適用できる。
【0022】また,圧延加工及び成形加工では,いずれ
も熱間,温間,冷間のいずれの温度においても行なうこ
とができる。なお,上記圧延工程は,800〜1200
℃の熱間圧延で行うことが好ましい。これにより波状曲
部を有する中間材までの成形を,容易かつ迅速に,生産
性良く行うことができる。また,上記成形加工は常温〜
600℃の冷間加工で行なうことが好ましい。これによ
り,最終形状における表面肌を良好にすることができ
る。さらに成形加工は,ロール成形のみならずプレス成
形によっても行うことができるものである。
【0023】
【作用および効果】本発明においては,圧延素材を上記
中間工程,成形工程の順に成形し,山形鋼を製造する。
まず,上記中間工程においては,圧延素材を圧延加工す
ることにより,上記頂角部を有すると共に一辺又は両辺
部が上記波状曲部を有する中間材に成形する。このと
き,上記中間材成形用の圧延ロールのカリバー深さは,
従来例におけるカリバー深さに比例して,辺部を波状の
浅いものとすることができる(図4参照)。
【0024】そのため,頂角部と両辺部とを成形する圧
延ロールの周速差は,従来例の同一ロール径で比較する
と非常に少ない。それ故,一辺の長さが長い形状の大形
の山形鋼の場合でも,肌荒れの発生がほとんどない。
【0025】また,中間材においては,その辺部に上記
波状曲部の屈曲点が形成されている。例えば,上記W形
状の中間材(以下,W形中間材という)においては,材
料の屈曲点が上記頂角部とその両側の突出部との3か所
にあるため,圧延中における幅方向の拘束力が従来例に
比べて強い。そのため,圧延中の材料のズレ等が少なく
安定した圧延ができる。それ故,辺長さ,厚み等の寸法
精度が従来より向上する。
【0026】また,上記3ヶ所の屈曲点によって,圧延
ロールによる圧延中の幅方向の拘束力が強い。そのた
め,上記W形中間材の翼部の左右の長さに差をつけた場
合(即ち不等辺山形鋼)においても,安定した圧延がで
きる。そのため,上記翼部の左右の長さを調整すること
により,容易に不等辺山形鋼を製造することができる。
【0027】従って,上記中間材においては,上記翼部
の長さ(山形鋼の辺の長さ)が異なる種々の場合にも,
1種類の孔型の圧延ロールを使用して,自由に辺長さの
異なる中間材を成形することができる。即ち,1種類の
孔型圧延ロールにより,複数のサイズの等辺山形鋼,不
等辺山形鋼のいずれも製造することができる。これによ
り,圧延時のロール本数の減少およびロール交換回数の
減少を図ることができ,製造コストを大幅に低減させる
ことができる。
【0028】また,上記カリバー深さが減少する分だ
け,圧延ロール径を小さくすることができ,圧延荷重,
圧延トルクも小さくすることができる。そのため,圧延
ロール駆動用ミルモーターも小さくすることができる。
それ故,従来例に比較して,小形設備で山形鋼を製造す
ることができる。
【0029】従って,本発明によれば,肌荒れの発生が
ない山形鋼を,低コストで製造することができ,かつ複
数のサイズの山形鋼を容易に製造することができ,更に
不等辺の山形鋼の製造にも適用できる,山形鋼の製造方
法を提供することができる。
【0030】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例にかかる山形鋼の製造方法につき,図1
〜図7を用いて説明する。本例において製造しようとす
る山形鋼は,図7に示すごとく,一辺部102及び他辺
部103の2つの辺部からなると共に,両辺部が互いに
当接する直角状の頂角部101を有する山形鋼10であ
る。
【0031】上記山形鋼10を製造するに当たっては,
図1〜図5に示すごとく,圧延素材1をW形中間材4に
圧延加工する中間工程と,W形中間材4(図5)を,図
6に示すような,平山状中間材5に圧延加工する最終中
間工程と,平山状中間材5を,図7に示すような,直角
状の山形鋼10に冷間成形加工する冷間成形工程とより
なる。以下これを説明する。
【0032】まず,中間工程においては,図1〜図5に
示すごとく,ステンレス鋼を用いたビレット状の圧延素
材1から,第1中間体2,第2中間体3を経て,図5に
示すごとく,頂角部41を有するW形中間材4を,それ
ぞれ熱間圧延加工により成形する。これらの熱間圧延加
工は,後述のように,一対のロールを用いて行う。ま
た,このW形中間材4は,図7に示す山形鋼10の頂角
部101と略同形状の頂角部41を有している。即ち,
上記W形中間材4の頂角部41は略直角である。
【0033】また,上記W形中間材4は,図5に示すご
とく,上記頂角部41を中心としたW形状の形状を有す
る。即ち,上記頂角部41の両側には,頂角部41の突
出方向と逆の方向に突出する突出部42,43を有す
る。また,上記W形中間材4の両側部においては,両側
へ延設された翼部402,403を有する。上記翼部4
02,403は,上記頂角部41の頂点よりも低く,そ
の両側の突出部42,43よりも高い前記中立線49上
において,水平状に延設される。
【0034】また,上記熱間圧延加工に当たっては,例
えば,上記W形中間材4に加工する場合は,図4に示す
ごとく,上ロール81及び下ロール82の一対の圧延ロ
ールを用いる。上記上ロール81は,その断面形状がW
形中間材4の上面の形状を呈しており,上記下ロール8
2は,その断面形状がW形中間材4の下面の形状を呈し
ている。そして,上記一対のロールを用いて,上記第2
中間材を圧延加工することによりW形中間材4を得る。
【0035】上記第1中間材2及び第2中間材3も,同
様に熱間圧延加工により得られる。即ち,第1中間材2
は,その上下面の形状を呈した一対の圧延ロールで,ビ
レット状の上記圧延素材1を圧延加工することにより得
られる。また,第2中間材3は,その上下面の形状を呈
した一対の圧延ロールで,第1中間材2を圧延加工する
ことにより得られる。
【0036】次に,最終中間工程においては,上記W形
中間材4を冷間圧延加工により,図6に示すような,平
山状中間材5に成形する。この平山状中間材5は,図6
に示すように,図7に示す山形鋼10の頂角部101と
略同形状の頂角部51を有している。即ち,上記平山状
中間材5の頂角部51は略直角である。また,その頂角
部51の両側の一辺部52と他辺部53が互いに水平方
向に伸びている。そして,上記頂角部51,一辺部52
及び他辺部53は,得ようとする山形鋼10の上記頂角
部101,一辺部102及び他辺部103と同じ厚みを
有している。
【0037】次に,上記成形工程においては,上記平山
状中間材5の一辺部52及び他辺部53とが互いに上記
頂角部51の角度と同じ直角を形成するように,冷間に
おいて,ロールによる曲げ加工を施す。これにより,所
望する,直角状の山形鋼10が得られる。
【0038】次に,本例の作用効果につき説明する。即
ち,本例においては,熱間圧延加工を施す中間工程にお
いて,圧延素材1からW形中間材4を得るまでの加工を
すべてW形の形状で加工している。そして,特に図2〜
4及び図6に示すごとく,中間工程で使用する圧延ロー
ルのカリバー深さK2〜K5は,従来例に比較して非常
に浅くできる。そのため,圧延ロールにおける周速差
は,従来例に比較して非常に少ない。従って,肌荒れの
発生が殆どなく,ロール摩耗が少ないため,ロール寿命
を延ばすことができる。
【0039】また,上記中間工程においては,加工され
る材料の屈曲点が上記頂角部41とその両側の突出部4
2,43との3か所にあるため,圧延中の材料のズレ等
が少なく安定した圧延ができる。これにより,辺長さ,
厚み等の寸法精度が従来より向上したW形中間材4が得
られる。また,最終中間工程においては,寸法精度の良
い上記W形中間材4を冷間圧延加工するため,さらに寸
法精度の良い平山状中間材5を得ることができる。その
ため,最終的に得られた山形鋼10の寸法精度も向上す
る。
【0040】また,上記中間工程においては,上記W形
中間材4の翼部402,403の長さを変化させても安
定した圧延ができる。従って,1種類の孔型の圧延ロー
ルを使用して,複数のサイズの山形鋼を製造することが
できる。また,上記カリバー深さK2〜5が減少する分
だけ,圧延ロール径を小さくすることができ,圧延荷
重,圧延トルクも小さくすることができる。そのため,
圧延ロール駆動用ミルモーターも小さくすることができ
る。そして,製造設備の小形化を図ることができる。
【0041】従って,本例によれば,肌荒れの発生がな
い山形鋼を,低コストで製造することができ,かつ複数
のサイズの山形鋼を容易に製造することができる。ま
た,本例においては,上記平山状中間材5(図6)への
成形を圧延加工により行なう例を示したが,この平山状
中間材5への成形は圧延加工でなく,成形加工により行
なうこともできる。
【0042】実施例2 本例においては,実施例1に示した方法で製造した山形
鋼の,寸法精度の評価結果を示す。評価した山形綱は,
一辺部及び他辺部の長さが100mm,厚みが10mm
である,直角状の等辺山形鋼である。
【0043】評価方法としては,実施例1の製造方法に
より得られた山形鋼200本を3ロット,辺長さ,辺差
および板厚について,統計的手法による工程能力指数を
用いた。ここで,辺差とは,一辺部の辺長さと他辺部の
辺長さの差をいう。
【0044】また,工程能力指数Cpは,標準偏差σ,
寸法公差の上限値Suおよび下限値Slを用いて以下の
ように表される。 Cp=(Su−Sl)/6σ 工程能力指数Cpは,その値が1.33以上の場合に
は,規格に対する工程能力は十分であるとし,上記Cp
が1.0〜1.32の場合には,まずまずの工程能力が
あるとし,上記Cpが1.0未満の場合には,工程能力
不足とするものである。
【0045】本例における山形鋼の上記工程能力指数C
pの評価結果を表1に示す。また,比較例として,前記
従来の製造方法を用いて製造した同じサイズの山形鋼2
00本を4ロットについて,上記工程能力指数Cpを測
定した。その評価結果も表1に示す。
【0046】表1より知られるごとく,辺長さ及び板厚
においては,本発明の実施例は従来例に比べて工程能力
が向上し,しかも十分な工程能力が認められた。また,
辺差においては,若干工程能力が低いものの,従来例に
比べると,格段の向上が見られた。従って,本例におい
ては,従来例に比べ,格段の寸法精度の向上が確認され
た。
【0047】
【表1】
【0048】実施例3 また,上例においては,中間材の波状曲部として,長手
方向に直交する方向の断面がW形状のW形状中間材を形
成する例を示したが,中間材の波状曲部としては,W形
状の他に,例えば図8,図9に示す形状のものがある。
【0049】図8に示す中間材61は,頂角部610の
突出方向と逆の方向に突出する突出部612,613を
有し,一方の辺部の先端部には水平翼部615を有す
る。また他方の辺部の先端部は上昇部616を有し,水
平翼部は有しない。
【0050】図9に示す中間材62は,頂部620の突
出方向と逆の方向に突出する突出部622,624を有
する。更に一方の辺部には,上方に突出する上方突出部
623と水平翼部625とを有する。他方の辺部の先端
部は,短い水平翼部626を有する。
【0051】本例のいずれの中間材61,62において
も,実施例1と同様の効果を得ることができる。すなわ
ち,水平翼部の有無に影響されることなく,不等辺山形
鋼の製造が容易にできる。しかも,波状曲部の屈曲点の
数を圧延素材の塑性変形範囲内において増やすこともで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,圧延素材の正面図。
【図2】実施例1における,第1中間材の正面図。
【図3】実施例1における,第2中間材の正面図。
【図4】実施例1における,W形中間材成形時の圧延成
形ロール装置の正面図。
【図5】実施例1における,W形中間材の正面図。
【図6】実施例1における,平山状中間材の正面図。
【図7】実施例1における,等辺山形鋼の正面図。
【図8】実施例3における中間材の正面部。
【図9】実施例3における他の中間材の正面部。
【図10】従来例における,圧延素材の正面図。
【図11】従来例における,製造過程の説明図。
【図12】従来例における,製造過程の説明図。
【図13】従来例における,製造過程の説明図。
【図14】従来例における,製造過程の説明図。
【図15】従来例の山形鋼の問題点を示す説明図。
【符号の説明】
1...圧延素材, 10...山形鋼, 4...W形中間材, 41,51,101...頂角部, 402,403...翼部, 5...平山状中間材, 52,102...一辺部, 53,103...他辺部, 81,82...圧延ロール,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中井 泰司 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知製 鋼株式会社内 (72)発明者 中越 和人 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知製 鋼株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一辺部と他辺部の2つの辺部からなると
    共に,両辺部が互いに当接する外側に頂角部を有する山
    形鋼を製造する方法であって,圧延素材を上記山形鋼の
    頂角部と同じ頂角部を有する中間材に圧延加工する中間
    工程と,上記中間材を,上記一辺部と他辺部とが互いに
    上記頂角部の角度と同じ角度を形成する山形鋼に,成形
    加工する成形工程とよりなり,かつ上記中間材は,上記
    一辺部と他辺部の両辺部に波状曲部を有することを特徴
    とする山形鋼の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記中間材は2つの
    辺部における端部の一端あるいは両端が水平状に延びた
    翼部を有することを特徴とする山形鋼の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記中間材
    は,その断面がW形状であることを特徴とする山形鋼の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
    上記中間材は頂角部の両側の一辺部及び他辺部の端部の
    一端あるいは両端が水平状に延びた翼部を有しており,
    かつ得ようとする山形鋼の厚みを有するW形状の中間材
    に圧延加工した後に,上記成形加工を行なうことを特徴
    とする山形鋼の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において,
    上記山形鋼は,一辺部と他辺部が異なる長さの不等辺山
    形鋼であることを特徴とする山形鋼の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項において,
    上記中間材の翼部は,圧延ロールにおける中立線上に形
    成されていることを特徴とする山形鋼の製造方法。
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JP2019038014A (ja) * 2017-08-25 2019-03-14 新日鐵住金株式会社 フランジを有する鋼矢板の製造方法

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