JPH0824880A - 合併処理浄化槽 - Google Patents

合併処理浄化槽

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JPH0824880A
JPH0824880A JP16808594A JP16808594A JPH0824880A JP H0824880 A JPH0824880 A JP H0824880A JP 16808594 A JP16808594 A JP 16808594A JP 16808594 A JP16808594 A JP 16808594A JP H0824880 A JPH0824880 A JP H0824880A
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JP
Japan
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tank
bed tank
fluidized bed
carrier
outflow prevention
Prior art date
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Pending
Application number
JP16808594A
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English (en)
Inventor
Hiromi Shimotakahara
博美 下高原
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MIYOSHI SHOKAI KK
Original Assignee
MIYOSHI SHOKAI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 放流水質の安定化、硝酸化処理の安定化、流
動床槽から沈殿槽への円滑な汚水移流などを企図する。 【構成】 躯体1内部の汚水流入側から水の流下側へ夾
雑物除去槽2、嫌気濾床槽3、流動床槽4、沈殿槽5を
順次形成する。夾雑物除去槽2と嫌気濾床槽3とを仕切
る仕切壁6の上部に移流口7を開設する。嫌気濾床槽3
内に濾材8を吊設し、かつその濾床槽内の下流側部位に
流量調整装置9を配設する。流量調整装置9に設けられ
たエアリフトポンプ10の吐水口部10aを流動床槽4
の上方に臨ませ、この流動床槽に微生物を保持する担体
11を投入して流動可能に構成する。流動床槽4の底部
から夾雑物除去槽2の上方にわたって循環水移送管12
を配設する。流動床槽4の底部下流側部位に散気管13
を配置すると共に、その散気管上方に担体流出防止網1
4を設ける。流動床槽4と沈殿槽5とを区画する吊壁1
5における担体流出防止網下方部位に上流側へ向けて阻
流部16を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生活排水並びに屎尿排
水等の汚水を併せて処理する小規模の合併処理浄化槽に
関するが殊に上記汚水における生活排水の窒素除去を行
うための小規模合併処理浄化槽の改良に関する。
【0002】
【従来技術と問題点】現在周知の殆んどの合併処理浄化
槽は、図9示の如く躯体1’の汚水流入側から水の下流
側へ第1嫌気濾床槽2’,第2嫌気濾床槽3’,接触ば
っ気槽4’,沈殿槽5’を順次区画形成し、一般家庭か
ら排出された汚水が第1嫌気濾床槽2’及び第2嫌気濾
床槽3’を経由し、ついで接触ばっ気槽4’で処理さ
れ、沈殿槽5’で汚泥を沈殿せしめた後、上澄水が消毒
されて放流されるシステムに構成されている。
【0003】一般的には塩化ビニル樹脂製の波板接触材
4’aが充填された接触ばっ気槽4’で絶対好気性の硝
化菌の働きによってNH4 −Nの酸化をすすめ、その結
果生成されたNO2 −N,NO3 −Nを循環水移送管1
2’で第1嫌気濾床槽2’に移送して循環すれば該第1
嫌気濾床槽,第2嫌気濾床槽における脱窒菌の働きによ
り窒素ガスに還元されるので、そのガスを大気中に放出
することによって窒素除去を期待し得る。しかし、上述
したシステムではNH4 −Nの酸化(NH4 −N→NO
2 −N,NO3 −N)がなかなかすすまないため、窒素
除去性能が低い。
【0004】この原因としては、.一般家庭から排出
される汚水は、朝と夕の短時間にその大部分が浄化槽に
流入してくるため短時間に大きな負荷がかかり、生物処
理が不安定になる。.接触ばっ気手段は、接触ばっ気
槽4’内の生物量のコントロール(波板接触材4’aに
付着する生物量のコントロール)がなかなか困難であ
り、また、接触ばっ気槽4’内の生物量が少ないことに
起因して安定した処理水が得難い。といったことが考え
られる。
【0005】本発明は、叙上の事情に鑑みてなされたも
ので流量調整機能を発揮せしめ、流入汚水の変動を平均
化せしめることによって、放流水質を安定化し得る合併
処理浄化槽の提供を目的をする。本発明の他の目的は、
流動床槽に投入する担体の寸法、比重及び材質を特定
し、かつ流動床槽に投入された担体の流出を阻止して、
流動床槽内のBOD酸化細菌,硝化細菌をコントロール
可能ならしめることにより、硝酸化処理の安定化が図ら
れた合併処理浄化槽の提供することである。
【0006】本発明の他の目的は、流動床槽に配置する
散気管と担体流出防止網との配置部位関係を特定するこ
とにより散気管から立昇る気泡で担体流出防止網の目詰
りを防ぎ、流動床槽から沈殿槽への円滑な汚水移流を確
保することができる合併処理浄化槽を提供することであ
る。本発明のさらに他の目的は、流動床槽内での散気管
から立昇る気泡によって担体流出防止網下方に発生する
乱流が沈殿槽底部に拡がることを防止し、沈殿槽内にお
ける汚泥の沈殿を確実に行わせ、放流水質の安定化を図
り得る合併処理浄化槽を提供することである。
【0007】
【問題点解決のための手段】叙上の目的を達成するため
に本発明がなした手段は、第1に、躯体内部の汚水流入
側から水の流下側へ夾雑物除去槽,嫌気濾床槽,流動床
槽,沈殿槽を順次形成し、夾雑物除去槽と嫌気濾床槽と
を仕切る仕切壁の上部に移流口を開設し、嫌気濾床槽内
に濾材を吊設すると共に、該嫌気濾床槽内の下流側部位
に流量調整装置を配設し、該流量調整装置に設けられた
エアリフトポンプの吐水口部を流動床槽の上方に臨ま
せ、この流動床槽に微生物付着のための担体を投入して
流動可能に構成し、かつ流動床槽の底部から夾雑物除去
槽の上方にわたって循環水移送管を配設せしめ、さらに
流動床槽底部の下流側部位に散気管を配置すると共に、
その流動床槽の散気管上方に担体流出防止網を設け、流
動床槽と沈殿槽とを区画する吊壁における担体流出防止
網下方部位に上流側へ向けて阻流部を配設したというこ
とである。
【0008】流量調整装置は、流量調整装置室内の垂直
な案内孔にフロート弁を上下動可能に具備せしめると共
に、流量調整装置室の底部にエアリフトポンプの吸込口
部を一体に設けて構成する。流動床槽に投入する担体は
一辺又は直径が5〜9mmで比重が1より僅か大きいウ
レタンフォームで正方形、球形などに構成する。
【0009】散気管と担体流出防止網は、流動床槽の底
部下流側部位に散気管を配置すると共に、その散気管の
上方に担体流出防止網を槽底と平行に設け、散気管から
立昇る気泡が担体流出防止網を通過しえるように構成す
る。阻流部は、流動床槽と沈殿槽とを区画する吊壁の流
動床槽側面において、担体流出防止網の下方部位に、流
動床槽の槽底と平行に又は担体流出防止網側へ上り勾配
に設ける。
【0010】
【作 用】夾雑物除去槽に流入した流入汚水は、容易に
沈殿分離可能な大型の固型物,粗大夾雑物などの夾雑物
が分離除去される。夾雑物が除去された夾雑物除去水
は、移流口を経て嫌気濾床槽の底部に流入する。嫌気濾
床槽内底部に流入した汚水は、水面へ向う上向流として
流れていく過程で濾材を通過する際に、その濾材に保持
されている嫌気性微生物と十分に接触して嫌気的処理さ
れる。この嫌気的処理工程では、高分子有機物(蛋白
質,脂肪等)の低分子化、尿素等のNH4 −N化、NO
2 −N,NO3 −Nなどを最終的に窒素ガスに還元する
脱窒処理が行われる。
【0011】嫌気的処理された嫌気処理水は、流量調整
装置室内に流入し、流量調整されて流動床槽へ吐水され
る。流量調整は、流量調整装置室の一定水位面を決定す
る上下動可能なフロート弁、流量調整装置室内の汚水を
流動床槽に移送するエアリフトポンプなどによって、流
量調整装置室内の汚水を揚水し、一定量づつ流動床槽に
揚水移送して吐水する。
【0012】流動床槽では、投入された担体(酸化反応
を行うためのBOD酸化細菌,硝化反応を行う硝化細菌
といった微生物を保持するウレタンフォーム担体)が散
気管から立昇る気泡(供給酸素)によって生じるばっ気
回流(図2の矢印方向の回流)に乗って汚水を保持して
流動し、この流動過程で汚水と微生物とが接触して酸化
反応及び硝化反応が行われる。硝化反応は、HN4 成分
を亜硝酸菌によってNO2 に、そのNO2 を硝酸菌によ
ってNO3 に硝化する。流動床槽で硝化された処理水
は、担体流出防止網、吊壁の下方を通って沈殿槽に移流
する。
【0013】担体流出防止網は、散気管から立昇る気泡
によって逆洗され、生物膜肥厚、担体などによる目詰ま
りが防止される。吊壁の下部(吊壁の流動床槽側面にお
ける担体流出防止網の下方部位)に設けられた阻流部
は、流動床槽内の担体流出防止網下方で散気管から立昇
る気泡によって発生する乱流が沈殿槽底部に拡がること
を防止する。担体流出防止網を通過した硝化処理水(N
2 −N,NO3 −Nを含む処理水)の一部は、常時又
は間欠的に循環水移送管で夾雑物除去槽へ移送され、つ
いで嫌気濾床槽へ移流し、該両槽で汚水中のBOD成分
を利用する条件下で脱窒素菌によって脱窒素される。夾
雑物除去槽,嫌気濾床槽で脱窒素された処理水は、該除
去槽への流入汚水と共に流量調整装置→流動床槽へと循
環される。沈殿槽では、浮遊物が沈殿除去された後、上
澄水が消毒されて放流される。
【0014】
【実施例】図1から図8,図10から図12を参照しな
がら、かつ実験結果を加えて説明する。図1から図4ま
では、本発明浄化槽の概略を示す図である。躯体1は、
汚水流入管17が具備された汚水流入側の夾雑物除去槽
2から、水の流下側へ嫌気濾床槽3を仕切壁6で仕切っ
て形成する。夾雑物除去槽2は、流入汚水中の容易に沈
殿分離することが可能な大型の固型物や粗大夾雑物など
の夾雑物を分離除去する。
【0015】ところで、この夾雑物除去槽2は、図8示
の如く槽内に濾材19を吊設して嫌気濾床槽3と同じよ
うな構成の嫌気濾床槽第1室に構成することができる。
このように夾雑物除去槽2を嫌気濾床槽第1室に構成し
た場合、濾材19に保持された嫌気性微生物と流入汚水
とが接触し前記夾雑物の除去と同様に流入汚水の嫌気的
処理とが行われる。夾雑物除去槽2と嫌気濾床槽3とを
仕切る仕切壁6の上部における水面付近に移流口7を開
設し、夾雑物が除去された夾雑物除去水が移流口7から
嫌気濾床槽3の底部へ移流することができるように構成
する。
【0016】嫌気濾床槽3は、嫌気性微生物を保持する
ために槽内の上下方向中間部位(水没する中間部位)に
濾材8を吊設し、その濾材の上方にはスカム貯留のため
のスペースs1 をその濾材の下方には汚泥貯留のための
スペースs2 を夫々形成する。嫌気濾床槽3内の濾材8
は、格子ネットのハニカムチューブ体、網様円筒体、骨
格様球状体、ヘチマ体、球状ネット、小円筒体等嫌気性
微生物を保持しやすい構造体、部材などで構成して吊設
する。嫌気濾床槽3内をこのように構成すれば、移流口
7から該槽内底部に流入した夾雑物除去水は、水面へ向
う上向流として流れていく過程で濾材8を通過する際に
その濾材に保持されている嫌気性微生物と十分に接触し
て嫌気的処理される。
【0017】上記嫌気処理工程では、蛋白質,脂肪など
といった高分子有機物の低分子化,尿素等のHN4 −N
化やNO2 −N,NO3 −Nなどを最終的に窒素ガスに
還元する脱窒処理が行われる。嫌気濾床槽3内に配設す
る流量調整装置9は、流量調整装置室9aを縦長に形成
し、その調整装置室9aの一側に外向突設した流入管9
eを流量調整装置室9a内の縦長の流水管路9fの上下
方向中間部位に接続すると共に、濾材8の上方に配置し
て、流入管9eから流水管路9fに、濾材8で嫌気処理
された嫌気処理水が流入し得るように構成する。
【0018】流量調整装置室9a内の流水管路9fは、
流入管9eの接続部位よりも下端部側を大径に形成し、
その大径管部の対向部位に垂直方向の縦長案内孔9bを
開設し、かつその大径管部にフロート弁9cを嵌合し、
そのフロート弁の対向部位から夫々反対方向へ突設せる
腕杆9gを縦長案内孔9bに貫通せしめて、流量調整装
置室9a内に配した補助フロート9dに連結し、そのフ
ロートが上下動すると腕杆9gが縦長案内孔9bに沿っ
て上下動し、よってフロート弁9cが上下動し得るよう
に構成する。
【0019】しかして流水管路9fは、流入管9eの接
続部位を含む上部と下端部側の大径管部との境界に環状
弁座9hを形成し、この弁座に上動せるフロート弁9c
が密着して管路を閉塞し得、かつフロート弁9cが下動
して環状弁座9hから離れると管路が解放され得るよう
に構成する。そして、流量調整装置室9aの底部にエア
リフトポンプ10の吸込口部を一体に接合せしめ、その
ポンプの吐水口部10aを流動床槽4の上方に臨ませ
る。
【0020】本発明が流量調整装置9にエアリフトポン
プ10を一体に接合した理由は次の通りである。図10
示の如く躯体1’内の夾雑物除去槽(不図示)の下流側
に構成された流量調整装置室9’a内に流量調整装置
9’を設けて夾雑物除去槽(不図示)との間に汚水用の
流入管9’eを架設すると共に、この調整装置と別にエ
アリフトポンプ10’を流量調整室9’a内に配備せし
めた浄化槽が既に知られている。(たとえば、実公昭5
4−24540号公報参照。)
【0021】この従来技術によるときは、浄化槽構造上
の不利として流量調整装置9’とエアリフトポンプ1
0’とを各別に配備しなければならないため、流量調整
室9’aを大きくしなければならない。管理上の不利と
して、エアリフトポンプ10’の揚水領域が狭いため、
流量調整装置9’下方の流量調整室9’aの室底に汚泥
slが溜りやすい。使用上の不利として、上記汚泥が一
旦堆積するとスカムとして浮上し、流量調整装置9’の
フロート弁9’cの円滑な動きを妨げる心配がある。
【0022】前記従来技術が有する上記問題点及び本発
明における流量調整装置9が嫌気濾床槽3に配設される
ことなどを考慮して、流量調整性能に限れば、前記従来
技術と同等の性能を発揮すると共に、嫌気濾床槽3内の
嫌気処理水を確実に揚水しえる流量調整装置9とエアリ
フトポンプ10との結合構成を追究した結果、これらを
接合一体化するという前記構成を完成した。
【0023】本発明のように流量調整装置9にエアリフ
トポンプ10を接合一体化すれば、流量調整装置室9a
が小型になる利点、濾材8との接触で嫌気処理された嫌
気処理水を揚水するので、エアリフトポンプの吸込み領
域が狭いことによる汚泥の堆積がなくなり、この堆積汚
泥に起因するスカムの浮上、浮上スカムに因る流量調整
性能の低下といった不利が解消される利点がある。流量
調整装置9及びエアリフトポンプ10による流量調整
は、流量調整装置室9aの一定水位面を決定するフロー
ト弁9c、該調整装置室内の汚水を流動床槽4に移送す
るエアリフトポンプ10などによって、流量調整室9a
内の汚水を揚水し、一定量づつ流動床槽4に移送し、吐
水口部10aから吐水する。
【0024】ところで、夾雑物除去槽2と嫌気濾床槽3
とに共通の構成として、両槽の上部における高水位面
(HWL)と低水位面(LWL)との間に流量調整部2
a,3aを形成し、朝及び夕といったピーク時の汚水流
入時には、上記流量調整部2a,3aで流入汚水を一時
的に貯留して流入汚水量の変動を吸収し、その後、嫌気
濾床槽3の水位が一定に落着いたところで、エアリフト
ポンプ10へ一定送気量で送気し、流量調整装置9のフ
ロート弁9cを環状弁座9hから一定量離し、流入管9
eから一定量の一時貯留汚水を流水管路9fに流入せし
め一時貯留水を常時一定量づつ流動床槽4へ揚水移送
し、吐水口部10aから吐水する。
【0025】なお、エアリフトポンプ10の揚水量が流
入汚水の平均汚水量の約2.5倍位になるようにエアリ
フトポンプ10への送気量を適宜設定する。図10中の
符号について説明すれば、9’は流量調整装置,9’a
は流量調整室,9’bはフロート弁用の案内溝,9’c
はフロート弁,9dは補助フロート,9’eは流入管,
9’fは流水管路,9’gは腕杆,9’hはフロート弁
用の環状弁座である。流動床槽4は、仕切壁18で嫌気
濾床槽3と仕切り、槽底から夾雑物除去槽2にわたって
循環水移送管12を配設し、流動床槽4内の水中の窒素
除去を行うため、担体流出防止網14を通過した硝化処
理水(NO2 −N,NO3 −Nを含む処理水)の一部を
常時又は間欠的に循環水移送管12で夾雑物除去槽2へ
移送する。ついでこの循環水は嫌気濾床槽へ移流し、該
両槽で汚水中のBOD成分を利用する条件下で脱窒素菌
によって脱窒する。
【0026】夾雑物除去槽2、嫌気濾床槽で脱窒された
処理水は、該除去槽への流入汚水と共に流量調整装置9
→流動床槽4と循環する。流動床槽4は、内底部下流側
部位に散気管13を配置し、かつその散気管の上方に担
体流出防止網14を槽底と平行に設け、散気管13から
立昇る気泡が担体流出防止網14を通過可能に構成し、
該流出防止網の目詰まりを防止し得るように構成する。
このように散気管13と担体流出防止網14との配置部
位関係を上下方向にしたのは、次の理由による。
【0027】図11に示すように躯体1’内の流動床槽
4’の下部に散気管13’を配備し、その散気管の上方
に担体流出防止網14’を具備せしめ、流動床槽4’内
に担体(不図示)を投入した浄化槽が知られている。
(たとえば、特開平4−66195号公報参照。) ところが、この従来技術は、散気管13と担体流出防止
網14とを上下部位関係に備えているとはいえ、該流出
防止網の配備方向が槽底と平行でなく、散気管13’か
ら立昇る気泡の立昇り方向と平行であるため、該散気管
からいくら散気しても、担体流出防止網14’の表面を
気泡が僅かに撫でる程度にすぎず、該流出防止網が担体
ですぐに目詰りを起してしまうという心配と、担体流出
防止網14’の表面に生物膜が発生し、それが次第に肥
厚し、最終的に目詰りに至るという心配がある。
【0028】担体流出防止網14’が目詰りすると、流
動床槽4’内の処理液が隣の槽へ移流しにくくなって流
動床槽4’内の水位が上昇し、遂にはその槽から溢れる
ことになる。上記従来技術がこのような不利を有するこ
とに鑑み、本発明は、前記したように流動床槽4の槽底
に散気管13を配し、その上方に槽底と平行に担体流出
防止網14を配し、散気管13から立昇る気泡が担体流
出防止網14を通過し、その流出防止網から生物膜と担
体とを剥離しえる状態に構成した。その結果、担体流出
防止網14を散気管13から立昇る気泡で逆洗しえて目
詰りを防止でき、同時に該気泡によって流動床槽4内へ
酸素を必要量供給でき、かつ散気管13の近辺に沈殿槽
5の沈殿汚泥が堆積することを上記気泡による水流で防
止できた。
【0029】上述した利点と、流動床槽4内に投入した
後記の担体11の流出防止を可能にしたこととにより、
流動床槽4内は、絶対好気性の硝化細菌を高濃度に保持
することが可能になり、硝化処理の安定化を図り得、硝
化反応を一定して維持できるようになり、脱窒効率が安
定するようになった。流動床槽4内に投入する担体11
は、一辺又は直径が5〜9mm(好ましくは7mm位)
で、比重が1より僅か大きい(好ましくは、1.01位
の比重)の発砲体(ウレタンフォーム製)で構成する。
担体11をこのように構成した理由は次の通りである。
【0030】本発明者は、多孔性担体の大きさによる硝
化能力の差を調べるために下記の実験を行った。実験
は、流動床型リアクター実験で、各流動床槽内に大きさ
の異なる多孔性担体(担体内に気泡が入ると流動性が低
下するので、多径を1mm以下とした担体)を夫々投入
し、担体が流動しているリアクターにHN4 −Nが一定
濃度に調整された人工汚水を注入し、処理水のHN4
N濃度を測定分析した。図7は、HN4 −N除去率を硝
化率として示したグラフである。この図7の結果から明
らかなように、一辺が7mm角の担体の硝化率が高いこ
とが分った。この結果は、好気性処理工程で高い硝化率
を目標とする脱窒素型合併処理浄化槽のシステム構成に
は、一辺が7mm角位の多孔性担体(孔径1mm以下)
を用いることが適していることを示している。
【0031】これらの結果を示した要因は、以下に示す
理由によって説明できる。担体内に汚泥が保持される過
程は担体内部から保持され、次第に周辺部へ広がってい
く傾向があり、中心部ほど汚泥濃度が高いことと、担体
の孔径が1mm以下である場合、水中の気泡が入りにく
いため担体内部ほど無酸素の状態である。硝化細菌は好
気性の条件下でしか生息できず、さらにDO(溶存酸素
濃度)が一定濃度(2mg/l程度)以下になると硝化
作用が低下する絶対好気性菌であることより、無酸素の
部分では全く硝化が期待できず、硝化に寄与するのはD
O濃度が一定条件以上の担体の表層部のみである。担体
表面よりどの程度の深さまで好気性領域なのかについて
は、いろいろな説があるが、汚泥密度が高い場合、最大
でも1〜2mmの部分である。
【0032】したがって、硝化細菌が活性化を示すDO
が一定濃度以上の好気性領域は、担体の表層部のみであ
るとすると、本発明浄化槽における硝化に対する制御因
子は担体の比表面積が関係していることが分かる。実験
槽に担体を25%充填した時のそれぞれの比表面積は、
7mm角が214m2 /m3 で10mm角が150m2
/m3 で15mm角が100m2 /m3 であったことよ
り、7mm角の担体が最も硝化細菌が活性化を示す好気
性領域が多く、その結果、硝化率が高かったことが理解
できる。これより担体の一辺のサイズが小さいほど硝化
率が高い傾向があることが示唆されたが、担体をサイコ
ロ状に切断することの技術を考慮すると5mm程度が限
界であることより5〜9mmとした。
【0033】そして、担体11は、水の比重が1である
から、比重が1よりも小さいと流動床槽4内の回流のう
ち、上昇流に乗って流動するも下降流に乗りにくく、流
動しにくくなって水面近くに停滞し、十分な硝化反応が
行われないので、比重が1よりも大きいウレタンフォー
ム(比重が1.01位)でサイコロ形、球形などに成形
して流動床槽4内に投入し、その流動床槽内の回流で確
実に流動せしめ、硝化反応がすすむようにする。
【0034】次に前記実験の条件を表1として示す。
【表1】 阻流部16は、流動床槽4と沈殿槽5とを区画する吊壁
15の流動床槽側面において、担体流出防止網14の下
方部位に槽底と平行に又は担体流出防止網14側へ上り
勾配に設け、担体流出防止網14の下方で散気管13か
ら立昇る気泡によって発生する乱流が沈殿槽5の底部に
拡がることを防止し、該沈殿槽内の汚泥沈降を確実に
し、放流水質の安定化を図る。流動床槽4内の担体流出
防止網14を通過した硝化処理水の大部分は、吊壁15
の下方から沈殿槽5へ移流し、汚泥が沈降分離された上
澄水が薬剤筒20で消毒され、放流管21から放流され
る。
【0035】
【発明の効果】本発明は叙上のように構成したから、次
の効果を奏する。 嫌気濾床槽で嫌気的処理された嫌気処理水が流動床
槽で担体と接触し、その担体に保持されている微生物
(BOD酸化細菌,硝化細菌といった微生物)と接触し
て酸化反応及び硝化反応が行われ、BOD除去と窒素の
除去とを併せて行い得る。 流量調整装置とエアリフトポンプとの接合一体化に
より、流量調整装置室が小型になること、嫌気濾床槽内
の濾材との接触で嫌気処理された嫌気処理水を揚水する
のでエアリフトポンプの狭い吸込み領域に因る汚泥堆積
の心配がなくなり、その堆積汚泥に因るスカムの浮上や
そのスカム浮上に因る流量調整装置の性能低下といった
不利が解消される。 流動床槽に投入する担体が、一辺又は直径が5〜9
mmで、比重が1よりも大きいウレタンフォームでつく
られているから、流動床槽の回流に乗って確実に流動
し、保持している微生物(BOD酸化細菌,硝化細菌と
いった微生物)と汚水とを十分に接触せしめ、酸化反応
及び硝化反応を行わせ、これらの反応が不十分な反応に
終ることを防止する。 担体流出防止網を散気管から立昇る気泡で逆洗可能
ならしめたことより、該流出防止網の目詰りを防止し
得、同時に流動床槽内の汚水上記気泡による酸素供給を
行い得る。 これらのことと、担体流出防止網によって担体(硝化細
菌を保持した担体)の流出を防止したこととにより、流
動床槽に絶対好気性の硝化細菌を高濃度に保持でき、硝
化処理の安定化を図り得、硝化反応を一定して維持で
き、脱窒効率を安定せしめ得る。 散気管から立昇る気泡によって、担体流出防止網の
下方に発生する乱流が沈殿槽の底部に拡がることを阻流
部によって防止し得る。 このことによって、沈殿槽内の汚泥沈降を確実に行わせ
得、放流水質の安定化を図り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明浄化槽の内部を示した概略平面図。
【図2】 図1のA−A線による概略断面図。
【図3】 図1のB−B線による概略断面図。
【図4】 図1のC−C線による概略断面図。
【図5】 図1のC−C線による流量調整装置の概略拡
大断面図。
【図6】 図5の概略右側面図。
【図7】 担体のサイズ別による硝化率と窒素容積負荷
との関係を示すグラフ。
【図8】 本発明浄化槽の夾雑物除去槽を嫌気濾床槽第
1室とした場合の要部を示す概略正面図。
【図9】 従来技術の一般的な例を示す概略正面図。
【図10】 流量調整装置及びエアリフトポンプの従来技
術を示す縦断正面図。
【図11】 散気管と担体流出防止網との配置関係の従来
技術を示す正面図。
【符号の説明】
1…躯体 2…夾雑物除去槽 3…嫌気濾床槽 4…流動床槽 5…沈殿槽 6…仕切壁 7…移流口 8…濾材 9…流量調整装置 10…エアリフトポン
プ 10a…エアリフトポンプの吐水口 11…担体 12…循環水移送管 13…散気管 14…担体流出防止
網 15…吊壁 16…阻流部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 躯体内部の汚水流入側から水の流下側へ
    夾雑物除去槽、嫌気濾床槽、流動床槽、沈殿槽を順次形
    成し、夾雑物除去槽と嫌気濾床槽とを仕切る仕切壁の上
    部に移流口を開設し、嫌気濾床槽内に濾材を吊設すると
    共に、該嫌気濾床槽内に下流側部位に流量調整装置を配
    設し、該流量調整装置に設けられたエアリフトポンプの
    吐水口部流動床槽の上方に臨ませ、この流動床槽に微生
    物を保持する担体を投入して流動可能に構成し、かつ流
    動床槽の底部から夾雑物除去槽の上方にわたって循環水
    移送管を配設せしめ、さらに流動床槽底部の下流側部位
    に散気管を配置すると共に、その流動床槽の散気管上方
    に担体流出防止網を設け、流動床槽と沈殿槽とを区画す
    る吊壁における担体流出防止網下方部位に上流側へ向け
    て阻流部を配設した合併処理浄化槽。
  2. 【請求項2】 流量調整装置を流量調整装置室内の縦長
    案内孔にフロート弁を上下動可能に具備せしめると共
    に、流量調整装置室の底部にエアリフトポンプの吸込口
    部を一体に接合して構成した請求項1記載の合併処理浄
    化槽。
  3. 【請求項3】 流動床槽に投入する担体が一辺又は直径
    が5〜9mmで比重が1より僅か大きいウレタンフォー
    ムからなる請求項1記載の合併処理浄化槽。
  4. 【請求項4】 流動床槽の底部下流側部位に散気管を配
    置すると共に、その散気管の上方に担体流出防止網を槽
    底と平行に設け、散気管から立昇る気泡が担体流出防止
    網を通過可能に構成した請求項1記載の合併処理浄化
    槽。
  5. 【請求項5】 流動床槽と沈殿槽とを区画する吊壁の流
    動床槽側面において、担体流出防止網の下方部位に流動
    床槽の槽底と平行に又は担体流出防止網側へ上り勾配の
    阻流部を設けた請求項1記載の合併処理浄化槽。
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