JPH08248636A - 感光材料および画像形成方法 - Google Patents

感光材料および画像形成方法

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JPH08248636A
JPH08248636A JP5252995A JP5252995A JPH08248636A JP H08248636 A JPH08248636 A JP H08248636A JP 5252995 A JP5252995 A JP 5252995A JP 5252995 A JP5252995 A JP 5252995A JP H08248636 A JPH08248636 A JP H08248636A
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JP
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layer
image forming
silver halide
polymer
group
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JP5252995A
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Inventor
Masahito Hirano
雅人 平野
Jiro Tsukahara
次郎 塚原
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハロゲン化銀を用いた現像重合反応を利用し
た感光材料を比較的に低い温度で熱現像することができ
る感光材料を提供する。 【構成】 支持体上に、剥離層、重合性化合物及び/又
は架橋性ポリマーを含む画像形成層、、ハロゲン化銀乳
剤を含む感光性層、塩基プレカーサーとして、一般式
(1)〜(3)で表される化合物を少なくとも1種類有
する感光材料。(式中、R1はエチル基、またはイソプロ
ピル基を、R2は水素原子、またはメチル基を、R3は水素
原子、アルキル基、またはアルコキシ基を表わす。) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀を用いた現
像重合反応を利用する画像形成方法、特に高い感度を必
要とする単色画像、例えば印刷製版用フィルム、医療用
フィルム、及び印刷版の製造に適した感光材料に関する
ものであり、比較的低い温度で熱現像可能な感光材料に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像記録の方法として、近年スキャナー
方式が広く用いられている。スキャナー方式による画像
形成方法を実用した記録装置は種々のものがあり、これ
らのスキャナー方式記録装置の光源には、従来グローラ
ンプ、キセノンランプ、タングステンランプ、発光ダイ
オードなどが用いられてきた。しかし、これらの光源は
いずれも出力が弱く、寿命が短いという欠点を有してい
るので、近年ではArレーザー、He−Neレーザー、
半導体レーザー等のレーザーを光源とするスキャナー方
式の記録装置が用いられるようになってきている。
【0003】上記スキャナー方式記録装置に用いられる
感光材料としては、種々の特性が要求されるが、スキャ
ナー方式記録装置の光源の波長に大して適切な分光感度
を有し、しかも10-3〜10-8秒という短時間露光に対
しても充分な感度が必要であるため、広くハロゲン化銀
感光材料が用いられている。これらのハロゲン化銀写真
感光材料については、例えば特公昭48−42172
号、同48−42501号、同49−13021号、同
49−13331号、同49−14265号、特開昭4
7−28917号、同48−73137号、同49−1
1121号、同49−19820号、同50−6242
5号、同54−18726号、同59−102229
号、同59−191032号、同59−192242
号、同60−80841号、同153041号等に記載
されている。
【0004】上記のスキャナー方式のみならず、スキャ
ナー方式以外の画像記録方式でも、画像を形成するため
の感光材料として現在最も広く使用されているのはハロ
ゲン化銀乳剤を用いたものであり、高感度でかつ解像力
のなどの画質の面でも非常に優れている。しかしハロゲ
ン化銀写真感光材料は通常、湿式の現像処理を行うた
め、現像液、定着液、水洗液などの液体を扱うことにな
り、これらによるコスト、時間、手間のみならず、環境
汚染、臭気、汚れなどの欠点を有している。
【0005】これに対し、乾式熱処理で画像を得る方法
が数多く提案されている。熱現像感光材料とその処理プ
ロセスについては、例えば写真工学の基礎〔1079
年、コロナ社発行〕の553頁〜555頁、映像情報
〔1978年4月発行〕の40頁、Nebletts Handbook
of Photography and Reprography〔第7版, Van Nostla
ndReinhold Company の32頁から33頁、米国特許第
3,152,904号、同3,301,678号、同
3,392,020号、同3,457,075号、英国
特許第1,131,108号、同1,167,777
号、特公昭43−4921号、同43−4924号、お
よびリサーチ・ディスクロージャー誌1978年6月号
9〜15頁〔RD−17029〕に記載されている。
【0006】色画像を得る方法及びその感光材料につい
ては多くの方法が提案されており、例えば米国特許第
3,351,286号、同3,751,270号、同
4,021,240号、ベルギー特許第802,519
号、特開昭57−179840号、同57−18674
4号、同57−198458号、同57−207250
号、同58−40551号、同58−58543号、同
58−79247号、同59−12431号、同59−
124334号、同59−124339号、同59−1
59159号、同58−116537号、同58−12
3533号、同58−149046号、同61−238
056号、及びリサ−チ・ディスクロージャー誌197
5年9月号31頁〜32頁に記載されている。
【0007】しかしこれらの方式の感光材料は充分な感
度が得られず、特にスキャナー方式のレーザー露光に対
しては不十分な感度しか得られていない。またこれらの
方式で得られる画質はハロゲン化銀写真感光材料を湿式
で現像処理したものに比べると著しく劣っているため、
湿式処理で行うハロゲン化銀写真感光材料に置き替わる
ものにはなっていない。また昇華感熱など転写方式の場
合は充分な濃度を得ることが出来ず、また画像のキレが
不十分であり、印刷用の材料としては不十分なものしか
得られていない。
【0008】これに対して、ハロゲン化銀乳剤を用いた
熱現像写真感光材料が、特開平6−242618号公報
に開示されており、スキャナー方式のレーザー露光に対
応する充分な感度を有し、かつ、乾式処理であるため、
湿式処理に伴う前記の問題点は存在しない。しかし、こ
の方法によっても、加熱処理によってハロゲン化銀の還
元と重合画像の形成を行っているため、ポリエステルの
ような軟化点の低いフィルム支持体を用いると、高い温
度(例えば、120℃以上)で熱現像すると、支持体の
変形、寸法変化が起きて、画像の(色)ズレの原因とな
ることである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決して、露光光源に対して充分な感度を有
し、かつ液体による現像処理を行わないで画像を得るこ
とができ、なおかつ、寸法安定性に優れた感光材料を提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点はは、下記に
よって解決することができた。 (1) 支持体上に、少なくとも、剥離層,重合性化合
物及び/又は架橋性ポリマーを含む画像形成層、および
ハロゲン化銀乳剤を含む感光性層を有し、いずれかの層
に塩基プレカーサーとして、一般式(1)〜(3)で表
される化合物の少なくとも1種類有することを特徴とす
る感光材料。
【0011】
【化2】
【0012】R1 はエチル基、またはイソプロピル基
を、R2 は水素原子、またはメチル基を、R3 は水素原
子、アルキル基、またはアルコキシ基を表す。 (2) 支持体上に、剥離層を少なくとも1層有し、そ
の上に、重合性化合物及び/又は架橋性ポリマーを含む
画像形成層、ハロゲン化銀乳剤を含む感光性性、前記画
像形成層と感光性層との間に接着層、または前記のいず
れの層よりも外にある最外層を有し、塩基プレカーサー
を前記の層のいずれかに含有することを特徴とする前記
(1)の感光材料。 (3) 前記(1)記載の感光材料の支持体がポリマー
よりなり、前記感光材料を120℃以下、60℃以上で
熱現像することを特徴とする画像形成方法。
【0013】本発明の前記画像形成方法の好ましい態様
について、製版用フィルムの場合を挙げて説明する。 (1) 支持体に近い側から次の順に各層を塗設する。 a)剥離層 b) 画像形成層 ( c) 接着層) d) 感光性層 ( e) 保護層) (2) 感光材料中のいずれかの層に塩基プレカーサーを含
有する。 (3) 感光材料中のいずれか層にハロゲン化銀を還元する
還元剤を含有することが好ましい。 (4) 画像形成層はラジカル( またはその他の活性種) に
よって重合、硬化することができる重合性化合物および
/又は架橋性ポリマーを含有し、画像露光、熱現像処理
によって、像様に硬化し、隣接する剥離層(または接着
層)と強く接着する。 (5) 接着層および保護層はなくても良いがある方が好ま
しい。 (6) 画像露光後、感光材料を全面加熱して重合させたの
ち、画像形成層のうち、重合部(画像部)は剥離層(あ
るいは接着層)側に、非重合部は接着層(あるいは剥離
層)側に剥離することにより、画像を得る。
【0014】次に本発明について詳しく説明する。 〔塩基プレカーサー〕本発明の感光材料に用いる塩基プ
レカーサーは、脱炭酸しうるカルボン酸と有機塩基の塩
であり、前記の一般式(1)〜(3)で表される。本発
明の塩基プレカーサーの第一の特徴は100℃前後とい
う低い分解点(塩基発生温度)を持つことにある。ポリ
マーベースを使用した場合には、高い温度で熱現像する
と、ベースの熱収縮によって感光材料の寸度安定性が悪
化する問題がある。本発明の化合物を用いた場合には、
この問題が実質的に存在しない。本発明の化合物の第二
の特徴は保存時の安定性である。一般に分解点の低い化
合物は不安定である傾向にあり、100℃前後の分解点
を持つ本発明の化合物が保存時に安定であるのは驚くべ
きことである。本発明の具体的な化合物例を示す。
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】これらの塩基プレカーサーは、固体分散し
て用いるのが好ましい。なお、塩基プレカーサーの固体
は結晶水を包含していてもよい。塩基プレカーサーは画
像形成層、感光性層、画像形成促進層などの、感光性層
の近傍に設置された層のいずれに含有されてもよいが、
保護層、または画像形成促進層に含有させるのが好まし
い。塩基プレカーサーは、2種以上を併用してもよい。
塩基プレカーサーは、ハロゲン化銀1モル当たり0.5
〜50モルの範囲で使用されることが好ましく、より好
ましくは1モル〜20モルの範囲である。
【0019】塩基または塩基プレカーサーを用いた感光
材料については特開昭62−264041号公報に記載
がある。塩基プレカ−サ−としてスルホニル酢酸塩を用
い、さらに熱溶融性化合物を塩基生成反応の反応促進剤
として含む感光材料については、特開昭63−4845
3号公報に、塩基プレカーサーとして脱炭酸しうるカル
ボン酸のビスあるいはトリスアミジン塩を用いた感光材
料については、特開昭64−9441号公報に、ビスあ
るいはトリスグアニジン塩を用いた感光材料について
は、特開昭64−68749号公報にそれぞれ記載があ
る。
【0020】〔還元剤〕還元剤は、画像形成層、感光性
層、接着層、最外層などのいずれの層にあってもよい
が、感光性層もしくはその近傍に設置された層のいずれ
かに含有する方が好ましい。本発明に用いられる還元剤
は、ハロゲン化銀を還元する機能および/または重合性
化合物の重合(または架橋性ポリマ−の硬化)を促進
(または抑制)する機能を有する。
【0021】上記機能を有する還元剤としては、様々な
種類の物質がある、上記還元剤には、ハイドロキノン
類、カテコ−ル類、p−アミノフェノ−ル類、p−フェ
ニレンジアミン類、3−ピラゾリドン類、3−アミノピ
ラゾ−ル類、5−アミノ−5−ピラゾロン類、5−アミ
ノウラシル類、4,5−ジヒドロキシ−6−アミノピリ
ミジン類、レダクトン類、アミノレダクトン類、o−ま
たはp−スルホンアミドフェノ−ル類、o−またはp−
スルホンアミドナフト−ル類、2,4−ジスルホンアミ
ドフェノ−ル類、2,4−ジスルホンアミドナフト−ル
類、o−またはp−アシルアミノフェノ−ル類、2−ス
ルホンアミドインダノン類、4−スルホンアミド−5−
ピラゾロン類、3−スルホンアミドインド−ル類、スル
ホンアミドピラゾロベンズイミダゾ−ル類、スルホンア
ミドピラゾロトリアゾ−ル類、α−スルホンアミドケト
ン類、ヒドラジン類等がある。上記還元剤の種類や量な
どを調整することで、ハロゲン化銀の潜像が形成された
部分あるいは潜像が形成されない部分のいずれかの部分
の重合性化合物を重合させることができる。
【0022】上記機能を有する各種還元剤については、
特開昭61−183640号、同61−188535
号、同61−228441号、特開昭62−70836
号、同62−86354号、同62−86355号、同
62−206540号、同62−264041号、同6
2−109437号、同63−254442号、特開平
1−267536号、同2−141756号、同2−1
41757号、同2−207254号、同2−2626
62号、同2−26936号等の各公報に記載されてい
る(現像薬またはヒドラジン誘導体として記載のものを
含む)、また上記還元剤については、T.James 著「The
Theory of The Photographic Process" 第4版、291
〜334頁(1977年)」、「リサ−チ・ディスクロ
−ジャ−誌,Vol.170, 第17029 号,9〜15頁,(1978年 6
月) 、および同誌,Vol.176, 第17643号,22 〜31頁,(197
8年12月) にも記載がある。また特開昭62−2104
46号公報記載の感光材料のように、還元剤に代えて加
熱条件下あるいは塩基との接触状態等において還元剤を
放出することができる還元剤前駆体を用いてもよい。本
発明の感光材料にも、上記各公報記載の還元剤もしくは
還元剤前駆体が有効に使用できる。
【0023】また、これらの還元剤のうち、酸と塩を形
成する塩基性を有するものは、適当な酸との塩の形で使
用することもできる。これらの還元剤は、単独で用いて
もよいが、上記にも記載されているように、二種以上の
還元剤を混合して使用してもよい。二種以上の還元剤を
併用する場合における、還元剤の相互作用としては、第
一にいわゆる超加成性によってハロゲン化銀(および/
または有機銀塩)の還元を促進すること、第二に、ハロ
ゲン化銀(および/または有機銀塩)の還元によって生
成した第一の還元剤の酸化体が共存する他の還元剤との
酸化還元反応を経由して重合性化合物の重合を引き起こ
すこと(または重合を抑制すること)等が考えられる。
但し、実際の使用時においては、上記のような反応は同
時に起こりうるものであるため、いずれの作用であるか
を特定する事は困難である。
【0024】還元剤は、ハロゲン化銀1モル当たり0.
1〜10モルの範囲で使用される。より好ましくは0.
5〜5モルの範囲である。上記還元剤の具体例を以下に
示す。
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】上記還元剤の種類や量を調整することで、
ハロゲン化銀の潜像が形成された部分、あるいは潜像が
形成されない部分のいずれかにおいて、重合性化合物を
重合させることが出来る。還元剤として、例えばヒドラ
ジン類を用いると、それがハロゲン化銀を現像する際に
生成する酸化体からラジカルが発生するので、ハロゲン
化銀の潜像が形成された部分において重合性化合物がお
こる。一方、還元剤として、その酸化体からはラジカル
が発生しない(または発生しにくい)が、還元剤自身ま
たは酸化体が重合禁止作用を持つ場合(例えば、1−フ
ェニル−3−ピラゾリドン類、ハイドロキノン類等の還
元剤を用いた場合)は、還元剤に加えて重合開始剤(ラ
ジカル発生剤)を併用することにより、ハロゲン化銀の
潜像が形成されない部分(還元剤より、その酸化体が重
合禁止作用が強い場合)、または潜像が形成された部分
(還元剤の方が、その酸化体より重合禁止作用が強い場
合)において、重合が起こる。但し、この場合には加熱
または光照射によって分解して一様にラジカルを発生す
る重合開始剤を感光性層(または画像形成層)中に添加
しておく必要がある。このような画像形成方法および用
いられる還元剤については、特開昭61−75342
号、同61−243449号、同62−70836号、
同62−81635号、同63−316038号、特開
平2−141756号、同2−141757号、同2−
207254号および同2−262662号、各公報、
および米国特許4649098号およびEP特許020
2490号各明細書に記載されている。
【0029】〔ハロゲン化銀〕本発明に用いられるハロ
ゲン化銀は、塩化銀、臭化銀、沃化銀、塩臭化銀、塩沃
化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれの粒子も用いるこ
とができる。ハロゲン化銀粒子は立方体、八面体、十四
面体のような規則的な結晶を有するもの、球状、板状の
ような変則的な結晶形を有するもの、双晶面などの結晶
欠陥を有するもの、或いはそれらの複合形でもよい。
【0030】ハロゲン化銀の粒径は、0.1μm以下の
微量子でも5μm以上の大サイズ粒子でもよいが3μm
以下が好ましく、1μm以下のものが更に好ましい。ま
たハゲン化銀粒子は単分散であってもあっても多分散で
あってもよく、あるいは単分散粒子の混合したものでも
よい。またアスペクト比が5以上であるような平板状粒
子も使用できる。平板状粒子はPhotographic Science a
nd Engineering vol.14, 248 〜257 頁 (1970年) 、米
国特許第4,434,226号、同4,414,310
号、同4,433,048号、同4,439,520
号、及び英国特許第2,112,157号等に記載の方
法により容易に調製することができる。
【0031】結晶構造は一様なものでも、内部と外部が
異質なハロゲン化組成から成るものでもよく、層状構造
を成していてもよい。層状構造をとらない時は、内部と
外部とで連続的にハロゲン組成が増減してもよい。層状
構造をとるときはその層数が2以上の任意の数を選ぶこ
とができる。またエピタキシャル接合によって組成の異
なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、また例えば
ロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接
合されていてもよい。
【0032】ハロゲン化銀粒子は例えば銅、タリウム、
鉛、ビスマス、カドミウム、亜鉛、カルコゲン(例えば
硫黄、セレニウム、テルリウム)、金、及び第8族の貴
金属(例えばロジウム、イリジウム、鉄、白金、パラジ
ウム)を常法に従ってそれぞれの塩の形で粒子形成時お
よび/または粒子形成後に添加して含有させることがで
きる。具体的には米国特許第1,195,432号、同
1,951,933号、第2,448,060号、第
2,628,167号、第2,950,972号、第
3,488,709号、第3,737,313号、第
3,772,031号、第4,269,927号等の明
細書、リサ−チディスクロ−ジャ−誌第134巻 No.1
3452(1975年6月)等に記載されている。
【0033】本発明において、レ−ザ−を用いたスキャ
ナ−露光のような高照度短時間で画像を形成させる場
合、イリジウムイオン及び/または鉄イオンをハロゲン
化銀1モル当たり10-8〜10-3モル用いることが好ま
しい。これらの重金属イオンはハロゲン化銀粒子に均一
に含有させてもよいし、内部や表面に不均一に含有させ
てもよい。
【0034】さらにハロゲン組成、晶癖、粒子サイズな
どが異なった二種以上のハロゲン化銀粒子を併用するこ
ともできる。ハロゲン化銀は乳剤の形で用いることが好
ましい。本発明に使用できるハロゲン化銀乳剤は、例え
ばリサ−チディスクロ−ジャ−誌(RD) No.1764
3(1978年12月)22〜23頁、”I.乳剤製造
(Emulsion Preparation and Types)”、及び同 No.18
716(1979年)668頁等に記載されている方法
を用いて調製することができる。
【0035】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はリサ−チディスクロ−ジ
ャ−誌 No.17643及び同 No.18716に記載され
ている。化学増感剤については同誌 No.17643(2
3頁)及び No.18716(648頁右欄)に、分光増
感剤については、同誌 No.17643(23〜24頁)
及び No.18716(648頁右欄〜)に、強色増感剤
については、同誌 No.18716(649頁右欄〜)
に、それぞれ記載されている。また、上記以外の本発明
に使用できる公知の添加剤も上記の2つのリサ−チディ
スクロ−ジャ−誌に記載されている。例えば、感度上昇
剤については No.18716(648頁右欄)に、かぶ
り防止剤および安定剤については、 No.17643(2
4〜25頁)および No.18716(649頁右欄〜)
にそれぞれ記載されている。
【0036】なお、上記ハロゲン化銀粒子としては、特
開昭63−68830号公報記載の感光材料のように比
較的低いかぶり値のハロゲン化銀粒子を用いることが好
ましい。ハロゲン化銀乳剤は、ネガ型ハロゲン化銀であ
ってもよく、また直接ポジ像が得られる反転型ハロゲン
化銀であってもよい。
【0037】本発明においては、感光層中に感光性ハロ
ゲン化銀と共に、有機金属塩を酸化剤として併用するこ
ともできる。このような有機金属塩のうち、有機銀塩は
特に好ましく用いられる。有機銀塩を形成するのに使用
しうる有機化合物としては、米国特許第4,500,6
26号明細書の52〜53頁に記載のベンゾトリアゾ−
ル類、脂肪酸その他の化合物がある。また特開昭60−
113235号公報記載のフェニルプロピオ−ル酸銀な
どのアルキニル基を有するカルボン酸の銀塩や、特開昭
61−249044号、同64−57256号の各公報
記載のアセチレン銀も有用である。有機銀塩は2種以上
を併用してもよい。以上の有機銀塩は、感光性ハロゲン
化銀1モル当たり、0〜10モル、好ましくは0〜1モ
ル使用される。感光性ハロゲン化銀と有機銀塩との塗布
量合計は、感光層に銀換算で1mg/m2 〜5g/m2、好まし
くは10mg/m2 〜0.5mg/m2 の範囲が適当である。ま
た、有機銀塩の代わりに、それを構成する上記の有機化
合物を一部反応させて有機銀塩に変換してもよい。
【0038】〔重合性化合物〕本発明に用いられる重合
性化合物としては、付加重合性または開環重合性を有す
る化合物を挙げることができる。付加重合性を有する化
合物としては、エチレン性不飽和基を有する化合物、開
環重合性を有する化合物としては、エポキシ基を有する
化合物などがあるが、このうちエチレン性不飽和基を有
する化合物が特に好ましい。エチレン性不飽和基を有す
る化合物の例としては、(メタ)アクリル酸およびその
塩またはエステル類、(メタ)アクリルアミド類、無水
マレイン酸、マレイン酸エステル類、イタコン酸エステ
ル類、スチレン類、ビニルエ−テル類、ビニルエステル
類、N−ビニル複素環類、アリルエ−テル類、アリルエ
ステル類およびそれらの誘導体がある。これらのうち、
アクリル酸またはメタクリル酸のエステル類が好まし
い。具体例としては、n−ブチルアクリレ−ト、シクロ
ヘキシルアクリレ−ト、2−エチルヘキシルアクリレ−
ト、ベンジルアクリレ−ト、フルフリルアクリレ−ト、
エトキシエチルアクリレ−ト、ジシクロヘキシルオキシ
エチルアクリレ−ト、ノニルフェニルオキシエチルアク
リレ−ト、ヘキサンジオ−ルジアクリレ−ト、ブタンジ
オ−ルジアクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルジアク
リレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリアクリレ−ト、
ペンタエリスリト−ルテトラアクリレ−ト、ジペンタエ
リスリト−ルペンタアクリレ−ト、ジペンタエリスリト
−ルヘキサアクリレ−ト、ポリオキシエチレン化ビスフ
ェノ−ルAのジアクリレ−ト、2,2−ジメチル−3−
ヒドロキシプロピオンアルデヒドとトリメチロ−ルプロ
パンの縮合物のジアクリレ−ト、2,2−ジメチル−3
−ヒドロキシプロピオンアルデヒドとペンタエリスリト
−ルの縮合物のトリアクリレ−ト、ヒドロキシポリエ−
テルのポリアクリレ−ト、ポリプロピレングリコ−ルジ
アクリレ−トおよび上記の重合性化合物のアクリロイル
基の一部または全部をメタクリロイル基に置換したもの
を挙げることができる。
【0039】これらの重合性化合物は、市販品から選ん
で用いることもできる。市販の重合性化合物としては、
例えば、東亜合成化学工業(株)製の、アロニックスM
−309、M−310、M−315、M−400、M−
6100、M−210、M−8030,およびM−81
00,日本化薬(株)製のカヤラッドHX−220、H
X−620、R−551、TMPTA、R−330、R
−310,DPHA、DPCA−60、R−604、R
−684、R−167 R−712,新中村化学(株)
製の、SARTOMER−454、−9035を挙げることがで
きる。これらの重合性化合物は、単独で用いても、ある
いは2種以上を併用してもよい。重合性化合物は層中
に、層の全量に対して3〜90重量%の範囲で含まれて
いることが好ましく、より好ましくは15〜60重量%
の範囲である。
【0040】〔架橋性ポリマー〕本発明の画像形成層、
接着層、および剥離層には架橋性ポリマ−を用いること
ができるが、重合性化合物と同一層に併用して用いるの
が好ましい。架橋性ポリマ−とは、(A)ラジカル(重
合性化合物の重合過程の生長ラジカルまたは重合開始ラ
ジカル)が付加することができる二重結合基を、分子の
側鎖中または主鎖中に有するポリマ−、あるいは(B)
ラジカルによって主鎖または側鎖の原子(水素原子、塩
素などのハロゲン原子など)が容易に引き抜かれてポリ
マ−ラジカルが生じるポリマ−である。具体例として、
特開昭64−17047号公報に記載されているよう
な、ポリマ−側鎖にエチレン性不飽和二重結合基を有す
るポリマ−(例、アリル(メタ)アクリレ−トのポリマ
ー(コポリマーを含む)、1,2−ポリブタジエン、
1,2−ポリイソプレン、またポリマ−の主鎖に不飽和
二重結合基を有するポリマ−、(例、ポリ−1,4−ブ
タジエン、ポリ−1,4−イソプレン(コポリマーを含
む)、天然及び合成ゴムを挙げることができる。また、
活性水素原子を有するポリマ−、例えば、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチ
レン、(メタ)アクリル酸エステルなどのポリマ−(コ
ポリマーも含む)、塩素化ポリエチレン、ポリビニルフ
ォルマ−ル、ポリビニルブチラ−ル、メチルセルロ−ス
などを挙げることができる。これらの架橋性ポリマ−
は、例えば、「高分子反応」(高分子学会編/共立出
版,1978年刊)の147〜192頁に記載されている。
これらのポリマーが実際にどのようなメカニズムで架橋
するかは明確でない。例えば上記のアリルメタクリレー
トのポリマーの場合は、アリル基の水素原子がラジカル
によって引き抜かれてアリルラジカルが生成し、これが
相互に再結合して架橋する。あるいは、アリル基の二重
結合にラジカルが付加して生成したラジカルが、さらに
同ポリマーまたは重合性化合物と反応して架橋する等の
反応が考えられる。架橋性ポリマーの分子量は、約10
00〜50万の範囲であることが好ましい。
【0041】画像形成層に含まれるバインダ−ポリマ−
は二種以上用いてもよいが、そのうち少なくとも一種は
分子中に酸性基を有するのが好ましい。他のバインダ−
ポリマ−は酸性基を有していてもよく、酸性基を有して
いなくてもよい。酸性基を有するポリマ−は、酸性基を
有するビニルモノマ−のホモポリマ−、またはそれと酸
性基を含まないビニルモノマ−とのコポリマ−であるこ
とが好ましい。酸性基を有するビニルモノマ−の例とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルフォン
酸および無水マレイン酸などが挙げられる。上記酸性基
を有するモノマ−と共重合させるコモノマ−としては、
共重合可能なビニルモノマ−から任意に選ぶことができ
る。具体例として、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチ
ル(メタ)アクリレ−ト、ブチル(メタ)アクリレ−
ト、ヒドロキシチル(メタ)アクリレ−ト、ベンジル
(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ル(メ
タ)アクリレ−ト、アリル(メタ)アクリレ−ト、ビニ
ル(メタ)アクリレ−トなどの(メタ)アクリレ−ト
類、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリロニトリ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどが挙げられる。こ
れらのモノマ−のうち、ビニル基と、更にエチレン性不
飽和二重結合基を持ったアリル(メタ)アクリレ−トな
どのモノマ−のポリマーまたはコポリマーが特に好まし
い。これは重合性化合物が重合する際、バインダーポリ
マーの二重結合と反応して硬化が速く、かつ強いポリマ
ー画像が形成されることによると考えられる。
【0042】酸性基を持つコモノマ−のコポリマ−中に
おけるモル含量は、1%〜50%、より好ましくは5%
〜30%の範囲である。酸性基を持つポリマ−と、酸性
基を持たないバインダ−ポリマ−を併用することもでき
る。併用できる酸性基を持たないバインダ−ポリマ−
は、広範なポリマ−の中から選ぶことができる。具体例
として、ポリ(メタ)アクリレ−ト、ポリビニルブチラ
−ル、ポリビニルホルマ−ル、ポリビニルピロリドン、
ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−エチレンコポリマ−、ポ
リ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
塩化ビニル−塩化ビニリデンコポリマ−、塩化ビニリデ
ン−アクリロニトリルコポリマ−、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン、ポリカ−ボネ−ト、ジアセ
チルセルロ−ス、セルロ−スアセテ−トブチレ−ト、ト
リアセチルセルロ−ス、エチルセルロ−ス、ポリビニル
ピリジン、ポリビニルイミダゾ−ルなどが挙げられる。
これらのポリマ−のうち、ビニル基と、更にエチレン性
不飽和二重結合を持ったアリル(メタ)アクリレ−トな
どのモノマ−のポリマ−またはコポリマ−が特に好まし
い。これは重合性化合物が重合する際、バインダ−ポリ
マ−の二重結合と反応して硬化が速く、かつ強いポリマ
−画像が形成されることによると考えられる。上記の架
橋性ポリマ−の層中の含有量は、前記重合性化合物の層
中の含有量と同じである。
【0043】バインダ−ポリマ−の分子量は約3000
〜50万の範囲が好ましい。分子中に酸性基を有するバ
インダ−ポリマ−は重合層に含まれる全バインダ−ポリ
マ−に対して10〜100重量%の範囲で含まれている
ことが好ましい。より好ましくは50〜100%の範囲
である。また、側鎖にエチレン性不飽和二重結合基を有
するバインダ−ポリマ−を併用する場合、それが酸性基
を有する場合は全バインダ−ポリマ−中、10〜100
重量%の範囲で含まれていることが好ましく、より好ま
しくは50〜100重量%の範囲である。また、それが
酸性基を有しない場合には、10〜95重量%の範囲で
含まれていることが好ましい。より好ましくは50〜9
0重量%の範囲である。
【0044】なお、側鎖にエチレン性不飽和二重結合基
を有するバインダ−ポリマ−を用いる場合には、重合性
化合物を用いなくても画像は得られるが、一般には重合
性化合物を併用する方が硬化度をより高くすることがで
き、より好ましい。また、顔料層がバインダ−ポリマ−
を含まず、重合性化合物だけを含む場合にも画像は得ら
れるが、重合性化合物が液体の場合には層が柔らかすぎ
るので、バインダ−ポリマ−を併用するのが好ましい。
【0045】本発明の感光材料は、重合性化合物及び/
又は架橋性ポリマー、ハロゲン化銀、還元剤、塩基プレ
カーサーを同一層に有してもよいが、重合性化合物及び
/又は架橋性ポリマーを含有する画像形成層とハロゲン
化銀を含有する感光性層を設けて、還元剤、塩基プレカ
ーサーを何れかの層に含有させてもよい。還元剤、塩基
プレカーサーを同時にまたはそれぞれを含有する別の層
を設けてもよい。別の層を設けるときは、できるだけ感
光性層に隣接する方が好ましく、先に述べた接着層、保
護層が好ましい。これらの層について説明する。
【0046】〔剥離層〕本発明に用いられる剥離層は、
前述のように、還元剤と重合禁止剤の組合せにより、露
光して現像した部分(画像部)、あるいは未露光で現像
した部分(非画像部)のいずれかが画像形成層と強く接
着する層であり、画像形成層と同様に、ラジカル(また
はその他の活性種)によって重合硬化することのできる
機能を有しているのが望ましい。剥離層と画像形成層
は、未露光状態で容易に剥離できることが必要であり、
画像形成層と剥離層のバインダーは非相溶性であること
が望ましい。基本的には、剥離層に親水性バイインダー
を、画像形成層に疎水性バインダーを用いるのが好まし
い。剥離層に用いる親水性バインダーについては後述す
る。剥離層の重合性化合物と画像形成層の重合性化合物
は、同じものでもよいが剥離性を考慮すると異なるもの
の方が好ましい。さらに、必要により剥離性を付与する
ために剥離性付与剤を添加してもよい。
【0047】本発明の感光材料を印刷刷版として用いる
ときは、剥離層を保水性の高い層にし、画像形成層を疎
水性の高い層にすることが必要である。剥離層に用いる
親水性のバインダーとしては、親水性のポリマー(例え
ば、ゼラチン、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメ
チルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウ
ム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリスチレンスルホ
ン酸、ポリビニルアルコールなど)を使用することがで
きるが、ゼラチンが好ましい。ゼラチンは硬化されてい
た方が好ましく、硬化剤としては、ホルマリン、グルタ
ルアルデヒド、ムコクロル酸などのアルデヒド類、エチ
レン尿素などのN−メチロール化合物、2,4−ジクロ
ロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン塩などの活性ハロ
ゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケト
ンやN,N,N-トリアクリロイルヘキサヒドロトリアジン、
活性ナトリウム3員環であるエチレンイミノ基やエポキ
シ基を分子中に2個以上有する化合物類、高分子硬膜剤
としてのジアルデヒド澱粉などの種々の化合物の1種も
しくは2種以上を用いることができる。
【0048】また、剥離層に微細粉末(例えば、シリ
カ、コロイダルシリカ、酸化チタン、ジルコニア、チタ
ニア、ケイソウ土)を含有させた方が好ましい。微細粉
末はシリカが好ましく、平均粒径は、0.02〜5μm
が好ましい。また、これらの微細粉末を2種類以上併用
してもよい。剥離層は2層以上に分割してもよく、その
時、各々の層の微細粉末の種類、バインダーに対する量
比は自由に変えることができる。剥離層の膜厚は、0.
2〜20μmの範囲にあることが好ましく、より好まし
くは0.3〜5μmの範囲である。
【0049】〔画像形成層〕画像形成層はラジカル(ま
たはその他の活性種)によって硬化することのできる層
であり、重合性化合物の重合及び/又は架橋性ポリマー
の架橋反応によって硬化する。画像形成層は重合性化合
物と架橋性ポリマーの少なくとも一つを含む必要がある
が、重合性化合物と架橋性ポリマーの両方を含むことが
好ましい。架橋性ポリマーを含まない場合には、重合性
化合物に加えて非架橋性のバインダーを含むことが好ま
しい。バインダーポリマーは親油性であり、剥離層は疎
水性であることが好ましい。画像層は必要に応じて、ハ
レーション防止の目的、および画像材料として必要な画
像濃度を得るために、後述する着色剤(顔料、染料)を
充分量含有していることが必要である。画像形成層の厚
みは0.3〜7μmの範囲にあることが望ましい。さら
に望ましくは0.5〜5μmである。画像形成層は、重
合性化合物、バインダーポリマー(架橋性ポリマーを含
む)、着色剤などを適当な分散媒(水、有機溶剤)に分
散或いは溶解して塗布液を調製し、これを剥離層の上に
塗布する。重合性化合物およびバインダーポリマーの塗
布量は、着色剤との混合比と塗布膜厚で決められるが、
通常、重合性化合物は0.03〜2g/m2 の範囲にあ
ることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.7g/
2 の範囲である。また全バインダーポリマーは0.1
〜7g/m2 の範囲にあることが好ましく、より好まし
くは0.3〜3g/m2 の範囲である。
【0050】〔接着層〕接着層は、画像形成層と適度の
接着性を維持することが必要であり、その接着力は、剥
離層/画像形成層間の未露光で現像した場合の接着力
と、露光して減ずした場合の接着力の中間の値を持つこ
とが必要である。剥離層と同じ組成の層を薄く塗設して
もよいが、後述の水溶性ポリマ−を塗布、乾燥すること
によって設けてもよい。又、乾燥工程で皮膜性を有すラ
テックスを塗設することもできる。必要により、重合性
化合物、バインダーポリマー(架橋性ポリマーを含
む)、還元剤、塩基プレカーサーなど、界面活性剤、ワ
ックスの分散物、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエ
チレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなど
のラテックス粒子を分散させることもできる。シリカ、
アルミナ、酸化チタンなどの微粒子、あるいはコロイダ
ルシリカなどの超微粒子を添加することも効果的であ
る。添加する微粒子の量は、バインダーの重量1に対し
て0.1〜10、好ましくは0.2〜3である。界面活
性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性
剤、非イオン界面活性剤のいずれも使用することができ
る。
【0051】接着層の厚みは0.3〜5μmの範囲にあ
ることが望ましい。さらに望ましくは0.5〜3μmで
ある。重合性化合物およびバインダーポリマーの塗布量
は、通常、重合性化合物は0.1〜3g/m2 の範囲に
あることが好ましく、より好ましくは0.2〜1g/m
2 の範囲である。また全バインダーポリマーは0.1〜
7g/m2 の範囲にあることが好ましく、より好ましく
は0.3〜3g/m2 の範囲である。
【0052】〔感光性層〕感光性層はハロゲン化銀を含
有し、画像露光及び熱現像によってラジカルを発生する
機能を有する。発生したラジカルは、画像形成層へ拡散
して重合性化合物及び/又は架橋性ポリマーを架橋、固
化させる。感光性層には親水性バインダーを用いるのが
好ましい。感光性層には、前記画像形成層に用いた重合
性化合物を含むことができる。また、ハロゲン化銀を還
元し、ラジカルを発生する還元剤を含むことができる。
感光性層は、ハロゲン化銀乳剤などの構成成分を、水に
分散あるいは溶解して塗布液を調製し、画像形成層、あ
るいは接着層の上に塗布、乾燥することにより設けるこ
とができる。感光層の塗布量は、0.1〜30g/
2 、より好ましくは0.5〜10g/m2 の範囲であ
る。感光性層中の重合性化合物の含有量は全量の0〜5
0重量%、より好ましくは0〜30重量%である。
【0053】〔保護層〕本発明においては、必要に応じ
て感光層の上あるいは画像形成層の上に保護層を設けて
もよい。保護層としては、後述する親水性のバインダ−
でもよく、あるいは疎水性のバインダ−でもよい。但
し、空気の存在下で作業する場合、空気中の酸素を重合
層に通しにくいという点で、ポリビニルアルコ−ル(P
VA)を保護層及び/または乳剤層に用いることが好ま
しい。保護層には、画像形成を促進させる成分、即ち、
塩基プレカーサー、および現像促進剤を含有してもよ
い。これらの化合物は、一般的には親水性のポリマーバ
インダー中に分散、或いは溶解して用いられるが、水に
不溶の重合体を使用して用いることもできる。この場
合、重合体は溶剤に溶かして、またはラテックスとして
使用される。保護層の中には接着を防止する目的でマッ
ト剤を加えることもできる。マット剤としては、種々の
ポリマ−粉体(例えば、澱粉などの天然物、ポリエチレ
ンなどの合成ポリマ−)が用いられ、粒径は約1〜50
μmの範囲が好ましい。保護層の塗布量は、0.3〜3
0g/m2 、より好ましくは1.0〜10g/m2 の範
囲である。
【0054】〔支持体〕本発明に用いられる支持体とし
ては、紙、合成樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン)をラミネ−トした紙、プラスチッ
クフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リカーボネート、ポリイミド、ナイロン、ポリエチレン
ナフタレート、シンジオタクチックポリスチレン、セル
ローストリアセテートからなるプラスチックフィル
ム)、金属板(例えば、アルミニウム、アルミニウム合
金、亜鉛、鉄、銅などの薄板)、上記の金属が蒸着ある
いはラミネートされた紙やプラスチックフィルムなどが
用いられる。
【0055】特にスキャナー、イメジセッターなどの出
力用製版フィルムに用いられる場合には、ポリエチレン
テレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリ
エチレンナフタレート、ポリスチレンなどのフィルム、
ラミネート紙が好ましい。また特公昭48−18327
号に記載されているようなポリエチレンテレフタレート
フィルム上にアルミニウムシートが貼設された複合シー
トも好ましい。なお、紙支持体については、特開昭61
−112150号、同61−3797号に記載がある。
【0056】〔画像形成方法〕次に、本発明の画像形成
方法について説明する。本発明の感光材料は画像露光に
より、ハロゲン化銀に潜像を形成する。その後、均一に
感光材料を全面加熱(熱現像)し、潜像の形成されたハ
ロゲン化銀を現像すると同時に、その部分の(或いは潜
像が形成されていない部分の)重合性化合物を重合、硬
化させ、及び/又は架橋性ポリマーを重合、固化させて
重合画像を形成する。次に、未硬化部分を、剥離層と画
像形成層の界面で剥離除去し、画像を得る。熱現像は、
加熱した物体(例えば、金属の板、ブロック、またはロ
ーラー)に接触させる。加熱した液体(例えば油浴)中
に浸漬する、あるいは赤外線に富んだランプの放射線で
加熱する等の方法で行うことができる。感光材料の表面
を空気中に開放して加熱してもよく、また、空気から遮
断して(例えば、物体に感光材料表面を密着させて)加
熱してもよい。加熱温度としては50℃〜150℃の範
囲が好ましい。支持体がポリマー(例えば、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム)である場合、加熱によって
感光材料の寸法が変化しやすいため、好ましくは120
℃以下、60°以上である。加熱時間としては3秒から
180秒、好ましくは5秒から60秒で用いられる。
【0057】本発明の画像形成方法における露光には、
前述したレ−ザ−光等を用いたスキャナ−方式によるも
のの他、タングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノ
ンランプ、水銀ランプ、カ−ボンア−クランプ、各種の
レーザー(半導体レーザー、ヘリウム−ネオンレーザ
ー、アルゴンレーザー、ヘリウム−カドミウムレーザ
ー)、LED、CRTなども用いることができる。露光
波長は、一般に可視光、近紫外光、近赤外光が好ましい
が、X線、電子ビームも用いることができる。露光量は
主にハロゲン化銀乳剤の感度によって決まるが一般に
0.01〜10000erg/cm2 の範囲が好ましく、より
好ましくは0.1〜1000erg/cm2 の範囲である。な
お、支持体が透明な場合には、裏面から露光することも
できる。
【0058】用いる光源に対応する感度を与えるために
必要に応じてハロゲン化銀乳剤を分光増感することがで
きる。分光増感については特開昭48−73137号、
同49−19820号、同47−28917号、同51
−14019号、同51−29128号、同51−29
129号、同51−30724号、同49−11121
号、同50−62425号、同54−18726号、同
59−102229号、ドイツ国公開特許(OLS)
2,151,484号、特開昭59−191032号、
同59−192242号等に記載の増感色素や強色増感
剤を用いることができる。
【0059】次に、本発明に好ましく用いられる各種の
添加剤について説明する。 〔着色剤〕本発明に用いられる着色剤(顔料、染料)に
は特に制限がなく、公知の顔料または染料を用いること
ができる。着色剤はまた、ハレ−シヨン防止剤としての
機能もあるので画像形成層に添加されていることが好ま
しい。またイラジエ−ション防止の目的で感光性層に添
加することもできる。その中で顔料としては、市販のも
のの他、各種文献などに記載されている公知のものが利
用できる。文献に関しては、カラ−インデックス(C.
I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、
1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、
1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1
984年刊)などがある。
【0060】顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔
料、橙色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔
料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他重合体結
合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、ア
ゾキレ−ト顔料、縮合アゾ顔料、キレ−トアゾ顔料、フ
タロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン
及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリド
ン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔
料、キノフタロン系顔料、染め付けレ−キ顔料、アジン
顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔
料、カ−ボンブラックなどの無機顔料などが利用でき
る。これらの顔料は単独でも、あるいは併用して用いて
もよい。
【0061】本発明に使用できる顔料は表面処理をせず
に用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面
処理の方法には樹脂やワックスを表面コ−トする方法、
界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シ
ランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリシアネ−ト
等)を顔料表面に結合させる方法などが考えられる。上
記の表面処理方法は、例えば、「金属石鹸の性質と応
用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1
986年刊)などに記載されている。顔料の粒径は0.
01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.
02μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましい。
【0062】顔料の画像形成層への導入は、該層の塗布
液中に添加、分散させる方法が利用できる。顔料を分散
する方法としては、インク製造やトナ−製造になどに用
いられる公知の分散技術が使用できる。分散機として
は、超音波分散機、サンドミル、アトライタ−、バ−ル
ミル、ボ−ルミル、ス−パ−ミル、インペラ−、デスパ
−ザ−、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本
ロ−ルミル、加圧ニ−ダ−等が挙げられる。詳細は、
「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に
記載されている。
【0063】着色剤として、あるいはハレ−ション防止
用やイラジエ−ション防止用として染料も使用すること
ができる。それ自身が着色している物質である染料は、
市販のものの他、各種文献(例えば「染料便覧」(有機
合成協会編、昭和45年刊)、「色素ハンドブック」
(大河原信也編、講談社、1986年刊)、あるいは特
開昭61−174540号広報)などに記載されている
公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属
錯塩アゾ染料、ピラゾロアゾ染料、アントラキノン染
料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイ
ミン染料、メチン染料などの染料が挙げられる。
【0064】着色剤の含有量はその吸光度によって大幅
に変化するが、0.01〜2g/m 2 、より好ましくは
0.05〜1g/m2 の範囲が好ましい。但し、本発明
の感光材料を直接刷版用として用いる場合には、着色剤
としては殆ど不要であるが、イラジエ−ション防止やハ
レ−シュン防止用として添加することが好ましい。この
場合は必ずしも重合層中に添加する必要はなく、感光層
や剥離層に添加してもよい。また、透明フイルムベ−ス
の場合には支持体の反対側のバック層として添加するこ
ともできる。
【0065】〔熱現像促進剤〕本発明に用いられる熱現
像促進剤としては、加熱により層内で溶融して種々の物
質を溶解するもので、従来、「熱溶剤」として公知の物
質、例えば米国特許第3,347,675号明細書記載
のポリエチレングリコ−ル類、ポリエチレンオキサイド
のオレイン酸エステルなどの誘導体、みつろう、モノス
テアリン、−SO2 −および−CO−基を有する高誘電
率の化合物、米国特許第3,6667,959号明細書
記載の極性物質、リサ−チ・ディスクロ−ジャ−誌、1
976年12月号、26〜28頁に記載の1,10−デ
カンジオ−ル、アニス酸メチル、スベリン酸ビフェニ
ル、特開昭62−151841号、同62−15174
3合、同620183450号の各公報に記載のスルフ
ォンアミド誘導体、ポリエチレングリコ−ル誘導体、環
状アミヂン化合物や、特開昭63−243835号、同
63−253934号の各公報に記載の熱溶融性化合物
などが挙げられる。
【0066】熱現像促進剤としてはまた、いずれかの層
のバインダ−ポリマ−に対して、室温また加熱時に可塑
化作用を有する物質、例えば高分子化合物可塑剤として
知られている公知の化合物が用いられる。このような可
塑剤としては、「プラスチック配合剤」(大成社、21
〜26頁)「プラスチック アディティブズ第2版」
(Plastics Additives,Second Edition:Hanser Publish
ers,Chapter 5, p.251〜296)、「サ−モプラスチック
アディティブズ」(Thermoplastic Additives, Mercel D
ekker Inc,Chapter 9, p.345〜379)、「プラスチックス
アディティブズアン インダストリアル ガイド」(P
lastics Additives,An Industial Guide,Noyes Publica
tions,Section 14, p.333 〜485)、「ザ テクノロジ−
オブソルベンツ アンド プラスティサイザ−ズ」(T
he Technology of Solventsand Plasticizers, John Wi
ley & Sons Inc.,Chapter15, p.903 〜1027) 、「イン
ダストリアル プラスティサイザ−ズ」(Industrial Pl
asticizers, PargamonPress) 、「プラスティサイザ−
ズ テクノロジ−第 1巻」(Plasticizers Technology V
ol.1, Rainhold Publishing Corp.)、「プラスティサイ
ゼ−ション アンド プラスティサイザ−プロセス」(P
lasticization and plasticizer Process, American Ch
emistry)に記載のものが用いられる。
【0067】特に本発明に好ましい熱現像促進剤として
は、尿素、エチレン尿素、メチル尿素、ジメチル尿素、
エチル尿素、プロピレン尿素などの尿素類、アセトアミ
ド、プロピレンアミドなどのアミド類、スルファミド
類、スルフォンアミド類、ソルビト−ル類、トリメチロ
−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリ
ト−ル、グリセリン、エチレングリコ−ル、プロピレン
グリコ−ル、ブタンジオ−ル、ヘキサンジオ−ルなどの
多価アルコ−ル類や糖類、尿素樹脂、フェノ−ル樹脂な
どが挙げられる。なお、熱現像促進剤は二種以上を組み
合わせて使用することができ、また異なる種類の熱現像
促進剤を含有させることができる。熱現像促進剤は、保
護層、感光性層、接着層などに添加して用いることがで
きるが、保護層に添加するのが好ましい。
【0068】〔親水性バインダー〕親水性バインダ−と
は、分子内に親水性の基または/および結合を有するバ
インダ−であって、親水性の基としては、カルボキシル
基、水酸基、フェノ−ル性水酸基、スルホン基、スルホ
ンアミド基、スルホンイミド基またはアミド基などが例
示される。親水性の結合としては、ウレタン結合、エ−
テル結合、アミド結合などが例示される。親水性バイン
ダ−ポリマ−としては、水溶性ポリマ−または/および
水膨潤性ポリマ−が用いられる。水膨潤性ポリマ−と
は、水に対して親和性を有するが、バインダ−自身が架
橋構造などを有するために、水に完全には溶解しないも
のをいう。
【0069】水溶性もしくは水膨潤性のバインダ−とし
ては、天然もしくは合成の高分子化合物が使用できる。
天然高分子としては、デンプン誘導体、セルロ−ス誘導
体、アルギン酸、ペクチン酸、アラビアゴム、プルラ
ン、デキストランその他の水溶性多糖類、カゼイン、ゼ
ラチン等のタンパク質類を例示することができる。これ
らは必要に応じて人工的に変性されたものでもかまわな
い。また塗布乾燥時に変性ないし架橋させて用いること
もできる。合成高分子としては、水溶性モノマ−の重合
体もくはこれと他のモノマ−との共重合体などが使用で
きる。この場合の水溶性モノマ−としては、カルボキシ
ル基、酸無水物基、水酸基、スルホン酸(塩) 基、アミ
ド基、アミノ基、エ−ル基のような化学構造を有するモ
ノマ−を例示することができる。具体的なモノマ−につ
いては、「水溶性高分子の応用と市場」(CMC, 16〜18
頁) に例示されているモノマ−などが使用できる。
【0070】これらのモノマ−を重合もしくは他のモノ
マ−と共重合した共重合体を架橋することによって得ら
れる共重合体も使用することができる( 例えば、米国特
許4,913,998号明細書に記載されている共重合
体)。この他の合成高分子としては、ポリビニルアルコ
−ル、ポリビニルエ−テル、ポリビニルピロリドン、ポ
リエチレンオキサイドおよびこれらの誘導体、変性体が
使用できる。
【0071】例えば、ポリビニルアルコ−ルの場合は、
種々のケン化度のものが使用でき、また、共重合変性ポ
リビニルアルコ−ルが使用できる。共重合変性は、酢酸
ビニルと他のモノマ−との共重合体をケン化して変性ポ
バ−ルとするものであればいずれも使用できる。例え
ば、エチレン、高級カルボン酸ビニル、高級アルキルビ
ニルエ−テル、メタクリレ−ト、アクリルアミド等が共
重合モノマ−として例示できる。後変性は、ポリビニル
アルコ−ルの水酸基に対して反応性を有する化合物で高
分子反応により変性するものである。水酸基をエ−テル
化、エステル化、アセタ−ル化などの修飾したものを例
示することができる。さらに、架橋化したポリビニルア
ルコ−ルを使用することもできる。この場合、架橋剤と
してはアルデヒド、メチロ−ル化合物、エポキシ化合
物、ジイソシアネ−ト、ジビニル化合物、ジカルボン
酸、あるいはホウ酸、チタン、銅等の無機系架橋剤など
を使用してポリビニルアルコ−ルを架橋することができ
る。これら変性ポリビニルアルコ−ル、架橋化ポリビニ
ルアルコ−ルについては、「ポバ−ル」第3編、高分子
刊行会(281〜285頁および256〜260頁)に
例示されている。
【0072】これらの親水性ポリマ−の分子量は約30
00〜50万の範囲が好ましい。塗布量は、0.05〜
20g/m2 、より好ましくは、0.1〜10g/m2
の範囲である。特に好ましい親水性バインダ−ポリマ−
としては、ポリビニルアルコ−ル系重合体、ゼラチン、
塩化ビニリデンのコポリマ−等が好ましい。ここでポリ
ビニルアルコ−ル系重合体とは、ポリビニリアルコ−ル
および変性ポリビニルアルコ−ル(例えばポリ酢酸ビニ
ルと他のモノマ−のブロック重合体をケン化したもの
等)を意味する。分子量は特に制限はないが約3000
〜50万の範囲が好ましい。
【0073】本発明に用いられる界面活性剤は、ノニオ
ン活性剤(フッ素系を含む)、アニオン活性剤、カチオ
ン活性剤等の、特開平2−195356号公報などで公
知の界面活性剤が用いられる。特に、ソルビタン類、ポ
リオキシエチレン類、含フッ素界面活性剤が好ましい。
【0074】〔カブリ防止剤、現像促進剤、安定剤〕本
発明の感光材料には、何れかの層に写真特性を改良する
ため、種々のカブリ防止剤、現像促進剤、安定剤などの
添加剤を含有することができる。それらの例としてはリ
サ−チ・ディスクロ−ジャ−誌、No17643号、24
〜25頁(1978 年)に記載のアゾ−ル類やアザインデン
類、特開昭59−168442号公報記載の窒素を含む
カルビン酸類およびリン酸類、あるいは特開昭59−1
11636号公報記載のメルカプト化合物およびその金
属塩、特開昭62−87957号公報に記載されている
アセチレン化合物類などが用いられる。カブリ防止剤は
画像形成層に導入することもできるが、感光層に導入さ
れていることが好ましい。使用量はハロゲン化銀1モル
当たり10-7モル〜1モルの範囲である。
【0075】
【実施例】以下に実施例を記載し、本発明の感光材料及
び画像形成方法をさらに詳細に説明する。但し、本発明
はこれらの例に限定されるものではない。 実施例1 〔ハロゲン化銀乳剤の調製〕水600ml中にゼラチン
24gと臭化カリウム1.0gとを加えて75℃に保温
し、硝酸銀40gを含有する水溶液300mlと、臭化
カリウム28g及びK3 IrCl6 0.06mgとを含
有する水溶液260mlとを同時に15分間添加し、更
に硝酸銀80gを含有する水溶液600mlと、臭化カ
リウム56gを含有する水溶液520mlとを同時に2
0分間添加した。この乳剤を沈降水洗し脱塩処理したの
ち、チオ硫酸ナトリウム1.6mg、塩化金酸2mgを
加え化学増感を行った。更に増感色素として3,3’ジ
スルホプロピルナフト〔1,2−d〕チアゾ−ルナトリ
ウム塩を500mg加えた。次にゼラチンを加えpH
6.2、pAg9.3に調製して乳剤を得た。
【0076】〔塩基プレカ−サ−分散液の調液〕本発明
の塩基プレカーサー、例示化合物−1、−2、−4、−
6と下記の塩基プレカ−サ−のそれぞれ粉末250gを
ダイノミル分散器を用いてポリビニルアルコ−ルの3重
量%水溶液750g中に分散した。塩基プレカ−サ−の
粒子サイズは約0.4μm以下であった。 (比較例塩基プレカ−サ−)
【0077】
【化9】
【0078】〔還元剤分散液の調製〕下記の還元剤の粉
末10gをダイノミル分散器を用いてポリビニルアルコ
−ルの3重量%水溶液750g中に分散した。還元剤の
粒子サイズは約0.4μm以下であった。 (還元剤)
【0079】
【化10】
【0080】 〔剥離層の形成〕 PVA−420(クラレ(株)製ポリビニルアルコール、 ケン化度79.5%)の6%溶液 60g ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト 7.2g 下記の界面活性剤1の5%水溶液 12g 水 15g から成る液をホモジナイザーを用いて乳化分散する。分
散されたジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの
粒子サイズは0.3μm以下であった。この乳化分散液
をPETフィルム上に塗布し、乾燥して乾燥膜厚が0.
7μmの剥離層を設けた。
【0081】
【化11】
【0082】 〔画像形成層の形成〕 ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト 0.5g アリルアクリレート/メタクリル酸コポリマー(共重合比 83/17)の20%プロピレングリコールモノメチル エーテル溶液 8.4g 下記の顔料分散液1 35g メチルエチルケトン 89g から成る液を上記剥離層の上に塗布し、乾燥して乾燥膜
厚が約1.2μmの画像形成層を設けた。
【0083】 (顔料分散液1) カ−ボンブラック 30g アリルアクリレート/メタクリル酸コポリマー(共重合比 83/17)の20%プロピレングリコールモノメチル エーテル溶液 54g メチルエチルケトン 89g プロピレングリコールモノメチルエーテル 105g
【0084】〔接着層の形成〕剥離層と同じ組成の液を
画像形成層の上に塗布し、乾燥して乾燥膜厚が0.5μ
mの剥離層を設けた。
【0085】 〔感光層の形成〕 PVA−420(クラレ(株)製ポリビニルアルコ−ル、 ケン化度79.5%)の6%水溶液 70g 上記の還元剤分散液 12g 下記添加剤1の0.1重量%メタノ−ル溶液 4g 下記添加剤2の0.036重量%メタノ−ル溶液 21.6g 下記添加剤3の0.1重量%メタノ−ル溶液 4.2g 臭化カリウムの0.5%水溶液 10g 前記の界面活性剤1の5%水溶液 4g 上記のハロゲン化銀乳剤 4.2g 水 147g からなる液を上記接着層の上に塗布し、乾燥して乾燥膜
厚が1.2μmの感光層を得た。
【0086】
【化12】
【0087】 〔保護層の形成〕 PVA−205(クラレ(株)製ポリビニルアルコ−ル、 ケン化度88%)の10%水溶液 100g 前記の塩基プレカ−サ−分散液 10g 前記界面活性剤1の5%水溶液 8g から成る液を感光層の上に塗布し乾燥して、乾燥膜厚が
3.7μmの保護層を得た。
【0088】こうして得られた感光材料に富士写真フィ
ルム(株)製富士コントロールウェッジを密着して、4
88nmのアルゴンレ−ザ−を用いて露光を与えた。こ
の時の照射光量は6ergs/cm2であった。次に加熱した熱
板に支持体側より密着させ30秒間熱現像した後、保護
層の端から剥離した。その結果を表1に示した。本発明
の化合物を用いた試料は、120℃以下の低い温度でも
充分鮮明な画像が得られた。剥離された保護層、感光
層、および接着層の側に未露光部(未重合部)が移り、
剥離層、支持体側には露光部(重合部)が残って、黒色
の画像が得られた。未重合部は画像形成層と剥離層の界
面で剥離されており、重合部は接着層と画像形成層の界
面で剥離されていた。得られた画像はレ−ザ−露光の画
像として小点、大点とも充分に付いており、キレが良
く、良好な画質であった。
【0089】実施例2 実施例1に示した保護層の塗布液を、未下塗りのポリエ
チレンテレフタレートベースに塗布、乾燥したのち(乾
燥膜厚30μm)、塗膜を剥離し、約5mmφの円盤上
に細片化する。これを集めて約10mgを秤取し、パー
キンエルマー社製、示差走査型熱量計(DSC)を用い
て、塩基放出温度を測定した。その結果を表1に示し
た。本発明の化合物の方が、明らかに塩基放出温度が低
いことが分かる。
【0090】
【表1】
【0091】実施例3 実施例1の保護層塗布液に、さらに熱現像促進剤として
ラクトアミド(ヒドロキシプロピオンアミド)の20%
溶液をを5.0g添加する以外は、実施例1と全く同様
にして試料を作製した。さらに、露光、熱現像、エッチ
ング処理を、実施例1と同様に行なったところ、表1に
示したように、本発明の試料はさらに低い温度で鮮明な
画像が得られた。
【0092】実施例4 ハロゲン化銀乳剤の調製を下記のようにした以外は、実
施例1と同様にして試料を作成した。 〔ハロゲン化銀乳剤の調製〕水600ml中にゼラチン
24gと臭化カリウム1.0gとを加えて75℃に保温
し、硝酸銀40gを含有する水溶液300mlと、臭化
カリウム28g及びK3 IrCl6 0.06mg及び
(NH4 )RhCl6 0.01mgとを含有する水溶液
290mlとを同時に15分間添加し、更に硝酸銀80
gを含有する水溶液600mlと、臭化カリウム56g
を含有する水溶液600mlとを同時に20分間添加し
た。この乳剤を沈降水洗し脱塩処理したのちゼラチンを
加え、チオ硫酸ナトリウム1.5mg、塩化金酸1.8
mgを加えて70℃で化学増感を行った。更に強色増感
剤として4,4’−ビス〔4,6−ジ(ナフチル−2−
オキシ)ピリミジン−2−イルアミノ〕スチルベン−
2,2’ジスルホン酸ジナトリウム塩の1%メタノ−ル
溶液6.6ml、安定剤として2,6−ジメチル−3−
アリル−ベンゾチアゾ−ルの0.8%メタノ−ル溶液6
ml、増感色素として下記添加剤の0.1%メタノ−ル
溶液150mlを加えた。この乳剤をpH6.3、pA
g9.3に調整してハロゲン化銀乳剤を得た。
【0093】
【化13】
【0094】こうして得られた感光材料に、保護層側か
ら富士写真フィルム(株)製富士コントロールウェッジ
を密着させ、633nmのヘリウムネオンレーザーを用
いて露光を与えた。この時の照射光量は10erg/cm2
あった。次に、実施例1と同様に、加熱した熱板に密着
させ、30秒感加熱したあと、保護層の端から剥離を行
った。その結果を表2に示した。本発明の試料はいずれ
も120℃以下の低温で明瞭な画像が得られた。
【0095】
【表2】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも、剥離層,重合
    性化合物及び/又は架橋性ポリマーを含む画像形成層、
    およびハロゲン化銀乳剤を含む感光性層を有し、いずれ
    かの層に塩基プレカーサーとして、一般式(1)〜
    (3)で表される化合物の少なくとも1種類有すること
    を特徴とする感光材料。 【化1】 1 はエチル基、またはイソプロピル基を、R2 は水素
    原子、またはメチル基を、R3 は水素原子、アルキル
    基、またはアルコキシ基を表す。
  2. 【請求項2】 支持体上に、剥離層を少なくとも1層有
    し、その上に、重合性化合物及び/又は架橋性ポリマー
    を含む画像形成層、ハロゲン化銀乳剤を含む感光性層、
    前記画像形成層と感光性層との間に接着層、または前記
    のいずれの層よりも外にある最外層を有し、塩基プレカ
    ーサーを前記の層のいずれかに含有することを特徴とす
    る請求項1記載の感光材料。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の感光材料の支持体がポリ
    マーよりなり、前記感光材料を120℃以下、60℃以
    上で熱現像することを特徴とする画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100357382C (zh) * 1999-02-08 2007-12-26 日立化成工业株式会社 用于电路连接的粘合剂、电极连接构造及电极连接方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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