JPH08248273A - 光ファイバテープ心線対照器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 数種類の光ファイバテープ心線に対応できる
光ファイバテープ心線対照器を提供する。 【構成】 光ファイバテープ心線２に所定の曲げを付与
する曲げ付与部材３と、光ファイバテープ心線２を固定
する心線固定部材４と、光ファイバテープ心線２の光フ
ァイバ２ａから漏洩される光を受光する受光素子７と、
可動スリット６とを、備えた光ファイバテープ心線対照
器本体１を有し、心線固定部材４は光ファイバテープ心
線対照器本体１に着脱自在に組み込まれている。 【効果】 心線固定部材を光ファイバテープ心線の種類
揃えて置いて、心線対照を行う光ファイバテープ心線に
合う心線固定部材を光ファイバテープ心線対照器本体に
差し替えて組み込むことによって心線固定部材の数だけ
光ファイバテープ心線の心線対照を行うことが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバテープ心線
を構成する光ファイバの並び順を検出する光ファイバテ
ープ心線対照器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】最近の光通信において、光加入者線路網
の高速ディジタル化・サービス領域の拡大に伴い、光フ
ァイバケーブル内の光ファイバテープ心線の構成単位は
高密度実装可能な多心の光ファイバテープ心線が多くな
っている。

【０００３】このような多心の光ファイバテープ心線を
構成単位とする光ファイバケーブルの監視、導通試験、
光損失測定等には光ファイバテープ心線内の光ファイバ
の左右の並び順を検出することのできる高性能の光ファ
イバテープ心線対照器が必要不可欠である。

【０００４】図５は従来の光ファイバテープ心線対照器
の一例である。この光ファイバテープ心線対照器は、Ｐ
ＩＮフォトダイオード、アバランシェ・フォトダイオー
ド等の受光素子５１と、光ファイバテープ心線２と受光
素子５１との間にあって、光ファイバテープ心線内の個
々の光ファイバから漏洩される光を通過させ、光ファイ
バテープ心線の幅内で移動する可動スリット５２を有す
るものである。この光ファイバテープ心線対照器は受光
素子５１が、一定の位置に固定されており、可動スリッ
ト５２のスリット５３が光ファイバテープ心線２の幅内
で移動し、個々の光ファイバから漏洩される光を受光素
子５１に受光させて光ファイバテープ心線２内の光ファ
イバの左右の並び順を検出する。

【０００５】光ファイバテープ心線２の曲げ部から漏洩
する光は、可動スリット５２のスリット５３を通過して
受光素子５１に検出される。この受光素子５１は、例え
ば、図６に示す４心の光ファイバテープ心線２の右側端
の光ファイバ２ａの端部から光を入れ、光ファイバ２ａ
の曲げ部８から漏洩する光を検出してこの光ファイバ２
ａが右側端にあることを識別するものである。可動スリ
ット５２を光ファイバテープ心線２の幅方向に移動して
光ファイバテープ心線２の検出位置をずらせることによ
って光ファイバテープ心線２の他の光ファイバ２ｄ等を
識別する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の光ファイバテー
プ心線対照器は光ファイバテープ心線を所定の位置に固
定する心線固定部材と光ファイバテープ心線に所定の曲
げを付与する曲げ付与部材が光ファイバテープ心線の幅
に一致したものとなっている。ところで、従来の光ファ
イバテープ心線の光ファイバの数は、例えば４心又は８
心に限られていたが、最近の光ファイバテープ心線の構
成単位は多種多様になってきている。このため、心線固
定部材と曲げ付与部材が１種類に固定された従来の光フ
ァイバテープ心線対照器であると、光ファイバテープ心
線の種類の数だけ専用の光ファイバテープ心線対照器を
用意しなければならないという問題がある。光ファイバ
テープ心線対照器はその装置が高価であるので光ファイ
バテープ心線の種類に応じて別個に専用の光ファイバテ
ープ心線対照器を揃えるというのでは経済的な負担も大
きくなる。

【０００７】本発明は上記の課題を解決して、高価な光
ファイバテープ心線対照器を光ファイバテープ心線の種
類に応じて揃えなくても、構成部材の一部をカセット化
することで１種類の光ファイバテープ心線対照器で数種
類の光ファイバテープ心線に対応できる光ファイバテー
プ心線対照器を提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために以下のような手段を有している。

【０００９】本発明の請求項１の光ファイバテープ心線
対照器は、光ファイバテープ心線に所定の曲げを付与す
る曲げ付与部材と、前記曲げ付与部材により所定の曲げ
を付与された光ファイバテープ心線を所定の位置に固定
する心線固定部材と、前記曲げ付与部材により所定の曲
げを付与された光ファイバテープ心線の個々の光ファイ
バから漏洩される光を受光する受光素子と、前記心線固
定部材と前記受光素子との間に設けられた可動スリット
とを、備えた光ファイバテープ心線対照器本体を有する
光ファイバテープ心線対照器であって、前記心線固定部
材は前記光ファイバテープ心線対照器本体に着脱自在に
組み込まれていることを特徴とする。

【００１０】本発明の請求項２の光ファイバテープ心線
対照器は、光ファイバテープ心線を所定の位置に固定す
る位置決めを心線固定部材に設けられた位置決め溝によ
り行うことを特徴とする。

【００１１】本発明の請求項３の光ファイバテープ心線
対照器は、光ファイバテープ心線を所定の位置に固定す
る位置決めを心線固定部材に設けられた位置決め突起に
より行うことを特徴とする。

【００１２】本発明の請求項４の光ファイバテープ心線
対照器は、位置決め突起が固定する光ファイバテープ心
線の幅方向に移動可能となっていることを特徴とする。

【００１３】

【作用】本発明の光ファイバテープ心線対照器によれ
ば、光ファイバテープ心線に所定の曲げを付与する曲げ
付与部材と、曲げ付与部材により所定の曲げを付与され
た光ファイバテープ心線を所定の位置に固定する心線固
定部材と、曲げ付与部材により所定の曲げを付与された
光ファイバテープ心線の個々の光ファイバから漏洩され
る光を受光する受光素子と、心線固定部材と受光素子と
の間に設けられた可動スリットとを、備えた光ファイバ
テープ心線対照器本体を有し、心線固定部材は光ファイ
バテープ心線対照器本体に着脱自在に組み込まれている
ので、心線固定部材を光ファイバテープ心線の種類に対
応して揃えて置いて、心線対照を行う光ファイバテープ
心線の光ファイバの数に対応する心線固定部材をその都
度光ファイバテープ心線対照器本体に差し替えて組み込
む。それ故、光ファイバテープ心線の種類に応じて専用
の心線固定部材さえ用意しておけば揃えてある心線固定
部材の数だけ光ファイバテープ心線の心線対照を心線固
定部材の交換だけで容易に行うことが可能となる。心線
固定部材は光ファイバテープ心線対照器の一部品に過ぎ
ないので、光ファイバテープ心線の種類の数分揃えても
光ファイバテープ心線対照器そのものを光ファイバテー
プ心線の種類の数分揃えることに比べて遙かに経済的と
なる。

【００１４】また、好ましくは光ファイバテープ心線対
照器本体に着脱自在に組み込まれている心線固定部材の
突起、すなわち、光ファイバテープ心線を所定の位置に
固定する突起を固定する光ファイバテープ心線の幅方向
に移動可能にしておくと、一個の心線固定部材で数種類
の光ファイバテープ心線の心線対照を行うことが可能と
なり、更に経済的となる。

【００１５】

【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。図１及び図２は本発明の光ファイバテープ心線対照
器の一実施例を示すもので、１は光ファイバテープ心線
対照器本体である。光ファイバテープ心線対照器本体１
は、光ファイバテープ心線２の長さ方向に所定の曲げを
付与する曲げ付与部材３と、光ファイバテープ心線２を
挟んで曲げ付与部材３により所定の曲げを付与された光
ファイバテープ心線２を所定の位置に固定する心線固定
部材４と、心線固定部材４を透過する光を光ファイバテ
ープ心線２の幅内で移動して所定の光ファイバの漏洩光
を通過させる可動スリット５と、可動スリット５のスリ
ット６を通過した漏洩光を受光する受光素子７とを備え
ている。

【００１６】曲げ付与部材３はアルミ等の金属材料から
作られた本体の一面に光ファイバテープ心線２に所定の
曲げを付与する曲面部を有し、この曲面部はゴム等の弾
性体からなっている。所定の曲げ半径としては、例えば
７ｍｍ程度の曲率半径が適当である。心線固定部材４は
光ファイバテープ心線対照器本体１の基台１Ａに対して
引出し状に組み込まれていて、例えば図１において紙面
の表面側に引き出せるようになっている。これを図２で
説明すると、心線固定部材４を図２において矢印左方向
に引き出せばよい。このように心線固定部材４は心線対
照器本体１に対して着脱可能に装着されている。心線固
定部材４は、例えば樹脂成形体で構成されたもので、そ
の上面には、例えば図７に示す８心の光ファイバ２ａ〜
２ｈを有する光ファイバテープ心線２の幅に対応した溝
４ａが設けられている。この溝４ａにより光ファイバテ
ープ心線２の幅方向を固定し位置決めをしている。溝４
ａの底部４ｂは光ファイバテープ心線２の曲げ部８を受
け止める凹湾曲面が形成されていて、その材質は石英ガ
ラス等の透明体からなっている。心線固定部材４の下部
にスリット６が設けられた可動スリット５が配置されて
いる。可動スリット５を光ファイバテープ心線２の幅内
で移動せしめて、心線固定部材４の底部４ｂを透過する
光のうち所定の光ファイバの漏洩光のみをスリット６か
ら通過させるものである。可動スリット５のスリット６
を通過した漏洩光は可動スリット５の下部に配置されて
いる受光素子７によって受光される。

【００１７】次に、本発明の光ファイバテープ心線対照
器の操作について述べる。まず、心線固定部材４を光フ
ァイバテープ心線対照器本体１より引出して、溝４ａ内
に図７に示す８心の光ファイバテープ心線２を装着す
る。光ファイバテープ心線２を装着した心線固定部材４
を光ファイバテープ心線対照器本体１に挿入して曲げ付
与部材３を図２に示すように下方に移動する。このよう
にして心線固定部材４の溝４ａ内に装着されている光フ
ァイバテープ心線２に曲げ付与部材３を密着して押しつ
け、光ファイバテープ心線２に曲げを付与する。なお、
図２は曲げ付与部材３を下方に移動している途中の状態
を示している。光ファイバテープ心線２に曲げが付与さ
れた状態で光ファイバテープ心線２の右側端の光ファイ
バ２ａの端部から光を入れ、光ファイバ２ａの曲げ部８
から漏洩する光を検出してこの光ファイバ２ａが右側端
にあることを識別するものである。このとき可動スリッ
ト５のスリット６は、光ファイバ２ａに対応する位置に
位置決めされている。

【００１８】ついで、可動スリット５を光ファイバテー
プ心線２の幅方向の左端に移動して検出位置をずらせる
ことによって順次光ファイバテープ心線２の他の光ファ
イバ２ｈ等を識別する。このようにして８心の光ファイ
バテープ心線２についての識別完了後、図６に示す４心
の光ファイバテープ心線２の心線対照を行う時には、８
心用の溝４ａを有する心線固定部材４を引き出し、代わ
りに図３に示す４心用の溝１４ａを備えた心線固定部材
１４を光ファイバテープ心線対照器本体１に装着し４心
の光ファイバテープ心線２の心線対照を行う。図３に示
す光ファイバテープ心線対照器は心線固定部材１４以外
は図２の光ファイバテープ心線対照器と同一につき詳細
な説明は省略する。

【００１９】図３に示す光ファイバテープ心線対照器に
おいて、心線固定部材１４に４心の光ファイバテープ心
線２を装着すること、および４心の光ファイバテープ心
線２の心線対照のやり方は８心の光ファイバテープ心線
２の場合と同様につき詳細な説明は省略する。

【００２０】（その他の実施例）図４に光ファイバテー
プ心線対照器のその他の実施例に使用する心線固定部材
の一例を示す部分拡大図である。図４（イ）に示す心線
固定部材２４の特徴は、４心の光ファイバテープ心線２
を位置決めする部分が溝ではなく突起２４ａ、２４ａに
なっていることである。そして突起２４ａ、２４ａ間に
光ファイバテープ心線２を位置決め固定する。その他の
構成は図２の光ファイバテープ心線対照器と同様であ
る。図４（ロ）の心線固定部材３４は図７に示す８心の
光ファイバテープ心線２を位置決めすることができるよ
うに突起３４ａ、３４ａの間隔が８心の光ファイバテー
プ心線２の幅に対応するように広くなっている。その他
の構成は図２の光ファイバテープ心線対照器と同様につ
き詳細な説明は省略する。

【００２１】なお、図４（イ）に示す心線固定部材２４
の突起２４ａ、２４ａを光ファイバテープ心線の中心線
を軸として光ファイバテープ心線の幅方向に移動可能に
しておくと心線固定部材２４のみで多数の種類の光ファ
イバテープ心線に対応できるようになり心線固定部材は
一個で済むことになり経済的になる。

【００２２】また、上記各実施例では心線固定部材の溝
の底部に光ファイバテープ心線の曲げ部を受け止める凹
湾曲面が形成された石英ガラス等の透明体が設けられて
いるが、底部に窓を設けて石英ガラス等の透明体を心線
固定部材とは切り離して別に設けてもよい。このように
すると、心線固定部材の構成が簡単になりより安価な装
置となる。

【００２３】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の光ファイバ
テープ心線対照器によれば、光ファイバテープ心線に所
定の曲げを付与する曲げ付与部材と、曲げ付与部材によ
り所定の曲げを付与された光ファイバテープ心線を所定
の位置に固定する心線固定部材と、曲げ付与部材により
所定の曲げを付与された光ファイバテープ心線の個々の
光ファイバから漏洩される光を受光する受光素子と、心
線固定部材と受光素子との間に設けられた可動スリット
とを、備えた光ファイバテープ心線対照器本体を有し、
心線固定部材は光ファイバテープ心線対照器本体に着脱
自在に組み込まれているので、すなわち、カセット化さ
れているので心線固定部材のみを光ファイバテープ心線
の種類分揃えて置いて、心線対照を行う光ファイバテー
プ心線の光ファイバの数に合う心線固定部材をその都度
光ファイバテープ心線対照器本体に差し替えて組み込む
ことだけで、揃えてある心線固定部材の数だけ光ファイ
バテープ心線の心線対照を行うことが可能となる。心線
固定部材は光ファイバテープ心線対照器の一部品に過ぎ
ないので、光ファイバテープ心線の種類の数を揃えても
光ファイバテープ心線対照器そのものを光ファイバテー
プ心線の種類の数分揃えることに比べて遙かに経済的と
なる。

【００２４】また、光ファイバテープ心線対照器本体に
着脱自在に組み込まれている光ファイバテープ心線を所
定の位置に固定する心線固定部材の突起を、固定する光
ファイバテープ心線の幅方向に移動可能となっている。
一個の心線固定部材で数種類の光ファイバテープ心線の
心線対照を行うことが可能となり、更に経済的となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光ファイバテープ心線対照器の一実施
例を示す主要部の断面図である。

【図２】図１の光ファイバテープ心線対照器のＡ−Ａ線
断面図である。

【図３】本発明の光ファイバテープ心線対照器の他の実
施例を示す断面図である。

【図４】（イ）及び（ロ）は本発明の光ファイバテープ
心線対照器のその他の実施例を示す主要部の拡大断面図
である。

【図５】従来の光ファイバテープ心線対照器の概念示す
斜視図である。

【図６】光ファイバテープ心線の一例を示す斜視図であ
る。

【図７】光ファイバテープ心線の他の一例を示す斜視図
である。

【符号の説明】

１ 光ファイバテープ心線対照器本体 ２ 光ファイバテープ心線 ３ 曲げ付与部材 ４ 心線固定部材 ５ 可動スリット ７ 受光素子 １４、２４、３４ 心線固定部材

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ファイバテープ心線に所定の曲げを付
   与する曲げ付与部材と、前記曲げ付与部材により所定の
   曲げを付与された光ファイバテープ心線を所定の位置に
   固定する心線固定部材と、前記曲げ付与部材により所定
   の曲げを付与された光ファイバテープ心線の個々の光フ
   ァイバから漏洩される光を受光する受光素子と、前記心
   線固定部材と前記受光素子との間に設けられた可動スリ
   ットとを、備えた光ファイバテープ心線対照器本体を有
   する光ファイバテープ心線対照器であって、前記心線固
   定部材は前記光ファイバテープ心線対照器本体に着脱自
   在に組み込まれていることを特徴とする光ファイバテー
   プ心線対照器。
2. 【請求項２】 光ファイバテープ心線を所定の位置に固
   定する位置決めは心線固定部材に設けられている位置決
   め溝により行うことを特徴とする請求項１記載の光ファ
   イバテープ心線対照器。
3. 【請求項３】 光ファイバテープ心線を所定の位置に固
   定する位置決めは心線固定部材に設けられている位置決
   め突起により行うことを特徴とする請求項１記載の光フ
   ァイバテープ心線対照器。
4. 【請求項４】 位置決め突起は固定する光ファイバテー
   プ心線の幅方向に移動可能となっていることを特徴とす
   る請求項３記載の光ファイバテープ心線対照器。