JPH0824811B2 - 超音波濾過装置 - Google Patents

超音波濾過装置

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JPH0824811B2
JPH0824811B2 JP63329281A JP32928188A JPH0824811B2 JP H0824811 B2 JPH0824811 B2 JP H0824811B2 JP 63329281 A JP63329281 A JP 63329281A JP 32928188 A JP32928188 A JP 32928188A JP H0824811 B2 JPH0824811 B2 JP H0824811B2
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filtration
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安男 山田
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、超音波濾過装置に関し、さらに詳しく
は、スラリーから固形異物を除去するための超音波濾過
装置の改良に係るものである。
〔従来の技術〕
一般的に、固形異物が混入された凝集粒子を含有する
スラリーを濾過して、この固形異物を除去する場合に
は、その濾過作業に多大の困難を伴なうことが知られて
いる。
こゝで、本願の出願人は、この種のスラリーから固形
異物を除去するための濾過手段として、先に特開昭61−
153115号公報により、超音波を利用してスラリー中の凝
集粒子を分散させると共に、濾材層を通過させて固形異
物を濾別するようにした超音波濾過機の提案をなした。
この既提案に係る従来の超音波濾過機の概要を第2図
に模式的に示す。
すなわち、この第2図従来例構成において、超音波濾
過機は、超音波発生装置21を設けて超音波振動を発生さ
せ、この超音波振動を発振ホーン22によつて超音波発振
面を有する超音波発振チップ23に伝える。
しかして、濾過機の装置本体24には、底部にあつて、
被濾過物を供給する供給管25と、上部一側に形成したフ
ランジ付きの開口部26aにあつて、被濾過物を排出する
排出管26と、上部他側に形成される気体室28に連通した
気体供給管27とをそれぞれに設けてある。
また、前記槽本体24の内部にあつては、左右の各端板
30a,30bに支持されて内部に濾過室29を形成する円筒状
の濾材層31を水平方向に設けると共に、一方の端板30a
を通して他方の端板30bに固定され、内部の濾過室31内
に貫入される部分に適当数の導入口32aを開穿させた濾
過処理物の抜出管32を一体的に設け、この濾過室29を回
転可能に支持させてある。
そして、前記濾過室29の濾材層31を前記超音波発振チ
ップ23に対向して配設させ、かつ抜出管32を槽本体24の
外部に取り出して、図示省略した駆動装置により回転駆
動させ得るようにしたものである。
従つて、このように構成される従来の超音波濾過装置
においては、外部駆動装置により抜出管32を介して濾材
層31を回転駆動させると共に、供給管25から装置本体24
内に供給される固形異物を含んだ被濾過物のスラリー
を、超音波発振チップ23から発振される超音波により分
散させるが、こゝで、濾材層31の外面側に比較して内面
濾過室29側が低圧であるために、分散されたスラリー
は、この濾材層31を通して濾過され、スラリー中に含ま
れている固形異物が除去された上で濾過室29内に流入
し、濾過処理物として各導入口32aから抜出管32内を経
て濾過機の外部に抜き出され、また、濾過処理後の被濾
過物は、排出管26から同様に外部に排出される。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記した既提案による従来の超音波濾
過装置の場合には、装置本体24の内部にあつて、円筒状
の回転体とした濾材層31を水平方向に設け、かつその回
転中心軸を抜出管32としてあるために、高粘度または高
濃度のスラリーなどのように流動性の低い濾過処理物で
は、この抜出管32からの抜き出し流出作用が悪く、これ
が濾過処理能力を高め得ない一つの原因になつており、
また、たとえ流動性のよい濾過処理物であつても、これ
が濾過室29内の下部に常時溜つた状態に保持されて、濾
過作業を停止した後も排出されずに残存することになる
と云う不利がある。
そしてこの状態は、多品種の被濾過物を処理する場
合、これらの各被濾過物の銘柄の切り換えに際し、異な
る品種の混合を避けるために、濾材層31および抜出管32
を一々取り外して洗浄しなければならないことを意味
し、また同時に、濾過室29内に濾過処理物を溜めたまゝ
で放置しておくと、濾材層31に濾過処理物が固着して目
詰りを生ずる惧れもあつて、この点においても濾材層31
および抜出管32をその度毎に一々取り外して洗浄する必
要があり、しかもこの濾材層31および抜出管32の取り外
しは、結果的に濾過部の全体を取り外すことに他なら
ず、その構成上からも作業自体が極めて煩雑で多大の労
力を要するほか、その作業に比較的広いスペースを必要
とするなどの問題点がある。
また一方で、この種の超音波濾過装置の場合、一般に
装置の濾過処理能力は、超音波の出力と発振チップの発
振面積とに関係し、発振チップの単位発振面積当りの超
音波発振エネルギーにほゞ比例することが知られてお
り、このために濾過処理能力を大きくするのには、発振
面の大きい発振チップを用い、かつ所要の発振出力を得
る必要上、この超音波発振装置を複数台設置するように
し、他方では、発振チップの超音波発振面と濾材層との
クリアランスが濾過効率に影響を及ぼすことから、この
クリアランスを一定に保持する必要がある。
しかし、この既提案に係る従来の超音波濾過装置の場
合には、濾材層31が円筒状をなしていることから、発振
チップ23の超音波発振面、すなわち濾材層31に対する対
向面を長方形にして回転中心と平行に配すると共に、こ
のクリアランスを一定に保持すべく、濾材層31の回転方
向に対する超音波発振面の幅を可及的に狭くしなければ
ならず、このため、必然的に濾過効率に限界を生ずるも
ので、これに伴ないたとえ複数台の超音波発振装置を設
置しようとしても、濾材層31および抜出管32をその度毎
に一々取り外して洗浄する作業との関係上、さらには装
置のコンパクト化および価格上の制限もあつて、せいぜ
い2台程度が限界となるもので、しかもこれに代え、濾
材層31の軸方向長さを長くすることで濾過処理能力を向
上させようとしても、反面、その円筒状の真円度を保持
するのが困難になり、クリアランスを一定に保持できな
くなるほどの好ましくない問題点を有するものであつ
た。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、濾過室の下部に濾過処理物の抜出管を設
けることによつて、濾材層を通過した濾過処理物の残留
を避け得る点、および濾材層を平板化することによつ
て、発振チップの形状にとらわれずに、クリアランスを
一定に保持し得る点に着眼してこの発明を完成した。
すなわち、この発明に係る超音波濾過装置は、被濾過
物の供給管および排出管を配した装置本体と、装置本体
内に設けられ、下部内に開口されて回転軸を兼ねる濾過
処理物の抜出管により鉛直方向で回転可能に支承された
濾過室と、平板状をなして濾過室の上部表面に設けた濾
材層と、抜出管を介して濾過室を回転駆動させる回転駆
動装置と、装置本体の上部から気体室内に貫入させ、濾
材層の少なくとも一部に対向するように設けられて、被
濾過物中に浸漬される超音波発振チップとを、少なくと
も備えて構成したものである。
こゝで、この発明に適用し得る被濾過物としては、一
般的に各種のスラリー、特に除去対象となるより大きな
固形異物を含んだ微粒子のスラリーであつてもよく、一
層具体的には、カーボンブラック、染料、顔料、微粒シ
リカ、セルロースなどの凝集性微粒子または繊維などの
水スラリーで、固形異物を含んだものなどであつてよ
い。例えば、カーボンブラックの水スラリー(以下、単
にカーボンブラックスラリーと呼ぶ)を例にとると、こ
の場合、一般に捕捉可能な最小異物の粒径としては、1
〜5μm程度である。
また、この発明に使用される超音波の発振周波数は、
一般的に、低周波数域であることが好ましいが、余り低
周波数域であると可聴音域になることから、通常、15〜
25KHz程度のものが採用される。かつまた、超音波発振
面での単位面積当りの発振パワーとしては、10〜55watt
/cm2程度であつてよく、この値は、これが大きいほど処
理能力が増加する傾向にあるが、余り大きくすると、濾
材層に与える超音波力の影響も過大になり、その耐用寿
命が短くなるので、個々の場合に対応して適当値を選択
する。
さらに、カーボンブラックスラリー中に含まれるカー
ボンブラックの量(以下、スラリー濃度と呼ぶ)は、こ
のときの濾過目的が固形異物を除去したカーボンブラッ
クを得ることであるので、一般的には、スラリー濃度を
増加させた方が、カーボンブラックスラリーの濾材層通
過量を少なくして、同一量の固形異物を除去したカーボ
ンブラックを得られることになる。しかしスラリー濃度
を増加すると、濾材層の直近にあるカーボンブラックへ
の超音波力の影響度が小さくなることから、カーボンブ
ラックが分散されにくゝなつて、濾材層表面に凝集した
状態のカーボンブラックが捕捉されて濾材層を通過し得
ない場合を生ずるので、通常の場合、スラリー中での重
量%として、0.1〜10%、好ましくは1〜5%程度の範
囲が最も良好である。
そして、この場合、濾材層の表面側と裏面(濾過室
内)側との圧力差(以下、濾過圧力と呼ぶ)について
は、この濾過圧力を大きくすればするほど、濾材層に対
する通過力を大きくし得ることになるが、一方で、濾材
層に圧着されるカーボンブラックの量が多くなつて、こ
の濾材層の直近にあるカーボンブラックの分散が阻害さ
れる傾向を生ずることになる。従つて、その最適値は、
濾材層の厚さと、その円筒径および回転数、それに発振
パワーなどによつても異なるが、一般に、連続操作の場
合には、0.1kg/cm2〜5kg/cm2・G、より好ましくは、0.
1kg/cm2〜1.5kg/cm2・G程度の範囲から選択される。
また、この発明において重要なことは、平板状の濾材
層を濾過室の上部表面に水平に設けて回転させ、かつ濾
過処理物の抜出管を濾過室の下部に接続させることであ
る。
こゝで、超音波の照射によつてカーボンスラリー中の
カーボンブラックが分散されるが、同時に濾材層もまた
超音波の影響を受け、これがエロージョン現象によつて
摩耗し、最後には破孔して使用不能になる惧れがある。
このエロージョン現象による濾材層摩耗の進行度は、種
々の要因によつて異なるが、濾材層の同一場所に照射さ
れる総合超音波照射時間によつても左右される。つまり
濾材層の耐用寿命は、その同一場所に照射される総合超
音波照射時間によつて決まり、この濾材層での同一場所
に照射される総合超音波照射時間を同一にした場合、濾
材層が超音波を受ける面積(以下、有効受照面積と呼
ぶ)が広ければ、濾材としての耐用寿命が延びることに
なる。
従つて、この濾材の耐用寿命を延ばすために、濾材面
積を広くしかつ超音波発振面を移動させる方法も考えら
れるが、このような形態では、構造上複雑になつて不利
な面が多いことから、反対に濾材層側を移動させる方が
有利である。そして、この濾材層を移動させる手段とし
ても、種々考えられるところであるが、濾材層を中心軸
で回転させることによつて、この濾材層の有効受照面を
移動させるのが最も簡単な構成であり、また、中心軸を
中心に回転させて超音波をほゞ均等に受照する濾材層の
形状としては、この場合、円形、楕円形、その他の平板
状を挙げることができる。
すなわち、このように構成させることにより、結果的
に、濾材層での超音波の受照対応部分を非連続化させ得
ることになり、このために連続的に超音波を受照させる
場合、濾材の超音波受照部分が高温になつて一層破孔し
易くなるのを効果的かつ良好に防止でき、単純な被照射
時間の累積によるものよりも、さらに耐用寿命の延長を
期待できる。また、一方で濾材層の耐用寿命の点のみに
ついて見るとき、可能な限り回転数を上げる方がよい
が、その反面、超音波の照射によつて濾材に圧着されて
いるカーボンブラックを効果的に分散させるのには、最
小必要限度の連続的な超音波受照時間が要求されること
から、この受照時間は、処理能力および濾材の耐用寿命
などのバランス上、0.02〜2秒の範囲内から選択するこ
とが特に望ましく、このために濾材層の回転数は、連続
的な超音波受照時間を基準にし、濾材層の形状および超
音波発振チップの発振面積に対応して算出選択されるこ
とになる。
またこゝで、濾材としては、通常の場合、ステンレス
の焼結金網または焼結繊維などを用い、その補償目開き
は、対象とする被濾過物によつても異なるが、1〜20μ
m程度のものを選択するのがよく、この濾材を2枚重ね
にして濾材層を形成させ、かつその下層を厚い多孔の金
属板にすることにより、上層を経た超音波を反射させて
その有効利用を図るようにすることが望ましい。
しかして、カーボンブラックスラリーなどの濾過処理
物は、前記のように構成される濾材層を通過し、固形異
物が除去されて濾過室内に入り、この濾過室内の下部に
開口する抜出管から濾過処理物として系外に取り出され
る。
従つて、前記濾過室は、上部表面の一部に濾材層を有
し、他の部分に関してはこれを液密にさせて濾過装置内
での被濾過物部分と区分する。こゝで、好ましい濾過室
の形態としては、逆錐状、特に逆円錐状で上部表面に濾
過層を配すると共に、側周面に液体を通さない材質の回
転体とされ、かつ下部に濾過処理物を取り出すための鉛
直方向に延びる抜出管を開口させた構成とし、濾材層を
通過した濾過処理物が、濾過室内に無益に滞留すること
なく抜出管から系外に取り出し得るようにされる。
さらに好ましは、前記濾過室の上部表面にあつて、抜
出管と同一軸芯で濾過装置本体の外部に連通する連通管
を設けることにより、この連通管を通した気体の導入に
よつて、濾材層を通過した濾過処理物の抜出管からの排
出を容易にすることができる。この手段は、特に粘度ま
たは濃度の高い濾過処理物スラリーに対して有効であ
り、かつこの構成によつては、連通管が濾過室を支承す
る軸ともなり得るので、濾過室の回転振れを防止して安
定した回転をなし得ると共に、同時に後述する濾材層と
発振チップとのクリアランスもまた一定に保持し得るの
である。
また、濾過装置本体に被濾過物を供給する供給管の取
り付け位置については、特に限定されるものでないが、
装置本体の側面上部に設けて被濾過物を濾材層の表面に
流動させるようにするのが好ましい。そして、濾過操作
後の余剰な被濾過物を排出するための排出管は、装置本
体の上部に液面の調整作用を兼ねて設けられる。
さらに、装置本体の上部から被濾過物を供給する場合
には、被濾過物スラリーに含まれる固形分が沈降して蓄
積されるのを防止するため、底部に設ける別の下部排出
管から余剰の被濾過物の一部を排出し得るようにさせ、
かつこの下部排出管はまた、原料切換え、メンテナンス
などに際して内部スラリーの抜き出しにも用いられる。
さらに好ましい態様としては、濾材層上での被濾過物
を常時流動させるようにする手段として、装置本体の上
部に液体または気体を供給する洗浄管を設ける。この洗
浄管を通して供給する液体としては、例えば、被濾過物
の溶媒が用いられ、また、気体としては、空気または被
濾過物に対して不活性な気体が用いられる。
次に、前記濾材層の少なくとも一部に対向して配設さ
れる超音波発振チップは、その対向クリアランスを調整
し得るようにして装置本体の上部に1台以上を設けるも
ので、その発振面形状は、円形、楕円形、または多角形
などの何れかを任意に選択して用いる。
この超音波発振チップを装置本体に設置させるための
好ましい態様としては、同超音波発振チップでのカーボ
ンブラックの分散に寄与しない部分を被濾過物と接触さ
せないようにするために、装置本体の上部に超音波発振
チップを貫入させて保持する保持室を設け、この保持室
の上部、換言すると、超音波発振チップの可及的下方部
分迄の間に、ガス体を保有する気体室を形成させるのが
望ましい。
そしてこの場合、供給されるガス体が圧縮性ガスであ
ることから、装置内での上流側圧力などにより、装置内
での被濾過物の液面が変化することを考慮して、この装
置内での上流側圧力などの液面変動要因を生じても、液
面、特に気体室内の液面が変化しないようにするため、
液面調節機構を採用するのが望ましい。この液面調節機
構での最も簡単な構成としては、スラリー排出管を液面
設定高さ位置に開口させるようにし、かつ気体室内にガ
ス体を供給する手段を設けるようにすればよい。
〔実 施 例〕
以下、この発明に係る超音波濾過装置の一実施例につ
き、第1図を参照して詳細に説明する。
第1図はこの実施例を適用した超音波濾過装置の概要
を模式的に示す縦断面構成図である。
すなわち、この第1図実施例構成においても、超音波
濾過装置は、超音波発生装置1を設けて超音波振動を発
生させ、この超音波振動を発振ホーン2によつて超音波
発振面を有する超音波発振チップ3に伝える。
前記超音波発振チップ3は、後述するように、濾過機
の装置本体6の上部から貫入させ、濾材層11との間の対
向クリアランスを調整し得るようにOリング(図示せ
ず)などの密封機構で上下移動可能にシールさせると共
に、支持腕4を介して調節機構付きの支持台5上に支持
させる。
また、濾過機での蓋板6aによつて閉塞される装置本体
6には、側面上部にあつて被濾過物を供給する供給管7
と、上部の一側に設けたフランジ付きの開口部8bにあつ
て被濾過物を排出する排出管8、および底部にあつて被
濾過物スラリーに含まれる固形分の蓄積、ひいては余剰
の被濾過物の一部を排出する別の下部排出管8aと、濾過
効率を向上させるために、濾材層11の表面に気体、液体
ないしは被濾過物などを供給する洗浄管9とをそれぞれ
に設けてある。
こゝで、前記排出管8については、その挿し込み長
さ、つまり被濾過物に対する開口位置を変えることによ
り被濾過物の液面を調整でき、また、下部排出管8aから
抜き出される被濾過物は、再度供給管7に循環供給させ
るようにし、さらに、洗浄管9からの気体、液体ないし
は被濾過物などの供給は、これが多すぎると、却つて濾
過効率を低減させる惧れがあるため、濾材層11の表面に
被濾過物が滞留しない程度にされる。
さらに、前記装置本体6内に設けられる濾過室10は、
逆錐状、特にこの場合、逆円錐状をなしており、上部表
面にリング状の濾材層11を配し、かつ側周面に液体を通
さない材質の回転体壁12を設けて形成され、下部に開口
させた濾過処理物を取り出すための抜出管13と、この抜
出管13と同一軸心上での外部に連通する連通管14とで、
これを鉛直方向に回転自在に枢支させてあり、抜出管13
を回転駆動装置15で駆動させることによつて、この濾過
室10を回転振れなしに回転駆動し得るようになつてい
る。
一般的に、粘度または濃度の高い濾過処理物を扱う場
合にあつては、抜出管13からの排出速度が遅くなる傾向
を有し、これが濾過室10内に堆積して充満され、その濾
過効率を低下させる惧れがあるが、こゝでは、連通管14
を通して外部から濾過室10内へ気体を供給させることに
よつて、この濾材層11を通過した濾過処理物の抜出管13
からの排出を容易にすることができる。
さらにまた、前記装置本体6に対する超音波発振チッ
プ3の貫入部分にあつては、任意に仕切壁16を突出させ
ることにより、濾材層11への超音波の作用を一層効率化
でき、併せて超音波発振チップ3の保持室をして、気体
供給管18から供給されるガス体を保有する気体室17と
し、前記した排出管8での液面調整作用との併用によつ
て、超音波エネルギーを効率よく利用した大型の工業的
超音波濾過装置を具現できるのである。
〔実 験 例〕
続いて、この第1図実施例装置を用いた実験例につい
て述べ、この発明の作用効果を一層明確にする。
実験例1. 前記した第1図に示す実施例装置を用いることによ
り、18wt%のセルロース・水スラリーの超音波濾過を行
なつた。
この場合、超音波発振チップは、円筒形状のものと
し、その下端面の直径が8cmのものを1個使用した。こ
のときの超音波発振エネルギーは、下端面の単位面積当
り約20watt/cm2であつた。
また、気体供給管からは、空気を2000ml/Hrの流量で
供給し、かつ洗浄管からは、同様に空気を2400ml/Hrの
流量で供給した。
さらに、他の条件は次の第1表のように設定した。
この結果は、第2表中に示す通りであつた。
実験例2. 前記した第2図に示す従来例装置を用いて、超音波発
振チップでの下端面の大きさを11×1.4cmとし、かつそ
の下端面の単位面積当りの超音波発振エネルギーを約39
watt/cm2とした他は、前記実験例1の条件通りで、同様
に18wt%のセルロース・水スラリーの超音波濾過を行な
つた。
実験例3. セルロース・水スラリーの濃度を15wt%とした他は、
実験例2と全く同様に行なつた。
これらの実験例1および2場合の結果についても、第
2表中に示す通りであつた。
すなわち、第2表の実験結果によつて明らかなよう
に、18wt%のセルロース・水スラリーの超音波濾過の場
合、従来例装置では全く濾過不能であつたが、実施例装
置においては、その濾過処理量が231.5/Hrと優れた濾
過効率を示した。
また、セルロース・水スラリーの濃度を15wt%に希釈
した場合での従来例装置の結果においてすらも、実施例
装置では1.6倍の濾過効率となり、その優秀性が極めて
明白である。
このように、実施例装置の場合にあつては、少ない超
音波発振での単位面積当りの発振エネルギーによつて、
多量の濾過処理を行ない得ることから、結果的には、小
型で処理能力が大きく低価格による超音波濾過装置の提
供を可能にし得るのである。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、この発明によれば、被濾過物の
供給管および排出管を有する装置本体を設け、この装置
本体内には、回転軸を兼ねて下部内に開口される濾過処
理物の抜出管により、濾過室を鉛直方向で回転可能に支
承させると共に、濾過室の上部表面に平板状をなす濾材
層を配し、かつこの濾材層の少なくとも一部に対向する
ように超音波発振チップを配して構成したから、高粘度
または高濃度のスラリーなどのように流動性の低い濾過
処理物であつても、抜出管からの抜き出し流出作用を容
易かつ良好になし得て濾過処理能力を向上でき、しかも
操作の度毎に濾過処理物を完全に抜き出し、濾過室内に
滞留するような惧れがないことから、濾材層での濾過処
理物の固着による目詰りを生じたりせず、併せて濾材層
の配置構成が極めて簡単で、その着脱が容易であるため
に、たとえ多品種の被濾過物を処理する場合にあつて
も、これらの各被濾過物の銘柄の切り換えを簡単に行な
うことができ、また、超音波発振チップの形状に拘わり
なしに、回転される濾材層とのクリアランスを一定に保
持でき、かつ超音波発振チップに対して濾過室、ひいて
は濾材層を回転駆動させるようにしているために、この
濾材層への超音波照射が非連続化され、これによつて濾
材としての耐用寿命を延長でき、これらの結果として、
小型コンパクトで濾過処理能力の大きい装置構成を安価
に提供し得るのであり、さらに、メンテナンスが容易
で、濾過室の全体を取り外さずに、単に濾材層のみを取
り外すことで、付設されている超音波手段を利用して容
易に洗浄でき、かつコンタミの生じにくい構成であるこ
とから、サニタリー性が要求されるファインなスラリー
中の固形異物の除去ならびに分散濾過が可能であるなど
の優れた特長を有するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を適用した超音波濾過装置
の概要を模式的に示す縦断面構成図であり、また、第2
図は従来例による同上超音波濾過装置の概要を模式的に
示す縦断面構成図である。 1……超音波発生装置、2……発振ホーン、3……超音
波発振チップ、4……支持腕、5……支持台、6……装
置本体、7……被濾過物の供給管、8……被濾過物の排
出管、8a……余剰被濾過物の下部排出管、9……洗浄
管、10……濾過室、11……濾材層、12……回転体壁、13
……濾過処理物の抜出管、14……連通管、15……回転駆
動装置、16……仕切壁、17……気体室、18……気体供給
管。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被濾過物の供給管および排出管を配した装
    置本体と、装置本体内に設けられ、下部内に開口されて
    回転軸を兼ねる濾過処理物の抜出管により鉛直方向で回
    転可能に支承された濾過室と、平板状をなして濾過室の
    上部表面に設けた濾材層と、抜出管を介して濾過室を回
    転駆動させる回転駆動装置と、装置本体の上部から気体
    室内に貫入され、濾材層の少なくとも一部に対向するよ
    うに設けられて、被濾過物中に浸漬される超音波発振チ
    ップとを、少なくとも備えて構成したことを特徴とする
    超音波濾過装置。
  2. 【請求項2】濾過室の上部表面に、抜出管と同一軸心上
    で外部に連通する連通管を設けたことを特徴とする請求
    項1に記載の超音波濾過装置。
  3. 【請求項3】気体室には、気体供給管を設けると共に、
    被濾過物の液面調節機構を配したことを特徴とする請求
    項1に記載の超音波濾過装置。
  4. 【請求項4】濾材層上での被濾過物を常時流動させる手
    段を配したことを特徴とする請求項1に記載の超音波濾
    過装置。
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