JPH0824572B2 - 生物活性を有する組換え真核生物アルカリホスファターゼの製造法 - Google Patents
生物活性を有する組換え真核生物アルカリホスファターゼの製造法Info
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- JPH0824572B2 JPH0824572B2 JP5190503A JP19050393A JPH0824572B2 JP H0824572 B2 JPH0824572 B2 JP H0824572B2 JP 5190503 A JP5190503 A JP 5190503A JP 19050393 A JP19050393 A JP 19050393A JP H0824572 B2 JPH0824572 B2 JP H0824572B2
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Description
る生物活性を有する真核生物の組換えアルカリホスファ
ターゼの製造法に関する。
在する金属酵素であり、アルカリpH値でホスフェートエ
ステル結合の加水分解を触媒する。これらは長い間例え
ば腫瘍関連タンパク質として記載されてきた(Frohland
er, N.S. Millan, J.L. (1991), In vivo 5, 483-488;
McComb et al. (1979), Alkaline Phosphatases, Plen
um Press )。しかし、それらの実際の機能はまだ多く
は知られていない。アルカリホスファターゼは、生物学
的研究ならびに遺伝子工学および医学的診断検査におい
て、例えばエンザイムイムノアッセイの重要な標識酵素
として多くの応用を有する。真核生物アルカリホスファ
ターゼは、通常、記載されている原核生物の酵素に比較
してさらに高い比活性を有している(McComb et al. (1
979), Alkaline Phosphatases, Plenum Press)。さら
に、哺乳類のアルカリホスファターゼ活性は組織特異的
であり、例えば腸上皮(腸)中、胎盤中、腎臓中、骨お
よび肝臓中に存在する(Meyer-Sabellek et al. (198
8), Journal of Chromatography 429, 419-444)。
ファターゼの低コストの組換え生産は、組織からそれを
単離する間に感染(HIV, BSE)の危険を減少させる点に
おいても、また等しく組織からの単離では不均一な酵素
混合物が得られるという問題のためにも大変興味深いも
のである。僅かに可溶性で生物活性のないタンパク質凝
集体(封入体)は、原核生物中における真核生物タンパ
ク質の不均一発現の間にしばしば形成される。多くの場
合において、これらはよく知られた方法を用いてその生
物活性型に戻すことができる(Jaenicke, R. (1979) FE
BS Letters, Vol. 52, 187-198; Rudolph R. (1990), M
odern Methods in Protein and Nucleic Acid Researc
h, 149-171)。この方法において、封入体に存在する該
タンパク質を、強変性剤、例えば尿素、塩酸グアニジン
などの添加によるか、または強酸性剤、例えばグリシン
/リン酸混合物の添加により還元条件下に可溶化し、次
に再生する。
法が最新技術の中に記載されている(例えば、DE 35 37
708 Al, DE 38 35 350 Al, EP-A 0 241 022)。例え
ば、不均一に発現されたタンパク質の精製と再活性化の
ために、一つの方法がEP-A 0 114 506に記載されてい
る。この方法において、封入体に存在する該タンパク質
を強変性剤で溶解し、次にジスルフィド架橋の形成のた
めの酸化条件に該タンパク質が供される弱変性溶媒中に
移すか、もしくは弱変性溶媒中に移す前に、該タンパク
質をスルホン化し、続いて弱変性溶媒の存在下に、還元
型および酸化型のスルフヒドリル試薬による反応でS−
S結合を形成させて再生する。
クローン化されてきたが(Kam et al. (1985), Proc. N
atl. Acad. Sci., USA 82, 8715-8719; Millan J.L.
(1986), J. Biol. Chem. 261, 3112-3115; Henthorn e
t al. (1987), Proc. Natl. Acad. Sci., USA 84, 1234
-1238; Hsu, H.H.T. & Anderson, H.C. (1989), Int.
J. Biochem. 21, 847-851; Millan, J.L. (1988), Ant
icancer Research 8, 995-1004; Harris, H. (1989),
Clinica Chimica Acta 186, 133-150; Smith,A.F. (19
89), Clin. Chem. Enzyme. Comms 2, 1-22; Millan J.
L. (1990), Isozymes: Structure, Function and Use
in Biology and Medicine, 453-475, Wiley-Liss In
c.)、該酵素をその生物活性型にうまく再生させて原核
生物中で発現することはこれまでは不可能であった。
は、原核生物で発現した後の真核生物アルカリホスファ
ターゼの再生方法を提供することにある。
い、真核生物アルカリホスファターゼをコードするDN
A配列を原核宿主細胞中で発現させ、細胞溶解、変性条
件下での可溶化とそれに続く再生(この再生工程は一種
または数種の安定剤の存在下で実施する)により活性型
の該発現産物を単離することによって達成される。
り、アルカリホスファターゼを原核生物での発現後に生
物活性型で得ることができ、特に注目すべきことは、既
に知られている方法とは対照的に、不均一に発現された
アルカリホスファターゼの再生が一種もしくは数種の安
定剤の存在下でのみうまく行なわれることである。本方
法は胎盤アルカリホスファターゼを用いて特に好適に実
施できるが、他のアルカリホスファターゼ例えば子ウシ
腸等のホスファターゼも適することが明らかになってい
る。
ることのできる試薬は、溶液中でタンパク質を安定化す
るもので、例えば合成ポリマー、単糖、オリゴ糖および
多糖、ポリアルコール、塩等である(Gupta, M.N. (199
1), Biotechnology and Applied Biochemistry 14, 1-1
1; Gray, C.J. (1988), Biocatalysis 1, 187-196;Bus
by, T.F. & Ingham, K.C. (1984), Biochem. Biophys.,
Acta 799, 483-488)。これに関連して、本発明では、
硫酸塩、炭水化物またはポリアルコールを単独もしくは
互いに組合わせたものが選ばれる。
硫酸ナトリウムまたは硫酸カリウムまたは硫酸アンモニ
ウムまたはこれらの混合物を安定剤として用いる。この
場合、硫酸ナトリウムは、好適には0.3〜1 mol/lの量
で、特に好適には0.3〜0.6 mol/lの量で用いる。硫酸カ
リウムは、好適には0.1〜0.6 mol/lの量で、特に好適に
は0.1〜0.45 mol/lの量で用いる。硫酸アンモニウムは
好適には0.3〜1 mol/lの量で用いる。
物を安定剤として用いる。この場合、炭水化物を再生混
合物の体積に対して好適には5〜50 % w/vの量で用い
る。ペントース類例えばアラビノース、ヘキソース類例
えばガラクトース、グルコースまたはフルクトース、多
様な二糖類例えばラクトース、マルトースまたはシュク
ロースまたはペントース類の混合物、ヘキソース類の混
合物または/および二糖類の混合物を炭水化物として用
いるのが望ましい。
ポリアルコール、例えばソルビトール、グリセロール、
エリトリトール、イノシトール、エチレングリコールま
たはそれらの混合物を再生混合物の体積に対して5〜50
% w/vの量で用いることもできる。本発明の特に好適な
実施態様において、炭水化物、ポリアルコールまたは/
および硫酸塩の混合物を真核生物アルカリホスファター
ゼの再生に用いることができる。驚くべきことに、この
場合において相乗効果が観察され、よって再生の効率の
向上がもたらされ、個々の成分の加法値を超えるものと
なる。
施例で用いられている標準再生緩衝液の記載は、本発明
の方法での使用に適当と思われる他の組成物を有する緩
衝溶液を除外することを意図するものではない。原核宿
主細胞中のクローン化DNA配列の不均一発現は、現在
の技術水準から公知である。DNA配列の宿主細胞への
導入は、例えばDNA配列の少なくとも一つのコピーを
含むベクターを用いる形質転換により行なうことができ
る。染色体外ベクター(例えばプラスミド)ならびに組
込みベクター(例えばラムダベクター)がこれに適する
が、プラスミドが好適である。原核宿主細胞は、好適に
はグラム陰性の宿主細胞であり、特に好適には大腸菌細
胞である。遺伝子クローニングと宿主細胞の形質転換の
多様な手法に関しては、Sambrook et al.を参照(Molec
ular Cloning. A Laboratory Manual (1989), Cold Sp
ring Harbor Laboratory Press)。
ホスファターゼを得るための本発明の方法における形質
転換宿主細胞の培養は、DNA配列の発現に好ましい条
件下で行なう。好適な実施態様において、DNA配列は
誘導物質の添加または温度の上昇により誘導することが
できる制御可能なプロモーターに作動可能(operativel
y)に連結する。更に、ホスファターゼ遺伝子を含むベ
クターに加えて、更に、発現を向上させる補助ベクター
が宿主細胞(例えばpUBS 500)中に存在することが望ま
しいであろう。組換え胎盤アルカリホスファターゼの製
造に特に好適なベクターはプラスミドpPLAP(DSM 709
4)である。
べての方法、例えば、超音波、高圧分散またはリゾチー
ムを用いて実施できる。この細胞溶解は、中性〜弱酸性
のpH値を設定するために適当な緩衝溶液、例えば0.1 mo
l/lのトリス塩酸中で行なうのが好ましい。次に、この
溶解した細胞を好適には遠心または濾過により可溶分画
と不溶分画に分ける。アルカリホスファターゼは通常は
封入体の形の不溶分画またはペレット中に存在する。封
入体の形で存在するアルカリホスファターゼタンパク質
と干渉せず、かつ出来るだけ外来タンパク質などの不純
物を溶解する試薬で該ペレットを洗浄した後に、ペレッ
トを公知の方法による可溶化操作(可溶化、還元)に供
する。可溶化は、アルカリpH範囲、特にpH 8で還元剤お
よび高濃度の変性剤、好適には8 mol/lの尿素の存在下
で行なうのが望ましい。この可溶化は、例えば室温で少
なくとも2時間実施してもよい。可溶化の終了後、HCl
の添加によりpH値を好適には3−4の値に調整し、不溶物
質を公知の方法でそれに続く精製工程で分離する。使用
する還元剤は後に変性剤に対する透析により除去するこ
とが望ましい。
が一種または数種の上記安定剤の存在下で実施すること
にある。本方法において、塩酸グアニジンまたは尿素な
どのカオトロピック(chaotropic)(すなわち変性)試薬
の本質的に不存在下(≦50 mmol/l)で再生を行なうこ
とが望ましい。しかし、変性効果を持たないそれよりも
高い濃度のカオトロピック試薬(例えば800 mmol/l以下
の尿素)でさえ、前記の安定剤が同時に存在するとき
は、低い再生効率が観察されるものの本発明によりアル
カリホスファターゼを再生することができることが分か
った。
れば、この再生工程はすべての公知および通常の操作に
従って実施できる。従って、本発明による方法におい
て、EP-A 0 241 022から公知のパルス再生方法を用い、
かつ同時に混合ジスルフィドによるDE 3 835 350 A1に
開示の方法、またはジスルフィドとメルカプタンとの直
接の反応を用いことができる。しかし、その実施にあた
り、個々の工程またはすべての工程をここで説明された
プロセス設計を考慮に入れた手順で実施するのが得策で
あろう。
℃、特に好適には20℃において行なう。好適に用いられ
る再生緩衝液は、トリス塩酸緩衝液を0.1〜0.3 mol/lの
量で含有し、pH値が6〜10、好適には7〜9を有し、最も
好適な実施態様においては、約8のpH値を有し、マグネ
シウムイオンと亜鉛イオンを0.1〜200 mmol/l(塩化マ
グネシウム)と0.01〜0.5 mmol/l(塩化亜鉛)の量で含
有する。再生混合物中のマグネシウムイオンの量は好適
には10 mmol/lであり、亜鉛イオンは0.1 mmol/lであ
る。該再生混合物はさらにスルフヒドリル試薬を好適に
は0.1〜10 mmol/l、特に好適には2〜5 mmol/lの濃度で
含有するのが好ましい。本発明の方法における好適なス
ルフヒドリル試薬は、還元型または/および酸化型のグ
ルタチオンである。
とのできる真核生物の組換え非グリコシル化アルカリホ
スファターゼに関するものである。組換えアルカリホス
ファターゼの比活性は、最初の粗精製の後では約 1000
U/mgである。この比活性はさらに後の精製段階により約
2〜3倍増加させることができる。
び配列表の配列番号1〜3と関連させて更に説明する。
表1は、Na2SO4濃度に対する再生効率の依存性を示す。
表2は、K2SO4または(NH4)2SO4濃度に対する再生効率の
依存性を示す。表3は、ガラクトース、グルコースおよ
びフルクトース、ラクトース、マルトース、シュクロー
ス、ソルビトール、グリセロール、エチレングリコール
およびアラビノースに対する再生効率の依存性示す。表
4は、再生効率に対するグリセロールおよびK2SO4の効
果を示す。表5は、pH値に対する再生効率の依存性を示
す。
性を示す。表7は、GSSG濃度に対する再生効率の依存性
を示す。表8は、等モル比のGSH/GSSGにおけるGSHおよ
びGSSG濃度に対する再生効率の依存性を示す。表9は、
ZnCl2濃度に対する再生効率の依存性を示す。表10
は、MgCl2濃度に対する再生効率の依存性を示す。表1
1は、再生効率に対する温度の影響を示す。
いるプライマー(1)を示す。配列番号2は、PLAP構造遺
伝子の増幅に用いるプライマー(2)を示す。配列番号3
は、PLAP構造遺伝子の増幅に用いるプライマー(3)を示
す。
9年7月13日に、Mascheroder Weg 1b, D-3300 Braunschw
eigに所在の"Deutsche Sammlung fur Mikroorganismen
undZellkulturen GmbH (DSM)" に受託番号DSM 5445で寄
託されている。プラスミド混合物 pPLAP/pUBS500は、19
92年6月3日に受託番号DSM 7094で同寄託機関に寄託され
ている。 使用した略号: AP: アルカリホスファターゼ DTE: ジチオエリトリトール GSH: 還元型グルタチオン GSSG: 酸化型グルタチオン IBs: 封入体 mucosa-AP: 子ウシ腸のアルカリホスファターゼ PLAP: 胎盤アルカリホスファターゼ RT: 室温 ON: 一晩
(1986), J. Biol. Chem. 261, 3112-3115)から約2 kb
pのEcoRI/KpnI断片として単離し、前もってEcoRIとKpnI
で消化しておいた約2.85 kbpのPromega社から購入したp
GEM3ベクターに結合させた。
フェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子(CA
T)が除去されているDiagen社(Dusseldorf)からのプ
ラスミドpQE-6の誘導体(pDS56/RBSII, Nco1)である。
このプラスミドpDS56/RBSII について、Nco1を制限エン
ドヌクレアーゼNheIおよびXbaIで消化し、約2.6 kbpのN
heI/XbaI ベクター断片を単離し、NheIとXbaI切断部位
の適合末端を連結反応により連結した(構築物: pD-N
X)。
55, 335-350)を用いる2つの部分反応でPLAP構造遺伝
子を塩基対位置105〜1556(1986年Millanの刊行物に準
じたナンバリング)から増幅した。PLAP構造遺伝子がPC
R反応後に適当な制限エンドヌクレアーゼ切断部位(5'
末端: BspHIおよび3'末端: HindIII)に隣接するように
PCRプライマーを選択した。その後に先に得られた2つ
のPCR断片からPLAP構造遺伝子を3断片連結(three frag
ment ligation) で構築し、大腸菌ベクターpD-NX中に挿
入した。以下のプライマー対(1)と(2)(配列番号1およ
び配列番号2を参照)および鋳型DNAとしてプラスミドp
GEM3-PLAPをN末端PLAP構造遺伝子の増幅に用いた。
列番号3を参照)および鋳型DNAとしてプラスミドpGEM3
-PLAPを残りのPLAP構造遺伝子の増幅に用いた。
PstIで再切断し、約90 bpのBspHII/PstI断片を単離し
た。第2反応の約1.48 kbpのPCR生成物をPstIとHindIII
により消化し、約1.39 kbpのPstI/HindIII断片を単離し
た。その後にPCR断片を約2.55kbpのNcoI/HindIII-pD-NX
ベクター断片中に連結した(3断片連結)。所望のプラ
スミドpPLAPを制限地図の作成により同定し、部分的な
配列決定を行なった(クローニング連結(cloning junct
ions))。
D 8654のメチオニン復帰突然変異体(Murray, N.E. (19
77), Mol. Gen. Genet. 150, 53-61))をPLAP発現プラス
ミドpPLAP(アンピシリン耐性)とlacIリプレッサープ
ラスミドpUBS500(カナマイシン耐性; 調製および記
載は、EP-A 0 373 365参照)を用いて形質転換した。RM
82/pUBS500/pPLAP細胞を50 mg/lのアンピシリンおよび5
0 mg/lのカナマイシンを含むDYT培地(1 % (w/v) 酵母
エキストラクト、1 % (w/v) バクトトリプトン、Difc
o、および0.5 % NaCl)を550 nmにおける光学濃度が0.6
〜0.9になるまで生育させ、次にIPTG(最終濃度1〜5 mm
ol/l)により誘導させた。4〜8時間の誘導期の後に、細
胞を遠心により集め、25 mmol/lのトリス塩酸緩衝液、p
H 7.5で洗浄して次の処理まで−20℃で保存した。
/pPLAP細胞)を0.25 mlの10 mmol/lのリン酸緩衝液、pH
6.8(1 mmol/lのEDTAを含む)に再懸濁し、細胞を超音
波処理により溶解した。遠心後、1/5体積分の5×SDS試
料緩衝液(1×SDS試料緩衝液: 50 mmol/l Tris-HCl, p
H 6.8, 1 % SDS, 1 %メルカプトエタノール, 10 % グリ
セロール, 0.001 % ブロモフェノールブルー)を上清に
加えた。6〜8 mol/lの尿素を含有する0.3 mlの1×SDS
試料緩衝液に前記不溶細胞デブリ分画を再懸濁し、これ
ら試料を5分間95℃にてインキュベートし、遠心した。
その後タンパク質をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳
動(PAGE)(Laemmli, U.K. (1970), Nature 227, 680-
685)で分離し、クーマシーブリリアントブルーR染料
で染色した。更に、電気泳動で分離した該タンパク質を
ニトロセルロースフィルター上に移し、固定し(Towbi
n, H. (1979), Proc. Natl., Acad. Sci. USA 76, 435
0)、PLAP免疫反応性のあるタンパク質を特異的な抗PLA
P抗血清を用いて検出した。大腸菌中で合成されたPLAP
タンパク質は均一であり、これは不溶性の細胞デブリ分
画(IB's)のみに見出された。短いPLAP断片は、SDS-PA
GEとウエスタンブロット分析によっては検出できなかっ
た。PLAPの全IBタンパク質に対する比率は約30〜50 %で
あった。
の0.1 mol/lのトリス塩酸緩衝液(pH 7.0)に4℃でUlt
raturrax(10000 rpm)を用いてホモジナイズした。7.5
mgのリゾチーム(細胞材料 1 gあたり1.5 mgのリゾチ
ーム)を加えてUltraturraxで短時間混合した後、該調
製物を30分間4℃でインキュベートした。その後、高圧
分散を用いて機械的に細胞を完全に溶解した。(2 mmol
/lの最終濃度までの)MgCl2と(1 mg/100 mlの最終濃度
までの)DNAseの添加により30分間25℃でDNAを消化し
た。次に0.5容量部の60 mmol/lのEDTA、6 %トリトンX1
00、1.5 mol/lのNaCl、pH 7.0を該溶解溶液に加え、さ
らに30分間4℃でインキュベートした。その後、Sorvall
遠心機(SS34/20000 rpm/10分間/4℃)を用いる遠心に
より不溶成分(細胞デブリとIBs)を沈降させた。得ら
れたペレットを40 mlの0.1mol/lのトリス塩酸緩衝液、p
H 6.5(20 mmol/lのEDTAを含む)中でUltraturraxを用
いて再懸濁させ、上記のように再び遠心した。この遠心
で得られたペレットをPLAP-IBsとした。
100 mmol/lのDTEの存在下の3 mlの0.1 mol/lのトリス塩
酸緩衝液、pH 8.0(8 mol/lの尿素を含む)(RT)中に懸
濁した。次に、該可溶化混合物のpH値を塩酸にて3.0〜
4.0に調整し、不溶成分を遠心で除去した。上清を室温
で2×2時間、4℃で一晩で一回そして再び室温で1×2時
間、8 mol/lの尿素(5 mmol/lの塩酸を含む)pH約4.0
(透析緩衝液はそれぞれの場合で約500 ml)に対して透
析し、還元剤 DTEを完全に除去した。該可溶化混合物の
タンパク質濃度は、約 2.5 mg/mlであった。それぞれの
可溶化混合物のアリコットは、必要であれば−70℃で少
なくとも2週間保存することができた。
化物または変性混合物(実施例4を参照)を再生緩衝液
中で1:200に希釈して開始した。再生混合物中のアルカ
リホスファターゼの最終濃度は、≦10 μg/mlであっ
た。ジスルフィド架橋の正確な形成を促進するために、
すべての再生混合物は還元型グルタチオン(GSH)と酸
化型グルタチオン(GSSG)の混合物を含んでいた。特に
断らない限り、再生調製物は20℃の一定温度に保った。
実施例1〜4で得られたPLAPまたは子ウシ腸からの市販
のAPを実施例4の「可溶化」に従って前処理して再生の
ために用いた。本質的には同じ結果が両酵素で得られた
ので、PLAPを用いて得られた結果を以下に代表例として
記載する。
スフェートの切断を分光計でモニターする通常の酵素試
験における活性により決定した(Bretaudiere,J.-P. an
d Spillman, T. (1984), Methods of Enzymatic Analys
is, VCH, 75-82)。
n and Nucleic Acid Research, Walter de Gruyter, Be
rlin, N.Y., p. 149-171)に記載の提案を再生緩衝液の
ための指針として用いるときは、APを再生することはで
きない(標準緩衝液については下記を参照)。 標準緩衝液: 0.1 mol/l Tris-HCl/pH 8.0 10 mmol/l MgCl2 0.1 mmol/l ZnCl2 5 mmol/l GSHまたは4 mmol/l GSH 1 mmol/l GSSGまたは2 mmol/l GSSG
を希釈した。表1から分かるように、PLAPは再生混合物
中で0.3 mol/lのNa2SO4濃度からうまく再生することが
でき、再生効率もNa2SO4濃度の増加とともに増加してい
る。 再生緩衝液: 0.1 - 0.6 mol/l Na2SO4 0.2 mol/l Tris-HCl/pH 8.0 10 mmol/l MgCl2 0.1 mmol/l ZnCl2 4 mmol/l GSH 2 mmol/l GSSG 変性時間: 20時間または40時間。
含む再生緩衝液に希釈した。両成分は、その濃度に依存
してPLAPの十分な再生を可能にする(表2を参照)。 再生緩衝液: 0 - 1.4 mol/l (NH4)2SO4 または0 - 0.6 mol/l K2SO4 0.2 mol/l Tris-HCl/pH 8.0 10 mmol/l MgCl2 0.1 mmol/l ZnCl2 4 mmol/l GSH 2 mmol/l GSSG 変性時間: 約90時間
に存在させることにより、PLAPの再生が可能になる。個
々の炭水化物の濃度に対する再生効率の依存性を系統的
に調べた。これらの結果を表3に要約した。このことか
ら試験物質のガラクトース、グルコース、フルクトー
ス、ラクトース、マルトース、シュクロース、ソルビト
ール、グリセロール、エチレングリコールおよびアラビ
ノースの存在下において再生効率が向上することが分か
る。さらに、向上した再生効率が、エリトリトールおよ
びイノシトールについて見られた(数字は示さず)。 再生緩衝液: 0 - 40 % (W/V) D(+)ガラクトース D(+)グルコース D(-)フルクトース β-ラクトース、マルトース1水和物、 シュクロース、ソルビトール、 グリセロール、エチレングリコール、 またはL(+)アラビノース 0.2 mol/l Tris-HCl/pH 8.0 40 mmol/l MgCl2 0.1 mmol/l ZnCl2 4 mmol/l GSH 4 mmol/l GSSG 変性時間: 約40時間
わせたときの相乗効果 炭水化物/ポリアルコールと硫酸
塩の組合せが再生効率に与える効果は相乗的である。こ
れら2種類の物質のそれぞれの一つの代表物質を再生緩
衝液に存在させることにより、1種類の物質を単独で用
いたときにもたらされる再生効果よりも高い効果が得ら
れる。K2SO4およびグリセロールに関してこれらの結果
を表4に要約する。 再生緩衝液: 0 - 30 % (W/V) グリセロール (0 mol/l, 0.09 mol/lおよび0.18 mol/lのK2SO4の存在
下) 0.2 mol/l Tris-HCl/pH 8.0 40 mmol/l MgCl2 0.1 mmol/l ZnCl2 4 mmol/l GSH 4 mmol/l GSSG 再生時間: 約40時間
再生のための最適pH値は、Na2SO4のすべての試験濃度
(0.1〜0.6 mol/l; 0.1および0.2 mol/lのデータは示さ
ず)で8.0の領域にある。 再生緩衝液: 0.1 - 0.6 mol/l Na2SO4 0.2 mol/l Tris-HCl, pH 7.25-8.5 10 mmol/l MgCl2 0.1 mmol/l ZnCl2 4 mmol/l GSH 4 mmol/l GSSG 変性時間: ≧40時間
依存性を表6〜表8に示す。 再生緩衝液: 0.2 mol/l Tris-HCl/pH 8.0 10 mmol/l MgCl2 0.1 mmol/l ZnCl2 0.6 mol/l Na2SO4 変性時間: 20時間または90時間 表6は、GSH濃度を変えてGSSG濃度を一定(4 mmol/l GS
SG)にしたときの再生効率を示す。表7は、GSSG濃度を
変えてGSH濃度を一定(4 mmol/l GSH)にしたときの再
生効率を示す。表8は、GSSG濃度およびGSH濃度を変
え、かつ再生緩衝液中でGSHとGSSGを当モル量としたと
きの再生効率を示す。
(例えばZnCl2)およびMg2+イオン(例えばMgCl2)によ
り顕著に向上する。表9はZnCl2濃度を変えたときの再
生効率を示す。 再生緩衝液: 0 - 0.5 mmol/l ZnCl2 0.2 mol/l Tris-HCl/pH 8.0 10 mmol/l MgCl2 4 mmol/l GSH 4 mmol/l GSSG 0.6 mol/l Na2SO4 変性時間: 20時間または90時間 表10はMgCl2濃度を変えたときの再生効率を示す。 再生緩衝液: 0 - 180 mmol/l MgCl2 0.2 mol/l Tris-HCl/pH 8.0 0.1 mmol/l ZnCl2 4 mmol/l GSH 4 mmol/l GSSG 0.6 mol/l Na2SO4 変性時間: 20時間または90時間
れたホールディング活性化物質について調べた。15℃か
ら30℃までのすべての試験範囲で十分な再生が起こっ
た。使用したいくつかのホールディング活性化物質の結
果を表11に要約する(Na2SO4、K2SO4、(NH4)2SO4、ソ
ルビトールおよびグリセロール)。
依存性
依存性
再生効率の依存性 Gal: D(+)-ガラクトース、Glu: D(+)-グルコース、Fru:
D(-)-フルクトース、Lac: β-ラクトース、Mal: マル
トース、Suc: シュクロース、Sor: ソルビトール、Gl
y: グリセロール、Eth: エチレングリコール、Ara: L
(+)-アラビノース
効果
対する再生効率の依存性
ハー (B)通り:サンドホファーシュトラーセ 116 (C)都市:マンハイム (D)国:ドイツ連邦共和国 (E)郵便番号:D-6800 (ii)発明の名称:生物活性を有する組換え真核生物ア
ルカリホスファターゼの製造法 (iii)配列の数: 3 (iv)コンピュータ読取り可能形態: (A)媒体型:フロッピーディスク (B)コンピュータ:IBM PC互換機 (C)操作システム:PC−DOS/MS−DOS (D)ソフトウェア:パテントイン リリーズ#1.
0,バージョン#1.25(EPA) (vi)先行出願データ: (A)出願番号:DE P 42 24 427.2 (B)出願日:31−Jul−1992 (2)配列番号1の情報 (i)配列の特徴: (A)配列の長さ:33塩基対 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (xi)配列の記載:配列番号1:
Claims (12)
- 【請求項1】 真核生物アルカリホスファターゼをコー
ドするDNA配列を原核宿主細胞中で発現させ、該発現
産物を細胞溶解、変性条件下での可溶化およびそれに続
く再生によって単離するに際し、該再生工程を一種また
は数種の安定剤の存在下に行なうことを特徴とする、生
物活性を有する組換え真核生物アルカリホスファターゼ
の製造法。 - 【請求項2】 硫酸塩を安定剤として用いることを特徴
とする、請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 硫酸ナトリウムを0.3−1 mol/l、硫酸カ
リウムを0.1−0.6 mol/lまたは硫酸アンモニウムを0.3
−1 mol/lの量で用いることを特徴とする、請求項2記
載の方法。 - 【請求項4】 炭水化物を安定剤として用いることを特
徴とする、請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 炭水化物を再生混合物の体積に対して5
−50 % w/vの量で用いることを特徴とする、請求項4記
載の方法。 - 【請求項6】 2つ以上の炭素原子を有するポリアルコ
ールを安定剤として用いることを特徴とする、請求項1
記載の方法。 - 【請求項7】 ポリアルコールを再生混合物の体積に対
して5−50 % w/vの量で用いることを特徴とする、請求
項6記載の方法。 - 【請求項8】 硫酸塩、炭水化物または/およびポリア
ルコールの混合物を安定剤として用いることを特徴とす
る、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項9】 再生工程を亜鉛イオンおよびマグネシウ
ムイオンの存在下で行なうことを特徴とする、前記請求
項のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項10】 再生工程をスルフヒドリル試薬の存在
下で行なうことを特徴とする、前記請求項のいずれか1
項に記載の方法。 - 【請求項11】 プラスミドpPLAP(DSM 7094)をベク
ターとして用いることを特徴とする、請求項10記載の
方法。 - 【請求項12】 次の性質および構造を有する請求項1
−11のいずれか1項に記載の方法により得ることので
きる組換え真核生物アルカリホスファターゼ: (1)作用:ホスフェートエステル結合を加水分解す
る; (2)最適pH:アルカリ性pH; (3)比活性:1,000〜3,000U/mg; (4)非グリコシル化形態である。
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