JPH08245610A - 無水マレイン酸の製造法 - Google Patents
無水マレイン酸の製造法Info
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- JPH08245610A JPH08245610A JP7327070A JP32707095A JPH08245610A JP H08245610 A JPH08245610 A JP H08245610A JP 7327070 A JP7327070 A JP 7327070A JP 32707095 A JP32707095 A JP 32707095A JP H08245610 A JPH08245610 A JP H08245610A
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- C07C57/13—Dicarboxylic acids
- C07C57/145—Maleic acid
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Abstract
でき、触媒本来の持つ性能を流動層反応器に於いて十分
に発揮することが可能となる。 【解決手段】 炭素数4以上の脂肪族炭化水素を流動層
反応器を用いて気相酸化して無水マレイン酸を製造する
方法において、バナジウム−リン系複合酸化物を活性成
分とする無水マレイン酸製造用酸化触媒を充填した流動
層反応器底部から(1)不活性ガス、又は(2)酸素含有ガ
ス、及び該酸素含有ガス中の酸素供給量に対して0.1
〜10モル%の供給量で、かつ触媒に対して重量比0.
001〜0.1hr-1の割合で該炭素数4以上の脂肪族
炭化水素ガスの混合ガスを供給して該触媒の流動層を形
成させつつ、該流動層の温度を少なくとも300℃から
400℃にする昇温操作、及び/又は少なくとも400
℃から300℃にする降温操作を行うことを特徴とする
無水マレイン酸の製造法。
Description
水マレイン酸を製造する方法に関する。詳しくは、n−
ブタン、ブテン、ブタジエン等の炭素数4以上の脂肪族
炭化水素からの無水マレイン酸の製造に有用な流動層酸
化触媒の活性低下を抑制し、無水マレイン酸を安全に製
造する方法に関するものである。
分とする酸化触媒は、n−ブタンのような炭素数4以上
の脂肪族炭化水素から無水マレイン酸を製造する際に利
用されてきた。それ等の例として例えば米国特許第45
25471号、同第4374043号、同第44554
34号、同第4317778号、同第4510258
号、同第4511670号、欧州特許明細書第2250
62号、米国特許第4374756号、同第45201
27号、同第4472527号明細書等に記載の方法を
挙げることができる。
合には、経時的に活性低下が起こるため、反応を一時中
断して触媒を水蒸気流と接触させて触媒活性の再生を行
うのが一般的である(特開昭60−143832号公
報、米国特許第4515899号明細書参照)。また、
0.2〜2容量%の低濃度炭化水素を含む空気の流れの
もとで、300〜600℃で「コンディショニング」す
ることも知られている(米国特許第4171316号明
細書参照)。さらに混合バナジウムおよびリン酸化物触
媒上に分子状酸素の排除のもとに、2〜6個の炭素原子
を有するガス状炭化水素成分を通し、300〜500℃
で触媒を活性化することも知られている(米国特許第4
178298号、同第4181628号明細書参照)。
場合は反応を停止することなく、随時、反応器内部の触
媒の補給および抜き出しが可能なため、反応器内に充填
されている触媒と同一の新触媒を活性の低下に見合って
少量ずつ随時または連続的に補給し、あるいは該反応器
内の触媒量を一定に保持するため、触媒の一部を抜き出
すことによって、触媒活性を概ね一定に維持することが
可能になる。従って流動層反応器を使用して無水マレイ
ン酸を製造する場合は、決められた条件下で定常状態で
連続稼働する限りにおいては触媒の活性低下が起こるこ
とは少なく、例え活性低下が起こっても操業に支障をき
たすような急激な低下は起こらない。
触媒の活性再生方法も提案されている。例えば、触媒を
反応器中で酸素と炭化水素等の還元性ガスの存在下(好
ましくは還元性ガス=対酸素30モル%以上)、400
〜550℃の高温条件で接触させ、活性化することが開
示されている(特開昭58−114735号公報、US
P4748140明細書参照)。
蒸気処理して再生、賦活処理し、再び反応器に戻すこと
も開示されている(特開平4−316567号、特開平
5−43567号公報等参照)。ところで、通常工業的
規模の流動層反応器で気相酸化反応により無水マレイン
酸を製造する場合は、一般に、流動層反応器内にバナジ
ウム−リン系複合酸化物を活性成分とする酸化触媒を充
填し、該反応器底部のガス分散板の下方から空気を供給
し、触媒を流動化させて分散板の上方に触媒の流動層を
形成させ、「スタートアップヒ−タ−」と称する外部加
熱装置によって空気を昇温することによって流動層の温
度を気相酸化反応が起こり得る温度(250℃)まで昇
温した後、炭素数4以上の脂肪族炭化水素を供給し、気
相酸化反応を開始している。このような停止状態から定
常状態への移行期間(反応開始)および定常状態から停
止状態へ移行する期間(反応停止)のような非定常状態
期間にも触媒の活性低下は起こり、この場合は、流動層
反応器内のすべての触媒が短期間に劣化する恐れがある
ので、この触媒の活性低下を抑制し、しかも安定的に非
定常状態から定常状態へ移行することが望まれている。
ガスの存在下に該反応器内で400〜550℃で活性化
する方法や、外部抜き出し触媒を再生、賦活処理する方
法は、非定常状態の触媒の活性劣化を抑制するものでは
ない。
ば、バナジウム−リン系複合酸化物を活性成分とする酸
化触媒を300℃以上に加温された空気等の酸素含有ガ
ス雰囲気下に長時間晒した場合、著しい活性低下と流動
性の悪化が認められた。従って、流動層反応器で反応を
行う場合の非定常状態期間に、触媒の活性低下を抑制す
る方法が求められている。
温度と圧力の条件において可燃範囲となることを回避す
るよう設定すべきであるが、流動層反応器の出口ガスを
直接サンプリングする場合、微細な触媒粒子によるサン
プルノズルの閉塞防止用に触媒フィルタ−等の設備を設
置しても安定的に連続分析することは難しい。さらに反
応で生成した無水マレイン酸や水がサンプルノズル内や
分析機器内で凝縮し、マレイン酸やフマル酸の析出を起
こすため、定常状態期間だけでなくスタ−トアップ(反
応開始)時のような非定常状態期間においては、特に流
動層反応器出口ガスの正確なサンプリング・分析を行
い、該ガス組成が可燃範囲外にあることを連続的に監視
するのは極めて難しい。
界酸素濃度との関係から明らかである。例えばブタン
(99%純度)をバナジウム−リン系複合酸化物を含有
する触媒を用いたときの気相酸化反応を、反応時のブタ
ン濃度約4%、反応温度400〜460℃、ブタン変換
率80〜98%、無水マレイン酸收率48〜56%の条
件で実施し、反応器から抜き出した反応生成ガス(反応
器を出たガスの温度は250〜350℃)中の触媒を触
媒フィルターで分離した後、反応生成ガスを予熱した容
積1リットルの爆発容器に導入して、15KV交流スパ
ーク(0.01秒)で点火し、限界酸素濃度(=燃焼の
起こる酸素濃度の下限値、爆発容器の温度350〜45
0℃)を測定した結果が、特開平2−19370号参考
例−1に記載されている。(下記表−1参照)
反応器出口ガスの温度が250〜350℃程度であるこ
とを考慮すると、流動層反応器出口の反応生成ガス組成
のうち、可燃ガス成分(炭素数4以上の炭化水素成分、
無水マレイン酸及び一酸化炭素等)とを除いたガス組成
中の酸素濃度を監視し、その濃度を6vol%以下とす
ることにより、可燃範囲から外れたガス組成で安全に操
業することが可能である。
イン酸製造用触媒の活性低下を抑制した上で、反応生成
ガスの安全性を確保し、かつ安定した操作で非定常状態
から定常状態へ移行、及び非定常状態から定常状態へ移
行することが可能な方法を提供しようとするものであ
る。
の脂肪族炭化水素を流動層反応器を用いて気相酸化して
無水マレイン酸を製造する方法において、バナジウム−
リン系複合酸化物を活性成分とする無水マレイン酸製造
用酸化触媒を充填した流動層反応器底部から(1)不活性
ガス、又は(2)酸素含有ガス、及び該酸素含有ガス中の
酸素供給量に対して0.1〜10モル%の供給量で、か
つ触媒に対して重量比0.001〜0.1hr-1の割合
で該炭素数4以上の脂肪族炭化水素ガスの混合ガスを供
給して該触媒の流動層を形成させつつ、該流動層の温度
を少なくとも300℃から400℃にする昇温操作、及
び/又は少なくとも400℃から300℃にする降温操
作を行うことを特徴とする無水マレイン酸の製造法を提
供するというものである。
状態で、不活性ガス流通時、又は300℃以上に加温さ
れた酸素含有ガス雰囲気下で昇温又は降温を行なう場合
でも、炭素数4以上の脂肪族炭化水素の供給量を酸素供
給量に対して上記の特定の範囲とした酸素含有ガスとの
混合ガスを流通した時には、該触媒の活性低下は見られ
ず、流動性も良好であることがわかった。
本発明で使用する原料炭化水素としては、炭素数4以上
の脂肪族炭化水素が使用される。好適な原料炭化水素は
ブタン(例えばn−ブタン)、ブテン類(例えば1−ブ
テン、2−ブテン)、ブタジエン(例えば1,3−ブタ
ジエン)等の炭素数4の炭化水素であり、より好適には
n−ブタンである。
れるが、不活性ガスで希釈された空気、酸素を加えて富
化された空気等を使用することもできる。また、不活性
ガスとしては、窒素、二酸化炭素、水蒸気およびそれら
の混合物の少なくとも一つから選ばれる不活性ガスを使
用することができるが、好ましくは窒素を主体とするガ
スである。
は、例えば図1に示される、反応器底部に触媒流動層の
下端を画するためのガス分散板(2)を備え、また反応
器頂部に反応生成ガスから飛散した触媒を回収して触媒
流動層に戻すためのサイクロン(12)を備え、さらに
流動層の下部領域であってガス分散板から上方に離れた
位置に原料炭化水素供給口(7)を備え、流動層の下部
領域、例えばガス分散板(2)と上記炭化水素供給口
(7)との間またはその付近の位置にサイクロン(1
2)で回収された触媒の実質的部分を触媒流動層に戻す
ためのディップレッグ(15)の下端(16)を備え、
流動層領域には除熱のための間接熱交換装置、例えば除
熱コイル(6)を備えていることが望ましい。かかる反
応器としては、より具体的には特開平2−19370号
公報に記載の反応器等が例示される。
ム−リン系複合酸化物を活性成分とする酸化触媒であっ
て、流動層反応器で使用可能なものであれば、特に限定
はないが、特にバナジウムの平均原子価が約+3.8〜
+4.8である触媒は、本発明に使用する触媒として適
しており、またリン/バナジウム原子比が約0.5〜
2.0を有する複合酸化物が適している。そのような触
媒の活性相は、主に(VO) 2P2O7 であり、V4+とV5+との
間のレドックスにより反応が進行することや、V 4+の存
在が無水マレイン酸を生成する収率に寄与することが知
られている。また触媒中には3価まで還元されたバナジ
ウム元素も一部含むため、触媒中の全てのバナジウムを
4価に換えた当量(ΣV値)と触媒中の4価のバナジウ
ムとの当量比(V4+/ΣV値)を還元度として評価す
る。なお、この還元度の値を触媒活性の変化のめやすと
することができる。
触媒の流動層の温度が少なくとも300℃から400℃
に昇温する間、及び又は400℃から300℃に降温す
る間に、特には少なくとも300℃から400℃に昇温
する間には必ず、酸化触媒を充填した流動層反応器内
に、該反応器底部のガス分散板の下方から(1)不活性ガ
ス、又は(2)酸素含有ガス、及び該酸素含有ガス中の酸
素供給量に対して0.1〜10モル%の供給量で、かつ
触媒に対して重量比0.001〜0.1hr-1の割合で
該炭素数4以上の脂肪族炭化水素ガスの混合ガスを供給
するというものである。
通常高生産性を得るために、反応生成ガス組成を可燃範
囲の上限以上になるようにしており、逆に昇温又は降温
操作を行う非定常状態時には、反応生成ガス組成を可燃
範囲のガス組成の下限以下になるようにして実施する。
しかし流動層の温度が昇温あるいは降温操作により反応
温度の400〜460℃に到達した直後に、反応生成ガ
ス組成を可燃範囲の下限から上限へ移行させるために、
単に炭化水素供給量の増減だけで組成を変化させようと
すると、その過程で反応生成ガス組成は可燃範囲内を通
過することにより、爆発等の危険を伴うので、通常の工
業的規模の装置で実施することは殆ど不可能である。そ
こで本発明では、非定常状態から定常状態、あるいは定
常状態から非定常状態に移行する場合には、反応器出口
(図1(14a))の反応生成ガス組成が可燃範囲を迂
回するように調整して、該反応生成ガスが可燃範囲のガ
ス組成を形成せずに移行させることが好ましい。
降温操作の前に、流動層の温度が400〜460℃の範
囲において、流動層反応器底部から供給する酸素含有ガ
スと炭素数4以上の脂肪族炭化水素ガスとの混合ガス濃
度を、流動層反応器に供給する酸素含有ガス中の酸素量
に対して10モル%から19モル%に増加させるか、又
は19モル%から10モル%に減少させるために、(A)
該酸素含有ガスと炭化水素ガスとの混合ガス中に不活性
ガスを導入するか、(B)流動層反応器から抜き出した反
応生成ガスから無水マレイン酸を回収した後の残りのガ
スの一部を再度流動層反応器に導入するか、又は(C)流
動層反応器に供給する前に該酸素含有ガス中で燃料を燃
焼させることにより、流動層反応器底部から供給される
全ガス中の酸素濃度を増減させ、これにより反応生成ガ
スが可燃範囲のガス組成を形成せずに、非定常状態から
定常状態へ、または定常状態から非定常状態へ移行する
ことができる。
層反応器底部から供給する炭素数4以上の脂肪族炭化水
素ガス濃度を、流動層反応器に供給する酸素含有ガス中
の酸素量に対して10モル%から19モル%に増加させ
た後、又は19モル%から10モル%に減少させる前
に、流動層反応器中の炭素数4以上の脂肪族炭化水素ガ
ス濃度を、流動層反応器に供給する酸素含有ガス中の酸
素量に対して19〜30モル%の範囲とし、流動層反応
器から抜き出した反応生成ガス組成のうち可燃ガス(炭
素数4以上の脂肪族炭化水素、無水マレイン酸及び一酸
化炭素等)を除いたガス中の酸素濃度を6vol%以下
とし、流動層の温度を400〜460℃の範囲とし、か
つ流動層反応器中の圧力を0.1〜3.0kg/cm2
Gの範囲に維持して、本発明の気相酸化反応を行う。
除いたガスを連続的に分析する方法としては、該反応生
成ガスの一部を取り出して大量の水もしくは有機溶媒と
接触させて無水マレイン酸と水を除去した後に該ガスの
サンプルを常温以下まで冷却し、ガスクロマトグラフィ
ーや酸素分析計等で分析する方法が有効であるが、特に
限定されるものではない。またサイクロンで捕集されな
い微細な触媒粒子も通常水もしくは有機溶媒側に残るた
め、触媒フィルタ−の設置の有無についても特に規定す
るものではない。
ティーの停止や、反応装置の定期修理等の事情により、
流動層反応器中の気相酸化反応を停止して、定常状態か
ら非定常状態へと移行させる(すなわちシャットダウ
ン)場合にも、所定の比率の原料ガス(炭素数4以上の
脂肪族炭化水素)及び酸素含有ガスの混合ガスの供給を
停止して(1)不活性ガスに切り換えるか、または(2)酸素
含有ガス、及び該酸素含有ガス中の酸素供給量に対して
0.1〜10モル%の供給量で、かつ触媒に対して重量
比0.001〜0.1hr-1の割合で該炭素数4以上の
脂肪族炭化水素ガスの混合ガスに切り換え、流動層の温
度を少なくとも400℃から300℃の温度に低下させ
ることにより、触媒の劣化を抑制する。
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。尚、例中、V4+/ΣV値の測定値は、2個の10
0mlのビ−カ−の各々に、触媒0.14gを12N硫酸
で溶解したものを入れ、150℃で1.5時間煮沸した
後、冷却した。1方のビ−カ−中には超純水を加え、全
量を80mlとし、KMnO4溶液にて滴定し、4価のバ
ナジウム(V4+)量(meq/g)を測定した。他方のビ−カ
−中には超純水を加え、全量を50mlとし、亜硫酸水素
ナトリウム溶液にて全てのバナジウム元素価を4価に換
え、煮沸後、超純水を加えて全量を80mlにし、KMn
O4 溶液にて滴定し全バナジウム(ΣV)量(meq/g)を
測定した。V4+/ΣV値(%)は V4+(meq/g)/ΣV
(meq/g)×100で求めた。
爆発容器による可燃テストを実施した。すなわち、反応
器出口ガス中の触媒を分離し、容量1L(リットル)の
予熱した爆発容器に導入し、15kv交流スパーク
(0.01秒)で点火し、容器内の圧力上昇により燃焼
の有無を測定した。
9〜30モル%の範囲内で触媒流動層の温度を400〜4
60℃、圧力を0.1〜3.0kg/cm2-Gの範囲で無水マ
レイン酸を生成した結果、該流動層反応器出口の反応生
成ガス可燃性については該反応生成ガスのうち可燃ガス
成分と水を除いたガス中の酸素濃度が6Vol%以下であれ
ば燃焼は起きないことがわかった。
わち、リン酸及び五酸化バナジウムを原料として水熱合
成、乾燥、焼成して得た微粉状固体を、リン酸バナジル
溶液、シリカゾル溶液と混合してスラリーとし、これを
乾燥、焼成して(VO)2P2O7が活性成分で、リン酸バナジ
ルをバインダーとして用いたバナジウム−リン系複合酸
化物を含有する流動層触媒を製造した。
の垂直管型反応器を用い、該反応器の下部分散板の下よ
り空気を供給し、該触媒を流動化させて該分散板の上方
に触媒の流動層を形成させ、該流動層反応器の外部に設
置した加熱装置により、空気を昇温することにより該流
動層の温度を上昇させた。空気の供給量は空間速度(Ga
s Hourly Space Velocity=GHSV)650hr-1で
あった。該流動層の温度を250℃に到達させた後、該
流動層中に純度98vol%のn−ブタンガスを25g
/hrで供給(該n−ブタンの供給量は触媒に対して重
量比で0.005hr-1、酸素供給量に対して1.4モ
ル%であった。)し、除熱コイルを使用して該流動層の
温度を調整し、300℃で5時間保持した後、該触媒の
一部を抜き出し、V4+/ΣV値を測定し、触媒の色を目
視で判断した。この結果を表−2に示した。
1℃まで上昇させた後、塔頂圧力を1.5kg/cm2-Gに保
持し、流動層反応器出口の反応生成ガス組成から無水マ
レイン酸と水を除いたガス組成中の酸素濃度が6vol
%以下になるように、下部分散板の下より供給している
空気を減らし、新たに窒素ガスを供給した。n−ブタン
の供給量は一定に保持し、その酸素供給量に対する比率
は20モル%となった。続いて該酸素とn−ブタン供給
量の比率を維持しつつ、空気とn−ブタン供給量を増加
し、同時に窒素ガスの供給は停止した。定常状態では、
空気を3.5Nm3/hr、n−ブタンを380g/h
rの条件で供給し、無水マレイン酸を製造した。表−2
にn−ブタンの転化率が85%を示す時の流動層の温度
と無水マレイン酸収率を示した。
ol%のn−ブタンを50g/hrで供給し、該流動層
の温度を350℃で5時間保持した以外は実施例1と同
様に流動層反応器を起動し、実施例1と同様に評価し
た。その結果を表−2に示した。
ol%のn−ブタンを150g/hrで供給し、該流動
層の温度を400℃で5時間保持した以外は実施例1と
同様に流動層反応器を起動し、実施例1と同様に評価し
た。その結果を表−2に示した。
ol%のn−ブタンを40g/hrで供給し、該流動層
の温度を400℃で5時間保持した以外は実施例1と同
様に流動層反応器を起動し、実施例1と同様に評価し
た。その結果を表−2に示した。
0℃で4時間保持した。該触媒の一部を抜き出し、V4+
/ΣV値を測定し、触媒の色を目視で判断した。結果を
表−2に示した。 実施例5 参考例2で得た流動層触媒5kgを充填した内径3インチ
の垂直管型反応器を用い、反応器の下部分散板の下より
純度99vol%以上の窒素ガスを供給し、該触媒を流
動化させて該分散板の上方に触媒の流動層を形成させ、
該流動層反応器の外部に設置した加熱装置により、窒素
ガスを昇温することにより該流動層の温度を上昇させ
た。窒素ガスの供給量はGHSV650hr-1であっ
た。該流動層の温度を300℃で24時間保持した後、
該触媒の一部を抜き出し、V4+/ΣV値を測定し、触媒
の色を目視で判断した。この結果を表−2に示した。
さらに該反応器にて該流動層の温度を417℃まで上昇
させた後、塔頂圧力を1.5kg/cm2-Gに保持し下部分散
板の下からの窒素ガスを空気に変更し、該流動層中には
純度98vol%のn−ブタンガスを酸素供給量に対し
て20モル%の比率で供給し無水マレイン酸を製造し
た。尚、窒素ガスから空気への変更時は該流動層反応器
出口の反応生成ガスから可燃ガス成分と水を除いたガス
中の酸素濃度を常に6Vol%以下に維持し、空気は外部加
熱装置で加温することなく、GHSVを700hr-1で
反応器に供給した。表−2にn−ブタンの転化率が85
%を示す時の流動層の温度と無水マレイン酸収率を示し
た。
ガスと5vol%の水蒸気の混合ガスとし、350℃で
4時間保持した以外は実施例5と同様に流動層反応器を
起動し、実施例5と同様に評価した。その結果を表−2
に示した。 比較例1 実施例1と同様に流動層を起動し、空気で流動層を昇温
し、n−ブタンを供給することなく、流動層の温度を3
50℃で10時間保持した。該触媒の一部を抜き出し、
V4+/ΣV値を測定し、触媒の色を目視で判断した。結
果を表−2に示した。
雰囲気下で上昇させた後、該流動層中に純度98vol
%のn−ブタンガスを酸素供給量に対して20モル%の
比率で供給し無水マレイン酸を製造した。所定の反応温
度に到達した後は外部加熱装置を停止した。GHSVは
700hr-1であった。表−2にn−ブタンの転化率が
85%を示す時の流動層の温度と無水マレイン酸収率を
示した。
を500℃で10時間保持した。該触媒の一部を抜き出
し、V4+/ΣV値を測定し、触媒の色を目視で判断し
た。結果を表−2に示した。さらに該反応器にて該流動
層の温度を445℃に設定した後、該流動層中に純度9
8vol%のn−ブタンを酸素供給量に対して20モル
%の比率で供給し、無水マレイン酸を製造した。表−2
にn−ブタンの転化率が85%を示す時の流動層の温度
と無水マレイン酸収率を示した。
し、60時間保持した。該触媒の一部を抜き出し、V4+
/ΣV値を測定し、触媒の色を目視で判断した。その後
比較例1と同様にして活性試験を行った。結果を表−2
に示した。
リン系複合酸化物触媒を300℃以上に加温された空気
雰囲気下に5時間以上晒した場合は、空気中の過剰な酸
素によって触媒が酸化され、高温になるにつれてV4+/
ΣV値が初期の100以上から85〜45まで低下し、
更に60時間晒した場合には30まで低下するが、30
0℃以上に加温された酸素を含まない不活性ガス、また
は酸素とそれに対して特定量の原料ガスを含む混合ガス
の雰囲気下では、常にV4+/ΣV値が100を越え、触
媒自体の酸化傾向は認められず、その触媒活性の劣化が
抑制される。
応器の一例を示した図である。
供給管、4:酸素含有ガス供給管上端、5:流動層、
6:流動層除熱コイル、7:原料炭化水素供給管、8:
原料炭化水素供給口、9:流動層上面、10:希薄流動
層、11:希薄流動層除熱コイル、12,13:サイク
ロン、14:反応生成ガス抜き出し管、14a:反応器
出口(反応生成ガス抜き出し管出口)、15,17:デ
ィップレッグ、16,18:ディップレッグ下端
Claims (7)
- 【請求項1】 炭素数4以上の脂肪族炭化水素を流動層
反応器を用いて気相酸化して無水マレイン酸を製造する
方法において、バナジウム−リン系複合酸化物を活性成
分とする無水マレイン酸製造用酸化触媒を充填した流動
層反応器底部から(1)不活性ガス、又は(2)酸素含有ガ
ス、及び該酸素含有ガス中の酸素供給量に対して0.1
〜10モル%の供給量で、かつ触媒に対して重量比0.
001〜0.1hr-1の割合で該炭素数4以上の脂肪族
炭化水素ガスの混合ガスを供給して該触媒の流動層を形
成させつつ、該流動層の温度を少なくとも300℃から
400℃にする昇温操作、及び/又は少なくとも400
℃から300℃にする降温操作を行うことを特徴とする
無水マレイン酸の製造法。 - 【請求項2】 昇温操作の後又は降温操作の前に、流動
層の温度が400〜460℃の範囲において、流動層反
応器底部から供給する炭素数4以上の脂肪族炭化水素ガ
スの濃度を、流動層反応器に供給する酸素含有ガス中の
酸素量に対して10モル%から19モル%に増加させる
ためか、又は19モル%から10モル%に減少させるた
めに、(A)該酸素含有ガスと、炭化水素ガスとの混合ガ
ス中に不活性ガスを導入するか、(B)流動層反応器から
抜き出した反応生成ガスから無水マレイン酸を回収した
後の残りのガスの一部を再度流動層反応器に導入する
か、又は(C)流動層反応器に供給する前に該酸素含有ガ
ス中で燃料を燃焼させることを特徴とする請求項1に記
載の無水マレイン酸の製造法。 - 【請求項3】 流動層反応器底部から供給する炭素数4
以上の脂肪族炭化水素ガス濃度を、流動層反応器に供給
する酸素含有ガス中の酸素量に対して10モル%から1
9モル%に増加させた後、又は19モル%から10モル
%に減少させる前に、流動層反応器中の炭素数4以上の
脂肪族炭化水素ガス濃度を、流動層反応器に供給する酸
素含有ガス中の酸素量に対して19〜30モル%の範囲
とし、流動層反応器から抜き出した反応生成ガス組成の
うち可燃ガスを除いた残りのガス中の酸素濃度を6vo
l%以下とし、流動層の温度を400〜460℃の範囲
とし、かつ流動層反応器中の圧力を0.1〜3.0kg
/cm2Gの範囲に維持して、該炭素数4以上の脂肪族
炭化水素を気相酸化することを特徴とする請求項2に記
載の無水マレイン酸の製造法。 - 【請求項4】 炭素数4以上の脂肪族炭化水素がn−ブ
タンである請求項1ないし3に記載の製造法。 - 【請求項5】 酸素含有ガスが空気である請求項1ない
し4に記載の製造法。 - 【請求項6】 不活性ガスが窒素を主体とするガスであ
る請求項1ないし5に記載の製造法。 - 【請求項7】 バナジウム−リン系複合酸化物を活性成
分とする酸化触媒が、バナジウムの平均原子価が約+
3.8〜+4.8であり、リン/バナジウム原子比が約
0.5〜2.0を有する複合酸化物である請求項1ない
し6に記載の製造法。
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