JPH0824555A - 気体中の水分除去装置 - Google Patents

気体中の水分除去装置

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JPH0824555A
JPH0824555A JP6187702A JP18770294A JPH0824555A JP H0824555 A JPH0824555 A JP H0824555A JP 6187702 A JP6187702 A JP 6187702A JP 18770294 A JP18770294 A JP 18770294A JP H0824555 A JPH0824555 A JP H0824555A
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克嘉 蓼沼
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和 中村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小形化が可能で、水素の処理も簡便に行える
気体中の水分除去装置。 【構成】 上端が閉じられた円筒形の固体電解質セラミ
ック16の内周外周に各々電極17、18が形成された
電解質隔壁2の周囲にそれを加熱するヒーター6が設け
られている。この電解質隔壁2の内外周側に一次流路3
と二次流路4が形成されている。一次流路3の下側に、
同流路3に水分を除去しようとするプロセスガスを導入
するプロセスガス導入部14とプロセスガスを排出する
プロセスガス排出部13が設けられている。また、二次
流路4の下側に、同流路4にスイープガスを導入するス
イープガス導入部15とスイープガスを排出するスイー
プガス排出部12とが設けられている。さらに、前記電
解質隔壁2の二次流路4側の電極18が正となるよう、
前記両電極17、18間に直流電圧を印加する直流電源
20を備えられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体中に存在する水分
を除去する装置に関し、特に固体電解質セラミックを使
用した乾式電気分解による水分除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来において、気体から水分を除去する
場合、乾燥剤を充填したフィルターに気体を通し、水分
を乾燥剤に吸着させて除去する、いわゆる吸着装置、液
体窒素等を冷媒とするコールドトラップによる水分の吸
着装置や、ゲッター方式の装置、さらには活性金属触媒
を用いて水を還元分解させる、還元分解装置などが使用
されている。
【0003】しかしながら、前記従来の装置において、
高い水分の除去効果を望むためには、安定した性能が得
られない。また、吸着剤やゲッター材の劣化やコールド
トラップの飽和等から、長期にわたって安定した水分除
去能力を維持することがきわめて困難である。これら従
来の装置では、液体窒素等の冷媒容器を設置する必要
や、装置全体が大型化し、或は維持管理の手数がかかる
等の課題があった。また、活性金属触媒による還元分解
装置も、水分の分解ガスとして発生する酸素の除去装置
も併用しなければならないため、同様の課題を有する。
【0004】これに対して、固体電解質セラミックを利
用した水分及び酸素の除去装置が開発されている。この
装置は、固体電解質セラミックの対向する面に一対の電
極を設けた電解質隔壁を使用し、それに直流電圧を印加
しながら、負電極側の一次流路に水分を除去しようとす
るプロセスガスを流し、酸素イオン導電性を有する固体
電解質セラミックの電解作用によりその気体中の水分を
分解し、陽極側に発生する酸素を、二次流路に流すスイ
ープガスで取り出すものである。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、従
来の固体電解質セラミックを利用した水分及び酸素の除
去装置では、前記一次流路と二次流路に導入するプロセ
スガスとスイープガスとが、固体電解セラミックを加熱
するヒーターの熱の影響を受けないようにするために、
相当大がかりな反射板や断熱壁或は放熱手段等を必要と
する。このため、装置が全体として大型化するという欠
点があった。さらに、処理後のプロセスガス中に残留す
る水素ガスの処理も課題となっていた。本発明は、この
ような従来の課題に鑑み、小形化が可能で、水素の処理
も簡便に行える気体中の水分除去装置を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明による
気体中の水分除去装置は、上端が閉じられた円筒形の固
体電解質セラミック16の内周外周に各々電極17、1
8が形成された電解質隔壁2と、この電解質隔壁2の内
外周側に形成された一次流路3及び二次流路4と、電解
質隔壁2の周囲に設けられ、同電解質隔壁2を加熱する
ヒーター6と、前記一次流路3の下側から、同流路3に
水分を除去しようとするプロセスガスを導入するプロセ
スガス導入部14と、前記一次流路3の下側からプロセ
スガスを排出するプロセスガス排出部13と、前記二次
流路4の下側から、同流路4にスイープガスを導入する
スイープガス導入部15と、前記二次流路4の下側から
スイープガスを排出するスイープガス排出部12と、前
記電解質隔壁2の二次流路4側の電極18が正となるよ
う、前記両電極17、18間に直流電圧を印加する直流
電源20とを備えることを特徴とする。
【0007】なお、この装置において、プロセスガスが
導入される一次流路の排出部に、プロセスガス中に残留
する水素を、水素吸蔵金属からなる水素ゲッターで除去
する水素除去器29を接続するとよい。また、電解質隔
壁2の固体電解セラミック16の内外周の少なくとも長
手方向にわたって長尺な導体41、42を這わせ、この
部分に電極17、18が形成されるのが好ましい。さら
に、電解質隔壁2の内外周側に形成された一次流路3及
び二次流路4とが、電解質隔壁2の電極17、18が形
成されていない外周部分に嵌め込まれ、且つ同電解質隔
壁2の外周を保持する保持部材により挟持されたメタル
シールリング36により気密にシールされている。
【0008】
【作用】本発明による気体中の水分除去装置では、電解
質隔壁2の両側の電極17、18に直流電源20から直
流電圧を印加し、陰極である電極17側の一次流路3に
水分を含むプロセスガスを流したとき、このプロセスガ
スが電解質隔壁2に接触すると、ガス中の水分が酸素と
水素に電気分解される。酸素イオンは陽極側に引かれて
電解質隔壁2を透過し、二次流路4側に入る、この酸素
イオンは、二次流路4側で酸素ガスとなって、そこに流
れるスイープガスにより排出される。また、水素イオン
は、水素ガスとなってプロセスガスと共に排出される。
同様にして、一次流路3側のプロセスガス中の酸素ガス
も、電解質隔壁2で電解され、それを透過して二次流路
4側に取り出される。従って、一次流路3側のプロセス
ガスからは、水分と酸素が除去される。
【0009】そして、本発明による気体中の水分除去装
置では、上端が閉じられた円筒形の電解質隔壁2を用
い、この電解質隔壁2を、その周囲に設けられたヒータ
ー6で加熱し、この電解質隔壁2の内外周に形成された
一次流路3と二次流路4の下側に、各々それらにプロセ
スガスとスイープガスを導入するプロセスガス導入部1
4、プロセスガス排出部13、スイープガス導入部15
及びスイープガス排出部12を設けることにより、これ
らの配管系はヒーター6の熱の影響を殆ど受けなくな
る。このため、ヒーター6の周囲の断熱構造を簡素化す
ることができ、装置を全体として小形化することが可能
となる。
【0010】なお、プロセスガスが導入される一次流路
の排出部に、プロセスガス中に残留する水素を、水素吸
蔵金属からなる水素ゲッターで除去する水素除去器29
を接続すると、プロセスガスから水素を除去することが
できるので、水分と酸素に加え、水素をも除去すること
ができることになる。
【0011】前記の固体電解セラミック16の内外周の
表面に導電ペーストを塗布し、焼き付けて電極17、1
8を形成すると、その電極17、18は、その表面に微
細な細孔を有する。このため、電極17、18に均一に
電流が流れないために、そのシート抵抗が高くなってし
まう。これに対し、電解質隔壁2の内外周の電極17、
18が形成される部分に、少なくとも固体電解セラミッ
ク16の長手方向にわたって長尺な導体41、42を這
わせ、この上から導電ペーストを塗布し、焼き付けて電
極17、18を形成すると、固体電解セラミック16の
長手方向の電極17、18の抵抗を低く押さえることが
できる。
【0012】さらに、前記のような固体電解セラミック
16は、その表面でのシールがしにくく、高い気密性が
得られにくい。これに対し、表面電解質隔壁2の内外周
側に形成された一次流路3及び二次流路4とが、電解質
隔壁2の電極17、18が形成されてない外周部分に嵌
め込まれ、且つ同電解質隔壁2の外周を保持する保持部
材により挟持されたメタルシールリング36によりシー
ルされているものでは、固体電解セラミック16に部分
的なメタライズ処理と溶接を行う必要がなく、同セラミ
ック16に過度の負担をかけることなく、一次流路3及
び二次流路4とを高い気密性をもってシールすることが
できる。
【0013】
【実施例】次に、図面を参照しながら、本発明の実施例
について、具体的且つ詳細に説明する。図1に本発明の
実施例による気体中の水分除去装置の全体概要を示す。
この図1に示されたように、フレーム19上に、上端が
閉じられた円筒形の電解質隔壁2が立設されている。こ
の電解質隔壁2は、図2にその部分断面図が示されたよ
うに、上端が閉じられた固体電解質セラミック16の内
外面に電極17、18を形成したものである。
【0014】固体電解質セラミック16としては、11
%カルシア(CaO)安定化ジルコニア(ZrO2 、安
定度98%)や8%イットリウム(Y23)安定化ジル
コニア(安定度100%)の焼結体(日本化学陶業製)
等が使用できる。この固体電解質セラミック16の内外
周に貴金属ペースト、例えば白金ペーストを塗布し、大
気中で焼付け、電極17、18を形成することにより、
電解質隔壁2が作られる。この電解質隔壁2には、前記
電極17、18に各々貼り付けられた図示してない白金
メッシュ等の端子とその端子に接続されたリード線を介
して、電解質隔壁2の内側の電極17が負に、外側の電
極18が正になるよう直流電源20が接続される。
【0015】図1に示すように、前記電解質隔壁2の内
周側と外周側が各々一次流路3と二次流路4となってい
る。一次流路3には、フレーム19の下部側に設けられ
た各々プロセスガス導入部14とプロセスガス排出部1
3が接続されている。このうち、プロセスガス導入部1
4は、電解質隔壁2の中心線に沿って立設したプロセス
ガス導入管1に接続され、このプロセスガス導入管1の
上端は、電解質隔壁2の頂点付近、すなわち一次流路3
の最上部付近に達している。このプロセスガス導入管1
の外周には、フランジ状の邪魔板5が一定の間隔で複数
個所設けられている。これにより、ガスを一次流路3内
で乱流化させ、電極面へのガスの接触性を向上させてい
る。
【0016】また、二次流路4には、フレーム19の下
部側に設けられた各々スイープガス導入部15とスイー
プガス排出部12が接続されている。このうち、スイー
プガス導入部15は、フレーム19上に立設したスイー
プガス導入管8に接続され、このスイープガス導入管8
の上端は、二次流路4の最上部付近に達している。な
お、図示の実施例では、円筒形の電解質隔壁2の内周側
に一次流路3が、外周側に二次流路4が各々形成されて
いるが、一次流路3と二次流路4とを逆にし、電解質隔
壁2の外周側に一次流路3を、内周側に二次流路4を各
々形成してもよい。
【0017】前記電解質隔壁2の外周側にヒーター6が
設けられ、これにより電解質隔壁2が外周側から加熱さ
れる。さらに、このヒーター6の外側は、断熱材7、1
1で囲まれると共に、フレーム19上に立てた金属壁
9、10により形成される真空容器により囲まれ、外部
に対して熱遮断されている。
【0018】この気体中の水分除去装置では、プロセス
ガス導入部14とプロセスガス排出部13に、水分や酸
素を除去しようとするプロセスガスの流路を接続するこ
とで、プロセスガスの流路の途中を一次流路3に接続す
る。また、スイープガス導入部15とスイープガス排出
部12に、二次流路4側に発生した酸素を取り出すため
のスイープガスの流路を接続する。
【0019】このように接続した状態で、ヒーター6で
電解質隔壁2を加熱しながら、図2に示すように、電極
17、18に直流電圧を印加する。このとき、陰極であ
る電極17側の一次流路3にある水分を含むプロセスガ
スが電解質隔壁2に接触すると、同ガス中の水分が酸素
と水素に電気分解される。酸素は電極17の表面でイオ
ン化し、固体電解質セラミック16の内部をイオン状態
で陽極である電極18側に引かれて電解質隔壁2を透過
し、二次流路4側に入る。この酸素イオンは、二次流路
4側で酸素ガスとなって、そこに流れるスイープガスに
より排出される。また、水素イオンは、水素ガスとなっ
てプロセスガスと共に排出される。同様にして、一次流
路3側のプロセスガス中の酸素ガスも、電極17の表面
でイオン化し、固体電解質セラミック16の内部をイオ
ン状態で陽極である電極18側に引かれて電解質隔壁2
を透過し、二次流路4側に取り出される。従って、一次
流路3側のプロセスガスからは、水分と酸素が除去され
る。
【0020】図3は、本発明による装置の性能試験を行
うための一次流路側の配管例である。キャリアガスタン
ク22と酸素ガスタンク23から酸素を含むガスを、水
分除去装置21のプロセスガス導入部14に送る。その
間に、水分発生器24を挿入し、プロセスガス中に水分
を与える。また、水分濃度計25及び酸素濃度計26を
挿入し、一次流路3に導入されるプロセスガス中の水分
濃度と酸素濃度を各々測定する。
【0021】他方、プロセスガス排出部13に、水素ゲ
ッターを備える水素除去器29が接続されている。水素
ゲッターは例えば、チタン、ジルコニウム或はこれらの
合金等の水素吸蔵金属からなり、その表面にプロセスガ
スを接触させ、それに含まれる水素ガスをプロセスガス
から除去する。さらに、この水素除去器29に水分濃度
計27及び酸素濃度計28を接続し、一次流路3から排
出されるプロセスガス中の水分濃度と酸素濃度を各々測
定する。
【0022】図12は、前記電解質隔壁2に形成された
電極17、18の例を示す。すなわち、上端を閉じた円
筒形の固体電解セラミック16の内外周面に各々白金等
の貴金属ペーストを塗布し、焼き付けて、電極17、1
8を形成する。この場合に、内周側の電極17は、電源
との接続のため、その一部17aを固体電解セラミック
16の縁を介して外周側に導出する。しかしながら、固
体電解セラミック16の内外周の表面に導電ペーストを
塗布し、焼き付けて電極17、18を形成すると、その
電極17、18は、その表面に微細な細孔を有する。こ
のため、電極17、18に均一に電流が流れないため
に、電極17、18のシート抵抗は比較的高い。
【0023】そこで、図12では、電解質隔壁2の内外
周の電極17、18が形成される部分に白金等の貴金属
からなる長尺な導体41、42を這わせる。この長尺な
導体41、42は、固体電解セラミック16の長手方向
にわたって這わせるのがよく、図12(a)では、長尺
な箔状の導体41、42を固体電解セラミック16の内
外周面の長手方向にわたって這わせている。また、同図
(b)では、長尺な線状の導体41、42を固体電解セ
ラミック16の内外周面に螺旋状に這わせている。これ
らの導体41、42により、固体電解セラミック16の
長手方向の電極17、18の抵抗を低く押さえることが
できる。
【0024】図13及び図14は、前記のような電解質
隔壁2の内外周側の一次流路3と二次流路4とのシール
構造とフレームへの取付構造を示している。上端側が細
くなった円筒状の取付金具33がフレーム37から立設
され、この取付金具33の上端部に電解質隔壁2の電極
17、18の無い下端部分が嵌め込まれている。この取
付金具33の上端部外周にネジが切られ、これに袋ナッ
ト状の固定金具34がネジ込まれている。さらに、取付
金具33と電解質隔壁2の外周面との間に、鉛等からな
るリング状のメタルシールリング36が嵌め込まれ、こ
のメタルシールリング36が前記固定金具34により締
め付けられるスリーブ35と取付金具33との間で圧縮
され、その変形により電解質隔壁2の外周面に押し当て
られている。
【0025】取付金具33の外側に円筒形の支持金具3
1が立設され、この支持金具31の上端に電解質隔壁2
を囲むようにスリーブ32が立設さている。このスリー
ブ32は、電解質隔壁2の前記シール部分より上側の部
分から適当な距離をおいて同電解質隔壁2を囲んでい
る。前記のような固体電解セラミック16は比較的脆弱
であり、しかもその表面が粗いため、気密シールがしに
くく、高い気密性が得られにくい。これに対し、図13
及び図14に示すように、電解質隔壁2の内外周側の一
次流路3及び二次流路4とをメタルシールリング36に
よりシールしたものでは、電解質隔壁に過度の負担をか
けることなく、しかも耐熱性を維持した状態で、一次流
路3及び二次流路4とを高い気密性をもってシールする
ことができる。
【0026】図4は、固体電解質セラミック16として
8%イットリウム(Y23)安定化ジルコニア(安定度
100%)の焼結体(日本化学陶業製)を使用し、その
内外周に白金電極17、18を形成した電解質隔壁2を
使用し、電解質隔壁2の温度(セル温度)を400、4
50、500及び600℃と変えて、水分の変換率を測
定した結果である。水分の変換率は、水分濃度計25と
水分濃度計27とで測定した水分濃度を、各々一次流路
3の「入口濃度」及び「出口濃度」とし、(入口濃度−
出口濃度)/入口濃度の式で求めたものである。
【0027】この図4から分かる通り、電解質隔壁2の
温度が高い程電極17、18に印加する電圧(セル電
圧)が低くても100%の変換率が得られ、セル温度が
600℃では、約1.0Vで100%の変換率が得られ
る。他方、電解質隔壁2の温度が400度と低いと、
2.0Vのセル電圧でも100%の変換率が得られな
い。セル電圧が高いと、固体電解セラミックが還元さ
れ、その寿命が短くなるので、セル電圧は低いのがよ
い。また固体電解セラミックに過度の熱負荷をかけるこ
と避ける必要もある。このことから、セル温度は500
℃〜600℃として、且つセル電圧を1.2V〜1.8
Vとするのが望ましい。なお、酸素も水分と全く同じで
ある。
【0028】図5は、前記水分除去装置において、電解
質隔壁2の温度を500℃、一次流路3におけるプロセ
スガスの流量を6Nl/hとし、プロセスガス導入部1
4側の導入プロセスガスの水分濃度を56ppmとした
ときの、電解質隔壁2に印加した電圧と変換率との関係
及び電解電流との関係を示している。さらに、図6〜図
8は、同じ条件で水分濃度を100ppm、1079p
pm及び3002ppmと各々変えたときの、電解質隔
壁2に印加した電圧と変換率との関係及び電解電流との
関係を示している。
【0029】このように、水分濃度が高くなると、変換
効率が低下すると共に、電解電流が増えるが、試験され
た装置の場合、プロセスガスの流量を6Nl/h程度の
条件では、水分濃度1000ppm或は3000ppm
程度まで、充分高い変換率が得られることが分かる。
【0030】図9は、前記水分除去装置において、電解
質隔壁2の温度を500℃、プロセスガス導入部14側
の導入プロセスガスの水分濃度を約55ppmとし、一
次流路3におけるプロセスガスの流量を3Nl/hとし
たときの、電解質隔壁2に印加した電圧と変換率との関
係及び電解電流との関係を示している。さらに、図1
0、図11は、同じ条件で、一次流路3におけるプロセ
スガスの流量を6Nl/h及び12Nl/hと各々変え
たときの、電解質隔壁2に印加した電圧と変換率との関
係及び電解電流との関係を示している。
【0031】前記装置では、導入プロセスガスの水分濃
度が約55ppm程度の場合、一次流路3におけるプロ
セスガスの流量が3Nl/h〜12Nl/hまで変化し
ても、充分高い変換率が安定して得られることが分か
る。なお、以上の図4〜図11の結果は、酸素も全く同
様である。
【0032】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明による気体中
の水分除去装置は、酸素イオン導電性を有する固体電解
質セラミックを使用した乾式電気分解により気体中の水
分を除去するため、高い水分除去機能が長期的且つ連続
的に得られ、しかも維持が簡便で、酸素の除去も同時に
行える。
【0033】さらに、上端が閉じられた円筒形の電解質
隔壁2を用い、この電解質隔壁2を、その周囲に設けら
れたヒーター6で加熱し、この電解質隔壁2の内外周に
形成された一次流路3と二次流路4の下側に、各々それ
らにプロセスガスとスイープガスを導入するプロセスガ
ス導入部14、プロセスガス排出部13、スイープガス
導入部15及びスイープガス排出部12を設けることに
より、ヒーター6の周囲の断熱構造を簡素化することが
でき、装置を全体として小形化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による気体中の水分除去装置の
全体を示す略示縦断側面図である。
【図2】同実施例による気体中の水分除去装置の電解質
隔壁の一部を示す要部拡大断面図である。
【図3】前記実施例による気体中の水分除去装置の試験
を行うための配管例を示す配管図である。
【図4】前記実施例による気体中の水分除去装置につい
て、電解質隔壁の温度を400、450、500及び6
00℃と変えて、水分の変換率を測定した結果のグラフ
である。
【図5】前記実施例による気体中の水分除去装置につい
て、電解質隔壁の温度を500℃、一次流路におけるプ
ロセスガスの流量を6Nl/hとし、プロセスガス導入
部側の導入プロセスガスの水分濃度を56ppmとした
ときの、電解質隔壁に印加した電圧と変換率との関係及
び電解電流との関係を示すグラフである。
【図6】前記実施例による気体中の水分除去装置につい
て、電解質隔壁の温度を500℃、一次流路におけるプ
ロセスガスの流量を6Nl/hとし、プロセスガス導入
部側の導入プロセスガスの水分濃度を100ppmとし
たときの、電解質隔壁に印加した電圧と変換率との関係
及び電解電流との関係を示すグラフである。
【図7】前記実施例による気体中の水分除去装置につい
て、電解質隔壁の温度を500℃、一次流路におけるプ
ロセスガスの流量を6Nl/hとし、プロセスガス導入
部側の導入プロセスガスの水分濃度を1079ppmと
したときの、電解質隔壁に印加した電圧と変換率との関
係及び電解電流との関係を示すグラフである。
【図8】前記実施例による気体中の水分除去装置につい
て、電解質隔壁の温度を500℃、一次流路におけるプ
ロセスガスの流量を6Nl/hとし、プロセスガス導入
部側の導入プロセスガスの水分濃度を3002ppmと
したときの、電解質隔壁に印加した電圧と変換率との関
係及び電解電流との関係を示すグラフである。
【図9】前記実施例による気体中の水分除去装置につい
て、電解質隔壁の温度を500℃、プロセスガス導入部
側の導入プロセスガスの水分濃度を約55ppmとし、
一次流路におけるプロセスガスの流量を3Nl/hとし
たときの、電解質隔壁2に印加した電圧と変換率との関
係及び電解電流との関係を示すグラフである。
【図10】前記実施例による気体中の水分除去装置につ
いて、電解質隔壁の温度を500℃、プロセスガス導入
部側の導入プロセスガスの水分濃度を約55ppmと
し、一次流路におけるプロセスガスの流量を6Nl/h
としたときの、電解質隔壁2に印加した電圧と変換率と
の関係及び電解電流との関係を示すグラフである。
【図11】前記実施例による気体中の水分除去装置につ
いて、電解質隔壁の温度を500℃、プロセスガス導入
部側の導入プロセスガスの水分濃度を約55ppmと
し、一次流路におけるプロセスガスの流量を12Nl/
hとしたときの、電解質隔壁2に印加した電圧と変換率
との関係及び電解電流との関係を示すグラフである。
【図12】本発明の実施例による気体中の水分除去装置
に使用される電解質隔壁を示す半縦断側面図である。
【図13】本発明の実施例による気体中の水分除去装置
における電解質隔壁のシール及び取付部分を示す要部縦
断側面図である。
【図14】図3の要部拡大図である。
【符号の説明】
2 電解質隔壁 3 一次流路 4 二次流路 6 ヒーター 12 スイープガス排出部 13 プロセスガス排出部 14 プロセスガス導入部 15 スイープガス導入部 16 固体電解質セラミック 17 電極 18 電極 20 直流電源 36 メタルシールリング 41 導体 42 導体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体中の水分を除去する装置において、
    上端が閉じられた円筒形の固体電解質セラミック(1
    6)の内周外周に各々電極(17)、(18)が形成さ
    れた電解質隔壁(2)と、この電解質隔壁(2)の内外
    周側に形成された一次流路(3)及び二次流路(4)
    と、電解質隔壁(2)の周囲に設けられ、同電解質隔壁
    (2)を加熱するヒーター(6)と、前記一次流路
    (3)の下側から、同流路(3)に水分を除去しようと
    するプロセスガスを導入するプロセスガス導入部(1
    4)と、前記一次流路(3)の下側からプロセスガスを
    排出するプロセスガス排出部(13)と、前記二次流路
    (4)の下側から、同流路(4)にスイープガスを導入
    するスイープガス導入部(15)と、前記二次流路
    (4)の下側からスイープガスを排出するスイープガス
    排出部(12)と、前記電解質隔壁(2)の二次流路
    (4)側の電極(18)が正となるよう、前記両電極
    (17)、(18)間に直流電圧を印加する直流電源
    (20)とを備えることを特徴とする気体中の水分除去
    装置。
  2. 【請求項2】 前記電解質隔壁(2)の固体電解セラミ
    ック(16)の内外周の少なくとも長手方向にわたって
    長尺な導体(41)、(42)が這わせてあり、この部
    分に電極(17)、(18)が形成さていることを特徴
    とする前記請求項1に記載の気体中の水分除去装置。
  3. 【請求項3】 電解質隔壁(2)の内外周側に形成され
    た一次流路(3)及び二次流路(4)とが、電解質隔壁
    (2)の電極(17)、(18)が形成されていない外
    周部分に嵌め込まれ、且つ同電解質隔壁(2)の外周を
    保持する取付部材により挟持されたメタルシールリング
    (36)により気密にシールされていることを特徴とす
    る前記請求項1に記載の気体中の水分除去装置。
  4. 【請求項4】 前記プロセスガスが導入される一次流路
    の排出部に、プロセスガス中に残留する水素を、水素吸
    蔵金属からなる水素ゲッターで除去する水素除去器(2
    9)を接続した請求項1に記載の気体中の水分除去装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102603030A (zh) * 2012-04-10 2012-07-25 中国水产科学研究院黑龙江水产研究所 带有清刷器的冷水性鱼类盐碱水域工厂化养殖的紫外线消毒装置
JP2012143692A (ja) * 2011-01-11 2012-08-02 Sumitomo Electric Ind Ltd ガス分解装置及び発電装置
JP2014155923A (ja) * 2014-03-20 2014-08-28 Sumitomo Electric Ind Ltd ガス分解装置及び発電装置

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