JPH08245341A - フレーク状粉体の製造方法 - Google Patents

フレーク状粉体の製造方法

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JPH08245341A
JPH08245341A JP5612095A JP5612095A JPH08245341A JP H08245341 A JPH08245341 A JP H08245341A JP 5612095 A JP5612095 A JP 5612095A JP 5612095 A JP5612095 A JP 5612095A JP H08245341 A JPH08245341 A JP H08245341A
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dye
acid
organometallic compound
powder
flake
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JP5612095A
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Kazuhiro Doshita
和宏 堂下
Koji Yokoi
浩司 横井
Kazuo Takemura
和夫 竹村
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 色素溶出が少なく、より良い耐ブリード性、
耐水性、耐汗性等を示す着色フレーク状粉体を提供す
る。 【構成】 加水分解および縮重合可能な有機金属化合物
を含む液を養生して前記有機金属化合物をその重合度が
100〜3500になるように縮重合し、ついでこの液
に酸性染料を添加して得た溶液を、表面が平滑な基板上
に塗布し、乾燥・剥離・加熱することを特徴とする酸性
染料を含有する金属酸化物フレーク状粉体の製造方法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フレーク状粉体、特に
着色剤として化粧料中に配合するに適した色素含有フレ
ーク状粉体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧料用着色剤として、タール系
合成色素や天然色素等が使用されている。これら着色剤
を、化粧料基剤中にそのまま添加混合した場合、時とし
て分散が不完全で、色ムラや色ブツが観察されることが
あり好ましくなかった。さらに、色素添加量が多くなる
と、皮膚や爪等に色素が強く付着し、処方時に共に配合
される他の無機系顔料(例えば弁柄)との色分かれを生
じ、メークアップ効果を阻害する問題があった。また、
使用感触も重く、伸ばしにくい欠点も有していた。よっ
て、色素配合量に制限があり、高彩度の化粧料を得にく
かった。
【0003】また、上記色素をタルクやマイカ等の無機
顔料と混合して、無機顔料表面に色素を付着させて色素
の分散性を向上させることも行われてきた。しかしなが
ら、この場合には、色素の鮮明さが低下するという欠点
を有し、また、化粧料の製造工程、例えば粉砕による剪
断力により、容易に無機顔料から色素が脱離し、色分か
れが生じる。
【0004】一方、再生フィブロイン微粉末を酸性染料
で染色した着色顔料を化粧料に配合することも提案され
ている(例えば、特開昭61−37715)。この方法
により、ある程度の耐光性、耐ブリード性の向上は認め
られるものの充分ではなく、また、染色効率が悪い、色
素によっては高濃度に染色することが難しい、配合化粧
料使用時に色素が脱離する場合がある等の問題があっ
た。
【0005】また、従来から化粧料に広く使用されてい
るタール系合成色素は、発癌性、アレルギー性等、人体
への有害性が問題となってから、化粧品として使用許可
されている法定色素が年々減少していく傾向にあり、よ
り安全性の高い色素の開発が望まれている。アレルギー
性の低減方法としては、原料の精製や、色素の有機溶媒
等による洗浄(例えば、特開昭57−192468、特
開昭59−74164)、水溶液を活性炭処理後レーキ
化する方法(例えば特公平4−51588)等が開示さ
れている。これら方法で、処理された色素は、安全性が
向上しているものの、製造工程が増えコスト高となる、
精製や不純物除去を完全に行うには、非常に手間がかか
る等の問題点があった。
【0006】より安全性の高い色素として、天然色素が
あるが、これは耐光性、耐ブリード性、耐熱性等に劣
り、pHによる色相の変動が大きい等の問題点があっ
た。
【0007】本発明者らは、先に酸性染料を含有するフ
レーク体の製造法について出願した(特願平6−198
113)。この方法では、加水分解および脱水縮合可能
な有機金属化合物、例えばシリコンテトラメトキシドの
ような金属アルコキシド、および酸性染料を含む溶液
を、表面が平滑な基板上に塗布し、これを剥離すること
により、有機色素を含有するフレーク体が得られる。こ
のフレーク体は、人体に安全で皮膚刺激がなく、耐光
性、耐ブリード性、耐熱性、耐水性、耐汗性、付着性、
伸展性、分散性、色調に優れ、肌に対する感触が特に優
れた化粧料に配合するに適した着色フレーク状粉体であ
る。しかし、過酷な条件下では、必ずしも良好な耐ブリ
ード性、耐水性、耐汗性を示さず、色素が溶出すること
があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来技
術に鑑み、色素溶出が少なく、より良い耐ブリード性、
耐水性、耐汗性等を示すフレーク状粉体を提供するもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本課題を解決するため、
本発明者らは、ある程度縮重合した有機金属化合物を含
む液体に、酸性染料を添加して、これを基材上、好まし
くは表面が平滑な基板上に塗布し、乾燥して基材から剥
離させた後、熱処理すれば、簡単かつ効率的に、高濃度
に酸性染料を含有することができ、かつ酸性染料溶出量
が少ない着色フレーク状粉体が製造できることを見いだ
し本発明に至った。
【0010】すなわち本発明の金属酸化物フレーク状粉
体は、加水分解および縮重合可能な有機金属化合物を含
む液を養生して前記有機金属化合物をその重合度が10
0〜3500になるように縮重合し、ついでこの液に酸
性染料を添加して得た溶液を、表面が平滑な基板上に塗
布し、乾燥・剥離・加熱することにより製造される。 $ 本発明に用いる加水分解および縮重合が可能な有機金属
化合物としては、アルコキシル基を有する金属アルコキ
シドが好ましい。具体的には、シリコン、チタン、アル
ミニウム、ジルコニウム等のメトキシド、エトキシド、
プロポキシド、ブトキシド等が、単体あるいは混合体と
して用いられる。得られるフレーク状粉体の組成は、金
属酸化物、例えば純粋なシリカ、珪酸塩系、チタン酸塩
系、アルミン酸系、ジルコニウム酸塩系の非晶質のもの
である。得られるフレーク状粉体の使用上の安全性安心
感から、上記金属エトキシドが、さらに好ましく用いら
れる。これは、得られるフレーク状粉体中に残留してい
る有機残基が、何等かの分解促進を受けた場合でも、分
解生成物がエタノールであれば、化粧料使用上差し支え
ないことによる。
【0011】本発明において、まず、上記加水分解およ
び縮重合が可能な有機金属化合物を含む液を準備する。
この液は、通常は、上記有機金属化合物の他に、水、
酸、及び、アルコールからなる。
【0012】上記水は、有機金属化合物の加水分解・縮
重合を進めるためのものであり更に、後に添加する酸性
染料を均一に溶解させるための働きをも有する。水の添
加量は、全溶液中の10重量%以上、80重量%以下が
良い。水添加量が10重量%より少ないと、後述の酸性
染料の溶解量が少なくなり、高濃度の酸性染料を含むフ
レークを作製するのが難しくなる、有機金属化合物の加
水分解が不充分でフレークの強度が低くなる等の傾向が
あり好ましくない。また、水添加量が80重量%より多
いと、溶液中の固形分換算濃度が低くなりすぎて、必要
な厚みのフレーク状粉体が得られ難くなり、フレークの
収率が低くなり、好ましくない。
【0013】上記有機金属化合物の加水分解を促進する
ために、塩酸、硝酸、硫酸等の酸を添加するのが好まし
い。酸の添加量は特に限定されないが、有機金属化合物
に対してモル比で0.001〜2が良い。添加酸量が、
モル比で0.001より少ないと、有機金属化合物の加
水分解の促進が充分でなく、またモル比で2より多くて
も、もはや加水分解促進の効果が向上せず、酸が過剰と
なり好ましくない。
【0014】上記有機金属化合物を含む液の溶媒は、実
質的に上記有機金属化合物を溶解すれば基本的に何でも
良いが、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール等のアルコール類が好ましい。得られるフレーク
状粉体の使用上の安全性安心感から、エタノールが、さ
らに好ましく用いられる。しかし前記有機金属化合物の
加水分解反応で発生するアルコールで十分な場合には、
溶媒は特に用いなくても良い。
【0015】次に、上記加水分解および縮重合が可能な
有機金属化合物を含む液を、30℃〜80℃で0.5〜
200時間加熱して養生し、重合度が100〜3500
の、すなわち100量体〜3500量体の前記有機金属
化合物の予備縮重合体を液中に形成させる。
【0016】前記縮重合化した有機金属化合物の重合度
が100より小さいと、得られるフレークからの酸性染
料溶出量は、縮重合していない有機金属化合物を使用し
た場合と大差がない。また逆に重合度が3500より大
きいと、酸性染料添加後の液体の寿命が短く、ゲル化が
起こり易くなり、取り扱いが不便になり好ましくない。
より好ましい重合度の範囲は150〜3200である。
【0017】前記の、重合度が100〜3500の有機
金属化合物の縮重合体としては、前述のように有機金属
化合物の加水分解・縮重合を経て作製される他、市販の
オリゴマー体(例えば、10〜11量体の三菱化学株式
会社製MKCシリケートMS- 56、5量体のコルコー
ト株式会社製エチルシリケート40)をさらに加水分解
・縮重合を進めたものも使用できる。
【0018】上記加熱養生条件については、30℃未満
では上記範囲の重合度を有する予備縮重合体を得るの
に、長時間を要するので経済的ではない。また80℃を
越える加熱では得られる予備縮重合体の重合度の調節が
困難となる。加熱時間は加熱温度によって異なるが、
0.5時間未満の加熱で得られる予備縮重合体の重合度
は100未満であり、逆に200時間を越える加熱で得
られる予備縮重合体の重合度は3500を越えるので好
ましくない。
【0019】ついで、この液に酸性染料を添加する。酸
性染料は後述のようにフレーク状粉体中の酸性染料含有
量が、0.5〜40重量%、より好ましくは3〜30重
量%、になるようにこの液に溶解させる。この含有量が
0.5%より少ないと酸性染料による着色効果が小さく
なり、着色の色調が良くない等の理由で好ましくない。
また、40%より多いと、フレーク状粉体からの酸性染
料溶出が顕著に認められるようになるので、好ましくな
い。
【0020】上記酸性染料としては、タール系合成色素
や天然色素等が好ましく用いられる。タール系合成色素
の酸性染料としては、昭和41年8月31日厚生省令第
30号による色素(通称法定色素)群から選定するの
が、化粧品として使用する上で好ましく、赤色2号、赤
色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、
赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1
号、青色2号、赤色201号、赤色227号、赤色23
2号、橙色205号、橙色207号、黄色202号、黄
色203号、緑色201号、緑色204号、緑色205
号、青色202号、青色205号、褐色201号、赤色
504号、黄色402号、黄色407号、緑色401
号、緑色402号、紫色401号、黒色401号等が例
示される。また、天然色素の酸性染料としては、クロシ
ン、サフラワーイエロー、ラッカイン酸、カルミン酸、
ケルメス酸、カプサンチン、アナトー、ビキシン、カル
タミン等が例示される。なお、本発明では、上記色素を
1種のみ使用しても良く、二種以上混合して使用して良
い。
【0021】上記の有機金属化合物の縮重合体を含む液
中に、溶解しない酸性染料が残る場合は、界面活性剤を
添加して酸性染料を均一分散させても良い。使用する界
面活性剤は、特に限定されないが、上記フレーク状粉体
が、化粧料として使用されることを考慮すると、化粧品
原料基準記載の界面活性剤を用いるのが好ましい。ステ
アリン酸セッケンや各種の金属セッケン、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ジアルキルスルホ
コハク酸塩等が例示される。これらの界面活性剤は酸性
染料と同時に添加しても良く、有機金属化合物の縮重合
体を含む液の調製前に予め添加してしておいても良い。
【0022】その他、上記溶液の特性を変化させるため
に、例えば後述の塗布の条件に応じて、有機増粘剤等を
上記の有機金属化合物の縮重合体を含む液中に添加して
も良い。しかし、この添加量が多いと、乾燥剥離工程の
歩留りが低下することがあるので、添加量は10重量%
以下にとどめるべきである。
【0023】上記の有機金属化合物の縮重合体および酸
性染料を含む液中に、例えば紫外線遮蔽効果の付与を目
的として、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等の金
属酸化物微粒子を添加しても良い。金属酸化物微粒子の
添加については、特に限定されないが、金属酸化物粉体
を予め水やアルコール等の溶媒に分散させておき、これ
を上記オリゴマー化した有機金属化合物を含む液体と混
合するのが、取り扱い上好ましい。さらに好ましくは、
水やアルコール等を分散媒とする金属水酸化物コロイ
ド、含水金属酸化物コロイド、金属酸化物コロイド等を
用いるのが、金属酸化物等の微粒子の分散安定性が高
く、製造工程が簡略化されるので良い。
【0024】次に、酸性染料を添加・溶解して得た上記
溶液を、表面が平滑な基板上に塗布する。上記基板は金
属、ガラスあるいはプラスチック等の材質で、表面が平
滑なものを用いる。このような基板に、上記の有機金属
化合物の縮重合体および酸性染料を含む溶液を塗布し、
0.2〜50μmの薄い膜とする。この膜を常温〜20
0℃で3秒〜10分乾燥すると、上記の有機金属化合物
の縮重合が更に進行して膜は収縮するが、基板は収縮し
ないので、膜に亀裂が発生し、フレーク状となる。基板
と膜との剥離が起こさせるためには、基板と膜との間に
強い結合等の相互作用が少ない状態、例えば被塗布基材
としてステンレスのような材質を用いることが好まし
い。基板に付着したフレーク状膜は自然に、またはブラ
シで掻き落とすことにより、基板から剥離、分離され
る。
【0025】上記基板表面に塗布して膜を形成する技術
は、公知の技術を用いればよく、例えば、上記の有機金
属化合物を含む液体に基板を浸漬した後、引き上げる方
法や、基板上に上記液体を滴下し、基板を高速で回転さ
せる方法、基板上に上記液体を吹き付ける方法等が用い
られる。
【0026】上記の剥離されたフレーク状物は次に加熱
処理される。この加熱処理に関しては、その方法に特に
制限はない。この加熱処理によって上記縮重合が完全に
終結して金属酸化物のフレークになる。熱処理温度およ
び時間は、溶媒や酸の除去を確実にし、かつ酸性染料の
分解が起こらない条件が好ましく、通常は80〜250
℃で5分間〜24時間加熱する。酸性染料の分解を抑制
する目的で、減圧下で熱処理を行う場合もある。
【0027】このようにして得られた金属酸化物フレー
ク状粉体の厚みは、溶液あるいは製膜条件等によって変
化するが、概ね0.1〜5μmであり、化粧料配合用と
しては好ましくは0.3〜1.0、特に好ましくは0.
4〜0.9μmである。5μmより厚いと、製膜後の自
由表面と基板付近との乾燥速度の差が大きくなりすぎ、
基板に平行な方向での膜間剥離が発生するようになる。
逆に0.1μmより薄いと、基板と膜との付着力が大き
くなりすぎ、膜が基板から剥離しなくなる。またフレー
ク状粉体の粒径は平均粒径が1〜100μmであり、化
粧料配合用としては好ましくは3〜50μm、特に好ま
しくは7〜30μmの大きさに粉砕・分級される。
【0028】本発明によって製造される酸性染料含有金
属酸化物フレーク状粉体を配合した化粧料は、無機酸化
物によって酸性染料が強固に内包固定化されているの
で、酸性染料がフレークから溶出したり、脱離したりす
ることがほとんどなく、耐ブリード性、耐水性、耐汗性
に優れた安定な製品となる。特に本発明において、酸性
染料を添加する液として、その重合度が100〜350
0の上記有機金属化合物の縮重合体を含有するものを使
用することにより、酸性染料溶出量の少ないフレーク状
粉体が製造できる。これは、有機金属化合物の縮重合体
によって、酸性染料分子の動きが制限され、金属酸化物
フレーク状粉体中の酸性染料の固定化がより進むためと
考えられる。また、酸性染料が皮膚に直接触れないの
で、皮膚や爪等を染めることがなく、またフレーク形状
であることから、酸性染料が汗腺や毛穴に詰まることが
なく、皮膚刺激がない安全な製品となる。
【0029】また、無機酸化物中に酸性染料が含有され
ていることにより、酸性染料分子の安定性が向上してお
り、耐光性、耐熱性が高く、鮮やかな発色を有する好ま
しい色調の製品となる。さらに、酸性染料含有フレーク
状粉体が、互いに凝集することもなく、その表面が平滑
であり、良好なすべり性を示すことから、伸展性(の
び)、分散性、付着性が良く、使用触感に優れた製品と
なる。
【0030】本発明で言う化粧料には、上記酸性染料含
有フレーク状粉体の他、必要に応じ、通常用いられてい
る顔料等を併用しても、何等差し支えない。例えば、酸
化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、黄色酸化鉄、
黒色酸化鉄、弁柄、群青、紺青、酸化クロム、水酸化ク
ロム等の無機顔料、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス等
の真珠光沢顔料、シリカビーズ、ナイロン、アクリル等
のプラスチックビーズ等の粉体、タルク、カオリン、マ
イカ、セリサイト、その他の雲母類、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシ
ウム、クレー類等が例示される。
【0031】上記酸性染料含有フレーク状粉体の配合量
としては、その目的とする化粧料の種類により異なる
が、顔料等の固体成分に対して1〜80重量%の範囲で
用いられ、特に2〜50重量%の範囲が好ましい。これ
以下の含有量では、使用触感が改善されない、発色が良
くない等の問題点があり、逆に上限より多くの酸性染料
含有フレーク状粉体を添加しても、着色効果は上がら
ず、他の成分が減少し、色調を整えたり、皮膚への付着
性を上げることが困難になる。
【0032】また、本発明により製造された酸性染料含
有フレーク状粉体の化粧料中での分散性を向上させた
り、感触を良くするために、このフレーク状粉体の表面
処理を施して、改質することは何等差し支えない。例え
ば、メチルハイドロジェンポリシロキサン、反応性アル
キルポリシロキサン、金属石鹸の他、水素添加レシチ
ン、アシルアミノ酸、アシル化コラーゲンのアルミニウ
ム、マグネシウム、カルシウム、チタン、亜鉛、ジルコ
ニウム、鉄より選ばれた金属塩等の、いわゆる疎水化剤
で表面処理を行うと、フレーク状ガラスの表面は親水性
から疎水性に変わるため、化粧料の調合時に添加する油
剤との馴染みが良くなり、感触の良い化粧料となる。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示す。 実施例-1 シリコンテトラエトキシド1480ml、エタノール3
20ml、水2000ml、0.8N硝酸200mlを
混合し、50℃で約20時間養生した。GPC(ゲルパ
ーミエイションクロマトグラフィー)を利用して、この
液中のシリコンテトラエトキシドの重合度を求めたとこ
ろ、平均値は約180であった。この液に、黄色4号
(タートラジン、3-カルボキシ-5-ヒドロキシ-1-
(4-スルホキシフェニル)- 1H-4-ピラゾリルアゾ-
4-ベンゼンスルホン酸三ナトリウム)21gを200
mlの水に溶解させた溶液を添加、混合して、均一な液
を得た。この液の粘度は5cPであり、室温で放置して
も約1カ月間は、安定な液状であった。この液に、表面
を研磨して平滑にした、厚さ0.5mm のステンレス板
を浸漬して、50cm/minの速度で引き上げて、そ
の表面に液を塗布した。これを150℃で約2分乾燥し
て、塗布されたゲル膜を剥離させ、フレーク状とし、1
20℃で24時間熱処理した。走査型電子顕微鏡でフレ
ークを観察したところ、表面は平滑で、厚みは約0.6
μmであった。窒素吸着法によりこのフレークの表面積
を測定したところ、比表面積が約20m2/g であり、
直径8nm以下の細孔を有するシリカの多孔質体であっ
た。フレーク中の黄色4号含有量は、約5重量%であっ
た。
【0034】この熱処理フレークをジェットミルで粉
砕、分級して、平均粒径約23μmの鮮やかな黄色フレ
ーク状粉体を得た。このフレーク状粉体は、互いに凝集
することがなく、滑り性があって、独特の優れた触感を
有していた。
【0035】上記フレーク状粉体0.1gを試験管に採
り、水10mlを添加して密栓し、50℃に保った恒温
振とう器にセットし、毎分150回の振とうを行った。
336時間後に水層を採り、遠心分離により粉体を除去
した後、可視分光光度計を用いて、423nmの黄色4
号起因の吸収ピーク強度を測定した。このピーク強度か
ら酸性染料溶出量を求めたところ、酸性染料溶出量は、
フレーク状粉体中の酸性染料の約0.08%であった。
【0036】実施例-2 市販のメチルシリケートオリゴマー体 MKCシリケー
トMS-56(三菱化学株式会社製、10〜11量体)
700ml、 エタノール1775ml、2-プロパノー
ル1775ml、水500ml、0.8N硝酸250m
lを混合し、30℃で1時間養生して均一な液を得た。
GPCを利用して、この液中のシリケートの重合度を求
めたところ、平均値は約200であった。この液に黄色
4号21gを添加し、50℃で12時間養生して塗布液
とした。 この液を用いて、実施例-1記載の方法で、フ
レーク化、粉砕、分級を行い、平均粒径約23μmの鮮
やかな黄色フレーク状粉体を得た。このシリカフレーク
状粉体は、互いに凝集することがなく、滑り性があっ
て、独特の優れた触感を有していた。
【0037】このフレーク状粉体の酸性染料溶出量を、
実施例-1 記載の方法、条件で測定したところ、酸性染
料溶出量は、フレーク状粉体中の酸性染料の約0.07
%であった。
【0038】実施例-3 シリコンテトラエトキシド1480ml、エタノール3
20ml、水2000ml、0.8N硝酸200mlを
混合し、50℃で約50時間、引続き30℃で約100
時間養生した。GPCを利用して、この液中のシリコン
テトラエトキシドの重合度を求めたところ、平均値は約
3100であった。この液に、黄色4号21gを200
mlの水に溶解させた溶液を添加、混合して、均一な液
を得た。この液の粘度は12cPであり、室温で放置し
ても約1週間は、安定な液状であった。この液を用い
て、実施例-1 記載の方法で、フレーク化、粉砕、分級
を行い、平均粒径約23μmの鮮やかな黄色のシリカフ
レーク状粉体を得た。このフレーク状粉体は、互いに凝
集することがなく、滑り性があって、独特の優れた触感
を有していた。
【0039】このフレーク状粉体の酸性染料溶出量を、
実施例-1 記載の方法、条件で測定したところ、酸性染
料溶出量は、フレーク状粉体中の酸性染料の約0.04
%であった。
【0040】比較例-1 本比較例は、加水分解や縮重合を起こしていないシリコ
ンテトラエトキシドと酸性染料を直接混合し、養生して
塗布液を調製した例である。黄色4号21g、水220
0ml、0.8N硝酸200ml、エタノール320m
l、シリコンテトラエトキシド1480mlを混合し、
50℃で約20時間養生して、均一な液を得た。この液
を用いて、実施例-1 記載の方法で、フレーク化、粉
砕、分級を行い、平均粒径約23μmの鮮やかな黄色フ
レーク状粉体を得た。このフレーク状粉体は、互いに凝
集することがなく、滑り性があって、独特の優れた触感
を有していた。
【0041】このフレーク状粉体の酸性染料溶出量を、
実施例-1 記載の方法、条件で測定したところ、酸性染
料溶出量は、フレーク状粉体中の酸性染料の約2.3%
であった。
【0042】比較例-2 シリコンテトラエトキシド1480ml、エタノール3
20ml、水2000ml、0.8N硝酸200mlを
混合し、50℃で約50時間、引続き30℃で約260
時間養生した。GPCを利用して、この液中のシリコン
テトラエトキシドの重合度を求めたところ、平均値は約
5200であった。この液に、黄色4号21gを200
mlの水に溶解させた溶液を添加、混合して、均一な液
を得た。この液の粘度は43cPであり、室温放置1日
以内でゲル化を起こし固化した。よって、この液を用い
てフレークを安定に作製することは難しいことが確認で
きた。
【0043】比較例-3 エチルシリケート(コルコート株式会社製エチルシリケ
ート40、 SiO2含有量40%)1000g、チタン
イソプロポキシド75g、エタノール500mlを混合
しながら、1.5N硝酸100mlを滴下した。これを
40℃で24時間養生した後、クチナシ青色素(株式会
社アイゼン製クロシンブルーG、クチナシ青色素50%
含有)44gを1200mlの純水に溶解した水溶液を
加え、さらに50℃で約12時間養生して塗布液とし
た。
【0044】実施例-1記載の方法でフレーク化、熱処
理、粉砕分級を行い、 クチナシ青色素含有量約5%、
厚み約0.6ミクロン、平均粒径約23ミクロンの青色
フレーク状粉体を得た。このフレーク状粉体は、互いに
凝集することがなく、滑り性があって、独特の優れた触
感を有していた。上記フレーク状粉体の色素溶出量を、
実施例-1 記載の方法で、590nmの吸収ピークから
求めたところ、クチナシ青色素溶出量は、フレーク状粉
体中の色素の約2.0%であった。
【0045】
【発明の効果】以上の本発明の詳細な説明及び実施例、
比較例で明らかなように、本発明の酸性染料含有フレー
ク状粉体は、酸性染料溶出が少なく、より良い耐ブリー
ド性、耐水性、耐汗性等を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加水分解および縮重合可能な有機金属化
    合物を含む液を養生して前記有機金属化合物をその重合
    度が100〜3500になるように縮重合し、ついでこ
    の液に酸性染料を添加して得た溶液を、表面が平滑な基
    板上に塗布し、乾燥・剥離・加熱することを特徴とする
    酸性染料を含有する金属酸化物フレーク状粉体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記加水分解および縮重合可能な有機金
    属化合物を含む液が、加水分解および縮重合可能な有機
    金属化合物、水、アルコール、及び酸からなるものであ
    る請求項1記載のフレーク状粉体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属酸化物が、シリカ、チタニア、
    アルミナ、およびジルコニアからなる群から選ばれた少
    なくとも1種である請求項1または2記載のフレーク状
    粉体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記酸性染料が、タール系合成色素また
    は天然色素またはそれらの混合物である請求項1〜3の
    いずれかに記載のフレーク状粉体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003106334A1 (ja) * 2002-06-12 2003-12-24 日本板硝子株式会社 多孔質薄片状金属酸化物、その製造方法ならびにそれを配合した化粧料、塗料組成物、樹脂組成物、インキ組成物および紙
WO2005011622A1 (en) * 2003-08-05 2005-02-10 L'oreal Cosmetic composition comprising porous particles incorporating optically active substances

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