JPH08245165A - クレーンの吊り具の振れ検出装置 - Google Patents

クレーンの吊り具の振れ検出装置

Info

Publication number
JPH08245165A
JPH08245165A JP4679295A JP4679295A JPH08245165A JP H08245165 A JPH08245165 A JP H08245165A JP 4679295 A JP4679295 A JP 4679295A JP 4679295 A JP4679295 A JP 4679295A JP H08245165 A JPH08245165 A JP H08245165A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deflection angle
shake
displacement sensor
initial
crane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4679295A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimi Hakamata
佳美 袴田
Masakatsu Nomura
昌克 野村
Mitsutaka Hori
充孝 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meidensha Corp, Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd filed Critical Meidensha Corp
Priority to JP4679295A priority Critical patent/JPH08245165A/ja
Publication of JPH08245165A publication Critical patent/JPH08245165A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吊り具の振れ角値等の振れ情報を容易に得る
ことができるクレーンの吊り具の振れ検出装置を提供す
る。 【構成】 差動トランス式変位センサ8と、巻上げロー
プ13と可動コア10とを接続するワイヤ7と、ワイヤ
7の方向を転換する滑車6と、振れ角演算装置15とを
備えたものであって、吊り具20が振れていると、これ
に伴い可動コア8が上下に移動して差動トランス式変位
センサ8の出力電圧Vt が変化し、振れ角演算装置15
では、このときの出力電圧Vt と、予め計測した、吊り
具20の初期振れ0地点における差動トランス式変位セ
ンサ8の出力電圧Vo 、吊り具20の任意の振れ角値θ
ti、及びこの振れ角値θtiにおける差動トランス式変位
センサ8の出力電圧Vtiとから、θ=θti/(Vti−V
o )・(Vt −Vo )の式により、吊り具20の現在の
振れ角値θを演算するというものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はクレーンの吊り具の振れ
検出装置に関し、クレーンの位置決め制御や振れ止め制
御に必要な吊り具の振れ情報を得るために適用して有用
なものである。
【0002】
【従来の技術】各種の工場における荷役作業には天井走
行クレーンが使用されている。図7はかかる天井走行ク
レーンの概要を示す構成図である。
【0003】同図に示すように、天井走行クレーン65
は、一対のサドルユニット52,53やトロリ台車1等
を備えたものである。サドルユニット52,53は、各
々、工場の天井付近に平行して設けられた走行レール6
3,64上に占位すると共に、走行モータ(誘導電動
機:IM)51,54を有し、一対の平行な横行レール
55,56の両端を支持している。トロリ台車1は、横
行レール55,56上に占位しており、横行モータ(I
M)59を有している。そして、このトロリ台車1に
は、巻上げモータ(IM)58と、この巻上げモータ5
8によって巻上げ又は巻下げられる巻上げロープ13及
びこの巻上げロープ13の下端に設けられたフック21
からなる吊り具20とが装備されている。
【0004】従って天井走行クレーン65は、全体が、
サドルユニット52,53の走行モータ51,54によ
り走行レール63,64に沿って図中の矢印D,E方向
に走行すると共に、トロリ台車1が、横行モータ59に
より横行レール55,56に沿って図中の矢印F,G方
向に横行する。そしてトロリ台車1に備えた吊り具20
は、前記走行によって矢印D,E方向に振れると共に、
前記横行によって矢印F,G方向に振れる。
【0005】かかる天井走行クレーン65は、コンテナ
や台車等の他の搬送機械と同様に、目的の位置により短
時間で、いかに変速時のショックを少なくしながら荷物
を搬送することができるかが重要である。これに対し天
井走行クレーン65は、その構成する様々な装置、即ち
電動機(走行モータ51,54等)、インバータ、各種
把持装置等の発達によりその性能が着実に進歩してきた
反面、その運転については、いまだ高度な技能を有する
熟練運転員の手動操作に頼らざるを得ない状況にある。
しかし長時間の連続操作という過酷な労働環境や運転員
の高齢化等から人手不足が深刻となり、天井走行クレー
ン65の運転自動化が望まれている。
【0006】このような天井走行クレーン65の運転自
動化を実現するには、以下に示すように、吊り具20の
振れを検出して振れ情報を得ることが重要な一要素技術
となっている。
【0007】天井走行クレーン65による荷役作業は、
次の〜の動作順序で実施される(図7参照)。
【0008】 所定の位置にて荷物66の玉掛け用ロ
ープ67を吊り具20のフック21に玉掛けする。 荷物66を巻上げる。 所定の位置まで障害物の回避及び安全の確認をしな
がら天井走行クレーン65を横行、走行運転し、移動す
る。 所定の位置で天井走行クレーン65を停止する。 振れを止め且つ位置を合わせるため、吊り具20の
振れ状態に合わせて横行また走行運転により微小移動す
る。 荷物66を巻き下げる。 荷物66を所定の位置に着床させて固定した後、玉
掛け用ロープ67をフック21からはずす。
【0009】上記〜の動作の中で、一般に言われて
いる天井走行クレーン65の運転自動化の対象は、〜
である。
【0010】表1は、運転自動化の対象となる天井走行
クレーン65の各動作と、これらの動作を自動的に行う
ために必要な各制御手段と、これらの各制御手段におけ
る吊り具20の振れ情報の要否とを示す表である。同表
に示すように、位置決め制御及び振れ止め制御を行う場
合に吊り具20の振れ情報が必要であって、しかもこれ
らの位置決め制御及び振れ止め制御は表1に示す天井走
行クレーン65の各動作のほとんどに対して必要な制御
手段であることから、吊り具20の振れ検出が天井走行
クレーン65の運転自動化を実現する上において重要な
一要素技術であることが明らかである。
【0011】
【表1】
【0012】従来、このような吊り具20の振れ検出手
段としては、センサとしてCCDラインセンサカメラや
CCDエリアセンサカメラ(以下これらを単にCCDカ
メラという)等の画像入力装置を用い、この画像入力装
置によって得られた画像信号を画像処理装置により画像
処理して、巻上げロープ13を識別し、この巻上げロー
プ13の移動距離と時間とから巻上げロープ13の(即
ち吊り具20の)振れ角及び振れ角速度を検出する手段
が知られている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
技術に係る吊り具の振れ検出手段では、以下の,,
に示すような問題点がある。
【0014】 最適な制御応答性を確保するため、画
像処理を高速に行うための画像処理装置が必要であり、
このためコストが高くなる。 測定環境条件(塵埃、油等)の影響により時間経過
と共にCCDカメラのレンズ部が汚れて、CCDカメラ
に光信号を充分に入力させることができなくなり、巻上
げロープ13の識別ができなくなる。このため定期点検
の周期を短くしなければならない。 汎用化が難しい。即ち適用される工場ごとの照明条
件に応じて、巻上げロープ13の識別処理をするための
パラメータを調整する必要がある。また、同一工場内で
も、天井走行クレーン65が移動するため、場所によっ
て照明条件が異なると、場所ごとに前記パラメータの調
整が必要である。
【0015】また、吊り具20の振れ情報としては、振
れ角値の情報だけでなく、初期振れ0地点の情報も重要
である。即ち、振れ止め制御では吊り具20の静止位置
である初期振れ0地点に止めることが最終目標である
が、この初期振れ0地点は一様ではなく、荷物の形状・
重心や吊り方(玉掛け状態等)の違いによって異なる場
合がある。例えば図8に示すように、荷物68を吊り下
げたときには、鉛直方向が初期振れ0地点であったとし
ても、他の荷物69,70を吊り下げたときには荷物6
9,70の形状・重心等の違いにより鉛直方向に対して
傾斜した状態が初期振れ0地点である場合がある。つま
り振れ角検出センサによって得られる吊り具20の初期
振れ0地点を示す電圧信号又は電流信号の値が厳密には
一様ではない。
【0016】このため自動的に振れ止め制御を行う際に
は、実際の初期振れ0地点と異なる初期振れ0地点の値
を振れが止まると判断するための基準値として制御して
しまう場合がある。かかる場合、実際と異なる初期振れ
0地点に止まるよう吊り具20を制御しても、すぐその
後に振れてしまい、いつまでも吊り具20の振れが止ま
らず天井走行クレーン65の横行又は走行がつづくこと
になってしまう。つまり永久に振れ止め制御が行われる
ことになってしまう。振れ角値が精度よく検出されれば
されるほどその影響は大である。なお、振れが止まると
判断するための基準値にある程度の幅を持たせれば永久
に振れ止制御が行なわれるようなことはなくなるが、こ
れでは振れ止め精度が悪くなってしまう。
【0017】従って本発明は上記従来技術に鑑み、吊り
具の振れ角値や初期振れ0地点等の振れ情報を容易に得
ることができるクレーンの吊り具の振れ検出装置を提供
することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の第1の構成は、所定の位置に固定した差動トランス
式変位センサと、この差動トランス式変位センサの可動
コアと吊り具とを連結し、この吊り具の振れと共に前記
可動コアを往復移動せしめる連結手段と、予め計測し
た、前記吊り具の初期振れ0地点における前記差動トラ
ンス式変位センサの出力電圧Vo 、前記吊り具の任意の
振れ角値θti、及びこの振れ角値θ tiにおける前記差動
トランス式変位センサの出力電圧Vtiと、前記吊り具の
現在の振れ角値に応じて変化する前記差動トランス式変
位センサの出力電圧Vt とから、次式、
【0019】
【数3】
【0020】により、前記吊り具の現在の振れ角値θを
演算する振れ角演算装置とを備えたことを特徴とする。
【0021】また上記目的を達成する本発明の第2の構
成は、上記第1の構成において、差動トランス式変位セ
ンサは、その可動コアの移動方向が鉛直方向に沿うよう
固定されており、連結手段は、一端が前記吊り具に接続
されると共にこの一端から他端に向う途中で鉛直方向に
沿うよう方向転換されて前記他端が前記可動コアに接続
されている線状部材と、この線状部材を前記途中で鉛直
方向に沿うよう方向転換せしめる方向転換手段とを有し
て構成されていることを特徴とする。
【0022】また上記目的を達成する本発明の第3の構
成は、吊り具の振れ角を検出する振れ角検出手段と、こ
の振れ角検出手段によって検出された、前記吊り具の振
れ角初期値Vo と、任意の一定時間における数点(i
個)の前記吊り具の振れ角現在値Vとから、次式
(1)、(2)、(3)、
【0023】
【数4】
【0024】により、前記吊り具の初期振れ0地点dと
固有振動数ωn とを演算する演算装置とを有することを
特徴とする。
【0025】
【作用】上記第1又は第2の構成の本発明によれば、ク
レーンの吊り具が振れていると、連結手段により、この
吊り具の振れに伴って差動トランス式変位センサの可動
コアが移動する。その結果吊り具の振れ角値に応じて差
動トランス式変位センサの出力電圧Vt が変化する。そ
して振れ角演算装置では、このときの出力電圧V t と、
予め計測した、吊り具の初期振れ0地点における差動ト
ランス式変位センサの出力電圧Vo 、吊り具の任意の振
れ角値θti、及びこの振れ角値θtiにおける差動トラン
ス式変位センサの出力電圧Vtiとから、上記[数3]の
式により、このときの吊り具の振れ角値θを演算する。
【0026】また上記第3の構成の本発明によれば、ク
レーンの吊り具が振れていると、演算装置では、このと
きに振れ角検出手段によって検出された数点(i個)の
振れ角現在値Vと、先に振れ角検出手段によって検出さ
れた吊り具の振れ角初期値V o とから、上記[数4]の
(2・1)、(2・2)、(2・3)式により、吊り具
の初期振れ地点dと固有振動数ωn とを演算する。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。なお図7と同様の部分には同一の符号を付し
重複する説明は省略する。
【0028】はじめに本発明の第1の実施例を図1、図
2、図3及び図4に基づいて説明する。なお、図1は本
発明の第1の実施例に係る吊り具の振れ検出装置を示す
構成図、図2は差動トランス式変位センサの詳細を示す
説明図、図3は吊り具の振れ角値と差動トランス式変位
センサの出力電圧との関係を示す説明図、図4は吊り具
の振れ角値と差動トランス式変位センサの出力電圧との
関係を示すグラフである。
【0029】図1に示すように、トロリ台車1には充分
な強度を有する逆L字状のセンサ固定器具4が固定され
ており、このセンサ固定器具4の下端部には、取付金具
9によって、直流形の差動トランス式変位センサ8が固
定されている。この差動トランス式変位センサ8は、そ
の可動コア10の移動方向が鉛直方向に沿うようにして
固定されている。そして、可動コア10の上端部は、細
くて丈夫なワイヤ7の端部に接続されている。
【0030】このワイヤ7は、その一端が吊り具20の
巻上げロープ13に接続されると共に、この一端から他
端へ向う途中で、センサ固定器具4に支持されて差動ト
ランス式変位センサ8の上方に占位する滑車6により、
鉛直方向に沿うよう方向転換されており、前記他端が前
述の如く可動コア10の上端部に接続されている。
【0031】また差動トランス式変位センサ8は、セン
サ固定器具4に付設されている信号用ケーブル11と電
源用ケーブル12とを介して、トロリ台車1に備えられ
ている直流電源2と端子台又はコネクタ(以下単に端子
台という)3とに接続されている。即ち図2に示すよう
に、差動トランス式変位センサ8は、1次コイル17に
発振回路16が接続されており、この発振回路16が前
述の如く電源用ケーブル11を介して直流電源2に接続
されると共に、2次コイル18に整流平滑回路19が接
続されており、この整流平滑回路19が前述の如く信号
用ケーブル12を介して端子台3に接続されている。な
お、整流平滑回路19の出力側には負荷抵抗22が接続
されており、この両端電圧が差動トランス式変位センサ
8の出力電圧(直流電圧)Vt となる。
【0032】この差動トランス式変位センサ8の出力電
圧Vt は、図3に示すように、巻上げロープ13が(即
ち吊り具20が)初期振れ0地点にあるときには、V0
となり、巻上げロープ13が図中左右に振れると、この
振れ角値に応じてVmin からVmax まで変化する。
【0033】振れ角演算装置15は、信号用ケーブル1
2及び端子台3を介して差動トランス式変位センサ8に
接続されている。そしてこの振れ角演算装置15は、吊
り具20の任意の振れ角値θt における差動トランス式
変位センサ8の出力電圧Vtと、予め計測した、吊り具
20の初期振れ0地点における差動トランス式変位セン
サ8の出力電圧Vo 、吊り具20の任意の振れ角値
θti、及びこの振れ角値θ tiにおける差動トランス式変
位センサ8の出力電圧Vtiとから、次の(2・1)式に
より、吊り具20の振れ角値θを演算する。なおこの
(2・1)式をグラフに表わすと図4のようになる。
【0034】
【数5】
【0035】従って上記第1の実施例によれば、吊り具
20が振れていると、この吊り具20の振れに伴って可
動コア10が上下に移動し、その結果吊り具20の振れ
角値θt に応じて差動トランス式変位センサ8の出力電
圧Vt が変化する。そして振れ角演算装置15では、こ
のときの出力電圧Vt と、予め計測した、吊り具20の
初期振れ0地点における差動トランス式変位センサ8の
出力電圧Vo 、吊り具20の任意の振れ角値θti、及び
この振れ角θtiにおける差動トランス式変位センサ8の
出力電圧Vtiとから、上記(2・1)式により、このと
きの吊り具20の振れ角値θを演算する。
【0036】かくして容易に吊り具20の振れ角値θを
得ることができる。しかも上記検出装置は、上記の如く
構成が簡易であるため、コストを安くすることができ
る。また上記検出装置は、従来のCCDカメラを用いた
装置に比べて、測定環境条件(塵埃、油等)の影響が少
ないため頻繁に点検を行う必要がなく、更には照明条件
によって巻上げロープ13を識別処理するためのパラメ
ータの調整を行うような手間を要せず、汎用性に優れて
いる。
【0037】なお差動トランス式変位センサ8の出力電
圧がVmin 又はVmax となったときには、図3に示すよ
うに、吊り具20が大きく振れ過ぎて振れ角値が定格範
囲外に到達した状態であり、このときには吊り具20が
矢印B,C又はB′,C′の何れに振れているのかが実
測できない状況にある。この場合には、演算による予測
が必要であるが、その処理は振れ角演算装置15からの
振れ角値θを受信して位置決め・振れ止め制御を行う制
御装置において行う。
【0038】また上記第1の実施例では、直流形の差動
トランス式変位センサ8を用いたが勿論、交流形の差動
トランス式変位センサを用いてもよい。但しこの場合に
は、直流電源2を交流電源とアンプに変更し、整流平滑
回路19を削除する。そして出力電圧は交流となる。
【0039】また上記第1の実施例では、滑車6を用い
たが、ワイヤ7との摩擦を防止するには滑車6を用いる
ことが望ましいものの、必ずしもこれに限定するもので
はなく、例えば表面が滑らかな円柱状の部材を用いても
よい。
【0040】また上記第1の実施例では、走行方向又は
横行方向のうちの一方向の振れ角値を検出する場合の構
成を示したが、勿論、他の差動トランス式変位センサや
ワイヤ等を設けて他方向の振れ角値も検出するようにし
てもよい。
【0041】次に本発明の第2の実施例を図5及び図6
に基づいて説明する。なお図5は本発明の第2の実施例
に係る吊り具の振れ検出装置を備えたクレーン制御装置
のブロック図、図6は吊り具の初期振れ0地点及び固有
振動数を求めるアルゴリズムを示すフローチャートであ
る。
【0042】図5に示すように、クレーン制御装置31
は、クレーン制御ユニット37、オフセット演算部3
6、振れ角演算部34、ロープ長演算部35、及びアナ
ログ/ディジタル変換器(以下ADCという)32,3
3を有している。
【0043】ADC32では、吊り具20の振れ角を検
出する振れ角センサ38から出力される振れ角検出信号
を入力し、これをアナログ/ディジタル変換(以下A/
D変換という)した後、振れ角演算部34へ出力する。
振れ角演算部34では、ADC32から出力された振れ
角検出信号をフィルタ処理して入力した後、この振れ角
検出信号に基づいて吊り具20の振れ角値を演算し、こ
れをオフセット演算部36及びクレーン制御ユニット3
7へ出力する。なお、オフセット演算部36へ出力する
o は測定開始時点の初期値であり、Vは初期振れ0地
点や固有振動数を求める時点での現在値である。
【0044】オフセット演算部36では、振れ角演算部
34から出力された、吊り具20の振れ角初期値V
o と、任意の一定時間における数点(i個)の吊り具2
0の振れ角現在値Vとから、最小自乗法に基づき、次の
(3・1)、(3・2)、(3・3)式により、吊り具
20の初期振れ0地点(オフセット)dと固有振動数ω
nとを演算し、これらをクレーン制御ユニット37へ出
力する。(3・1)、(3・2)、(3・3)式の導出
過程の詳細は後述する。なお、振れ角演算部34として
上記第1の実施例に示した振れ角演算装置15を適用す
る場合には、図5中に点線の矢印で示したように、初期
振れ0地点dの値を、この振れ角演算装置15へも出力
する。
【0045】
【数6】
【0046】ADC33では、巻上げロープ13の長さ
L′を検出するロープ長センサ39から出力されるロー
プ長検出信号を入力し、これをA/D変換した後、ロー
プ長演算部35へ出力する。ロープ長演算部35では、
ADC33から出力されたロープ長検出信号をフィルタ
処理して入力した後、このロープ長検出信号に基づき荷
物66の重心位置を考慮したロープ長Lを演算し、この
ロープ長Lをオフセット演算部36及びクレーン制御ユ
ニット37へ出力する。
【0047】クレーン制御ユニット37では、振れ角演
算部34から出力された振れ角値V、オフセット演算部
36から出力された初期振れ0地点dと固有振動数
ωn 、及びロープ長演算部35から出力されたロープ長
Lに基づき、天井走行クレーン65の本体に対して横行
や走行の速度指令を出力して、吊り具20の振れ止め制
御や位置決め制御を行う。
【0048】ここで、吊り具20の初期振れ0地点dや
固有振動数ωn を求めるアルゴリズムを図6のフローチ
ャート(S1〜S4の符号を付した)に基づいて説明す
る。
【0049】まず、吊り具20の振れ角値及びロープ長
の計測を開始する(S1)。この計測開始時点において
計測した振れ角値及びロープ長の値を振れ角初期値Vo
及びロープ長初期値Lo とする。次に初期振れがあるか
否かを判別する(S2)。即ち、振れ角現在値Vが一定
か否かをみることによって吊り具20が静止せずに振れ
ているか否かを判別する。その結果、吊り具20が静止
していると判断したときには、天井走行クレーン65を
少し走行又は横行させて吊り具20を振らせる(S
3)。
【0050】そして、このときの任意の一定時間におけ
る数点(i個)の吊り具20の振れ角現在値Vと、前述
の振れ角初期値Vo とから、上記(3・1)、(3・
2)、(3・3)式により、吊り具20の初期振れ0地
点dと固有振動数ωn とを演算する(S4)。なお、初
期振れがないときには、そのときの振れ角値を初期振れ
0地点dとし、固有振動数ωn は上式(3・1)、(3
・2)、(3・3)によって演算する。即ち固有振動数
ωn を求めるために上記S3の手順が必要となる。
【0051】こうして求めた初期振れ0地点dや固有振
動数ωn 等に基づいて、天井走行クレーン65のクレー
ン運転プログラムが実行される(S5)。即ち、吊り具
20の振れ止め制御を行いながら目的地まで荷物66を
搬送する。
【0052】続いて、目的地に到着したか否か、及び振
れ角値がゼロか否か(即ち吊り具20が初期振れ0地点
dで静止しているか否か)を判別する(S6)。天井走
行クレーン65が目的地に到着し且つ吊り具20が静止
していると判断したときには処理を終了する(S7)。
一方、天井走行クレーン65が目的地に到着していない
か、又は吊り具20が振れていると判断したときには、
ロープ長Lが変化したか否かを判別し(S8)、ロープ
長Lが変化していないと判断したときにはそのまま、ロ
ープ長Lが変化していると判断したときには前述のロー
プ長初期値Loに変化長を加算した上で(S9)、上記
のクレーン運転プログラムを引き続き実行し、振れ止め
制御及び目的地への搬送を行う。
【0053】以上のように上記第2の実施例によれば、
振れ止め制御に必要な初期振れ0地点dと固有振動数ω
n の値を容易に得ることができ、しかも初期振れ0地点
dの値が得られることによって荷物の形状・重心や吊り
方(玉掛け方法等)に影響されない振れ止め制御が可能
となり、制御装置の柔軟性・汎用性が向上する。また吊
り具20の実際の初期振れ0地点と、振れが止まると判
断するための基準値(初期振れ0地点d)との誤差が非
常に小さくなるため、振れ止め制御の精度が向上する。
【0054】また、従来は吊り具20に荷物66を吊る
し所定の高さまで持ち上げて目的地への搬送を開始する
前に吊り具20が少しでも振れていれば、運転員が手動
操作でこの振れを完全に停止させて初期振れ0地点を合
わせてから、搬送を開始していたが、上記第2の実施例
によれば、吊り具20が多少振れていても搬送を開始す
ることができるようになるため、搬送効率が向上する。
【0055】最後にここで、上記(3・1)、(3・
2)、(3・3)式の導出過程について詳細に説明す
る。(3・1)、(3・2)、(3・3)式は次の
(1)、(2)、(3)の順に導出した。
【0056】
【数7】
【0057】
【数8】
【0058】
【数9】
【0059】
【数10】
【0060】そして、上式(3・17)に基づき、連立
方程式を解けば、初期振れ0地点(オフセット)d及び
固有振動数ωn が求まる。但し、振れ角センサ38から
ADC32経由で得られる振れ角初期値vo 及び振れ角
現在値vにはノイズ成分がまだ含まれているため、ある
任意の一定時間の数点(i個)を測定し、最小自乗法に
て、初期振れ0地点dと固有振動数ωn とを求める。即
ち、上記(3・1)、(3・2)、(3・3)式によっ
て、初期振れ0地点dと固有振動数ωn とが求められ
る。
【0061】なお、本発明は、図7に示す天井走行クレ
ーン65に対してだけでなく、他のクレーンの振れ検出
にも適用できることは勿論である。
【0062】
【発明の効果】以上実施例と共に具体的に説明したよう
に本発明によれば、差動トランス式変位センサと、連結
手段と、振れ角演算装置とを備えたことにより、容易に
吊り具の振れ角値を得ることができる。しかも検出装置
の構成が簡易であるためコストが安く、また従来のCC
Dカメラを用いた検出装置に比べて測定環境条件(塵
埃、油等)の影響が少ないため頻繁に検出装置の点検を
行う必要がなく、更には照明条件によって巻上げロープ
の識別処理をするためのパラメータ調整を行うような手
間を要せず、汎用性に優れている。
【0063】また振れ角検出手段と、演算装置とを備え
ることにより、振れ止め制御に必要な初期振れ0地点d
と固有振動数ωn の値を容易に得ることができ、しかも
初期振れ0地点dの値が得られることによって荷物の形
状・重心や吊り方(玉掛け方法等)に影響されない振れ
止め制御が可能となり、制御装置の柔軟性・汎用性が向
上する。また吊り具20の実際の初期振れ0地点と、振
れが止まると判断するための基準値(初期振れ0地点
d)との誤差が非常に小さくなるため、振れ止め制御の
精度が向上する。更には吊り具が多少振れていても搬送
を開始することができるようになるため、搬送効率が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る吊り具の振れ検出装
置を示す構成図である。
【図2】差動トランス式変位センサの詳細を示す説明図
である。
【図3】吊り具の振れ角値と差動トランス式変位センサ
の出力電圧との関係を示す説明図である。
【図4】吊り具の振れ角値と差動トランス式変位センサ
の出力電圧との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施例に係る吊り具の振れ検出
装置を備えたクレーン制御装置のブロック図である。
【図6】吊り具の初期振れ0地点及び固有振動数を求め
るアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図7】天井走行クレーンの概要を示す構成図である。
【図8】吊り具の実際の初期振れ0地点について示す説
明図である。
【符号の説明】
1 トロリ台車 2 直流電源 3 端子台 4 センサ固定器具 6 滑車 7 ワイヤ 8 差動トランス式変位センサ 9 取付金具 10 可動コア 11 電源用ケーブル 12 信号用ケーブル 13 巻上げロープ 15 振れ角演算装置 16 発振回路 17 1次コイル 18 2次コイル 19 整流平滑回路 20 吊り具 21 フック 22 負荷抵抗 31 クレーン制御装置 32,33 ADC 34 振れ角演算部 35 ロープ長演算部 36 オフセット演算部 37 クレーン制御ユニット 38 振れ角センサ 39 ロープ長センサ 65 天井走行クレーン 66 荷物

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の位置に固定した差動トランス式変
    位センサと、 この差動トランス式変位センサの可動コアと吊り具とを
    連結し、この吊り具の振れと共に前記可動コアを往復移
    動せしめる連結手段と、 予め計測した、前記吊り具の初期振れ0地点における前
    記差動トランス式変位センサの出力電圧Vo 、前記吊り
    具の任意の振れ角値θti、及びこの振れ角値θ tiにおけ
    る前記差動トランス式変位センサの出力電圧Vtiと、前
    記吊り具の現在の振れ角値に応じて変化する前記差動ト
    ランス式変位センサの出力電圧Vt とから、次式、 【数1】 により、前記吊り具の現在の振れ角値θを演算する振れ
    角演算装置とを備えたことを特徴とするクレーンの吊り
    具の振れ検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載するクレーンの吊り具の
    振れ検出装置において、 差動トランス式変位センサは、その可動コアの移動方向
    が鉛直方向に沿うよう固定されており、連結手段は、一
    端が前記吊り具に接続されると共にこの一端から他端に
    向う途中で鉛直方向に沿うよう方向転換されて前記他端
    が前記可動コアに接続されている線状部材と、この線状
    部材を前記途中で鉛直方向に沿うよう方向転換せしめる
    方向転換手段とを有して構成されていることを特徴とす
    るクレーンの吊り具の振れ検出装置。
  3. 【請求項3】 吊り具の振れ角を検出する振れ角検出手
    段と、 この振れ角検出手段によって検出された、前記吊り具の
    振れ角初期値Vo と、任意の一定時間における数点(i
    個)の前記吊り具の振れ角現在値Vとから、次式
    (1)、(2)、(3)、 【数2】 により、前記吊り具の初期振れ0地点dと固有振動数ω
    n とを演算する演算装置とを有することを特徴とするク
    レーンの吊り具の振れ検出装置。
JP4679295A 1995-03-07 1995-03-07 クレーンの吊り具の振れ検出装置 Withdrawn JPH08245165A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4679295A JPH08245165A (ja) 1995-03-07 1995-03-07 クレーンの吊り具の振れ検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4679295A JPH08245165A (ja) 1995-03-07 1995-03-07 クレーンの吊り具の振れ検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08245165A true JPH08245165A (ja) 1996-09-24

Family

ID=12757192

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4679295A Withdrawn JPH08245165A (ja) 1995-03-07 1995-03-07 クレーンの吊り具の振れ検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08245165A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009113889A (ja) * 2007-11-02 2009-05-28 Fuji Electric Systems Co Ltd 振れ角補正装置および振れ角補正方法
CN105547230A (zh) * 2016-01-30 2016-05-04 成都康拓兴业科技有限责任公司 基于直线位移法的飞机平尾偏转角度测量方法
CN108147285A (zh) * 2018-01-30 2018-06-12 上海振华重工电气有限公司 一种双起升桥吊的摆角测量装置及其测量方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009113889A (ja) * 2007-11-02 2009-05-28 Fuji Electric Systems Co Ltd 振れ角補正装置および振れ角補正方法
CN105547230A (zh) * 2016-01-30 2016-05-04 成都康拓兴业科技有限责任公司 基于直线位移法的飞机平尾偏转角度测量方法
CN108147285A (zh) * 2018-01-30 2018-06-12 上海振华重工电气有限公司 一种双起升桥吊的摆角测量装置及其测量方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100220202B1 (ko) 크레인의 로프 흔들림 방지 제어방법 및 장치
JPH11349280A (ja) 懸垂式搬送装置
JP4840442B2 (ja) 吊荷振れ止め装置
WO2005012155A1 (ja) クレーン及びそのコントローラ
JP2002241079A (ja) クレーンの積み付け制御方法および積み付け制御装置
JP2007161393A (ja) クレーンの振れ止め制御方法
JPH08245165A (ja) クレーンの吊り具の振れ検出装置
WO2018211739A1 (ja) 巻上げ機
JP3153849B2 (ja) トロリーカメラ位置検出装置
JP2012025507A (ja) 振れ検出装置、振れ検出方法、及びクレーン
JP2004244151A (ja) クレーンの吊下げ長さ測定方法及び装置
JP6810297B2 (ja) クレーンの振れ止め制御に用いる振り子長の設定装置
JP5809788B2 (ja) 地切り停止機構付き電動巻上機
JPH112508A (ja) 吊荷の位置検出装置
JP2004161475A (ja) 吊荷の積み付け制御方法及び制御装置並びに荷役機械
JP2014189389A (ja) クレーンとその制御方法
CN108910709B (zh) 一种桥式起重机防摇传感器的位置标定方法
JPH08157181A (ja) クレーンの振れ止め制御方法
JPH0771958A (ja) クレーンの吊具振れ角検出装置の基準角度補正方法
JP2007269450A (ja) 搬送設備とその制御方法
JPH08192989A (ja) クレーンの振れ検出装置
JP2991632B2 (ja) クレーン装置における荷物振れ止め装置
JP7119596B2 (ja) クレーン設備およびその制御方法
JPH11139762A (ja) クラブ旋回型クレーン吊荷の振れ止め方法
JP3321988B2 (ja) ケーブルクレーンの荷振れ止め方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020507