JPH082443B2 - 表面摩擦異方性紋り用鋼板 - Google Patents

表面摩擦異方性紋り用鋼板

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JPH082443B2
JPH082443B2 JP26524387A JP26524387A JPH082443B2 JP H082443 B2 JPH082443 B2 JP H082443B2 JP 26524387 A JP26524387 A JP 26524387A JP 26524387 A JP26524387 A JP 26524387A JP H082443 B2 JPH082443 B2 JP H082443B2
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隆史 小原
誠 今中
岡田  進
進 増井
浩三 角山
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川崎製鉄株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 鋼板の表面粗さパターンの方向を制御することによっ
て、鋼板の表面性状に異方性を付与して、絞りや曲げな
どの加工性改善を図った表面摩擦異方性絞り用鋼板を提
案しようとするものである。
一般に薄鋼板とくに冷延鋼板はその多くが絞りや曲げ
加工などの機械的加工によって目的とする形状を得た
後、塗装処理等が施されて使用に供される。このような
薄鋼板材料は、あくまで均一かつ等方的であることが最
良であるとされてきた。
しかしながら現実的にみると鋼板の引張特性などは強
い面内異方性を有しているのが常であり、このため、鋼
板の特性を改善するにあたってはその異方性を小さくす
ることがまず肝要であるとされてきた。
たてえばr値は絞り性向上に重要であるが、それが結
晶方位に強く依存するため、その面内方向の制御は非常
に難しいことが知られている。そして現在でもその制御
に多くの努力がはらわれているが、いまだ十分に制御さ
ているとはいいがたい。
(従来の技術) 従来の鋼板については表面はミクロにもマクロにも均
質かつ等方的であることのみが強く要求されていた。し
たがって鋼板表面へ粗度付与を目的として行なわれる調
質圧延のロール粗面化方法も、ショットブラスト法、放
電ダル加工法そして最近開発されたレーザーダル加工法
(特開昭62-11922号公報など)いずれをとっても、まず
均質な表面を得ることを目的とするものに限られる。し
かしながらこのような従来の技術では最近の鋼板表面に
対する多様な要求を満足することができなくなってきて
いる。
その一つの例として非常に厳しい深絞り性を要求され
る場合をあげることができる。すなわち非常に深くかつ
均一なしぼり加工性が要求されるときには内質の異方性
を現状技術の限界近くまで制御してもなおかつ得られる
特性が不十分の場合がある。
(発明が解決しようとする問題点) 絞り用鋼板に関し、その永年にわたる努力にも拘わら
ず、むしろ回避不可能とも目される内質の異方性改善に
よるのではなく、それによる影響に対して匹敵ないしは
凌駕する表面性状の異方性を適切に制御することによっ
て有効な加工性改善の実を挙げることがこの発明の目的
である。
(問題点を解決するための手段) この発明は、微細な凹凸形状の表面粗さパターンをも
つ鋼板であって、特定の方向で他の方向に対し異なった
凹凸形状及び/又はその配列を有することを特徴とする
表面摩擦異方性絞り用鋼板である。
第1図の(a),(b)及び(c)にて、微細な凹凸
形状の表面粗さパターンを区別した鋼板を模式で示し、
(a),(b)が紙面の上下方向にて、他に対し異なっ
た凹凸形状配列になる異方性の規則パターンまた(c)
では同じく上下、左右とも同一の凹凸形状配列になる等
方性規則パターンを示すもので、これらの表面性状は
(a),(b)において左右方向の摺動抵抗が上下方向
よりも大きいのに反し(c)では両方向においてほぼ同
等である。
第1図(a),(b)で示した以外にその類型は第2
図(a)〜(d)のような場合が含まれるのは、いうま
でもない。
発明者らは薄鋼板の加工性に関してはその内質ととも
に表面性状の影響が大きくかつその制御が有効な場合の
あることを知見した。すなわち第3図にてダイスの要部
を破断して示すような深絞り加工の場合には絞り変形に
対する材料自体の変形抵抗に加えて鋼板2とダイス1と
の摩擦抵抗が重要である。
いうまでもなく深絞り性の良好な鋼板とは板幅方向に
変形し易く(ランクフォード値:r値が高い)、抗張力が
高いことに加えて摩擦係数が小さいことが重要となる。
そしてなおかつ実際の円筒形の絞り加工においては絞
り加工後のカップ高さの不均一性、すなわち第4図
(a),(b)で区別した耳の発生が問題となる。従
来、このような深絞り加工による異方性を改善する方法
としては、素材の内質を改善するしかないとされてきた
のである。しかしながら鋼板の内質の面内異方性を制御
することには限界があり完全に制御することはほとんど
不可能であった。
またさらに最近では塗装後の外観に対する要求も厳し
くなってきており、塗装後の光沢を制御する必要もでて
きている。
この発明はこのような鋼板表面に対する多様な要求を
満足すべく開発したものである。
発明者らは最近の製品に対する要求、そして従来技術
の問題点を種々検討し、その結果、表面粗さプロファイ
ルあるいは凹凸の配列を制御することによって表面性状
に異方性を付与することが可能であること、そしてその
粗度プロファイルや凹凸配列はあくまで巨視的には均一
性を保持できることを知見した。
すなわち鋼板に一定の粗さを付与し要求されるプレス
成形性あるいは鋼板処理時の取扱い性を何らそこなわず
に、表面性状に異方性を付与すべく粗度を構成する最小
単位の形状あるいはその集合体の配列を制御することが
有効であることを知見したものである。
従来の鋼板表面粗さ、とくにプレス用鋼板の表面粗さ
は等方的であることを大前提としてきたのに対して、こ
の発明では等方性と異方性を使い分けることの有用性に
着目したものである。例えば外観は均一で、表面の摩擦
係数の異方性を制御することなどである。
よって異方性を与えるとしてもあまりに極端な形状変
化、すなわち塗装後の外観性状をも害するような表面性
状異方性はこの発明の目的とするところではない。例え
ば従来からある機械加工による溝模様とか、研削模様は
たとえそれが表面特性に影響を及ぼすとしても、塗装後
に良好な外観を得ることができず、到底実用化できな
い。したがってこの発明の特徴は通常の使用条件下すな
わち通常の粗度の範囲において何ら外観性状を劣化させ
ずにプレス用鋼板の摩擦係数の異方性を制御することに
成功したことにある。
さて、この発明の基礎となった実験結果について説明
する。一般冷延鋼板SPCCを素材として実験した。小型調
質圧延ロールにレーザーダル加工法を適用し、種々の粗
度、パターンの模様づけを行い調質圧延の圧下率を調整
しながら多くの表面パターンの鋼板を得た。それらの鋼
板について潤滑条件下での摩擦抵抗を測定した。多くの
パラメーターで結果を整理してみたが、その中でもっと
も結果を良く整理できるパラメーターとして第5図に示
すような平均かみ込み角θの効果が見出された。尚、こ
のような角度パラメーターは従来のランダムな粗度の鋼
板を用いた場合にはその規定すら不可能であったもので
ある。
またさらに種々の実験を行った結果、凸部の大きさ、
そして密度(間隔)等も微妙に摩擦係数に影響を及ぼし
ていることが判明した。したがってそれらの組み合わせ
で摩擦係数の制御が可能になることを知見した。典型的
な粗度パターンと摩擦係数の異方性についてはさきに第
1図を参照して触れたとおりである。
このような粗度制御については凹凸の一個一個の制御
が可能な調質圧延ロールへのレーザーダル加工法が最適
であるが、電子ビーム加工、あるいはフォトエッチング
法でも本発明の目的の達成は可能である。
すなわち通常のレーザーダル加工においては第6図
(a)の如くレーザーダルが同心状であり吹きつけ酸素
ガスの方向も設備的に可能な限り均一となっている。こ
のような各条件でできるピットは同図(b)に示すよう
に丸い形状を呈する。これに対し、方向性を付与する場
合には第7図(a),(b)または第8図(a),
(b)あるいは第7図、第8図の手法を組み合わせれば
よい。すなわち第7図(a)のように吹きつけガスを偏
心させたり、第8図(a)のようにレーザービーム断面
を楕円あるいは矩形とすることにより、形成されるピッ
トは細長くなる。このような処理は従来のレーザーダル
加工装置の制御系を改善することにより可能となる。
〔実施例〕
第9図(a),(b)に表面粗度が50番ショットダル
よりなる従来の鋼板(JIS,SPCC)のr値(ランクフォー
ド値)と摩擦係数の異方性、また絞り比2.2、直径36mm
の円筒カップ絞りの耳高さの変化を示す。
ここでr値の変化は種々の方向から切り出したJIS 5
号引張試験片を用いて測定した値である。また摩擦係数
はプレス油を塗布した状態での荷重100kgの時の動摩擦
係数を測定したものである。
この場合r値の変化は深絞り用鋼板の典型的なもので
あるのに反し、従来の鋼板の表面摩擦係数は図のように
ほとんど等方的である。
その結果、円筒カップ絞り試験を行うとr値の異方性
に対応してカップの耳高さが変化した。このような従来
の鋼板では耳発生を小さくするためには材料のr値の異
方性を小さくするしかなかったのである。
この発明に従い、第9図の場合と同一コイルから切り
だした供試鋼板に第10図の如きパターンをスキンパスロ
ールを用いて転写した。このパターンは圧延方向の摩擦
係数が小さく圧延方向と直角方向の摩擦係数が大きいと
いう特徴を有する。そのため第11図に示すように丁度鋼
板の変形し易さの異方性と補いあって鋼板全体の成形特
性としては異方性が見かけ上非常に小さくなることが確
認された。
また一方では、逆のそのパターンを選択することによ
り摩擦係数の均一性、等方性を維持しつつ光沢の異方性
を制御し得るのは云うまでもない。というのは、たとえ
ば等方的な形状のピットの配置のみを変えることにより
容易に達成しうるからである。
なお、四角形や三角形の形状を有するピットを規則的
に配置することにより、丁度光の散乱がある方向にのみ
起こるようにすることも可能であって、その場合ピット
の形を第12図のようにすると、摩擦係数の異方性はほと
んど無視しうる程度に小さくなった。
また本発明をより効果的にするためには板幅方向の各
位置(例えば中央と端部)で異方性を変更することも有
効である。
またさらに機械的性質が事実上等方的とみなし得る材
料も含め、意図的に強い表面異方性を付与することも可
能である。
(発明の効果) この発明によると、絞り用鋼板に施されるダル仕上の
一般的な目的を実質上何ら阻害することなしに表面特性
とくに表面摩擦の異方性を活用して、鋼板内質の異方性
との相殺によって事実上の異方性を著しく軽減し、また
両異方性の加重によって特定の向きでの曲げなどの加工
性を著しく改善することができる。さらにまた表面光沢
の意図的制御も可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は粗度パターンと摩擦係数の関係を示す 第2図は粗度パターンの他の例を示す説明図、 第3図は円筒深絞り加工の際の鋼板の変形状態を示す模
式図であり、 第4図はカップ絞り時の耳発生の状態を示す比較図、 第5図はかみ込み角度の影響を示す線図、 第6図、第7図、第8図はレーザーダル加工時における
異方性付与法の比較図、 第9図は従来の50番ダル表面を有する鋼板の深絞り特性
を示す線図であり、 第10図は異方性を具えたピットの一例を示す模式図、 第11図は第10図のピットからなる鋼板の深絞り特性を示
す線図であり、 第12図は光沢の異方性を有する表面の例を示す説明図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増井 進 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 角山 浩三 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭54−31069(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細な凹凸形状の表面粗さパターンをもつ
    鋼板であって、特定の方向で他の方向に対し異なった凹
    凸形状及び/又はその配列を有することを特徴とする表
    面摩擦異方性絞り用鋼板。
JP26524387A 1987-10-22 1987-10-22 表面摩擦異方性紋り用鋼板 Expired - Fee Related JPH082443B2 (ja)

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JP4933173B2 (ja) 2006-07-03 2012-05-16 株式会社リコー 成形品、成形型、光学素子、光学装置、光走査装置、画像表示装置、光ピックアップ装置

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