JPH08243986A - 連続体を加工素材とする物品の製造方法 - Google Patents

連続体を加工素材とする物品の製造方法

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JPH08243986A
JPH08243986A JP4403595A JP4403595A JPH08243986A JP H08243986 A JPH08243986 A JP H08243986A JP 4403595 A JP4403595 A JP 4403595A JP 4403595 A JP4403595 A JP 4403595A JP H08243986 A JPH08243986 A JP H08243986A
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length
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JP4403595A
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Toshio Akiyama
敏雄 秋山
Fumito Takada
文人 高田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】切断工程に手間がかからず、また材料の不良損
失部分が増大することを防止できる連続体を加工素材と
する物品の製造方法を提供する。 【構成】加工素材としての連続体に定尺単位で同一加工
を施し、その後この連続体を定尺の単体に切り離すこと
により、多数の同一製品を製造する連続体を加工素材と
する物品の製造方法において、連続体に加工を施す工程
において測定された、連続体の位置に対応した加工実績
データに基づいて、連続体を切断する工程において連続
体を切り離す箇所を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はたとえば帯状の連続体
に、単工程あるいは複数の工程で加工を施し、その後に
それを切断することにより個々の物品を完成させる連続
体を加工素材とする物品の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、連続体を加工素材として、そ
れに一定長さ毎に同一の加工を施し、後にそれらを切断
して同一の製品を多数製造する方法が知られている。こ
のような物品の製造方法では、従来、連続体の各部の位
置とその位置における加工状態を精密に対応させて管理
する例はなく、加工条件の管理等は連続体のロット単位
程度で行われていた。すなわち、連続体のどの位置にど
のような加工不良があるかということまではわからなか
った。そのため、加工が施された連続体を切断して各固
体に分離する工程においても、連続体を目視あるいは自
動で検査し、不良箇所を排除しながら切断を行ったり、
または無条件で切断されたものを後工程で検査し、不良
品を排除するのが通例であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来例においては、連続体を目視あるいは自動で検査す
る場合には、切断工程に手間がかかり、また、無条件で
切断されたものを後工程で検査する場合には、切断のと
きにかならず定尺単位で切断が行われるため、真の不良
部分のみを廃棄したくても、定尺単位で処理しなければ
ならず、不良損失面積が増大するという問題点があっ
た。
【0004】したがって、本発明は上述した課題に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、切断
工程に手間がかからず、また材料の不良損失部分が増大
することを防止できる連続体を加工素材とする物品の製
造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するために、本発明の連続体を加工素材とす
る物品の製造方法は、加工素材としての連続体に定尺単
位で同一加工を施し、その後該連続体を定尺の単体に切
り離すことにより、多数の同一製品を製造する連続体を
加工素材とする物品の製造方法において、連続体に加工
を施す工程において測定された、連続体の位置に対応し
た加工実績データに基づいて、連続体を切断する工程に
おいて連続体を切り離す箇所を決定することを特徴とし
ている。
【0006】また、この発明に係わる連続体を加工素材
とする物品の製造方法において、前記連続体を切断する
工程において、連続体を実際に切断する動作に先立っ
て、製造装置を制御するコンピュータ内で予め設定され
たルールに従い、ロット構成や不良排出すべき単体の分
布状態を演算し、その演算結果を作業者が確認できるよ
うにディスプレイ上に表示することを特徴としている。
【0007】また、この発明に係わる連続体を加工素材
とする物品の製造方法において、前記製造装置を制御す
るコンピュータから、切断装置を制御するコントローラ
に対して、単体の切断指示、不良排出指示、及びロット
ごとの検査サンプル切断指示等を送信する場合に、ロッ
トごとの単体ショット数と不良排出すべき単体ショット
数の2種類の情報を送信することを特徴としている。
【0008】
【作用】以上のように構成されるこの発明に係わる連続
体を加工素材とする物品の製造方法においては、切断の
前工程において計測された連続体のどの部分にどれだけ
の長さの加工欠陥があるかという情報に基づいて、単体
の切断を行うようにしている。従って、切断の工程で
は、どの部分に不良があるかという検査を行う必要がな
く、切断工程の手間が低減される。また、連続体のどの
位置にどれだけの長さの加工欠陥があるかということが
わかっているので、切断工程では、真の不良部分のみを
切断して廃棄することができるので、材料の無駄が減少
される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の好適な一実施例について、添
付図面を参照して詳細に説明する。
【0010】図1は本発明に係わる加工素材の交換方法
が適用されるアモルファスシリコン太陽電池の製造工程
の一実施例を示す構成図である。本実施例で製造される
製品すなわち太陽電池の製造工程は、ステンレス薄板を
ロール状に巻いた加工素材22単位で、図5に示す様に
(1)洗浄、(2)成膜A、(3)成膜B、(4)成膜
C、(5)切断の工程を順に行い、全工程が終了するも
のである。
【0011】各成膜工程では(2)スパッタ法によるA
l/ZnO裏面反射層、(3)プラズマCVD法による
n/i/p型アモルファスシリコン半導体層、(4)ス
パッタ法によるITO透明導電層の加工がなされる。ま
た、(5)の切断の工程は、成膜された加工素材22を
シャーリング装置30にかけて定尺に切断するもので、
この定尺スラブが後の実装工程を経て最終製品として完
成する。
【0012】本実施例の製造装置10における各工程の
加工装置12,14,16,18は実際の加工を行うプ
ロセス部Pと、その前後に配置されロール状に巻かれた
薄板状の加工素材22をプロセス部Pを通過させて搬送
するための搬送部Tとから概略構成されている。図1に
おける各加工装置12,14,16,18の夫々には、
最初に加工素材22の巻出し装置24が配置されてお
り、洗浄、成膜等のプロセス部Pを経て、最後に加工素
材22の巻取り装置26が配置されている。具体的に
は、洗浄装置12では、巻出し装置24にセットされた
加工素材22が、溶剤洗浄槽、純水洗浄槽、ベーパー置
換槽、乾燥等のプロセス部Pを経て、巻取り装置26に
よって巻き取られる。なお、駆動系としては、巻取り装
置26に順回転モーターが配置されているとともに、巻
出し装置24には逆回転モーターが配置されており、一
定のテンションが保たれるようになされている。(5)
の切断工程ではロール状の加工素材22をセットした後
にNCフィーダ28で定量の送り出しを行い、シャーリ
ング装置30で切断を行う。
【0013】各加工装置12,14,16,18間で
は、巻取り装置26によって巻き取られロール状にされ
た加工素材22は、人手によってあるいはロボット等に
よって、次の工程の加工装置の巻出し装置24にセット
される。そして、この加工装置の巻出し装置24から再
び加工素材22が巻き出されて次のプロセスの加工が行
われる。従って、1つの加工装置とそれに隣り合う加工
装置の加工素材22のロールの巻出し回転方向は必然的
に互いに逆方向となり、各工程を経る毎に加工素材22
の始点と終点が逆転する。そして、各加工装置12,1
4,16,18で加工素材22に所定の加工が施される
と、この加工が施された加工素材は(5)の最終工程で
定尺に切断される。
【0014】加工装置12,14,16,18の各巻取
り装置26には、図2に示すように、加工素材22の巻
取りと同時回転する折返し回転ローラ32に直結したロ
ータリーエンコーダ34が備えられており、加工素材2
2の巻き取りスピードを一定に制御すると共に、PLC
内ではそのパルス信号をカウントすることにより、加工
素材22の巻き取り量(原点からの距離)を把握する。
【0015】ここでPLCとはプログラマブル・ロジッ
ク・コントローラの略称であり、多種類の制御がプログ
ラム次第で可能である。基本構成は、INPUTボー
ド、コンピュータユニット、OUTPUTボード、通信
モジュール等であり、信号・情報の収集はINPUTボ
ードか通信モジュールを介して行う。また、そのタイミ
ングも夫々アットランダムである。コンピュータユニッ
トでは一定時間毎に、それらの入力状態をチェックし、
該当するプログラム化されたロジックに従い、OUTP
UTボードか通信モジュールから所定の出力動作を行っ
たり、レジスターと呼ばれる固定番地のメモリー上に情
報を書き込んだりする。
【0016】次に、図3は、各加工装置のPLCの接続
状態を示した図であり、図4は、製造装置10に何らか
の異常が発生した場合の管理コンピュータ36内の情報
処理の流れを示した図である。
【0017】図3に示すように、各々の加工装置のPL
Cは、上位の管理コンピュータ36に接続されている。
(1)洗浄、(2)成膜装置A、(3)成膜装置B、
(4)成膜装置Cの各加工装置には、搬送部Tを制御す
るモーションコントロール用PLCとプロセス部Pを制
御するプロセスコントロール用PLCの2台が接続され
ている。モーションコントロール用PLCは、主に走行
系異常や加工素材の巻取り量といった搬送系にかかわる
動作や、稼動開始時にオペレータが操作盤に入力する情
報などを扱う。また、プロセスコントロール用PLCで
は、センサーや下位の制御機器からの異常信号を受け、
真空圧、放電電圧・電流、ガス圧、温度等の監視を行っ
ている。これらの入力に対しては各々決められたレジス
ターが用意されており、それがエラーコードとして外部
に対しての出力に用いられる。
【0018】ここで、図4に示すように、例えば成膜装
置Bの第2チャンバーの水素ガス流量低下が起きたとす
る。この場合、該当するマスフローコントローラから予
め設定されている圧力下限値を下回ったことを伝えるア
ラーム信号がPLCに入力され、PLCは即座にそのエ
ラーに割り当てられた固有レジスターにフラグを立て
る。なお、これらのアラーム信号やレジスターフラグ
は、この異常が回復するまで出力され続ける。同時に、
PLCの別のレジスターには、成膜装置Bにおける加工
素材22の巻取り量が入力されており、加工素材の搬送
に伴いその数値は刻々と変化する。
【0019】これらの情報を上位の管理コンピュータ3
6は一定の間隔で収集している。従って、異常処理の第
1ステップは、成膜装置Bの第2チャンバーの水素ガス
流量低下という異常(エラーコードを仮にM12とす
る)と、異常が起きたときの加工素材22の巻取り量
(l)と、異常が回復したときの加工素材の巻取り量
(l’)を1次データとして認識することである。また
他には、この該当加工素材のID番号(仮にA9401
1とする)や時刻なども対応付けて記憶保存される。な
お加工素材のID番号は、各装置の巻出し装置24に加
工素材22を装着する度に、加工素材交換時作業として
オペレーターがPLCに直接入力し、その情報が管理コ
ンピュータ36で収集される。
【0020】しかし、図6に示すように、ここで認識さ
れた加工素材22の巻取り量は成膜装置Bの巻取り装置
26における折り返し回転ローラ32の地点での原点か
らの距離であり、実際に本異常が影響を及ぼした第2チ
ャンバーにおける加工素材の距離とは異なる。そこで管
理コンピュータ36内では、各異常に対応した次の2つ
の固有値が予めテーブルとして用意されている。1つ
は、ずれ量(本例ではgとする)であり、これは加工素
材上の巻取り量計測地点からこの異常が影響を及ぼす先
端位置までの距離、すなわち本例では成膜装置Bの巻取
り装置26における折り返し回転ローラ32の地点から
第2チャンバーの先端までの距離となる。もう1つは、
この異常が影響を及ぼす範囲量(a)であり、本例では
第2チャンバー内の素材が全て影響をうけたということ
で第2チャンバー長が範囲量(本例ではaとする)とな
る。異常処理の第2ステップでは、すみやかにテーブル
の検索を行いそれらの固有値を得る。
【0021】異常処理の第3ステップは、これらの1次
データと固有値を使って、相対的な不良ポジションを算
出することである。本例では、「加工素材A94011
のl+gからl’+g+aの範囲にM12のエラー発
生」という2次データに変換される。
【0022】異常処理の第4ステップは、各工程固有の
相対的な不良ポジションを、加工素材固有の絶対的な不
良ポジションに補正・変換する処理となる。これには各
加工素材ごとの全長値と、次の2つの要素を考慮して行
う。 (1)各工程での巻取り量計測原点のばらつき 加工素材22の端点(絶対値0)から巻取り量計測原点
までの距離をオフセット値として加算する。 (2)工程(1)、(3)と工程(2)、(4)での加
工素材22の巻き出し回転方向の相違 工程(2)、(4)の場合は、流れ方向が逆転する(終
端から始端へ流れる)ので、加工素材22の巻取り量を
全長値から差し引く。
【0023】管理コンピュータ36内では、加工素材2
2毎の全長値(本例ではLとする)と各工程毎の巻取り
量計測原点のオフセット値(本例ではbとする)が予め
テーブルとして用意されている。本例では第3ステップ
で得られた2次データが次のように変換される。
【0024】 l+g → L−(l+g+b) l’+g+a → L−(l’+g+a+b) よって絶対的な不良ポジションを用いて最終的な不良デ
ータとなり、本例では、「加工素材A94011の(L
−(l’+g+a+b))から(L−(l+g+a))
の範囲にM12のエラーが生じた」という結果になる。
【0025】最終ステップとしては、この結果を加工実
績ファイルに書き込み、データ保存する。
【0026】加工素材22が工程(4)を終了した時点
で、オペレーターは管理コンピュータ36内の各加工実
績データの統合された結果をチェックする。ここでは予
め設定された各異常内容の軽重により、実装工程に流す
べきでない不良排出領域が自動的に選択されている。
【0027】最終の(5)の切断工程では、管理コンピ
ュータ36内の加工実績データを用いて、定尺に切断さ
れた個々のスラブが加工素材22の不良排出領域を含ん
でいるかどうか判断し、不良排出領域を含んでいる場合
には自動的に選別排除される。これら一連のシステムに
よって、品質上問題のないスラブのみが後の実装工程へ
送られるので、無駄な実装コストの削減、または検査コ
ストの削減を図ることができる。
【0028】次に、各加工装置での加工素材の交換方法
について説明する。
【0029】図7は、前述した(1)の洗浄工程におけ
る加工素材の交換方法を模式的に示した図である。
【0030】図7(a)に示すように、加工素材22の
洗浄が進み、巻出し装置24側の加工素材ロール32の
残量がわずかになると、残量がわずかになったことを不
図示の残量検出装置が検出し、加工素材の巻出し及び巻
取りが停止される。この残量検出装置は、例えば、加工
素材ロール32の厚みを検出するセンサー等から構成さ
れる。
【0031】次に、オペレータは、巻出し装置24側の
加工素材ロール32の残量を目視で確認しながら、巻出
し装置24及び巻取り装置26をマニュアルで動かすこ
とができるボタン等を操作し、図7(b)に示すように
半自動送りで加工素材22の先端部を巻出し装置24か
らリリースさせる。
【0032】次に、オペレータは、図7(c)に示すよ
うに新たな加工素材ロール32’を巻出し装置24に装
着し、この新たな加工素材ロール32’の先端部と、加
工素材22の後端部を溶接する。
【0033】次に、オペレータは、図7(d)に示すよ
うに、再び目視で確認しながら半自動送りで加工素材2
2を移動させ、溶接部34を巻取り装置26側に移動さ
せる。そして、図7(e)に示すように加工素材22を
溶接部34の位置で切断する。
【0034】その後、オペレータは、図7(f)に示す
ように、巻取り装置26側に巻き取られた加工素材ロー
ル36を巻取り装置26から取り外し、新たな加工素材
ロール32’の先端部を人手により巻取り装置26に巻
き付ける。
【0035】以上により、洗浄工程における加工素材ロ
ールの交換を終了する。なお、この洗浄工程では、前述
した折り返し回転ローラ32に直結されたロータリーエ
ンコーダ34の回転数により、加工素材22の全長を測
定しておく。
【0036】次に、前述した(2)の成膜A工程乃至
(4)の成膜C工程の各工程における加工素材の交換方
法について説明する。図8は、(2)の成膜A工程乃至
(4)の成膜C工程における加工素材の交換方法を模式
的に示した図である。なお、(2)乃至(4)の工程に
おける加工素材の交換方法は共通であるので、(2)の
成膜A工程における加工素材の交換方法をそれらの代表
として説明する。
【0037】この成膜A工程においては、成膜加工が真
空中で行われるため、巻出し装置24、加工装置(プロ
セス部)P、巻取り装置26は、それぞれ真空チャンバ
ー36,38,40に収納されている。そして、成膜加工
が行われている状態では、夫々の真空チャンバー36,
38,40は全て空気を吸引されて真空状態とされてい
る。
【0038】まず、図8(a)に示すように、加工素材
22の加工が進み、巻出し装置24側の加工素材ロール
32の残量がわずかになると、残量がわずかになったこ
とを不図示の残量検出装置が検出し、加工素材の巻出し
及び巻取りが停止される。この残量検出装置は、例え
ば、加工素材ロール32の厚みを検出するセンサー等か
ら構成される。
【0039】次に、オペレータは、図8(b)に示すよ
うに、加工装置Pが収納されている真空チャンバー38
の両端に配置されたピンチバルブ42,44を閉鎖す
る。この状態では、真空チャンバー38は気密状態にな
り真空が保たれるとともに、加工装置Pの両側の加工素
材22の部分は、ピンチバルブ42,44に挟まれて動
けない状態となっている。そして、巻出し装置24及び
巻取り装置26が収納されている真空チャンバー36,
40のみを大気に開放して真空状態を解除する。
【0040】次に、オペレータは、図8(c)に示すよ
うに、加工装置Pの両側の加工素材22の部分を切断す
る。
【0041】次に、図8(d)に示すように、巻取り装
置26側の加工の終了した加工素材ロール46を巻取り
装置26から取り外し、巻出し装置24側のわずかに残
った未加工の加工素材ロール32を巻取り装置26に装
着する。また、空になった巻出し装置24には新たな加
工素材ロール32’を装着する。そして、ピンチバルブ
42,44に挟まされている加工素材22の後端部には
新たな加工素材ロール32’の先端部を溶接するととも
に、前端部には巻取り装置26に装着された加工素材ロ
ール32の先端部を溶接する。これで新たな加工素材ロ
ール32’が巻取り可能な状態となる。なお、ここで
は、巻取り装置26側に巻出し装置24側に残った加工
素材ロール32を装着したが、これは、廃材を有効に利
用するためのもので、加工素材を少量巻いた別のロール
を用意して巻取り装置26に装着するようにしても良
い。
【0042】次に、巻出し装置24と巻取り装置26が
収納された真空チャンバー36,40から空気を吸引
し、真空チャンバー36,40を再び真空状態とする。
このとき真空チャンバー36,40は、巻出し装置24
と巻取り装置26を収納するだけの容積があれば良いの
で、比較的容積が小さく、真空になるまでの時間は短く
てすむ。そして、真空チャンバー36,40が真空とな
った時点で、ピンチバルブ42,44を開き、真空チャ
ンバー36,38,40が連通した状態とする。この時点
で、加工素材22は、ピンチバルブ42,44による拘
束が解かれるので、自由に搬送されることが可能とな
り、加工装置Pによる加工が再開される。
【0043】すなわち、上記のような方法で、加工素材
の交換を行えば、容積の大きい真空チャンバー38の真
空状態を保ったまま、加工素材の交換が行えるので、真
空チャンバー36,38,40全体の真空を回復するまで
の時間が短くてすみ、製造装置の停止時間を短縮するこ
とが可能となる。
【0044】次に、図9乃至図13は、上記のような加
工素材の交換方法を行った場合に生ずる加工素材の原点
のずれと全長値の関係を示した図である。
【0045】まず、図9及び図13(a)を参照して
(1)の洗浄工程における原点位置と全長値の関係につ
いて説明する。
【0046】洗浄の工程では、加工素材ロール32は、
巻出し装置24にセットされた後、人手によりその先端
部(原点O)が巻き出されて図9(a)に示すように巻
取り装置26側に巻き付けられる。このときの巻き付け
長が図9(a)及び図13(a)に示すWTである。こ
のように原点OからWTだけずれた位置M1から加工素
材22の有効なロール長WMの測定が開始される。な
お、巻出し装置24側の加工素材32の終端点をL点
(この点の原点Oからの座標をLとする)とする。
【0047】その後、洗浄が進み図9(b)に示すよう
に巻出し装置24側の加工素材ロール32の残量が少な
くなると洗浄が停止される。この時点で、加工素材22
の有効なロール長WMの測定を終了する。従って、この
時点では、巻取り装置26側には、WT+WMの長さの
加工素材22が巻き取られている。なお、洗浄装置内に
残されている加工素材の長さを洗浄インライン長WI、
巻出し装置側に残されている加工素材の長さを洗浄残長
WRとする。従って、加工素材22のロールのの全長す
なわち先端点Lの原点Oからの座標はL=WT+WM+
WI+WRで表わされる。
【0048】この後、オペレータは目視による半自動送
りで図9(c)に示すような位置まで加工素材22を移
動させる。そして、新たな加工素材ロール32’を巻出
し装置24側にセットし、加工素材22の先端点Lと加
工素材ロール32’の先端点O’とを図9(d)に示す
ように溶接する。
【0049】次に、図9(e)に示すように加工素材2
2を半自動送りで移動させ、加工素材22の先端点Lを
巻取り装置26側に移動させる。そして、図9(f)に
示すように、加工素材22をL点とO’点の接合部にお
いて切断する。
【0050】以上のようにして、加工素材ロール32の
洗浄工程が終了する。そして、この洗浄工程では、上記
の説明からわかるように、加工素材ロール32(36)
の長さは、洗浄の前と洗浄の後で全く同一(長さL)で
ある。
【0051】次に、図10及び図13(b)を参照して
(2)の成膜A工程における原点位置と全長値の関係に
ついて説明する。
【0052】まず、成膜A工程の前回の加工の終了時点
では、図10(a)に示すように、成膜A工程の加工ユ
ニットには、巻出し装置24側に成膜Aの残量である長
さARの加工素材ロール36”が残されており、巻取り
装置26側に成膜Aが終了した加工素材ロール50’が
残されている。また成膜装置内には、成膜Aのインライ
ン長AIの長さの加工素材22が残されている。
【0053】この状態から次のロールの加工のために、
図10(b)に示すように、巻出し装置24側に残され
た加工素材ロール36”を巻取り装置26側に装着し、
洗浄工程の終了した長さLの加工素材ロール36を巻出
し装置24側に装着する。そして、加工素材ロール36
の先端点Lと成膜装置内にある加工素材22の後端部と
を溶接するとともに、加工素材ロール36”の端部と加
工素材22の前端部M2とを溶接する。この時点で加工
素材22の全長はL+AI+ARとなる。すなわち、巻
取り装置26側に巻き取られている加工素材22の先端
点(黒星印で示す)の原点Oからの座標は、L+AI+
ARとなっている。なお、加工素材の有効ロール長AM
の計測は、加工素材22の前端部であるM2点から開始
される。
【0054】その後加工素材22が巻取り装置26側に
巻き取られながら成膜Aの加工が行われ、最終的に図1
0(c)に示したように、加工素材ロール36の残量が
わずかになった時点で、成膜A工程の加工ユニットは停
止される。
【0055】次に、図10(d)に示すように成膜装置
内にある加工素材22の前後を切断する。このときの加
工素材ロール36の残量長は、図10(a)の場合と同
様にARであり、インライン長はAIである。従って、
切断された後の時点では、巻取り装置26側に巻き取ら
れている加工素材ロール50の先端点(黒星印で示す)
の原点Oからの座標はL+AI+ARであり、後端点
(白星印で示す)の座標はAI+ARとなっている。こ
の様子を図13(b)に示す。
【0056】次に、図11及び図13(c)を参照して
(3)の成膜B工程における原点位置と全長値の関係に
ついて説明する。
【0057】まず、成膜B工程の前回の加工の終了時点
では、図11(a)に示すように、成膜B工程の加工ユ
ニットには、巻出し装置24側に成膜Bの残量である長
さBRの加工素材ロール50”が残されており、巻取り
装置26側に成膜Bが終了した加工素材ロール52’が
残されている。また成膜装置内には、成膜Bのインライ
ン長BIの長さの加工素材22が残されている。なお、
ここで、加工素材ロール50”の残量長BRは、前工程
の成膜Aの未加工部分を避けるためにBR>AR+AI
となるように設定されている。
【0058】この状態から次のロールの加工のために、
図11(b)に示すように、巻出し装置24側に残され
た加工素材ロール50”を巻取り装置26側に装着し、
成膜A工程の終了した加工素材ロール50を巻出し装置
24側に装着する。そして、加工素材ロール50の先端
点(座標AI+AR)と成膜装置内にある加工素材22
の後端部とを溶接するとともに、加工素材ロール50”
の端部と加工素材22の前端部M32とを溶接する。こ
の時点で、巻取り装置26側に巻き取られている加工素
材22の先端点(白菱形印で示す)の原点Oからの座標
は、AR+AI−BI−BRとなっている。なお、加工
素材の有効ロール長BMの計測は、加工素材22の前端
部であるM3点から開始される。
【0059】その後加工素材22が巻取り装置26側に
巻き取られながら成膜Bの加工が行われ、最終的に図1
1(c)に示したように、加工素材ロール50の残量が
わずかになった時点で、成膜B工程の加工ユニットは停
止される。
【0060】次に、図11(d)に示すように成膜装置
内にある加工素材22の前後を切断する。このときの加
工素材ロール50の残量長は、図11(a)の場合と同
様にBRであり、インライン長はBIである。従って、
切断された後の時点では、巻取り装置26側に巻き取ら
れている加工素材ロール52の先端点(白菱形印で示
す)の原点Oからの座標はAR+AI−BI−BRであ
り、後端点(黒菱形印で示す)の座標はL+AI+AR
−BR−BIとなっている。この様子を図13(c)に
示す。
【0061】次に、図12及び図13(d)を参照して
(4)の成膜C工程における原点位置と全長値の関係に
ついて説明する。
【0062】まず、成膜C工程の前回の加工の終了時点
では、図12(a)に示すように、成膜C工程の加工ユ
ニットには、巻出し装置24側に成膜Cの残量である長
さCRの加工素材ロール52”が残されており、巻取り
装置26側に成膜Cが終了した加工素材ロール54’が
残されている。また成膜装置内には、成膜Cのインライ
ン長CIの長さの加工素材22が残されている。なお、
ここで、加工素材ロール52”の残量長CRは、前工程
の成膜Bの未加工部分を避けるためにCR>BR+BI
となるように設定されている。
【0063】この状態から次のロールの加工のために、
図12(b)に示すように、巻出し装置24側に残され
た加工素材ロール52”を巻取り装置26側に装着し、
成膜B工程の終了した加工素材ロール52を巻出し装置
24側に装着する。そして、加工素材ロール52の先端
点(座標L+AI+AR−BR−BI)と成膜装置内に
ある加工素材22の後端部とを溶接するとともに、加工
素材ロール52”の端部と加工素材22の前端部M4と
を溶接する。この時点で、巻取り装置26側に巻き取ら
れている加工素材22の先端点(黒四角印で示す)の原
点Oからの座標は、L+AI+AR−BR−BI+CI
+CRとなっている。なお、加工素材の有効ロール長C
Mの計測は、加工素材22の前端部であるM4点から開
始される。
【0064】その後加工素材22が巻取り装置26側に
巻き取られながら成膜Cの加工が行われ、最終的に図1
2(c)に示したように、加工素材ロール36の残量が
わずかになった時点で、成膜C工程の加工ユニットは停
止される。
【0065】次に、図12(d)に示すように成膜装置
内にある加工素材22の前後を切断する。このときの加
工素材ロール52の残量長は、図12(a)の場合と同
様にCRであり、インライン長はCIである。従って、
切断された後の時点では、巻取り装置26側に巻き取ら
れている加工素材ロール54の先端点(黒四角印で示
す)の原点Oからの座標はL+AI+AR−BR−BI
+CI+CRであり、後端点(白四角印で示す)の座標
はAR+AI−BI−BR+CI+CRとなっている。
この様子を図13(d)に示す。
【0066】以上のようにして、各加工工程毎に変化す
る加工素材の座標が絶対座標に換算されることとなる。
【0067】次に、上記のような加工素材の交換方法を
適用した場合の製造欠陥位置を算出する方法について説
明する。
【0068】図14は、洗浄工程、成膜A工程、成膜B
工程、成膜C工程の夫々における巻き付け長、残長、イ
ンライン長、ロール長を示した図であり、図15は、各
工程で製造欠陥が起きた場合の、その欠陥の座標の算出
のしかたを示した図である。
【0069】図15においては、各工程での有効ロール
長の計測原点、すなわち洗浄工程ではM1点、成膜A工
程ではM2点、成膜B工程ではM3点、成膜C工程では
M4点を加工素材の長さの計測値スケールの原点として
示してある。
【0070】ここで、1つの例として、成膜装置Bの第
2チャンバーに時刻tにおいて異常が発生し、時刻t0
において装置を停止させたとする。この場合、図15
(c)及び図16に示すように、巻取り装置26側には
時刻tにおいては、AR+AI−BI+BM(t)だけ
の加工素材が巻き取られている。ここで、BM(t)と
は、時刻tにおけるM3点からの加工素材の巻取り量を
示す。従って、基準位置から第2チャンバーの前端部ま
での距離をE(from)とすると、加工素材の加工欠
陥は、AR+AI−BI+BM(t)+E(from)
の地点から始まることとなる。一方、装置が停止した時
刻t0においては、巻取り装置26側には、AR+AI
−BI+BM(t0)だけの加工素材が巻き取られてい
る。ここで、BM(t0)とは、時刻t0におけるM3
点からの加工素材の巻取り量を示す。従って、基準位置
から第2チャンバーの後端部までの距離をE(to)と
すると、加工素材の加工欠陥は、AR+AI−BI+B
M(t)+E(to)の地点で終了することとなる。従
って、このような計算を行うことにより、加工素材のど
の地点にどれだけの長さの加工欠陥が発生したかを正確
に把握することができる。
【0071】他の洗浄工程、成膜A工程、成膜C工程に
おいても同様の計算を行うことにより、加工素材のどの
位置に加工欠陥が発生したかを把握することができる。
このデータは管理コンピュータ36内のメモリに記憶し
ておく。
【0072】なお、図17及び図18は、図14及び図
15に実際の数値をあてはめた例を示した図であり、図
示したように計算値が求められる。次に、上記のように
して求められ、管理コンピュータ36内に記憶された加
工欠陥の位置情報をもとに、(5)の切断工程で、成膜
加工が終了した加工素材ロール54を各単品(以下スラ
ブと呼ぶ)に切断する方法について説明する。
【0073】図19は、切断工程を行うシャーリング装
置30の構成を示した概略図である。図19において、
成膜工程の終了した加工素材ロール54は、巻出し装置
60に装着された後、巻出し装置60から巻き出され、
送りガイド62を介してグリッパー64まで搬送され
る。グリッパー64は、送りガイド62から加工素材2
2の先端部を引き出して、この加工素材22をプレス機
66に送り出す。プレス機66は、切断型68により加
工素材22を定尺に切断し、単品のスラブに分離する。
単品に分離されたスラブは、分別装置70により分別さ
れ、良品は収納箱72に収納されると共に、不良品は不
図示の回収ストッカーに廃棄される。なお、巻出し装置
60、送りガイド62、グリッパー64、プレス機66
及び分別装置70は、図3に示したNCコントローラに
よりその動作を制御される。
【0074】次に、図20は、不良のスラブを選別する
方法を説明するための図である。本実施例においては、
加工素材ロール22は、800m程度の長さがあり、各
スラブは300mm四方のものであるため、1つの加工素
材ロールからは、2500枚程度のスラブを採ることが
できる。本実施例では、この2500枚程度のスラブを
例えば50枚ずつのロットに分けて良・不良の選別を行
う。
【0075】各ロットは、50枚のスラブとその最後の
スラブに連続する1枚のQAクーポンとから構成され
る。ここで、QAクーポンとは、クオリティアシュアラ
ンスクーポンを略したものであり、そのロットを代表す
る検査用サンプルのことを意味する。QAクーポンは、
通常のスラブよりも小さい検査専用のサンプルであり、
検査後は廃棄される。
【0076】本実施例では、既に説明したような方法に
より、加工素材ロール54のどの部分にどれだけの長さ
の不良が存在するかということが、データとして記憶さ
れている。そのため、各ロットのスラブの個数は、この
データに基づいて不良部分を避けながら設定される。こ
のロットの設定は、実際の切断加工を行う前に、管理コ
ンピュータ36によって行われ、図20に示すようにデ
ィスプレイ上に表示される。
【0077】図20は、ディスプレイの画面上に表示さ
れる各ロットへのスラブの個数の割り付け方を具体的に
示したものである。図20において、例えば加工素材の
端から24mの位置から有効加工領域(図15参照)が
始まっている場合は、この24mの地点から1枚目のス
ラブを採り始め、合計50枚のスラブとこれに加えて1
枚のQAクーポンを第1ロットとする。第2ロットは、
第1ロットの終了地点から、第1ロットと同様に50枚
のスラブと1枚のQAクーポンを採る。以下同様に50
枚のスラブと1枚のQAクーポンからなるロットを順次
採っていく。
【0078】ここで、例えば3番目のロットの36枚目
のスラブの途中からスラブ7枚分の加工欠陥があった場
合には、そのロットは、35枚のスラブで終了させ、3
5枚目のスラブの終了点と加工欠陥が始まる点の間の部
分からQAクーポンを1枚採る。もし35枚目のスラブ
の終了点と加工欠陥が始まる点までの間隔がQAクーポ
ンを採るのに足りない場合は、34枚目のスラブを終了
点とし、35枚目の部分からQAクーポンを採る。同様
に、例えば4番目のロットの21枚目のスラブの途中か
らスラブ21枚分の加工欠陥があった場合には、そのロ
ットは、20枚のスラブで終了させ、20枚目のスラブ
の終了点と加工欠陥が始まる点の間の部分からQAクー
ポンを1枚採る。このようにして、各ロットへのスラブ
枚数の割り付けが行われる。
【0079】なお、ディスプレイの画面上には、図示し
たように、加工素材ロールのID番号、1枚のスラブの
長さ、QAクーポンの長さ、1ロットの基本的なスラブ
枚数、加工素材ロールの有効加工領域の長さ、ロット割
り付け後の総ロット数、総スラブ数、総欠陥スラブ数、
不良品率等が表示される。このようにディスプレイ上に
ロット割り付けが表示されると、オペレータはそれで問
題がないかどうかを判断し、問題ない場合は、画面上の
CONFIRMをクリックして、ロット割り付けを確定
する。また、例えば、ある1ロットが始まった部分の直
後から加工欠陥が始まって、1ロットが数枚で終了して
しまうような場合は、オペレータの判断により、そのロ
ットを前のロットあるいは次のロットに含めてしまうよ
うな操作も可能である。
【0080】また、切断工程の前の洗浄工程及び成膜工
程では、既に述べたように加工素材ロールの位置及び欠
陥位置を計測しているが、この計測値には若干の誤差が
含まれている。そのため、測定値を完全に正しいものと
してロットの割り付けを行うと、不良品と判断された加
工素材の範囲に良品が含まれる可能性があり、材料の無
駄が発生する。そのため、本実施例では、例えば加工欠
陥のある領域が3m以上連続した場合に確実に不良部分
があると判断し、さらにその3m以上の不良領域の例え
ば前後1mずつを除いた範囲を確実な不良部分と判断す
る。すなわち、丁度3mの不良範囲があった場合には、
その中央部の1mの部分のみを確実な不良領域としてロ
ット割り付けから除外する。この中央部の1mの範囲の
前後1mは、良品であるか不良品であるかはっきりとは
わからない部分であるが、とりあえず、良品として扱っ
ておく。そして、製品が完成した時点で、全数検査を行
い、不良であると判断された場合には、あらためて廃棄
される。
【0081】上記のようなロット割り付けが終了する
と、この割り付けデータに従って、シャーリング装置3
0により実際の切断が行われる。ここで、オペレータ
は、加工素材ロール54を巻出し装置60にセットする
ときに、加工素材ロールのID番号及びスラブ長をNC
コントローラに入力する。これにより、NCコントロー
ラと管理コンピュータ36の交信が行われる。管理コン
ピュータでは、図20に示したように設定されたロット
割り付けの情報と、入力された情報の照合を行い、差異
がなければ切断指示情報をNCコントローラ側に一括し
てダウンロードする。もし異常があれば、NCコントロ
ーラ側に異常信号を出力すると共にディスプレイ上にエ
ラーを表示する。
【0082】その後、実際の切断作業が開始されると、
NCコントローラからは1ロットの加工が終了するごと
に、ロットナンバー、ロット枚数、及び先頭スラブナン
バーを実績データとして送り返してくるので、管理コン
ピュータ36は、そのデータをファイルすると共にディ
スプレイ上に表示する。また、切断作業中においては、
ロット割り付けの対象外となった不良部分は、定尺単位
で切断されず、まとめて切断される。
【0083】図21は、このように切断作業の進行につ
れて、リアルタイムにディスプレイ上に表示されるデー
タを示したものである。図21に示すように、ディスプ
レイ上には、加工実績データとして、加工素材ロールの
IDナンバー、スラブ長、ロットナンバー、ロット枚
数、先頭スラブナンバー、ロットの先頭座標、及び欠陥
スラブ枚数等が表示される。
【0084】なお、切断作業の進行につれて、分別装置
70は、NCコントローラの制御に従って、良品スラブ
は収納箱72に収納し、不良品スラブは廃棄するように
選別作業を行う。以上説明したように、上記の実施例に
よれば、切断工程の前に計測された加工素材ロールのど
の位置にどれだけの長さの加工欠陥が存在するかという
情報に基づいて、各スラブの切断動作を制御するように
している。従って、切断工程では、真の不良部分のみを
切断して廃棄することができるので、材料の無駄が減少
される。
【0085】なお、本発明はその主旨を逸脱しない範囲
で、上記実施例を修正または変形したものに適用可能で
ある。
【0086】例えば、上記の実施例では、太陽電池を製
造する場合について説明したが、本発明はこれに限定さ
れることなく、連続体を加工素材として複数の物品を製
造するものであれば何にでも適用可能である。
【0087】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の連続体を加
工素材とする物品の製造方法においては、切断の前工程
において計測された連続体のどの部分にどれだけの長さ
の加工欠陥があるかという情報に基づいて、単体の切断
を行うようにしている。従って、切断の工程では、どの
部分に不良があるかという検査を行う必要がなく、切断
工程の手間が低減される。また、連続体のどの位置にど
れだけの長さの加工欠陥があるかということがわかって
いるので、切断工程では、真の不良部分のみを切断して
廃棄することができるので、材料の無駄が減少される。
【0088】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる製造装置及び製造方法を太陽電
池の製造に適用した場合の製造工程の一実施例を示す構
成図である。
【図2】巻き取り装置の構成を示した図である。
【図3】各加工装置のPLCの接続状態を示した図であ
る。
【図4】製造装置に何らかの異常が発生した場合の処理
の流れを示した図である。
【図5】太陽電池の製造工程の流れを示した図である。
【図6】帯状連続体の位置関係を示した図である。
【図7】洗浄工程における加工素材の交換方法を模式的
に示した図である。
【図8】成膜A工程乃至成膜C工程における加工素材の
交換方法を模式的に示した図である。
【図9】一実施例の加工素材の交換方法を行った場合に
生ずる加工素材の原点のずれと全長値の関係を示した図
である。
【図10】一実施例の加工素材の交換方法を行った場合
に生ずる加工素材の原点のずれと全長値の関係を示した
図である。
【図11】一実施例の加工素材の交換方法を行った場合
に生ずる加工素材の原点のずれと全長値の関係を示した
図である。
【図12】一実施例の加工素材の交換方法を行った場合
に生ずる加工素材の原点のずれと全長値の関係を示した
図である。
【図13】一実施例の加工素材の交換方法を行った場合
に生ずる加工素材の原点のずれと全長値の関係を示した
図である。
【図14】洗浄工程、成膜A工程、成膜B工程、成膜C
工程の夫々における巻き付け長、残長、インライン長、
ロール長を示した図である。
【図15】各工程で製造欠陥が起きた場合の、その欠陥
の座標の算出のしかたを示した図である。
【図16】各工程で製造欠陥が起きた場合の、その欠陥
の座標の算出のしかたを示した図である。
【図17】図14に実際の数値をあてはめた例を示した
図である。
【図18】図15に実際の数値をあてはめた例を示した
図である。
【図19】切断工程を行うシャーリング装置の構成を示
した概略図である。
【図20】ディスプレイの画面上に表示される各ロット
へのスラブの個数の割り付け方を具体的に示した図であ
る。
【図21】切断作業の進行につれて、リアルタイムにデ
ィスプレイ上に表示されるデータを示した図である。
【符号の説明】
10 製造装置 12,14,16,18 加工装置 22 加工素材 24 巻出し装置 26 巻取り装置 28 NCフィーダ 30 シャーリング装置 32 折返し回転ローラ 34 ロータリーエンコーダ 36 管理コンピュータ P プロセス部 T 搬送部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工素材としての連続体に定尺単位で同
    一加工を施し、その後該連続体を定尺の単体に切り離す
    ことにより、多数の同一製品を製造する連続体を加工素
    材とする物品の製造方法において、 連続体に加工を施す工程において測定された、連続体の
    位置に対応した加工実績データに基づいて、連続体を切
    断する工程において連続体を切り離す箇所を決定するこ
    とを特徴とする連続体を加工素材とする物品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記連続体を切断する工程において、連
    続体を実際に切断する動作に先立って、製造装置を制御
    するコンピュータ内で予め設定されたルールに従い、ロ
    ット構成や不良排出すべき単体の分布状態を演算し、そ
    の演算結果を作業者が確認できるようにディスプレイ上
    に表示することを特徴とする請求項1に記載の連続体を
    加工素材とする物品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記製造装置を制御するコンピュータか
    ら、切断装置を制御するコントローラに対して、単体の
    切断指示、不良排出指示、及びロットごとの検査サンプ
    ル切断指示等を送信する場合に、ロットごとの単体ショ
    ット数と不良排出すべき単体ショット数の2種類の情報
    を送信することを特徴とする請求項2に記載の連続体を
    加工素材とする物品の製造方法。
JP4403595A 1995-03-03 1995-03-03 連続体を加工素材とする物品の製造方法 Withdrawn JPH08243986A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008108036A1 (ja) * 2007-03-01 2008-09-12 Sharp Kabushiki Kaisha 基材処理装置及びそれを用いた基材処理方法

Cited By (2)

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WO2008108036A1 (ja) * 2007-03-01 2008-09-12 Sharp Kabushiki Kaisha 基材処理装置及びそれを用いた基材処理方法
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